JP7146131B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク角度の検出誤差を精度良く補正することができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】角度区間の角度間隔Δθd又は時間間隔ΔTdを補正値Kcにより補正し、吸気管内のガス圧の検出値Pind、及び検出角度θdに基づき、クランク機構の物理モデル式を用いて、クランク軸の軸トルクTcrkeを推定し、軸トルクの推定値Tcrkeに基づいて理想区間角速度ωidを算出し、補正後の検出区間角速度が、理想区間角速度ωidに近づくように補正値Kcを変化させる内燃機関の制御装置50。【選択図】図3

Description

本願は、内燃機関の制御装置に関するものである。
上記のような制御装置に関して、例えば下記の特許文献1及び特許文献2に記載された技術が既に知られている。特許文献1の技術では、クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角速度及びクランク角加速度を算出し、クランク角速度及びクランク角加速度に基づいて、燃焼により生じたガス圧トルクを算出し、ガス圧トルクによる仕事量を算出するように構成されている。
特許文献2の技術では、クランク角センサの出力信号に基づいてクランク軸の瞬時回転速度を検出し、瞬時回転速度に基づいて計測パラメータを算出し、瞬時回転速度の平均速度に対応する理想パラメータを記憶手段から取得し、理想パラメータに対する計測パラメータの誤差を学習するように構成されている。
特開2009-275618号公報 特開2013-87724号公報
ところで、被検出部に製造誤差があると、クランク角速度及びクランク角加速度に検出誤差が生じる。しかしながら、特許文献1には、どのようにして、この検出誤差に対応するか、具体的な方法は開示されていない。そのため、特許文献1の技術では、クランク角速度及びクランク角加速度に基づいて行う制御の精度が悪化するおそれがあった。
特許文献2の技術において、理想パラメータは、運転状態及び外部負荷に応じて変化すると考えられるため、理想パラメータを基準した学習では、誤学習が生じるおそれがある。
そこで、本願は、クランク角度の検出誤差を精度良く補正することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本願に係る内燃機関の制御装置は、クランク軸と一体回転する回転部材に、予め定められた複数のクランク角度に設けられた複数の被検出部と、非回転部材に固定され、前記被検出部を検出する特定クランク角センサと、吸気管内のガス圧を検出するガス圧センサと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
前記特定クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角度を検出すると共に前記クランク角度を検出した検出時刻を検出し、検出した前記クランク角度である検出角度に基づいて、前記検出角度の間の角度区間に対応する角度間隔を算出し、前記検出時刻に基づいて、前記角度区間に対応する時間間隔を算出する角度情報検出部と、
前記角度区間のそれぞれの前記角度間隔又は前記時間間隔を、前記角度区間のそれぞれに対応して1つずつ設けた補正値により補正する角度情報補正部と、
前記ガス圧センサの出力信号に基づいて、前記吸気管内のガス圧を検出する吸気管ガス圧検出部と、
前記吸気管内のガス圧の検出値、及び前記検出角度に基づき、クランク機構の物理モデル式を用いて、気筒内のガス圧及びピストンの往復運動によるクランク軸の軸トルクを、前記角度区間のそれぞれに対応して推定する軸トルク推定部と、
前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及びクランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記複数の被検出部が配置された前記複数のクランク角度に変動がないと仮定した理想状態における、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である理想区間角速度を算出する理想角速度算出部と、
前記角度区間のそれぞれについて、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔により算出される前記角度区間に対応する角速度である検出区間角速度が、前記理想区間角速度に近づくように、前記角度区間のそれぞれの前記補正値を変化させる補正値変化部と、を備えたものである。
本願に係る内燃機関の制御装置によれば、軸トルクの推定値は、クランク機構の物理モデル式を用いて算出されるので、被検出部の配置クランク角度に変動がないと仮定した理想状態における軸トルクになる。そして、理想区間角速度は、軸トルクの推定値に基づいて算出されるので、理想状態における区間角速度になる。よって、検出区間角速度が、理想区間角速度に近づくように、各角度区間の補正値を変化させることより、被検出部の配置クランク角度の変動を打ち消すように、補正値を適切に変化させることができ、クランク角度の検出誤差を精度良く補正することができる。
実施の形態1に係る内燃機関及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る内燃機関及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御装置のブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る角度情報検出処理を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る、記憶装置に記憶される補正値を説明するための図である。 実施の形態1に係るクランク加速度及び角加速度の算出処理を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る補正処理を行わない場合のクランク角速度の変動を説明するための図である。 実施の形態1に係る補正処理を行わない場合のクランク角速度の変動を説明するための図である。 実施の形態1に係る一回転時間検出部及び理想角速度算出部の処理を説明するための図である。 実施の形態1に係る補正処理を行わない場合のクランク角速度の挙動を説明するための図である。 実施の形態1に係る補正処理を行う場合のクランク角速度の挙動を説明するための図である。 実施の形態1に係る補正処理を行う場合のクランク角速度の変動を説明するための図である。 実施の形態2に係る一回転時間検出部及び理想角速度算出部の処理を説明するための図である。 実施の形態3に係る一回転時間検出部及び補正値変化部の処理を説明するための図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る内燃機関1の制御装置50(以下、単に制御装置50と称す)について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本実施の形態に係る内燃機関1及び制御装置50の概略構成図であり、図3は、本実施の形態に係る制御装置50のブロック図である。内燃機関1及び制御装置50は、車両に搭載され、内燃機関1は、車両(車輪)の駆動力源となる。
1-1.内燃機関1の構成
まず、内燃機関1の構成について説明する。図1に示すように、内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する気筒7を備えている。内燃機関1は、気筒7に空気を供給する吸気管23と、気筒7で燃焼した排気ガスを排出する排気管17とを備えている。内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている。内燃機関1は、吸気管23を開閉するスロットルバルブ4を備えている。スロットルバルブ4は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ4には、スロットルバルブ4の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ19が設けられている。
スロットルバルブ4の上流側の吸気管23には、吸気管23に吸入される吸入空気量に応じた電気信号を出力するエアフローセンサ3が設けられている。内燃機関1は、排気ガス還流装置20を備えている。排気ガス還流装置20は、排気管17から吸気マニホールド12に排気ガスを還流するEGR流路21と、EGR流路21を開閉するEGRバルブ22と、を有している。吸気マニホールド12は、スロットルバルブ4の下流側の吸気管23の部分である。EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式EGRバルブとされている。排気管17には、排気管17内の排気ガスの空燃比に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18を備えている。
吸気マニホールド12には、吸気マニホールド12内の圧力に応じた電気信号を出力するガス圧センサ8が設けられている。吸気マニホールド12の下流側の部分には、燃料を噴射するインジェクタ13が設けられている。なお、インジェクタ13は、気筒7内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。内燃機関1には、大気圧に応じた電気信号を出力する大気圧センサ33が設けられている。
気筒7の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグと、点火プラグに点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、気筒7の頂部には、吸気管23から気筒7内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ14と、シリンダ内から排気管17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ15と、が設けられている。吸気バルブ14には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする吸気可変バルブタイミング機構が設けられている。排気バルブ15には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする排気可変バルブタイミング機構が設けられている。可変バルブタイミング機構14、15は、電動アクチュエータを有している。
