JP6068204B2 - 新規なトリスフェノール化合物 - Google Patents

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本発明は、新規なトリスフェノール化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は、シクロヘキサン環骨格の1−位に2つ、3−位に1つの、ヒドロキシフェニル基が結合してなる耐熱性と溶剤への溶解性に優れた新規なトリスフェノール化合物に関する。
従来、トリスフェノールなどのポリフェノール類は、1−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等各種の化合物が知られている。このようなポリフェノール類はポリカーボネート樹脂等の熱可塑性合成樹脂原料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂原料、或いは半導体用フォトレジスト等の感光性材料の原料等として多様な分野で用いられている。
近年、これらの用途分野における各種性能の向上要求の高度化に伴い、原料のポリフェノール類に要求される性能も一層高度化、緻密化してきている。このような性能向上要求の一つとして、ポリフェノール類を各種の組成物や樹脂の原料等とした場合、耐熱性が向上し、しかも溶剤への溶解性や反応性に優れたポリフェノール類が求められてきている。本発明者らは、このような耐熱性が向上し、しかも溶剤への溶解性や反応性に優れた性能のポリフェノール類としてトリスフェノール化合物に着目した。
シクロヘキサン骨格のトリスフェノール化合物としては、従来、例えば、1,1,4−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(特許文献1、2、4)、1,1−ビス(1−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)−4−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(特許文献3)等いくつかの化合物が知られているが、このような化合物は何れも耐熱性の要求を満たすものは、溶剤への溶解性が十分でなく、耐熱性と溶剤溶解性を共に満たす化合物は知られていない。
特開平06−242599号公報 特開2000−063308号公報 特開2002−161061号公報 特開2003−114530号公報
本発明は、耐熱性に優れ、しかも溶剤への溶解性や反応性に優れたトリスフェノール化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題解決のために鋭意検討した結果、シクロヘキサン環骨格の1−位に2つ、3−位に1つの、ヒドロキシフェニル基が結合してなるトリスフェノール化合物は、1−位及び4−位に3つのヒドロキシフェニル基が結合したトリスフェノール化合物と比較し耐熱性がほとんど低下することなく溶剤への溶解性が大きく向上すること、また、このようなトリスフェノール化合物は従来知られていないことを見出し、本発明を完成した。
本発明のトリスフェノール化合物は、シクロへキサン骨格の1−位及び3−位に、置換基がないか又はメチル基が置換したヒドロキシフェニル基を3つ有する構造のトリスフェノール化合物であり、このようなトリスフェノール化合物は意外にも従来知られたトリスフェノール化合物に比べて耐熱性が同等で優れているにも係らず、驚くべきことに溶剤等の有機物に対して優れた溶解性を持つ化合物である。これらを感光性組成物、エポキシ等の樹脂の原料に使用する際には、溶剤使用量を低減できる、あるいは、溶解速度が向上する等、操作性を向上させることができ、樹脂との相溶性も向上すると期待される。
また、本発明のトリスフェノール化合物又はその誘導体を感光性組成物等の組成物に添加した場合には、添加した化合物が析出しにくくなるので、組成物の保存安定性が向上する、あるいは、添加量を多くできることが期待される。
また、ヒドロキシフェニル基の置換基数によっては、高い溶解性と共に従来のトリスフェノール化合物と同等の耐熱性(ガラス転移温度)も有しているので、耐熱性を必要とする感光性組成物又は/及びエポキシ等の樹脂の原料として好適である。
さらに本発明のトリスフェノール化合物は、ヒドロキシフェニル基には置換基がないか、もしくは、置換基を有していても嵩高くないメチル基が各々のヒドロキシフェニル基で同一の位置に置換しているので、フェノール性水酸基の反応性が均等で高いためにポリカーボネート樹脂等の樹脂原料等に使用した場合、重合反応に悪影響を及ぼさずに要求される性能が得られると期待される。
以下、本発明のトリスフェノール化合物について詳細に説明する。
本発明のトリスフェノール化合物は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
(式中、3つのRは同一であり、水素原子またはメチル基を表し、3つのRは同一であり、水素原子またはメチル基を表す。)
上記一般式(1)で表される本発明のトリスフェノール化合物において、R及びRは水素原子またはメチル基である。
その理由は、トリスフェノール化合物の置換基の炭素原子数が増加するにつれて有機溶剤等の有機物への溶解性は高まる場合があるが、構造によっては同時に耐熱性が大きく低下する場合があるからであり、本願化合物のような骨格では比較例に示したように置換基の炭素数が2以上では耐熱性が十分ではない。
また、R及びRは、トリスフェノール化合物の溶解性の点ではR又はRのどちらか一方がメチル基である方が好ましい。
