JP2002241332A - 4,4’−メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法 - Google Patents

4,4’−メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法

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JP2002241332A
JP2002241332A JP2001042601A JP2001042601A JP2002241332A JP 2002241332 A JP2002241332 A JP 2002241332A JP 2001042601 A JP2001042601 A JP 2001042601A JP 2001042601 A JP2001042601 A JP 2001042601A JP 2002241332 A JP2002241332 A JP 2002241332A
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alkylphenol
methylenebis
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formaldehyde
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JP2001042601A
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Kazuhiro Kanda
一浩 神田
Taiichi Shiomi
泰一 塩見
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Honshu Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Honshu Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】4,4' −メチレンビス(アルキルフェノー
ル)類を高選択率、高純度で製造する方法を提供する。 【解決手段】酸触媒の存在下に一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を
示す。)で表されるアルキルフェノール類とホルムアル
デヒドとをアルキルフェノール類/ホルムアルデヒドモ
ル比2.1〜6にて、10〜40℃の範囲の温度にて反
応させて、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは上記と同じである。)で表される4,4'
−メチレンビス(アルキルフェノール)類を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,4' −メチレ
ンビス(アルキルフェノール)類を高選択率、高純度に
て製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】4,4' −メチレンビス(アルキルフェ
ノール)類は、フォトレジスト、安定剤、合成樹脂等の
原料として有用である。
【0003】従来、フェノール化合物に酸を触媒として
ホルムアルデヒドを反応させると、通常、1乃至10の
フェノール化合物が主としてメチレン基で結合した種々
の構造と分子量を有する反応生成物の混合物、即ち、ノ
ボラック樹脂が得られることは、既によく知られてい
る。
【0004】しかし、このようなノボラック樹脂と相違
して、2つのフェノール化合物がメチレン基で結合され
てなる2核体、即ち、2,2' −メチレンビス(アルキ
ルフェノール)類は、フォトレジスト、安定剤、合成樹
脂等の原料として有用であるので、このような2核体を
選択的に製造する方法も、従来、幾つか提案されてい
る。
【0005】例えば、特開平9−110764号公報に
は、塩基触媒の存在下に2,3,5−トリメチルフェノ
ールとホルムアルデヒドを2,3,5−トリメチルフェ
ノール/ホルムアルデヒドモル比2.5〜3.3にて、
温度60℃で反応させて、4,4' −メチレンビス
(2,3,5−トリメチルフェノール)を収率46%に
て得たことが記載されている。また、特開平8−227
150号公報には、酸触媒の存在下に、2,3,5−ト
リメチルフェノールとホルムアルデヒドを反応させて、
2,2' −メチレンビス(3,5,6−トリメチルフェ
ノール)45%を含む反応生成物を得たことが記載され
ている。
【0006】しかし、上述したように、従来より知られ
ている方法によれば、フェノール化合物のヒドロキシル
基に対して、o−o,o−p又はp−p位でメチレン結
合した異性体や、更には、その他の種々のメチロール体
が副生して、これらが混在するために、目的物の収率が
低い。特に、従来、p−p位結合の4,4' −メチレン
ビス(アルキルフェノール)類を高選択率、高純度で得
ることができる方法は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、従
来の4,4' −メチレンビス(アルキルフェノール)類
の製造における上述したような問題を解決するためにな
されたものであって、4,4' −メチレンビス(アルキ
ルフェノール)類を高選択率、高純度で製造する方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸触媒
の存在下に一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示
す。)で表されるアルキルフェノールとホルムアルデヒ
ドとをアルキルフェノール/ホルムアルデヒドモル比
2.1〜6にて、10〜40℃の範囲の温度にて反応さ
せることを特徴とする一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Rは上記と同じである。)で表さ
れる4,4' −メチレンビス(アルキルフェノール)類
の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、出発原料のアル
キルフェノール類には、一般式(I)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の
アルキル基を示す。)で表されるものが用いられる。
【0016】上記一般式(I)で表されるアルキルフェ
ノール類において、Rは水素原子又は炭素数1〜3のア
ルキル基であり、このアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル又はイソプロピル基である。
【0017】従って、上記アルキルフェノール類として
は、例えば、2,5−キシレノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール、2,5−ジメチル−3−エチルフェ
ノール、2,5−ジメチル−3−n−プロピルフェノー
ル、2,5−ジメチル−3−イソプロピルフェノール等
を挙げることができる。
【0018】本発明によれば、このようなアルキルフェ
ノール類とホルムアルデヒドとの反応において、酸触媒
が用いられる。上記酸触媒としては、例えば、硫酸、無
水硫酸、塩酸、リン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、トリクロロ酢酸等を挙
げることができるが、なかでも、強酸性を有する濃硫
