JP2004123058A - 駐車支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で使い勝手の良い駐車支援装置を提供すること。
【解決手段】車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段2と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段5と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段13と、駐車エリア選択手段10と、駐車エリア選択手段10の選択操作に応じて、記憶手段13に格納されている複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、撮像手段2からの撮像画像に重畳する重畳手段12と、重畳手段12で重畳された撮像画像と縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段11aとを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段2と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段5と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段13と、駐車エリア選択手段10と、駐車エリア選択手段10の選択操作に応じて、記憶手段13に格納されている複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、撮像手段2からの撮像画像に重畳する重畳手段12と、重畳手段12で重畳された撮像画像と縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段11aとを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車支援装置に関し、特に縦列駐車時に有用な駐車支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の駐車支援装置として、車両の後方をカメラにより検出し、該カメラからの映像を車内に設けられた表示器に後方画像として表示すると共に、ステアリングセンサで検出されたステアリング角度により車両の走行予想軌跡を求め、該走行予想軌跡をグラフィックス描画回路によりグラフィック信号として、上述の後方画像にスーパーインポーズし、ステアリング舵角に応じて前記表示器に可変表示するものがある。(たとえば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平11−334470号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来装置では、ステアリング角度が変わる度に走行予想軌跡を求めて再描画するためのグラフィックス描画回路を備えているが、このようなグラフィックス描画回路は、一般に高価な構成となるため、駐車支援装置全体としても製造費用が高価にならざるを得ない。
【0005】
また、縦列駐車時には、左右の転舵を切り返し転舵点で切り換える必要があるが、上述の従来装置では、この切り返し転舵点が分からないため、運転初心者などにはとっては分かりにくいという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、安価で使い勝手の良い駐車支援装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段と、駐車エリア選択手段と、上記駐車エリア選択手段の選択操作に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、上記撮像手段からの撮像画像に重畳する重畳手段と、上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする駐車支援装置に存する。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、駐車支援装置は、車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段と、駐車エリア選択手段と、駐車エリア選択手段の選択操作に応じて、記憶手段に格納されている複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、撮像手段からの撮像画像に重畳する重畳手段と、重畳手段で重畳された撮像画像と縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段とを備えているので、ステアリング舵角に合わせた車両の予想進路を表示して縦列駐車の案内が可能である。また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ない記憶容量で駐車の動作案内をすることができる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記重畳手段は、オンスクリーンディスプレイコントローラであることを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置に存する。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、重畳手段は、オンスクリーンディスプレイコントローラであるので、従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、前記縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせたパターンであることを特徴とする請求項1または2記載の駐車支援装置に存する。