JP3595599B2 - ヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒドロキシメチル基を核置換基として有する新規な化合物であるビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法に関し、詳しくは、新規な化合物である3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法に関する。これらの化合物及び組成物は、いずれも、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒドロキシメチル基を核置換基として有するフェノール化合物は、種々の用途に有用であることが記載されており、例えば、上中三男二編「プラスチック技術全書15フェノール樹脂」(1971年(株)工業調査会発行)には、例えば、フェノール・ホルマリンレゾール樹脂、クレゾール・ホルマリンレゾール樹脂、レゾルシン・ホルマリンレゾール樹脂等のようなレゾール樹脂として、射出、圧縮、トランスファー成形等、種々の成形法における成形材料のほか、接着剤、結合剤、塗料、印刷材料、感光剤材料等、多くの産業分野において有用であることが記載されている。
【0003】
しかしながら、このように、従来より知られているヒドロキシメチル基を核置換基として有するフェノール化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシン等のフェノール化合物にホルマリンを1分子、2分子或いは3分子が反応して生成するモノヒドロキシメチル体、ジヒドロキシメチル体或いはトリヒドロキシメチル体等からなる混合物のみならず、更に、これらが化合物のヒドロキシメチル基が相互に反応して、メチレン基、ジメチレンエーテル基等を介した2核体化合物、3核体化合物等のヒドロキシメチル基を有する多核体フェノール化合物からなる混合物をも同時に含むものである。
【0004】
従って、従来より知られているヒドロキシメチル基を核置換基として有するフェノール化合物は、このように、種々の化合物を含む複雑な組成を有する混合物であって、分子量分布も非常に広く、かくして、そのような組成分布や分子量分布を再現して、常に、同じ性質を有する混合物を製造することが極めて困難であった。
【0005】
他方、特開平5−32090号公報には、上記フェノールやクレゾール、レゾルシン等の代わりに、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4 −キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のジ又はトリメチルフェノール化合物を原料として得られるレゾール化合物が記載されている。しかしながら、上記公報によれば、そのレゾール化合物は、モノヒドロキシメチル体とジヒドロキシメチル体とからなる常温で液状の混合物である。また、そのようなレゾール化合物を原料として、これに更にフェノール化合物を反応させて、ノボラック化合物を合成した場合には、モノヒドロキシメチル体からは低分子量の2核体ノボラック化合物が生成するために、ノボラック化合物の物性上、好ましくなく、そのために上記レゾール化合物を製造するための反応条件として、極めて限られた範囲が提案されている。更に、得られるレゾール化合物が液状であることは、ノボラック型フェノール樹脂の配合剤や注型用や粉体塗装用等のエポキシ樹脂の硬化剤として用いる場合には、作業性が著しく悪く、また、硬化作用の効果が小さい。
【0006】
そこで、上述したような問題を解決するための試みとして、特開昭55−64537号公報には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を原料として用いて、これらにホルムアルデヒドを特定の条件下で反応させることによって、ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を製造する方法が提案されている。しかしながら、この方法によれば、高純度のビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を製造するための反応条件の範囲が極めて狭く、更に、そのような反応条件の範囲を保持できなかった場合には、高分子量の化合物や、トリヒドロキシメチル体、ジヒドロキシメチル体などの副生物が混在する混合物が生成し、そのような混合物は、粘稠な液状物であるので、上記ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を単離することが著しく困難であり、また、精製による高純度化も困難であることが記載されている。
【0007】
また、そのような混合物からなる粘稠な液状物をノボラック型フェノール樹脂の分子量伸長のための配合剤や、注型用、粉体塗装用等のエポキシ樹脂の硬化剤として用いるときは、作業性が著しく悪いうえに、硬化作用の効果にも乏しい等の問題がある。更に、そのような混合物は、これを貯蔵するに際して、長期安定性に難があり、着色や変質等の問題があることも記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は、従来のヒドロキシメチル基を核置換基として有するフェノール化合物及びその製造における上述したような問題を解決するためになされたものであって、それぞれの芳香核上に2つのヒドロキシメチル基を置換基として有する新規な化合物である3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、次式(II)
