JPWO2011037073A1 - トランス環状ポリフェノール化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
下記式(3):【化1】(式中、L、R1、m、およびR’は明細書において定義したとおり)で表される低分子量トランス環状ポリフェノール化合物の選択的製造方法。選択的製造方法は、少なくとも1種のフェノール化合物と少なくとも1種のアルデヒド化合物とを触媒の存在下で、反応開始時の反応系内の水分量をフェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲に制御して反応させる工程を含む。
Description
本発明は、酸増幅型非高分子系レジスト材料として有用な、特定の化学構造式で示されるトランス環状ポリフェノール化合物の選択的製造方法に関する。
アルカリ現像型のネガ型レジスト組成物のレジスト材料として、低分子量環状ポリフェノール化合物を用いることが提案されている(特許文献1および非特許文献1参照)。これらの低分子量環状ポリフェノール化合物は、低分子量であるため、分子サイズが小さく、解像性が高く、ラフネスが小さいレジストパターンを与えることが期待される。また低分子量環状ポリフェノール化合物は、その骨格に剛直な環状構造を有することにより、低分子量ながらも高耐熱性である。これらの低分子量環状ポリフェノール化合物はシス体およびトランス体の構造をとりうるが、感放射性組成物のレジスト成分として用いる場合はシス体およびトランス体の一方のみを有する方が好ましい。
しかしながら、現在知られている低分子量環状ポリフェノール化合物の製造方法では、シス体およびトランス体の一方のみを選択的に製造することが困難である。特定の異性体のみを選択的に製造するため、すなわち、異性体純度(特定の異性体の量/全異性体の量)が高い異性体を得るためには、合成後、カラムクロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー等により異性体混合物を単一の異性体に分離する必要があり、製造工程が複雑になる。また、高純度異性体の収率も低くなり、工業的に好ましくない。従って、高純度異性体の選択的製造方法の開発が望まれている。
本発明の目的は、工業的に有利な、低分子量環状ポリフェノール化合物のトランス体の選択的製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定条件の反応により低分子量トランス環状ポリフェノール化合物を選択的に製造することができることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明はつぎの通りである。
1.少なくとも1種の式(1)で表されるフェノール化合物と少なくとも1種の式(2)で表されるアルデヒド化合物とを触媒の存在下で、反応開始時の反応系内の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲に制御して反応させる工程を含む下記式(3)で表されるトランス環状ポリフェノール化合物の製造方法。
1.少なくとも1種の式(1)で表されるフェノール化合物と少なくとも1種の式(2)で表されるアルデヒド化合物とを触媒の存在下で、反応開始時の反応系内の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲に制御して反応させる工程を含む下記式(3)で表されるトランス環状ポリフェノール化合物の製造方法。
2.反応系の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜100重量部に維持しながら前記フェノール化合物と前記アルデヒド化合物とを反応させる第1項に記載の製造方法。
3.前記フェノール化合物1モルに対して前記アルデヒド化合物を0.8〜3.0モルを用いる第1または2項に記載の製造方法。
4.前記触媒が酸触媒である第1〜3項のいずれかに記載の製造方法。
尚、本発明において、トランス体とは下記式(4−1)、(4−2)で示される、2回回転の対称性(C2V)を有し、シスートランスートランス(ctt)で表わされる、イス型の立体配置の構造のことを示す。
(式(4−1)、(4−2)中、L、R1、R’、および、mは前記と同様であり、R11は下記式
で表わされ、L、R1、および、mは前記と同様である。)
本発明により、高感度でかつ、良好な形状のレジストパターンを形成するトランス環状ポリフェノール化合物を高異性体純度で効率的に合成する方法を提供することができる。
本発明の製造方法では、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを触媒の存在下で、反応開始時の反応系内の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲に制御して反応させる。
式(1)において、Lは、独立して、単結合、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基(好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、メチルメチレン、メチルエチレン、ジメチルメチレン、メチルエチレン)、炭素数3〜20のシクロアルキレン基(好ましくはシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン)、炭素数6〜24のアリーレン基(好ましくはフェニレン、ナフチレン、アントラニレン、フェナントリレン)、−O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−N(R5)−C(=O)−、−N(R5)−C(=O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、および、これらの任意の組み合わせからなる群から選択される二価の有機基である。R5は水素または炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル)である。