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせたパターンであるので、縦列駐車時に、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、縦列駐車モード時に車両を走行させたとき、車両が縦列駐車のために後退動作を開始する位置に達したことおよび前記切り返し転舵点に達したことを報知する報知手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置に存する。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、縦列駐車モード時に車両を走行させたとき、車両が縦列駐車のために後退動作を開始する位置に達したことおよび切り返し転舵点に達したことを報知する報知手段を、さらに備えているので、駐車の苦手な運転初心者などに、車両の走行停止や操舵のタイミングを教えることができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、前記記憶手段は、さらに、複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納しており、前記重畳手段は、前記車両が前記切り返し転舵点に位置するとき、前記ステアリングの他方向へのフル操舵による前記舵角検出手段からの検出信号に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された並列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、読み出した並列駐車モード用予想軌跡パターンを前記縦列駐車モード用予想軌跡パターンに代えて前記上記撮像手段からの撮像画像に重畳し、前記表示手段は、上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記並列駐車モード用予想軌跡パターンを表示することを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置に存する。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、記憶手段は、さらに、複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納しており、重畳手段は、車両が切り返し転舵点に位置するとき、ステアリングの他方向へのフル操舵による舵角検出手段からの検出信号に応じて、記憶手段に格納されている複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された並列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、読み出した並列駐車モード用予想軌跡パターンを縦列駐車モード用予想軌跡パターンに代えて撮像手段からの撮像画像に重畳し、表示手段は、重畳手段で重畳された撮像画像と並列駐車モード用予想軌跡パターンを表示するので、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、車両の後輪の予想進路軌跡であり、前記記憶手段には、ステアリング舵角の所定角度毎に最大角までそれぞれのステアリング舵角に対応する上記予想進路軌跡からなる所定枚数の予想軌跡パターンが格納されていることを特徴とする請求項5記載の駐車支援装置に存する。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、車両の後輪の予想進路軌跡であり、記憶手段には、ステアリング舵角の所定角度毎に最大角までそれぞれのステアリング舵角に対応する予想進路軌跡からなる所定枚数の予想軌跡パターンが格納されているので、操舵量や操舵のタイミング等の変更に応じた予想軌跡パターンを表示して、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る駐車支援装置の実施の形態を示すブロック図である。同図において、駐車支援装置は、撮像手段としてのカメラ2、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)3、リバース検出センサ4、舵角検出手段としての舵角センサ5、走行センサ6、ヨーレートセンサ7、並列駐車開始スイッチ8、縦列駐車開始スイッチ9、駐車エリア選択スイッチ10、指示部11、重畳手段としてのオンスクリーンディスプレイコントローラ(以下、OSDCという)12、記憶手段としてのメモリ13およびEEPROM14から構成される。
【0021】
カメラ2は、車両後方に取り付けられ、車両後方の撮像画像を、OSDC12に対して出力する。指示部11は、表示手段としてのモニター11a、スピーカ11bおよび報知手段としてのブザー11cを有する。
【0022】
マイコン3には、ギア機構に取り付けられギアがリバースに入ったとき、Hレベルのリバース信号S1を出力するリバース検出センサ4と、車両のステアリング機構に取り付けられ、ステアリングが単位角度回転する毎にパルス信号S2を出力する舵角センサ5と、車両のトランスミッション機構に取り付けられ、車両が単位距離走行する毎にパルス信号S3を出力する走行センサ6と、斜炉湯の重心回りに生じているヨーレートを検出してヨーレート検出信号S4を出力するヨーレートセンサ7と、並列駐車モードを指示する並列駐車開始スイッチ8と、縦列駐車モードを指示する縦列駐車スイッチ9と、駐車エリアを選択する指示を行う駐車エリア選択スイッチ10と、音声メッセージを出力するスピーカ11bと、警報を出力するブザー11cと、OSDC12と、イグニッションスイッチオフ時のステアリング舵角を記憶するEEPROM14とが接続されている。また、マイコン3には、ナビゲーション装置15も接続されている。
【0023】
マイコン3は、制御プログラムに従って動作するCPU3aと、CPU3aの制御プログラム及び車両の最小回転半径Rmin、車両の形状などの車両情報とが予め格納されているROM3bと、舵角センサ5および走行センサ6から出力されるパルス信号S2、S3をカウントするカウントエリアが形成されているなど、CPU3aの演算実行時に必要なデータを一時的に保持するRAM3cとを有している。
