JP2012132325A - 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車 - Google Patents

内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車 Download PDF

Info

Publication number
JP2012132325A
JP2012132325A JP2010283007A JP2010283007A JP2012132325A JP 2012132325 A JP2012132325 A JP 2012132325A JP 2010283007 A JP2010283007 A JP 2010283007A JP 2010283007 A JP2010283007 A JP 2010283007A JP 2012132325 A JP2012132325 A JP 2012132325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
cylinders
injection amount
cylinder
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010283007A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsukasa Abe
司 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010283007A priority Critical patent/JP2012132325A/ja
Publication of JP2012132325A publication Critical patent/JP2012132325A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止する。
【解決手段】悪路走行中以外に各気筒の30度回転所要時間T30のいずれかが所定値Tref以上のときにはその気筒をリーン気筒に特定し(S210〜230)、前回の増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してリーン気筒だけを増量対象に指定し(S250,290)、悪路走行中に各気筒の30度回転所要時間T30のいずれかが所定値Tref以上のときには(S210,300)、前回の増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してすべての気筒を増量対象に指定し(S320,360)、増量対象の気筒に対し増量係数αを反映させた目標燃料噴射量を設定するから、路面状態に応じて必要な気筒に対して燃料噴射量を増量させることができ、走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車に関し、詳しくは、車両に搭載されて出力軸が車軸に連結された内燃機関を備える内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車に関する。
従来、この種の内燃機関装置としては、車両に搭載される内燃機関の失火をクランクシャフトのクランク角位置での回転変動に基づいて判定するものにおいて、悪路走行中には失火判定を中止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、悪路走行中に失火判定を中止することで、路面状態の影響が車輪の回転変動を介してクランクシャフトに伝わって、クランク角位置が失火とは異なる原因で回転変動することによる失火の誤判定を防止することができるとしている。
特開2006−347340号公報
上述した内燃機関装置では、悪路走行中に失火の誤判定を防止することはできるものの、失火判定の頻度が低下して失火が生じたことを迅速に判定できない場合があるから、エミッションの悪化に繋がることがある。
本発明の内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車は、走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止することを主目的とする。
本発明の内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の内燃機関装置は、
車両に搭載されて出力軸が車軸に連結された内燃機関を備える内燃機関装置であって、
前記内燃機関の各気筒に燃料を噴射可能な燃料噴射手段と、
前記各気筒のいずれかで回転変動が生じているとき、悪路走行中にはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御し、悪路走行中以外には前記各気筒のうち回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の内燃機関装置では、内燃機関の各気筒のいずれかで回転変動が生じているとき、悪路走行中にはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量して燃料噴射手段を制御し、悪路走行中以外には各気筒のうち回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量して燃料噴射手段を制御する。これにより、路面状態の影響により各気筒毎の回転変動の検出精度が低下する悪路走行中には、すべての気筒の燃料噴射量を増量させてすべての気筒の失火を抑制することができ、各気筒の回転変動を比較的精度よく検出できる悪路走行中以外には、回転変動が生じている気筒だけの燃料噴射量を増量させて無駄な増量を抑えつつ失火を抑制することができる。このように、路面状態に応じて必要な気筒に対して燃料噴射量を増量させるから、走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止することができる。
こうした本発明の内燃機関装置において、前記燃料噴射制御手段は、前記各気筒のいずれかで回転変動が生じているときには、時間の経過と共に燃料噴射量を段階的に増量する手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃料噴射量が必要以上に増量されるのを防止することができる。