酸、無水硫酸、濃塩酸等が好ましく用いられる。本発明
によれは、このような酸触媒は、アルキルフェノール類
に対して、通常、0.01〜0.2倍モルの範囲、好ま
しくは、0.05〜0.15倍モル、特に好ましくは、
0.08〜0.12倍モルの範囲で用いられる。
【0019】また、本発明においては、アルキルフェノ
ール/ホルムアルデヒドモル比は、通常、2.1〜6の
範囲であり、好ましくは、2.2〜5の範囲であり、特
に好ましくは、2.2〜3の範囲である。
【0020】本発明においては、反応に際しては、通
常、有機溶媒が用いられる。この溶媒としては、例え
ば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
非水溶性ケトン類が好ましく用いられる。このような有
機溶媒は、原料であるアルキルフェノール類と反応生成
物をよく溶解し、しかも、水相との分液性がよいので、
好ましく用いられる。このような有機溶媒は、アルキル
フェノール類に対して、通常、1〜3重量倍程度、好ま
しくは、1〜1.5重量倍程度の範囲で用いられる。
【0021】本発明の方法においては、反応温度が重要
である。本発明によれば、反応は、10〜40℃の範
囲、好ましくは、20〜30℃の範囲で行われる。反応
温度が40℃よりも高いときは、o−p異性体等のメチ
レン結合の2核体の生成が多くなり、他方、10℃より
も低いときは、反応速度が極めて遅く、未反応の原料ア
ルキルフェノール類が多く残存することとなって、いず
れの場合にも、目的とする4,4' −メチレン結合の2
核体の選択率が低下する。
【0022】本発明によれば、上記温度範囲において、
反応は、通常、3〜8時間程度行えば終了する。反応の
終点は、例えば、高速液体クロマトグラフィー分析等に
より確認することができる。
【0023】より具体的には、本発明によるアルキルフ
ェノール類とホルムアルデヒドとの反応は、通常、アル
キルフェノール類と酸触媒を有機溶媒に溶解させ、得ら
れた溶液を所定温度に保持した後、これにホルムアルデ
ヒド水溶液を滴下することによって行われる。
【0024】反応終了後は、反応混合物に、例えば、ア
ルカリ水溶液を加えて、酸触媒を中和した後、反応生成
物を析出させ、これを洗浄し、濾過すれば、目的とする
2,2'−メチレンビス(アルキルフェノール)を得る
ことができる。
【0025】本発明によれば、このようにして、アルキ
ルフェノール類として、2,5−キシレノールを用いる
とき、4,4' −メチレンビス(3,6−ジメチルフェ
ノール)を得ることができ、また、2,3,5−トリメ
チルフェノールを用いるとき、4,4' −メチレンビス
(3,5,6−トリメチルフェノール)を得ることがで
きる。同様に、本発明によれば、2,5−ジメチル−3
−エチルフェノールを用いるとき、4,4' −メチレン
ビス(3,6−ジメチル−5−エチルフェノール)を、
2,5−ジメチル−3−n−プロピルフェノールを用い
るとき、4,4' −メチレンビス(3,6−ジメチル−
5−n−プロピルフェノール)を、また、2,5−ジメ
チル−3−イソプロピルフェノールを用いるとき、4,
4' −メチレンビス(3,6−ジメチル−5−イソプロ
ピルフェノール)をそれぞれ得ることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 温度計、攪拌機、冷却器及び滴下漏斗を備えた1L容量
四つ口フラスコに2,3,5−トリメチルフェノール2
39.2g(1.76モル)、70%硫酸23.9g
(0.17モル)及びメチルイソブチルケトン239.
2gを仕込み、溶解させた。温度を約25℃の室温に維
持しながら、これに35%ホルムアルデヒド水溶液6
9.3g(0.81モル)を攪拌下に2時間かけて滴下
した。その後、上記温度で攪拌下に更に5時間反応させ
た。
【0028】反応の終了は、高速液体クロマトグラフィ
ー分析によって、目的物の生成が飽和したこと確認する
ことによって行った。
【0029】反応終了後、反応混合物に16%水酸化ナ
トリウム水溶液88.7gと75%リン酸水溶液0.5
gを加えて中和した。次いで、蒸留水を加えて2回洗
浄、分液した後、目的とする4,4’−メチレンビス
(3,5,6−トリメチルフェノール)を含む油層を得
た。
【0030】この油層からメチルイソブチルケトンを留
去し、得られた残留物にトルエンを加えて洗浄した後、
濾過し、更に、得られた反応生成物にトルエンを加えて
再度洗浄し、濾過、乾燥して、目的とする4,4‘−メ
チレンビス(3,5,6−トリメチルフェノール)4
2.8gを白色結晶として得た。高速液体クロマトグラ
フィー分析による純度は96%、仕込みホルムアルデヒ
ドに対する収率は18.8モル%、融点は198.9℃
(示差熱分析法による。)であった。
【0031】反応生成物である4,4’−メチレンビス
(3,5,6−トリメチルフェノール)の構造は、 1
−NMR分析(DMSO溶媒、400MHz)に加え
て、 1H−NMRと13C−NMRのロングレンジにおけ
る相関観測(NMR−HMBC(heteronuclear multip
le bond connectivity、2から3個の結合を介した 1
13C間の遠隔相関に関する情報を 1H側で検出し得る
二次元NMR測定))(DMSO溶媒、400MHz)
を行って、ヒドロキシル基の位置を確認することによっ
て行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、4,4’−メチレンビス(3,5,6−ト
リメチルフェノール)の 1H−NMRチャートである。
【図2】は、4,4’−メチレンビス(3,5,6−ト
リメチルフェノール)のNMR−HMBCチャートであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC21 AC25 AC41 BA66 BB10 BC10 BC31 FC52 FE13 4H039 CA11 CD10 CD40 CL25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸触媒の存在下に一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を
    示す。)で表されるアルキルフェノールとホルムアルデ
    ヒドとをアルキルフェノール/ホルムアルデヒドモル比
    2.1〜6にて、10〜40℃の範囲の温度にて反応さ
    せることを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、Rは上記と同じである。)で表される4,4'
    −メチレンビス(アルキルフェノール)類の製造方法。
  2. 【請求項2】有機溶媒の存在下に反応を行う請求項1に
    記載の4,4' −メチレンビス(アルキルフェノール)
    類の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011006370A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Toei Corp メチレンビス(ベンゾトリアゾリルフェノール)化合物の製造方法
JP2020037528A (ja) * 2018-09-04 2020-03-12 三菱ケミカル株式会社 ビスフェノールの製造法、及びポリカーボネート樹脂の製造法

Cited By (3)

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