JPWO2011013413A1 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の主な目的は、集電体と合材層との接着強度(密着性)を高めることができる電池用電極の製造方法を提供することである。本発明によると、活物質22とバインダ54を含む合材層が集電体10に保持された構成の電池用電極を製造する方法が提供される。合材層の形成は、第1バインダ54を含むバインダ溶液50を集電体10に付与してバインダ溶液層56を形成する工程と、バインダ溶液層56の上から合材ペースト40を付与することによって、バインダ溶液層56と合材ペースト層46とを集電体10上に堆積する工程と、バインダ溶液層56と合材ペースト層40とを共に乾燥させることによって、集電体10上に合材層が形成された電極を得る工程とを包含する方法で行われる。

Description

本発明は、電池用電極を製造する方法に関し、特に電極活物質を含む電極合材層が集電体に保持された構成を有する電池用電極の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。この種の二次電池の一つの典型的な構成では、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る材料(電極活物質)が導電性部材(電極集電体)に保持された構成の電極を備える。例えば、負極に用いられる電極活物質(負極活物質)の代表例としては、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料が例示される。また、負極に用いられる電極集電体(負極集電体)の代表例としては、銅または銅合金を主体とするシート状または箔状の部材が挙げられる。
かかる構成を有する負極を製造するにあたって負極集電体に負極活物質を保持させる代表的な方法の一つとして、負極活物質の粉末とバインダ(結着剤)を適当な媒体に分散させた合材ペーストを負極集電体(銅箔等)に塗布し、これを熱風乾燥機等に通過させて乾燥させることにより負極活物質を含む層(負極合材層)を形成する方法が挙げられる。この場合、負極合材層中のバインダは、負極活物質同士を結着するとともに負極合材層と負極集電体間を結着する役割も担っている。また、負極合材層中のバインダは、負極合材層を負極集電体に結着する役割も有する。この種の電極の製造に関する技術文献としては特許文献1〜3が挙げられる。
日本国特許出願公開平11−283615号公報 日本国特許出願公開2003−157847号公報 日本国特許第3553244号公報
しかしながら、上記負極を製造するにあたって負極活物質粉末とバインダを含有する合材ペーストを負極集電体に塗布して乾燥させると、乾燥中に対流が発生し、集電体近傍のバインダがペースト塗布物の表層部(集電体の反対側)に集まる(浮き上がる)ため、集電体近傍のバインダ量が少なくなり、結果として、負極集電体と負極合材層の接着強度(密着性)が低下するという問題がある。負極集電体と負極合材層の接着強度が低下すると、その後の製造工程(例えば負極シートと正極シートを渦巻き状に捲回する工程)や電池使用時に負極集電体から負極合材層が浮き上がったり剥がれ落ちたりするので、電池性能を低下させる要因となり得る。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、集電体と合材層との接着強度(密着性)を高めることができる電池用電極の製造方法を提供することである。
本発明によると、活物質とバインダを含む合材層が集電体に保持された構成の電池用電極を製造する方法が提供される。上記合材層は、上記活物質を含む合材ペーストを集電体に付与して乾燥させることによって形成される。
ここで、上記合材層の形成は、第1バインダを含むバインダ溶液を集電体に付与してバインダ溶液層を形成することを含む。また、上記バインダ溶液層の上から、上記合材ペーストを付与することによって、上記バインダ溶液層と合材ペースト層とを集電体上に堆積することを含む。さらに、上記堆積したバインダ溶液層と合材ペースト層とを共に乾燥させることによって、上記集電体上に合材層が形成された電極を得ることを含む。
本発明の方法によれば、集電体と合材ペースト層との間にバインダ溶液層を形成した状態で合材ペースト層を乾燥するので、乾燥後に得られた合材層と集電体の界面にバインダ溶液層中のバインダが多く配置される。これにより、合材層と集電体の接着強度を高めることができる。
即ち、上記バインダ溶液層を形成しない従来の態様では、合材ペースト層に含まれるバインダのみに頼って合材層と集電体を結着する必要があるが、かかる態様では、合材ペースト層の乾燥中に対流が発生すると、バインダが合材ペースト層の表層部(集電体の反対側)に浮き上がるため、集電体近傍のバインダ量が不足し、集電体と合材層の接着強度(密着性)が低下する等の不都合が生じていた。本発明の方法では、乾燥中に対流が発生したとしても、合材ペースト層と相分離したバインダ溶液層中のバインダが集電体の表面近傍に留まるため、集電体近傍のバインダ量が確保される。このことによって、乾燥中の対流によるバインダの偏析(マイグレーション)に起因する合材層と集電体の接着強度の低下を回避でき、集電体との密着性のよい合材層を備えた電極を製造することができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記バインダ溶液は、少なくとも一定時間に亘って前記合材ペーストと分離した状態を維持し得るように構成されている。このことによって、少なくとも一定時間(好ましくはバインダ溶液層上に合材ペーストを付与してから乾燥するまでの間)に亘ってバインダ溶液層と合材ペースト層との混合が抑制されるので、集電体10近傍に第1バインダ54を適切に留めることができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記バインダ溶液および上記合材ペーストのうち、少なくとも一方の粘度を1000mPa・s以上の高粘度に調整する。これによりバインダ溶液層と合材ペースト層との混合が適切に抑制され、密着性のよい合材層が得られる。上記高粘度側の粘度は、概ね1000mPa・s以上にすることが適当であり、通常は2000mPa・s以上にすることが好ましく、例えば3000mPa・s以上(例えば3000mPa・s〜20000mPa・s程度)にすることがより好ましい。また、好ましくは、上記バインダ溶液および上記合材ペーストのうち、一方の粘度(高粘度側の粘度)を2000mPa・s以上(好ましくは3000mPa・s以上)に調整し、他方の粘度(低粘度側の粘度)を1000mPa・s以下(好ましくは500mPa・s以下(例えば80mPa・s〜500mPa・s程度、例えば300mPa・s〜500mPa・s程度))に調整する。かかる粘度差を付与することによって、上記混合がより効果的に抑制され得る。ここに開示される好ましい一態様では、上記高粘度側が合材ペーストであり、上記低粘度側がバインダ溶液である。なお、本発明でいう粘度とは、B型粘度計を用い、液温を20℃に調整してからロータを20rpmで回転させて測定したときの粘度である。
ここに開示される好ましい一態様では、上記バインダ溶液と上記合材ペーストとのSP値(Solubility Parameter:溶解度パラメータ)差を2.0以上に調整する。かかるSP値差を付与することによって、上記混合が適切に抑制され得る。上記SP値差は、概ね2以上が適当であり、通常は2〜25にすることが好ましく、例えば5〜20にすることがより好ましい。かかるSP値差は、例えば、合材ペーストの溶媒とバインダ溶液の溶媒とを適切に選択することにより実現され得る。例えば、上記合材ペーストの溶媒が水(SP値23.4)またはN−メチルピロリドン(SP値11.3)の場合、上記バインダ溶液の溶媒として、四塩化炭素(SP値8.6)またはフッ素系液体を好ましく用いることができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記バインダ溶液の比重を、上記合材ペーストの比重よりも大きくなるように調整する。かかる比重差を付与することによって、上記混合が適切に抑制され得る。前述した混合抑制手段は、それぞれ単独であるいは組み合わせて使用することができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記合材ペーストは、第2バインダを含有する。この場合、合材ペースト層に含まれる第2バインダによって合材層中の活物質同士をより強固に結着することができる。