また、本発明の内燃機関装置において、前記燃料噴射制御手段は、すべての気筒に対する燃料噴射量を増量させている最中に悪路走行中から悪路走行中以外に切り替わったときには回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量するよう変更し、回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量させている最中に悪路走行中以外から悪路走行中に切り替わったときにはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量するよう変更する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面状態の変化に応じて必要な気筒に対して燃料噴射量を増量させることができる。
本発明のハイブリッド車は、浄化用の触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられ該触媒の暖機を実行するときには暖機を実行しないときよりも点火時期を遅角させて運転されるよう内燃機関を制御する本発明の内燃機関装置、即ち、基本的には、車両に搭載されて出力軸が車軸に連結された内燃機関を備える内燃機関装置であって、前記内燃機関の各気筒に燃料を噴射可能な燃料噴射手段と、前記各気筒のいずれかで回転変動が生じているとき、悪路走行中にはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御し、悪路走行中以外には前記各気筒のうち回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、を備える内燃機関装置と、前記車軸に連結された駆動軸に走行用の動力を出力可能な電動機と、を備えるハイブリッド車であって、前記燃料噴射制御手段は、前記触媒の暖機が実行されているときに燃料噴射量を増量する手段であることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、上述のいずれかの態様の本発明の内燃機関装置を搭載するから、本発明の内燃機関装置が奏する効果、例えば、走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止することができる効果を奏することができる。また、このようなハイブリッド車においては、内燃機関の点火時期を遅角させて触媒暖機を実行しながら電動機からの動力により走行が可能であり、そのような走行がなされる場合には、点火遅角により燃焼が不安定となって失火する可能性が高まると共に走行中の路面の影響を受けて各気筒の回転変動の検出精度が低下することがあるから、本発明を適用する意義が高いものとなる。
本発明の実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のエンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 増量係数αの設定処理の一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にダンパ28を介して複数のピニオンギヤ33を連結したキャリア34が接続されると共に駆動輪63a,63bにギヤ機構60とデファレンシャルギヤ62とを介して連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aにリングギヤ32が接続された動力分配統合機構30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が動力分配統合機構30のサンギヤ31に接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて減速ギヤ35を介して回転子がリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信して車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。
図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な4気筒の内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26のクランク角CAを検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,浄化装置134に取り付けられた触媒温度センサ134aからの触媒温度,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neを演算する。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランク角CAに基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎に回転に要した時間としての30度回転所要時間T30を演算し、演算した30度回転所要時間T30のうち燃焼行程の気筒における所定角(例えば、圧縮上死点から30度や60度など)に対応するものをその気筒の30度所要回転時間として、各気筒毎にRAM24cに上書きして保存する。以下の説明では、この各気筒毎の30度所要回転時間をまとめて30度回転所要時間T30(i)(4気筒であるため、i=1〜4)という。なお、30度回転所要時間は、その逆数をとるとクランクシャフト26が30度回転する毎のエンジン22の回転数となるから、30度回転数の変化の程度、即ち回転変動を時間の単位を用いて表したものとなる。
モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50から放電可能な蓄電量の全容量に対する割合としての蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度とに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりする。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,各車輪(駆動輪63a,63bや従動輪)に取り付けられた車輪速センサ89a〜dからの車輪速Vwa〜Vwdなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。また、エンジン22の触媒を暖機するときの運転制御として、エンジン22を触媒暖機用に運転させながらモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御する触媒暖機モードがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジンECU24によるエンジン22の運転制御について説明する。図3は、エンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22が運転されているときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
