JP5044479B2 - 内燃機関の失火判定装置および車両並びに内燃機関の失火判定方法 - Google Patents

内燃機関の失火判定装置および車両並びに内燃機関の失火判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置および内燃機関と内燃機関の失火判定装置とを備える車両並びに内燃機関の失火判定方法に関する。
従来、この種の内燃機関の失火判定装置としては、エンジンと、エンジンの出力軸にダンパを介して接続されると共に駆動軸に接続された遊星歯車機構と、遊星歯車機構に接続されたモータMG1と、駆動軸に接続されたモータMG2とを備える車両に搭載され、エンジンのクランク角位置での回転変動に基づいてエンジンの失火を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−303309号公報
ところで、過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを備える車両では、トルクリミッタが作動してダンパに滑りが生じると、エンジンの回転は急変するから、エンジンの回転変動に基づいてエンジンの失火を検出しようとしても、失火を誤検出する場合がある。
本発明の内燃機関の失火判定装置および車両並びに内燃機関の失火判定方法は、トルクリミッタ付きのダンパの滑りに起因して内燃機関の失火を誤判定するのを抑制することを主目的とする。
本発明の内燃機関の失火判定装置および車両並びに内燃機関の失火判定方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の内燃機関の失火判定装置は、
過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
前記出力軸の回転位置を検出する出力軸回転位置検出手段と、
前記検出された出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸の回転変動を演算すると共に該演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定する失火判定手段と、
前記ダンパの滑りを検出するダンパ滑り検出手段と、
前記ダンパ滑り検出手段により前記ダンパの滑りが検出されたとき、該滑りを検出した対象期間内に前記検出された出力軸回転位置に基づく前記失火の判定を無効とする判定無効手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の内燃機関の失火判定装置では、出力軸の回転位置に基づいて出力軸の回転変動を演算すると共に演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定し、ダンパの滑りを検出し、ダンパの滑りが検出されたとき滑りを検出した対象期間内の出力軸回転位置に基づく失火の判定を無効とする。したがって、トルクリミッタ付きのダンパの滑りに起因して内燃機関の失火を誤判定するのを抑制することができる。
こうした本発明の内燃機関の失火判定装置において、前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転数と前記後段軸の回転数との回転差が所定回転数差以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段であるものとすることもできるし、前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転角と前記後段軸の回転角との位相差の単位時間当たりの変化量が所定量以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段であるものとすることもできるし、前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転角と前記後段軸の回転角との位相差の単位時間当たりの変化量に対する微分値が所定値以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ダンパの滑りをより正確に検出することができる。
本発明の車両は、
内燃機関と、
上述した各態様のいずれかの本発明の内燃機関の失火判定装置、即ち、基本的には、過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、前記出力軸の回転位置を検出する出力軸回転位置検出手段と、前記検出された出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸の回転変動を演算すると共に該演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定する失火判定手段と、前記ダンパの滑りを検出するダンパ滑り検出手段と、前記ダンパ滑り検出手段により前記ダンパの滑りが検出されたとき該滑りを検出した対象期間内に前記検出された出力軸回転位置に基づく前記失火の判定を無効とする判定無効手段と、を備える内燃機関の失火判定装置と
を搭載することを要旨とする。
この本発明の車両では、上述した各態様のいずれかの本発明の内燃機関の失火判定装置を備えるから、本発明の内燃機関の失火判定装置が奏する効果、例えば、トルクリミッタ付きのダンパの滑りに起因して内燃機関の失火を誤判定するのを抑制することができる効果と同様の効果を奏することができる。
こうした本発明の車両において、動力を入出力可能な発電機と、前記後段軸と前記発電機の回転軸と車軸に連結された駆動軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、を備えるものとすることもできる。ここで、「3軸式動力入出力手段」には、遊星歯車機構やデファレンシャルギヤなどが含まれる。
本発明の内燃機関の失火判定方法は、
過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定方法であって、
(a)前記出力軸の回転位置に基づいて該出力軸の回転変動を演算すると共に該演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定し、
(b)前記ダンパの滑りを検出し、
(c)前記ダンパの滑りが検出されたとき、該滑りを検出した対象期間内の前記出力軸の回転位置に基づく前記失火の判定を無効とする
ことを要旨とする。
