JPWO2010147020A1 - 駐車支援制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、駐車移動動作を少なくして、より単純な移動動作で駐車支援が可能な駐車支援制御装置及び方法を提供することを目的とする。本発明は、自車両の停車位置から目標駐車領域までの移動経路を記憶する記憶手段と、前記移動経路に基づき、前記停車位置から前記目標駐車領域に自車両を誘導する制御手段と、を備える駐車支援制御装置において、前記制御手段は、前記自車両の移動動作が必要な回数によって予め優先順位が設定された複数の移動経路を前記記憶手段から読み出し、さらに、前記制御手段は、前記優先順位の高い移動経路から順に駐車可能かを判断して、駐車可能な最も高い優先順位の移動経路にしたがって、前記自車両を前記目標駐車領域に誘導する。前記複数の移動経路の前記優先順位は、前記自車両の移動動作の数が少ないほど高い優先順位が設定される。

Description

本発明は、駐車支援制御装置及び方法に関し、より詳細には、駐車可能な状況に応じて駐車経路を変更することができる駐車支援制御装置及び方法に関するものである。
近年、車両をバック駐車や縦列駐車する際に、ドライバーの駐車操作を支援する駐車支援装置が開発されている。駐車支援装置は、距離測定用センサによって、駐車領域を探索し、駐車可能で有ればドライバーにその旨を通知し、ステアリングの操作を装置の指示により行うか、又は自動でステアリングを操作して、駐車場所へ車両を誘導する。
また、特許文献1に提案されている駐車支援装置は、目標駐車位置の広さや周囲の障害物の状況に応じて、予想移動軌跡が目標駐車位置と干渉する場合に、自車両の切り返し移動により前記干渉が回避可能か否かを判定し、干渉が回避可能な場合に切り返し移動を実行する。
特開2002−240662号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駐車支援装置では、自車両の切り返し移動により前記干渉が回避可能な場合には、常に切り返し移動が選択されるため、最終的に駐車ができても、駐車に時間がかかり短時間で駐車することができない場合が生じる。さらに、特許文献1に記載の駐車支援装置では、切り返し移動が選択された場合に、改めてその位置でのステアリング操作が演算されるため、制御に時間がかかり複雑になる場合が生じる。
そこで、本発明は、駐車移動動作を少なくして、より単純な移動動作で駐車支援が可能な駐車支援制御装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の駐車支援制御装置は、自車両の停車位置から目標駐車領域までの移動経路を記憶する記憶手段と、前記移動経路に基づき、前記停車位置から前記目標駐車領域に自車両を誘導する制御手段と、を備える駐車支援制御装置において、前記制御手段は、前記自車両の移動動作が必要な回数によって予め優先順位が設定された複数の移動経路を前記記憶手段から読み出し、前記制御手段は、さらに前記優先順位の高い移動経路から順に駐車可能かを判断して、駐車可能な最も高い優先順位の移動経路にしたがって、前記自車両を前記目標駐車領域に誘導する。
前記駐車支援制御装置において、前記複数の移動経路の前記優先順位は、前記自車両の移動動作の数が少ないほど高い優先順位が設定される。前記駐車支援制御装置において、前記複数の移動経路は、それぞれ前記自車両が旋回可能な最も小さい半径にしたがう移動を含む。前記駐車支援制御装置において、最も優先順位が高い移動経路は、1回の後方移動で前記目標駐車領域に前記自車両が移動可能な経路である。前記駐車支援制御装置において、前記複数の移動経路は、クロソイド曲線にしたがう移動を含む。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の駐車支援制御方法は、自車両の停車位置から目標駐車領域までの移動経路を記憶する記憶手段と、前記移動経路に基づき、前記停車位置から前記目標駐車領域に自車両を誘導する制御手段と、を用いる駐車支援制御方法において、前記自車両の移動動作が必要な回数にしたがって、予め優先順位が設定された複数の移動経路を前記記憶手段から読み出すステップと、前記優先順位が高い移動経路から順に駐車可能かを前記制御手段が判断するステップと、駐車可能な最も高い優先順位の移動経路にしたがって、前記制御手段が前記自車両を前記目標駐車領域に誘導するステップと、を備える。