R1は独立して、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル)、炭素数3〜20のシクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、炭素数6〜20のアリール基(好ましくはフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル)、炭素数1〜20のアルコキシル基(好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ)、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基(好ましくはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾフラニル基、モルホリニル基)、ハロゲン(好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、炭素数2〜20のアシル基(好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基)、炭素数1〜20のアルキルシリル基(好ましくはトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジプロピルシリル、メチルシリル、エチルシリル、プロピルシリル)、または、水素原子であり、mは0〜2の整数である。
ただし、式(1)のフェノール化合物において、2個の水酸基のパラ位は水素原子である。
式(1)のフェノール化合物としては、レゾルシノール、オルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ガリル酸が好ましく、レゾルシノール、ピロガロールがより好ましく、レゾルシノールが特に好ましい。
式(2)において、R4は炭素数1〜20のアルキル基(好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル)、炭素数3〜20のシクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、炭素数6〜20のアリール基(好ましくはフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル)、炭素数1〜20のアルコキシ基(好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ)、シアノ基、ニトロ基、水酸基、複素環基(好ましくはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾフラニル基、モルホリニル基)、ハロゲン(好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、または、炭素数1〜20のアルキルシリル基であり(好ましくはトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジプロピルシリル、メチルシリル、エチルシリル、プロピルシリル)、pは0〜5の整数である。
式(2)のアルデヒド化合物としては、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、プロピルベンズアルデヒド、ブチルベンズアルデヒド、エチルメチルベンズアルデヒド、イソプロピルメチルベンズアルデヒド、ジエチルベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド、シクロプロピルベンズアルデヒド、シクロブチルベンズアルデヒド、シクロペンチルベンズアルデヒド、シクロヘキシルベンズアルデヒド、フェニルベンズアルデヒド、ナフチルベンズアルデヒド、アダマンチルベンズアルデヒド、ノルボルニルベンズアルデヒド、ラクチルベンズアルデヒド、イソプロピルベンズアルデヒド、ノルマルプロピルベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられ、イソプロピルベンズアルデヒド、ノルマルプロピルベンズアルデヒド、シクロヘキシルベンズアルデヒドおよびフェニルベンズアルデヒドが好ましく、4−シクロヘキシルベンズアルデヒドおよび4−イソプロピルベンズアルデヒドがより好ましく、4−シクロヘキシルベンズアルデヒドが特に好ましい。
上記フェノール化合物(1)およびアルデヒド化合物(2)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の製造方法は、フェノール化合物(1)、溶媒、および触媒を含む混合物にアルデヒド化合物(2)を加え、次いで、反応系を攪拌下、所定の温度まで加熱し、引き続き攪拌することにより行うのが好ましい。
本発明の製造方法は、フェノール化合物(1)とアルデヒド化合物(2)を反応系内の水分量を特定範囲に制限しながら反応させることを特徴とする。系内の水分量を制御することにより、トランス環状ポリフェノール化合物の選択率が向上する。このことは、系内に特定量の水が存在すると、水とフェノール化合物(1)が水素結合を形成し、これにより反応するフェノール化合物(1)とアルデヒド化合物(2)の相対的な立体配置が制限され、トランス構造の化合物の選択率が向上するためと考えられる。
本発明において反応開始時(アルデヒド化合物の添加開始時)の反応系内の水分量は、フェノール化合物(1)の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲であり、0〜30重量部の範囲が好ましく、0〜20重量部の範囲がより好ましく、0〜10重量部の範囲が更に好ましく、0〜5重量部の範囲が特に好ましい。水分量はカールフィッシャー法、誘電率法、赤外線吸収法、中性子水分計等公知の方法で測定することもできるが、反応試薬の含有水分量から算出しても差し支えない。