ここに開示される好ましい一態様では、上記バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの含有量が、該バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの質量と上記合材ペースト層の単位面積あたりの第2バインダの含有量とを合わせた合計質量に対して、60質量%以上(好ましくは80質量%〜98質量%の範囲内)である。このように第1バインダ及び第2バインダの含有量を振り分けることによって、合材層中のバインダ分布を適切に制御でき、バインダの偏析(マイグレーション)による不具合を解消できる。
ここに開示される好ましい一態様では、合材ペースト層の乾燥速度を設定するにあたってマイグレーションによるバインダの偏在を考慮しなくてもよいため、合材ペースト層を高速で乾燥することができる。例えば、上記合材ペースト層中の溶媒を液面面積1cm当たり0.2mg/s以上(すなわち0.2mg/s・cm以上)、好ましくは0.42mg/sの高速で揮発させることができる。そのため、電極の生産性が飛躍的に向上する。
ここに開示される一態様では、上記合材ペーストの溶媒は、水を含んでいる。この場合、上記バインダ溶液の溶媒としては、四塩化炭素(CCl)またはフッ素系液体を用いることが好ましい。四塩化炭素およびフッ素系液体は、水と二相分離しやすく、水との比重差も大きいため、本発明の目的に適したバインダ溶媒として好ましく用いられる。また、ここに開示される好ましい一態様では、上記合材ペーストの溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)を含んでいる。この場合、上記バインダ溶液の溶媒としては、四塩化炭素(CCl)またはフッ素系液体を用いることが好ましい。四塩化炭素およびフッ素系液体は、N−メチルピロリドンと二相分離しやすく、且つ比重差も大きいため、本発明の目的に適したバインダ溶媒として好ましく用いられる。
ここに開示される一態様では、上記バインダ溶液層は、上記バインダ溶液のスプレー噴霧により形成される。集電体表面のバインダ量が多すぎると、集電体と合材層の界面抵抗が増大して電池性能が低下することがあるが、この方法を用いると、集電体表面に霧状(粒状)のバインダ溶液層が形成されるので、集電体表面の全域に亘ってバインダ溶液層を形成する場合に比べて合材層と集電体の界面抵抗を小さくすることができる。
本発明によると、また、ここに開示される上記何れかの方法により得られた電極を用いて構築された電池(例えばリチウム二次電池)が提供される。ここに開示される好ましい一態様では、上記電極は、活物質を含む合材層が集電体に保持された構成を有する。そして、上記合材層を厚み方向の中央部で二等分したときに、該合材層の集電体側に配された2分割部分に含まれるバインダ量が、集電体とは反対側に配された2分割部分に含まれるバインダ量よりも多い。かかる電池は、上記電極を少なくとも一方の電極に用いて構築されていることから、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、サイクル耐久性が高い、生産性が良い、のうちの少なくとも一方(好ましくは両方)を満たす電池を提供することができる。
このような電池は、例えば自動車等の車両に搭載される電池として好適である。したがって本発明によると、ここに開示されるいずれかの電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を備える車両が提供される。特に、軽量で高出力が得られることから、上記電池がリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)であって、該リチウム二次電池を動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)として備える車両(例えば自動車)が好適である。
図1は、本発明の一実施形態に係る負極を模式的に示す断面図である。 図2は、合材ペーストとバインダ溶液との比重の関係および両者が二相分離することを説明するための模式図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る負極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る負極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る負極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る負極の製造工程を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る負極の製造装置を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る電池を模式的に示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る電池を搭載した車両の側面図である。 図10は、本発明の一試験例に係るバインダ分割率と剥離強度との関係を示すグラフである。 図11は、本発明の一試験例に係るラミネートセルを模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや電解質の構成および製法、電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
ここに開示される電極製造方法は、図1に示すように、活物質22と第1バインダ54を含む合材層20が集電体10に保持された構成を有する電極30の製造方法である。この合材層20は、活物質22を含む合材ペースト40を集電体10に付与して乾燥させることによって形成されたものである(図4参照)。
本実施形態の電極製造方法では、まず、図3に示すように、第1バインダ54を含むバインダ溶液50を集電体10に付与してバインダ溶液層56を形成する。次いで、図4に示すように、バインダ溶液層56の上から、合材ペースト40を付与することによって、バインダ溶液層56と合材ペースト層46とを集電体10上に堆積する。そして、図5に示すように、堆積したバインダ溶液層56と合材ペースト層46とを共に乾燥させることによって、集電体10上に合材層20が形成された電極30を得る。
本実施形態に係る製造方法によれば、集電体10と合材ペースト層46との間にバインダ溶液層56を形成した状態で合材ペースト層46を乾燥するので、乾燥後に得られた合材層20と集電体10との界面に、バインダ溶液層56中の第バインダ54が多く配置される。このことによって、合材層20と集電体10との密着性(接合強度)を高めることができる。
さらに説明すると、上記バインダ溶液層を形成しない従来の態様では、合材ペースト層46に含まれるバインダ(第2バインダ)44のみに頼って合材層20と集電体10を結着する必要があるが、かかる態様では、合材ペースト層46の乾燥中に対流が発生すると、第2バインダ44が合材ペースト層46の表層部(集電体10の反対側)に浮き上がるため、集電体10近傍のバインダ量が不足し、集電体10と合材層20との密着性(接合強度)が低下することがある。
これに対し、本実施形態の方法では、乾燥中に対流が発生したとしても、合材ペースト層46と相分離したバインダ溶液層56中の第1バインダ54が集電体10の表面近傍に留まるため、集電体10近傍のバインダ量が適切に確保される。このことによって、乾燥中の対流によるバインダの偏析(マイグレーション)に起因する合材層20と集電体10の接合強度の低下が回避され、集電体10との密着性のよい合材層20を備えた電極30を製造することができる。