前記駐車支援制御方法において、前記複数の移動経路の前記優先順位は、前記自車両の移動動作の数が少ないほど高い優先順位が設定される。前記駐車支援制御方法において、前記複数の移動経路は、それぞれ前記自車両が旋回可能な最も小さい半径にしたがう移動を含む。前記駐車支援制御方法において、最も優先順位が高い移動経路は、1回の後方移動で前記目標駐車領域に前記自車両が移動可能な経路である。前記駐車支援制御方法において、前記複数の移動経路は、クロソイド曲線にしたがう移動を含む。
本発明の駐車支援制御装置や方法によれば、駐車に際して移動動作を少なくして、より単純な移動動作で駐車支援ができるため、短時間に駐車を行うことが可能となる。
本発明の実施形態の駐車支援制御装置を搭載した車両の模式図である。 図1の駐車支援制御装置のブロック図である。 自車両がバック駐車する場合の基本移動動作の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態の駐車支援制御装置のフローチャートである。
本発明の駐車支援制御装置及び方法は、迅速な駐車操舵を可能にする経路を設定するだけでなく、任意の開始位置でドライバーが駐車手順を開始することを可能にするものである。なお、本発明の実施形態に係る駐車支援制御装置及び方法は、ステアリングを自動制御するパーク・ステアリング・コントロール(PSC)モードか、又は、視覚又は音声情報を用いてドライバーを案内するパーク・ステアリング・インフォメーション(PSI)モードにより、ドライバーが駐車場に運転することを支援する。
以下、本発明の駐車支援制御装置及び方法に係る実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態の駐車支援制御装置を搭載した車両の模式図であり、図2は、当該駐車支援制御装置のブロック図である。
図1に示すように、自車両10には、その前側(図1の右側)に、4つの駐車アシスト用センサ1が配置してあり、その後側(図1の左側)に、4つの駐車アシスト用センサ1が配置してある。また、自車両10の両側面前方には、一対の駐車領域測定用センサ2が配置してある。
これらの駐車アシスト用センサ1及び駐車領域測定用センサ2は、超音波を発射してその反射波を検出し、障害物の有無、及び障害物までの距離を検出する超音波センサである。駐車アシスト用センサ1及び駐車領域測定用センサ2は、超音波センサを用いているが、これに限らず、例えば、ミリ波センサ又はマイクロ波センサ等のレーダセンサ、CCD素子、ビデオカメラ、他の任意のセンサを用いてもよい。
上述のように、本実施形態の駐車支援制御装置の機能は、駐車アシスト用センサ1及び駐車領域測定用センサ2により、目標駐車領域14及び自車両10の現在の停止位置に関する情報をそれぞれ入手し、目標駐車領域14に到達するための経路を設定する。任意選択であるが、障害物や超過して運転できない領域に関する情報を入手してもよい。
さらに、ドライバーによるステアリングの操舵量を検出するために、ステアリング角度センサ3(図2)が自車両10に設置される。また、車輪速センサ(不図示)が自車両10に設置され、車輪の回転量を検出することにより、自車両10の移動量を検出する。また、ヨーレートセンサ(不図示)が自車両に設置され、自車両10の向き(進行方向)を検出する。
図2に示すように、制御手段である電子制御ユニット(ECU)5には、駐車アシスト用センサ1、駐車領域測定用センサ2、ステアリング角度センサ3、からの検出データがそれぞれ入力する。また、ECU5には、位置特定用スイッチ4a、情報提供スイッチ4b、モード選択スイッチ4cからの操作信号もそれぞれ入力する。ECU5は、例えば、演算処理、制御処理等を行うCPU、制御プログラム等が格納される記憶手段であるROM、データを一時的に記憶するRAM等から構成してある。
ECU5は、目標駐車領域14へ自車両10を案内する車両操作指示情報(ステアリングホイールの操舵角度、車速、ブレーキのオン/オフ、シフトレバー操作(リバース位置R、ドライブ位置D等))が設定されて、電動パワーステアリング(EPS)9の動作を制御する。
