JP7280262B2 - 新規なポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物に関する。
エポキシ樹脂は、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性においてバランスがとれているため、電気、塗料、接着剤など種々の産業分野で広く用いられている。エポキシ樹脂には様々な種類の硬化剤が使用でき、その硬化剤の選択により硬化物性が大きく変わるため、各用途の目的に応じて使い分けられている。
一般的なエポキシ樹脂用の硬化剤としては、フェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、活性エステル系硬化剤などが知られており、中でも、フェノール系硬化剤は、種類が豊富なことに加えて低コストなどのメリットにより汎用されている。一般に、フェノール系硬化剤は、フェノール性水酸基の水素結合のため固形の性状を示すことが多く、高結晶性のものとなるとエポキシ樹脂組成物に対し相溶し難く、エポキシ樹脂組成物の流動性を低下させるという問題がある。この解決法の1つとして、フェノール系硬化剤の水酸基による水素結合を防止あるいは阻害する手段が用いられる。例えば、フェノール性水酸基を部分的または完全にシリル基で保護したフェノール誘導体(特許文献1参照)や、フェノール性水酸基のオルソ位に置換基を導入する手段などが用いられている(特許文献2参照)。特に、フェノール性水酸基のオルソ位にアリル基を導入すると、このアリル基によりフェノール性水酸基の水素結合が阻害され、常温で液状を呈しやすい。しかしながら、このフェノール系硬化剤は、アリル基がエポキシ基との反応を妨害するため、硬化速度が遅く耐熱性などでも不十分であるという問題もあった。
特開2006-096838号公報 特開2010-241877号公報
本発明は、上述した事情を背景としてなされたものであって、容易に液状エポキシ樹脂に溶解し、耐熱性、耐薬品性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂用の硬化剤となり得る、新規化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題解決のために鋭意検討した結果、4,4’-アシルオキシビフェニル骨格に、アシルオキシメチル基が複数置換した新規化合物を見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
1.下記式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物。
Figure 0007280262000001

(式中、R、R、R、Rは各々独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、R、Rは各々独立して‐CHOCOR(Rは炭素原子数1~8のアルキル基を表す)を表し、n、mは各々独立して1、2、3の何れかを表す。)
本発明のポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、従来のエポキシ樹脂用ビフェノール骨格の硬化剤と比較して融点が低いため、エポキシ樹脂硬化反応温度である概略140℃程度で他の成分と混和させることができる。これにより、硬化剤を溶解させるための溶剤を必要としない、若しくは溶剤を使用する場合においても、溶剤への溶解性が高いため溶剤使用量を大きく低減することができるという効果を発揮する。
さらに、本発明のポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、官能基を多く有する化合物であることから、エポキシ樹脂膜の耐熱性、耐薬品性の向上に大きく寄与するものであり、非常に有用である。
また、本発明のポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、フェノール系化合物の原料としても有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物である。
Figure 0007280262000002
(式中、R、R、R、Rは各々独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、R、Rは各々独立して炭素原子数1~8のアルキル基または‐CHOCOR(Rは炭素原子数1~8のアルキル基を表す)を表し、n、mは各々独立して0、1、2、3の何れかを表す。)
式(1)において、R~RまたはRが炭素原子数1~8のアルキル基である場合、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が含まれる。好ましいアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、t-ペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基の何れかであることが好ましい。また、アルキル基には、本願の効果を損なわない範囲で置換基が結合していてもよく、そのような置換基としては例えば、フェニル基、アルコキシ基等が挙げられる。
、Rがアシルオキシメチル基(‐CHOCOR)である場合には、その置換位置は、アシルオキシ基のオルト位が好ましい。
また、式(1)において、n、mは各々独立して1、2、3であることが好ましく、特に、n、mは1であることが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、下記化学式で表される4,4’-ジアセトキシ-3,3’,5,5’-テトラ(アセトキシメチル)ビフェニルが好ましい。
Figure 0007280262000003
その他の好ましい化合物としては、下記化学式で表される4,4’-ジアセトキシ-3,3’-ジ(アセトキシメチル)-5,5’-ジメチルビフェニルが挙げられる。
Figure 0007280262000004
本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、その製造方法は特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のビフェノール類に対して、ジメチルアミン等の2級アミン化合物とホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)とを反応させてジ置換アミノメチル基を導入し(工程1)、これに無水酢酸等の酸無水物を反応させる(工程2)、2工程の反応により製造することができる。
