JP6765492B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の始動時に、燃料供給系のリーン異常が発生していることを検出することができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間において算出された複数のクランク角躍度から最大値δdmaxを判定し、内燃機関の始動開始後に、判定期間毎に最大値δdmaxを積算して積算値Σδを算出し、始動開始後に、最大値δdmaxが超過判定値THδ以上になった超過回数Novを算出し、積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定する内燃機関の制御装置50。【選択図】図1

Description

本願は、内燃機関の制御装置に関するものである。
一般に、内燃機関の制御装置は、各種センサからの運転状態の情報に応じて目標空燃比を設定し、実際の空燃比が目標空燃比に一致するように燃料噴射量を制御する。
各種センサ、及び燃料供給系を構成する各種部品のバラツキなどにより、実空撚比が目標空燃比からずれる。このずれを補正するために、排気管内の排気ガスの実空燃比を検出する空燃比センサが設けられ、内燃機関の制御装置は、空燃比センサの検出信号に基づいて燃焼噴射量を補正するフィードバック制御を行う。
ここで、燃料供給系には、燃料を燃料タンクから送り出すための燃料ポンプ、送り出された燃料の圧力を調整する圧力レギュレータ、内燃機関の各燃焼室に対して燃料噴射を行うインジェクタ等が含まれ、燃料供給系の各要素に性能のバラツキがある。
また、空燃比センサとして、理論空燃比付近で出力が急変する2値空燃比センサ、空燃比をリニアに検出できるリニア空燃比センサ等がある。
特許第3801841号 特開2017−66867号公報
しかし、内燃機関の始動後、空燃比センサが活性化するまでにはタイムラグがある。そのため、内燃機関の始動時に、燃料供給系の異常が発生すると、空燃比センサが活性化して、フィードバック制御により燃料噴射量が補正されるまで、実空燃比が目標空燃比からずれたままの状態になる。例えば、燃料供給系に、燃焼室に供給される燃料量が減少するリーン異常が発生すると、始動時の空燃比がリーン化する。その結果、排気ガスが悪化したり、始動性が悪化したりするので、空燃比センサ以外の手段により燃料供給系のリーン異常を検出し、燃料噴射量を補正することが望まれる。
特許文献1の技術では、空燃比センサを用いたフィードバック制御を行った時の燃料噴射量の補正量、又は空燃比センサにより検出した実空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて、燃料供給系の異常を判定している。しかし、特許文献1の技術は、始動後の運転中に時間をかけて判定する方法であり、始動してから異常が判定されるまでに時間を要する。また、内燃機関の始動時は、始動後の運転中とは異なる特異な運転状態であり、内燃機関の始動時のみに発生する燃料供給系の異常が考えられる。しかし、特許文献1の技術では、この始動時の異常を検出できない。
また、特許文献2の技術では、始動開始後、所定のエンジン回転速度に到達するまでの点火回数から、ガソリンの性状が軽質であるか、重質であるかを判定している。そのため、特許文献2の技術は、燃料の性状を判定するものであり、燃料供給系の異常を判定するものではない。
そこで、本願は、内燃機関の始動時に、燃料供給系のリーン異常が発生していることを検出することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本願に係る内燃機関の制御装置は、クランク軸と一体回転する回転部材に、予め定められた複数のクランク角度に設けられた複数の被検出部と、非回転部材に固定され、前記被検出部を検出するクランク角センサと、を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の燃焼室に供給される燃料量を制御する燃料制御部と、
前記クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角度を検出すると共に、前記クランク角度の時間変化率であるクランク角速度、前記クランク角速度の時間変化率であるクランク角加速度、及び前記クランク角加速度の時間変化率であるクランク角躍度を算出する角度情報算出部と、
前記内燃機関の1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間において算出された複数の前記クランク角躍度から最大値を判定する躍度最大値判定部と、
前記内燃機関の始動開始後に、前記判定期間毎に前記最大値を積算して、積算値を算出する躍度最大値積算部と、
前記内燃機関の始動開始後に、前記最大値が超過判定値以上になった前記判定期間の回数である超過回数を算出する最大値超過回数算出部と、
前記積算値及び前記超過回数の一方又は双方に基づいて、前記燃焼室に供給される前記燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定するリーン異常判定部と、
を備えたものである。
本願の内燃機関の制御装置によれば、1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間において算出された複数のクランク角躍度の最大値により、1回の燃焼行程間のトルク変動を検出することができる。燃料量が低下すると、燃焼により生じるエネルギーが低下し、トルク変動が低下する。一方、内燃機関の始動時は、過渡運転状態であるので、瞬時値で精度よく判定することは容易でない。そこで、始動中に算出した、クランク角躍度の最大値の積算値、及びクランク角躍度の最大値が超過判定値以上になった超過回数の一方又は双方により、始動中の燃焼量の低下により生じたトルク変動の変化の傾向を検出することができ、リーン異常の発生の有無を判定することができる。
本願の実施の形態1に係る内燃機関及び制御装置の概略構成図である。 本願の実施の形態1に係る内燃機関及び制御装置の概略構成図である。 本願の実施の形態1に係る制御装置のブロック図である。 本願の実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 本願の実施の形態1に係る角度情報検出処理を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る、記憶装置に記憶される補正値を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る角度情報算出処理を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係るクランク角躍度の最大値の判定を説明するための図である。 本願の実施の形態1に係る基準燃料量、暖機条件における始動時挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係るリーン燃料量、暖機条件における始動時の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る暖機条件における始動時のクランク角躍度の最大値の積算値の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る基準燃料量、冷機条件における始動時挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係るリーン燃料量、冷機条件における始動時の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る冷機時と暖機時とのクランク角躍度の最大値の挙動の傾向差を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る冷機条件における始動時のクランク角躍度の最大値の積算値の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本願の実施の形態1に係る概略的な処理の手順を示すフローチャートである。