図2に示すように、内燃機関1は、複数の気筒7(本例では3つ)を備えている。各気筒7内には、ピストン5が備えられている。各気筒7のピストン5は、コンロッド9およびクランク32を介してクランク軸2に接続されている。クランク軸2は、ピストン5の往復運動によって回転駆動される。各気筒7で発生した燃焼ガス圧は、ピストン5の頂面を押圧し、コンロッド9およびクランク32を介してクランク軸2を回転駆動する。クランク軸2は、車輪に駆動力を伝達する動力伝達機構に連結されている。動力伝達機構は、変速装置、ディファレンシャルギヤ等から構成される。なお、内燃機関1を備えた車両は、動力伝達機構内にモータージェネレータを備えたハイブリッド車であってもよい。
内燃機関1は、クランク軸2と一体回転する信号板10を備えている。信号板10は、予め定められた複数のクランク角度に複数の歯を設けている。本実施の形態では、信号板10は、10度間隔で歯が並べられている。信号板10の歯には、一部の歯が欠けた欠け歯部分が設けられている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、信号板10の歯を検出する第1クランク角センサ11を備えている。
内燃機関1は、クランク軸2とチェーン28で連結されたカム軸29を備えている。カム軸29は、吸気バルブ14および排気バルブ15を開閉駆動する。クランク軸2が2回転する間に、カム軸29は1回転する。内燃機関1は、カム軸29と一体回転するカム用の信号板31を備えている。カム用の信号板31は、予め定められた複数のカム軸角度に複数の歯を設けている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、カム用の信号板31の歯を検出するカム角センサ30を備えている。
制御装置50は、第1クランク角センサ11およびカム角センサ30の2種類の出力信号に基づいて、各ピストン5の上死点を基準としたクランク角度を検出すると共に、各気筒7の行程を判別する。なお、内燃機関1は、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程、および排気行程の4行程機関とされている。
内燃機関1は、クランク軸2と一体回転するフライホイール27を備えている。フライホイール27の外周部は、リングギア25とされており、リングギア25は、予め定められた複数のクランク角度に複数の歯を設けている。リングギア25の歯は、周方向に等角度間隔で設けられている。本例では6度間隔で、60個の歯が設けられている。リングギア25の歯には欠け歯部分は設けられていない。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、リングギア25の歯を検出する第2クランク角センサ6を備えている。第2クランク角センサ6は、リングギア25の径方向外側に、リングギア25と間隔を空けて対向配置されている。フライホイール27のクランク軸2とは反対側は、動力伝達機構に連結されている。よって、内燃機関1の出力トルクは、フライホイール27の部分を通って、車輪側に伝達される。
第1クランク角センサ11、カム角センサ30、および第2クランク角センサ6は、クランク軸2の回転による、各センサと歯の距離の変化に応じた電気信号を出力する。各角センサ11、30、6の出力信号は、センサと歯の距離が近い場合と、遠い場合とで信号がオンオフする矩形波となる。各角センサ11、30、6には、例えば、電磁ピックアップ式のセンサが用いられる。
フライホイール27(リングギア25)は、信号板10の歯数よりも多い歯数を有しており、また、欠け歯部分もないため、高分解能の角度検出を期待できる。また、フライホイール27は、信号板10の質量よりも大きい質量を有しており、高周波振動が抑制されるため、高精度の角度検出を期待できる。
本実施の形態では、第2クランク角センサ6が、本願における「特定クランク角センサ」に相当し、フライホイール27が、本願における「回転部材」に相当し、フライホイール27に設けられたリングギア25の歯が、本願における「被検出部」に相当し、エンジンブロック24が、本願における「非回転部材」に相当する。
1-2.制御装置50の構成
次に、制御装置50について説明する。
制御装置50は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図3に示すように、制御装置50は、吸気管ガス圧検出部51、角度情報検出部52、角度情報補正部53、軸トルク推定部54、理想角速度算出部55、補正値変化部56、及び一回転時間検出部57等の制御部を備えている。制御装置50の各制御部51から57等は、制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置50は、図4に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90にバス等の信号線を介して接続された記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、および演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、および各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。
記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の揮発性及び不揮発性の記憶装置が備えられている。入力回路92は、各種のセンサ及びスイッチが接続され、これらセンサ及びスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置50が備える各制御部51から57等の各機能は、演算処理装置90が、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、および出力回路93等の制御装置50の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部51から57等が用いる慣性モーメントIcrk、判定値等の設定データは、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されている。また、各制御部51から57等が算出した補正値Kc、角度間隔Δθd、時間間隔ΔTd、各算出値、及び各検出値等のデータは、RAM等の書き換え可能な記憶装置91に記憶される。
本実施の形態では、入力回路92には、第1クランク角センサ11、カム角センサ30、第2クランク角センサ6、エアフローセンサ3、スロットル開度センサ19、ガス圧センサ8、大気圧センサ33、空燃比センサ18、およびアクセルポジションセンサ26等が接続されている。出力回路93には、スロットルバルブ4(電気モータ)、EGRバルブ22(電気モータ)、インジェクタ13、点火コイル16、吸気可変バルブタイミング機構14、及び排気可変バルブタイミング機構15等が接続されている。なお、制御装置50には、図示していない各種のセンサ、スイッチ、およびアクチュエータ等が接続されている。制御装置50は、各種センサの出力信号に基づいて、吸入空気量、吸気マニホールド内の圧力、大気圧、空燃比、およびアクセル開度等の内燃機関1の運転状態を検出する。
制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、インジェクタ13および点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサ26の出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ4等を制御する。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ19の出力信号に基づき検出したスロットル開度が、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ4の電気モータを駆動制御する。また、制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、EGRバルブ22の目標開度を算出し、EGRバルブ22の電気モータを駆動制御する。制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、吸気バルブの目標開閉タイミング及び排気バルブの目標開閉タイミングを算出し、各目標開閉タイミングに基づいて、吸気及び排気可変バルブタイミング機構14、15を駆動制御する。
<吸気管ガス圧検出部51>
吸気管ガス圧検出部51は、ガス圧センサ8の出力信号に基づいて、吸気管内のガス圧Pindを検出する。所定の検出周期ごとに吸気管内のガス圧Pindが検出される。
<角度情報検出部52>
角度情報検出部52は、図5に示すように、特定クランク角センサとされた第2クランク角センサ6の出力信号に基づいてクランク角度θdを検出すると共にクランク角度θdを検出した検出時刻Tdを検出する。そして、角度情報検出部52は、検出したクランク角度である検出角度θdに基づいて、検出角度θdの間の角度区間Sdに対応する角度間隔Δθdを算出し、検出時刻Tdに基づいて、角度区間Sdに対応する時間間隔ΔTdを算出する。