この本発明の内燃機関の失火判定方法によれば、出力軸の回転位置に基づいて出力軸の回転変動を演算すると共に演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定し、ダンパの滑りを検出し、ダンパの滑りが検出されたとき滑りを検出した対象期間内の出力軸回転位置に基づく失火の判定を無効とする。したがって、トルクリミッタ付きのダンパの滑りに起因して内燃機関の失火を誤判定するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である内燃機関の失火判定装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されたリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の内燃機関の失火判定装置としては、主としてエンジン22を制御するエンジン用電子制御ユニット24と後述するエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140とモータMG1,モータMG2の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44などが該当する。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な6気筒の内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に気筒毎に設けられた燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置(クランク角CA)を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジション(クランク角CA)やエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、上述したクランクポジションセンサ140は、クランクシャフト26と回転同期して回転するように取り付けられて10度毎に歯が形成されると共に基準位置検出用に2つ分の欠歯を形成したタイミングローターを有する電磁ピックアップセンサとして構成されており、クランクシャフト26が10度回転する毎に整形波を生じさせる。エンジンECU24では、このクランクポジションセンサ140からの整形波に基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎の回転数をエンジン22の回転数Neとして計算している。
ダンパ28には、過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ28aが取り付けられている。このトルクリミッタ28aは、摩擦部材を介してトルクが伝達されるよう構成されており、入力トルクが摩擦部材の最大静止摩擦力に相当する最大静止トルクを超えないときには入力トルクを摩擦部材の滑りを伴わずにそのまま伝達し、入力トルクが摩擦部材の最大静止トルクを超えるときには摩擦部材の滑りを伴って入力トルクを摩擦部材の運動摩擦力に相当するトルク分だけ伝達する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34に接続されたキャリア軸34aにはダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。回転位置検出センサ43,44は、レゾルバにより構成されており、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいて所定時間毎(例えば50μsec毎や100μsec毎など)にモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を計算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される失火判定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
失火判定処理が実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、クランクポジションセンサ140により検出されるクランク角CAや図4に例示するT30演算処理により演算されるクランクシャフト26が30度回転するのに要する時間である30度回転所要時間T30(CA)を入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、30度回転所要時間T30(CA)は、T30演算処理に示すように、クランクポジションセンサ140からのクランク角CAに基づいてクランク角CAが30度回転する毎にそのときの時刻を入力し(ステップS200)、入力した今回の時刻と前回クランク角CAが30度回転したときに入力した時刻との差を計算することにより30度所要時間T30を演算する(ステップS210)、ことにより求めることができる。ここで、30度所要時間T30(CA)は、その逆数をとるとクランクシャフト26が30度回転する毎のエンジン22の回転数(以下、30度回転数N30(CA))となるから、30度回転数N30(CA)の変化の程度、即ち回転変動を時間の単位を用いて表わしたものとなる。
続いて、入力した30度回転所要時間T30と閾値Trerとを比較する(ステップS110)。ここで、閾値Trefは、30度回転所要時間T30の基準となるクランク角CAで燃焼行程となる気筒が失火していないときの30度回転所要時間T30より大きく、その気筒が失火しているときの30度回転所要時間T30より小さな値として設定されており、実験などにより求めることができる。30度回転所要時間T30が閾値Tref以下のときには、エンジン22は失火していないと判定して失火判定処理を終了し、30度回転所要時間T30が閾値Trefよりも大きいときには、エンジン22のいずれかの気筒に失火が生じていると判断し、クランク角CAにより失火気筒を特定して(ステップS120)、失火判定処理を終了する。