1.実施の形態1
実施の形態に係る内燃機関の制御装置50(以下、単に制御装置50と称す)について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本実施の形態に係る内燃機関1及び制御装置50の概略構成図であり、図3は、本実施の形態に係る制御装置50のブロック図である。内燃機関1及び制御装置50は、車両に搭載され、内燃機関1は、車両(車輪)の駆動力源となる。
1−1.内燃機関1の構成
まず、内燃機関1の構成について説明する。図1に示すように、内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室7を備えている。内燃機関1は、燃焼室7に空気を供給する吸気路23と、燃焼室7で燃焼した排気ガスを排出する排気路17とを備えている。内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている。内燃機関1は、吸気路23を開閉するスロットルバルブ4を備えている。スロットルバルブ4は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ4には、スロットルバルブ4の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ19が設けられている。
スロットルバルブ4の上流側の吸気路23には、吸気路23に吸入される吸入空気量に応じた電気信号を出力するエアフローセンサ3が設けられている。内燃機関1は、排気ガス還流装置20を備えている。排気ガス還流装置20は、排気路17から吸気マニホールド12に排気ガスを還流するEGR流路21と、EGR流路21を開閉するEGRバルブ22と、を有している。吸気マニホールド12は、スロットルバルブ4の下流側の吸気路23の部分である。EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式EGRバルブとされている。排気路17には、排気路17内の排気ガスの空燃比に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18を備えている。
吸気マニホールド12には、吸気マニホールド12内の圧力に応じた電気信号を出力するマニホールド圧センサ8が設けられている。吸気マニホールド12の下流側の部分には、燃料を噴射するインジェクタ13が設けられている。なお、インジェクタ13は、燃焼室7内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。内燃機関1には、大気圧に応じた電気信号を出力する大気圧センサ33が設けられている。内燃機関1には、内燃機関1を冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温センサ34が設けられている。
燃焼室7の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグと、点火プラグに点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、燃焼室7の頂部には、吸気路23から燃焼室7内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ14と、シリンダ内から排気路17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ15と、が設けられている。
図2に示すように、内燃機関1は、複数の燃焼室7(本例では3つ)を備えている。各燃焼室7内には、ピストン5が備えられている。各燃焼室7のピストン5は、コンロッド9及びクランク32を介してクランク軸2に接続されている。クランク軸2は、ピストン5の往復運動によって回転駆動される。各燃焼室7で発生した燃焼ガス圧は、ピストン5の頂面を押圧し、コンロッド9及びクランク32を介してクランク軸2を回転駆動する。クランク軸2は、車輪に駆動力を伝達する動力伝達機構に連結されている。動力伝達機構は、変速装置、ディファレンシャルギヤ等から構成される。なお、内燃機関1を備えた車両は、動力伝達機構内にモータージェネレータを備えたハイブリッド車であってもよい。
内燃機関1は、クランク軸2と一体回転する信号板10を備えている。信号板10は、予め定められた複数のクランク角度に複数の歯を設けている。本実施の形態では、信号板10は、10deg間隔で歯が並べられている。信号板10の歯には、一部の歯が欠けた欠け歯部分が設けられている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、信号板10の歯を検出する第1クランク角センサ11を備えている。
内燃機関1は、クランク軸2とチェーン28で連結されたカム軸29を備えている。カム軸29は、吸気バルブ14及び排気バルブ15を開閉駆動する。クランク軸2が2回転する間に、カム軸29は1回転する。内燃機関1は、カム軸29と一体回転するカム用の信号板31を備えている。カム用の信号板31は、予め定められた複数のカム軸角度に複数の歯を設けている。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、カム用の信号板31の歯を検出するカム角センサ30を備えている。
制御装置50は、第1クランク角センサ11及びカム角センサ30の2種類の出力信号に基づいて、各ピストン5の上死点を基準としたクランク角度を検出すると共に、各燃焼室7の行程を判別する。なお、内燃機関1は、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程、及び排気行程の4行程機関とされている。
内燃機関1は、クランク軸2と一体回転するフライホイール27を備えている。フライホイール27の外周部は、リングギア25とされており、リングギア25は、予め定められた複数のクランク角度に複数の歯を設けている。リングギア25の歯は、周方向に等角度間隔で設けられている。本例では4deg間隔で、90個の歯が設けられている。リングギア25の歯には欠け歯部分は設けられていない。内燃機関1は、エンジンブロック24に固定され、リングギア25の歯を検出する第2クランク角センサ6を備えている。第2クランク角センサ6は、リングギア25の径方向外側に、リングギア25と間隔を空けて対向配置されている。フライホイール27のクランク軸2とは反対側は、動力伝達機構に連結されている。よって、内燃機関1の出力トルクは、フライホイール27の部分を通って、車輪側に伝達される。
第1クランク角センサ11、カム角センサ30、及び第2クランク角センサ6は、クランク軸2の回転による、各センサと歯の距離の変化に応じた電気信号を出力する。各角センサ11、30、6の出力信号は、センサと歯の距離が近い場合と、遠い場合とで信号がオンオフする矩形波となる。各角センサ11、30、6には、例えば、電磁ピックアップ式のセンサが用いられる。
フライホイール27(リングギア25)は、信号板10の歯数よりも多い歯数を有しており、また、欠け歯部分もないため、高分解能の角度検出を期待できる。また、フライホイール27は、信号板10の質量よりも大きい質量を有しており、高周波振動が抑制されるため、高精度の角度検出を期待できる。