ここに開示される好ましい技術では、バインダ溶液50は、少なくとも一定時間に亘って合材ペースト40と分離した状態を維持し得るように構成されている。具体的には、図4に示すように、少なくともバインダ溶液層56上に合材ペースト40を付与してから乾燥するまでの間(概ね0.1秒以上、例えば1秒〜90秒程度またはそれ以上、通常は2秒〜10秒程度またはそれ以上の時間に亘って)、バインダ溶液層56及び合材ペースト層46という二つの層状の液相が堆積した状態(液相二層状態)を形成し得るように構成されている。その分離可能な時間内に、すなわちバインダ溶液層56と合材ペースト層46との二相が分離(典型的には層状に分離)した状態にある間に、合材ペースト層46が少なくとも概ね(例えば、溶媒の50体積%が揮発除去される程度に)乾燥するように、乾燥炉の構成、乾燥条件(温度、時間、風量等)、集電体の搬送速度等が調整されている。
このことによって、少なくともバインダ溶液層56上に合材ペースト40を付与してから乾燥するまでの間、バインダ溶液層56と合材ペースト層46との混合が抑制されるので、集電体10近傍に第1バインダ54を適切に留めることができる。
上記液相二層状態の形成(混合抑制)は、例えば、バインダ溶液及び合材ペーストのうち少なくとも一方の粘度を高粘度にすることによって実現することができる。例えば、バインダ溶液及び合材ペーストのうち少なくとも一方の粘度を1000mPa・s(B型粘度計のロータ、20rpm、20℃)以上に調整するとよい。このことによって、バインダ溶液層と合材ペースト層との混合が適切に抑制され得る。上記高粘度側の粘度は、概ね1000mPa・s以上にすることが適当であり、通常は2000mPa・s以上にすることが好ましく、例えば3000mPa・s以上にすることがより好ましい。上記高粘度側の粘度の上限値は特に制限されないが、塗布性の観点からは、概ね20000mPa・s程度であり、通常は10000mPa・s以下(例えば8000mPa・s以下)にすることが好ましい。
また、好ましくは、上記バインダ溶液および上記合材ペーストのうち、一方の粘度(高粘度側の粘度)を2000mPa・s以上(好ましくは3000mPa・s以上)に調整し、他方の粘度(低粘度側の粘度)を1000mPa・s以下(好ましくは500mPa・s以下(例えば80mPa・s〜500mPa・s程度、例えば300mPa・s〜500mPa・s程度))に調整する。このような粘度差を付与することによって、上記混合がより適切に抑制され得る。混合抑制の観点からは、バインダ溶液と合材ペーストとの粘度差は、概ね1000mPa・s以上が適当であり、通常は2000mPa・s以上にすることが好ましく、例えば2500Pa・s以上(例えば2500Pa・s〜8000Pa・sの範囲)にすることがより好ましい。ここに開示される好ましい一態様では、上記高粘度側が合材ペーストであり、上記低粘度側がバインダ溶液である。
上記バインダ溶液及び合材ペーストの粘度は、例えば、液体中の固形分率を適切に調節することにより調整され得る。例えば、上記合材ペーストの粘度は、合材ペースト中の活物質、バインダ、その他合材層形成成分(例えば導電材)の固形分濃度を適切に調節することにより調整され得る。また、バインダ溶液の粘度は、バインダ溶液中のバインダ濃度を適切に調節することにより調整され得る。あるいは増粘材(典型的にはポリマー材)を添加することによって上記粘度が好適範囲になるように調整してもよい。上記粘度により混合を抑制する場合には、合材ペーストとバインダ溶液とで同じ溶媒(例えば水)を用いることができる。
上記液相二層状態(混合抑制)を実現する他の方法としては、SP値差を付与する方法が挙げられる。好ましくは、バインダ溶液と合材ペーストとのSP値差が2.0以上となるように調整する。このようなSP値差を付与することによって、上記混合が適切に抑制され得る。上記SP値差は、概ね2以上が適当であり、通常は2〜25にすることが好ましく、例えば5〜20にすることがより好ましい。
上記好適範囲のSP値差は、例えば、合材ペーストの溶媒とバインダ溶液の溶媒とを適切に選択することにより実現され得る。例えば、合材ペーストの溶媒が水(SP値23.4)またはN−メチルピロリドン(SP値11.3)の場合、バインダ溶液の溶媒として、四塩化炭素(SP値8.6)またはフッ素系液体を好ましく用いることができる。あるいは、合材ペーストの溶媒とバインダ溶液の溶媒とが共通の場合でも、合材ペースト及びバインダ溶液を構成する他の材料成分(活物質、バインダ、その他合材層形成成分)を適切に選択することにより上記好適範囲のSP差を実現し得る。
上記液相二層状態(混合抑制)を実現する他の方法としては、比重差を付与する方法が挙げられる。好ましくは、上記バインダ溶液の比重を、上記合材ペーストの比重よりも大きくなるように調整する。このような比重差を付与することによって、上記混合が適切に抑制され得る。上述した液相二層状態を実現する方法は、それぞれ単独であるいは組み合わせて使用することができる。
なお、上述した液相二層状態を形成すると、図4に示すように、バインダ溶液層56中の第1バインダの一部54aが合材ペースト層46へ拡散する。このように第1バインダの一部54aが合材ペースト層46へ拡散することによって、集電体近傍のバインダ量が適度に調整され、集電体10と合材層20との間の導電パスが確保される。また、合材ペースト層46へ拡散した第1バインダ54aによって合材層中の活物質22同士を結着することができる。
また、ここに開示される技術では、合材ペースト40(合材ペースト層46)は、第2バインダ44を含有する。この第2バインダ44は、第1バインダ54と同じ材料(典型的にはポリマー材)であってもよく異なる材料であってもよい。この場合、合材ペースト層に含まれる第2バインダによって合材層中の活物質同士をより強固に結着することができる。
ここに開示される好ましい態様では、上記バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの含有量が、該バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの含有量と合材ペースト層の単位面積あたりの第2バインダの含有量とを合わせた合計に対して、60質量%以上(例えば70質量%〜99質量%、好ましくは80質量%〜98質量%(例えば95質量%程度))である。このように第1バインダと第2バインダの含有量を振り分けることによって、乾燥後に得られる合材層中のバインダ分布を適切に制御でき、バインダ偏析による不具合を解消することができる。
特に限定されるものではないが、図5に示すように、合材層20を上下方向(厚さ方向)の中央で2分割したときのバインダ偏在度(上層側20Bのバインダ量/下層側20Aのバインダ量)は、凡そ0.15〜1.0の範囲であり、例えば0.3〜1.0程度である。バインダ偏在度が1.0を上回る(即ち下層側20Aのバインダ量よりも上層側20Bのバインダ量のほうが多い状態になる)と、合材層20の集電体近傍のバインダ量が不足するため、合材層20と集電体10との密着性が低下する場合がある。その一方で、バインダ偏在度が0.15を下回る(即ち上層側20Bのバインダ量よりも下層側20Aのバインダ量のほうが過度に多い状態になる)と、合材層20の表層部近傍のバインダ量が不足するので、合材層の表層部において活物質22の滑落等が生じやすくなる。従って、バインダ偏在度は、概ね0.15〜1.0が適当であり、例えば0.3〜1.0にすることが好ましく、通常は0.6〜1.0にすることがより好ましい。
以下、本発明の一実施形態につき、さらに詳細に説明する。この実施形態では、SP値差および比重差を付与することによって、バインダ溶液層と合材ペースト層とから成る液相二層状態を形成する。この電極製造方法では、まず、合材ペースト40の溶媒42と二相分離可能な溶媒52にバインダ54を分散させたバインダ溶液50であって、合材ペースト40よりも比重が大きいバインダ溶液50を調製する。図2にバインダ溶液50と合材ペースト40との関係を模式的に示す。バインダ溶液50は、合材ペーストの溶媒(例えば水)42と二相分離可能な溶媒(例えばCCl)52から構成されている。例えば、両溶媒を攪拌混合したのち静置すると自然に二相に分離するような(すなわち、二相分離可能な)溶媒を好ましく採用することができる。また、バインダ溶液50は、合材ペースト40よりも比重が大きい。そのため、両者を混ぜ合わせて静置すると、バインダ溶液50が下層側となるように二相分離する。