次に、過大トルクによりダンパ28に滑りを判定する処理について説明する。図5は、エンジンECU24により実行されるダンパ滑り判定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。ダンパ滑り判定処理では、エンジンECU24のCPU24aは、まず、クランクポジションセンサ140により検出されるクランク角CAに基づいて演算されたエンジン22の回転数Neや図6のダンパ後段回転数演算処理により演算されたダンパ28の後段の後段軸の回転数としてのダンパ後段回転数Ndなどのデータを入力する(ステップS300)。ここで、ダンパ後段回転数Ndは、ハイブリッド用電子制御ユニット70により演算されたものを通信により入力するものとした。図6のダンパ後段回転数演算処理では、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を入力し(ステップS400)、入力したモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)と減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてダンパ後段回転数Ndを次式(1)により計算し(ステップS410)、計算したダンパ後段回転数NdをエンジンECU24に送信して(ステップS420)、本処理を終了する。ここで、回転数Nm1,Nm2については、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
Nd=[ρ・Nm1+Nm2・Gr]/(1+ρ) (1)
こうしてエンジン22の回転数Neとダンパ後段回転数Ndとを入力すると、エンジン22の回転数Neからダンパ後段回転数Ndを減じることにより回転数差ΔNを計算し(ステップS310)、計算した回転数差ΔNと閾値Nrefとを比較する(ステップS320)。図7に、回転数差ΔNの時間変化の様子を示す。なお、図7(a)はダンパ28に滑りが生じていないときの回転数差ΔNの時間変化の様子を示し、図7(b)はダンパ28に滑りが生じているときの回転数差ΔNの時間変化の様子を示す。回転数差ΔNの波形は、ダンパ28に滑りが生じていないときには、値0を中心として振動し(図7(a)参照)、ダンパ28に滑りが生じているときには、エンジン22の回転数Neはダンパ後段回転数Ndよりも大きくなるから、値0からオフセットする。したがって、閾値Nrefとして、ダンパ28に滑りが生じていないときの回転数差ΔNよりも大きく、ダンパ28に滑りが生じているときの回転数差ΔNよりも小さな値となるよう実験などにより求めて設定するものとすれば、回転数差ΔNと閾値Nrefとを比較することにより、ダンパ28に滑りが生じているかを判定することができる。回転数差ΔNが閾値Nref未満のときにはダンパ28に滑りが生じていないと判定して本処理を終了し、回転数差ΔNが閾値Nref以上ときにはダンパ28に滑りが生じていると判定し(ステップS330)、対象期間内に図3の失火判定処理で行なった判定結果を無効とする無効化処理を行なって(ステップS340)、本処理を終了する。ここで、無効化処理は、ダンパ28に滑りが生じているか否かの判定に用いたクランク角CA(エンジン22の回転数Ne)と略同一のタイミングで検出されたクランク角CA(30度回転所要時間T30)に基づく失火の判定結果を無効とする処理である。したがって、この場合、図3の失火判定処理によりエンジン22のいずれかの気筒に失火が生じていると判定されても、その判定結果は無効化処理によりマスクされる。これは、ダンパ28に滑りが生じると、エンジン22の回転数Neはダンパ後段回転数Ndに対して大きくなるから、ダンパ28に滑りが生じたときのクランク角CAに対応する30度回転所要時間T30はダンパ28に滑りが生じていないときのクランク角CAに対応する30度回転所要時間T30に対して小さくなり、30度回転所要時間T30と閾値Trefとを比較してエンジン22の失火を判定しようとしても、失火している気筒に対して失火していないと誤判定する場合があることに基づいている。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置によれば、トルクリミッタ付きのダンパ28の滑りを検出し、ダンパ28の滑りを検出したときに滑りを検出した対象期間内に検出されたエンジンのクランク角CA(30度回転所要時間T30)に基づく失火判定処理の判定結果を無効とするから、トルクリミッタ付きのダンパ28の滑りに起因してエンジン22の失火を誤検出するのを防止することができる。しかも、エンジン22の回転数Neとダンパ後段回転数Ndとの回転数差ΔNが閾値Nref以上か否かによりダンパ28に滑りが生じているかを判定するから、ダンパ28の滑りをより正確に判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2からダンパ後段回転数Ndを計算するものとしたが、キャリア軸34aに回転数センサを取り付けて直接キャリア軸34aの回転数を検出してダンパ後段回転数Ndとするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、図5のダンパ滑り判定処理に示すように、エンジン22の回転数Neとダンパ後段回転数Ndとの偏差としての回転数差ΔNと閾値Nrefとを比較することによりダンパ28に滑りが生じているかを判定するものとしたが、これに限定されるものではなく、図8に例示するダンパ滑り判定処理や図9に例示するダンパ滑り判定処理などによりダンパ28に滑りが生じているかを判定するものとしてもよい。まず、図8のダンパ滑り判定処理について説明する。図8のダンパ滑り判定処理では、エンジンECU24のCPU24aは、まず、クランクポジションセンサ140からのクランク角CAやダンパ後段回転角θdを入力する(ステップS500)。ここで、ダンパ後段回転角θdは、図10のダンパ後段回転角演算処理により演算されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。ダンパ後段回転角演算処理では、モータMG1,MG2の回転角θm1,θm2を入力し(ステップS700)、入力したモータMG1,MG2の回転角θm1,θm2の変位角Δθm1,Δθm2を計算し(ステップS710)、計算した変位角Δθm1,Δθm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてダンパ後段回転角θdを次式(2)により計算し(ステップS720)、計算したダンパ後段回転角θdが720度よりも大きいときには(ステップS730)、720度以下の角度に補正して(ステップS740)、本処理を終了する。ここで、回転角θm1,θm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
θd=[ρ・Δθm1+Δθm2・Gr]/(1+ρ) (2)