本実施の形態では、角度情報検出部52は、第2クランク角センサ6の出力信号(矩形波)の立下りエッジ(又は立上りエッジ)を検出した時のクランク角度θdを判定するように構成されている。角度情報検出部52は、基点角度(例えば、第1気筒7のピストン5の上死点である0度)に対応する立下りエッジである基点立下りエッジを判定し、基点立下りエッジを基点にカウントアップした立下りエッジの番号n(以下、角度識別番号nと称す)に対応するクランク角度θdを判定する。例えば、角度情報検出部52は、基点立下りエッジを検出した時に、クランク角度θdを基点角度(例えば、0度)に設定すると共に角度識別番号nを1に設定する。そして、角度情報検出部52は、立下りエッジを検出する毎に、クランク角度θdを、予め設定された角度間隔Δθd(本例では6度)ずつ増加させると共に角度識別番号nを1つずつ増加させる。或いは、角度情報検出部52は、角度識別番号nとクランク角度θdとの関係が予め設定された角度テーブルを用い、今回の角度識別番号nに対応するクランク角度θdを読み出すように構成されてもよい。角度情報検出部52は、クランク角度θd(検出角度θd)を角度識別番号nに対応付ける。角度識別番号nは、最大番号(本例では60)の後、1に戻る。角度識別番号n=1の前回の角度識別番号nは60になり、角度識別番号n=60の次回の角度識別番号nは1になる。
本実施の形態では、欠け歯が設けられていない場合を説明するが、欠け歯が設けられてもよい。この場合は、欠け歯部分を、欠け歯部分の前後の情報により補完した検出時刻Td及び検出角度θdが用いられてもよいし、欠け歯部分を補完していない検出時刻Td及び検出角度θdがそのまま用いられてもよい。欠け歯部分が補完されない場合は、各演算において欠け歯部分に対応する角度間隔Δθdが用いられる。
本実施の形態では、角度情報検出部52は、後述する、第1クランク角センサ11及びカム角センサ30に基づいて検出した参照クランク角度θrを参照して、第2クランク角センサ6の基点立下りエッジを判定する。例えば、角度情報検出部52は、第2クランク角センサ6の立下りエッジを検出した時の参照クランク角度θrが、基点角度に最も近い立下りエッジを、基点立下りエッジと判定する。
また、角度情報検出部52は、第1クランク角センサ11及びカム角センサ30に基づいて判別した各気筒7の行程を参照して、クランク角度θdに対応する各気筒7の行程を判定する。
角度情報検出部52は、第2クランク角センサ6の出力信号(矩形波)の立下りエッジを検出した時の検出時刻Tdを検出し、検出時刻Tdを角度識別番号nに対応付ける。具体的には、角度情報検出部52は、演算処理装置90が備えたタイマー機能を用いて、検出時刻Tdを検出する。
角度情報検出部52は、図5に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出角度θd(n)と、前回の角度識別番号(n-1)に対応する検出角度θd(n-1)との間の角度区間を、今回の角度識別番号(n)に対応する角度区間Sd(n)に設定する。
また、角度情報検出部52は、式(1)に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出角度θd(n)と、前回の角度識別番号(n-1)に対応する検出角度θd(n-1)との偏差を算出して、今回の角度識別番号(n)(今回の角度区間Sd(n))に対応する角度間隔Δθd(n)に設定する。
Figure 0007146131000002
本実施の形態では、リングギア25の歯の角度間隔は、全て等しくされているので、角度情報検出部52は、全ての角度識別番号nの角度間隔Δθdを、予め設定された角度(本例では6度)に設定する。
また、角度情報検出部52は、式(2)に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出時刻Td(n)と、前回の角度識別番号(n-1)に対応する検出時刻Td(n-1)との偏差を算出して、今回の角度識別番号(n)(今回の角度区間Sd(n))に対応する時間間隔ΔTd(n)に設定する。
Figure 0007146131000003
角度情報検出部52は、第1クランク角センサ11及びカム角センサ30の2種類の出力信号に基づいて、第1気筒7のピストン5の上死点を基準とした参照クランク角度θrを検出すると共に、各気筒7の行程を判別する。例えば、角度情報検出部52は、第1クランク角センサ11の出力信号(矩形波)の立下りエッジの時間間隔から、信号板10の欠け歯部分の直後の立下りエッジを判定する。そして、角度情報検出部52は、欠け歯部分の直後の立下りエッジを基準にした各立下りエッジと、上死点を基準にした参照クランク角度θrと対応関係を判定し、各立下りエッジを検出した時の、上死点を基準とした参照クランク角度θrを算出する。また、角度情報検出部52は、第1クランク角センサ11の出力信号(矩形波)における欠け歯部分の位置と、カム角センサ30の出力信号(矩形波)との関係から、各気筒7の行程を判別する。
<角度情報補正部53>
角度情報補正部53は、角度区間Sdのそれぞれの角度間隔Δθd又は時間間隔ΔTdを、角度区間Sdのそれぞれに対応して1つずつ設けた補正値Kcにより補正する。
本実施の形態では、角度情報補正部53は、各角度識別番号nの角度区間Sd(n)に1つずつ補正値Kc(n)を設けている。本例では、角度識別番号n及び角度区間Sdは60設けられているので、補正値Kcも60設けられている。各補正値Kcは、図6に示すように、各角度識別番号nに対応付けられて、制御装置50のRAM等の書き換え可能な記憶装置91に記憶される。
例えば、式(3)に示すように、角度情報補正部53は、今回の角度識別番号(n)に対応する時間間隔ΔTd(n)に、今回の角度識別番号(n)に対応する補正値Kc(n)を乗算して、今回の角度識別番号(n)に対応する補正後の時間間隔ΔTdc(n)を算出する。或いは、角度情報補正部53は、今回の角度識別番号(n)に対応する角度間隔Δθd(n)を、今回の角度識別番号(n)に対応する補正値Kc(n)で除算して、今回の角度識別番号(n)に対応する補正後の角度間隔Δθdc(n)を算出する。
Figure 0007146131000004
或いは、角度情報補正部53は、補正前の角度間隔Δθd(n)及び時間間隔ΔTd(n)により算出したクランク角速度ωd(n)を、補正値Kc(n)で補正するように構成されてもよい。
本実施の形態では、補正値Kcにより時間間隔ΔTdが補正される場合について説明する。なお、補正値Kcにより補正されていない角度間隔Δθdも、説明の便宜上、補正処理後の角度間隔Δθdcと称す。
<クランク角速度ωd、クランク角加速度αdの算出>
角度情報検出部52は、補正値Kcにより補正処理後の角度間隔Δθdc及び時間間隔ΔTdcに基づいて、検出角度θd又は角度区間Sdのそれぞれに対応する、クランク角度θdの時間変化率であるクランク角速度ωd、およびクランク角速度ωdの時間変化率であるクランク角加速度αdを算出する。
本実施の形態では、図7に示すように、角度情報検出部52は、処理対象とする角度区間Sd(n)に対応する補正処理後の角度間隔Δθdc(n)及び時間間隔ΔTdc(n)に基づいて、処理対象の角度区間Sd(n)に対応するクランク角速度ωd(n)を算出する。具体的には、角度情報検出部52は、式(4)に示すように、処理対象の角度区間Sd(n)に対応する補正処理後の角度間隔Δθdc(n)を、補正処理後の時間間隔ΔTdc(n)で除算して、クランク角速度ωd(n)を算出する。
Figure 0007146131000005
角度情報検出部52は、処理対象とする検出角度θd(n)の直前1つの角度区間Sd(n)に対応するクランク角速度ωd(n)及び補正処理後の時間間隔ΔTdc(n)、並びに処理対象の検出角度θd(n)の直後1つの角度区間Sd(n+1)に対応するクランク角速度ωd(n+1)および補正処理後の時間間隔ΔTdc(n+1)に基づいて、処理対象の検出角度θd(n)に対応するクランク角加速度αd(n)を算出する。具体的には、角度情報検出部52は、式(5)に示すように、直後のクランク角速度ωd(n+1)から直前のクランク角速度ωd(n)を減算した減算値を、直後の補正処理後の時間間隔ΔTdc(n+1)と直前の補正処理後の時間間隔ΔTdc(n)の平均値で除算して、クランク角加速度αd(n)を算出する。
Figure 0007146131000006
なお、クランク角速度ωd(n)及びクランク角加速度αd(n)は、燃焼状態の推定等、公知の各種の内燃機関の制御に用いられる。
<歯の配置クランク角度の変動による課題>
リングギア25の歯の製造誤差及び経年変化により、各歯が配置されたクランク角度が6度ごとの規定の角度から変動する。図8に、歯の配置クランク角度に変動が生じた場合に、補正値Kcにより補正されていない角度間隔Δθd及び時間間隔ΔTdに基づいて算出された補正処理なしのクランク角速度ωdcmpと、計測用に設けられた高精度の回転センサにより検出した高精度のクランク角速度ω*との挙動を示す。図8に示すように、各歯の配置クランク角度の変動により、補正処理なしのクランク角速度ωdcmpは、計測用の高精度のクランク角速度ω*に対して変動している。
図9に、各クランク角度における、補正処理なしのクランク角速度ωdcmpを計測用の高精度のクランク角速度ω*で除算した角速度比を示す。角速度比が、1より大きい場合は、実際の角度間隔が、規定の角度間隔(6度)よりも短くなっており、1よりも小さい場合は、実際の角度間隔が、規定の角度間隔(6度)よりも長くなっている。よって、歯の配置クランク角度の変動を打ち消すように、補正値Kcを適切に変化させ、補正値Kcにより補正を行わないと、算出したクランク角速度ωd及びクランク角加速度αdに高周波成分が重畳し、燃焼状態の推定、及び燃焼制御等の内燃機関の制御精度が悪化する。以下で、補正値Kcを適切に変化させるための処理について説明する。
<軸トルク推定部54>
軸トルク推定部54は、吸気管内のガス圧の検出値Pind、及び検出角度θdに基づき、クランク機構の物理モデル式を用いて、気筒内のガス圧及びピストンの往復運動によるクランク軸の軸トルクTcrke(n)を、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応して推定する。
本実施の形態では、以下で説明するように、軸トルク推定部54は、気筒内のガス圧Pcylにより生じるガス圧トルクTgas、及びピストンの往復運動により生じる慣性トルクTinを算出し、ガス圧トルクTgasと慣性トルクTinとを合計して、軸トルクの推定値Tcrkeを算出する。
軸トルク推定部54は、気筒内のガス圧により生じるガス圧トルクを算出する物理モデル式を用い、吸気管内のガス圧の検出値Pindに基づいて、気筒内のガス圧Pcylにより生じるガス圧トルクTgasを算出する。
本実施の形態では、軸トルク推定部54は、内燃機関が燃焼を行っていない未燃焼状態であると仮定した場合の気筒内のガス圧により生じるガス圧トルクTgasを算出する。
