JP6747364B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動装置に関し、詳しくは、複数気筒のエンジンと、エンジンをクランキング可能なモータと、を備える駆動装置に関する。
従来、この種の駆動装置としては、モータによりエンジンをクランキングする際に、クランク軸に生じるトルク脈動を推定し、トルク脈動を打ち消す制振トルクを考慮した始動トルクがモータから出力されるように制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、制振トルクを考慮することにより、エンジンのクランキング時の振動を抑制している。
特開2014−181691号公報
エンジン始動時の振動の主な要因としては、エンジンの各気筒の圧縮・膨張におけるトルク脈動やエンジンと後段との間のダンパによる共振を挙げることができる。また、エンジンをクランキングする際に、エンジンブロックなどに生じる始動反力でエンジン等がマウント上で移動することによる振動も要因として挙げることができる。これらの振動は、エンジンの爆発燃焼の間隔(4気筒エンジンの場合にはクランク角において180度範囲の間隔)を周期とするから、この間隔毎にトルク脈動を考慮した始動トルクを用いてモータによりエンジンをクランキングすればよいことになる。しかし、エンジンの搭載位置によっては特定の気筒の圧縮・膨張が他の気筒の圧縮・膨張より大きくなる場合があり、この場合、エンジンの爆発燃焼の間隔の周期で異なる大きさのトルク脈動を生じる。このため、振動の周期をエンジンの全気筒の爆発燃焼の間隔(クランク角において720度範囲の間隔)とし、この間隔毎にトルク脈動を打ち消すように演算した始動トルクを用いてモータによりエンジンをクランキングすれば、エンジン始動時の振動をより抑制することができる。一方、この場合、始動トルクを決定するためのマップのサイズが大きくなるため、エンジンオイルが低温であることに起因してエンジンの回転数が制振制御が不要となる回転数となるまでに時間を要する場合には、始動トルクの演算による処理負荷が過大になってしまう。
本発明の駆動装置は、エンジン始動時の制振の精度と処理負荷の両立を図ることを主目的とする。
本発明の駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
複数気筒のエンジンと、
前記エンジンをクランキング可能なモータと、
前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
を備える駆動装置であって、
前記制御装置は、前記モータにより前記エンジンをクランキングするとき、前記エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度以上のときには、前記モータからクランク角の360度範囲毎または720度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるように前記モータを制御し、前記反映温度が前記所定温度以上のときには、前記モータからクランク角の360度範囲より小さく且つ前記エンジンの爆発燃焼の間隔の所定数分のクランク角度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるように前記モータを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の駆動装置では、モータによりエンジンをクランキングするときに、エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度以上のときには、モータからクランク角の360度範囲毎または720度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるようにモータを制御する。こうすれば、エンジンの爆発燃焼の間隔の1回分のクランク角度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるようにモータを制御するものに比して、クランキング時の振動を抑制することができ、制振の精度を高くすることができる。エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度以上のときには、エンジンオイルの粘性はあまり高くないから、エンジンの回転数が制振制御が不要となる程度の回転数に至るまでに要する時間は短いため、モータからトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクを演算する際のマップのサイズが大きくても、トルク演算による処理負荷は過大にはならない。一方、モータによりエンジンをクランキングするときに、エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度未満のときには、モータからクランク角の360度範囲より小さく且つエンジンの爆発燃焼の間隔の所定数分のクランク角度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるようにモータを制御する。ここで、所定数としては値1や値2などを用いることができる。クランク角度範囲は、4気筒エンジンの場合には所定数として値1を用いれば180CAとなり、6気筒エンジンの場合には所定数として値1を用いれば120CA、所定数として値2を用いれば240CAとなり、8気筒エンジンの場合には所定数として値1を用いれば90CA、所定数として値2を用いれば180CA、所定数として値3を用いれば270CAとなる。エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度未満のときには、エンジンオイルの粘性は比較的高くなるため、エンジンの回転数が制振制御が不要となる程度の回転数に至るまでに要する時間は長くなるが、モータからトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクを演算する際のマップのサイズは小さいから、トルク演算による処理負荷は過大にならない。これらの結果、エンジン始動時の制振の精度と処理負荷の両立を図ることができる。