次に、図3に示すように、バインダ溶液50を集電体10の表面に付与してバインダ溶液層(バインダ層)56を形成する。このバインダ溶液層(バインダ層)56は、典型的にはバインダ溶液50からなる液体層である。
次に、図4に示すように、バインダ溶液層56の上から集電体10に合材ペースト40を付与する。その際、バインダ溶液層56は、合材ペーストの溶媒42と二相分離可能な溶媒52から構成されているため、合材ペースト40とは混じり合いにくくなる(好ましくはバインダ溶液層56と合材ペースト層46(合材ペースト40)とが二相分離した状態となる)。また、バインダ溶液層56は、合材ペースト層46(合材ペースト40)よりも比重が大きいため、バインダ溶液層56の上から合材ペースト40を付与した際、バインダ溶液層56と合材ペースト層46(合材ペースト40)とが混ざりにくくなり、バインダ溶液層56が集電体10の表面近傍(下層側)に留まりやすくなる。
その後、堆積したバインダ溶液層56と合材ペースト層46とを共に乾燥させることによって、図5に示すように、集電体10上に合材層20が形成された電極30を得る。
この電極製造方法によれば、集電体10と合材ペースト層46の間にバインダ溶液層56を形成した状態で合材ペースト層46を乾燥するので、乾燥後に得られた合材層20と集電体10の界面にバインダ溶液層56の第1バインダ54が配置される。これにより、合材層20と集電体10の接着強度を高めることができる。
特に限定することを意図したものではないが、以下では主としてリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)用の負極を製造する場合を例として、図2〜図5を参照しながら本実施形態をさらに詳細に説明する。
すなわち、この実施形態では、図2に示すように、合材ペースト40の溶媒(ペースト溶媒)42と二相分離可能な溶媒(バインダ溶媒)52に第1バインダ54を分散させたバインダ溶液50を調製する。
上記バインダ溶液に用いられるバインダ(第1バインダ54)としては、典型的なリチウム二次電池用負極に用いられるものと同じであればよく特に制限されない。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリル酸(PAA)、等の水溶性または水分散性のポリマーを用いることができる。あるいは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、等の有機溶剤系のポリマーを用いることができる。この実施形態では、バインダとしてSBRが用いられる。
上記バインダ溶液50に用いられる溶媒(バインダ溶媒)としては、合材ペーストの溶媒よりも比重が大きく、かつ、合材ペーストの溶媒と二相分離できるものが好ましい。例えば、バインダ溶媒52としては、合材ペーストの溶媒との溶解度パラメータ(Solubility Parameter)の差が2以上のもの(例えば2〜25程度のもの)を好ましく用いることができる。また、バインダ溶媒52は、使用するバインダを均一に分散または溶解できるものであることが好ましい。具体的には、合材ペーストの分散媒体が水の場合に好ましく使用し得るバインダ溶媒としては、四塩化炭素(CCl),クロロホルム(CHCl),トリクロロエタン(CCl),トリクロロエチレン(CHCl)が例示される。また、水とのSP値差が2以上であって且つ水よりも比重が大きいフッ素系液体を用いてもよい。これらの一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。なお、ここでフッ素系液体とは、構成元素としてフッ素(F)を含む溶剤(典型的には有機溶剤)を指す。ここに開示される技術に好ましく使用し得るフッ素系液体の市販品として、3M社製の「フロリナート(商標)」シリーズが例示される。また、ペースト溶媒がN−メチルピロリドン(NMP)の場合に好ましく使用し得るバインダ溶媒としてはCClが例示される。また、N−メチルピロリドンとのSP値差が2以上であって且つN−メチルピロリドンよりも比重が大きいフッ素系液体を用いてもよい。この実施形態では、バインダ溶媒としてCClが用いられる。
上記バインダ溶液は、上記溶媒52にバインダ54を分散させることにより調製され得る。これにより、上記溶媒52に上記バインダ54が分散したバインダ溶液50が得られる。なお、図2〜図4ではバインダ54が粒状形態を維持したまま溶媒52に分散した態様を示しているが、これに限らず、バインダ54は粒状形態を維持せずに溶媒52中に溶解していてもよい。
上記バインダ溶液におけるバインダの濃度(固形分濃度)は特に限定されないが、バインダ濃度が高すぎると、溶液の塗工性が悪くなり、バインダ濃度が低すぎると、乾燥速度が遅くなって生産性が低下する場合がある。したがって、バインダ濃度(固形分濃度)は、凡そ5質量%〜50質量%にすることが好ましく、凡そ15質量%〜25質量%にすることがより好ましい。
このようにしてバインダ溶液を調製したら、次に、図3に示すように、バインダ溶液50を集電体10に付与(典型的には塗布)してバインダ溶液層56を形成する。集電体10としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼等の金属または該金属を主成分とする合金)からなるものを好ましく使用することができる。例えばリチウム二次電池用負極を製造する場合には、銅製(銅または銅を主成分とする合金(銅合金)から構成されることをいう。)の集電体の使用が好ましい。
上記バインダ溶液を集電体に付与(塗布)する操作としては、一般的な流体材料の塗布技術、例えば印刷方式(インクジェット法、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等)、流体ディスペンサ法、スプレー噴霧法、ナノワイヤーコート法などを好ましく採用することができる。ここに開示される技術において集電体表面にバインダ溶液を塗布する方法として、スプレー噴霧法を用いて集電体の表面にバインダ溶液を塗布する方法を好ましく採用することができる。あるいは、ディスペンサを用いて集電体の表面にバインダ溶液を層状に塗布する方法が挙げられる。これにより、均一な厚さのバインダ溶液層56を形成することができる。バインダ溶液層の厚みは特に限定されないが、通常は1.5μm〜6μmにすることができ、例えば2μm〜4μm程度にすることが適当である。
上記バインダ溶液の塗布量(集電体の単位面積当たりの塗布量)としては特に限定されないが、バインダ溶液の塗布量が少なすぎると、該溶液に含まれるバインダの量が少なすぎて、集電体10と合材層20の接着強度を高める効果が十分に得られない場合がある。一方、バインダ溶液の塗布量が多すぎると、該溶液に含まれるバインダの量が多くなりすぎ、集電体10と合材層20の界面抵抗が増大して電池性能が低下する場合がある。したがって、バインダ溶液の塗布量は、固形分に換算して(すなわち乾燥後のバインダの質量に換算して)、凡そ0.01mg/cm〜0.05mg/cm程度、通常は0.02mg/cm〜0.03mg/cmとなるように調整することが好ましい。なお、合材層20は、集電体10の片面だけでなく集電体10の両面に設けられる場合もある。集電体10の両面に合材層20を設ける場合には該両面に上記バインダ溶液50を塗布してバインダ溶液層56を形成する態様を好ましく採用することができる。
このようにしてバインダ溶液層56を形成したら、次に、図4に示すように、バインダ溶液層56の上から、合材ペースト40を付与(典型的には塗布)することによって、バインダ溶液層56と合材ペースト層46とを集電体10上に堆積する。
合材ペースト40は、負極活物質(典型的には粉末状)22と、必要に応じて使用される他の負極合材層形成成分(例えばバインダ44)とを適当な溶媒42中で混合することにより調製され得る。
上記負極活物質(典型的には粉末状)22としては、典型的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同じであればよく特に限定されない。負極に用いられる負極活物質22の代表例としては、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム遷移金属複合酸化物(リチウムチタン複合酸化物等)、リチウム遷移金属複合窒化物等が例示される。