前述の通り、クランク角度の計測を行う場合、第2クランク角センサ6を用いる方が高精度の計測が可能となるが、第1クランク角センサ11のみが装着されている構成の方が一般的である事より、本実施の形態では、第1クランク角センサ11が、本願における「クランク角センサ」に相当し、信号板10が、本願における「回転部材」に相当し、信号板10に設けられた歯が、本願における「被検出部」に相当し、エンジンブロック24が、本願における「非回転部材」に相当する。
内燃機関1は、内燃機関1を始動させるためのスタータ35を備えている。スタータ35は、内燃機関1を回転させる電動機である。スタータ35の出力軸に設けられたピニオンギヤが、内燃機関1のクランク軸2と一体回転するリングギア25に噛み合う。内燃機関1を始動させるためにスタータ35に電力が供給されると、スタータ35の回転駆動力により、内燃機関1の回転速度(クランク角速度)がゼロから上昇し、クランキング回転速度で回転する。後述する制御装置50は、内燃機関1が回転し始めると、燃料噴射制御及び点火制御を開始する。内燃機関1の燃焼が開始すると、内燃機関1の回転速度がクランキング回転速度から上昇していき、所定の回転速度で落ち着くと内燃機関1の始動が完了する。スタータ35への電力供給(例えば、スタータリレー)のオンオフは、運転者によるイグニッションスイッチの操作によって行われてもよいし、制御装置50によって行われてもよい。
1−2.制御装置50の構成
次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図3に示すように、制御装置50は、燃料制御部51、角度情報算出部52、躍度最大値判定部53、躍度最大値積算部54、最大値超過回数算出部55、及びリーン異常判定部56等の機能部を備えている。制御装置50の各機能部51〜56等は、制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置50は、図4に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。
記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、各種のセンサ、スイッチが接続され、これらセンサ、スイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置50が備える各機能部51〜56等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置50の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各機能部51〜56等が用いる定数値、テーブル、判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。また、各機能部51〜56等が算出したクランク角度θd、クランク角速度ωd、クランク角加速度αd、クランク角躍度δd等の各算出値及び各検出値のデータは、RAM等の書き換え可能な記憶装置91に記憶される。
本実施の形態では、入力回路92には、第1クランク角センサ11、第2クランク角センサ6、カム角センサ30、エアフローセンサ3、スロットル開度センサ19、マニホールド圧センサ8、大気圧センサ33、空燃比センサ18、アクセルポジションセンサ26、及び冷却水温センサ34等が接続されている。出力回路93には、スロットルバルブ4(電気モータ)、EGRバルブ22(電気モータ)、インジェクタ13、及び点火コイル16等が接続されている。スタータ35への電力供給のオンオフが、制御装置50によって行われる場合は、出力回路93に、スタータリレー(コイル)が接続される。なお、制御装置50には、図示していない各種のセンサ、スイッチ、及びアクチュエータ等が接続されている。制御装置50は、各種センサの出力信号に基づいて、吸入空気量、吸気マニホールド12内の圧力、大気圧、空燃比、アクセル開度、及び水温等の内燃機関1の運転状態を検出する。
制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、インジェクタ13及び点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサ26の出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ4等を制御する。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ19の出力信号に基づき検出したスロットル開度が、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ4の電気モータを駆動制御する。また、制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、EGRバルブ22の目標開度を算出し、EGRバルブ22の電気モータを駆動制御する。
1−2−1.燃料制御部51
燃料制御部51は、内燃機関の燃焼室7に供給される燃料量を制御する。燃料制御部51は、吸入空気量及び回転速度等の内燃機関の運転状態に基づいて、目標空燃比を設定し、目標空燃比及び吸入空気量等に基づいて燃焼噴射量を算出し、インジェクタ13を駆動制御する。また、燃料制御部51は、内燃機関の始動時は、水温、始動開始後経過時間、及び内燃機関の回転速度等の内燃機関の運転状態に基づいて、始動時の燃料噴射量(基準量)を算出し、インジェクタ13を駆動制御する。なお、始動時は、空燃比センサ18は活性化しておらず、空燃比のフィードバック制御は行われない。なお、後述するリーン異常判定部56によりリーン異常が発生したと判定された場合は、燃料制御部51は、内燃機関の運転状態に基づいて算出された燃料噴射量(基準量)から増加させる。なお、リーン異常発生時の燃料量の増加処理は、後述する。
1−2−2.角度情報算出部52
角度情報算出部52は、第1クランク角センサ11の出力信号に基づいて、クランク角度θdを検出すると共に、クランク角度θdの時間変化率であるクランク角速度ωd、及びクランク角速度ωdの時間変化率であるクランク角加速度αd、及びクランク角加速度αdの時間変化率であるクランク角躍度δdを算出する。本実施の形態では、角度情報算出部52は、角度情報検出部60、角度情報補正部61、及び補正後角度情報算出部62を備えており、信号板10の歯の製造ばらつき等による角度情報の誤差を補正するように構成されている。
<角度情報検出部60>
角度情報検出部60は、図5に示すように、クランク角センサ11の出力信号に基づいてクランク角度θdを検出すると共にクランク角度θdを検出した検出時刻Tdを検出する。そして、角度情報検出部60は、検出したクランク角度θdである検出角度θd及び検出時刻Tdに基づいて、検出角度θdの間の角度区間Sdに対応する角度間隔Δθd及び時間間隔ΔTdを算出する。