なお、反映温度としては、エンジンの温度、エンジンオイルの温度、エンジンの冷却水の温度などを用いることができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される制振マップ設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22のクランキング開始時のクランク角積算値とクランクシャフト26に生じるトルクとの関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、蓄電装置としてのバッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を用いて吸気,圧縮,膨張(爆発燃焼),排気の各行程により動力を出力する4気筒の内燃機関として構成されている。図2に示すように、エンジン22は、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸気管125に吸入すると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128aを介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ128bを介して排気管133に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気に排出される。このエンジン22は、吸気バルブ128aや排気バルブ128bの開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150a,150bを備える。
図1に示すように、エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。また、吸気バルブ128aを開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ128bを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144a,144bからのカム角θca,θcbも挙げることができる。さらに、スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度THや、吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Taも挙げることができる。排気管に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AFや、排気管に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2も挙げることができる。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動制御信号や、燃料噴射弁126への駆動制御信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への駆動制御信号,可変バルブタイミング機構150a,150bへの駆動制御信号も挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2と接続されると共に電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbやバッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションSPとアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36の要求駆動力を設定し、要求駆動力に見合う要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2とを運転制御する。走行モードとしては、エンジン22の運転を停止してモータMG2からのトルクにより走行するモータ走行モード(EV走行モード)と、バッテリ50の充放電を伴ってエンジン22とモータMG1,MG2との駆動により走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)がある。
なお、実施例の駆動装置としては、エンジン22と、モータMG1と、プラネタリギヤ30と、エンジンECU24と、HVECU70と、が該当する。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20が搭載する駆動装置の動作、特に、エンジン22の始動時の動作について説明する。エンジン22の始動は、クランキングによりクランクシャフト26に生じるトルク脈動を抑制する制振トルクとクランキングトルクとの和のトルクをモータMG1から出力することによってエンジン22をクランキングして行なわれる。制振トルクは、実施例では、クランクシャフト26の180度範囲の第1制振マップを用いて演算するか、或いは、クランクシャフト26の720度範囲の第2制振マップを用いて演算する。いずれの制振マップを用いるかについてはHVECU70により実行される図3に例示する制振マップ設定ルーチンにより設定される。このルーチンは、エンジン22の始動開始時に実行される。
制振マップ設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、エンジン22の始動処理であるか否かを確認する(ステップS100)。エンジン22の始動処理ではないと判定したときには、エンジン始動時の制振マップの設定は不要と判断し、本ルーチンを終了する。エンジン22の始動処理であるのを確認すると、エンジン22の冷却水の温度(冷却水温)Twを入力する(ステップS110)。冷却水温Twは、水温センサ142により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力することができる。
次に、入力した冷却水温Twが閾値Tref未満であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、閾値Trefは、エンジンオイルの粘性が比較的高くなる上限近傍の冷却水の温度として予め定められるものである。冷却水温Twが閾値Tref未満であると判定したときには、クランクシャフト26の180度範囲の第1制振マップを設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了し、冷却水温Twが閾値Tref以上であると判定したときには、クランクシャフト26の720度範囲の第2制振マップを設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。このように制振マップを設定する理由を以下に説明する。