こうしてデータを入力すると、入力したクランク角CAからダンパ後段回転角θdを減じて位相差Pdを計算し(ステップS510)、計算した位相差Pdの変位としての位相差変位ΔPdを計算し(ステップS520)、計算した位相差変位ΔPdと閾値Pref1とを比較する(ステップS530)。図11に、位相差Pdの時間変化の様子を示す。図11(a)は、ダンパ28に滑りが生じていないときの位相差Pdの時間変化の様子であり、図11(b)は、ダンパ28に滑りが生じているときの位相差Pdの時間変化の様子である。位相差Pdは、ダンパ28に滑りが生じていないときには、図11(a)に示すように、基準値P0を中心に振動し、ダンパ28に滑りが生じているときには、図11(b)に示すように、滑った分だけ基準値P0から位相差のズレが拡大していく。したがって、閾値Pref1として、ダンパ28に滑りが生じていないときの位相差変位ΔPdよりも大きく、ダンパ28に滑りが生じているときの位相差変位ΔPdよりも小さな値となるよう実験などにより求めて設定するものとすれば、位相差変位ΔPdと閾値Pref1とを比較することにより、ダンパ28に滑りが生じているかを判定することができる。位相差変位ΔPdが閾値Pref1未満のときにはダンパ28に滑りが生じていないと判定して本処理を終了し、位相差変位ΔPdが閾値Pref1以上ときにはダンパ28に滑りが生じていると判定し(ステップS540)、前述した無効化処理を行なって(ステップS550)、本処理を終了する。
図9のダンパ滑り判定処理では、まず、図8のダンパ滑り判定処理のステップS500〜S520の処理と同様に、クランク角CAやダンパ後段回転角θdを入力し(ステップS600)、入力したクランク角CAからダンパ後段回転角θdを減じて位相差Pdを計算し(ステップS610)、計算した位相差Pdの変位としての位相差変位ΔPdを計算する(ステップS620)。続いて、計算した位相差変位ΔPdの微分値d(ΔPd)/dtを計算し(ステップS630)、計算した微分値d(ΔPd)/dtと閾値Pref2とを比較する(ステップS640)。ここで、閾値Pref2としては、ダンパ28に滑りが生じているときの微分値d(ΔPd)/dtよりも大きく、ダンパ28に滑りが生じていないときの微分値d(ΔPd)/dtよりも小さな値となるよう設定されており、実験などにより求めることができる。微分値d(ΔPd)/dtが閾値Pref2未満のときにはダンパ28に滑りが生じていないと判定して本処理を終了し、微分値d(ΔPd)/dtが閾値Pref2以上ときにはダンパ28に滑りが生じていると判定し(ステップS650)、前述した無効化処理を行なって(ステップS660)、本処理を終了する。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、クランクシャフト26が30度回転するのに要する時間としての30度所要時間T30をベースとしてエンジン22の失火を判定するものとしたが、クランクシャフト26が5度回転するのに要する時間として5度所要時間T5や10度回転するのに要する時間として10度所要時間T10など種々の所要時間を用いてエンジン22の失火を判定するものとしてもかまわない。また、5度毎のクランクシャフト26の回転数である5度回転数N5や10度毎のクランクシャフト26の回転数である10度回転数N10など種々の回転数を用いてエンジン22の失火を判定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、6気筒のエンジン22の失火を判定するものとして説明したが、4気筒のエンジンの失火を判定するものとしてもよく、8気筒のエンジンの失火を判定するものとしてもよく、複数気筒であれば如何なるエンジンの失火を判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、減速ギヤ35を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしたが、減速ギヤ35に代えて変速機を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。減速ギヤ35や変速機を介さずにモータMG2を直接リングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、エンジン22のクランクシャフト26にトルクリミッタ付きのダンパ28を介して接続されると共にモータMG1の回転軸やリングギヤ軸32aに接続される動力分配統合機構30とリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されるモータMG2とを備える車両におけるエンジン22の失火を判定するものとしたが、エンジンのクランクシャフトがトルクリミッタ付きのダンパを介して後段に接続されているものであればよいから、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するもののエンジン22の失火を判定するものとしてもよいし、図13の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26にダンパ28を介して接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する車軸側に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を車軸側に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるもののエンジン22の失火を判定するものとしてもよい。この場合、モータMG2は減速ギヤ35や変速機を介して車軸側に接続されていてもよいし、減速ギヤ35や変速機を介さずに車軸側に接続されていてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、クランクポジションセンサ140が「出力軸回転位置検出手段」に相当し、クランクポジションセンサ140からのクランク角CAに基づいてクランク角CAが30度回転する毎にそのときの時刻と1つ前の時刻との差を計算することにより30度所要時間T30を演算するT30演算処理と30度所要時間T30と閾値Trefとを比較することによりエンジン22のいずれかの気筒に失火が生じているかを判定する失火判定処理とを実行するエンジンECU24が「失火判定手段」に相当し、クランクポジションセンサ140とダンパ滑り判定処理のステップS300〜S330の処理を実行するエンジンECU24が「ダンパ滑り検出手段」に相当し、ダンパ28に滑りが生じていると判定されたときに対象期間内の失火判定処理を無効とする無効化処理を行なうダンパ滑り判定処理のステップS340の処理を実行するエンジンECU24が「判定無効手段」に相当する。