また、R及びRが共に水素原子または共にメチル基である場合、そのようなトリスフェノール化合物は耐熱性の点で好ましく、また、R及びRが共に水素原子である場合、フェニル核に結合した水酸基の反応性が高く、耐熱性と溶解性とのバランスが優れているのでより好ましい。
従って、本発明による好ましいトリスフェノール化合物は具体的には例えば、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
1,1,3−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
が挙げられる。
このような本発明によるトリスフェノール化合物は、その製造方法については、特に制限はなく、例えば、特開2002−161061号公報に記載の方法によっても得ることができる。
しかしながら、好ましい方法としては、例えば、2−シクロヘキセン−1−オンとフェノール類を酸性触媒の存在下に反応させることにより、本発明のトリスフェノール化合物である1,1,3,−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができる。
前記好ましい方法において、原料フェノール類としては、下記一般式(2)で表される。
(式中、R、Rは各々独立して水素原子またはメチル基を表す。)
このような フェノール類としては具体的には例えば、フェノール、o−クレゾールまたは2,6−キシレノールが挙げられる。
上記一般式(2)で表されるフェノール類と2−シクロヘキセン−1−オンを酸性触媒の存在下に反応させることにより本発明のトリスフェノール化合物を得る反応は、下記の反応式(1)で示される。
前記好ましい方法において、フェノール類と2−シクロヘキセン−1−オンとの反応に際し、フェノール類は2−シクロヘキセン−1−オンに対し、好ましくは3〜50モル倍、より好ましくは5〜30モル倍、特に好ましくは8〜20モル倍の範囲で用いられる。
酸性触媒としては具体的には例えば、塩化水素ガス、塩酸、硫酸、リン酸、無水硫酸等の無機酸、P−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトリクロロ酢酸等の有機酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記触媒のうち、特に好ましいのは塩酸である。
酸性触媒の好ましい使用量は触媒により適量が異なるので一概には言えないが、例えば35%塩酸の場合、2−シクロヘキセン−1−オンに対し、好ましくは0.1〜3モル倍、より好ましくは0.2〜1.0モル倍、特に好ましくは0.3〜0.6モル倍の範囲で用いられる。
更に、前記好ましい方法において、反応を促進するために助触媒を用いることができる。
助触媒としては、メルカプト基を有する化合物乃至高分子化合物が好ましく、具体的には、例えばメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類やメルカプト酢酸、β−メルカプトプロピオン酸等のメルカプタンカルボン酸、メルカプト基を有する陽イオン交換樹脂または有機高分子シロキサン等が挙げられる。
尚、メチルメルカプタンを使用する場合は、ナトリウム塩水溶液として使用しても良い。
助触媒を用いる場合、その使用量は、反応条件や種類により適量が異なるので一概には言えないが、例えば アルキルメルカプタンを用いる場合、使用量は2−シクロヘキセン−1−オンに対し、好ましくは0.5〜50モル%、より好ましくは2〜30モル%、特に好ましくは4〜20モル%の範囲である。
反応温度は、好ましくは0〜80℃、より好ましくは10〜60℃、特に好ましくは15〜50℃の範囲で行われる。
このような反応条件においては、反応は、原料を全て反応系内に添加した後、好ましくは60時間程度以内で完結する。
反応に際し、反応溶媒は用いてもよく、または用いなくてもよいが、用いる場合には反応溶媒は、2−シクロヘキセン−1−オンに対し、好ましくは0.1〜20モル倍の範囲で用いられる。
例えば、原料フェノール類が、反応させる際に液状であればそれ自体溶媒となるので、他に溶媒を用いなくてもよい。
反応溶媒を用いる場合、反応に際し悪影響がでない範囲であれば、溶媒の種類及び添加量に特に限定はないが、好ましい反応溶媒としては、具体的には例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノール等の低級脂肪族アルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素類、またはこれらの混合溶剤が挙げられる。
反応に際し、反応原料の仕込方法や反応方法は特に限定されないが、通常のビスフェノール類やトリスフェノール類の反応で用いられる方法に沿って行うことができる。例えば、反応容器に所定量のフェノール類、酸性触媒及び必要に応じて、助触媒、反応溶媒を仕込み、窒素気流下に攪拌しながら、所定の反応温度まで昇温した後、そこに2−シクロヘキセン−1−オンを逐次添加する方法が好ましい。
このような反応の終了後に、得られた反応終了液から本発明の製造方法における目的物を単離乃至精製するには、公知の単離乃至精製方法を適用することができる。例えば、反応終了液に水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液等のアルカリ水溶液を加えて、酸性触媒を中和する。