図4に、エンジン22のクランキング開始時のクランク角積算値とクランクシャフト26に生じるトルクとの関係の一例を示す。実施例では、エンジン22は4気筒エンジンであるため、図示するように、圧縮・膨張の周期は180CAとなる。上述したように、エンジン22の搭載位置によっては特定の気筒の圧縮・膨張の際のトルクが他の気筒の圧縮・膨張の際のトルクより大きくなる場合があり、図4の例では、クランク角積算値の460CAから640CAまでの周期(180CA範囲)で圧縮・膨張の際のトルクが他の周期で圧縮・膨張の際のトルクより負側にも正側にも大きくなっている。このため、制振マップとしては720度範囲の第2制振マップを用いることにより、周期における圧縮・膨張の際のトルクの変動に対しても良好に対応することができ、制振の精度を高くすることができる。こうしたトルク脈動は、エンジン22の回転数Neがある程度大きくなると振動への影響が小さくなるため、制振トルクの演算は不要となる。一方、冷却水温Twが閾値Tref未満のときには、エンジンオイルの粘性が比較的高いため、エンジン22の回転数Neが制振トルクの演算が不要となる程度の回転数になるまでに時間を要するから、720度範囲の第2制振マップを用いて制振トルクの演算を行なうと、トルク演算による処理負荷が過大になる場合が生じる。実施例では、こうしたトルク演算による処理負荷が過大になるのを抑止するために、冷却水温Twが閾値Tref未満のときには、制振マップとして180度範囲の第1制振マップを用いるのである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20が搭載する駆動装置では、エンジン22を始動するときにエンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上のときには、制振マップとしては720度範囲の第2制振マップを用いて制振トルクを演算する。これにより、トルク脈動に基づく振動を抑制することができ、制振の精度を高くすることができる。一方、エンジン22を始動するときにエンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、制振マップとしては180度範囲の第1制振マップを用いて制振トルクを演算する。これにより、制振の精度は若干劣るが、エンジンオイルの粘性が比較的高いためにエンジン22の回転数Neが制振トルクの演算が不要となる程度の回転数になるまでに時間を要しても、トルク演算による処理負荷が過大にはならない。これらの結果、エンジン始動時の制振の精度と処理負荷の両立を図ることができる。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する駆動装置では、エンジン22を始動するときにエンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上のときには、制振マップとしては720度範囲の第2制振マップを用いて制振トルクを演算するものとした。しかし、制振マップとしては360度範囲のマップを用いて制振トルクを演算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する駆動装置では、エンジン22を始動するときのエンジン22の冷却水の温度Twに基づいて制振トルクを演算するマップを設定するものとした。しかし、エンジン22の冷却水の温度Twに代えて、エンジン22の温度やエンジンオイルの温度に基づいて制振トルクを演算するマップを設定するものとしてもよい。エンジン22の温度を反映するものの温度であれば如何なるものの温度に基づいて制振トルクを演算するマップを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する駆動装置では、4気筒のエンジン22を備えるものとしたが、6気筒のエンジンや8気筒のエンジンを備えるものとしてもよい。6気筒エンジンの場合、エンジンを始動するときに冷却水温Twが閾値Tref未満のときには、制振マップとしてはエンジンの爆発燃焼の間隔である120度範囲のマップを用いて制振トルクを演算したり、240度範囲のマップを用いて制振トルクを演算するものとすることができる。また、8気筒エンジンの場合、エンジンを始動するときに冷却水温Twが閾値Tref未満のときには、制振マップとしてはエンジンの爆発燃焼の間隔である90度範囲のマップを用いて制振トルクを演算したり、180度範囲のマップを用いて制振トルクを演算したり、270度範囲のマップを用いて制振トルクを演算するものとすることができる。
実施例では、駆動装置はハイブリッド自動車20に搭載されるものとしたが、エンジンと、エンジンをクランキング可能なモータと、を備えるものであればよいから、モータ走行することができない自動車に搭載されるものとしてもよいし、自動車以外の移動体に搭載されるものとしてもよいし、建設設備などに組み込まれるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、125 吸気管、126 燃料噴射弁、128a 吸気バルブ、128b 排気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気管、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144a,144b カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150a,150b 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 複数気筒のエンジンと、
    前記エンジンをクランキング可能なモータと、
    前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
    を備える駆動装置であって、
    前記制御装置は、前記モータにより前記エンジンをクランキングするとき、前記エンジンの温度を反映する反映温度が所定温度以上のときには、前記モータからクランク角の360度範囲毎または720度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるように前記モータを制御し、前記反映温度が前記所定温度未満のときには、前記モータからクランク角の360度範囲より小さく且つ前記エンジンの爆発燃焼の間隔の所定数分のクランク角度範囲毎にトルク脈動を抑制すると共にクランキングするトルクが出力されるように前記モータを制御する、
    ことを特徴とする駆動装置。
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