フェノール化合物(1)とアルデヒド化合物(2)の反応は脱水縮合反応であるので、反応の進行につれて縮合水が生成し反応系内の水分量が増加する。また、該反応は平衡反応(可逆反応)であるので、水分量が増加すると、逆反応が優勢になりトランス環状ポリフェノール化合物の収率が低下する。さらに、反応系内に水が過剰に存在するとトランス環状ポリフェノール化合物の選択率が低下する。そのため、生成する縮合水を系外に除きながらフェノール化合物(1)とアルデヒド化合物(2)を反応させるのが好ましい。
トランス環状ポリフェノール化合物を高収率および高選択率で得るためには、反応中の系内の水分量がフェノール化合物(1)の仕込量100重量部に対して好ましくは0〜100重量部、より好ましく0〜80重量部、さらに好ましくは0〜50重量部、特に好ましくは0〜30重量部、最も好ましくは0〜25重量部になるように縮合水を系外に除きながら反応を行う。
本発明の製造方法におけるアルデヒド化合物(2)の使用量はフェノール化合物(1)1モルに対して、0.8〜3.0モルの範囲である。アルデヒド化合物(2)の使用量がこれより少ないと、未反応フェノール化合物(1)の量が多くなり、反応効率を低下させるだけでなく、未反応フェノール化合物(1)の除去操作が過大となる。逆にアルデヒド化合物(2)の使用量が多くなると過剰のアルデヒド化合物(2)の除去が必要となる。アルデヒド化合物(2)の好ましい使用量は、フェノール化合物(1)1モルに対して、0.9〜2.0モルの範囲であり、より好ましくは0.95〜1.5モルの範囲である。
本発明の製造方法では、反応溶媒として有機溶媒が用いられる。本発明における反応では生成したトランス環状ポリフェノール化合物の濃度が増大し、反応溶液に溶解しきれない状態になったとき、反応系内に固相として析出する。本反応は平衡反応であるので、トランス環状ポリフェノール化合物の有機溶媒への溶解度が高いと逆反応が進行し収率が低下する。従って、フェノール化合物(1)とアルデヒド化合物(2)の溶解度が高く、トランス環状ポリフェノール化合物の溶解度が低い有機溶媒を使用して、生成したトランス環状ポリフェノール化合物を析出させ、順反応を優勢にすることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールエチルセロソルブ等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロエタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化溶媒、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が例示される。アルコール系溶媒などのある程度極性が高い有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールがより好ましく、特にエタノールが好ましい。
また、上記したように本発明における反応では、系内に水が過剰に存在すると、平衡が反応物側にシフトしてトランス環状ポリフェノール化合物の収率が低下するだけでなく、トランス環状ポリフェノール化合物の選択率も低下するため、脱水溶媒を使用するのが好ましい。
反応溶媒の使用量はフェノール化合物(1)100重量部に対して500〜2000重量部が好ましく、より好ましくは800〜1500重量部である。使用する溶媒の量が上記範囲より少ないと生成したトランス環状ポリフェノール化合物のスラリー濃度が高くなり、攪拌が困難となる。また、使用する溶媒の量がこれより多いと、反応性が低下するとともに、反応器の容積効率が低下し、工業的に好ましくない。
本発明で使用される触媒は一般に知られる有機、無機系の酸触媒および塩基性触媒から適宜選択されるが、反応系内に水が過剰に存在すると、トランス環状ポリフェノール化合物の収率と選択率が低下するため、水の含有量の少ない触媒が好ましい。酸触媒としては、例えばシュウ酸、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、硫酸、りん酸等の鉱酸、活性白土、ゼオライト、イオン交換樹脂等の固体酸等が挙げられるが、硫酸、p−トルエンスルホン酸が好ましく、特に硫酸が好ましい。また、塩基性触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等が挙げられる。
触媒の使用量(水分は除く)はフェノール化合物(1)100重量部に対して50〜250重量部が好ましく、75〜175重量部がより好ましい。
反応温度は通常40〜130℃であり、好ましくは60〜110℃の範囲である。これより温度が低いと反応時間が長くなり、これより高くするためには加圧を必要とし工業的観点から好ましくない。また、本反応は平衡反応であるので、生成したトランス環状ポリフェノール化合物の濃度が増大し、反応溶液に溶解しきれない状態になったとき、反応系内に固相として析出し、順反応が優勢になる。反応温度が高いと、反応系内に溶解するトランス環状ポリフェノール化合物の量が増大し逆反応が進行し収率が低下する。従って、反応温度が上記範囲より高過ぎると、トランス環状ポリフェノール化合物の有機溶媒への溶解度が高くなり収率が低下するので好ましくない。
反応時間は、用いるフェノール化合物(1)アルデヒド化合物(2)、および触媒の種類、反応容器の容積、反応温度などにより変化するが、上記した条件で反応を行った場合、通常1〜10時間である。
上記反応条件は、反応終了の時点(例えば、液体クロマトグラフィーで目的物の生成量の変動がなくなったとき)で、原料の使用量から算出されるトランス環状ポリフェノール化合物の理論生成量の好ましくは75wt%以上、より好ましくは90wt%以上が析出するように適宜選択するのが好ましい。
異なるベンゼン環上の−LR1は同一でも異なっていてもよく、また、mが2である場合、同一ベンゼン環上の2個の−LR1は同一でも異なっていてもよい。
