JP2003114530A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物

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JP2003114530A
JP2003114530A JP2001310151A JP2001310151A JP2003114530A JP 2003114530 A JP2003114530 A JP 2003114530A JP 2001310151 A JP2001310151 A JP 2001310151A JP 2001310151 A JP2001310151 A JP 2001310151A JP 2003114530 A JP2003114530 A JP 2003114530A
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photosensitive resin
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ether
monomer
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JP2001310151A
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Yoshihiro Takagi
良博 高木
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Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
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  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ性水溶液で現像でき、高感度であり、
しかも、高解像性、現像性、耐熱性、耐溶剤性、基板と
の密着性、透明性、耐熱変色性等の諸特性の優れたパタ
ーン状薄膜を容易に形成することができる感光性樹脂組
成物、更には、上記諸特性と同時に低誘電特性の優れた
パターン状薄膜を容易に形成することができる感光性樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】テトラフルオロエチレン、カルボキシル基
を含有するモノマー及びこれらと共重合可能なモノマー
を共重合させることにより得られるフッ素含有共重合
体、及び1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘキ
サン誘導体を含有するポジ型感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に関し、特にミクロなパターン構造を形成することので
きる感光性樹脂組成物、さらに詳しくは、半導体集積回
路(IC)、液晶ディスプレイ(LCD)用薄膜トラン
ジスタ(TFT)回路等の回路製造用のマスクを作成す
るためのポジ型レジストとして、さらには液晶表示素
子、集積回路素子、固体撮像素子等の層間絶縁膜や固体
撮像素子等のマイクロレンズなどの永久膜形成材料とし
ても好適なポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いたパ
ターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子、集積回路素子、
固体撮像素子等の電子部品の製造においては、その劣化
や損傷を防止するための保護膜、素子表面を平坦化する
ための平坦化膜、電気的絶縁を保つための絶縁膜等が設
けられている。又、TFT型液晶表示や集積回路素子に
おいては層状に配置される配線の間を絶縁するために層
間絶縁膜が用いられている。一般に、LCD用TFT、
IC等の電子部品の製造においては、サブミクロン以下
の高解像度を有するとともに高感度を有するレジストが
強く要望されている。
【0003】例えば、ICシリコンウェハのウェットエ
ッチング方式で形成されるレジストパターンには、基板
との密着性やエッチング液に侵されない耐薬品性が必要
とされる。またイオンインプラ工程が加わる場合には、
高温加熱に耐えうる耐熱性が要求される。さらにTFT
の絶縁材料として用いるには、透明性も必要である。し
かし、加熱処理を行うことにより変色するため、液晶カ
ラーフィルターの保護膜やマイクロレンズ等の光学材料
に使用することができないという欠点がある。
【0004】また、層間絶縁膜形成は、必要な工程数が
多く、層間絶縁膜に要求される諸特性、即ち、平坦性、
高解像性、現像性、耐熱性、耐薬品性、基板との密着
性、透明性、絶縁性等を良好に確保することが困難であ
り、これら諸特性をすべて満足する感光性樹脂組成物が
なかった。又、層間絶縁膜については、デバイスの高密
度化にともない、クロストークの発生を抑制するために
低誘電性が要望されているが、従来の感光性樹脂組成物
では、それら諸特性と低誘電性とを両立させる点で充分
満足のいくものではなかった。
【0005】一方、近年フッ素含有共重合体とそれを含
有した感光性樹脂組成物が提案されている。例えば、特
開平8−92323号公報にはヘキサフルオロプロピレ
ン、水酸基含有モノマーおよび上記2種のモノマー以外
のモノマーを共重合させて得られるフッ素含有共重合体
と、該共重合体に光重合開始剤、光重合性不飽和単量体
等が添加されてなる感光性樹脂組成物が開示されてい
る。また、特開平8−100136号公報にはフッ化ビ
ニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを共重合させ
て得られるフッ素含有共重合体とエチレン性不飽和基を
有する重合性化合物とを溶剤に溶解させてなるフッ素系
塗料が開示されている。更に、特開平10−14774
9号公報にはヘキサフルオロプロピレン、エポキシ基ま
たはヒドロキシ基含有モノマー、及びこれらと共重合可
能なモノマーを共重合させることにより得られるフッ素
含有共重合体と、メルカプト基またはイソシアネート基
含有シラン化合物とを反応させることにより得られる、
シラン変性フッ素含有共重合体を含有する被膜形成用組
成物が開示されている。特開平10−319593号公
報には、ヘキサフルオロプロピレン、カルボン酸含有モ
ノマー、及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合さ
せて得られるフッ素含有共重合体と酸発生剤、架橋性化
合物を含有する感光性樹脂組成物が開示されている。
【0006】しかしながら、従来の樹脂組成物ではポジ
型感光性樹脂組成物に要求される諸特性、即ち高感度