本実施の形態では、角度情報検出部60は、第1クランク角センサ11の出力信号(矩形波)の立下りエッジ(又は立上りエッジ)を検出した時のクランク角度θdを判定するように構成されている。角度情報検出部60は、基点角度(例えば、第1燃焼室♯1のピストン5の上死点である0deg)に対応する立下りエッジである基点立下りエッジを判定し、基点立下りエッジを基点にカウントアップした立下りエッジの番号n(以下、角度識別番号nと称す)に対応するクランク角度θdを判定する。例えば、角度情報検出部60は、基点立下りエッジを検出した時に、クランク角度θdを基点角度(例えば、0deg)に設定すると共に角度識別番号nを0に設定する。そして、角度情報検出部60は、立下りエッジを検出する毎に、クランク角度θdを、予め設定された角度間隔Δθd(本例では10deg)ずつ増加させると共に角度識別番号nを1つずつ増加させる。或いは、角度情報検出部60は、角度識別番号nとクランク角度θdとの関係が予め設定された角度テーブルを用い、今回の角度識別番号nに対応するクランク角度θdを読み出すように構成されてもよい。角度情報検出部60は、クランク角度θd(検出角度θd)を角度識別番号nに対応付ける。角度識別番号nは、最大番号(本例では36)の後、1に戻る。角度識別番号n=1の前回の角度識別番号nは36になり、角度識別番号n=36の次回の角度識別番号nは1になる。なお、信号板10において、基準位置認識のために予め決められた基準位置にて歯が1歯又は2歯欠けさせた仕様である場合には、その位置では上記加算される角度間隔Δθdも欠歯の間隔に合わせて変更し、角度識別番号nを欠歯に合わせて変更する。
また、角度情報検出部60は、第1クランク角センサ11及びカム角センサ30に基づいて判別した各燃焼室7の行程を参照して、クランク角度θdに対応する各燃焼室7の行程を判定する。
角度情報検出部60は、クランク角センサ11の出力信号(矩形波)の立下りエッジを検出した時の検出時刻Tdを検出し、検出時刻Tdを角度識別番号nに対応付ける。具体的には、角度情報検出部60は、演算処理装置90が備えたタイマー機能を用いて、検出時刻Tdを検出する。
角度情報検出部60は、図5に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出角度θd(n)と、前回の角度識別番号(n−1)に対応する検出角度θd(n−1)との間の角度区間を、今回の角度識別番号(n)に対応する角度区間Sd(n)に設定する。
また、角度情報検出部60は、式(1)に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出角度θd(n)と、前回の角度識別番号(n−1)に対応する検出角度θd(n−1)との偏差を算出して、今回の角度識別番号(n)(今回の角度区間Sd(n))に対応する角度間隔Δθd(n)に設定する。
Δθd(n)=θd(n)−θd(n−1) ・・・(1)
本実施の形態では、信号板10の歯の角度間隔は、欠歯箇所では異なるため、角度情報検出部60は、計測歯の間隔に応じた角度間隔Δθdを、予め設定された角度(本例では10deg、又は欠歯位置で10degの整数倍)に設定する。
また、角度情報検出部60は、式(2)に示すように、立下りエッジを検出した時に、今回の角度識別番号(n)に対応する検出時刻Td(n)と、前回の角度識別番号(n−1)に対応する検出時刻Td(n−1)との偏差を算出して、今回の角度識別番号(n)(今回の角度区間Sd(n))に対応する時間間隔ΔTd(n)に設定する。
ΔTd(n)=Td(n)−Td(n−1) ・・・(2)
<角度情報補正部61>
角度情報補正部61は、角度区間Sdのそれぞれの角度間隔Δθd又は時間間隔ΔTdを、角度区間Sdのそれぞれに対応して1つずつ設けた補正値Kcにより補正する。この補正値Kcは、信号板10の歯の角度間隔の微小なばらつきを補正するためのものであり、信号板10を内燃機関1に組み付ける前であれば、例えば、信号板10を単体で一定速度にて回転させた時の、平均時間間隔と角度区間Sdの時間間隔ΔTdの比を用いて、角度区間Sdのそれぞれの補正値Kcを予め算出しておき、それを記憶しておいて用いることができる。また、信号板10を内燃機関1に組み付けた後であれば、内燃機関1が燃料カット中などの一定速度で回転している条件下において、角度区間Sdのそれぞれのクランク角躍度δdがゼロに近づくように、角度区間Sdのそれぞれの補正値Kcを変化させてもよい。より簡単には、補正値Kcで補正する代わりに、角度区間Sdの前後にわたる時間間隔ΔTdの移動平均値又は重み付平均値を、角度区間Sdのそれぞれの補正後の時間間隔ΔTdcとして算出するようにしてもよい。
本実施の形態では、角度情報補正部61は、各角度識別番号nの角度区間Sd(n)に1つずつ補正値Kc(n)を設けている。本例では、角度識別番号n及び角度区間Sdは36設けられているので、補正値Kcも36設けられている(実際には、欠歯数分少なくなる)。各補正値Kcは、図6に示すように、各角度識別番号nに対応付けられて、制御装置50のRAM等の書き換え可能な記憶装置91に記憶される。
角度情報補正部61は、式(3)に示すように、今回の角度識別番号(n)に対応する角度間隔Δθd(n)又は時間間隔ΔTd(n)に、今回の角度識別番号(n)に対応する補正値Kc(n)を乗算して、今回の角度識別番号(n)に対応する補正後の角度間隔Δθdc(n)又は時間間隔ΔTdc(n)を算出するように構成されている。
Δθdc(n)=Kc(n)×Δθd(n)
又は ・・・(3)
ΔTdc(n)=Kc(n)×ΔTd(n)
本実施の形態では、補正値Kcにより時間間隔ΔTdが補正される場合について説明する。なお、補正値Kcにより補正されていない角度間隔Δθdも、説明の便宜上、補正後の角度間隔Δθdcと称す。
<補正後角度情報算出部62>
補正後角度情報算出部62は、角度区間Sdのそれぞれの補正値Kcによる補正後の角度間隔Δθdc及び時間間隔ΔTdcに基づいて、検出角度θd又は角度区間Sdのそれぞれに対応する、クランク角度θdの時間変化率であるクランク角速度ωd、及びクランク角速度ωdの時間変化率であるクランク角加速度αd、及びクランク角加速度αdの時間変化率であるクランク角躍度δdを算出する。
本実施の形態では、図7に示すように、補正後角度情報算出部62は、処理対象とする角度区間Sd(n)に対応する補正後の角度間隔Δθdc(n)及び時間間隔ΔTdc(n)に基づいて、処理対象の角度区間Sd(n)に対応するクランク角速度ωd(n)を算出する。具体的には、補正後角度情報算出部62は、式(4)に示すように、処理対象の角度区間Sd(n)に対応する補正後の角度間隔Δθdc(n)を補正後の時間間隔ΔTdc(n)で除算して、クランク角速度ωd(n)を算出する。なお、クランク角速度ωdが、内燃機関の回転速度に対応する。
ωd(n)=Δθdc(n)/ΔTdc(n) ・・・(4)
補正後角度情報算出部62は、処理対象とする検出角度θd(n)の直前1つの角度区間Sd(n)に対応するクランク角速度ωd(n)及び補正後の時間間隔ΔTdc(n)、並びに処理対象の検出角度θd(n)の直後1つの角度区間Sd(n+1)に対応するクランク角速度ωd(n+1)及び補正後の時間間隔ΔTdc(n+1)に基づいて、処理対象の検出角度θd(n)に対応するクランク角加速度αd(n)を算出する。具体的には、補正後角度情報算出部62は、式(5)に示すように、直後のクランク角速度ωd(n+1)から直前のクランク角速度ωd(n)を減算した減算値を、直後の補正後の時間間隔ΔTdc(n+1)と直前の補正後の時間間隔ΔTdc(n)の平均値で除算して、クランク角加速度αd(n)を算出する。
αd(n)={ωd(n+1)−ωd(n)}
/{ΔTdc(n+1)+ΔTdc(n)}×2 ・・・(5)
補正後角度情報算出部62は、式(6)に示すように、対象検出角度θd(n)の直後のクランク角加速度αd(n+1)から直前のクランク角加速度αd(n−1)を減算した減算値を、対象検出角度θd(n)の直後の補正後の時間間隔ΔTdc(n+1)と直前の補正後の時間間隔ΔTdc(n)の合計値で除算して、対象検出角度θd(n)のクランク角躍度δd(n)を算出する。
δd(n)={αd(n+1)−αd(n−1)}
/{ΔTdc(n+1)+ΔTdc(n)} ・・・(6)
