JP6665292B2 - 1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法に関する。より詳細に、本発明は、高純度の1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高収率にて製造する方法に関する。
本願は、2016年7月7日に、日本に出願された特願2016−135270号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
テトラキスフェノールエタン化合物は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の原料、エポキシ樹脂用硬化剤、フォトレジスト感光剤用バラスト剤、フェノール樹脂改質剤及び酸化防止剤、などとして有用である。また、包摂化合物のホスト化合物としての利用も注目されている。
テトラキスフェノールエタン化合物の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1は、酸性触媒の存在下、フェノール類とグリオキザールとを縮合させたのち、濃縮して揮発性成分を留去させ、次いで残留物を、その中に含まれる低分子化合物及び高次縮合物を溶解し、かつテトラキスフェノールエタンに対して貧溶媒的に作用する有機溶剤で処理することを特徴とする高純度テトラキスフェノールエタンの製造方法を開示している。有機溶剤として、アセトン又はテトラヒドロフラン若しくはそれらの混合物を推奨している。
特許文献2は、酸触媒の存在下、フェノール類とグリオキザールとを反応させてテトラキスフェノールエタンを製造するに当り、フェノール類に対して5重量%以上のアセトンを共存させ、かつ60℃以下の温度で反応を行うことを特徴とするテトラキスフェノールエタンの製造方法を開示している。
特許文献3は、フェノール類とグリオキザール又はグリオキザール誘導体とを、過塩素酸塩及び酸触媒の存在下に反応させること特徴とする1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法を開示している。
特許文献4は、ジオキシエタン化合物とフェノール類とを反応させることにより、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物及びその類縁体を、高収率かつ高い生産効率で製造する方法を開示している。
これらの方法では、反応液にアセトンなどの貧溶媒を加えて目的物質を析出させて、次いで蒸留などによって精製している。上記のような方法で得られるテトラキスフェノールエタン化合物は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物以外に、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)エタン化合物等のような異性体を多数含んでいる。特に有用な物質は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物であるので、他の異性体を除去し、高収率で高純度化することが望まれる。
特開平7−173089号公報 特開平10−87537号公報 特開2005−281165号公報 特開2005−296386号公報
本発明の課題は、高純度の1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高収率にて製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物に、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルと、それに相溶しない溶媒とを添加し、60〜75℃の温度範囲にて撹拌し、次いで静置して有機相と水相とに分離させ、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を含む有機相を残すことを有する、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法。
〔2〕 酸触媒の存在下に反応溶媒中でフェノール類とグリオキザールとを反応させて1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物を得ることをさらに有する〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 反応溶媒がアセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 フェノール類の仕込量を基準にした反応率が20〜70%である、〔2〕または〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕 抽出時のテトラヒドロフランまたはアセトニトリルの量が、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体の合計量1モルに対して1.0〜7.0Lである、〔1〕〜〔4〕のいずれかひとつに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、高純度の1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高収率にて製造することができる。
本発明の製造方法は、抽出にて1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高い選択率で分離でき、且つ酸触媒の中和反応で生成する塩を抽出時の洗浄で除去することができるので、従来の方法に比べて、濾過または蒸留の工程が少ない。
本発明の1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物から1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物をテトラヒドロフランまたはアセトニトリルを用いて抽出することを有する。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンまたはそれのフェニル基構成炭素原子に直接に結合する水素原子が他の基で置換されてなるものである。より具体的には式(1)で表される化合物を包含する。
Figure 0006665292
Rは、ハロゲノ基又は有機基を表し、nは0〜4の整数を表す。nは、0〜1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが2以上のとき、Rは同じであっても、異なっていてもよい。また、nは同じ整数であっても異なる整数であってもよい。
前記Rのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基等が挙げられる。また、有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の異性体は、フェニル基に結合する水酸基の位置が異なる物質である。例えば、1,1,2,2−テトラキス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)エタンなどを挙げることができる。
混合物に含まれる1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびそれの異性体の合計量は、混合物に対して、好ましくは15〜35質量%、より好ましくは18〜32質量%である。
フェノール類は、フェノールまたはフェノールのベンゼン環構成炭素原子に直接に結合する水素原子が他の基で置換されてなるものである。より具体的には式(2)で表される化合物を包含する。
Figure 0006665292