で、高解像性、現像性、耐熱性、耐溶剤性、基板との密
着性、透明性、絶縁性、耐熱変色性等において満足する
組成物は得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ性水溶液で現像でき、高感度であり、しかも、高解
像性、現像性、耐熱性、耐溶剤性、基板との密着性、透
明性、絶縁性、耐熱変色性等の諸特性の優れたパターン
状薄膜を容易に形成することができる感光性樹脂組成
物、更には、従来、上記諸特性と同時に実現することが
困難であった低誘電特性の優れたパターン状薄膜を容易
に形成することができる感光性樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の感光性樹脂組成物が提供されて、本発明の上記目的
が達成される。 (1) テトラフルオロエチレン、カルボキシル基を含
有するモノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共
重合させることにより得られるフッ素含有共重合体、及
び1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘキサン誘
導体を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成
物。 (2) ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシル基を
含有するモノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを
共重合させることにより得られるフッ素含有共重合体、
及び1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘキサン
誘導体を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組
成物。 (3) 架橋剤を含有することを特徴とする上記(1)
または(2)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。 (4) 架橋剤がメラミン系化合物であることを特徴と
する上記(3)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。 (5) 架橋剤がエポキシ系化合物であることを特徴と
する上記(3)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。 (6) 共重合可能なモノマーとして、水酸基含有不飽
和エーテル類を含有することを特徴とする上記(1)〜
(5)のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。 (7) 共重合可能なモノマーとして、ヒドロキシアル
キルエステルを含有することを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポジ型感光性樹脂
組成物について詳述する。まず該本発明のポジ型感光性
樹脂組成物に配合される各成分について説明する。 〔I〕フッ素含有共重合体 本発明に使用されるフッ素含有共重合体は、テトラフル
オロエチレン(TFE、あるいはモノマーa1ともい
う)またはヘキサフルオロプロピレン(HFP、あるい
はモノマーa2ともいう)、カルボキシル基を含有する
モノマー(モノマーbともいう)、及びこれらと共重合
可能なモノマー(モノマーcともいう)を共重合させる
ことにより得られる。モノマーa1は、−CF2CF2
で示される常温、常圧で気体のモノマーである。モノマ
ーa2は、−CF2CF(CF3)−で示されるモノマー
である。モノマーbは、カルボキシル基を含有し、モノ
マーa、bと共重合可能なものであれば、特に制限され
ない。例えば、クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、
メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類;フマル酸ビニ
ル、マレイン酸ビニル、コハク酸ビニル、フタル酸ビニ
ルなどの多価カルボン酸ビニルエステル類;フマル酸メ
チル、マレイン酸エチルなどの多価不飽和カルボン酸モ
ノエステル類を挙げることができる。中でもクロトン
酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。尚、アクリ
ル酸、メタクリル酸の両者を総称して(メタ)アクリル
酸とも記す。モノマーcは、モノマーa、bと共重合可
能であれば、特に制限されず、任意のものが使用され
る。具体的には、アルキルビニルエーテル、例えば、メ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロ
ピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、
tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニル
エーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチル
ビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エ
チルヘキシルビニルエーテル等;シクロアルキルビニル
エーテル類、例えば、シクロプロピルビニルエーテル、
シクロブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘプチ
ルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル等;水
酸基含有ビニルエーテル類、例えば、2−ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエ
ーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル等;水酸基含有アリル
エーテル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエー
テル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等;カルボ
ン酸ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン
酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル
等;α−オレフィン系、例えば、エチレン、プロピレ
ン、イソブテン、スチレン、アクリロニトリル、アクリ
ルアミド、メタアクリルアミド等;(メタ)アクリル酸