次式に示すように、軸トルク推定部54は、吸気バルブ及び排気バルブが閉弁している気筒iに対しては、ポリトロープ変化によりガス圧を計算する式を用い、吸気管内のガス圧の検出値Pind、及びクランク角度θdに基づいて、気筒内のガス圧Pcyl_iを算出する。軸トルク推定部54は、吸気バルブが開弁し、且つ排気バルブの閉弁している気筒iに対しては、吸気管内のガス圧の検出値Pindに基づいて、気筒内のガス圧Pcyl_iを算出し、排気バルブが開弁している気筒iに対して、排気管内のガス圧Pexに基づいて、気筒内のガス圧Pcyl_iを算出する。
Figure 0007146131000007
ここで、Nplyは、ポリトロープ指数であり、予め設定された値が用いられる。Vcyl0は、吸気バルブの閉弁時のシリンダ容積であり、予め設定された値が用いられてもよいし、吸気可変バルブタイミング機構14による吸気バルブの閉弁タイミングに応じて変化されてよい。Vcly_θ_iは、各気筒iのクランク角度θd_iにおける各気筒iのシリンダ容積である。Spは、ピストンの頂面の投影面積であり、rは、クランク長さであり、Lは、コンロッド長さである。なお、三角関数の演算に用いられる各気筒iのクランク角度θd_iには、各気筒iについて、圧縮行程の上死点が0度になるように、クランク角度θdをシフトさせたクランク角度が用いられる。吸気管内のガス圧の検出値Pindには、行程周期の平均値等の平均化処理後の値が用いられてもよいし、吸気バルブの閉弁時の検出値が用いられもよい。排気管内のガス圧Pexには、大気圧の検出値が用いられてもよいし、所定値が用いられてもよい。
そして、軸トルク推定部54は、ガス圧をトルクに変換する次式を用い、各気筒iの気筒内のガス圧Pcyl_i、及びクランク角度θd_iに基づいて、ガス圧トルクTgasを算出する。
Figure 0007146131000008
ここで、Pcaseは、クランクケース内の内圧(ピストンの背圧)であり、所定値が設定されてもよいし、吸気管内のガス圧の検出値Pind、大気圧等に応じて変化されてもよい。R_iは、各気筒iのピストンに生じた力を、クランク軸回りのトルクに変換する変換係数である。なお、オフセットクランクの場合は、変換係数R_iの算出に、オフセットが考慮されてもよい。Nは、気筒数であり、本実施の形態では、N=3である。
軸トルク推定部54は、各クランク角度θdにおいて、ピストンの往復運動により生じる慣性トルクを算出する物理モデル式を用い、クランク角速度ωdに基づいて、ピストンの往復運動により生じる慣性トルクTinを算出する。
軸トルク推定部54は、ピストンの加速度及びピストンの慣性力をトルクに変換する次式を用い、クランク角速度ωd、及びクランク角度θdに基づいて、各気筒iのピストンの往復運動により生じる慣性トルクTinを算出する。
Figure 0007146131000009
ここで、mpは、ピストンの質量であり、αp_iは、クランク角速度ωdにおける、各気筒iのピストンの加速度であり、R_iは、式(7)の第2式により算出される変換係数である。なお、慣性トルクTinに、コンロッドの慣性等により生じる慣性トルクが加算されてもよい。
そして、軸トルク推定部54は、各クランク角度θdで算出されたガス圧トルクTgasと慣性トルクTinとを合計して、各クランク角度θdの軸トルクの推定値Tcrkeを算出する。
Figure 0007146131000010
そして、軸トルク推定部54は、各クランク角度θdの軸トルクの推定値Tcrkeに基づいて、各角度区間Sd(n)の軸トルクの推定値Tcrke(n)を算出する。例えば、各角度区間Sd(n)の中心位置に対応する軸トルクの推定値Tcrke(n)が算出される。次式に示すように、軸トルク推定部54は、各角度区間Sd(n)の開始クランク角度θd(n-1)の軸トルクの推定値Tcrke(θd(n-1))と、各角度区間Sd(n)の終了クランク角度θd(n)の軸トルクの推定値Tcrke(θd(n))との平均値を、各角度区間Sd(n)の軸トルクの推定値Tcrke(n)として算出する。或いは、軸トルクの推定値Tcrkeの算出に用いられるクランク角度θdが、各角度区間Sdの中心位置に対応するクランク角度θdに設定され、各角度区間Sdの中心位置に対応する軸トルクの推定値Tcrkeが直接演算されてもよい。
Figure 0007146131000011
以上で算出された軸トルクの推定値Tcrkeには、外部負荷トルクTloadの影響が考慮されていないため、本実施の形態では、以下で説明するように外部負荷トルクTloadを算出し、外部負荷トルクTloadにより軸トルクの推定値Tcrkeを補正する。外部負荷トルクTloadは、内燃機関の外部からクランク軸にかかるトルクである。外部負荷トルクTloadには、車輪に連結される動力伝達機構から内燃機関に伝達される車両の走行抵抗及び摩擦抵抗、並びにクランク軸に連結されるオルタネータ等の補機負荷等が含まれる。
なお、外部負荷トルクTloadによる補正が行われなくても、後述する平均検出角速度ωsavedによる補正により、外部負荷トルクTloadによる影響もまとめて補正されるため、外部負荷トルクTloadによる補正が行われなくてもよい。
軸トルク推定部54は、クランク角加速度の検出値αd、及びクランク軸系の慣性モーメントIcrkに基づいてクランク軸の軸トルクの検出値Tcrkdを算出する。本実施の形態では、軸トルク推定部54は、次式を用いて、各角度区間Sd(n)に対応する軸トルクの検出値Tcrkd(n)を算出する。ここで、本実施の形態では、図7に示すように、クランク角加速度の検出値αd(n)は、各角度区間Sd(n)の終了クランク角度θd(n)の時点の角加速度であるため、各角度区間Sd(n)に対応するクランク角加速度の検出値を算出するため、今回のクランク角度θd(n)のクランク角加速度αd(n)と直前のクランク角度θd(n-1)のクランク角加速度αd(n-1)との平均値が用いられている。
Figure 0007146131000012
軸トルク推定部54は、ピストンの上死点近傍のクランク角度θd_tdcにおいて算出された軸トルクの推定値Tcrke(θd_tdc)及び軸トルクの検出値Tcrkd(θd_tdc)に基づいて、外部負荷トルクTloadを算出する。上死点近傍では、コンロッド及びクランクが一直線になり、筒内圧がピストンを押す力により、軸トルクTcrkが生じない。よって、上死点近傍において、軸トルクの検出値Tcrkdと軸トルクの推定値Tcrkeとの偏差により、外部負荷トルクTloadを精度よく算出することができる。外部負荷トルクTloadは、通常、行程周期では大きく変動しないため、上死点近傍で算出した外部負荷トルクTloadを、各クランク角度θdで用いることができる。上死点近傍のクランク角度θd_tdcは、上死点近傍のクランク角度に予め設定されている。ここで、上死点近傍は、例えば、上死点前10度から上死点後10度までの角度区間内である。例えば、上死点近傍のクランク角度θdは、上死点のクランク角度に予め設定されている。本実施の形態では、軸トルク推定部54は、次式を用いて、外部負荷トルクTloadを算出する。
Figure 0007146131000013
なお、軸トルク推定部54は、平均化処理後の軸トルクの検出値Tcrkdの平均値と軸トルクの推定値Tcrkeの平均値との偏差により、外部負荷トルクTloadを算出してもよい。
軸トルク推定部54は、外部負荷トルクTloadにより、各角度区間Sd(n)の軸トルクの推定値Tcrke(n)を補正する。本実施の形態では、軸トルク推定部54は、次式に示すように、各角度区間Sd(n)の軸トルクの推定値Tcrke(n)に外部負荷トルクTloadを加算した値を、補正後の軸トルクの推定値Tcrke(n)として算出する。
Figure 0007146131000014
<一回転時間検出部57>
一回転時間検出部57は、第2クランク角センサ6の出力信号に基づいて、クランク軸が一回転する一回転角度間隔S360の時間間隔である一回転時間間隔ΔT360を検出し、一回転時間間隔の検出値ΔT360に基づいて、一回転角度間隔S360の範囲内に設定した平均処理角度区間Saveの平均角速度である平均検出角速度ωsavedを算出する。
本実施形態では、図10に示すように、一回転時間検出部57は、相互に重複しつつ角度をずらした第1の一回転角度間隔S360_1と第2の一回転角度間隔S360_2とのそれぞれについて、第1の一回転時間間隔ΔT360_1及び第2の一回転時間間隔ΔT360_2を検出し、第1の一回転角度間隔S360_1と第2の一回転角度間隔S360_2との間で重複している角度区間を平均処理角度区間Saveに設定する。そして、一回転時間検出部57は、第1の一回転時間間隔ΔT360_1と第2の一回転時間間隔ΔT360_2の平均値に基づいて、平均処理角度区間の時間間隔ΔTsaveを算出し、平均処理角度区間の時間間隔ΔTsaveに基づいて、平均検出角速度ωsavedを算出する。
本実施の形態では、平均処理角度区間Saveは、180度に設定されている。第1の一回転角度間隔S360_1は、平均処理角度区間Saveの開始角度よりも180度だけ遅角側の角度から、平均処理角度区間Saveの終了角度までの角度区間に設定される。第2の一回転角度間隔S360_2は、平均処理角度区間Saveの開始角度から、平均処理角度区間Saveの終了角度よりも180度だけ進角側の角度までの角度区間に設定される。平均検出角速度ωsavedを算出処理は、平均処理角度区間Saveごとに行われる。
本実施の形態では、一回転時間検出部57は、次式を用いて、平均検出角速度ωsavedを算出する。
Figure 0007146131000015
なお、平均処理角度区間Saveは、360度以内の任意の角度に設定されてもよい。例えば、平均処理角度区間Saveは、360度に設定されてもよく、この場合は、第1の一回転角度間隔S360_1と第2の一回転角度間隔S360_2とが同じになるので、一つの一回転角度間隔S360の一回転時間間隔ΔT360に基づいて、平均検出角速度ωsavedが算出されればよい。
<理想角速度算出部55>
理想角速度算出部55は、角度区間Sd(n)のそれぞれの軸トルクの推定値Tcrke(n)、及びクランク軸系の慣性モーメントIcrkに基づいて、複数の歯が配置された複数のクランク角度(以下、歯の配置クランク角度とも称す)に変動がないと仮定した理想状態における、角度区間Sdのそれぞれに対応する角速度である理想区間角速度ωidを算出する。