【0010】
【化2】
Figure 0003595599
【0011】
で表わされる新規化合物、3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールが提供される。
更に、本発明によれば、一般式(I)
【0012】
【化3】
Figure 0003595599
【0013】
(式中、Rは、水素原子又はヒドロキシメチル基を示す。但し、Rのうち、少なくとも1つはヒドロキシメチル基である。)
で表わされるヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオールを含む組成物が提供される。
【0014】
本発明による新規化合物、3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールは、塩基性触媒の存在下、水溶媒、又は水と有機溶媒との混合溶媒中において、ビフェニル−4,4’−ジオールの1モル部にホルムアルデヒド1〜5モル部、好ましくは、1〜2.5モル部を反応させ、その後、得られた反応生成物を中和することによって得ることができる。
【0015】
この反応において、ビフェニル−4,4’−ジオールの1モル部に対して、ホルムアルデヒドを5モル部を越えて用いるときは、反応における理論化学当量を大幅に上回ることとなり、プロセス経済性が低下するのみならず、後述する温度条件のうち、比較的高温域で長時間反応を行なったときは、生成したヒドロキシメチル体のヒドロキシメチル基相互の反応によって、ビフェニル−4,4’−ジオールの2核体等の高分子量物が生成しやすい。他方、ビフェニル−4,4’−ジオールの1モル部に対して、ホルムアルデヒドを1モル部よりも少ない量にて用いるときは、未反応の原料が多量に残るので好ましくない。
【0016】
上記製造方法において、ホルムアルデヒドとしては、市販のホルマリン水溶液をそのまま利用できるほか、水存在下において、ホルムアルデヒドと同様に作用するパラホルムアルデヒドやトリオキサンも用いることができるが、これらのうちでは、ホルマリンを用いることが好ましい。
【0017】
上記塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物や酢酸塩、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム等の2価金属、好ましくは、アルカリ土類金属の水酸化物や酢酸塩、ピリジン、トリメチルアミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類等のアルカリを挙げることができる。これらの中では、特に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリが好ましく用いられる。
【0018】
塩基性触媒は、ビフェニル−4,4’−ジオールの水酸基を中和したうえで、更に、反応系を塩基性に保持する量を用いることが必要である。従って、本発明においては、塩基性触媒は、ビフェニル−4,4’−ジオールの水酸基に対して、1〜5倍当量、好ましくは、1〜1.5倍当量の範囲で用いられる。塩基性触媒の使用量がビフェニル−4,4’−ジオールの水酸基対して、5倍当量を越えるときは、反応系の塩基性触媒の量が不必要に過剰となり、反応終了後、反応系を酸性にして、反応生成物を析出させて回収するのに、不必要に多量の酸を必要とするので好ましくない。しかし、塩基性触媒の使用量がビフェニル−4,4’−ジオールの水酸基に対して、1倍当量よりも少ないときは、反応速度が極度に遅くなるので好ましくない。
【0019】
本発明において、塩基性触媒の存在下、ビフェニル−4,4’−ジオールとホルムアルデヒドとの反応は、通常、前記水溶媒か、又は水と有機溶媒との混合溶媒中で行なわれる。溶媒は、通常、原料であるビフェニル−4,4’−ジオールに対して、重量比で、通常、1〜5倍、好ましくは、2〜3倍程度の範囲で用いられる。
【0020】
上記有機溶媒としては、前記塩基性触媒と原料であるビフェニル−4,4’−ジオールの上記水溶媒への溶解性を損なわない範囲において、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、カルビトール等のアルコール性溶媒や、また、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の水溶性の有機溶媒が用いられる。
【0021】
上記反応は、通常、0〜60℃、好ましくは、30〜50℃の範囲の温度にて、通常、1〜72時間、好ましくは、4〜16時間程度にわたって行なわれる。反応の温度が60℃よりも高いときは、前述したような高分子量物等、種々の望ましくない副生物が多量に生成する。
【0022】
塩基性触媒の存在下、ビフェニル−4,4’−ジオールとホルムアルデヒドとの縮合反応において、得られる反応生成物は、ビフェニル−4,4’−ジオールの芳香核へのヒドロキシメチル基付加体の混合物であって、これらは、反応混合物中にアルカリ塩として存在している。このような反応混合物において、用いる水溶媒又は混合溶媒中のアルコール等の有機溶媒の種類や混合割合、用いる溶媒の量、用いる塩基性触媒の種類や量等の条件によって異なるが、一般的には、原料として用いるビフェニル−4,4’−ジオールのヒドロキシメチル化反応が進行するに従って、反応生成物の溶媒への溶解性が低下し、次第に反応系から析出するようになる。