エステル類、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート(メチルアクリレート及びメチルメタクリレ
ートを総称して(メタ)アクリレートと記す。その他の
例についても同様である。)、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、フェノキシ(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロ
ポキシ)エチル(メタ)アクリレート等;ヒドロキシア
ルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。これらのモノマーは、また、単独で使用して
もよいし、2種以上の単量体を混合して使用してもよ
い。また、その構成水素原子の一部乃至全部(ただし、
エチレンは除く)がフッ素原子で置換されたものでもよ
い。モノマーcの中では、アルキルビニルエーテル、或
いはシクロアルキルビニルエーテル類(CH2CH(O
R):Rは炭素数1〜12のアルキル基またはシクロア
ルキル基を示す。)、水酸基含有不飽和エーテル類及び
ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。
【0010】フッ素含有共重合体の上記モノマー成分の
組成は、モル比で、モノマーa1またはa2:モノマー
b:モノマーc=30〜80:10〜60:5〜50で
あり、好ましくは20〜70:15〜50:10〜40
である。また、フッ素含有共重合体の質量平均分子量
は、好ましくは4000から30,000、更に好まし
くは6000〜25,000の範囲である。また、フッ
素含有共重合体中のフッ素原子含有量は、20〜70質
量%が好ましい。上記範囲を外れると本発明のポジ型感
光性樹脂組成物硬化膜の前記種々の物性を全て満足する
ことが困難となる。
【0011】フッ素含有共重合体はポリマー合成の分野
で知られる方法で合成することができる。具体的には、
ラジカル重合開始剤の存在下に行うことができ、気相重
合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液
重合法等が挙げられる。また、重合操作も、回分式、半
連続式、連続式など目的に応じて適宜選択することがで
きる。フッ素含有共重合体は、本発明の感光性樹脂組成
物中に、3〜35質量%含有されることが好ましく、よ
り好ましくは5〜30質量%である。
【0012】〔II〕1,2- ナフトキノンジアジド基含有
シクロヘキサン誘導体 本発明の組成物に用いられる1,2- ナフトキノンジアジ
ド基含有シクロヘキサン誘導体としては、例えば下記一
般式(1)で示されるような1,2- ナフトキノンジアジ
ド基を含有するシクロヘキサン誘導体が挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】一般式(1)において、X1〜X15は同一
でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基または−ODで示される基(ここでDは水素原子も
しくはキノンジアジド骨格を有する有機基である。)を
示すが、但し、X1〜X15の少なくとも1つは−OD基
である。そして一般式(1)に複数個存在するDのうち
少なくとも1個、好ましくは1〜5個、さらに好ましく
は2〜5個はキノンジアジド骨格を有する有機基であ
る。また、一般式(1)において、X1〜X5の少なくと
も一つおよびX6〜X10の少なくとも一つは−OD基で
あることが好ましい。
【0015】X1〜X15において、アルキル基としては
炭素数1〜4のものが好ましく、その例としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。ま
た、アルコキシ基としては炭素数1〜4のものが好まし
く、その例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、n−ブトキシ基等を挙げることができる。
【0016】−OD基のDにおけるキノンジアジド骨格
とは、好ましくは下記一般式(4)、下記一般式(5)
または一般式(6)で表される骨格である。
【0017】
【化2】
【0018】このようなキノンジアジド骨格を有する有
機基としては、例えば1,2−ベンゾキノンジアジド−
4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホニル基、1,2−キノンジアジド−6−スルホニ
ル基、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル
基、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基
等が示される。そのうち、特に1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホニル基および1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホニル基が好ましい。
【0019】一般式(1)において、Dがすべて水素原
子である場合に相当する化合物、即ち前記−ODで示さ
れる基が水酸基である場合に相当する化合物は一般式
(1)で表わされる化合物の前駆体である[以下、一般
式(1)の前駆体を「化合物(a)」という]。
【0020】化合物「(a)」の具体例としては、下記
式(a−1)〜(a−18)で表される化合物を挙げる
ことができる。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】上記化合物(a)は、例えばフェノール類
と下記一般式で表わされるケトン化合物
【0026】
【化7】
【0027】(式中、X31〜X35は同一でも異なってい
てもよく、水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数1
〜4のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数1〜
4のアルコキシ基または水酸基を示す。)とを、酸性触媒
の存在下で反応させることによって製造することができ
る。
【0028】このフェノール類としては、フェノール、
o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,5-キシ
レノール、3,4-キシレノール、レゾルシノール、カテコ
ール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フロロ
グルシノール、ピロガロール、p-モノメトキシハイドロ
キノン、m-モノメトキシレゾルシノール、o-モノメトキ
シカテコール等が好ましい。
【0029】また、上記一般式で表わされるケトン化合