合材ペースト40に用いられる溶媒42の好適例としては、水または水を主体とする混合溶媒(水系溶媒)が挙げられる。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。溶媒42は水系溶媒に限定されず、非水系溶媒であってもよい。非水系溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)等を用いることができる。
上記合材ペースト40は、負極活物質粉末22の他に、一般的な負極の製造において負極合材層形成用の合材ペーストに用いられる材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の代表例として導電材およびバインダ(第2バインダ)44が挙げられる。上記導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素粉末、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。上記第2バインダ44は、負極活物質粒子同士を結着する役割を担っている。この第2バインダ44は、バインダ溶液層56に含まれる第1バインダ54と同じ材料であってもよく異なる材料であってもよい。
ここに開示される技術は、合材ペースト層46とバインダ溶液層56とで同じバインダを使用する態様で好ましく実施することができる。合材ペースト層46が複数種のバインダを含有する場合、そのうちの少なくとも一種がバインダ溶液層56と共通するバインダであることが好ましい。
ここに開示される技術は、また、合材ペースト層46とバインダ溶液層56とで異なるバインダを用いる態様で好ましく実施することができる。この場合には、バインダ溶液に由来するバインダ成分を分析確認しやすいというメリットが得られる。この場合、例えばバインダ溶液層に含まれる第1バインダ54として、バインダ溶液の溶媒52に溶けやすく、かつ、合材ペーストの溶媒42に溶けにくいバインダが好ましく選択され得る。これにより、第1バインダ54の合材ペースト層への拡散が適度に抑制され、集電体近傍のバインダ量を適切に確保できる。
このような合材ペースト40を集電体10に付与(典型的には塗布)する操作は、該集電体として上述のように表面にバインダ溶液層56が形成されたものを用いる点以外は従来の一般的なリチウム二次電池用負極の作製と同様にして行うことができる。例えば、合材ペースト層46は、適当な塗布装置(ダイコーター等)を使用して、上記バインダ溶液層56の上から上記集電体10に所定量の上記合材ペースト40を塗布することにより形成され得る。
ここでバインダ溶液層56は、合材ペーストの溶媒42と二相分離可能な溶媒52から構成されている。そのため、バインダ溶液層上に合材ペーストを付与してから合材ペースト層を乾燥させるまでの間、バインダ溶液層56と合材ペースト層46とが混じりにくくなる(好ましくはバインダ溶液層56と合材ペースト層46とが二相分離した状態となる)ので、集電体の表面近傍にバインダを留めやすくなる。また、バインダ溶液50は、合材ペースト40よりも比重が大きい。そのため、バインダ溶液層上に合材ペーストを付与してから合材ペースト層を乾燥させるまでの間、バインダ溶液層56が集電体10の表面近傍(下層側)に留まりやすくなる。したがって、集電体近傍のバインダ量を確保しやすくなる。
このようにしてバインダ溶液層56と合材ペースト層46とを集電体10に堆積したら、次に、図5に示すように、堆積したバインダ溶液層56と合材ペースト層46とを共に乾燥させることによって、集電体10上に負極合材層20が形成された負極30を得る。
バインダ溶液層56と合材ペースト40とを共に乾燥させる温度は、バインダ溶液層の溶媒52と合材ペースト層の溶媒42とを共に揮発し得る温度域であればよい。例えば、バインダ溶液層の溶媒がCClで、合材ペーストの溶媒が水の場合、乾燥温度は凡そ70℃〜160℃程度にすることができ、通常は80℃〜120℃にすることが好ましい。
ここで上記バインダ溶液層56を形成しない従来の態様では、合材ペースト層46に含まれる第2バインダ44のみに頼って合材層20と集電体10を結着する必要があるが、かかる態様では、合材ペースト層46を高速で乾燥すると、乾燥中に対流が発生し、第2バインダ44が合材ペースト層46の表層部(集電体10の反対側)に浮き上がるため、集電体10近傍のバインダ量が少なくなり、結果として集電体10と合材層20の接着強度(密着性)が低下する等の不都合が生じていた。
これに対し、本実施形態では、負極集電体10と合材ペースト40の間にバインダ溶液層56を形成した状態で合材ペースト層46を乾燥するので、合材ペースト層46の高速乾燥により対流が発生したとしても、合材ペースト40と分離したバインダ溶液層56中のバインダ(第1バインダ)54が集電体10の表面近傍に留まるため、集電体10近傍のバインダ量が確保される。このことによって、乾燥中の対流によるバインダの偏析(マイグレーション)に起因する合材層と集電体10の接着強度の低下を回避でき、集電体10との密着性のよい合材層20を備えた高性能な負極30を製造することができる。この方法を用いれば、合材ペースト層46の乾燥速度を設定するにあたって対流によるバインダの偏析(マイグレーション)を考慮しなくてもよいので、合材ペースト層46を高速で乾燥できる。例えば、合材ペースト層の溶媒を、0.2mg/s・cm以上の高速で揮発させることができ、生産性が向上する。乾燥速度の上限値は特に限定されないが、例えば0.78mg/s・cm程度である。
このようにして、本実施形態に係る負極30の製造が完了する。なお、上記合材ペースト40の乾燥後、必要に応じて適当なプレス処理(例えばロールプレス処理)を施すことによって、負極合材層20の厚みや密度を調整することができる。
ここに開示される電極製造方法を適用して好ましく製造されるリチウム二次電池用の負極30の断面構造を図5に模式的に示す。この負極30は、負極活物質22を含む負極合材層20が集電体10に保持された構成を有する。この負極合材層20は、図4に示すように、集電体10と合材ペースト層46の間にバインダ溶液層56を形成した後、バインダ溶液層56と合材ペースト40とを共に乾燥させることによって形成されたものである。そのため、得られた負極合材層20は、該合材層20を厚み方向の中央部で二等分したときに、該合材層20の集電体10側に配された分割部分20Aに含まれるバインダ量が、集電体10とは反対側に配された分割部分20Bに含まれるバインダ量よりも多くなる。すなわち、合材層20を上下方向(厚さ方向)の中央で2分割したときのバインダ偏在度(上層側20Bのバインダ量/下層側20Aのバインダ量)が、1.0未満(即ち下層側20Aのバインダ量よりも上層側20Bのバインダ量のほうが多い状態)になる。このことによって、集電体10の表面により多くのバインダが配置され、負極合材層20と集電体10の接着強度を高めることができる。なお、合材層中のバインダ量の分布は、例えば、バインダがSBRの場合、BrもしくはOs(オスミウム)で染色したバインダの電子線マイクロアナライザ(EPMA)による分布断面観察により調べることができる。
なお、上述した例では、図4に示すように、バインダ溶液層56は、合材ペースト層46が付与される範囲の面全体(全域)に亘って連続的に形成されているが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、合材ペースト層46が付与される範囲に上記バインダ溶液層56がドット状に点在するように形成することもできる。この場合、バインダ溶液層56の形成は、例えば、集電体10の表面にバインダ溶液50をスプレー噴霧することにより行うとよい。スプレー噴霧を用いれば、集電体の表面に点状(ドット状)のバインダ溶液層56が形成され得る。
このようにバインダ溶液層56をドット状に形成する場合は、面全体に形成する場合に比べて、集電体10と合材層20との接触面積が増えるので、集電体10と合材層20の界面抵抗を小さくすることができる。一方、バインダ溶液層56を面全体に形成する場合は、ドット状に形成する場合に比べて、集電体10表面のバインダ量が増えるので、集電体10と合材層20の接着強度を大きくすることができる。ここに開示される好ましい技術では、ドット状に形成されたバインダ層56によって、集電体10表面のうち、合材ペースト40が付与される領域(範囲)の凡そ60%以上(好ましくは60%〜80%程度)を被覆することが望ましい。この範囲にすることにより、合材層と集電体の界面抵抗の増大を抑えつつ、合材層と集電体の接着強度が高められ、界面抵抗と接着強度とを高度なレベルで両立させることができる。