図3は、自車両10がバック駐車する場合の基本移動動作の一例を示す概念図である。図3において、自車両10が駐車される目標駐車領域は、符号14で示され、駐車の際に自車両10の切り返し等が行われる駐車余裕領域は、駐車領域14の前方に符号16で示されている。図3において、自車両は、図中左から右に移動して駐車余裕領域16の停止位置10aで停止している。次に、自車両は、位置10aから、図中右上に向かって前方旋回移動して、位置10bで停止する。さらに、自車両は、位置10bから後述のSPRにしたがって後方旋回移動し位置10cを通り、最後に後方直線移動して目標駐車領域14内の位置10dで停止して駐車完了となる。なお、目標駐車領域14は以下に説明するように検出されて制御に用いられる。
本実施形態の前提となる目標駐車領域14の検出処理の一例を説明する。自車両の前側方に設けられた駐車領域測定用センサ2(図1)は、図3において、目標駐車領域14の左側に位置する第1のコーナー部C1(他車両のコーナー部等)を検出し、さらに、予め設定されている駐車スペース14の幅が存在する場合に、駐車スペース14を挟んで右側に位置する第2のコーナー部(仮想コーナー部)C2を設定する。さらに、駐車領域測定用センサ2は、標準的な目標駐車領域14の奥行き(例えば5m程度)の範囲に障害物がないことを確認して、目標駐車領域14の奥行きを標準的な値として検出する。なお、コーナー部C1及びC2の設定は、駐車領域測定用センサ2を用いてコーナー部C1を検出し、ドライバーからの入力によりコーナー部C2を設定するように構成しても良い。例えば、運転席近傍の計器盤(インストゥルメントパネル)に位置特定用スイッチ4aを設け、この位置特定用スイッチ4aが操作されると、コーナ位置検出信号がECU5に送信される。コーナ位置の入力は、例えば、車両のドアミラーがコーナー部C2に一致したタイミングで、ドライバーが位置特定用スイッチ4aを操作する。そして、コーナ位置検出信号をECU5が受信してコーナー部C2の位置が検出される。この場合、ドアミラーがコーナー部C2に到達した時点でコーナー部C1及びC2の検出が完了するため、駐車スペースを通り過ぎる前に車両を停止させて駐車支援処理を開始することができる。また、コーナー部C1及びC2の両方をドライバーからの入力により検出するように構成しても良い。この場合、駐車領域測定用センサ2によりコーナー部を検出する必要がなくなるので、駐車領域測定用センサ2による測定誤差の影響を受けない。
本実施形態に係る駐車支援制御装置において、PSCモードでは、ECU5がEPS9の操作を行い、ドライバーはアクセル、ブレーキのみ制御する。PSIモードでは、ECU5がディスプレイ6やスピーカ7等のヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を介して操作を指示する。HMIの指示したがって、ステアリング、アクセル、ブレーキの全てをドライバーが操作する。モード選択スイッチ4cにより、PSCモード又はPSIモードを選択することができる。
従来の駐車支援システムは、自車両を目標駐車領域14に案内するために、予め設定された一つの基本動作を用いており、結局は、その基本動作に対して、一つの目標駐車領域14に移動するためにいくつかの修正動作が行われていた。したがって、良好な最終位置に到達されるものの、目標駐車領域には、他のより少ない移動動作回数で駐車可能な場合もある。ただし、並列駐車では、駐車区域で、発車方向であるような同じ方向に向いて各車両が駐車されていおり、自車両を並列駐車する場合には、1つの基本動作に限定しても、充分であるように思われる。
しかしながら、目標駐車領域14へのバック駐車(交差駐車)では、駐車余裕領域16内での自車両10の前進方向に対して、目標駐車領域14内に駐車される自車両10が斜めか直角に向くことになる。このようなバック駐車の場合に、1回の後方旋回動作で規定する移動経路は、ある開始位置で不可能となることがある。
本発明の駐車支援制御装置及び方法の実施形態における制御を、図4のフローチャートを用いて説明する。図4において、駐車支援制御がスタートする時点で、目標駐車領域測定用センサ2により検出された第1コーナー部C1及び演算された第2コーナ部C2の位置データに基づいて、目標駐車領域14の検出が完了しているものとする。
駐車支援がスタートすると、ステップS401で、ECU5は、既に設定された、駐車余裕領域16の大きさ及び位置、駐車余裕領域16内での自車両10の停止位置、目標駐車位置14に関する情報(第1及び第2コーナー部の位置、奥行き等)に基づいて、現在の自車両の停止位置から1回動作の経路をROM等の記憶手段から読み出す。1回動作の経路は、最小可能半径(SPR)で1回の後方移動から構成される。