物の具体例としては、下記一般式
【0030】
【化8】
【0031】で表わされる化合物を挙げることができ
る。
【0032】一般式(1)で表わされる化合物としては、
前記の化合物(a)の1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホ
ン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン
酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸
エステル、2,1-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エ
ステル、2,1-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エス
テル、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸エステ
ル等の1,2-キノンジアジドスルホン酸エステルを挙げる
ことができる。これらのうち好ましい化合物は、1,2-ナ
フトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフ
トキノンジアジド-5-スルホン酸エステル等である。
【0033】一般式(1)で表わされる化合物は、例えば
化合物(a)と1,2-キノンジアジドスルホニルハライドと
を、塩基性触媒の存在下でエステル化させることにより
得ることができる。この場合の化合物(a)と1,2-キノン
ジアジドスルホニルハライドとの反応割合は、化合物
(a)のフェノール性水酸基1グラム当量当たり、1,2-キノ
ンジアジドスルホニルハライドが0.2〜1モルであるのが
好ましく、特に好ましくは0.4〜1モルである。
【0034】一般式(1)で表わされる化合物の平均エス
テル化率は、好ましくは30〜100%である。平均エステル
化率が30%未満であると、解像性が低下したり、パター
ン形状が悪くなったりする恐れがる。
【0035】1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロ
ヘキサン誘導体は、本発明に係る感光性樹脂組成物中、
フッ素含有共重合体樹脂100質量部に対して、通常、5〜
100質量部、好ましくは10〜50質量部含んでいることが
望ましい。5質量部未満であると、露光によって生成す
る酸量が少ないため、該組成物から形成される塗膜は露
光部と未露光部との現像液に対する溶解度差が小さくな
ってパターニングが困難になることがあり、一方100質
量部を超えると、短時間の光照射では1,2- ナフトキノ
ンジアジド基含有化合物が充分に分解されず残存するた
め、感度が低下してしまうことがある。
【0036】本発明に係る組成物に使用される1,2- ナ
フトキノンジアジド基含有化合物としては、上記一般式
(1)で示されるシクロヘキサン誘導体が特に好ましい。
【0037】〔III〕架橋剤 本発明の感光性組成物は、上記フッ素含有共重合体及び
1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘキサン誘導
体を含有するが、組成物の耐熱性や基板との密着性を向
上させるために、更に架橋剤を含有することが好まし
い。
【0038】本発明に用いられる架橋剤は、前記フッ素
含有共重合体のカルボキシル基などの官能基と加熱によ
り反応し、架橋結合する機能を有するものであれば、特
に制限されるべきではないが、好ましくは、下記式(I)
で表される化合物が挙げられる。
【0039】
【化9】
【0040】式(I)中、R5は、−NR5152{R51、R
52は、各々水素又は−CH2OR53(R53は水素又は炭
素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を示
す。)を示す。}又はフェニル基を示し、R1,R2,R
3,R4は、各々水素又は−CH 2OR53(R53は水素又
は炭素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を
示す。)を示す。上記R53のアルキル基またはシクロア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基,n−アミル基、イソアミル基,n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0041】本発明に使用される式(I)で表されるメラ
ミン架橋剤の具体例としては、例えば、ヘキサメチロー
ルメラミン(R1,R2,R3,R4,R51,R52は、各々
−CH2OH)及びアルキル化ヘキサメチロールメラミ
ン(R1,R2,R3,R4,R5 1,R52は、各々−CH2
OR53、かつR53は好ましくは炭素数1〜3)、部分メ
チロール化メラミン(R1,R2,R3,R4,R51,R52
から選択される1〜5個は−CH2OHでかつ非選択は
水素)及びそのアルキル化体(好ましくはR53は炭素数
1〜3)、テトラメチロールベンゾグアナミン(R1
2,R3,R4は各々−CH2OHで,R5はフェニル
基)及びアルキル化テトラメチロールベンゾグアナミン
(好ましくはR53は炭素数1〜3)、部分メチロール化
ベンゾグアナミン(R1,R2,R3,R4から選択される
1〜3個は−CH2OHでかつ非選択は水素)及びその
アルキル化体(好ましくはR53は炭素数1〜3)、ある
いは上記化合物のオリゴマー(好ましくは、単量体2〜
5個)等を挙げることができる。
【0042】本発明で使用される他の架橋剤としては、
エポキシ系化合物、フェノール系化合物、アゾ系化合
物、イソシアネート系化合物等が挙げられる。例えば、
エポキシ系化合物としては、感光性樹脂組成物の耐熱
性、基板との密着性を向上させる機能を有しているもの
が好ましく、分子中に平均して1個以上のエポキシ基を
もつ化合物を含むことができる。このエポキシ系化合物
は、低分子のものから高分子のものまで特に制限はな
く、加熱処理により、硬化物を与える化合物が好まし
い。例えば、低分子型としては、n−ブチルグリシジル
エーテル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、
フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリ
シジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA(またはF)のグリシジルエーテ
ル等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエ
ステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシ
ジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレー
ト、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カ
ルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタン
ジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペン
チル)エーテルや、ダイセル化学工業(株)製のEHP
E3150、セロサイド2021、エポリードGT30
0、エポリードGT403などの脂環式エポキシ等が挙
げられる。
【0043】また、高分子型としては、エピコート10
01、同1002、同1003、同1004、同100
7、同1009、同1010、同828(商品名;油化
シェルエポキシ(株)製)などのビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、エピコート807(商品名;油化シェルエ
ポキシ(株)製)などのビスフェノールF型エポキシ樹
脂、エピコート152、同154(商品名;油化シェル
エポキシ(株)製)、EPPN201、同202(商品
名;日本化薬(株)製)などのフェノールノボラック型
エポキシ樹脂、EOCN102、同103S、同104
S、1020、1025、1027(商品名;日本化薬
(株)製)、エピコート180S75(商品名;油化シ
ェルエポキシ(株)製)などのクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、CY−175、同177、同179、ア
ルダライトCY−182、同192、184(商品名;
チバ−ガイギー(株)製)、ERL−4234、429
9、4221、4206(商品名;U.C.C社製)、
ショーダイン509(商品名;昭和電工(株)製)、エ
ピクロン200、同400(商品名;大日本インキ
(株)製)、エピコート871、同872(商品名;油
化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、同56
62(商品名;セラニーズコーティング(株)製)など
の環状脂肪族エポキシ樹脂、エポライト100MF(共
栄社油脂化学工業(株)製)、エピオールTMP(日本
油脂(株)製)などの脂肪族ポリグリシジルエーテルな
どが挙げられる。また、上記エポキシ系化合物は、ポジ
型感光性樹脂組成物の耐熱性、基板との密着性を向上さ
せるために、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するものを含んでいることが好ましい。
【0044】架橋剤は、フッ素含有共重合体に対して2
〜50質量部の範囲で配合するのが好ましく、より好ま
しくは4〜40質量部である。配合量が少なすぎると感
度が低下し、現像不良を起こすことがあり、一方、配合
量が多すぎると絶縁性や塗膜性が悪くなる場合がある。
メラミン架橋剤は、全架橋剤中に50〜100質量%含
むことが好ましい。
【0045】本発明では、ポジ型感光性樹脂組成物の塗
布性の向上たとえばストリエーション(塗布すじあと)
の防止、また塗膜の現像性を向上させ、平坦性の更なる
改善のために界面活性剤を配合することもできる。界面
活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシ
エチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテ
ル類、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエ
チレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアル
キルエステル類などのノニオン系界面活性剤、エフトッ
プEF301、同303、同352(新秋田化成(株)
製)、メガファックF171、同F172、同F17
3、同F177(大日本インキ化学工業(株)製)、フ
ロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエ
ム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS
−382、同SC−101、同SC−102、同SC−
103、同SC−104、同SC−105、同SC−1
06(旭硝子(株)製)などの名称で市販されているフ
ッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP3
41(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系
共重合体ポリフローNo. 57、95(共栄社油脂化学工
業(株)製)などが挙げられる。これら界面活性剤の中
でもフッ素系界面活性剤が好ましい。
【0046】これらは2種以上用いることもできる。こ
のような界面活性剤は、ポジ型感光性樹脂組成物中の全
量を100質量部とするとき、2質量部以下好ましくは
1質量部以下の量で含有していてもよい。
【0047】また本発明に係る感光性樹脂組成物は、基
板との密着性を向上させるために接着助剤を含んでいて
もよい。このような接着助剤としては、官能性シランカ
ップリング剤などが挙げられる。官能性シランカップリ
ング剤としては、下記のものが例示されるが、中でもS
3及びS4が好ましい。 S1.ビニルトリエトキシシラン:CH2=CHSi
(OC253 S2.ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン:
CH2=CHSi(OCH24OCH33 S3.γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
【0048】
【化10】
【0049】S4.γ−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン:
【0050】
【化11】
【0051】S5.γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン:HSC36Si(OCH33
【0052】更に、本発明の感光性樹脂組成物において
は、必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、ハレーシ
ョン防止剤、消泡剤、顔料等を添加することもできる。
【0053】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、フッ
素含有共重合体、1,2- ナフトキノンジアジド基含有化
合物及び架橋剤、更に必要に応じて上記成分等を溶媒に
溶解して調製される。