エンジン制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、エンジン22の回転数Neやエンジン22から出力すべき目標パワーPe*,エアフローメータ148からの吸入空気量Qa,補正係数k,増量係数αなど制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140からの信号に基づいて演算されてRAM24cに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。また、目標パワーPe*は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により設定されたものを通信により入力するものとした。ここで、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、トルク変換運転モードや充放電運転モードでは、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(例えば、車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて得られる要求動力とバッテリ50が要求する充放電要求パワーとロスとの和としてエンジン22から出力すべき目標パワーPe*を設定し、触媒暖機モードでは、予め定められた比較的小さな触媒暖機用のパワーを目標パワーPe*に設定する。また、補正係数kは、吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温や空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素濃度などに基づいて適切な空燃比の混合気とするために燃料噴射量に各種補正を反映させるための係数として図示しない設定処理により設定されたものを入力するものとした。さらに、増量係数αは、指定された増量対象の気筒に対して燃料噴射量の増量を反映させるための係数であり、後述する図4の増量係数αの設定処理で設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとに基づいて目標吸入空気量Qa*を設定する(ステップS110)。ここで、目標吸入空気量Qa*は、実施例では、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neと目標吸入空気量Qa*との関係を予め求めて図示しない目標吸入空気量設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、目標パワーPe*とエンジン22の回転数Neとが与えられると記憶したマップから対応する目標吸入空気量Qaを導出して設定するものとした。目標吸入空気量Qa*を設定すると、設定した目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとに基づいてスロットルバルブ124の目標スロットル開度TH*を設定する(ステップS120)。ここで、スロットルバルブ124の目標スロットル開度TH*は、実施例では、目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neと目標スロットル開度TH*との関係を予め求めて図示しない目標スロットル開度設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、目標吸入空気量Qa*とエンジン22の回転数Neとが与えられるとマップから対応する目標スロットル開度TH*を導出して設定するものとした。
続いて、入力した吸入空気量Qaに対して理論空燃比になる燃料噴射量としての基本燃料噴射量Qfbを設定して(ステップS130)、入力したエンジン22の回転数Neと吸入空気量Qaとに基づいて目標点火時期Tf*の基本値としての基本点火時期Tfbを設定する(ステップS140)。ここで、基本点火時期Tfbは、実施例では、エンジン22の回転数Neと吸入空気量Qaと基本点火時期Tfbとの関係を予め求めて図示しない基本点火時期設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、エンジン22の回転数Neと吸入空気量Qaとが与えられると記憶したマップから対応する基本点火時期Tfbを導出して設定するものとした。
こうして目標スロットル開度TH*や基本燃料噴射量Qfb,基本点火時期Tfbを設定すると、触媒暖機中であるか否かを判定する(ステップS145)。ここで、触媒暖機中であるか否かは、ハイブリッド用電子制御ユニット70により触媒暖機モードで運転制御されているか否かに基づいて判定するものとした。ここで、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジンECU24から触媒暖機要求が入力されたときに触媒暖機モードで運転制御する。この触媒暖機要求は、エンジンECU24により実行される図示しない触媒暖機要求設定ルーチンにより設定されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。なお、触媒暖機要求設定ルーチンでは、例えば、触媒温度センサ134aにより検出される浄化装置134の触媒温度を入力し、入力した触媒温度を触媒が活性化する温度範囲の下限近傍の温度として設定された閾値と比較し、触媒温度が閾値未満のときに触媒暖機要求をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する処理を行ない、触媒温度が閾値以上のときには触媒暖機要求がなされていれば要求を解除する処理を行なう。
触媒暖機中ではないときには、値1に入力した補正係数kを加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じることにより目標燃料噴射量Qf*を設定し(ステップS150)、基本点火時期Tfbを目標点火時期Tf*に設定する(ステップS160)。そして、設定した目標点火時期Tf*に基づいて対象気筒の点火が行なわれるようイグニッションコイル138を駆動する点火制御や設定した目標燃料噴射量Qf*に基づいて対象気筒の燃料噴射弁126を制御する燃料噴射制御,設定した目標スロットル開度TH*に基づいてスロットルモータ136を駆動する吸入空気量制御などの制御を実行して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