ステップS402において、ECU5は、障害物等に衝突せずにステップS401で読み出された前記1回の移動動作から構成される経路により、目標駐車領域14に駐車可能かを判断する。ステップS402で駐車可能と判断された場合には、ステップS403に移行して、前記1回の移動動作から構成される経路にしたがって駐車操舵の支援を開始する。
ステップS402で前記1回動作の経路で駐車可能と判断されない場合には、ステップS404に移行する。
ステップS404において、ECU5は、現在の自車両の停止位置から2回動作の経路をROM等の記憶手段から読み出す。2回動作の経路は、前方直線又は旋回移動、SPRにしたがう後方旋回移動から構成される。ステップS405で、ECU5は、障害物等に衝突せずにステップS404で読み出された前記2回動作の経路により、目標駐車領域14に駐車可能かを判断する。ステップS405で駐車可能と判断された場合には、ステップS406に移行して、前記2回動作の経路にしたがって駐車操舵の支援を開始する。
ステップS405で前記2回動作の経路で駐車可能と判断されない場合には、ステップS407に移行する。
ステップS407において、ECU5は、現在の自車両の停止位置から3回動作の経路をROM等の記憶手段から読み出す。3回動作の経路は、後方直線又は旋回移動、前方直線又は旋回移動、SPRにしたがう後方旋回移動から構成される。
ステップS408で、ECU5は、障害物等に衝突せずにステップS407で読み出された前記3回動作の経路により、目標駐車領域14に駐車可能かを判断する。ステップS408で駐車可能と判断された場合には、ステップS409に移行して、前記3回動作の経路にしたがって駐車操舵の支援を開始する。
ステップS408で前記3回動作の経路で駐車可能と判断されない場合には、ステップS410に移行する。ステップS410において、ECU5は駐車操舵不可能と判断して、駐車支援制御を終了する。駐車支援制御の終了は、HMIによりドライバーに報知されるので、ドライバーは独力でステアリングやアクセルを操作して駐車を行う。
一般に駐車支援動作に必要な時間は、主に移動動作の数に依存する。したがって、本実施形態に係る駐車支援制御装置及び方法は、与えられた状況下で、目標駐車領域14の中に迅速に駐車することを可能にする経路を見つけるために、次の優先順位を用いる。最優先の移動経路は、ステップS402に示された1度の後方旋回移動で目標駐車領域14の中に移動する1回動作の経路を選択することである。この場合には、自車両10は設定された車両旋回に関する最小可能半径(Smallest Possible Radius:SPR)にしたがう経路で移動されることになる。もし他の障害物と衝突が起こらずに自車両が停止位置から後方旋回可能であれば、常にこの経路が選択される。もしこのような移動可能な経路が見つからなければ、上記のように2回動作の経路で駐車可能かECU5によりチェックされ、最後に3回動作の経路で駐車可能かECU5によりチェックされる。
なお、SPRとは、最大にステアリングを切った場合に自車両が旋回可能な半径であり、自車両が旋回可能な最小の半径となる。SPRは車種によって定まる固有のものである。SPRを有する円の中心Oは、駐車余裕領域16における自車両10の停止位置と、目標移動領域14とによって変動する。上述の1回動作の経路では、SPRで描かれる円の中心と同心円の円周に沿って自車両が停止位置から移動できるので、1回の後方移動動作で目標駐車領域14の中に自車両10を移動することができる。そうでない場合には、2回又は3回の動作を行って、SPRで描かれる円の円周を車両移動の中心線が載るようにする。移動パターンは、予め複数記憶されており、移動回数が少ないものから順番に駐車可能かを確認する。
ドライバーは、目標駐車領域14が検知されたときは何時でも、本発明の実施形態に係る駐車支援制御装置を作動させることができる。したがって、この装置は、バック交差駐車やバック斜め駐車といった駐車状態に適用可能である。
本発明の駐車支援制御装置及び方法は、最も早く駐車可能な経路を設定するものであり、これは、最も少ない移動動作を備える経路を意味する。