軸トルクの推定値Tcrkeは、クランク機構の物理モデル式を用いて算出されるので、歯の配置クランク角度に変動がないと仮定した理想状態における軸トルクになる。そして、理想区間角速度ωidは、軸トルクの推定値Tcrkeに基づいて算出されるので、理想状態における区間角速度になる。
本実施の形態では、理想角速度算出部55は、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、角度区間Sd(n)のそれぞれの補正値Kc(n)を変化させるために、平均処理角度区間Saveにおける理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させる。
図10に示すように、理想角速度算出部55は、角度区間Sd(n)のそれぞれの軸トルクの推定値Tcrke(n)、及びクランク軸系の慣性モーメントIcrkに基づいて、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する理想状態の角加速度である理想区間角加速度αid(n)を算出し、理想区間角加速度αid(n)を積分して、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する理想状態の角速度である仮の理想区間角速度ωidtmp(n)を算出する。本実施の形態では、理想角速度算出部55は、次式を用いて、仮の理想区間角速度ωidtmpを算出する。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000016
次式に示すように、理想角速度算出部55は、平均処理角度区間Saveにおける仮の理想区間角速度ωidtmpの平均値ωidtmp_aveを算出する。ここで、Qは、平均処理角度区間Saveの最初の角度区間に対応する角度識別番号であり、Rは、平均処理角度区間Saveの最後の角度区間に対応する角度識別番号である。
Figure 0007146131000017
そして、次式に示すように、理想角速度算出部55は、仮の理想区間角速度ωidtmpから、仮の理想区間角速度の平均値ωidtmp_aveを減算し、平均検出角速度ωsavedを加算した値を、理想区間角速度ωidとして算出する。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000018
この算出処理により、平均処理角度区間Saveにおける理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させることができる。よって、後述するように、検出区間角速度ωsdが理想区間角速度ωidに近づくように、補正値Kcが変化されるので、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、補正値Kcを変化させることができる。
図11に、一定のクランク角速度の条件で、仮の理想区間角速度ωidtmpが、そのまま理想区間角速度ωidに設定される場合の制御挙動を示す。この場合は、理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveが、平均検出角速度ωsavedからずれるため、検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱し、クランク角速度が一定であるにもかかわらず、検出区間角速度ωsdが、次第にシフトし、誤差が生じている。一方、図12に、式(17)のように補正した場合の制御挙動を示す。この場合は、理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveが、平均検出角速度ωsavedに一致しているため、検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないようにでき、検出区間角速度ωsdが、シフトしておらず、誤差が生じていない。
<補正値変化部56>
補正値変化部56は、角度区間Sd(n)のそれぞれについて、補正値Kcによる補正処理後の時間間隔ΔTdc及び角度間隔Δθdcにより算出される角度区間に対応する角速度である検出区間角速度ωsd(n)が、理想区間角速度ωid(n)に近づくように、角度区間Sd(n)のそれぞれの補正値Kc(n)を変化させる。
この構成によれば、理想区間角速度ωidは、理想状態における区間角速度であるので、歯の配置クランク角度の変動による高周波成分が重畳していない。よって、検出区間角速度ωsd(n)が、理想区間角速度ωid(n)に近づくように、各角度区間Sd(n)の補正値Kc(n)を変化させることより、歯の配置クランク角度の変動を打ち消すように、補正値Kc(n)を適切に変化させることができる。
補正値変化部56は、角度区間Sd(n)のそれぞれについて、検出区間角速度ωsd(n)が理想区間角速度ωid(n)を上回った場合は、補正値Kc(n)を増加させ、検出区間角速度ωsd(n)が理想区間角速度ωid(n)を下回った場合は、補正値Kc(n)を減少させる。
次式を用いて、補正値変化部56は、補正値Kcによる補正処理後の時間間隔ΔTdc(n)及び角度間隔Δθdc(n)に基づいて、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する検出区間角速度ωsd(n)を算出する。
Figure 0007146131000019
例えば、補正値変化部56は、次式を用いて、補正値Kc(n)を更新する。ここで、Klrnは、学習率であり、1以下の値が設定される。
Figure 0007146131000020
本実施の形態では、補正値変化部56は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)の理想区間角速度ωid(n)の算出処理が終了するごとに、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)の補正値Kc(n)の変化処理をまとめて実行する。
本実施の形態では、補正値変化部56は、内燃機関が燃焼を行っていない未燃焼状態である場合(第1条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。一方、補正値変化部56は、内燃機関が燃焼を行っている燃焼状態である場合(第1条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。未燃焼状態には、燃料の供給を停止している燃料カット状態などがある。
未燃焼状態では、クランク機構の物理モデル式が想定していない燃焼による筒内圧の上昇がないため、理想区間角速度ωidの算出精度が向上する。よって、補正値Kc変化の精度を向上させることができる。
また、補正値変化部56は、検出区間角速度ωsdの平均値の変化量の絶対値が、変化量判定値以下である場合(第2条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。一方、補正値変化部56は、変化量の絶対値が、変化量判定値を上回っている場合(第2条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。検出区間角速度ωsdの平均値は、例えば、平均処理角度区間Save又は行程周期などの平均期間の平均値とされる。
検出区間角速度ωsdの平均値の変化量の絶対値が大きい場合は、外部負荷トルクTload等の外乱の影響が大きく、外乱の影響により、補正値Kc変化の精度が悪化する可能性がある。よって、検出区間角速度ωsdの平均値の変化量の絶対値が小さい安定した状態で、補正値Kcを変化させることで、補正値Kc変化の精度を向上させることができる。
補正値変化部56は、内燃機関が搭載された車両のブレーキ機構の動作量が、動作量判定値以下である場合(第3条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。一方、補正値変化部56は、ブレーキ機構の動作量が、動作量判定値を上回っている場合(第3条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。
ブレーキ機構の動作量が大きい場合は、ブレーキの制動力により、外部負荷トルクTloadが大きく変動し、補正値Kc変化の精度が悪化する可能性がある。よって、ブレーキ機構の動作量が小さい安定した状態で、補正値Kcを変化させることで、補正値Kc変化の精度を向上させることができる。
補正値変化部56は、クランク軸が連結されたクラッチ機構が解放状態である場合(第4条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。一方、補正値変化部56は、クラッチ機構が連結状態である場合(第4条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。例えば、クラッチ機構は、クランク軸と変速装置との間に設けられる。
クラッチ機構が連結状態である場合は、車輪側から伝達される外部負荷トルクTloadにより、補正値Kc変化の精度が悪化する可能性がある。よって、クラッチ機構が解放状態である場合に、補正値Kcを変化させることで、補正値Kc変化の精度を向上させることができる。
補正値変化部56は、内燃機関の冷却水温が、第1の水温判定値以上である場合(第5条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。一方、補正値変化部56は、冷却水温が、第1の水温判定値未満である場合(第5条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。或いは、補正値変化部56は、冷却水温が、第1の水温判定値以上でかつ、第1の水温判定値よりも高い第2の水温判定値以下である場合(第5条件の成立時)に、補正値Kcを変化させる。補正値変化部56は、冷却水温が、第1の水温判定値未満である、又は冷却水温が、第2の水温判定値よりも大きい場合(第5条件の不成立時)は、補正値Kcを変化させない。第1の水温判定値及び第2の水温判定値は、内燃機関が暖機され、冷却水温が通常の運転温度である場合に、補正値Kcが変化されるような値に予め設定される。