次に、図7を加えて負極30を製造する製造装置90について説明する。この製造装置90は、ローラ91,92と、スプレー噴霧装置94と、スプレー噴霧装置94よりも集電体の搬送方向の下流側に配置されたダイコータ96と、ダイコータ96よりも集電体の搬送方向の下流側に配置された乾燥炉98と、乾燥炉98内を通過した集電体10を巻き取る巻取部99とを備えている。
長尺シート状の集電体10は、図示しない巻出部から繰り出され、ローラ91,92の回転によって装置内を搬送される。スプレー噴霧装置94にはバインダ溶液50が収容されている。スプレー噴霧装置94によって、搬送中の集電体10の表面にバインダ溶液50が噴霧され、バインダ溶液層が形成される。表面にバインダ溶液層が形成された集電体10は、ローラ91,92によってダイコータ96に送られる。ダイコータ96には合材ペースト40が収容されている。ダイコータ96によって、搬送中の集電体10の表面にバインダ溶液層の上から合材ペースト40が塗布され、集電体10上にバインダ溶液層及び合材ペースト層が堆積する。バインダ溶液層および合材ペースト層が堆積した集電体10は、その後、乾燥炉98に送られる。乾燥炉98内の温度は、例えば80℃〜150℃程度にすればよく、集電体10の搬送速度は、例えば30m/min〜50m/min程度にすればよい。かかる条件で乾燥炉98を通過させることによって、集電体10上に堆積したバインダ溶液層および合材ペースト層を乾燥し、集電体10上に合材層20が形成された負極シート30を得る。負極シート30は、巻取部99により巻き取った後、次工程に供される。
次に、本実施形態の方法を用いることにより、集電体と合材層の接着強度が高まることを確認するため、実施例として以下の実験を行った。
<試験例1>
サンプル1では、SP値および比重差が異なるバインダ溶液および合材ペーストを調製し、負極シート30を作製した。具体的には、第1バインダ54としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を用い、これを四塩化炭素(CCl:SP値8.6、比重1.58)からなる溶媒中に分散させて、バインダ溶液50(固形分濃度10%)を調製した。また、負極活物質22としてのカーボン粉末と増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が99:1となるように水(SP値23.4、比重1.00)中に分散させて合材ペースト40を調製した。
次いで、バインダ溶液50を長尺シート状の銅箔(集電体10)にスプレー噴霧により塗布し、ドット状のバインダ溶液層56が設けられた銅箔10を作製した。バインダ溶液50の塗布量は、凡そ0.025mg/cm(固形分換算)となるように調整した。そして、バインダ溶液層56の上から合材ペースト40を付与することによって、バインダ溶液層56および合材ペースト層46を銅箔(集電体)10上に堆積し、これを80℃で共に乾燥することによって、集電体10の表面に負極合材層20が設けられた負極シート30を得た。
また、比較のために、サンプル2では、バインダ溶液50を集電体10に塗布せずに負極シートを作製した。具体的には、負極活物質としてのカーボン粉末とバインダとしてのSBRと増粘剤としてのCMCとを、これらの材料の質量比が99:1:1となるように水中に分散させて合材ペーストを調製し、これを集電体(銅箔)に塗布して乾燥することにより、集電体の表面に負極合材層が設けられた負極シートを得た。
このようにして得られたサンプル1,2に係る負極シートの集電体10と負極合材層20の密着性を、引っ張り試験機を用いた90°剥離試験で評価した。その結果を表1に示す。表1に示すように、バインダ溶液を銅箔(集電体)に塗布したサンプル1では、バインダ溶液を銅箔(集電体)に塗布しなかったサンプル2に比べて剥離強度が大幅に改善されていた。具体的には、サンプル1では剥離強度が2.8N/m、サンプル2では剥離強度が0.8N/mとなった。この結果から、バインダ溶液を銅箔(集電体)に塗布することによって接着強度が大幅に改善されていることが確認された。
Figure 2011013413
<試験例2>
サンプル3〜6では、粘度が異なるバインダ溶液および合材ペーストを調製し、負極シート30を作製した。具体的には、バインダ54としてのSBRを適当量の水中に分散させ、サンプル3〜6の順に80mPa・s,200mPa・s,300mPa・s,400mPa・sの粘度をもつバインダ溶液を調製した(表2参照)。また、負極活物質22としてのカーボン粉末と増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が99:1となるように適当量の水中に分散させ、粘度が3000mPa・sの合材ペーストを調製した。なお、バインダ溶液及び合材ペーストの粘度は、B型粘度計を用い、液温を20℃に調整してからロータを20rpmで回転させて測定した。
Figure 2011013413
次いで、バインダ溶液を長尺シート状の銅箔(集電体10)にディスペンサにより帯状に塗布し、帯状のバインダ溶液層56が設けられた銅箔10を作製した。バインダ溶液50の塗布量は、凡そ0.0245mg/cm(固形分換算)となるように調整した。そして、バインダ溶液層56の上から合材ペースト40を付与することによって、バインダ溶液層56および合材ペースト層46を銅箔(集電体)10上に堆積し、これを80℃で共に乾燥することによって、集電体10の表面に負極合材層20が設けられた負極シート30を得た。
また、比較のために、サンプル7では、バインダ溶液50を集電体10に塗布せずに負極シート(以下、通常電極)を作製した。具体的には、負極活物質としてのカーボン粉末とバインダとしてのSBRと増粘剤としてのCMCとを、これらの材料の質量比が98:1:1となるように水中に分散させて合材ペーストを調製し、これを集電体(銅箔)に塗布して乾燥することにより、集電体の表面に負極合材層が設けられた負極シートを得た。
このようにして得られたサンプル3〜6に係る負極シートの集電体10と負極合材層20の密着性を引っ張り試験機による90°剥離試験にて評価した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、バインダ溶液層を集電体に塗布せずに負極シートを作製したサンプル7(通常電極)では、乾燥時のバインダの偏析により集電体近傍のバインダが欠乏するため、剥離強度が低下した。これに対して、バインダ溶液層を集電体に塗布して負極シートを作製したサンプル3〜6の何れも、サンプル7(通常電極)に比べて剥離強度が大幅に増大することが確かめられた。ここで供試した負極シートの場合、合材ペーストの粘度を3000mPa・sに調整し、かつ、バインダ溶液の粘度を300mPa・s以下に調整することにより、2.0N/m以上(典型的には2.02N/m〜2.33N/m)という極めて高い剥離強度が得られた。さらに、サンプル3〜6の比較から、合材ペーストとバインダ溶液との粘度差が大きくなるに従い剥離強度がさらに増大することが確かめられた。ここで供試した負極シートの場合、バインダ溶液と合材ペーストとの粘度差は、2000mPa・s以上(サンプル3〜6)であればよく、2700mPa・s以上(サンプル3〜5)が好適であり、2800mPa・s以上(サンプル3、4)がより好ましく、2920mPa・s以上(サンプル3)が最適ある。
<試験例3>