もし、移動経路が、2回以上の動作から構成されるのであれば、次の追加動作(1)〜(5)を、不適当な目標駐車領域14を阻止するために用いることができる。なお、不適当な目標駐車領域14は、ドライバーの誤操作により引き起こされる不適当な停止位置のために生じる場合もある。
(1)自車両10が停止する前に、ECU5において、クロソイド曲線が上記の移動経路に付加されて保持され、ECU5はステアリングを中立位置に配置する。停止した後に、移動経路に付加されたクロソイド曲線に基づき、中立位置から自車両10の移動が開始される。したがって、この移動経路は、的確な停止位置が直線上に位置するときに、的確な停止位置とは独立する。この方法は好ましいものの、もし十分な領域が利用可能である場合にのみ選択可能である。
(2)もし自車両10が停止した後にできれば残りの移動経路を修正する。
(3)自車両10が停止した後に新たに移動経路を読み出す。これにより、結果として付加的な移動動作を生じる。
(4)ディスプレイ6やスピーカ7等のHMIを用いて、ドライバーが適切に停車することを準備する。最終的に、ドライバーに前もって減速することを通知する。
(5)もしドライバーが停止位置を超えて運転しているのであれば、ドライバーに移動を元に戻すように指示する。
目標駐車領域14に向かう後方へ移動するための変形パターンとしては、次の変形パターン(1)〜(3)の何れかを用いることができる。
(1)駐車余裕領域16で停止した自車両10が1回の前方直線移動を行い、その後、目標駐車領域14の中へ直接1回の後方旋回移動を行う。
(2)駐車余裕領域16で停止した自車両10が1回の前方旋回移動を行い、その後、目標駐車領域14の中へ直接1回の後方旋回移動を行う。なお、前記前方旋回移動は、(2a)始めに直接前方旋回移動して終了するか、又は(2b)始めに前方直線移動し、次いで前方クロソイド移動に移行し、最後に前方旋回移動を行うこともできる。
(3)駐車余裕領域16で停止した自車両10が1回の後方旋回移動を行い、その後、1回の前方旋回移動を行い、最後に目標駐車領域14の中に後方旋回移動を行う。なお、前記後方旋回移動は、後方旋回移動のみ、又は、後方直線移動を行い、次いでクロソイド後方移動を行い、最後に後方旋回移動を行うようにすることができる。なお、クロソイド移動とは、直線から開始し徐々に旋回していく移動をいう。
このようなパターンを使用することにより、駐車場(目標駐車領域14及び駐車余裕領域16)のサイズや停止位置が自車両にとって不十分であったとしても、移動開始位置(停止位置)から目標駐車領域14の中に進む移動経路を見つけることが可能となる。なお、PSIモードの場合には、ドライバーがクロソイド曲線に沿って運転することが困難なので、選択可能な移動経路は旋回移動及び直線移動から構成される経路のみに減らされる。
また、目標駐車領域14の正面に位置し目標駐車領域14への移動に必要な駐車余裕領域16の大きさは、主に自車両10の旋回移動の半径に依存して定まる。半径が小さい程、必要な領域は小さくなる。
本発明と背景技術で引用した特許文献1とは、移動軌跡を設定した後、移動経路と目標駐車領域とが干渉するかを判断する点は共通している。しかしながら、特許文献1に対して、本発明は下記(1)〜(4)のような差異を有する。
(1)本発明の駐車支援制御装置及び方法では、予め複数の駐車経路のパターンを用意しておき、目標駐車領域と干渉しない最良の経路パターンを選択して駐車するものである。これによって、本発明は一々再演算を要せずに駐車経路を選択できるという効果を奏する。
(2)本発明の駐車支援制御装置及び方法では、目標駐車領域への移動に際して、移動動作の数が少ないパターン順(要する時間の少ない順)に、駐車可能かの検討を行う。これによって、本発明は、全体として駐車に要する所要時間を短縮することができる。
(3)本発明は、駐車軌跡パターン毎の評価に、障害物に干渉するか否かの判断を行い、干渉する場合に次の駐車軌跡パターンを評価する。
(4)本発明は、駐車軌跡パターンのバリエーションを多く記憶して提供することにより、より多くの停止位置に対して駐車支援を提供することが可能となる。
本発明の駐車支援制御装置及び方法によれば、任意の開始位置が許容されようなバック交差駐車又はバック斜め駐車のための経路設定を可能にし、できる限り少ない移動動作を用いることにより、最も早く駐車可能な経路を設定することができる。さらに、本発明の駐車支援制御装置及び方法によれば、周囲に関する障害物又は他の情報を考慮に入れることができ、ドライバーの予期せぬ行動に反応して、柔軟に対応する能力を向上できる。