【0054】本発明の感光性樹脂組成物を溶解するため
に使用される溶媒としては、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
メチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピ
ルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテー
ト、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチ
ルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3
−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキ
シブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、
4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチ
ルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−
メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキ
シペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペン
チルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルア
セテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテー
ト、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、テ
トラヒドロフラン、シクロヘキサノン、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プ
ロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸
メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒド
ロキシ−2−メチル、メチル−3−メトキシプロピオネ
ート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−
3−エトキシプロピオネート、エチル−3−プロポキシ
プロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネー
ト、イソプロピル−3−メトキシプロピオネート、エト
キシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−
3−メチルブタン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソアミル、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭
酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピル
ビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、ベンジルメチルエーテル、ベン
ジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、酢酸ベンジ
ル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジ
エチル、γ−ブチロラクトン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン等を挙げることができる。
【0055】本発明の感光性樹脂組成物を用いることに
より、例えば次のようにしてパターンを形成することが
できる。先ず、各成分を、例えばその固形分の濃度が5
〜60質量%となるように溶媒に溶解して、これを孔径
0.2〜10μm程度のフィルターで濾過することによ
り本発明の感光性樹脂組成物溶液を調製する。そして、
この本発明の感光性樹脂組成物溶液をシリコンウェハー
等の基板の表面に塗布し、プリベークを行うことにより
溶剤を除去して感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。次
いで、形成された塗膜に対して光照射処理などの放射線
照射処理(第1露光)を行った後、現像処理を行って放
射線照射部分を除去することによりポジパターンが形成
される。
【0056】また現像により得られたパターンの耐溶剤
性、膜強度、耐熱性等の諸特性を向上させるため、更に
露光(第2露光)してもよく、さらに露光の効果を高め
るため、 露光前、露光中あるいは露光後のいずれか
で、パターンを加熱してもよい。この加熱処理は、好ま
しくは、露光後に施されることが好ましく、また、第2
露光の光量が、第1露光の2〜15倍であることが好ま
しい。本発明では、第2露光量は、第1露光の露光量を
20〜150mJ/cm2としてその2〜15倍とする
ことが好ましい。また、加熱処理は、110〜220
℃、3〜60分が好ましい。
【0057】本発明の感光性樹脂組成物溶液を基板に塗
布する方法としては、回転塗布法、流し塗布法、ロール
塗布法等の各種の方法を採用することができる。プリベ
ークの条件は、例えば加熱温度が50〜150℃、加熱
時間が30秒間〜600秒間である。放射線照射処理に
使用される放射線としては、超高圧水銀燈等からの紫外
線で、波長365nmのi線、波長405nmのh線、
436nmのg線、波長248nmのKrFエキシマレ
ーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の
遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子
線等の荷電粒子線が挙げられる。
【0058】現像処理に用いられる現像液としては、好
ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア
水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、
ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕−5−ノナン等が溶解されてなるアルカリ
水溶液が挙げられる。また、このアルカリ水溶液等に、
水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のア
ルコール類や、界面活性剤が適量添加されてなるものを