ここで、本発明化合物を得るための原料として、上記ビフェノール類としては、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。また、上記2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モルホリン等が挙げられ、中でも、ジメチルアミンが反応性や取扱において好適に使用できる。上記酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、ピバル酸無水物等が挙げられる。
上記製造方法の1例として、下記反応式で表されるように、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを原料として、ジメチルアミン、無水酢酸を使用して、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物を得る製造方法を挙げることができる。
Figure 0007280262000005
(工程1について)
工程1における2級アミン化合物とホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)の使用量は、原料のビフェノール類1モルに対して、2級アミン化合物は6~8モル倍、好ましくは6.4~7モル倍であり、ホルムアルデヒドは6~8モル倍、好ましくは6.5~7モル倍である。2級アミン化合物とホルムアルデヒドはともに、原料のビフェノール類1モルに対して6モル倍より少ないと反応が進み難く、8モル倍より多いと未反応のものが多く残存し、後処理が煩雑になる。
工程1の反応温度は60~85℃が好ましく、70~80℃がより好ましい。反応温度が60℃より低いと、原料や生成物が析出するなどして反応が遅くなり、85℃より高いと2級アミン化合物の臭気対策が必要となり好ましくない。また、反応圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、常圧下での反応が好ましい。
反応速度を上げる目的で、必要に応じて触媒を使用してもよく、触媒を使用する場合には、2級アミン化合物1モルに対して触媒を1モル倍程度使用することが好ましい。工程1における触媒としては、酢酸が好適である。
工程1は溶媒中で行われることが好ましい。使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジイソブチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、あるいはメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-プロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルべンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、2-ブタノン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸系溶媒等の中から選ばれ、これらを混合して用いてもよい。触媒を兼ねて酢酸を反応溶媒として使用してもよい。
反応終了後は、反応終了混合物に水と分離するトルエン等の溶媒と、水を加えて撹拌、静置して水層を除去する。この際、必要に応じて中和してもよく、また、得られた有機層に水を加えて撹拌、静置し、水層を除去する水洗操作をさらに数回行ってもよい。得られた有機層からディーン・スターク装置等により水を除去して、目的物を含む溶液を得て、これを次なる工程2に使用することができる。
(工程2について)
工程2における酸無水物の使用量は、工程1の原料であるビフェノール類1モルに対して、7.5~12モル倍、好ましくは8~9モル倍である。酸無水物の使用量が、7.5モル倍より少ないと反応が遅くなり副生成物が増加する傾向にあり、12モル倍より多いと未反応のものが多く残存し、後処理が煩雑になる。
工程2の反応温度は100~130℃が好ましく、115~125℃がより好ましい。反応温度が100℃より低いと、原料や生成物が析出するなどして反応が遅くなり、130℃より高いと目的物が熱により分解するため好ましくない。また、反応圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、常圧下での反応が好ましい。
反応速度を上げる目的で、必要に応じて触媒を使用してもよく、触媒を使用する場合には、工程1の原料であるビフェノール類1モルに対して触媒を0.1モル倍程度使用することが好ましい。工程2における触媒としては、酢酸ナトリウムが好適である。
工程2は溶媒中で行われることが好ましい。工程1の反応後処理に使用した、トルエン等の水と分離する芳香族炭化水素系溶媒をそのまま反応溶媒に使用することが好ましい。
上記製造方法における工程2の後処理方法について、以下説明する。
反応の終点は、液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィー分析にて確認してもよい。目的物であるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物の増加が認められなくなった時点を、反応の終点とするのが好ましい。
反応終了後、未反応の酸無水物を減圧蒸留等により留去した後、残渣に水と分離する有機溶媒と水を添加し、撹拌した後、静置して水層を除去する。得られた油層に水を加えて撹拌後、静置し、水層を除去する水洗操作は、必要に応じてさらに数回行ってもよい。得られた有機溶媒層から溶媒を蒸留で除去した後、蒸留残渣に溶媒を添加し加温して溶解させ、冷却し、析出した結晶をろ別、乾燥することで目的物を高純度もしくは粗製の結晶として得ることができる。
上記で得られた目的物はさらに溶媒を使用して再結晶を行い、精製することもできる。このときに使用する有機溶媒としてはトルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類および酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素類が挙げられ、これらは単独でも2種類以上の混合物でも用いることができる。
上記晶析操作の代わりに反応終了後、反応溶媒などを減圧下に濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィーなどにより精製することで高純度品を得ることもできる。