式(5)において、R1、R’、およびmは前記と同様である。X2は水素またはハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、m5は0〜2の整数であり、m+m5=0〜2である。
式(6)および(7)において、R1、R’、X2、およびm5は前記と同様である。m3は0または1である。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定はされない。以下の実施例において、化合物の構造は1H−NMR測定で確認した。
実施例1 CR−tの選択的合成
十分乾燥した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(2000mL)に、関東化学社製レゾルシノール(120g、1.09mol)と脱水エタノール(1.36L)を投入してエタノール溶液を調整し、この溶液に濃硫酸(97%)104mLを滴下した。次いで、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド(196g、1.09mol)を滴下漏斗から10分かけて滴下した後、この溶液を攪拌しながらマントルヒーターで80℃まで加熱し、引き続き5時間攪拌した。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して4.8重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して0〜25重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで反応生成物の生成量の変動が無くなったときに反応を終了し、反応生成液を放冷し、氷浴で冷却した。その後、生成した淡黄色析出物を濾別した。析出物を純水1000mLで6回洗浄し、濾別、真空乾燥させることにより264.4gの生成物を得た。
LC−MSで分析した結果、得られた生成物の分子量は1121であった。
重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は1.2〜1.4(m,20H)、1.7〜1.8(m,20H)、2.2〜2.3(m,4H)5.5(s,4H)、6.0(s,2H)、6.1(s,2H)、6.3(s,2H)、6.4(s,2H)、6.6、6.6(d,8H)、6.7、6.7(d,8H)、8.4(s,4H)、8.5(s,4H)であった。
これらの結果から、得られた生成物は目的化合物(トランス環状ポリフェノール化合物)とそのシス異性体(CR−c)との混合物であることが分かった(収率91%)。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は95.0%であった。
十分乾燥した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口フラスコ(2000mL)に、関東化学社製レゾルシノール(120g、1.09mol)と脱水エタノール(1.36L)を投入してエタノール溶液を調整し、この溶液に濃硫酸(97%)104mLを滴下した。次いで、4−シクロヘキシルベンズアルデヒド(196g、1.09mol)を滴下漏斗から10分かけて滴下した後、この溶液を攪拌しながらマントルヒーターで80℃まで加熱し、引き続き5時間攪拌した。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して4.8重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して0〜25重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで反応生成物の生成量の変動が無くなったときに反応を終了し、反応生成液を放冷し、氷浴で冷却した。その後、生成した淡黄色析出物を濾別した。析出物を純水1000mLで6回洗浄し、濾別、真空乾燥させることにより264.4gの生成物を得た。
LC−MSで分析した結果、得られた生成物の分子量は1121であった。
重ジメチルスルホキシド溶媒中での1H−NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)は1.2〜1.4(m,20H)、1.7〜1.8(m,20H)、2.2〜2.3(m,4H)5.5(s,4H)、6.0(s,2H)、6.1(s,2H)、6.3(s,2H)、6.4(s,2H)、6.6、6.6(d,8H)、6.7、6.7(d,8H)、8.4(s,4H)、8.5(s,4H)であった。
これらの結果から、得られた生成物は目的化合物(トランス環状ポリフェノール化合物)とそのシス異性体(CR−c)との混合物であることが分かった(収率91%)。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は95.0%であった。
比較例1
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水エタノール(1.36L)と超純水(124mL)の混合溶媒に代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(277.5g、収率95%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して108.1重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は52.2%であった。
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水エタノール(1.36L)と超純水(124mL)の混合溶媒に代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(277.5g、収率95%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して108.1重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は52.2%であった。