冷却水温が通常の運転温度になると、内燃機関のフリクション等の状態が安定し、補正値Kc変化の精度を向上させることができる。
本実施の形態では、補正値変化部56は、上記の第1条件から第5条件が全て成立している場合に、補正値Kcを変化させ、第1条件から第5条件のいずれか一つが成立していない場合に、補正値Kcを変化させない。或いは、第1条件から第5条件の全てが用いられなくてもよく、少なくとも第1条件が用いられてもよい。
図13に、歯の配置クランク角度に変動が生じた場合に、補正値Kcにより補正されていない角度間隔Δθd及び時間間隔ΔTdに基づいて算出した補正処理なしのクランク角速度ωdcmpと、計測用に設けられた高精度の回転センサにより検出した高精度のクランク角速度ω*と、補正値Kcによる補正処理後のクランク角速度ωdと、の挙動を示す。図13に示すように、補正処理後のクランク角速度ωdは、補正処理なしのクランク角速度ωdcmpから計測用の高精度のクランク角速度ω*に近づいている。よって、歯の配置クランク角度の変動を打ち消すように、補正値Kcを適切に変化させることができ、クランク角度θdの検出誤差を精度良く補正することができている。
2.実施の形態2
実施の形態2に係る制御装置50について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置50の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、理想角速度算出部55の処理が実施の形態1と異なる。
実施の形態1と同様に、理想角速度算出部55は、角度区間Sd(n)のそれぞれの軸トルクの推定値Tcrke(n)、及びクランク軸系の慣性モーメントIcrkに基づいて、歯の配置クランク角度に変動がないと仮定した理想状態における、角度区間Sdのそれぞれに対応する角速度である理想区間角速度ωidを算出する。
また、理想角速度算出部55は、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、角度区間Sd(n)のそれぞれの補正値Kc(n)を変化させるために、平均処理角度区間Saveにおける理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させる。
図14に示すように、理想角速度算出部55は、角度区間Sd(n)のそれぞれの軸トルクの推定値Tcrke(n)、及びクランク軸系の慣性モーメントIcrkに基づいて、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する理想状態の角加速度である理想区間角加速度αid(n)を算出する。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000021
実施の形態1と異なり、理想角速度算出部55は、角度区間Sdを一つずつ進角側に変化させて演算対象の角度区間Scal(n)を設定し、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想区間角加速度αid(n)、及び一つ遅角側の演算対象の角度区間Scal(n-1)において算出された仮の理想区間角速度ωidtmp(n-1)に基づいて、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想状態の時間間隔である理想時間間隔ΔTid(n)を算出し、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想時間間隔ΔTid(n)に基づいて、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想状態の角速度である仮の理想区間角速度ωidtmp(n)を算出する。
本実施の形態では、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)が、平均処理角度区間Saveの最初の角度区間Sd(Q)から最後の角度区間Sd(R)まで一つずつ進角側に変化され、演算対象の角度区間Scal(n)に設定される(n=Q、Q+1、・・・、R-1、R)。ここで、Qは、平均処理角度区間Saveの最初の角度区間に対応する角度識別番号であり、Rは、平均処理角度区間Saveの終了角度間隔に対応する角度識別番号である。
次式を用いて、理想角速度算出部55は、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想区間角加速度αid(n)、及び一つ遅角側の演算対象の角度区間Scal(n-1)において算出された仮の理想区間角速度ωidtmp(n-1)に基づいて、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想状態の時間間隔である理想時間間隔ΔTid(n)を算出する。
Figure 0007146131000022
次式を用いて、理想角速度算出部55は、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想時間間隔ΔTid(n)に基づいて、演算対象の角度区間Scal(n)に対応する理想状態の角速度である仮の理想区間角速度ωidtmp(n)を算出する。
Figure 0007146131000023
角度識別番号nをQからRまで一つずつ増加させながら、各角度識別番号nで、式(21)及び式(22)の演算が行われる。
そして、次式に示すように、理想角速度算出部55は、平均処理角度区間Saveにおける仮の理想区間角速度ωidtmpの平均値ωidtmp_aveを算出する。
Figure 0007146131000024
次式に示すように、理想角速度算出部55は、仮の理想区間角速度ωidtmpから、仮の理想区間角速度の平均値ωidtmp_aveを減算し、平均検出角速度ωsavedを加算した値を、理想区間角速度ωidとして算出する。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000025
この算出処理により、実施の形態1と同様に、平均処理角度区間Saveにおける理想区間角速度ωidの平均値ωid_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させることができる。よって、検出区間角速度ωsdが理想区間角速度ωidに近づくように、補正値Kcが変化されるので、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、補正値Kcを変化させることができる。
3.実施の形態3
実施の形態3に係る制御装置50について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置50の基本的な構成は実施の形態1又は2と同様であるが、補正値変化部56の処理が実施の形態1又は2と異なる。
本実施の形態では、補正値変化部56は、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、角度区間Sd(n)のそれぞれの補正値Kc(n)を変化させるために、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させる。
図15に示すように、補正値変化部56は、補正値による補正処理後の時間間隔ΔTdc(n)及び角度間隔Δθdc(n)に基づいて、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する角速度である基礎の検出区間角速度ωsdbs(n)を算出する。この算出処理には、次式が用いられる。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000026
補正値変化部56は、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する基礎の検出区間角速度ωsdbs(n)及び時間間隔ΔTdc(n)に基づいて、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する角加速度である基礎の検出区間角加速度αsdbs(n)を算出し、基礎の検出区間角加速度αsdbs(n)を積分して、角度区間Sd(n)のそれぞれに対応する角速度である仮の検出区間角速度ωsdtmp(n)を算出する。この算出処理には、次式が用いられる。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの各角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000027
補正値変化部56は、平均処理角度区間Saveにおける仮の検出区間角速度ωsdtmpの平均値ωsdtmp_aveを算出する。
Figure 0007146131000028
そして、次式に示すように、補正値変化部56は、仮の検出区間角速度ωsdtmp(n)から、仮の検出区間角速度の平均値ωsdtmp_aveを減算し、平均検出角速度ωsavedを加算した値を、検出区間角速度ωsd(n)として算出する。この算出処理は、平均処理角度区間Saveの角度区間Sd(n)について行われる。
Figure 0007146131000029
この算出処理により、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度の平均値ωsd_aveを平均検出角速度ωsavedに一致させることができる。よって、平均処理角度区間Saveにおける検出区間角速度ωsdの平均値ωsd_aveが、平均検出角速度ωsavedから逸脱しないように、補正値Kcを変化させることができる。
そして、実施の形態1と同様に、補正値変化部56は、角度区間Sd(n)のそれぞれについて、検出区間角速度ωsd(n)が、理想区間角速度ωid(n)に近づくように、角度区間Sd(n)のそれぞれの補正値Kc(n)を変化させる。
<本願の諸態様のまとめ>
以下、本願の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
クランク軸と一体回転する回転部材に、予め定められた複数のクランク角度に設けられた複数の被検出部と、非回転部材に固定され、前記被検出部を検出する特定クランク角センサと、吸気管内のガス圧を検出するガス圧センサと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