使用することもできる。現像処理時間は、例えば10〜
300秒間であり、現像方法としては、液盛り法、ディ
ッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。ア
ルカリ現像後、流水洗浄によるリンス処理を行うが、リ
ンス処理としては、超高圧マイクロジェットで水洗する
ことが好ましい。
【0059】超高圧マイクロジェットは、高圧噴射装置
から水が噴射される。超高圧マイクロジェットの印加圧
力は、通常、30〜350kgf/cm2(2.9〜3
4.3MPa)、好ましくは50〜250kgf/cm
2(4.9〜24.5MPa) のものを指す。該印加圧
力は、ノズルの形状によって選定され、本発明では、猫
目型ノズル(断面が凹レンズ状)が好ましい。超高圧マ
イクロジェットの噴射角は、水洗作用に大きな影響を及
ぼす。感光性樹脂組成物の面に対して垂直である場合
が、もっとも水洗作用は強い。一方、非感光部の組成物
の除去は、単に水洗作用が強いだけでは不十分で、機械
的な水の衝撃によって不要の組成物を基板から除去しな
ければないが、そのためには噴射方向は基板に対して垂
直方向が最も良いが、またその垂直方向と基板への噴射
方向とのなす角度が、±0〜20度ほどとして基板の進
行方向に対して前または後ろに噴射してもよい。
【0060】また、本発明の経済的な実施形態として連
続水洗を採用するのが実際的であるが、その場合に感光
性樹脂組成物層の幅方向に水が均等に行きわたるよう
に、扇型のひろがりをもって噴射する噴射ノズルを単独
または扇のひろがり方向に複数配列し、その扇面状の噴
射の方向に対して直角方向に感光性樹脂組成物を定速移
動しながら水の噴射部分を通過する方法をとって連続水
洗処理を行うことが好ましい。
【0061】この方法では、非露光部層の深部でも効果
的に除去されるので、層厚の大きな一般には除去しにく
い組成物にも使用することも可能であり、プロファイル
の良好なパターンを形成させることができる。
【0062】上記の噴射圧、衝撃角度、水流ひろがり形
状などを満たすための機能を有して特に好ましく使用で
きる高圧噴射装置は、超高圧ジェット精密洗浄システム
AFシリーズ(旭サナック(株))が挙げられる。中で
も相対的に高圧な噴射用にはAF5400Sが、相対的
に低圧な噴射用にはAF2800IIが、適している。し
かしながら、上記の噴射印加圧、衝撃角度及び水流ひろ
がり形状等を有する装置であれば、この機種に限定され
ず、本発明のパターン形成方法ぶおける現像後の水洗手
段に適用できる。
【0063】この方法では、超高圧マイクロジェットの
効果が強力でかつ深部に及ぶので、水による水洗で非パ
ターン部が実質的に除去される。
【0064】パターン化されている樹脂組成物は、上記
水洗処理の後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾し、前
記第2露光、加熱処理を行い硬化したパターン状薄膜が
基板の上に形成される。こうして得られるパターン状薄
膜は、高解像度、低誘電率であって、絶縁性、平坦度、
耐熱性、透明度、硬度等の物性に優れる。また、感光性
樹脂組成物において、フッ素化合物を更に含むものは、
上記特性に加えてその比誘電率は3以下、好ましくは
2.8以下である。したがって、本発明の感光性樹脂組
成物は電子部品の保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜等に有
用であり、特に液晶表示素子、集積回路素子及び固体撮
像素子の層間絶縁膜、固体撮像素子等のマイクロレンズ
に有用である。
【0065】
【実施例】以下、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を実
施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。用いるフッ素含有共重合体は、表1に
記載のものである。
【0066】
【表1】
【0067】実施例1 上記フッ素含有共重合体樹脂(F1)60質量部、上記
感光剤a−1(2S:3個の水酸基のうち2個が置換)
15質量部、ヘキサメトキシメチロールメラミン12質
量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート200質量部を混合して攪拌溶解して、感光性樹脂
組成物を調製した。
【0068】これを、ガラス基板(コーニング705
9)上に膜厚が、2μmとなる様、スピン塗布した後、
ホットプレート上で、110℃、2分間乾燥させ、4μ
mのL/Sパターンのマスクを通して、超高圧水銀灯を
用いて100mJ/cm2の露光量で露光を行い、1.5
質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドアルカリ
溶液にて、25℃で60秒間現像し、水洗、乾燥して、
微細パターンを得た。現像後の残膜率は80%であっ
た。その後、基板全体を400mJ/cm2の露光量で
第2露光し、220℃で10分間加熱処理して硬化させ
た。
【0069】得られたパターン状加熱硬化膜の特性を下
記方法で評価した。 (1)比誘電率の測定:上記で得られた加熱硬化膜の比
誘電率を、室温、1MHzの条件で誘電率測定装置(ヒ
ューレットパッカード社製)を用いて測定した。比誘電
率は、2.8であった。 (2)耐熱性の評価 上記の加熱硬化膜の膜厚を測定した後、更に220℃の
オーブン内で30分間加熱した。そして、加熱処理後の
膜厚を測定した。加熱による膜厚の変化はほとんどなか
った。 (3)耐溶剤性の評価 上記の加熱硬化膜を、室温でNMP溶液に10分間浸漬
し、水洗、乾燥後膜厚を測定した。浸漬による膜厚変化
はほとんどなかった。 (4)透明性の測定 上記の加熱硬化膜をダブルビーム型分光光度計を用い
て、波長380-700nmで測定し、透過率を求め
た。膜は透明で長波長の吸収はほとんどなく、短波長で
も400nmの透過率も96%であった。 (5)耐熱変色性の評価 上記の加熱硬化膜を、更に230℃のオーブン内で30
分間加熱した後、上記と同様な方法で、透過率を測定し
た。400nmの透過率の変化は3%であり、ほとんど
着色変化が見られなかった。
【0070】実施例2 実施例1において、感光剤として使用したa−1を、a
−9に変更した他は、実施例1と同様に感光性樹脂組成
物を調製した。
【0071】実施例3 実施例1において、感光剤として使用したa−1を、a
−17に変更した他は、実施例1と同様に感光性樹脂組
成物を調製した。
【0072】実施例4 実施例1において、感光剤として使用したa−1を、a
−18に変更した他は、実施例1と同様に感光性樹脂組
成物を調製した。
【0073】実施例5 実施例1において、感光剤として使用したa−1を、a
−8に変更した他は、実施例1と同様に感光性樹脂組成