比較例2
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水エタノール(1.36L)と超純水(277mL)の混合溶媒に代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(265.5g、収率91%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して235.6重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して200〜300重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は50.5%であった。
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水エタノール(1.36L)と超純水(277mL)の混合溶媒に代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(265.5g、収率91%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して235.6重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して200〜300重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は50.5%であった。
比較例3
実施例1における濃硫酸(97%)104mLを濃塩酸(35%)168mLに代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(277.5g、収率95%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して107.4重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス体の構造を有する環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は50.7%であった。
実施例1における濃硫酸(97%)104mLを濃塩酸(35%)168mLに代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(277.5g、収率95%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して107.4重量部だった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス体の構造を有する環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は50.7%であった。
比較例4
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水トルエン(1.36L)、濃硫酸(97%)104mLを濃塩酸(35%)168mLに代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(111.3g、収率38%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して107.4重量部であった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は22.2%であった。
実施例1における脱水エタノール(1.36L)を脱水トルエン(1.36L)、濃硫酸(97%)104mLを濃塩酸(35%)168mLに代えた以外は同様に合成することで、トランス体とシス体との混合物である環状ポリフェノール化合物(111.3g、収率38%)を得た。反応試薬の含有水分量から算出した反応開始時の反応系内の水分量は仕込みレゾルシノール100重量部に対して107.4重量部であった。反応は、反応系内の水分量が仕込みレゾルシノール100重量部に対して100〜150重量部に維持されるように水分を除きながら行った。
液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトランス環状ポリフェノール化合物(CR−t)の純度は22.2%であった。
本発明は、酸増幅型非高分子系レジスト材料として有用な、トランス環状ポリフェノール化合物の製造に好適に使用される。
Claims (4)
- 少なくとも1種の式(1)で表されるフェノール化合物と少なくとも1種の式(2)で表されるアルデヒド化合物とを触媒の存在下で、反応開始時の反応系内の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して0〜50重量部の範囲に制御して反応させる工程を含む下記式(3)で表されるトランス環状ポリフェノール化合物の製造方法。
で表される基である。) - 反応系の水分量を前記フェノール化合物の仕込量100重量部に対して
0〜100重量部に維持しながら前記フェノール化合物と前記アルデヒド化合物とを反応させる請求項1に記載の製造方法。 - 前記フェノール化合物1モルに対して前記アルデヒド化合物を0.8〜3.0モル用いる請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記触媒が酸触媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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