サンプル8〜14では、上述したサンプル3と同様にして、ただし、バインダ溶液に含まれるバインダの一部を合材ペーストにも振り分けて、負極シート30を作製した。具体的には、全体のバインダ塗布量を0.0245mg/cm(固形分換算)に保ちつつ、バインダの導入先をバインダ溶液層と合材ペースト層とに分割して負極シートを作製した。サンプル8〜14では、バインダ溶液層側に振り分けたバインダの分割率が下記表3となるように調整した。ここで、バインダ分割率(%)=[バインダ溶液層の単位面積あたりのバインダ塗布量(mg/cm)/バインダ溶液層の単位面積あたりのバインダ塗布量と合材ペースト層の単位面積あたりのバインダ塗布量とを合わせた合計塗布量(mg/cm)]×100で表わされ、例えば、バインダ分割率80%(サンプル11)は、全体のバインダ塗布量のうち質量比で80%をバインダ溶液層側に導入し、残り20%を合材ペースト層側に導入したことを意味する。
Figure 2011013413
サンプル8〜14に係る負極シートの集電体10と負極合材層20の密着性を引っ張り試験機による90°剥離試験で評価した。その結果を図10及び表3に示す。図10は、バインダ分割率と剥離強度との関係を示すグラフであり、横軸がバインダ分割率(%)を、縦軸が剥離強度(N/m)を表している。
図10及び表3から明らかなように、バインダ分割率が大きくなる(即ちバインダ溶液層側に振り分けられるバインダ量が多くなる)に従い剥離強度が増大し、集電体と合材層の密着性が良好になることが確かめられた。ここで供試した負極シートの場合、特にバインダ分割率を60%以上にすることにより、2.1N/m以上の極めて高い剥離強度が実現された。ただし、バインダ分割率を100%にする(全てのバインダをバインダ溶液層側に導入する)と、合材層の表層部において活物質の剥がれが生じ、剥離強度が若干低下した。これらの結果から、バインダ分割率は、凡そ60%〜100%の範囲が適当であり、凡そ70〜99%の範囲がより好ましく、さらには凡そ80〜98%の範囲(例えば95%程度)がより好ましいことが分かった。
<試験例4>
サンプル15では、サンプル3の負極シートを用いて試験用リチウム二次電池を構築した。また、サンプル16では、サンプル3と同様にして、ただし、バインダ塗布量を半分(凡そ0.01225mg/cm(固形分換算))に減らして負極シートを作製し、該負極シートを用いて試験用リチウム二次電池を構築した。また、比較のために、サンプル17では、サンプル7の負極シート(通常電極)を用いて試験用リチウム二次電池を構築した。そして、各試験用電池について交流インピーダンス測定を行い、それら電池の低温反応抵抗(mΩ)を評価した。なお、試験用リチウムイオン電池は、以下のようにして構築した。
正極活物質としてのLiNiO粉末と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が88:10:2となるようにN−メチルピロリドン(NMP)中で混合して、正極合材ペーストを調製した。この正極合材ペーストを正極集電体(アルミニウム箔)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、正極合材層が正極集電体の両面に設けられた正極シートを作製した。正極合材ペーストの塗布量は、片面あたり約5.0mg/cm(固形分基準)となるように調節した。
得られた正極シートの正極合材層を3cm×4cmに打ち抜いて、正極を作製した。また、上記負極シートの負極合材層を3cm×4cmに打ち抜いて、負極を作製した。正極にアルミリードを取り付け、負極にニッケルリードを取り付け、それらをセパレータ(多孔質ポリプロピレンシートを使用した。)を介して対向配置し、非水電解液とともにラミネート袋に挿入して、図11に示すラミネートセル60を構築した。図11中、符号61は正極を、符号62は負極を、符号63は電解液の含浸したセパレータを、符号64はラミネート袋をそれぞれ示す。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。その後、常法により初期充放電処理(コンディショニング)を行って試験用リチウム二次電池を得た。
このようにして作製したリチウム二次電池の交流インピーダンスを0℃の試験温度で測定し、それらの反応抵抗(mΩ)を評価した。交流インピーダンスの測定条件については、交流印加電圧5mV、周波数範囲0.001Hz〜100000Hzとした。その結果を表4に示す。
Figure 2011013413
表4から明らかなように、バインダ溶液層を集電体に塗布せずに負極シートを作製したサンプル17(通常電極)の電池では、乾燥時のバインダの偏析により合材層の表層側がバインダリッチとなるため、反応抵抗値が430mΩを超えていた。これに対し、バインダ溶液層を集電体に塗布したサンプル15の電池では、集電体近傍にバインダを集め、表層側のバインダを減らしたことにより、サンプル17(通常電極)に比べて反応抵抗値が大幅に低下した。さらに、バインダ塗布量を半減させることにより、360mΩ以下という極めて低い反応抵抗値が実現できた(サンプル16)。
以下、上述した方法を適用して製造された負極(負極シート)30を用いて構築されるリチウム二次電池の一実施形態につき、図8に示す模式図を参照しつつ説明する。このリチウム二次電池100は、負極(負極シート)30として、上述したバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された負極(負極シート)30が用いられている。
図示するように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)のケース82を備える。このケース(外容器)82は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体84と、その開口部を塞ぐ蓋体86とを備える。ケース82の上面(すなわち蓋体86)には、電極体80の正極70と電気的に接続する正極端子72および該電極体の負極30と電気的に接続する負極端子74が設けられている。ケース82の内部には、例えば長尺シート状の正極(正極シート)70および長尺シート状の負極(負極シート)30を計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータシート)76とともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される扁平形状の捲回電極体80が収容される。
負極シート30は、上述したように、長尺シート状の負極集電体10の両面に負極活物質を主成分とする負極合材層20が設けられた構成を有する(図1参照)。また、正極シート70も負極シートと同様に、長尺シート状の正極集電体の両面に正極活物質を主成分とする正極合材層が設けられた構成を有する。なお、ここに開示される電極製造方法は、正極および負極のいずれの製造にも適用することができる。正極シート70も負極シート30と同様に、上述したバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された正極シート70であってもよい。これらの電極シート30、70の幅方向の一端には、いずれの面にも上記電極合材層が設けられていない電極合材層非形成部分が形成されている。
上記積層の際には、正極シート70の正極合材層非形成部分と負極シート30の負極合材層非形成部分とがセパレータシート76の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート70と負極シート30とを幅方向にややずらして重ね合わせる。その結果、捲回電極体80の捲回方向に対する横方向において、正極シート70および負極シート30の電極合材層非形成部分がそれぞれ捲回コア部分(すなわち正極シート70の正極合材層形成部分と負極シート30の負極活物質層形成部分と二枚のセパレータシート76とが密に捲回された部分)から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分(すなわち正極合材層の非形成部分)70Aおよび負極側はみ出し部分(すなわち負極活物質層の非形成部分)30Aには、正極リード端子78および負極リード端子79がそれぞれ付設されており、上述の正極端子72および負極端子74とそれぞれ電気的に接続される。