角度情報補正部61及び補正後角度情報算出部62は、リアルタイムに算出された角度間隔Δθd又は時間間隔ΔTdに対して、リアルタイムに補正値Kcにより補正を行い、リアルタイムにクランク角速度ωd、クランク角加速度αd、クランク角躍度δdを算出する。角度情報算出部52の各部は、算出した各角度情報をRAM等の記憶装置91に記憶する。
1−2−3.リーン異常の判定
リーン異常の判定について、クランク角躍度δdにより、内燃機関1での燃焼状態を判定できる原理について説明する。一般に、回転軸周りの運動方程式は式(7)のように書くことができる。
I×dω/dt=I×α=T ・・・(7)
ここで、Iはイナーシャであり、ωは角速度であり、αは角加速度であり、Tはトルクである。この式は、回転軸周りにトルクがかかると、イナーシャの大きさに反比例した角加速度で回転し、トルクがかからない場合は、一定の角速度で回転すると解釈できる。
この式を内燃機関のクランク軸周りに適用すると式(8)のように書くことができる。
Ieng×dωd/dt=Ieng×αd=Tg−Tload ・・・(8)
ここで、Iengは内燃機関のイナーシャであり、ωdはクランク角速度であり、αdはクランク角加速度であり、Tgは燃焼により発生するトルクであり、Tloadは負荷トルクであり、内燃機関及び動力伝達機構の摩擦抵抗、車両の走行抵抗などの全ての負荷の合計である
この式を、式(7)同様に解釈する際に、以下のように、クランク角加速度及び発生・負荷トルクを1回の燃焼行程間の平均値で考えた場合と、クランク角度間隔(本例では10deg)の平均値で考えた場合で若干異なる結果となる。
<1回の燃焼行程間の平均値で考えた場合>
1回の燃焼行程間の発生トルクの平均値と負荷トルクの平均値が一致している場合、式(8)の右辺はゼロになるので、内燃機関は一定速度で回転していることを示す。これは、例えば内燃機関の回転速度が一定である定常運転状態を示している。また、Tg−Tload>0の場合は、内燃機関は加速している状態であり、Tg−Tload<0の場合は減速している状態である。失火時はTg=0となるので、減速状態となる。しかしながら、内燃機関は間欠的にトルクを発生させる機関であるので、1回の燃焼行程間でのトルクの変化を詳細に見ると、少し様子は変わってくる。
<クランク角度間隔間の平均値で考えた場合>
上述のように内燃機関は間欠的にトルクを発生させる機関であるので、1回の燃焼行程間でも、混合気が急速に燃焼している急速燃焼期間と、混合気が急速に燃焼していない非急速燃焼期間が存在している。また、燃焼期間は通常40〜60deg程度の期間であるので、1回の燃焼行程間(3燃焼室エンジンなら240deg、4燃焼室エンジンなら180deg)では燃焼していない非燃焼期間の方が一般に長くなる。
ここで、内燃機関が定常運転している場合を考えると、1回の燃焼行程間の発生トルクの平均値と負荷トルクの平均値は同じであるが、負荷トルクは常にかかっているのに対し、燃焼による発生トルクは短期間しか発生しない。つまり、燃焼による発生トルクは、瞬間的に大きくなると言える。このように考えると、内燃機関の回転速度が一定の場合でも、クランク角度間隔間の平均値としての発生トルクは、1回の燃焼行程間に大きな変動が重畳することがわかる。また、失火時には発生トルクはゼロとなるので、負荷トルクのみがかかることになる。
<トルク変動の算出式>
1回の燃焼行程間のトルク変動を検出する方法について説明する。ここで改めて式(7)にて、イナーシャを一定と考えると、トルクと角加速度は比例の関係にあることがわかる。今はトルクの変化が知りたいので、式(7)を更に微分した式(9)を考える。
I×dα/dt=I×δ=dT/dt ・・・(9)
ここでδは角躍度である。式(9)は、トルクの微分値、つまり、トルクの時間変化率と角躍度は比例関係にあることを示しているので、これを内燃機関のクランク軸周りで考えると、トルク変動がクランク角躍度に比例する関係にあると言える。つまり、1回の燃焼行程間のクランク角躍度の変動を捉えることができれば、1回の燃焼行程間のトルク変動を捉えたことになる。
クランク角躍度の変化の例を図8に示す。失火時のクランク角躍度は基本的に大きな変動はなく、急速燃焼期間(例えば、B05degからA55deg)と、燃焼直前期間(例えば、上死点前であるB65degからB05deg)及び非急速燃焼期間(例えば、燃焼後であるA55degからA115deg等)とのクランク角躍度の変動は小さい。ここで、Bは、BTDC(Before Top Dead Center、上死点前)を表し、Aは、ATDC(After Top Dead Center、上死点後)を表す。これに対し、失火がない時、すなわち通常燃焼時は、急速燃焼期間のクランク角躍度は正方向に大きく変化するため、クランク角躍度の変動は大きくなる。失火時と失火なし時とで、急速燃焼期間のクランク角躍度の最大値δdmaxが大きく変化する。一方、失火時と失火なし時とで、燃焼直前期間又は非急速燃焼期間のクランク角躍度の最小値δdminは大きく変化しない。よって、急速燃焼期間のクランク角躍度の最大値δdmaxにより、1回の燃焼行程間のトルク変動を検出することができ、燃料量の低下による燃焼状態の変化を判定することができる。
<燃料系のリーン異常判定>
そこで、以上で説明した燃焼状態判定の原理に基づいて、燃料系のリーン異常が判定される。すなわち、クランク角躍度δdに基づいて、1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間におけるクランク角躍度の変動量が算出され、クランク角躍度の変動量に基づいて、1回の燃焼行程の間における燃焼状態が判定されるように構成されている。本実施の形態では、燃料系のリーン異常の判定のために、制御装置50は、躍度最大値判定部53、躍度最大値積算部54、最大値超過回数算出部55、及びリーン異常判定部56を備えている。
<躍度最大値判定部53>
躍度最大値判定部53は、補正後角度情報算出部62により算出されたクランク角躍度δdに基づいて、1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間(以下、最大値判定期間と称す)において、角度情報算出部52により算出された複数のクランク角躍度δdから最大値δdmax(以下、クランク角躍度の最大値δdmax)を判定する。判定したクランク角躍度の最大値δdmaxは、躍度最大値積算部54及び最大値超過回数算出部55に出力される。
本実施の形態では、最大値判定期間は、混合気が急速に燃焼している急速燃焼期間(燃焼行程の前側)に対応して予め設定され、例えば、B05degからA55degの期間に予め設定されている。躍度最大値判定部53は、点火時期等の運転状態に応じて、最大値判定期間を変化させてもよい。
<躍度最大値積算部54>
躍度最大値積算部54は、内燃機関の始動開始後に、最大値判定期間毎にクランク角躍度の最大値δdmaxを積算して、積算値Σδ(以下、躍度最大値の積算値Σδと称す)を算出する。
具体的には、躍度最大値積算部54は、スタータ35への通電が開始して、クランク角速度ωdがゼロよりも大きくなった時点(クランキングの開始時点)で、クランク角躍度の最大値δdmaxの積算を開始する。躍度最大値の積算値Σδの初期値はゼロである。躍度最大値積算部54は、1回の燃焼行程に対応して設定された最大値判定期間が終了し、クランク角躍度の最大値δdmaxが算出される毎に、現在の躍度最大値の積算値Σδに、算出されたクランク角躍度の最大値δdmaxを加算し、更新する。
<リーン異常の有無による始動挙動の差>
図9に、燃料供給系のバラツキがなく、燃焼室に供給される燃料量が基準量である場合の始動時の挙動を示す。3回の試行の波形を重ね書きしている。また、始動開始時の水温は、約90℃であり、完全暖機状態となっている。