一方、触媒暖機中のときには、値1に入力した補正係数kと増量係数αとを加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じることにより増量対象の気筒に対する目標燃料噴射量Qf*を設定すると共に値1に入力した補正係数kを加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じることにより増量対象に指定されていない非増量対象の気筒に対する目標燃料噴射量Qf*を設定する(ステップS170)。また、基本点火時期Tfbを所定時間ΔTだけ遅角させて目標点火時期Tf*を設定し(ステップS180)、設定した目標点火時期Tf*に基づく点火制御や設定した目標燃料噴射量Qf*に基づく燃料噴射量の増量を伴った燃料噴射制御,設定した目標スロットル開度TH*に基づく吸入空気量制御などの制御を実行して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。なお、目標点火時期Tf*を所定時間ΔTだけ遅角させるのは、いわゆる後燃えを増やして排気温度を上昇させて触媒暖機を促進させるためである。
次に、増量係数αの設定処理について説明する。図4は、増量係数αの設定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、触媒暖機中に、各気筒の30度回転所要時間T30(i)(i=1〜4)が4気筒分RAM24cに書き込まれたタイミング毎(例えば数百msec毎)に繰り返し実行される。
増量係数αの設定処理が実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、RAM24cに書き込まれた各気筒の30度回転所要時間T30(i)(i=1〜4)を読み込むことによりそれぞれ入力して(ステップS200)、悪路走行中であるか否かを判定する(ステップS210)。ここで、悪路走行中であるか否かは、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される図示しない悪路走行判定処理ルーチンの判定結果に基づいて判定するものとした。この悪路走行判定処理ルーチンでは、例えば、各車輪に取り付けられた車輪速センサ89a〜dからの車輪速Vwa〜Vwdをそれぞれ入力し、入力した車輪速Vwa〜Vwdの時間変化(加速度)をそれぞれ閾値と比較して、いずれかの車輪速の変化が閾値以上であれば悪路走行中と判定し車輪速の変化がいずれも閾値未満であれば悪路以外即ち通常の道路を走行中と判定することなどにより行なわれるものとした。なお、このような判定は、悪路を走行中には、凹凸などの路面状態の影響により各車輪の回転変動が大きくなることに基づいている。
ステップS210で悪路走行中以外と判定したときには、入力した各気筒の30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上であるか否かをそれぞれ判定する(ステップS220)。ここで、燃料噴射弁126の噴射口に付着物が付着するなどの原因により燃料噴射弁126からの燃料噴射量が減少すると、空燃比が理論空燃比よりも大きなリーン状態となり、爆発燃焼力が通常よりも低下することになる。また、上述したように、触媒暖機中には基本点火時期Tfbを遅角させた目標点火時期Tf*に基づく点火制御が行なわれるため、燃焼が不安定な状態となりやすく、リーン状態となった気筒(以下、リーン気筒という)においては、リーン状態による爆発燃焼力の低下と相まって30度回転所要時間T30(i)が通常よりも大幅に長くなることがある。閾値Trefとしては、そのような触媒暖機中にリーン状態となった気筒の30度所要回転時間T30を実験などにより予め求めて、それよりも若干短い時間が設定されるものとした。このため、各気筒の30度所要時間T30(i)を閾値Trefと比較するステップS220の処理は、リーン気筒の有無を判定する処理となる。ステップS220で各気筒の30度回転所要時間T30(i)のうちいずれかが閾値Tref以上であるときには、30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上の気筒をリーン気筒に特定する(ステップS230)。
こうしてリーン気筒を特定すると、増量係数αが上限値αlim未満であるか否かを判定し(ステップS240)、増量係数αが上限値αlim未満のときには、前回設定した増量係数αに所定割合Δfを加えることにより増量係数αを設定する(ステップS250)。ここで、所定割合Δfは、上述した燃料噴射制御ルーチンにおいて、基本燃料噴射量Qfbに対して数%の割合の増量が反映されるよう、例えば値0.01や値0.02などに設定されているものとした。また、増量係数αは、初期値は値0であり、上限値αlimは基本燃料噴射量Qfbに対する増量の割合の上限が30%程度になるよう、例えば値0.3などに設定されているものとした。これらのステップS240,S250の処理により、増量係数αが上限値αlim未満のときには、所定割合Δfずつ増加させた増量係数αが設定されることになり、本処理は例えば数百msec毎に実行されるものとしたから、増量係数αは時間の経過と共に所定割合Δfずつ段階的に増加されていくものとなる。なお、増量係数αが初期値(値0)のときには所定割合Δfが増量係数αにそのまま設定される。
こうして増量係数αを設定すると、増量係数αに値が設定されていることを示す設定済みフラグFに値1を設定して(ステップS260)、増量係数αによる増量を反映させる気筒としての増量対象にリーン気筒だけを指定して(ステップS290)、本処理を終了する。また、ステップS240で増量係数αが上限値αlim以上のときには、前回に本処理で設定した増量係数αをそのまま増量係数αに設定して(ステップS280)、増量対象にリーン気筒だけを指定して(ステップS290)、本処理を終了する。これにより、上述した燃料噴射制御ルーチンにおいて、増量係数αを反映させた目標燃料噴射量Qf*に基づく燃料噴射がリーン気筒だけに行なわれることになる。ここで、悪路走行中以外には、クランクシャフト26の回転変動に路面状態が影響を与えることが少ないから、30度回転所要時間T30(i)の検出精度が維持されてリーン気筒を誤判定する可能性は低い。したがって、悪路走行中以外には、リーン気筒だけを増量対象とすることで、燃料噴射量の無駄な増量を防止しつつリーン気筒の失火を抑制することができるから、エミッションの悪化を防止することができる。