【0023】
そこで、得られた反応混合物から目的とする反応生成物を分離回収するためには、先ず、反応終了後、そのまま、又は場合によっては反応混合物を濃縮した後、反応混合物を常温まで冷却し、析出したヒドロキシメチル基付加体のアルカリ塩を濾過によって分離し、その後、有機酸又は無機酸等の酸性化合物か、又はそれらの水溶液によって、上記アルカリ塩を中和処理することによって、本発明によるヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオールを含む組成物を得ることができる。
【0024】
このようにして得られる組成物は、3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールを主成分とし、3,3’5−トリヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールを含むヒドロキシメチル基による置換基数の多いヒドロキシメチル体の混合物であり、通常、ジヒドロキシメチル体も少量含む。即ち、本発明による組成物は、テトラ及びトリヒドロキシメチル体を主成分とし、少量のジヒドロキシメチル体を含む混合物からなり、通常、モノヒドロキシメチル体は含まないか、又は含んでも、非常に僅かである。
【0025】
本発明によれば、通常、主成分である3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールを50モル%以上、好ましくは、75モル%以上を含むヒドロキシメチル体を得ることができる。
【0026】
他の方法として、反応終了後、得られた反応混合物を冷却し、これに有機酸又は無機酸等の酸性化合物や、又はそれらの水溶液を加えて、反応混合物全体を中和処理し、そこで、析出したヒドロキシメチル体の混合物を濾過することによって、目的とする本発明による組成物を得ることができる。
この方法によるときは、反応によって生成した大部分のヒドロキシメチル体が析出するので、得られる組成物の組成は、反応の程度によって決まる。
【0027】
上記中和処理に用いる酸性化合物としては、有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸等を、また、無機酸としては、硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、塩酸等を挙げることができる。これらの中では、経済性や操作性の面から、塩酸が最も好ましく用いられる。
【0028】
本発明の方法によって得られる上述したようなヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオールを含む組成物は、通常、常温で固体であり、特に、乾燥後は、粉末として得ることができ、接着性や粘着性を全く示さないので、種々の用途に有利に用いることができる。
【0029】
しかも、本発明による組成物は、未反応のビフェニル−4,4’−ジオールを含む場合であっても、通常、常温で固体であり、乾燥後の性状は、上記と殆ど同じであるので、種々の用途に有利に用いることができる。
【0030】
本発明による組成物は、これを原料として、更に、これにフェノール性化合物を反応させることによって、新規なフェノールノボラック化合物に誘導することができる。これ以外にも、本発明による組成物は、ノボラック型フェノール樹脂の分子量伸長のための配合剤として、又は注型用や粉体塗料用等のエポキシ樹脂の硬化剤としても有用である。これらの用途においては、いずれもヒドロキシメチル基が反応することによって、有用性を発現する。
【0031】
従って、このような用途に用いる組成物は、ヒドロテキシメチル基の含有量が多い程、即ち、トリヒドロテキシメチル体やテトラヒドロテキシメチル体の含有量が多い程、有用である。
そこで、本発明によれば、反応終了後、前述したようにして分離回収した組成物を更に再結晶し、又は洗浄する等の通常の精製手段によって、特に、目的とするテトラヒドロテキシメチル体、即ち、3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールを得ることができる。ここに、上記再結晶や洗浄に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アルコールが好ましく用いられる。これらの溶媒は、温度を高めることによって、上記テトラヒドロテキシメチル体の溶解性が増大するからである。他方、上記テトラヒドロテキシメチル体の貧溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の低級脂肪族ケトンや、トルエン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼン等が好ましく用いられる。このような貧溶媒は、必要に応じて、前記アルコール溶媒に組み合わせて用いられる。
【0032】
【発明の効果】
本発明による3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールは、分子内に2つのフェノール性水酸基と共に、4つのヒドロキシメチル基を有し、常温で接着性や粘着性をもたない粉末状の化合物であるので、従来の粘稠な液状物であるポリフェノール化合物やポリヒドロキシメチル化フェノール化合物に比べて、種々の用途に有利に用いることができる。