時間2.0secで、スタータ35への通電が開始し、クランク角速度ωdがゼロよりも大きくなり、クランク軸がクランキング角速度で回転する。クランキングが開始すると、燃料噴射制御及び点火制御が開始する。その後、時間2.4sec付近で、初回の燃焼(初爆)が生じ、クランク角速度ωdが、クランキング角速度よりも上昇し、クランク角躍度の最大値δdmaxが大きく増加している。その後、躍度最大値の積算値Σδがゼロから増加していく。
図10に、燃料供給系のバラツキが生じ、燃焼室に供給される燃料量が基準量よりも減少したリーン異常が生じた場合の始動時の挙動を示す。3回の試行の波形を重ね書きしている。なお、リーン異常を模擬するために、燃料噴射量を基準量よりも30%減少させている。また、始動開始時の水温は、約90℃であり、完全暖機状態となっている。
同様に、時間2.0secで、クランキングが開始している。その後、時間2.5sec付近で、初回の燃焼(初爆)が生じ、クランク角速度ωdが、クランキング角速度よりも上昇し、クランク角躍度の最大値δdmaxが増加している。しかし、燃料量が少ないため、燃焼期間のトルク変動が小さくなり、初爆及びその直後のクランク角躍度の最大値δdmaxは、図9のリーン異常なしの場合よりも小さくなっている。よって、躍度最大値の積算値Σδの増加速度が低くなっており、始動完了時点付近(例えば、時間3.4sec)における躍度最大値の積算値Σδは、図9のリーン異常なしの場合よりも小さくなっている。
図11に、完全暖機状態(水温=90℃)において、燃料量が基準量である場合、燃料量が基準量の−20%である場合、燃料量が基準量の−30%である場合の、躍度最大値の積算値Σδの挙動を示す。各燃料量において、3回の試行の波形を重ね書きしている。リーン度合いが大きくなるに従って、躍度最大値の積算値Σδが低下しており、躍度最大値の積算値Σδの低下により、リーン異常を判定できることがわかる。
<躍度最大値の積算値によるリーン異常判定>
リーン異常判定部56は、躍度最大値の積算値Σδに基づいて、燃焼室に供給される燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定する。例えば、リーン異常判定部56は、内燃機関の始動開始後の最大値判定期間の回数が、判定実行回数になった時点(以下、判定実行時点と称す)の躍度最大値の積算値Σδが、判定積算値よりも小さい場合に、リーン異常が発生したと判定し、躍度最大値の積算値Σδが、判定積算値以上である場合に、リーン異常が発生していないと判定する。また、リーン異常判定部56は、判定実行時点における、躍度最大値の積算値Σδに基づいて、燃料量の基準量からの低下度合いであるリーン度合いを判定してもよい。例えば、判定実行時点の躍度最大値の積算値Σδが小さくなるほど、リーン度合いが大きくなる。判定実行回数は、例えば、始動の完了時点付近に対応する最大値判定期間の回数に予め設定される。判定積算値は、予め設定された固定値であってもよいが、温度条件によって、クランク角躍度の最大値δdmaxの挙動が変化するので、内燃機関の温度(例えば、水温)に応じて変化されてもよい。
<冷機時のクランク角躍度の最大値δdmaxの挙動>
図12に、燃料供給系のバラツキがなく、燃焼室に供給される燃料量が基準量である場合の始動時の挙動を示す。4回の試行の波形を重ね書きしている。また、始動開始時の水温は、常温付近(23℃±3℃)であり、冷機状態となっている。
同様に、時間2.0secで、クランキングが開始している。その後、時間2.5sec付近で、初回の燃焼(初爆)が生じ、クランク角速度ωdが、クランキング角速度よりも上昇し、クランク角躍度の最大値δdmaxが増加している。クランク角躍度の最大値δdmaxは、図14の上段の左側に模式図を示すように、初爆において十分なエネルギーが発生するため、初爆及びその直後が最も大きくなり、その後次第に低下していく挙動となる。
図13に、リーン異常が生じた場合の始動時の挙動を示す。4回の試行の波形を重ね書きしている。なお、リーン異常を模擬するために、燃料噴射量を基準量よりも30%減少させている。また、始動開始時の水温は、常温付近(23℃±3℃)であり、冷機状態となっている。
同様に、時間2.0secで、クランキングが開始している。その後、時間2.5sec付近で、初回の燃焼(初爆)が生じ、クランク角速度ωdが、クランキング角速度よりも上昇し、クランク角躍度の最大値δdmaxが増加している。クランク角躍度の最大値δdmaxは、図14の上段の右側に模式図を示すように、燃料量不足により初爆時のエネルギーが小さいため、初爆及びその直後は低く、途中で最も大きくなり、その後、回転速度の安定に伴い次第低下していく挙動となる。
このように、冷機時において、リーン異常の有無に応じて、クランク角躍度の最大値δdmaxの波形が変化する。よって、この波形の変化を検出できれば、リーン異常の発生を検出できる。なお、図9及び図10の暖機時においても、冷機時と同様に、リーン異常の有無に応じて、クランク角躍度の最大値δdmaxの波形が変化している。
<最大値超過回数算出部55>
最大値超過回数算出部55は、内燃機関の始動開始後に、クランク角躍度の最大値δdmaxが超過判定値THδ以上になった最大値判定期間の回数である超過回数Novを算出する。
例えば、最大値超過回数算出部55は、内燃機関の始動開始後に最初に燃焼した燃焼行程に対応する最大値判定期間において算出されたクランク角躍度の最大値δdmaxを、超過判定値THδに設定する。具体的には、最大値超過回数算出部55は、クランキングの開始後、クランク角躍度の最大値δdmaxが、予め設定された初爆判定値よりも大きくなった場合に、その場合のクランク角躍度の最大値δdmaxを、超過判定値THδに設定する。
或いは、本実施形態のように内燃機関1が複数の燃焼室(本例では、3つ)を備えている場合は、各燃焼室について、同様のクランク角躍度の最大値δdmaxの挙動になる。よって、最大値超過回数算出部55は、複数の燃焼室のそれぞれについて内燃機関の始動開始後に最初に燃焼した燃焼行程に対応する最大値判定期間において算出されたクランク角躍度の最大値δdmaxを全ての燃焼室について平均化した平均値を、超過判定値THδに設定する。具体的には、最大値超過回数算出部55は、クランキングの開始後、各燃焼室について、クランク角躍度の最大値δdmaxが、予め設定された初爆判定値よりも大きくなった場合に、そのクランク角躍度の最大値δdmaxを、その燃焼室の超過判定値に設定し、全ての燃焼室の超過判定値が設定された時点で、全ての燃焼室の超過判定値の平均値を、最終的な超過判定値THδに設定する。
そして、最大値超過回数算出部55は、超過判定値THδが設定された後、超過回数Novのカウントを開始する。超過回数Novの初期値はゼロである。最大値超過回数算出部55は、1回の燃焼行程に対応して設定された最大値判定期間が終了し、クランク角躍度の最大値δdmaxが算出される毎に、算出されたクランク角躍度の最大値δdmaxが超過判定値THδ以上になっているかを判定し、超過判定値THδ以上なっている場合は、超過回数Novを1増加させ、超過判定値THδ以上になっていない場合は、超過回数Novを変化させない。
図14の下段の左側及び図12に示すように、リーン異常が生じていない場合は、超過回数Novはあまり増加しないが、図14の下段の右側及び図13に示すように、リーン異常が生じている場合は、超過回数Novは大きく増加する。
<超過回数によるリーン異常判定>