その後、水と分離する芳香族炭化水素や脂肪族ケトン等の溶媒を加え、水層を分離除去し、必要に応じて水を加え撹拌して水洗した後、水層を分離除去する操作を1回乃至複数回繰り返し行い、得られた油層を、冷却して晶析または沈殿させた後に、濾過することにより目的物の粗製結晶、または固体を得ることができる。
また、前記水層を分離除去して得られた油層は、これを蒸留して溶媒と未反応フェノール類を留去した後、その残渣を適宜の溶媒に溶解させて、得られた溶液を冷却して晶析または沈殿させた後、濾過してもよい。
また、得られるトリスフェノール化合物や反応条件によっては前記アルカリ水溶液による中和終了後の溶液にそのまま適宜の溶媒を加えて晶析または沈殿させることができ、あるいは目的物の結晶化が困難な場合には、蒸留して得られた残渣を冷却して粗製物として得ることもできる。
また、前記粗製結晶、固体又は粗製物から高純度のトリスフェノール化合物を得るには、公知の精製方法を用いることができる。
例えば前記方法で得られたトリスフェノール化合物をトルエン等の芳香族炭化水素溶媒、メタノール等のアルコール溶媒、アセトンやメチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン溶媒に溶解し、そのまま冷却して再結晶するか、あるいは貧溶媒を加えた後、これを冷却して再結晶し、析出した結晶を濾別してトリスフェノール化合物の高純度品を得ることができる。
上記晶析工程においては、目的とするトリスフェノール化合物によっては使用する溶媒や原料フェノール類との付加物結晶(アダクト結晶)として得られる場合もある。
前記好ましい方法においては、得られたトリスフェノール化合物は通常、ラセミ混合体で得られる。また、得られたラセミ混合体トリスフェノール化合物からは、光学活性カラム分離等の公知の方法を用いて分離し、トリスフェノール化合物のエナンチオマーやジアステレオマーを得ることができる。
また、上記のようにして得られた本願化合物について、その用途やフェノール性水酸基を置換する等の公知の方法によって得られる誘導体についても具体的に説明する。
例えば、本願化合物とエピクロロヒドリンを反応させることにより、1,1,3−トリス(4−グリシジルオキシフェニル)シクロヘキサン等が得られ、これらを原料にエポキシ樹脂を得ることができる。
また、2−(3−オキセタニル)ブチルトシレートと反応させることにより、1,1,3−トリス{4−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシフェニル}シクロヘキサン等が得られ、これらを原料にオキセタン樹脂を得ることができる。
また、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドと反応させることにより、1,1,3−トリス{4−[(6−ジアゾ−5−オキソナフチル)スルホニルオキシ]フェニル}シクロヘキサン等が得られ、これらを感光性組成物に用いることができる。
また、エチレンカーボネートと反応させることにより、1,1,3−トリス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等が得られ、これらをポリエステルやポリカーボネート等の樹脂原料に用いることができる。
また、塩化シアンと反応させることにより、1,1,3−トリス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサン等が得られ、これらをシアネート樹脂原料に用いることができる。
また、パラクロロニトロベンゼンと反応させて得られるニトロ化合物を還元して得られる1,1,3−トリス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン等や無水トリメリット酸クロリドと反応させて得られる1,1,3−トリス[4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イルカルボニルオキシ)フェニル]シクロヘキサン等は、ポリイミド樹脂原料やエポキシ樹脂硬化剤等に用いることができる。
また、アクリル酸(又はメタクリル酸)と反応させることで1,1,3−トリス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)シクロヘキサン等を得られ、これらを原料に樹脂とすることができる。
また、メチルアミン及びホルムアルデヒドと反応させることにより1,1,3−トリス(3−メチル(2H,4H−ベンゾ[3,4−e]1,3−オキサジン−6−イル))シクロヘキサン等を得られ、これらを原料に樹脂とすることができる。
その他用途として本願化合物は、フェノール性水酸基を複数有しているので、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン(またはポリサルフォン、ポリフェニルサルフォン)、ノボラック、レゾール等の樹脂原料、その他i線レジスト添加剤、顕色剤、酸化防止剤としての利用も期待できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。ここでガラス転移温度および溶剤に対する溶解度は以下の測定方法により行った。
(1)ガラス転移温度の測定方法
示差走査熱量計において、各化合物を融解した後冷却し、再度加熱することによってガラス転移点を測定した。この際、測定開始温度は30℃、昇温速度は10℃/分とした。
(2)溶剤に対する溶解度の測定方法
試験管に溶剤を3g入れ、30℃で各化合物を添加することによって飽和溶液を作成した。溶解度は、この飽和溶液の上澄液の濃度を液体クロマトグラフィーによる検量線で測定し、溶媒100g中の溶解g数として評価した。
実施例1