【0024】
また、OSDC12は、カメラ2、メモリ13およびモニター11aが接続され、カメラ2からの撮像画像へメモリ13からのパターン画像(後述する)を重ね合わせた(スーパーインポーズした)画像信号をモニター11aに出力する。
【0025】
メモリ13は、ROM等からなり、並列および縦列駐車モード時に使用される文字メッセージと、ステアリング舵角に対応する予想軌跡パターンデータとが予め格納されている。この予想軌跡パターンは、並列駐車モード用と縦列駐車モード用の2種類が格納されている。
【0026】
並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、たとえば、車両の後輪の予想進路軌跡が、ステアリング舵角の所定角度(たとえば、2°)毎に最大角(たとえば、±35°)までそれぞれのステアリング舵角に対応して複数枚格納されている。
【0027】
また、縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置とを組み合わせたパターンが、標準駐車位置を左右方向へ所定の間隔(たとえば、30〜50cm)ずつずらしたものが複数枚(たとえば、左方向へ順次ずらしたものが3枚と右左方向へ順次ずらしたものが3枚)格納されている。
【0028】
次に、上述した構成の駐車支援装置の並列駐車モード時の動作について、図2に示すCPU3aの処理のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
通常、CPU3aは、ナビゲーション装置15によりナビゲーション機能を働かせ、モニター11aおよびスピーカ11bを使用して、出発地から目的地までの経路案内や自車両の現在位置を表示したり音声案内したりしている。
【0030】
そこで、まず並列駐車開始スイッチ8を押すことにより、駐車支援処理が開始され、初期化処理が行われる(ステップS1)。次いで、イグニッションスイッチがオフか否かが判定される(ステップS2)。
【0031】
イグニッションスイッチがオフされていれば(ステップS1のY)、舵角センサ5からのパルス信号S3によりその時点のステアリング舵角をEEPROM14に保存する(ステップS3)。EEPROM14に保存されたステアリング舵角は、イグニッションスイッチオン時に読み出され、ステアリングの状態が確認される。ステップS3に続いて、終了処理が行われ(ステップS4)、次いで、駐車支援処理が終了する。
【0032】
一方、イグニッションスイッチがオフされていなければ(ステップS2のN)、リバース検出センサ4からのリバース信号(パルス信号S1)が有るか否か(換言すれば、ギヤがリバースに入れられたか否か)が判定され(ステップS5)、なければ、ステップS2に戻る。
【0033】
リバース信号(パルス信号S1)が有れば(ステップS5のY)、それに応じて、ナビゲーション機能が停止されると共に、モニター11aの画面がナビゲーション画像からカメラ2のからのカメラ画像の表示に切り換えられる(ステップS6)。次いで、舵角センサ5からのパルス信号S3によりステアリング舵角を読み込み(ステップS7)、次いで、メモリ13を参照して、読み込んだステアリング舵角に対応する並列駐車モード用の予想軌跡パターンをメモリ13から読み出す(ステップS8)。
【0034】
次いで、メモリ13から読み出された予想軌跡パターンが、OSDC12でカメラ2からのカメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に描画される(ステップS9)
【0035】
次いで、リバース検出センサ4からのリバース信号(パルス信号S1)が有るか否か(換言すれば、ギヤがリバースに入れられたか否か)が判定され(ステップS10)、有れば、ステップS5に戻る。
【0036】
一方、リバース信号(パルス信号S1)がなければ(ステップS10のN)、リバースが解除されたことを意味するので、モニター11aの画面を消去し(ステップS11)、次いで、ステップS2に戻る。
【0037】
このように、駐車支援装置の動作が行われるが、次に、並列駐車モード時の動作の具体例について詳述する。
【0038】
並列駐車モードにおいては、図3の並列駐車支援イメージ図に示すように、自車両100が空いている駐車スペースPに並列駐車しようとする場合は、自車両100の後方に取り付けられたカメラ2による後方の撮像画像に、予想進路軌跡101と自車両100の車幅を表す車幅延長線102とからなる並列駐車モード用の予想軌跡パターンが重畳されて、自車両100の運転席の近傍に設置されたモニター11aの画面に表示される。
【0039】
図4は、並列駐車モード時のモニター11aの画面の一例を示し、並列駐車する際の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および車幅延長線102が表示されている。図4(A)は、所定のステアリング舵角を保ったまま、自車両100を後退させる場合を示し、図4(B)は、図4(A)の場合と異なるステアリング舵角を保って自車両100を後退させる場合を示す。
【0040】
図4(A)および(B)から分かるように、ステアリング舵角を変更すると、変更後のステアリング舵角に応じて、曲線の曲がり具合の異なる予想進路軌跡101を有する並列駐車モード用の予想軌跡パターンがメモリ13から読み出されて、モニター11aの画面で表示されるので、運転者は、モニター11aの画面を見ながら、ちょうど空いている駐車スペースに予想進路軌跡101が合うようにステアリングを操舵し、自車両100を後退させることにより、容易に並列駐車することができる。
【0041】
次に、縦列駐車開始スイッチ9を操作することにより開始される縦列駐車モード時の動作の具体例について詳述する。
【0042】