リーン異常判定部56は、超過回数Novに基づいて、燃焼室に供給される燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定する。例えば、リーン異常判定部56は、内燃機関の始動開始後の最大値判定期間の回数が、判定実行回数になった時点(判定実行時点)の超過回数Novが、判定超過回数THn以上である場合に、リーン異常が発生したと判定し、超過回数Novが、判定超過回数THnよりも小さい場合に、リーン異常が発生していないと判定する。また、リーン異常判定部56は、判定実行時点における、超過回数Novに基づいて、燃料量の基準量からの低下度合いであるリーン度合いを判定してもよい。超過回数Novが大きくなるほど、リーン度合いが大きくなる。判定超過回数THnは、予め設定された固定値であってもよいが、温度条件によって、クランク角躍度の最大値δdmaxの挙動が変化するので、内燃機関の温度(例えば、水温)に応じて変化されてもよい。
<内燃機関の温度による判定方法の変更>
一方、図15に、始動開始時の水温が常温付近(23℃±3℃)であり、冷機状態において、燃料量が基準量である場合、燃料量が基準量の−20%である場合、燃料量が基準量の−30%の場合の、躍度最大値の積算値Σδを示す。各燃料量において、3回の試行の波形を重ね書きしている。冷機状態の場合は、完全暖機状態のように、リーン度合いに応じた躍度最大値の積算値Σδの傾向差が少ない。これは、冷機時は、燃料制御部51により始動時の回転速度の低下を抑制する燃料噴射量の増量補正が行われ、エンジンフリクション等の他の始動に関連する要素の影響が大きくなるためだと考えられる。よって、燃料制御の仕様に依存するが、冷機時は、躍度最大値の積算値Σδの低下により、リーン異常を判定し難くなることがわかる。
また、図9及び図10に示すように、暖機時においては、リーン異常の有無に応じた、クランク角躍度の最大値δdmaxの挙動傾向差が、冷機時よりも小さくなる。
そこで、リーン異常判定部56は、内燃機関の温度(例えば、水温)が、高温判定値以上である場合(高温の場合)は、上述したように、躍度最大値の積算値Σδに基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定する。リーン異常判定部56は、内燃機関の温度(水温)が、高温判定値よりも低い温度に設定された低温判定値以下である場合(低温の場合)は、上述したように、超過回数Novに基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定する。リーン異常判定部56は、内燃機関の温度(水温)が、高温判定値よりも小さく且つ低温判定値よりも大きい場合(中温の場合)は、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定する。高温判定値は、試験結果によって予め設定されるが、例えば、80℃に設定される。低温判定値は、試験結果によって予め設定されるが、例えば、40℃に設定される。中温の場合において、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの双方に基づいて、リーン異常を判定する場合は、躍度最大値の積算値Σδに基づく判定結果がリーン異常ありであり、且つ超過回数Novに基づく判定結果がリーン異常ありである場合に、最終的にリーン異常ありと判定してもよいし、躍度最大値の積算値Σδに基づく判定結果及び超過回数Novに基づく判定結果の少なくとも一方が、リーン異常ありである場合に、最終的にリーン異常ありと判定してもよい。
<リーン異常時の燃料制御>
燃料制御部51は、リーン異常が発生したと判定された場合に、燃焼室に供給される燃料量を増加させる。例えば、燃料制御部51は、リーン異常が発生したと判定された始動の次回以降の始動時の燃料噴射量を基準量よりも、予め設定された割合(例えば、10%)増加させる。燃料制御部51は、燃料量の増加後も、リーン異常が発生したと再び判定された場合は、燃料量を累積的に増加させてもよい。また、燃料制御部51は、リーン度合いに応じて、燃料量を増加させてもよい。例えば、燃料制御部51は、リーン度合いが10%であると判定された場合は、次回以降の始動時の燃料噴射量を基準量よりも10%増加させ、リーン度合いが20%であると判定された場合は、次回以降の始動時の燃料噴射量を基準量よりも20%増加させる。
また、燃料制御部51は、リーン異常があると判定された始動時の内燃機関の温度(水温)に基づいて、温度の範囲が互いに異なる複数の温度領域(例えば、高温領域、中温領域、低温領域)毎に、リーン異常の判定結果(リーン異常の有無、リーン度合い)を保持し、次回以降の始動時では、始動時の温度に対応する温度領域に保持されているリーン異常の判定結果に基づいて、燃料量を増加させてもよい。
<フローチャート>
本実施の形態に係る制御装置50の概略的な処理の手順(内燃機関1の制御方法)について、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。図16のフローチャートの処理は、演算処理装置90が記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS01で、燃料制御部51は、上述したように、内燃機関の燃焼室7に供給される燃料量を制御する燃料制御処理(燃料制御ステップ)を実行する。燃料制御部51は、上述したように、過去の始動時において、リーン異常が発生したと判定された場合は、燃焼室に供給される燃料量を増加させる。
ステップS02で、角度情報算出部52は、上述したように、第1クランク角センサ11の出力信号に基づいて、クランク角度θdを検出すると共に、クランク角度θdの時間変化率であるクランク角速度ωd、及びクランク角速度ωdの時間変化率であるクランク角加速度αd、及びクランク角加速度αdの時間変化率であるクランク角躍度δdを算出する角度情報算出処理(角度情報算出ステップ)を実行する。
ステップS03で、躍度最大値判定部53は、上述したように、クランク角躍度δdに基づいて、1回の燃焼行程に対応して設定した最大値判定期間において算出された複数のクランク角躍度δdから最大値δdmax(クランク角躍度の最大値δdmax)を判定する躍度最大値判定処理(躍度最大値判定ステップ)を実行する。
ステップS04で、躍度最大値積算部54は、上述したように、内燃機関の始動開始後に、判定期間毎にクランク角躍度の最大値δdmaxを積算して、躍度最大値の積算値Σδを算出する躍度最大値積算処理(躍度最大値積算ステップ)を実行する。
ステップS05で、最大値超過回数算出部55は、上述したように、内燃機関の始動開始後に、クランク角躍度の最大値δdmaxが超過判定値THδ以上になった最大値判定期間の回数である超過回数Novを算出する最大値超過回数算出処理(最大値超過回数算出ステップ)を実行する。
ステップS06で、リーン異常判定部56は、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、燃焼室に供給される燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定するリーン異常判定処理(リーン異常判定ステップ)を実行する。リーン異常の判定結果は、次回以降の始動時の燃料制御に反映される。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本願のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施の形態1においては、第1クランク角センサ11が、本願における「クランク角センサ」に相当し、信号板10が、本願における「回転部材」に相当し、信号板10に設けられた信号板10の歯が、本願における「被検出部」に相当する場合を例に説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、第2クランク角センサ6が、本願における「クランク角センサ」に相当し、フライホイール27が、本願における「回転部材」に相当し、リングギア25の歯が、本願における「被検出部」に相当してもよい。