【0033】
特に、本発明による化合物は、これに種々のフェノール性化合物を反応させることによって、新規なフェノールノボラック化合物を得ることができる。また、ノボラック型フェノール樹脂の分子量伸長のための配合剤としても有用であり、更に、注型用や粉体塗料用などのエポキシ樹脂の硬化剤としても有用である。
【0034】
本発明による3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールを含む組成物も、3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールと同様に、常温で接着性や粘着性をもたない粉末状の化合物であるので、種々の用途に有利に用いることができ、特に、これに種々のフェノール性化合物を反応させることによって、新規なフェノールノボラック化合物を得ることができる。また、ノボラック型フェノール樹脂の分子量伸長のための配合剤としても有用であり、更に、注型用や粉体塗料用などのエポキシ樹脂の硬化剤としても有用である。
【0035】
更に、本発明の方法によれば、広い反応条件の下で、目的とする化合物又はそれを含む組成物を再現性よく、得ることができ、しかも、反応終了後、目的とする化合物や組成物を反応混合物から簡単な分離や精製等の通常の手段によって得ることができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例中、部数は重量部数を示す。また、実施例において、ビフェニル−4,4’−ジオールとホルムアルデヒドとの反応生成物の解析は、次のようにして行なった。
【0037】
反応生成物の分子量
測定機器JMS−DX303HF(JEOL)、測定条件FD法、カーボンエミッタ使用、分解能500、35−1000M/Z、加速電圧3.0KV、イオンマルチプライヤ1.2−1.5KV、エミッタ電流0〜40mA、カソード電圧5.0KV。試料は、ジメチルホルムアルデヒド溶液として測定した。
【0038】
組成
(株)島津製作所製LC−10A高速液体クロマトグラフに(株)島津製作所製のカラム(Shim pack CLC−ODS(直径6mm、長さ150mm)を装着し、溶媒にメチルアルコール、移動相溶媒にメチルアルコール/0.2%酢酸水溶液を40分間でメチルアルコール30%から100%までのリニアグラジエントとし、流量1ml/分、カラム温度50℃、波長280nmの条件にて測定した。
【0039】
実施例1
コンデンサー、攪拌機及び滴下漏斗を備えた四つ口フラスコの内部を窒素ガスで置換した後、17%水酸化ナトリウム水溶液480部にビフェニル−4,4’−ジオール186部(1モル)を加え、攪拌下に均一に溶解させた後、これに35%ホルムアルデヒド水溶液337部(3.9モル)を1時間かけて滴下し、更に、18時間攪拌して、反応させた。反応中、温度は35〜40℃に保った。
【0040】
反応終了後、得られた反応混合物を17%塩酸で中和し、この後、2時間攪拌して、析出した結晶を濾過した。得られた結晶の収量は263部であった。
その組成は、ジヒドロキシメチル基付加体3.1%、トリヒドロキシメチル基付加体8.4%、テトラヒドロキシメチル基付加体80.6%、その他縮合物7.9%であって、モノヒドロキシメチル基付加体は、殆ど認められなかった。
【0041】
この結晶のすべてをメタノール520部中に加え、室温にて1時間攪拌した。この後、得られたスラリーを濾過し、得られた結晶を40℃で乾燥させて、黄色結晶162部を得た。
この結晶は、純度92%の3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールであり、収率は、仕込みのビフェニル−4,4’−ジオールにして、53モル%であった。
【0042】
実施例2
実施例1と同様にして反応を行なった後、得られた反応混合物にメチルアルコール400部を加えて、ヒドロキシメチル基付加ビフェニル−4,4’−ジオールの混合物のナトリウム塩の結晶を析出させた。
【0043】
この結晶を濾過し、メタノール400部中に加え、室温にて1時間攪拌した。この後、得られたスラリーを濾過し、得られた結晶を1500部の水に溶解させた後、酢酸で中和して、結晶を析出させた。この結晶を水洗した後、減圧下に40℃で乾燥させて、結晶157部を得た。
この結晶は、純度97%の3,3’5,5’−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4’−ジオールであり、収率は、仕込みのビフェニル−4,4’−ジオールに対して、51モル%であった。
【0044】
融点:測定できず(樹脂化するため)
赤外線吸収スペクトル(KBr、cm −1 ):
3455、3300、2905、2855、1600、1475、1470、1195、1060
FD−MS:
分子量 306
プロトン核磁気共鳴スペクトル(溶媒(CDSO、δ):
【0045】
【表1】
Figure 0003595599

Claims (1)

  1. 3,3`,5,5'−テトラヒドロキシメチルビフェニル−4,4'−ジオール。
JP8018195A 1995-04-05 1995-04-05 ヒドロキシメチル基を核置換基として有するビフェニル−4,4’−ジオール、これを含む組成物及びそれらの製造方法 Expired - Lifetime JP3595599B2 (ja)

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