縦列駐車モードにおいては、図5の縦列駐車支援イメージ図に示すように、自車両100が空いている駐車スペースPに縦列駐車しようとする場合は、自車両100は、ステアリングの一方向への最大角操舵による始点c1から切り返し転舵点c2に至る自車両100の第1回転中心d1から回転半径Rmin(ただしRmin=最小回転半径)および旋回角θ1で規定される第1旋回経路L1と、ステアリングの他方向への最大角操舵による切り返し転舵点c2から終点c3に至る第2回転中心d2から回転半径Rminおよび旋回角θ2(=θ1)で規定される第1旋回経路L1の旋回方向とは逆の第2旋回経路L2とから構成される走行経路をたどって駐車スペースPに駐車される。
【0043】
図6〜図8は、縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図であり、以下、これらの図を参照しながら説明する。
【0044】
通常、CPU3aは、ナビゲーション装置15によりナビゲーション機能を働かせ、モニター11aおよびスピーカ11bを使用して、出発地から目的地までの経路案内や自車両の現在位置を表示したり音声案内したりしている。
【0045】
そこで、図6に示すように、自車両100を駐車動作の初期の位置Aに停止させる。これは、運転者が、駐車予定の駐車スペースPの手前に駐車している車両200から所定の距離(たとえば、1メートル)間隔を置いて、駐車スペースPと平行に、かつ自車両100のドアミラー位置を駐車車両200の前端にほぼ合わせた位置Aに、自車両100を停止させることにより行われる。
【0046】
このように初期の位置Aに停止した後、次に、縦列駐車モードへ移行する。これは、運転者が、縦列駐車開始スイッチ9を押下することにより行われる。なお、縦列駐車スイッチ9をもう一度押下すると、縦列駐車モードが解除される。
【0047】
次に、図7に示すように、自車両100を初期の位置Aからまっすぐ前進させると、所定の距離走行した地点(位置B)でブザー11cが駆動されて鳴り、運転者は、このブザー音を聞いて車両を位置Bに停止させる。この位置Bは、縦列駐車のために後述する後退動作を開始するのに最適な位置(すなわち、図5の始点c1に相当する位置)であり、位置Aにおいて縦列駐車開始スイッチ9が押下された後、走行センサ6からのパルス信号S3をカウントすることにより決定される。この位置Bは、たとえば、駐車スペースPの前方の駐車車両201の横にほぼ並んだ位置となる。
【0048】
次に、ギアをリバースに入れると、リバース検出センサ4からリバース信号(パルス信号S1)が出力される。このリバース信号の出力に応じて、CPU3aは、ナビゲーション機能を停止させ、モニター11aの画面をナビゲーション画面からカメラ2からのカメラ画像に切り換えると共に、予め格納されている文字メッセージ「駐車する側にハンドルを切ってください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0049】
次に、車両の左右どちらに転舵するのかが決定される。これは、運転者がステアリングを駐車したい側に切る(1回目の転舵動作)ことにより生じる舵角センサ5のパルス信号S2の検出に基づいて行われる。たとえば、車両の左側にある駐車スペースに駐車したい場合は、運転者は、ステアリングを左にフル操舵する。このとき、舵角センサ5から出力されるパルス信号S2に応じて、左側の駐車スペースに対応する縦列駐車モード用の予想軌跡パターンデータがメモリ13から読み出され、カメラ2のカメラ画像に予想軌跡パターンが重畳されてモニター11aの画面に表示される。同様に、車両の右側にある駐車スペースに駐車したい場合は、運転者は、ステアリングを右にフル操舵する。このとき、舵角センサ5から出力されるパルス信号S2に応じて、右側の駐車スペースに対応する縦列駐車モード用の予想軌跡パターンデータがメモリ13から読み出され、カメラ2のカメラ画像に予想軌跡パターンが重畳されてモニター11aの画面に表示される。
【0050】
図9(A)は、このように自車両100が図7の位置Bに停止している時、モニター11aの画面に表示される、左側の駐車スペースPへ縦列駐車する場合の縦列駐車モード用の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104を表している。この図9(A)は、自車両100が駐車スペースP内にうまく駐車できる場合を示している。
【0051】
一方、図9(B)に示すように、自車両100が図5の位置Bに停止している時、モニター11aの画面に表示される自車両100の駐車標準位置が駐車スペースP内から一部はみ出している場合(これは、初期位置Aの位置ズレ等により発生する)には、駐車エリア選択スイッチ10の操作により位置調整を行うことができる。
【0052】
すなわち、運転者が駐車エリア選択スイッチ10を押下するたびに、標準駐車位置を左右に所定間隔(たとえば、30〜50センチメートル)ずつずらした駐車位置候補を含む予想軌跡パターンデータがメモリ13から順次読み出され、カメラ2のカメラ画像に順次切り換え重畳されてモニター11aの画面に表示される。それに基づき、運転者は、最適な駐車位置候補を示す予想軌跡パターンを選択し、最適な駐車位置候補が表示された時点で、駐車エリア選択スイッチ10の押下を止める。
【0053】
なお、標準駐車位置を左右に所定間隔(たとえば、30〜50センチメートル)ずつずらした駐車位置候補の位置は、旋回角θ1およびθ2をそれぞれ異なる値の組み合わせにすることにより、予め設定することができる。
【0054】
このように、図9(B)の場合には、駐車エリア選択スイッチ10を押すことにより、予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104を左右方向にずらすことができるので、自車両100が駐車スペースP内にうまく駐車する、点線で表す予想進路軌跡101′および駐車位置候補104′となるように設定することができる。
【0055】
次に、車両の後退を開始させる。このとき、予め格納されている文字メッセージ「周囲に注意して、後退してください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0056】