一方、ステップS220で各気筒の30度回転所要時間T30(i)がいずれも閾値Tref以上ではないと判定したときには、設定済みフラグFが値1であるか否かを判定し(ステップS270)、設定済みフラグFが値1ではないときには、そのまま本処理を終了する。設定済みフラグFが値1のときには、前回設定した増量係数αをそのまま増量係数αに設定し(ステップS280)、リーン気筒だけを増量対象に指定して(ステップS290)、本処理を終了する。ここで、設定済みフラグFが値1のときには増量係数αによる燃料噴射量の増量が反映されており、その結果、リーン気筒のリーン状態が解消されてすべての気筒の30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref未満になったと考えることができる。このため、前回設定した増量係数α以上に燃料噴射量を増量させる必要はないと判断することができ、前回設定した増量係数αをそのまま保持するのである。ここで、上述したように増量係数αは時間の経過と共に所定割合Δfずつ段階的に増加されていくものであり、各気筒の30度回転所要時間T30(i)がいずれも閾値Tref以上ではないと判定したときにその値が保持されるものであるため、燃料噴射量が必要以上に増量されるのを防止することができる。なお、ステップS220で各気筒の30度回転所要時間T30(i)がいずれも閾値Tref以上ではないと判定している場合、リーン気筒を特定するステップS230の処理は行なわれないが、この場合のステップS290では、前回増量対象に指定されたリーン気筒をそのまま増量対象に指定するものとした。
次に、ステップS210で悪路走行中と判定したときには、入力した各気筒の30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上であるか否かをそれぞれ判定し(ステップS300)、30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上となる気筒があるときには、その気筒をリーン気筒に特定することなく、増量係数αが上限値αlim未満であるか否かを判定する(ステップS310)。そして、悪路走行中以外と同様に、増量係数αが上限値αlim未満のときに前回設定した増量係数αに所定割合Δfを加えることにより増量係数αを設定して設定済みフラグFに値1を設定し(S320,S330)、増量係数αが上限値αlim以上のときには前回に本処理で設定した増量係数αをそのまま増量係数αに設定する(ステップS350)。そして、増量対象にエンジン22のすべての気筒(ここでは4気筒)を指定して(ステップS360)、本処理を終了する。これにより、上述した燃料噴射制御ルーチンにおいて、増量係数αを反映させた目標燃料噴射量Qf*に基づく燃料噴射がすべての気筒に対して行なわれることになる。ここで、悪路走行中には、クランクシャフト26の回転変動に対して路面状態が大きな影響を与えることがあるから、30度回転所要時間T30(i)の検出精度が低下することがある。このため、リーン気筒の判定精度も低下してリーン気筒を誤判定する場合がある。したがって、悪路走行中にはすべての気筒に対して一律に燃料噴射量を増量させることで、リーン気筒を誤判定していたとしても、いずれかの気筒に失火が生じるのを抑制するのである。なお、すべての気筒に一律に増量させると、燃焼が安定している気筒も増量されてHCの発生が増加する場合もある。ただし、燃焼が安定している気筒におけるHCの増加よりも、リーン気筒が失火することによるHCの増加の方が大きなものとなるため、すべての気筒に対して一律に燃料噴射量を増量させたとしても、失火を抑制することができれば、全体としてエミッションの悪化を防止することができる。
一方、ステップS300で各気筒の30度回転所要時間T30(i)がいずれも閾値Tref以上ではないと判定したときには、悪路走行中以外と同様に、設定済みフラグFが値1でないときには(ステップS340)、そのまま本処理を終了し、設定済みフラグFが値1のときには(ステップS340)、前回設定した増量係数αをそのまま増量係数αに設定しすべての気筒を増量対象に指定して本処理を終了する(ステップS350,S360)。これにより、すべての気筒に対して燃料噴射量を増量させるときにも、燃料噴射量が必要以上に増量されるのを防止することができる。
ここで、実施例では、悪路走行中に増量対象にすべての気筒を指定しても、次回に本処理が実行されたときに悪路走行中以外であれば、リーン気筒だけを増量対象として増量が行なわれることになる。また、悪路走行中以外に増量対象にリーン気筒を指定しても、次回に本処理が実行されたときに悪路走行中であれば、すべての気筒を対象として増量が行なわれることになる。このため、路面状態が変動する場合であっても、路面状態の変化に応じて必要な気筒に対して燃料噴射量を増量させることができる。なお、増量係数αと設定済みフラグFとは、触媒暖機が完了したときに図示しない処理により値0にリセットされる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、悪路走行中以外に30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上となる気筒があるときには、その気筒をリーン気筒と特定し特定したリーン気筒だけを増量対象に指定して、燃料噴射量を増量させた目標燃料噴射量Qf*を設定して燃料噴射制御を行ない、悪路走行中に30度回転所要時間T30(i)が閾値Tref以上となる気筒があるときには、すべての気筒を増量対象に指定し、燃料噴射量を増量させた目標燃料噴射量Qf*を設定して燃料噴射制御を行なうから、路面状態に応じて必要な気筒に対して燃料噴射量を増量させることができ、走行中に失火が生じるのを適切に抑制してエミッションの悪化を防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、増量係数αが上限値αlimとなるまでは所定割合Δfずつ段階的に大きくした値を増量係数αに設定するものとしたが、これに限られず、増量係数αを一度に上限値αlimまで設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、増量係数αを設定する度に悪路走行中であるか否かを判定して増量対象の気筒の指定が変更されるものとしたが、これに限られず、増量対象としてすべての気筒あるいはリーン気筒のいずれかを一旦指定した以降はその指定を保持するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図4の増量係数αの設定処理を触媒暖機中に実行するものとしたが、これに限られず、例えば目標点火時期Tf*が大きな遅角量をもって設定される場合など触媒暖機中以外においても実行するものとしてもよい。この場合、図3の燃料噴射制御ルーチンにおいて、ステップS145,S150,S160の処理を省略して、触媒暖機中に限らず増量係数αに基づいて燃料噴射量を増量させた目標燃料噴射量Qf*を設定して燃料噴射制御を行なうものなどとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、クランクシャフト26が30度回転するのに要する時間としての30度所要時間T30(i)を用いてリーン気筒を特定するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、30度回転するのに要する時間に代えて10度や20度などの角度を回転するのに要する時間を用いてリーン気筒を特定するものとしてもよいし、回転するのに要する時間に代えてクランクシャフト26の回転数や回転数の変動を用いてリーン気筒を特定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、悪路走行中か否かの判定に車輪速の変化を用いるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、車速Vの変化や駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転速度の変化などを用いるものとしてもよいし、車両と路面との距離を計測しその計測値の変動を用いるものなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、4気筒のエンジン22として構成されているものとして説明したが、6気筒や8気筒など複数気筒のエンジンとして構成されていてればよい。