Rは、ハロゲノ基又は有機基を表し、nは0〜4の整数を表す。nは、0〜1であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、nが2以上のとき、Rは同じであっても、異なっていてもよい。
前記Rのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基等が挙げられる。また、有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。
混合物に含まれるフェノール類の量は、混合物に対して、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは68〜82質量%である。混合物に含まれるフェノール類の量が上記範囲にあると、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルに対する1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の溶解度が高くなり、抽出効率が高くなる。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物は、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体の混合物とフェノール類とを混ぜ合わせることによって得ることができる。あるいは、酸触媒の存在下に反応溶媒中でフェノール類とグリオキザールとを反応させることによっても得ることができる。
酸触媒の存在下に反応溶媒中でフェノール類とグリオキザールとを反応させる方法は、例えば、特許文献1、特許文献2などに開示される方法である。本発明においては、特に、反応溶媒には、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルを採用することが好ましい。また、酸触媒としては、例えばシュウ酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂などの樹脂酸、硫酸、塩酸、過塩素酸などの無機酸が挙げられる。
また、フェノール類の仕込量を基準にした反応率は、好ましくは20〜70%、より好ましくは40〜60%である。反応によって得られる混合物中にフェノール類が残存することによって、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルに対する1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の溶解度が高くなり、抽出効率が高くなる。
反応によって得られる混合物中のフェノール類の残存量が上記の範囲より少ない場合は新たにフェノール類を混合物に加えることが好ましい。反応によって得られる混合物に酸触媒が残っている場合には塩基物質を添加して中和することができる。
テトラヒドロフランまたはアセトニトリル、好ましくはテトラヒドロフランを用いての抽出は、その操作法によって特に限定されない。例えば、実験室レベルの抽出においては、前記混合物にテトラヒドロフランまたはアセトニトリルと、それに相溶しない溶媒、例えば、水とを添加し、撹拌し、次いで静置して有機相と水相とに分離させ、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を多く含む有機相を残すという操作を含む。抽出時の温度は、好ましくは30〜80℃、より好ましくは60〜70℃である。抽出時のテトラヒドロフランまたはアセトニトリルの量は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体の合計量1モルに対して、好ましくは0.5〜8.0L、より好ましくは1.0〜7.0L、更により好ましくは1.5〜6.5Lである。
上記の抽出を行うことにより、酸触媒の中和反応で生成する塩を抽出時の洗浄で除去することができるので、従来の方法に比べて、濾過または蒸留の工程を減らすことができる。
得られた有機相を冷やすと、固形分が析出するので、それを濾過で、取り出す。析出時の温度は、好ましくは−5〜10℃、より好ましくは0〜5℃である。
このようにして得られる析出物は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高率で含有し、異性体が殆んど含まれていない。この析出物は1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物からなるホストと、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルからなるゲストとからなる包摂体であると推測する。
析出物から必要に応じて溶媒を除去すると、ゲストであるテトラヒドロフランまたはアセトニトリルが除かれて、ホストである1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物が得られる。
以下、実施例で本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、テトラヒドロフラン15gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度98%硫酸19.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で16時間撹拌し、次いで30℃にて3時間撹拌して反応させた。その後、室温まで冷却した。フェノール仕込量を基準にした反応率は40%であった。これに、水30mlおよびテトラヒドロフラン100mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、60〜65℃の温度範囲にて30分間撹拌した。次いで、静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン19.9gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持して、固形分を析出させた。析出物を濾過し、5℃のテトラヒドロフラン60mlにて洗浄した。洗浄された析出物を真空下にて溶媒除去した。1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン95重量%および異性体1.5重量%含有のテトラキスフェノールエタン16.4gを得た。
[実施例2]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、アセトン15gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度98%硫酸19.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で16時間撹拌し、次いで30℃にて3時間撹拌して反応させた。その後、室温まで冷却した。フェノール仕込量を基準にした反応率は40%であった。これに、水30mlおよびテトラヒドロフラン100mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、60〜65℃の温度範囲にて30分間撹拌した。次いで静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン23.9gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持して、固形分を析出させた。析出物を濾過し、5℃のテトラヒドロフラン60mlにて洗浄した。洗浄された析出物を真空下にて溶媒除去した。1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン95重量%および異性体3重量%含有のテトラキスフェノールエタン20.7gを得た。