次に、図7に示すように、ステアリングをフル操舵して車両を位置Bから後退させると、所定の距離走行した地点(位置C)でブザー11cが駆動されて鳴り、運転者は、このブザー音を聞いて車両を位置Cに停止させる。この位置Cは、縦列駐車のために2回目の転舵動作を行うのに最適な位置(すなわち、図5で示した切り返し転舵点c2に相当する位置)であり、位置Bにおいてリバースギアが入れられた後、走行センサ6からのパルス信号S3をカウントすることにより決定される。また、ブザー音に合わせて、モニター11aの画面には、予め格納されている文字メッセージ「停止して転舵してください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0057】
次に、位置Cにおいて車両の転舵を行う。これは、運転者が、ステアリングを逆方向にフル操舵することにより行われる。このフル操舵に基づく舵角センサ5からの最大角を示すパルス信号S2に対応する並列駐車用の予想軌跡パターンが、メモリ13から読み出され、図9に示す縦列駐車モード用の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104に代えて、予想進路軌跡101と車幅延長線102がカメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0058】
図10は、縦列駐車モード時の位置Cにおけるモニター11aの画面の一例を示し、縦列駐車しようとする駐車スペースに向かう予想進路軌跡101と車幅延長線102が表示されている。
【0059】
次に、運転者は、フル操舵が保たれていることを確認し、続いて、モニター11aの画面の表示を確認する。モニター11aの画面において、進路予想軌跡101が駐車スペースPに合っている場合、後退を開始する。このとき、モニター11aの画面には、「周囲に注意して、後退してください。」という表示が重畳される。なお、進路予想軌跡101が駐車スペースPに合っていない場合は、ステアリングの操舵をフル操舵以外の舵角になるように調整して、進路予想軌跡101を駐車スペースPに合わせることができる。
【0060】
次に、図8に示すように、車両を位置Dで停止させる。この位置Dは、車両が駐車スペースに対して平行になった位置であり、車幅延長線102が路肩と平行になるまで運転者が自車両100を後退させ、運転者が平行になったことを確認して、ステアリングをまっすぐに戻し、車両を停止させる。
【0061】
最後に、リバースギアを解除することにより、縦列駐車モードが解除される。
【0062】
このように、本発明によれば、ステアリング舵角に合わせた予想進路を表示するだけでなく、各種センサにより車両角度がわかることにより、並列および縦列駐車案内が可能である。従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0063】
また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ないROM容量で駐車の動作案内をすることができる。また、並列駐車モードおよび縦列駐車モードに必要な予想軌跡パターンを1つのROMに格納しているので、他車種への適用時にデータ書き換え動作が簡単である。
【0064】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0065】
たとえば、上述の実施の形態では、切り返し転舵点の位置(位置C)をブザー音で知らせているが、これに代えてまたはブザー音に加えて、距離バーをモニター11aの画面に重畳表示し、位置Bにおいてフルになっていた距離バーが位置Cにおいてゼロになったことを視認した時点で車両を停止させることにより、車両を位置Cに停止させるように構成しても良い。
【0066】
また、上述の実施の形態では、位置Bにおける車両の左右どちらに転舵するのかの決定を、舵角センサ5のパルス信号S2の検出に基づいて行っているが、これに代えて内外車輪の回転差を回転センサ(図示しない)で検出することにより行っても良く、または左右決定スイッチ(図示しない)の操作により行っても良い。
【0067】
また、他の実施例として、所定舵角指示機能(ステアリング舵角が予定よりずれた場合に警報する機能)を追加しても良い。すなわち、縦列駐車モード時、ステアリングの実舵角が指示されている舵角よりずれた場合に、ブザー11cのブザー音で運転者に警報すると共に、モニター11aの画面に、注意を促す文字メッセージを表示しても良い。
【0068】
また、他の実施例として、走行経路逸脱判定機能を追加しても良い。すなわち、縦列駐車案内時に、ステアリング舵角のずれがなく予定停止位置を行き過ぎた場合は、戻るような案内をブザー11cのブザー音で知らせると共に、動作を変更するよう促す文字や絵をモニター11aに表示する。また、予定の経路を大きく外れた場合は、駐車動作のやり直しを指示することができる。
【0069】
また、他の実施例として、図11(A)に示すように、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、自車両100の内側を表す内側線105および後端を表す後端線106の組み合わせとしても良い。
【0070】
また、さらに他の実施例として、図11(B)に示すように、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、自車両100の内側線105および後端線106と、2回目の転舵動作時の自車両100の前端外縁線107との組み合わせとしても良い。
【0071】
また、さらに他の実施例として、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせた上記以外の組み合わせパターンとしても良い。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ステアリング舵角に合わせた車両の予想進路を表示して縦列駐車の案内が可能である。また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ない記憶容量で駐車の動作案内をすることができる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、縦列駐車時に、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、駐車の苦手な運転初心者などに、車両の走行停止や操舵のタイミングを教えることができる。