実施例では、駆動軸32に動力分配統合機構30を介して接続されたエンジン22およびモータMG1と、駆動軸32に接続されたモータMG2とを備えるハイブリッド自動車20に搭載される内燃機関装置としたが、図5の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図5における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するハイブリッド自動車に搭載されるものとしてもよい。また、ハイブリッド自動車や自動車以外の車両に搭載される内燃機関装置の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、燃料噴射弁126が「燃料噴射手段」に相当し、悪路走行中以外に各気筒の30度回転所要時間T30(i)のいずれかが所定値Tref以上のときにはその気筒をリーン気筒に特定し前回設定した増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してリーン気筒だけを増量対象に指定したり悪路走行中に各気筒の30度回転所要時間T30(i)のいずれかが所定値Tref以上のときには前回設定した増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してすべての気筒を増量対象に指定したりする図4の増量係数αの設定処理や吸入空気量Qaに基づいて基本燃料噴射量Qfbを設定し触媒暖機中には増量対象に指定された気筒に対して値1に補正係数kと増量係数αと加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じて目標燃料噴射量Qf*を設定し非増量対象の気筒に対して値1に補正係数kを加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じて目標燃料噴射量Qf*を設定し設定した目標燃料噴射量Qf*に基づく燃料噴射制御を行なう図3のエンジン制御ルーチンのステップS130,S170,S190の処理を実行するエンジンECU24が「燃料噴射制御手段」に相当する。また、ハイブリッド車としては、モータMG2が「電動機」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「燃料噴射制御手段」としては、悪路走行中以外に各気筒の30度回転所要時間T30(i)のいずれかが所定値Tref以上のときにはその気筒をリーン気筒に特定し前回設定した増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してリーン気筒だけを増量対象に指定したり悪路走行中に各気筒の30度回転所要時間T30(i)のいずれかが所定値Tref以上のときには前回設定した増量係数αに所定値Δfを加えて増量係数αを設定してすべての気筒を増量対象に指定したりするものや吸入空気量Qaに基づいて基本燃料噴射量Qfbを設定し触媒暖機中には増量対象に指定された気筒に対して値1に補正係数kと増量係数αと加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じて目標燃料噴射量Qf*を設定し非増量対象の気筒に対して値1に補正係数kを加えた値を基本燃料噴射量Qfbに乗じて目標燃料噴射量Qf*を設定し設定した目標燃料噴射量Qf*に基づく燃料噴射制御を行なうものに限定されるものではなく、各気筒のいずれかで回転変動が生じているとき、悪路走行中にはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量して燃料噴射手段を制御し、悪路走行中以外には各気筒のうち回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量して燃料噴射手段を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。また、ハイブリッド車において、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、車軸に連結された駆動軸に走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関装置や車両の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89a〜89d 車輪速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、134a 触媒温度センサ、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 車両に搭載されて出力軸が車軸に連結された内燃機関を備える内燃機関装置であって、
    前記内燃機関の各気筒に燃料を噴射可能な燃料噴射手段と、
    前記各気筒のいずれかで回転変動が生じているとき、悪路走行中にはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御し、悪路走行中以外には前記各気筒のうち回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量して前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、
    を備える内燃機関装置。
  2. 前記燃料噴射制御手段は、前記各気筒のいずれかで回転変動が生じているときには、時間の経過と共に燃料噴射量を段階的に増量する手段である請求項1記載の内燃機関装置。
