JP2002241331A - 2,2’−メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法 - Google Patents
2,2’−メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法Info
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Abstract
ル)類を高純度、高収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】酸触媒の存在下に一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を
示す。)で表されるアルキルフェノール類とホルムアル
デヒドとをアルキルフェノール類/ホルムアルデヒドモ
ル比2.1〜6にて、70℃から還流温度の範囲の温度
にて反応させて、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは上記と同じである。)で表される2,2'
−メチレンビス(アルキルフェノール)類を得る。
Description
ンビス(アルキルフェノール)類を高選択率、高収率及
び高純度にて製造するための方法に関する。
ノール)類は、フォトレジスト、安定剤、合成樹脂等の
原料として有用である。
ホルムアルデヒドを反応させると、通常、1乃至10の
フェノール化合物が主としてメチレン基で結合した種々
の構造と分子量を有する反応生成物の混合物、即ち、ノ
ボラック樹脂が得られることは、既によく知られてい
る。
して、2つのフェノール化合物がメチレン基で結合され
てなる2核体、即ち、2,2' −メチレンビス(アルキ
ルフェノール)類は、フォトレジスト、安定剤、合成樹
脂等の原料として有用であるので、このような2核体を
選択的に製造する方法も、従来、幾つか提案されてい
る。
は、塩基触媒の存在下に2,3,5−トリメチルフェノ
ールとホルムアルデヒドを2,3,5−トリメチルフェ
ノール/ホルムアルデヒドモル比2.5〜3.3にて、
温度60℃で反応させて、4,4' −メチレンビス
(2,3,5−トリメチルフェノール)を収率46%に
て得たことが記載されている。また、特開平8−227
150号公報には、酸触媒の存在下に、2,3,5−ト
リメチルフェノールとホルムアルデヒドを反応させて、
2,2' −メチレンビス(3,5,6−トリメチルフェ
ノール)45%を含む反応生成物を得たことが記載され
ている。
ている方法によれば、フェノール化合物のヒドロキシル
基に対して、o−o,o−p又はp−p位でメチレン結
合した異性体や、更には、その他の種々のメチロール体
が副生して、これらが混在するために、目的物の収率が
低い。特に、従来、o−o位結合の2,2' −メチレン
ビス(アルキルフェノール)類を高選択率、高収率及び
高純度で得ることができる方法は知られていない。
来の2,2' −メチレンビス(アルキルフェノール)類
の製造における上述したような問題を解決するためにな
されたものであって、2,2' −メチレンビス(アルキ
ルフェノール)類を高選択率、高収率及び高純度で製造
する方法を提供することを目的とする。
の存在下に一般式(I)
アルキル基を示す。)で表されるアルキルフェノール類
とホルムアルデヒドとをアルキルフェノール/ホルムア
ルデヒドモル比2.1〜6にて、70℃から還流温度の
範囲の温度にて反応させることを特徴とする一般式(I
I)
れる2,2' −メチレンビス(アルキルフェノール)類
の製造方法が提供される。
キルフェノール類には、一般式(I)
アルキル基を示す。)で表されるものが用いられる。
ノール類において、Rは水素原子又は炭素数1〜3のア
ルキル基であり、このアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル又はイソプロピル基である。
は、例えば、2,5−キシレノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール、2,5−ジメチル−3−エチルフェ
ノール、2,5−ジメチル−3−n−プロピルフェノー
ル、2,5−ジメチル−3−イソプロピルフェノールを
挙げることができる。
ノール類とホルムアルデヒドとの反応において、酸触媒
が用いられる。上記酸触媒としては、例えば、硫酸、無
水硫酸、塩酸、リン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、トリクロロ酢酸等を挙
げることができるが、なかでも、比較的強い酸性を有す
るp−トルエンスルホン酸やシュウ酸が好ましく用いら
れる。本発明によれば、このような酸触媒は、アルキル
フェノール類に対して、通常、0.01〜0.2倍モル
の範囲、好ましくは、0.1〜0.2倍モルの範囲で用
いられる。
ール類/ホルムアルデヒドモル比は、通常、2.1〜6
の範囲であり、好ましくは、2.2〜5の範囲であり、
特に好ましくは、2.2〜3の範囲である。
常、有機有機が用いられる。この有機溶媒としては、例
えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、メ
チルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類が好ましく
用いられる。本発明によれば、アルキルフェノール類と
ホルムアルデヒドとの反応を有機溶媒中、還流温度を含
む比較的高い温度で行うので、このように沸点が比較的
高い非水溶性有機溶媒が都合よく、しかも、このような