前記特定クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角度を検出すると共に前記クランク角度を検出した検出時刻を検出し、検出した前記クランク角度である検出角度に基づいて、前記検出角度の間の角度区間に対応する角度間隔を算出し、前記検出時刻に基づいて、前記角度区間に対応する時間間隔を算出する角度情報検出部と、
前記角度区間のそれぞれの前記角度間隔又は前記時間間隔を、前記角度区間のそれぞれに対応して1つずつ設けた補正値により補正する角度情報補正部と、
前記ガス圧センサの出力信号に基づいて、前記吸気管内のガス圧を検出する吸気管ガス圧検出部と、
前記吸気管内のガス圧の検出値、及び前記検出角度に基づき、クランク機構の物理モデル式を用いて、気筒内のガス圧及びピストンの往復運動によるクランク軸の軸トルクを、前記角度区間のそれぞれに対応して推定する軸トルク推定部と、
前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及びクランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記複数の被検出部が配置された前記複数のクランク角度に変動がないと仮定した理想状態における、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である理想区間角速度を算出する理想角速度算出部と、
前記角度区間のそれぞれについて、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔により算出される前記角度区間に対応する角速度である検出区間角速度が、前記理想区間角速度に近づくように、前記角度区間のそれぞれの前記補正値を変化させる補正値変化部と、を備えた内燃機関の制御装置。
(付記2)
前記特定クランク角センサの出力信号に基づいて、前記クランク軸が一回転する一回転角度間隔の時間間隔である一回転時間間隔を検出し、前記一回転時間間隔の検出値に基づいて、前記一回転角度間隔の範囲内に設定した平均処理角度区間の平均角速度である平均検出角速度を算出する一回転時間検出部を更に備え、
前記補正値変化部及び前記理想角速度算出部は、前記平均処理角度区間における前記検出区間角速度の平均値が、前記平均検出角速度から逸脱しないように、前記角度区間のそれぞれの前記補正値を変化させる付記1に記載の内燃機関の制御装置。
(付記3)
前記一回転時間検出部は、相互に重複しつつ角度をずらした第1の一回転角度間隔と第2の一回転角度間隔とのそれぞれについて、第1の一回転時間間隔及び第2の一回転時間間隔を検出し、前記第1の一回転角度間隔と前記第2の一回転角度間隔との間で重複している角度区間を前記平均処理角度区間に設定し、前記第1の一回転時間間隔と前記第2の一回転時間間隔の平均値に基づいて、前記平均処理角度区間の時間間隔を算出し、前記平均処理角度区間の時間間隔に基づいて、前記平均検出角速度を算出する付記2に記載の内燃機関の制御装置。
(付記4)
前記理想角速度算出部は、前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角加速度である理想区間角加速度を算出し、前記理想区間角加速度を積分して、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角速度である仮の理想区間角速度を算出し、
前記平均処理角度区間における前記仮の理想区間角速度の平均値を算出し、
前記仮の理想区間角速度から、前記仮の理想区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記理想区間角速度として算出する付記2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
(付記5)
前記理想角速度算出部は、
前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角加速度である理想区間角加速度を算出し、
前記角度区間を一つずつ進角側に変化させて演算対象の角度区間を設定し、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想区間角加速度、及び一つ遅角側の前記演算対象の角度区間において算出された仮の理想区間角速度に基づいて、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想状態の時間間隔である理想時間間隔を算出し、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想時間間隔に基づいて、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想状態の角速度である前記仮の理想区間角速度を算出し、
前記平均処理角度区間における前記仮の理想区間角速度の平均値を算出し、
前記仮の理想区間角速度から、前記仮の理想区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記理想区間角速度として算出する付記2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
(付記6)
前記補正値変化部は、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔に基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である基礎の検出区間角速度を算出し、
前記角度区間のそれぞれに対応する前記基礎の検出区間角速度及び前記時間間隔に基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する角加速度である基礎の検出区間角加速度を算出し、前記基礎の検出区間角加速度を積分して、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である仮の検出区間角速度を算出し、
前記平均処理角度区間における前記仮の検出区間角速度の平均値を算出し、
前記仮の検出区間角速度から、前記仮の検出区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記検出区間角速度として算出する付記2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
(付記7)
前記角度情報検出部は、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔に基づいてクランク角加速度の検出値を算出し、
前記軸トルク推定部は、前記クランク角加速度の検出値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいてクランク軸の軸トルクの検出値を算出し、
ピストンの上死点近傍のクランク角度において算出された前記軸トルクの推定値及び前記軸トルクの検出値に基づいて、内燃機関の外部からクランク軸にかかるトルクである外部負荷トルクを算出し、
前記外部負荷トルクにより前記軸トルクの推定値を補正する付記2から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
(付記8)
前記補正値変化部は、前記内燃機関が燃焼を行っていない未燃焼状態である場合に、前記補正値を変化させる付記1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
(付記9)
前記補正値変化部は、前記検出区間角速度の平均値の変化量の絶対値が、変化量判定値以下である場合に、前記補正値を変化させ付記1から8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
(付記10)
前記補正値変化部は、前記内燃機関が搭載された車両のブレーキ機構の動作量が、動作量判定値以下である場合に、前記補正値を変化させる付記1から9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
(付記11)
前記補正値変化部は、前記クランク軸が連結されたクラッチ機構が解放状態である場合に、前記補正値を変化させる付記1から10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
(付記12)
前記補正値変化部は、前記内燃機関の冷却水温が、第1の水温判定値以上である場合、又は前記冷却水温が、前記第1の水温判定値以上でかつ、前記第1の水温判定値よりも高い第2の水温判定値以下である場合に、前記補正値を変化させる付記1から11のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
〔その他の実施の形態〕
(1)上記の実施の形態1においては、第2クランク角センサ6が、本願における「特定クランク角センサ」に相当し、フライホイール27が、本願における「回転部材」に相当し、フライホイール27に設けられたリングギア25の歯が、本願における「被検出部」に相当する場合を例に説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、第1クランク角センサ11が、本願における「特定クランク角センサ」に相当し、信号板10が、本願における「回転部材」に相当し、信号板10に設けられた複数の歯が、本願における「被検出部」に相当してもよい。