また、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、トルクリミッタ付きのダンパを介して後段の後段軸に接続された複数気筒を有するものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「出力軸回転位置検出手段」としては、クランクポジションセンサ140に限定されるものではなく、内燃機関の回転位置を検出できるものであれば、カムポジションセンサ144など他の如何なるものとしても構わない。「失火判定手段」としては、クランクポジションセンサ140からのクランク角CAに基づいてクランク角CAが30度回転する毎にそのときの時刻と1つ前の時刻との差を計算することにより30度所要時間T30を演算すると共にクランク角CAに対応する30度回転所要時間T30が閾値Trefより大きいか否かを判定するものに限定されるものではなく、内燃機関の回転位置に基づいて回転変動を演算すると共に演算した回転変動に基づいて内燃機関の失火を判定するものであれば、如何なるものとしても構わない。「ダンパ滑り検出手段」としては、図5や図8,図9のダンパ滑り判定処理を実行するものに限定されるものではなく、ダンパ28の滑りを検出するものであれば、如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力するものであれば如何なるものであっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
実施例では、ハイブリッド自動車20に搭載された内燃機関の失火判定装置として説明したが、走行用の電動機や発電機などを備えない自動車に搭載された内燃機関の失火判定装置に適用するものとしてもよい。また、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される内燃機関の失火判定装置に適用してもよいし、移動しない設備に組み込まれた内燃機関の失火判定装置に適用するものとしても構わない。また、内燃機関の失火判定装置やこれを搭載する車両の形態ではなく、内燃機関の失火判定方法の形態としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関の失火判定装置およびこれを備える車両の製造産業に利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 エンジンECU24により実行される失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 T30演算処理の一例を示すフローチャートである。 ダンパ滑り判定処理の一例を示すフローチャートである。 ダンパ後段回転数演算処理の一例を示すフローチャートである。 回転数差ΔNの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のダンパ滑り判定処理を示すフローチャートである。 変形例のダンパ滑り判定処理を示すフローチャートである。 ダンパ後段回転角演算処理の一例を示すフローチャートである。 位相差Pdの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、34a キャリア軸、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (7)

  1. 過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
    前記出力軸の回転位置を検出する出力軸回転位置検出手段と、
    前記検出された出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸の回転変動を演算すると共に該演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定する失火判定手段と、
    前記ダンパの滑りを検出するダンパ滑り検出手段と、
    前記ダンパ滑り検出手段により前記ダンパの滑りが検出されたとき、該滑りを検出した対象期間内に前記検出された出力軸回転位置に基づく前記失火の判定を無効とする判定無効手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転数と前記後段軸の回転数との回転差が所定回転数差以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転角と前記後段軸の回転角との位相差の単位時間当たりの変化量が所定量以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
  4. 前記ダンパ滑り検出手段は、前記出力軸の回転角と前記後段軸の回転角との位相差の単位時間当たりの変化量に対する微分値が所定値以上か否かにより前記ダンパの滑りを検出する手段である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
  5. 内燃機関と、請求項1ないし4いずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置とを搭載する車両。
  6. 請求項5記載の車両であって、
    動力を入出力可能な発電機と、
    前記後段軸と前記発電機の回転軸と車軸に連結された駆動軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
    を備える車両。
  7. 過大トルクを滑りを伴って制限するトルクリミッタ付きのダンパを介して出力軸が後段の後段軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定方法であって、
    (a)前記出力軸の回転位置に基づいて該出力軸の回転変動を演算すると共に該演算した回転変動に基づいて前記内燃機関の失火を判定し、
    (b)前記ダンパの滑りを検出し、
    (c)前記ダンパの滑りが検出されたとき、該滑りを検出した対象期間内の前記出力軸の回転位置に基づく前記失火の判定を無効とする
    内燃機関の失火判定方法。
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