【0076】
請求項5記載の発明によれば、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0077】
請求項6記載の発明によれば、操舵量や操舵のタイミング等の変更に応じた予想軌跡パターンを表示して、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駐車支援装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の駐車支援装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】並列駐車モード時の駐車支援イメージ図である。
【図4】(A)および(B)は、並列駐車モード時のモニターの画面の一例を示す。
【図5】縦列駐車モード時の駐車支援イメージ図である。
【図6】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図7】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図8】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図9】(A)および(B)は、縦列駐車モード時の位置Bにおけるモニターの画面の一例を示す図である。
【図10】縦列駐車モード時の位置Cにおけるモニターの画面の一例を示す図である。
【図11】(A)および(B)は、縦列駐車モード用予想軌跡パターンの変形例を示す図である。
【符号の説明】
2 カメラ(撮像手段)
3 マイクロコンピュータ
4 リバース検出センサ
5 舵角センサ(舵角検出手段)
6 走行センサ
7 ヨーレートセンサ
8 並列駐車開始スイッチ
9 縦列駐車開始スイッチ
10 駐車エリア選択スイッチ
11 指示部
11a モニター(表示手段)
11b スピーカ
11c ブザー(報知手段)
12 オンスクリーンディスプレイコントローラ(OSDC)(重畳手段)
13 メモリ(記憶手段)
14 EEPROM
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車支援装置に関し、特に縦列駐車時に有用な駐車支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の駐車支援装置として、車両の後方をカメラにより検出し、該カメラからの映像を車内に設けられた表示器に後方画像として表示すると共に、ステアリングセンサで検出されたステアリング角度により車両の走行予想軌跡を求め、該走行予想軌跡をグラフィックス描画回路によりグラフィック信号として、上述の後方画像にスーパーインポーズし、ステアリング舵角に応じて前記表示器に可変表示するものがある。(たとえば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平11−334470号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来装置では、ステアリング角度が変わる度に走行予想軌跡を求めて再描画するためのグラフィックス描画回路を備えているが、このようなグラフィックス描画回路は、一般に高価な構成となるため、駐車支援装置全体としても製造費用が高価にならざるを得ない。
【0005】
また、縦列駐車時には、左右の転舵を切り返し転舵点で切り換える必要があるが、上述の従来装置では、この切り返し転舵点が分からないため、運転初心者などにはとっては分かりにくいという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、安価で使い勝手の良い駐車支援装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段と、駐車エリア選択手段と、上記駐車エリア選択手段の選択操作に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、上記撮像手段からの撮像画像に重畳する重畳手段と、上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする駐車支援装置に存する。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、駐車支援装置は、車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段と、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段と、駐車エリア選択手段と、駐車エリア選択手段の選択操作に応じて、記憶手段に格納されている複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、撮像手段からの撮像画像に重畳する重畳手段と、重畳手段で重畳された撮像画像と縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段とを備えているので、ステアリング舵角に合わせた車両の予想進路を表示して縦列駐車の案内が可能である。また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ない記憶容量で駐車の動作案内をすることができる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記重畳手段は、オンスクリーンディスプレイコントローラであることを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置に存する。