(2)上記の実施の形態1においては、内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、内燃機関1は、ディーゼルエンジン、HCCI燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignition Combustion)を行うエンジン等の各種の内燃機関とされてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 内燃機関、2 クランク軸、6 第2クランク角センサ(特定クランク角センサ)、8 ガス圧センサ、50 内燃機関の制御装置、51 吸気管ガス圧検出部、52 角度情報検出部、53 角度情報補正部、54 軸トルク推定部、55 理想角速度算出部、56 補正値変化部、57 一回転時間検出部、Icrk 慣性モーメント、Kc 補正値、Pind 吸気管内のガス圧の検出値、S360 :一回転角度間隔、S360_1 第1の一回転角度間隔、S360_2 第2の一回転角度間隔、Save 平均処理角度区間、Scal 演算対象の角度区間、Sd 角度区間、Tcrkd 軸トルクの検出値、Tcrke 軸トルクの推定値、Td 検出時刻、Tload 外部負荷トルク、ΔT360 一回転時間間隔、Δθd 角度間隔、Δθdc 補正処理後の角度間隔、ΔT360_1 第1の一回転時間間隔、ΔT360_2 第2の一回転時間間隔、ΔTd 時間間隔、ΔTdc 補正処理後の時間間隔、ΔTid 理想時間間隔、ΔTsave 平均処理角度区間の時間間隔、αd クランク角加速度の検出値、αid 理想区間角加速度、αsdbs 基礎の検出区間角加速度、θd クランク角度(検出角度)、ωd クランク角速度、ωid 理想区間角速度、ωidtmp 仮の理想区間角速度、ωidtmp_ave 仮の理想区間角速度の平均値、ωsaved 平均検出角速度、ωsd 検出区間角速度、ωsd_ave 検出区間角速度の平均値、ωsdbs 基礎の検出区間角速度、ωsdtmp 仮の検出区間角速度、ωsdtmp_ave 仮の検出区間角速度の平均値

Claims (12)

  1. クランク軸と一体回転する回転部材に、予め定められた複数のクランク角度に設けられた複数の被検出部と、非回転部材に固定され、前記被検出部を検出する特定クランク角センサと、吸気管内のガス圧を検出するガス圧センサと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記特定クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角度を検出すると共に前記クランク角度を検出した検出時刻を検出し、検出した前記クランク角度である検出角度に基づいて、前記検出角度の間の角度区間に対応する角度間隔を算出し、前記検出時刻に基づいて、前記角度区間に対応する時間間隔を算出する角度情報検出部と、
    前記角度区間のそれぞれの前記角度間隔又は前記時間間隔を、前記角度区間のそれぞれに対応して1つずつ設けた補正値により補正する角度情報補正部と、
    前記ガス圧センサの出力信号に基づいて、前記吸気管内のガス圧を検出する吸気管ガス圧検出部と、
    前記吸気管内のガス圧の検出値、及び前記検出角度に基づき、クランク機構の物理モデル式を用いて、気筒内のガス圧及びピストンの往復運動によるクランク軸の軸トルクを、前記角度区間のそれぞれに対応して推定する軸トルク推定部と、
    前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及びクランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記複数の被検出部が配置された前記複数のクランク角度に変動がないと仮定した理想状態における、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である理想区間角速度を算出する理想角速度算出部と、
    前記角度区間のそれぞれについて、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔により算出される前記角度区間に対応する角速度である検出区間角速度が、前記理想区間角速度に近づくように、前記角度区間のそれぞれの前記補正値を変化させる補正値変化部と、を備えた内燃機関の制御装置。
  2. 前記特定クランク角センサの出力信号に基づいて、前記クランク軸が一回転する一回転角度間隔の時間間隔である一回転時間間隔を検出し、前記一回転時間間隔の検出値に基づいて、前記一回転角度間隔の範囲内に設定した平均処理角度区間の平均角速度である平均検出角速度を算出する一回転時間検出部を更に備え、
    前記補正値変化部及び前記理想角速度算出部は、前記平均処理角度区間における前記検出区間角速度の平均値が、前記平均検出角速度から逸脱しないように、前記角度区間のそれぞれの前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記一回転時間検出部は、相互に重複しつつ角度をずらした第1の一回転角度間隔と第2の一回転角度間隔とのそれぞれについて、第1の一回転時間間隔及び第2の一回転時間間隔を検出し、前記第1の一回転角度間隔と前記第2の一回転角度間隔との間で重複している角度区間を前記平均処理角度区間に設定し、前記第1の一回転時間間隔と前記第2の一回転時間間隔の平均値に基づいて、前記平均処理角度区間の時間間隔を算出し、前記平均処理角度区間の時間間隔に基づいて、前記平均検出角速度を算出する請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記理想角速度算出部は、前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角加速度である理想区間角加速度を算出し、前記理想区間角加速度を積分して、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角速度である仮の理想区間角速度を算出し、
    前記平均処理角度区間における前記仮の理想区間角速度の平均値を算出し、
    前記仮の理想区間角速度から、前記仮の理想区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記理想区間角速度として算出する請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記理想角速度算出部は、
    前記角度区間のそれぞれの前記軸トルクの推定値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する前記理想状態の角加速度である理想区間角加速度を算出し、
    前記角度区間を一つずつ進角側に変化させて演算対象の角度区間を設定し、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想区間角加速度、及び一つ遅角側の前記演算対象の角度区間において算出された仮の理想区間角速度に基づいて、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想状態の時間間隔である理想時間間隔を算出し、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想時間間隔に基づいて、前記演算対象の角度区間に対応する前記理想状態の角速度である前記仮の理想区間角速度を算出し、
    前記平均処理角度区間における前記仮の理想区間角速度の平均値を算出し、
    前記仮の理想区間角速度から、前記仮の理想区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記理想区間角速度として算出する請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記補正値変化部は、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔に基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である基礎の検出区間角速度を算出し、
    前記角度区間のそれぞれに対応する前記基礎の検出区間角速度及び前記時間間隔に基づいて、前記角度区間のそれぞれに対応する角加速度である基礎の検出区間角加速度を算出し、前記基礎の検出区間角加速度を積分して、前記角度区間のそれぞれに対応する角速度である仮の検出区間角速度を算出し、
    前記平均処理角度区間における前記仮の検出区間角速度の平均値を算出し、
    前記仮の検出区間角速度から、前記仮の検出区間角速度の平均値を減算し、前記平均検出角速度を加算した値を、前記検出区間角速度として算出する請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記角度情報検出部は、前記補正値による補正処理後の前記時間間隔及び前記角度間隔に基づいてクランク角加速度の検出値を算出し、
    前記軸トルク推定部は、前記クランク角加速度の検出値、及び前記クランク軸系の慣性モーメントに基づいてクランク軸の軸トルクの検出値を算出し、
    ピストンの上死点近傍のクランク角度において算出された前記軸トルクの推定値及び前記軸トルクの検出値に基づいて、内燃機関の外部からクランク軸にかかるトルクである外部負荷トルクを算出し、
    前記外部負荷トルクにより前記軸トルクの推定値を補正する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記補正値変化部は、前記内燃機関が燃焼を行っていない未燃焼状態である場合に、前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記補正値変化部は、前記検出区間角速度の平均値の変化量の絶対値が、変化量判定値以下である場合に、前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記補正値変化部は、前記内燃機関が搭載された車両のブレーキ機構の動作量が、動作量判定値以下である場合に、前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記補正値変化部は、前記クランク軸が連結されたクラッチ機構が解放状態である場合に、前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記補正値変化部は、前記内燃機関の冷却水温が、第1の水温判定値以上である場合、又は前記冷却水温が、前記第1の水温判定値以上でかつ、前記第1の水温判定値よりも高い第2の水温判定値以下である場合に、前記補正値を変化させる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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