本発明の駐車支援制御装置及び方法に係る実施例として、選択可能な移動パターン(1)〜(5)の構成に関してそれぞれ説明する。以下の説明において、「fw」は車両の前方移動、「bw」は車両の後方(バック)移動、「cir」は旋回移動、「clo」はクロソイド曲線に従う移動、「str」は直線移動を、それぞれ意味する。また、「opt」は任意選択可能なことを意味しており、省くことができる。
(1)第1のパターンでは、自車両10は、駐車余裕領域16で、1回前方直線移動を行い、その後、後方移動して目標駐車領域14の中に入る。具体的な動作は、順にstr fw−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw (opt)となる。
(2)第2のパターンでは、自車両10は、駐車余裕領域16で、1回前方旋回移動を行い、その後、直接、後方移動して目標駐車領域14の中に入る。具体的な動作は、順にclo fw(opt)−cir fw−clo fw(opt)−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw(opt)となる。
(3)第3のパターンでは、自車両10は、駐車余裕領域16で、1回後方旋回移動を行い、その後、前方旋回移動を行い、最後に後方移動して目標駐車領域14の中に入る。具体的な動作は、順にclo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−clo fw(opt)−cir fw−cir fw−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw(opt)である。
(4)第4のパターンでは、自車両10は、直接、駐車余裕領域16で、後退移動して駐車領域の中に入る(従来のシステムで使用されている)。具体的な動作は、順にstr bw(opt)−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw(opt)である。
(5)第5のパターンでは、自車両10は、駐車余裕領域16でSカーブで前進し、その後、後方移動して目標駐車領域14の中に入る。この場合に、たとえ、駐車支援制御装置がかなり遅く作動したとしても、操舵は前方移動で開始できるという有利な効果が生じる。具体的な動作は、順にstr fw(opt)−clo fw(opt)−cir fw−clo fw−cir fw−clo fw(opt)−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw(opt)である。
なお、Sカーブ前進における、右から左に又は左から右へのステアリングの複数の変更は、自車両10の移動を停止して、この停止の間に、ステアリングを切ることで置換されてもよい。
上記各パターンに対して、以下の注意点があり、また以下の変形をすることができる。
(a)自車両の直線移動に旋回移動が続くような何れの場合にも、自車両は両移動の間で停止しなければならず、ステアリングホイールは停止した間に操舵されなければならない。
(b)自車両の前方旋回移動に後方旋回移動が続くか、又は自車両の後方旋回移動に前方旋回移動が続くような何れの場合にも、自車両は両移動の間で停止しなけらばならず、ステアリングホイールは停止した間に操舵されなければならない。
(c)2つのクロソイド移動の間(1つの後方移動と1つの前方移動との間、又は1つの前方移動と1つの後方移動との間)において、クロソイド移動に直線移動を付加することが可能である。
(d)もし、自車両の移動が前方又は後方クロソイド移動で開始するのであれば、その前に前方又は後方直線移動を付加することも可能である。
(e)もし、自車両の移動が前方又は後方クロソイド移動で終了するのであれば、最後に前方又は後方直線移動を付加することも可能である。
(f)本発明に関する軌道算出アルゴリズムは、clo−cir−clo−cir−…と言う計算パターンで軌道を算出している。もし、最初のclo動作終了時に、車が十分旋回しきっていれば、次のclo動作はスキップしてもよい。この場合には、形式的には、自車両の複数の移動円の間の距離がゼロになるとみなされることができる。