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、重畳手段は、オンスクリーンディスプレイコントローラであるので、従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、前記縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせたパターンであることを特徴とする請求項1または2記載の駐車支援装置に存する。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせたパターンであるので、縦列駐車時に、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、縦列駐車モード時に車両を走行させたとき、車両が縦列駐車のために後退動作を開始する位置に達したことおよび前記切り返し転舵点に達したことを報知する報知手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置に存する。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、縦列駐車モード時に車両を走行させたとき、車両が縦列駐車のために後退動作を開始する位置に達したことおよび切り返し転舵点に達したことを報知する報知手段を、さらに備えているので、駐車の苦手な運転初心者などに、車両の走行停止や操舵のタイミングを教えることができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、前記記憶手段は、さらに、複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納しており、前記重畳手段は、前記車両が前記切り返し転舵点に位置するとき、前記ステアリングの他方向へのフル操舵による前記舵角検出手段からの検出信号に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された並列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、読み出した並列駐車モード用予想軌跡パターンを前記縦列駐車モード用予想軌跡パターンに代えて前記上記撮像手段からの撮像画像に重畳し、前記表示手段は、上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記並列駐車モード用予想軌跡パターンを表示することを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置に存する。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、記憶手段は、さらに、複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納しており、重畳手段は、車両が切り返し転舵点に位置するとき、ステアリングの他方向へのフル操舵による舵角検出手段からの検出信号に応じて、記憶手段に格納されている複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された並列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、読み出した並列駐車モード用予想軌跡パターンを縦列駐車モード用予想軌跡パターンに代えて撮像手段からの撮像画像に重畳し、表示手段は、重畳手段で重畳された撮像画像と並列駐車モード用予想軌跡パターンを表示するので、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、車両の後輪の予想進路軌跡であり、前記記憶手段には、ステアリング舵角の所定角度毎に最大角までそれぞれのステアリング舵角に対応する上記予想進路軌跡からなる所定枚数の予想軌跡パターンが格納されていることを特徴とする請求項5記載の駐車支援装置に存する。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、車両の後輪の予想進路軌跡であり、記憶手段には、ステアリング舵角の所定角度毎に最大角までそれぞれのステアリング舵角に対応する予想進路軌跡からなる所定枚数の予想軌跡パターンが格納されているので、操舵量や操舵のタイミング等の変更に応じた予想軌跡パターンを表示して、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る駐車支援装置の実施の形態を示すブロック図である。同図において、駐車支援装置は、撮像手段としてのカメラ2、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)3、リバース検出センサ4、舵角検出手段としての舵角センサ5、走行センサ6、ヨーレートセンサ7、並列駐車開始スイッチ8、縦列駐車開始スイッチ9、駐車エリア選択スイッチ10、指示部11、重畳手段としてのオンスクリーンディスプレイコントローラ(以下、OSDCという)12、記憶手段としてのメモリ13およびEEPROM14から構成される。
【0021】
カメラ2は、車両後方に取り付けられ、車両後方の撮像画像を、OSDC12に対して出力する。指示部11は、表示手段としてのモニター11a、スピーカ11bおよび報知手段としてのブザー11cを有する。
【0022】
マイコン3には、ギア機構に取り付けられギアがリバースに入ったとき、Hレベルのリバース信号S1を出力するリバース検出センサ4と、車両のステアリング機構に取り付けられ、ステアリングが単位角度回転する毎にパルス信号S2を出力する舵角センサ5と、車両のトランスミッション機構に取り付けられ、車両が単位距離走行する毎にパルス信号S3を出力する走行センサ6と、斜炉湯の重心回りに生じているヨーレートを検出してヨーレート検出信号S4を出力するヨーレートセンサ7と、並列駐車モードを指示する並列駐車開始スイッチ8と、縦列駐車モードを指示する縦列駐車スイッチ9と、駐車エリアを選択する指示を行う駐車エリア選択スイッチ10と、音声メッセージを出力するスピーカ11bと、警報を出力するブザー11cと、OSDC12と、イグニッションスイッチオフ時のステアリング舵角を記憶するEEPROM14とが接続されている。また、マイコン3には、ナビゲーション装置15も接続されている。