なお、捲回電極体80を構成する負極シート30以外の構成要素は、従来のリチウム二次電池の電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、正極シート70は、長尺状の正極集電体の上にリチウム二次電池用正極活物質を主成分とする正極合材層が付与されて形成され得る。正極集電体にはアルミニウム箔その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。正極活物質は従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、LiMn、LiCoO、LiNiO等の、リチウムと一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含むリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とするものが挙げられる。
また、正負極シート70、30間に使用されるセパレータシート76の好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
そして、ケース本体84の上端開口部から該本体84内に捲回電極体80を収容するとともに適当な電解質を含む電解液をケース本体84内に配置(注液)する。電解質は例えばLiPF等のリチウム塩である。例えば、適当量(例えば濃度1M)のLiPF等のリチウム塩をジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)に溶解してなる非水電解液を使用することができる。
その後、上記開口部を蓋体86との溶接等により封止し、本実施形態に係るリチウム二次電池100の組み立てが完成する。ケース82の封止プロセスや電解質の配置(注液)プロセスは、従来のリチウム二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。このようにして本実施形態に係るリチウム二次電池100の構築が完成する。
このようにして構築されたリチウム二次電池100は、上述したバインダ溶液50を用いる方法を適用して製造された電極を少なくとも一方の電極に用いて構築されていることから、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、サイクル耐久性が高い、生産性に優れる、のうちの少なくとも一方(好ましくは両方)を満たすリチウム二次電池100を提供することができる。
なお、ここに開示される技術には、以下のものが含まれる、即ち、
(1)活物質を含む合材層が集電体に保持された構成の電池用電極を製造する方法であって、
前記合材層は、前記活物質を所定の溶媒に分散させた合材ペーストを集電体に付与して乾燥させることによって形成され、
ここで、前記合材層の形成は、以下の工程:
前記合材ペーストの溶媒と二相分離可能な溶媒にバインダを分散させたバインダ溶液であって、前記合材ペーストよりも比重が大きいバインダ溶液を調製する工程;
前記バインダ溶液を集電体の表面に付与してバインダ層(換言するとバインダ溶液層)を形成する工程;
前記バインダ層が形成された前記集電体に、該バインダ層の上から前記合材ペーストを付与することによって、前記バインダ層と前記合材ペースト(即ち合材ペースト層)とを前記集電体の表面に堆積する工程;および、
前記堆積したバインダ層と合材ペーストとを共に乾燥させることによって前記集電体上に合材層が形成された電極を得る工程;
を包含する方法で行われる、電池用電極の製造方法。
(2)ここに開示される技術では、前記合材ペーストの溶媒は、水を含んでおり、前記バインダ溶液の溶媒は、四塩化炭素またはフッ素系液体を含有する。
(3)ここに開示される技術では、前記合材ペーストの溶媒は、N−メチルピロリドンを含んでおり、前記バインダ溶液の溶媒は、四塩化炭素またはフッ素系液体を含有する。
(4)ここに開示される技術では、前記バインダ層は、前記バインダ溶液のスプレー噴霧によって形成される。
(5)本発明によると、また、ここに開示される上記何れかの方法により得られた電極を用いて構築された電池が提供される。即ち、上記(1)から(4)のいずれか一つに記載の方法により製造された電極を備える電池であって、
前記電極は、活物質を含む合材層が集電体に保持された構成を有しており、
前記合材層を厚み方向に2分割したときに、該合材層の集電体側に配された2分割部分に含まれるバインダ量が、集電体とは反対側に配された2分割部分に含まれるバインダ量よりも多いことを特徴とする。
本発明によれば、集電体と合材層の接着強度を高めることができる電池用電極の製造方法を提供することができる。
本発明に係る電池(例えばリチウム二次電池)は、上記のとおり電池性能に優れることから、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって本発明は、図9に模式的に示すように、かかる電池(組電池の形態であり得る。)100を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供する。

Claims (13)

  1. 活物質とバインダを含む合材層が集電体に保持された構成の電池用電極を製造する方法であって、
    前記合材層は、前記活物質を含む合材ペーストを集電体に付与して乾燥させることによって形成され、
    ここで、前記合材層の形成は、以下の工程:
    第1バインダを含むバインダ溶液を集電体に付与してバインダ溶液層を形成する工程;
    前記バインダ溶液層の上から前記合材ペーストを付与することによって、前記バインダ溶液層と合材ペースト層とを集電体上に堆積する工程;および、
    前記堆積したバインダ溶液層と合材ペースト層とを共に乾燥させることによって、前記集電体上に合材層が形成された電極を得る工程;
    を包含する方法で行われる、電池用電極の製造方法。
  2. 前記バインダ溶液は、少なくとも一定時間に亘って前記合材ペーストと分離した状態を維持し得るように構成されている、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記バインダ溶液および前記合材ペーストのうち、少なくとも一方の粘度を1000mPa・s以上に調整する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記バインダ溶液および前記合材ペーストのうち、一方の粘度を2000mPa・s以上に調整し、他方の粘度を1000mPa・s以下に調整する、請求項1から3の何れか一つに記載の製造方法。
  5. 前記バインダ溶液と前記合材ペーストとのSP値差を2.0以上に調整する、請求項1から4の何れか一つに記載の製造方法。
  6. 前記バインダ溶液の比重を、前記合材ペーストの比重よりも大きくなるように調整する、請求項1から5の何れか一つに記載の製造方法。
  7. 前記合材ペーストの溶媒は、水またはN−メチルピロリドンであり、
    前記バインダ溶液の溶媒は、四塩化炭素またはフッ素系液体である、請求項1から6の何れか一つに記載の製造方法。
  8. 前記合材ペーストは、第2バインダを含有し、
    前記バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの含有量が、該バインダ溶液層の単位面積あたりの第1バインダの含有量と前記合材ペースト層の単位面積あたりの第2バインダの含有量とを合わせた合計に対して、60質量%以上である、請求項1から7の何れか一つに記載の製造方法。
  9. 前記第2バインダは、前記第1バインダと同じ材料から構成されている、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記合材ペースト層の溶媒を0.2mg/s・cm以上の速度で揮発させる、請求項1から9の何れか一つに記載の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一つに記載の方法により製造された電極を用いて構築された電池。
  12. 前記電極は、活物質を含む合材層が集電体に保持された構成を有しており、
    前記合材層を厚み方向の中央部で二等分したときに、該合材層の集電体側に配された分割部分に含まれるバインダ量が、集電体とは反対側に配された分割部分に含まれるバインダ量よりも多い、請求項11に記載の電池。
  13. 請求項11または12に記載の電池を搭載した車両。
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