[実施例3]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、アセトニトリル15gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度98%硫酸19.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で16時間撹拌し、次いで30℃にて3時間撹拌して反応させた。その後、室温まで冷却した。フェノール仕込量を基準にした反応率は40%であった。これに、水30mlおよびテトラヒドロフラン100mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、60〜65℃の温度範囲にて撹拌した。次いで静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン21.9gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持して、固形分を析出させた。析出物を濾過し、5℃のテトラヒドロフラン60mlにて洗浄した。洗浄された析出物を真空下にて溶媒除去した。1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン96重量%および異性体2.0重量%含有のテトラキスフェノールエタン18.5gを得た。
[実施例4]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、アセトニトリル20gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度95%硫酸20.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で7時間撹拌し、次いで室温下にて16時間撹拌して反応させた。フェノール仕込量を基準にした反応率は40%であった。これに、水30mlおよびアセトニトリル325mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、70〜75℃の温度範囲にて撹拌した。次いで静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン19.7gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持して、固形分を析出させた。析出物を濾過し、5℃のアセトニトリル60mlにて洗浄した。洗浄された析出物を真空下にて溶媒除去した。1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン93重量%および異性体1.0重量%含有のテトラキスフェノールエタン12.1gを得た。
[比較例1]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール63g、アセトン7.8gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度98%硫酸11.6gを13℃〜17℃の温度範囲にて滴下し、40℃で16時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。これに、濃度28%NaOH水溶液32.6gを加えて中和した。その後、アセトン40gを添加した。析出物を濾過し、アセトン/水(2:3)100mlで洗浄した。洗浄された析出物をメタノール87.5gに加えて加熱し溶解させ、不溶物を熱時濾過した。得られた溶液に水35gを添加し、メタノールを留去し、次いで冷却して析出させた。析出物を濾過し、水/アセトン(1:1)30mlで洗浄した。1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン89.0重量%および異性体6.7重量%含有のテトラキスフェノールエタン18gを得た。
[比較例2]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、メチルエチルケトン15gおよび濃度39%グリオキザール14.9gを加えた。この溶液に濃度98%硫酸19.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で16時間撹拌し、30℃にて3時間撹拌して反応させた。室温まで冷却し、水30mlおよびメチルエチルケトン50mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、60〜65℃にて撹拌した。次いで静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン17.9gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持したが、固形分は析出しなかった。
[比較例3]
300mLの四つ口フラスコに、フェノール94.1g、酢酸エチル20gおよび濃度40%グリオキザール14.5gを加えた。この溶液に濃度95%硫酸20.6gを0℃〜5℃の温度範囲にて滴下し、同温度範囲で23時間撹拌した。その後、室温まで昇温し、水30mlおよび酢酸エチル40mlを加え、濃度28%NaOH水溶液57.1gを加えて中和した。その後、60〜65℃の温度範囲で撹拌した。次いで静置して水相と有機相とに分離させた。水相を取り除き、有機相を取り出して、分析した。有機相にテトラキスフェノールエタン19.5gが含まれていた。
この有機相を、5℃まで冷却し、1時間保持したが、固形分は析出しなかった。
高純度の1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を高収率にて製造する方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物に、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルと、それに相溶しない溶媒とを添加し、60〜75℃の温度範囲にて撹拌し、次いで静置して有機相と水相とに分離させ、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物を含む有機相を残すことを有する、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法。
  2. 酸触媒の存在下に反応溶媒中でフェノール類とグリオキザールとを反応させて1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体並びにフェノール類を含む混合物を得ることをさらに有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応溶媒がアセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである、請求項2に記載の製造方法。
  4. フェノール類の仕込量を基準にした反応率が20〜70%である、請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 抽出時のテトラヒドロフランまたはアセトニトリルの量が、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物およびその異性体の合計量1モルに対して1.0〜7.0Lである、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の製造方法。
JP2018526418A 2016-07-07 2017-07-05 1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP6665292B2 (ja)

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