  3. 前記燃料噴射制御手段は、すべての気筒に対する燃料噴射量を増量させている最中に悪路走行中から悪路走行中以外に切り替わったときには回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量するよう変更し、回転変動が生じている気筒に対する燃料噴射量を増量させている最中に悪路走行中以外から悪路走行中に切り替わったときにはすべての気筒に対する燃料噴射量を増量するよう変更する手段である請求項1または2記載の内燃機関装置。
  4. 浄化用の触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられ該触媒の暖機を実行するときには暖機を実行しないときよりも点火時期を遅角させて運転されるよう内燃機関を制御する請求項1ないし3いずれか1項に記載の内燃機関装置と、前記車軸に連結された駆動軸に走行用の動力を出力可能な電動機と、を備えるハイブリッド車であって、
    前記燃料噴射制御手段は、前記触媒の暖機が実行されているときに燃料噴射量を増量する手段である
    ハイブリッド車。
JP2010283007A 2010-12-20 2010-12-20 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車 Pending JP2012132325A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010283007A JP2012132325A (ja) 2010-12-20 2010-12-20 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010283007A JP2012132325A (ja) 2010-12-20 2010-12-20 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012132325A true JP2012132325A (ja) 2012-07-12

Family

ID=46648203

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010283007A Pending JP2012132325A (ja) 2010-12-20 2010-12-20 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012132325A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014237412A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 富士重工業株式会社 エンジンのサージ制御装置
CN111156086A (zh) * 2020-01-09 2020-05-15 东风汽车集团有限公司 混合动力汽车发动机失火诊断系统及方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014237412A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 富士重工業株式会社 エンジンのサージ制御装置
CN111156086A (zh) * 2020-01-09 2020-05-15 东风汽车集团有限公司 混合动力汽车发动机失火诊断系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4453654B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置およびこれを搭載する車両並びに失火判定方法
JP6149841B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2008248877A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP2006266253A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法
JP2007303309A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP6090291B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置
JP4281784B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
JP2009052487A (ja) 車両および車両に搭載された内燃機関の制御方法
JP2008115819A (ja) 内燃機関装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する車両、内燃機関装置の点火制御方法
JP2007170248A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP2007303310A (ja) 内燃機関装置および内燃機関の失火判定方法
JP2009292362A (ja) 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法
JP2010195306A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2010116032A (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP2013087624A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP2012132325A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車
JP5692008B2 (ja) ハイブリッド車
JP2010116800A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車並びに内燃機関装置の制御方法
JP4816574B2 (ja) 内燃機関の出力状態検出装置、車両及び内燃機関の出力状態検出方法
JP2008095617A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法
JP2007283899A (ja) 内燃機関装置およびその制御方法並びに車両
JP2010069949A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2008063975A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP6009978B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP6747364B2 (ja) 駆動装置