物を調製した。
【0074】上記実施例2〜5の感光性樹脂組成物を、
実施例1と同様に処理して得られたパターン状加熱硬化
膜の特性を上記方法で評価したところ、比誘電率、耐熱
性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性について、何れ
も実施例1と同様であった。
【0075】実施例6 実施例3におけるフッ素含有樹脂をF2に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.6で、低誘電率の膜を得ること
ができた。また、現像残膜率、耐熱性、耐溶剤性、透明
性、及び耐熱変色性については実施例3とほぼ同様であ
った。
【0076】実施例7 実施例3におけるフッ素含有樹脂をF3に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.8で、低誘電率の膜を得ること
ができた。また、現像残膜率は90%と高くなり、耐熱
性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性については実施
例3とほぼ同様であった。
【0077】実施例8 実施例3におけるフッ素含有樹脂をF4に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.6で、低誘電率の膜を得ること
ができた。また、現像残膜率は90%と高くなり、耐熱
性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性については実施
例3とほぼ同様であった。
【0078】実施例9 実施例3におけるフッ素含有樹脂をF5に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.55で、低誘電率の膜を得るこ
とができた。また、現像残膜率は90%と高くなり、耐
熱性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性については実
施例3とほぼ同様であった。
【0079】実施例10 実施例3におけるフッ素含有樹脂をF6に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.5で、低誘電率の膜を得ること
ができた。また、現像残膜率は81%と高くなり、耐熱
性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性については実施
例3とほぼ同様であった。
【0080】実施例11 実施例3のおけるフッ素含有樹脂をF7に代えた他は、
実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、得ら
れたパターン状加熱硬化膜に関して実施例3と同様に処
理した。比誘電率は2.56で、低誘電率の膜を得るこ
とができた。また、現像残膜率は91%と高くなり、耐
熱性、耐溶剤性、透明性、及び耐熱変色性については実
施例3とほぼ同様であった。
【0081】比較例 実施例1のフッ素含有共重合体(F1)のフッ素モノマ
ー(TFE)の代わりに、メチルアクリレートを用いた
他は、実施例1と同様にして共重合体(R1)を作成
し、比誘電率を測定した。比誘電率は3.8で、フッ素
含有共重合体樹脂を用いたものより大きかった。
【0082】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ
性水溶液で現像でき、高残膜性、高解像度、高感度であ
り、しかも耐熱性、耐溶剤性、透明性、耐熱変色性等の
諸特性とともに、従来これらの特性と同時に実現するこ
とが困難であった低誘電特性の優れたパターン状薄膜を
容易に形成することができる。従って、本発明の感光性
樹脂組成物は、半導体集積回路、液晶ディスプレイ用薄
膜、トランジスタ回路等の回路製造用のマスクを作成す
るためのポジ型レジストとして、さらには層間絶縁膜、
カラーフィルタ用保護膜、マイクロレンズ、低反射膜等
の永久膜形成材料としても好適に使用することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレン、カルボキシル
    基を含有するモノマー及びこれらと共重合可能なモノマ
    ーを共重合させることにより得られるフッ素含有共重合
    体、及び1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘキ
    サン誘導体を含有することを特徴とするポジ型感光性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシ
    ル基を含有するモノマー及びこれらと共重合可能なモノ
    マーを共重合させることにより得られるフッ素含有共重
    合体、及び1,2- ナフトキノンジアジド基含有シクロヘ
    キサン誘導体を含有することを特徴とするポジ型感光性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 架橋剤を含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤がメラミン系化合物であることを
    特徴とする請求項3に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 架橋剤がエポキシ系化合物であることを
    特徴とする請求項3に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 共重合可能なモノマーとして、水酸基含
    有不飽和エーテル類を含有することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 共重合可能なモノマーとして、ヒドロキ
    シアルキルエステルを含有することを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
JP2001310151A 2001-10-05 2001-10-05 ポジ型感光性樹脂組成物 Withdrawn JP2003114530A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013227280A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Honshu Chem Ind Co Ltd 新規なトリスフェノール化合物
CN108572516A (zh) * 2017-03-09 2018-09-25 株式会社东进世美肯 正型感光性树脂组合物、显示器件及其图案形成方法

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