有機溶媒は、原料であるアルキルフェノール類と反応生
成物をよく溶解し、更に、水相との分液性がよいので、
好ましく用いられる。このような有機溶媒は、アルキル
フェノール類に対して、通常、1〜3重量倍程度、好ま
しくは、1.5〜2.5重量倍程度の範囲で用いられ
る。
時間が重要である。本発明によれば、反応は、70℃か
ら還流温度の範囲、好ましくは、80℃から還流温度の
範囲であり、特に好ましくは、80〜85℃の範囲で行
われる。反応温度が70℃よりも低いときは、4,4'
−メチレン結合の2核体の生成が多くなって、目的とす
る2,2' −メチレン結合の2核体の選択率が低下す
る。
いて、少なくとも10時間、好ましくは、10〜50時
間程度、反応を行うことが必要である。具体的には、例
えば、反応温度を80〜85℃とするときであれば、2
5〜30時間程度、撹拌下に反応を行うことが好まし
い。本発明によれば、このように、上記反応温度におい
て、上記時間、反応を行うことによって、副生物である
p−p体やo−p体等の異性体を目的物であるo−o体
に転化させ、かくして、目的物を高選択率、高収率及び
高純度にて得ることができる。
ェノール類とホルムアルデヒドとの反応は、通常、アル
キルフェノール類と酸触媒を有機溶媒に溶解させ、得ら
れた溶液を所定温度に昇温した後、これにホルムアルデ
ヒド水溶液を滴下し、滴下終了後、更に、所定の温度を
維持したまま、攪拌下に後反応させる。
ルカリ水溶液を加えて、酸触媒を中和した後、反応生成
物を析出させ、これを洗浄し、濾過して、目的とする
2,2'−メチレンビス(アルキルフェノール)を得る
ことができる。
ルフェノール類として、2,5−キシレノールを用いる
とき、2,2' −メチレンビス(3,6−ジメチルフェ
ノール)を得ることができ、また、2,3,5−トリメ
チルフェノールを用いるとき、2,2' −メチレンビス
(3,5,6−トリメチルフェノール)を得ることがで
きる。同様に、本発明によれば、2,5−ジメチル−3
−エチルフェノールを用いるとき、2,2' −メチレン
ビス(3,6−ジメチル−5−エチルフェノール)を、
2,5−ジメチル−3−n−プロピルフェノールを用い
るとき、2,2' −メチレンビス(3,6−ジメチル−
5−n−プロピルフェノール)を、また、2,5−ジメ
チル−3−イソプロピルフェノールを用いるとき、2,
2' −メチレンビス(3,6−ジメチル−5−イソプロ
ピルフェノール)をそれぞれ得ることができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
四つ口フラスコに2,3,5−トリメチルフェノール1
70g(1.25モル)をp−トルエンスルホン酸34
g(0.18モル)とトルエン355gと共に仕込み、
溶解させた。温度を83℃に維持して、これにホルムア
ルデヒド43.3g(0.51モル)を攪拌下に2時間
かけて滴下した。その後、温度を83℃に維持して、攪
拌下に更に27時間反応させた。
ー分析によって、p−p結合異性体とo−p結合異性体
の消失を確認することにより行った。
トリウム水溶液44.8gと75%リン酸水溶液0.6
gを加えて中和した。次いで、水50g加え、温度を3
0℃まで冷却し、析出した反応生成物を濾過し、更に、
この濾過物にトルエンを加えて、洗浄、濾過し、得られ
た生成物を80℃で乾燥して、目的とする2,2’−メ
チレンビス(3,5,6−トリメチルフェノール)13
4.3gを白色結晶として得た。高速液体クロマトグラ
フィー分析による純度は98.6%、仕込みホルムアル
デヒドに対する収率は94.6モル%、融点は177.
7℃(示差熱分析法による。)であった。
(3,5,6−トリメチルフェノール)の構造は、 1H
−NMR分析(DMSO溶媒、400MHz)に加え
て、 1H−NMRと13C−NMRのロングレンジにおけ
る相関観測(NMR−HMBC(heteronuclear multip
le bond connectivity、2から3個の結合を介した 1H
と13C間の遠隔相関に関する情報を 1H側で検出し得る
二次元NMR測定))(DMSO溶媒、400MHz)
を行って、ヒドロキシル基の位置を確認することによっ
て行った。
リメチルフェノール)の 1H−NMRチャートである。
リメチルフェノール)のNMR−HMBCチャートであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】酸触媒の存在下に一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を
示す。)で表されるアルキルフェノール類とホルムアル
デヒドとをアルキルフェノール類/ホルムアルデヒドモ
ル比2.1〜6にて、70℃から還流温度の範囲の温度
にて、少なくとも10時間反応させることを特徴とする
一般式(II) 【化2】 (式中、Rは上記と同じである。)で表される2,2'
−メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法。 - 【請求項2】有機溶媒の存在下に反応を行う請求項1に
記載の2,2' −メチレンビス(アルキルフェノール)
類の製造方法。
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- 2001-02-19 JP JP2001042600A patent/JP3930688B2/ja not_active Expired - Fee Related
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