[1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの合成]
フェノール1412g、35%塩酸78.2g、ドデシルメルカプタン15.2g、メタノール144gを3リットル容量4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下に、液温を30〜35℃に保ちながら、2−シクロヘキセン−1−オン144gを10時間で滴下し、滴下終了後、30℃で46時間撹拌した。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した後、昇温してメタノールを留去した。その後、水層を分離除去して得られた油層にメチルイソブチルケトンと水を加え撹拌して水洗し、水層を分離した。得られた油層からメチルイソブチルケトンと未反応のフェノールを減圧下で留出させ除去した。残渣にトルエンを加えて析出した結晶を室温で濾別し、乾燥して粗製結晶(純度95%、高速液体クロマトグラフィー法)を得た。
この粗製結晶をメチルイソブチルケトンに溶解し、水を加えて水洗後、水層を分離した。得られた油層を濃縮後、残渣にトルエンを加えて析出した結晶を室温で濾別し、乾燥して目的物である純度99.4%(高速液体クロマトグラフィー法)の1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを白色結晶として得た。
収率 :42%(2−シクロヘキセン−1−オンに対する収率)
分子量:359(M−H)(液体クロマトグラフィー質量分析法)
融点 :202℃(示差走査熱量測定法)
ガラス転移温度:105℃
H‐NMR(400MHz)測定(溶媒:DMSO−d6):表1参照
溶解度:表3参照
実施例2
[1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの合成]
オルソクレゾール1513.4g、35%塩酸73g、ドデシルメルカプタン14.2g、メタノール134.4gを3リットル容量4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下に、液温を30〜32℃に保ちながら、2−シクロヘキセン−1−オン134.5gを3.5時間で滴下した。滴下終了後、30〜32℃で22時間攪拌した。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、中和した後、昇温してメタノールを留去した。その後、水層を分離除去して得られた油層にメチルイソブチルケトンと水を加え撹拌して水洗し、水層を分離除去した。得られた油層からメチルイソブチルケトンと未反応のオルソクレゾールを減圧下で留出させ除去した。
残渣を1−オクタノールに溶解後、シクロヘキサンを加えて晶析し、析出したアダクト結晶を室温で濾別し、乾燥して、目的物である1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを白色のアダクト結晶として得た。得られたアダクト結晶をガスクロマトグラフィー法で分析した結果、アダクト結晶中の溶媒量は16重量%であり、アダクト結晶を高速液体クロマトグラフィー法で分析した結果、1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの純度は99.2%(溶媒分除く)であった。
収率 :77.9%(2−シクロヘキセン−1−オンに対する収率)
分子量:401(M−H)(液体クロマトグラフィー質量分析法)
融点 :確認できず( 示差走査熱量測定法 )
ガラス転移温度:80.6℃
H‐NMR(400MHz)測定(溶媒:CDCl3 ):表2参照
比較例
実施例1の化合物と1,1,4−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(下記 比較例化合物1:純度98.5%)並びに1−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン(下記比較例化合物2:純度99.8%)とのガラス転移温度(Tg)及び溶解度の比較を表3に示す。
表3の記載からみて明らかなように、本発明の化合物である実施例1の化合物によれば、ガラス転移温度が高く十分な耐熱性を備えると共に、MIBK、メタノール、PMAの各溶媒に対して十分に高い溶解度を示すことができる。これに対して、比較例化合物1はガラス転移温度は本発明の化合物と同程度であるものの、各溶媒に対する溶解度が明らかに小さく、これらの溶媒への溶解度が不十分であることがわかる。同様に比較例化合物2は、ガラス転移温度が低いので不十分な耐熱性を有するに留まり、しかも各溶媒に対する溶解度も不十分である。
このように本発明は従来の化合物に対して、高い耐熱性及び溶媒への良好な溶解度を備える点において、比較例化合物1及び比較例化合物2に対して顕著な効果を奏する。
比較例化合物3として下記のエチル基置換のシクロヘキサン骨格トリスフェノール化合物を合成した。
この比較例化合物3のガラス転移温度は54℃であり、上記実施例1及び実施例2の化合物と比較して明らかにガラス転移温度が低温であり、耐熱性に劣ることがわかる。

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    (式中、3つのRは同一であり、水素原子またはメチル基を表し、3つのRは同一であり、水素原子またはメチル基を表す。)で表されるトリスフェノール化合物。
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