上記製造方法等により得られた、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、従来のエポキシ樹脂用硬化剤に比べて融点が低いため、エポキシ硬化反応温度で他の成分との混和性に優れ、エポキシ樹脂用硬化剤として好適に使用することができる。
また、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、官能基を多く有する化学構造により、エポキシ樹脂用硬化剤として使用した場合には、エポキシ樹脂膜における耐熱性や耐薬品性の向上に寄与することが可能となり有用である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における反応終点の確認と純度測定は以下の方法により測定した。
[分析方法]
1.純度測定
装置:株式会社島津製作所製 LAB Solutions(液体クロマトグラフィー)
ポンプ:LC-20AT
カラムオーブン:CTO-20A
検出器:SPD-20A
カラム:Shim-pack CLC-ODS 内径6mm、長さ150mm
オーブン温度:50℃
流量:1.0ml/min
移動相:(A)0.2vol%酢酸水、(B)メタノール
グラジエント条件:(B)体積%(分析開始からの時間)
50%(0min)→100%(30min)→100%(45min)
試料注入量:20μl
検出波長:280nm
2.融点
結晶体3.418mgをアルミパンに秤量し、示差走査熱量測定装置(株式会社島津製作所製:DSC-60)を用いて、酸化アルミニウムを対照として下記操作条件により測定した。
(操作条件)
昇温速度:10℃/min
測定温度範囲:30~400℃
測定雰囲気:開放、窒素50mL/min
3.NMR分析
装置:BRUKER社製 AscendTM 400
<実施例1>
4,4’-ジアセトキシ-3,3’,5,5’-テトラ(アセトキシメチル)ビフェニルの製造
温度計、撹拌機、滴下ロート、冷却器を備えた3リッターの四つ口フラスコに4,4’-ジヒドロキシビフェニル285g(1.53mol)、イソプロパノール285g、35%ホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)880.4g(10.3mol)を仕込み、50%ジメチルアミン水溶液883.5g(9.8mol)を、内温30℃以下を保ちながら滴下した。その後内温を80~85℃に保ちながら2時間撹拌した(工程1)。
次いで得られた反応終了液にトルエンと水を添加し、撹拌後に水層を分離する操作を行った後、ディーン・スターク装置を用いた減圧還流により有機層から水を留出させた。得られたボトム液(純度99.0%:高速液体クロマトグラフィー分析、面積%)に無水酢酸1535.1g(15.3mol)を、内温を78~82℃に保ちながら2時間かけて添加した。その後120℃に昇温し2時間撹拌した(工程2)。
次いで得られた反応終了液を、減圧蒸留により未反応の無水酢酸等を留出させたのち、トルエンと水を添加し、撹拌後に水層を分離する操作を行った後、減圧蒸留によりトルエンを留出させた。その後内温を40~50℃の範囲でメタノール178.5gを添加し、析出してきた結晶をろ別することにより、4,4’-ジアセトキシ-3,3’,5,5’-テトラ(アセトキシメチル)ビフェニル 598.2gを得た。
純度:98.9%(高速液体クロマトグラフィー分析面積%)
収率:70%(対原料4,4’-ジヒドロキシビフェニル)
融点:116.2℃(示差走査熱量測定法)
プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz、溶媒CDCl、標準TMS):2.1ppm(s,6H),2.4ppm(s,12H),5.1ppm(s,8H),7.6ppm(s,4H).
炭素13核磁気共鳴スペクトル(400MHz、溶媒CDCl、標準TMS):20.4ppm,20.7ppm,61.2ppm,129.4ppm,129.7ppm,138.2ppm,147.4ppm,169.1ppm,170.4ppm.
実施例1により得られた、4,4’-ジアセトキシ-3,3’,5,5’-テトラ(アセトキシメチル)ビフェニルの融点は、上述のとおり116.2℃であった。これに対して、エポキシ樹脂用硬化剤として使用される4,4’-ジ(アセトキシ)ビフェニルの融点は、163℃である。
すなわち、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、アシルオキシメチル基を複数有する化学構造により融点が大きく低下することを特徴とすることが明らかとなった。
次に、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物の溶媒溶解性について、検討する。
<溶媒溶解性確認試験>
実施例1で得られた4,4’-ジアセトキシ-3,3’,5,5’-テトラ(アセトキシメチル)ビフェニル(以下「本発明化合物A」という。)と、4,4’-ジ(アセトキシ)ビフェニル(以下「比較化合物a」という。)について、40℃と60℃における、シクロヘキサノン100gに溶解する量(以下、「溶解度(g)」という。)を測定した。結果を、下記表1にまとめて示す。
Figure 0007280262000006
表1の結果より、本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、アシルオキシメチル基を複数有する化学構造により、溶媒に対する溶解性が大きく向上することが明らかとなった。
本発明の式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物は、従来のエポキシ樹脂用のビフェノール骨格の硬化剤と比較して融点が低いため、エポキシ樹脂硬化反応温度である概略140℃程度で他の成分と混和させることができるため、硬化剤を溶解させるための溶剤を必要としない。また、溶剤に対する溶解性も高いため、溶剤を使用する場合においても、溶剤使用量を大きく低減することができ、非常に有用である。

Claims (1)

  1. 下記式(1)で表されるポリアシルオキシメチル-4,4’-アシルオキシビフェニル化合物。
    Figure 0007280262000007

    (式中、R、R、R、Rは各々独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、R、Rは各々独立して‐CHOCOR(Rは炭素原子数1~8のアルキル基を表す)を表し、n、mは各々独立して1、2、3の何れかを表す。)
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