(2)上記の実施の形態1においては、内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、内燃機関1は、ディーゼルエンジン、HCCI燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignition Combustion)を行うエンジン等の各種の内燃機関とされてもよい。
(3)上記の実施の形態1においては、最大値判定期間は、B05degからA55degの期間に予め設定されている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、最大値判定期間は、1回の燃焼行程に対応して設定した角度間隔であれば、任意の角度間隔に設定されてもよい。
(4)上記の実施の形態1においては、リーン異常判定部56は、内燃機関の温度が、高温判定値以上である場合は、躍度最大値の積算値Σδに基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定し、内燃機関の温度が、低温判定値以下である場合は、超過回数Novに基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定し、内燃機関の温度が、高温判定値よりも小さく且つ低温判定値よりも大きい場合は、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、内燃機関の仕様、例えば、始動時の回転速度に応じた燃料量の増減制御によっては、低温の場合でも、躍度最大値の積算値Σδによって、リーン異常を判定できる場合があり、高温の場合でも、超過回数Novによって、リーン異常を判定できる場合がある。よって、リーン異常判定部56は、内燃機関の温度が、高温判定値以上である場合でも、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定してもよく、内燃機関の温度が、低温判定値以下である場合でも、躍度最大値の積算値Σδ及び超過回数Novの一方又は双方に基づいて、リーン異常が発生したか否かを判定してもよい。
本開示は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
1 内燃機関、2 クランク軸、7 燃焼室、10 信号板(回転部材)、11 第1クランク角センサ(クランク角センサ)、24 エンジンブロック(非回転部材)、50 内燃機関の制御装置、51 燃料制御部、52 角度情報算出部、53 躍度最大値判定部、54 躍度最大値積算部、55 最大値超過回数算出部、56 リーン異常判定部、Nov 超過回数、THδ 超過判定値、THn 判定超過回数、Σδ 躍度最大値の積算値(積算値)、δdmax クランク角躍度の最大値、αd クランク角加速度、δd クランク角躍度、θd クランク角度、ωd クランク角速度

Claims (9)

  1. クランク軸と一体回転する回転部材に、予め定められた複数のクランク角度に設けられた複数の被検出部と、非回転部材に固定され、前記被検出部を検出するクランク角センサと、を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の燃焼室に供給される燃料量を制御する燃料制御部と、
    前記クランク角センサの出力信号に基づいて、クランク角度を検出すると共に、前記クランク角度の時間変化率であるクランク角速度、前記クランク角速度の時間変化率であるクランク角加速度、及び前記クランク角加速度の時間変化率であるクランク角躍度を算出する角度情報算出部と、
    前記内燃機関の1回の燃焼行程に対応して設定した判定期間において算出された複数の前記クランク角躍度から最大値を判定する躍度最大値判定部と、
    前記内燃機関の始動開始後に、前記判定期間毎に前記最大値を積算して、積算値を算出する躍度最大値積算部と、
    前記内燃機関の始動開始後に、前記最大値が超過判定値以上になった前記判定期間の回数である超過回数を算出する最大値超過回数算出部と、
    前記積算値及び前記超過回数の一方又は双方に基づいて、前記燃焼室に供給される前記燃料量が基準量よりも低下するリーン異常が発生したか否かを判定するリーン異常判定部と、
    を備えた内燃機関の制御装置。
  2. 前記リーン異常判定部は、前記内燃機関の始動開始後の前記判定期間の回数が、判定実行回数になった時点の前記積算値が、判定積算値よりも小さい場合に、前記リーン異常が発生したと判定し、それ以外の場合に、前記リーン異常が発生していないと判定する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記リーン異常判定部は、前記内燃機関の始動開始後の前記判定期間の回数が、判定実行回数になった時点の前記積算値に基づいて、前記燃焼室に供給される前記燃料量の基準量からの低下度合いであるリーン度合いを判定する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記リーン異常判定部は、前記内燃機関の始動開始後の前記判定期間の回数が、判定実行回数になった時点の前記超過回数が、判定超過回数以上である場合に、前記リーン異常が発生したと判定し、それ以外の場合に、前記リーン異常が発生していないと判定する請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記リーン異常判定部は、前記内燃機関の始動開始後の前記判定期間の回数が、判定実行回数になった時点の前記超過回数に基づいて、前記燃焼室に供給される前記燃料量の基準量からの低下度合いであるリーン度合いを判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記最大値超過回数算出部は、前記内燃機関の始動開始後に最初に燃焼した前記燃焼行程に対応する前記判定期間において算出された前記最大値、又は複数設けられた前記燃焼室のそれぞれについて前記内燃機関の始動開始後に最初に燃焼した前記燃焼行程に対応する前記判定期間において算出された前記最大値を全ての前記燃焼室について平均化した平均値を、前記超過判定値に設定する請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記リーン異常判定部は、前記内燃機関の温度が、高温判定値以上である場合は、前記積算値に基づいて、前記リーン異常が発生したか否かを判定し、前記内燃機関の温度が、前記高温判定値よりも低い温度に設定された低温判定値以下である場合は、前記超過回数に基づいて、前記リーン異常が発生したか否かを判定し、前記内燃機関の温度が、前記高温判定値よりも小さく且つ前記低温判定値よりも大きい場合は、前記積算値及び前記超過回数の一方又は双方に基づいて、前記リーン異常が発生したか否かを判定する請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃料制御部は、前記リーン異常が発生したと判定された場合に、前記燃焼室に供給される前記燃料量を増加させる請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記燃料制御部は、前記リーン度合いに応じて、前記燃焼室に供給される前記燃料量を増加させる請求項3又は5に記載の内燃機関の制御装置。
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