(g)全ての提供されたパターンにおいて、事前にホイールは、自車両が停止している間に各停止位置における目標角度位置(主に中間位置)に操舵されるが、この代わりに、クロソイド移動を付加して目標角度位置まで操舵することもできる。
(h)もし自車両が目標駐車領域に最終領域で到達できなかった場合は、次のパターンを有する付加的な前方及び後方移動が必要な限り付加される。
すなわち、付加パターンは、clo fw(pot)−cir fw−clo fw(opt)−clo bw(opt)−cir bw−clo bw(opt)−str bw(opt)である。
1 駐車アシスト用センサ
2 駐車領域測定用センサ
3 ステアリング角度センサ
4a 位置特定用スイッチ
4b 情報提供スイッチ
4c モード選択スイッチ
5 ECU
6 ディスプレイ
7 スピーカ
9 EPS
10 自車両
C1 第1コーナー部
C2 第2コーナー部(仮想コーナ部)
14 目標駐車領域
16 駐車余裕領域

Claims (10)

  1. 自車両の停車位置から目標駐車領域までの移動経路を記憶する記憶手段と、前記移動経路に基づき、前記停車位置から前記目標駐車領域に自車両を誘導する制御手段と、を備える駐車支援制御装置において、
    前記制御手段は、前記自車両の移動動作が必要な回数によって予め優先順位が設定された複数の移動経路を前記記憶手段から読み出し、
    前記制御手段は、さらに前記優先順位の高い移動経路から順に駐車可能かを判断して、駐車可能な最も高い優先順位の移動経路にしたがって、前記自車両を前記目標駐車領域に誘導することを特徴とする駐車支援制御装置。
  2. 請求項1に記載の駐車支援制御装置において、
    前記複数の移動経路の前記優先順位は、前記自車両の移動動作の数が少ないほど高い優先順位が設定されることを特徴とする駐車支援制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の駐車支援制御装置において、
    前記複数の移動経路は、それぞれ前記自車両が旋回可能な最も小さい半径にしたがう移動を含むことを特徴とする駐車支援制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の駐車支援制御装置において、
    最も優先順位が高い移動経路は、1回の後方移動で前記目標駐車領域に前記自車両が移動可能な経路であることを特徴とする駐車支援制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の駐車支援制御装置において、
    前記複数の移動経路は、クロソイド曲線にしたがう移動を含むことを特徴とする駐車支援制御装置。
  6. 自車両の停車位置から目標駐車領域までの移動経路を記憶する記憶手段と、前記移動経路に基づき、前記停車位置から前記目標駐車領域に自車両を誘導する制御手段と、を用いる駐車支援制御方法において、
    前記自車両の移動動作が必要な回数にしたがって、予め優先順位が設定された複数の移動経路を前記記憶手段から読み出すステップと、
    前記優先順位が高い移動経路から順に駐車可能かを前記制御手段が判断するステップと、
    駐車可能な最も高い優先順位の移動経路にしたがって、前記制御手段が前記自車両を前記目標駐車領域に誘導するステップと、を備えることを特徴とする駐車支援制御方法。
  7. 請求項6に記載の駐車支援制御方法において、
    前記複数の移動経路の前記優先順位は、前記自車両の移動動作の数が少ないほど高い優先順位が設定されることを特徴とする駐車支援制御方法。
  8. 請求項6又は7に記載の駐車支援制御方法において、
    前記複数の移動経路は、それぞれ前記自車両が旋回可能な最も小さい半径にしたがう移動を含むことを特徴とする駐車支援制御方法。
  9. 請求項6乃至8の何れか一項に記載の駐車支援制御方法において、
    最も優先順位が高い移動経路は、1回の後方移動で前記目標駐車領域に前記自車両が移動可能な経路であることを特徴とする駐車支援制御方法。
  10. 請求項6乃至9の何れか一項に記載の駐車支援制御方法において、
    前記複数の移動経路は、クロソイド曲線にしたがう移動を含むことを特徴とする駐車支援制御方法。
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