【0023】
マイコン3は、制御プログラムに従って動作するCPU3aと、CPU3aの制御プログラム及び車両の最小回転半径Rmin、車両の形状などの車両情報とが予め格納されているROM3bと、舵角センサ5および走行センサ6から出力されるパルス信号S2、S3をカウントするカウントエリアが形成されているなど、CPU3aの演算実行時に必要なデータを一時的に保持するRAM3cとを有している。
【0024】
また、OSDC12は、カメラ2、メモリ13およびモニター11aが接続され、カメラ2からの撮像画像へメモリ13からのパターン画像(後述する)を重ね合わせた(スーパーインポーズした)画像信号をモニター11aに出力する。
【0025】
メモリ13は、ROM等からなり、並列および縦列駐車モード時に使用される文字メッセージと、ステアリング舵角に対応する予想軌跡パターンデータとが予め格納されている。この予想軌跡パターンは、並列駐車モード用と縦列駐車モード用の2種類が格納されている。
【0026】
並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、たとえば、車両の後輪の予想進路軌跡が、ステアリング舵角の所定角度(たとえば、2°)毎に最大角(たとえば、±35°)までそれぞれのステアリング舵角に対応して複数枚格納されている。
【0027】
また、縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置とを組み合わせたパターンが、標準駐車位置を左右方向へ所定の間隔(たとえば、30〜50cm)ずつずらしたものが複数枚(たとえば、左方向へ順次ずらしたものが3枚と右左方向へ順次ずらしたものが3枚)格納されている。
【0028】
次に、上述した構成の駐車支援装置の並列駐車モード時の動作について、図2に示すCPU3aの処理のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
通常、CPU3aは、ナビゲーション装置15によりナビゲーション機能を働かせ、モニター11aおよびスピーカ11bを使用して、出発地から目的地までの経路案内や自車両の現在位置を表示したり音声案内したりしている。
【0030】
そこで、まず並列駐車開始スイッチ8を押すことにより、駐車支援処理が開始され、初期化処理が行われる(ステップS1)。次いで、イグニッションスイッチがオフか否かが判定される(ステップS2)。
【0031】
イグニッションスイッチがオフされていれば(ステップS1のY)、舵角センサ5からのパルス信号S3によりその時点のステアリング舵角をEEPROM14に保存する(ステップS3)。EEPROM14に保存されたステアリング舵角は、イグニッションスイッチオン時に読み出され、ステアリングの状態が確認される。ステップS3に続いて、終了処理が行われ(ステップS4)、次いで、駐車支援処理が終了する。
【0032】
一方、イグニッションスイッチがオフされていなければ(ステップS2のN)、リバース検出センサ4からのリバース信号(パルス信号S1)が有るか否か(換言すれば、ギヤがリバースに入れられたか否か)が判定され(ステップS5)、なければ、ステップS2に戻る。
【0033】
リバース信号(パルス信号S1)が有れば(ステップS5のY)、それに応じて、ナビゲーション機能が停止されると共に、モニター11aの画面がナビゲーション画像からカメラ2のからのカメラ画像の表示に切り換えられる(ステップS6)。次いで、舵角センサ5からのパルス信号S3によりステアリング舵角を読み込み(ステップS7)、次いで、メモリ13を参照して、読み込んだステアリング舵角に対応する並列駐車モード用の予想軌跡パターンをメモリ13から読み出す(ステップS8)。
【0034】
次いで、メモリ13から読み出された予想軌跡パターンが、OSDC12でカメラ2からのカメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に描画される(ステップS9)
【0035】
次いで、リバース検出センサ4からのリバース信号(パルス信号S1)が有るか否か(換言すれば、ギヤがリバースに入れられたか否か)が判定され(ステップS10)、有れば、ステップS5に戻る。
【0036】
一方、リバース信号(パルス信号S1)がなければ(ステップS10のN)、リバースが解除されたことを意味するので、モニター11aの画面を消去し(ステップS11)、次いで、ステップS2に戻る。
【0037】
このように、駐車支援装置の動作が行われるが、次に、並列駐車モード時の動作の具体例について詳述する。
【0038】
並列駐車モードにおいては、図3の並列駐車支援イメージ図に示すように、自車両100が空いている駐車スペースPに並列駐車しようとする場合は、自車両100の後方に取り付けられたカメラ2による後方の撮像画像に、予想進路軌跡101と自車両100の車幅を表す車幅延長線102とからなる並列駐車モード用の予想軌跡パターンが重畳されて、自車両100の運転席の近傍に設置されたモニター11aの画面に表示される。
【0039】
図4は、並列駐車モード時のモニター11aの画面の一例を示し、並列駐車する際の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および車幅延長線102が表示されている。図4(A)は、所定のステアリング舵角を保ったまま、自車両100を後退させる場合を示し、図4(B)は、図4(A)の場合と異なるステアリング舵角を保って自車両100を後退させる場合を示す。
【0040】
図4(A)および(B)から分かるように、ステアリング舵角を変更すると、変更後のステアリング舵角に応じて、曲線の曲がり具合の異なる予想進路軌跡101を有する並列駐車モード用の予想軌跡パターンがメモリ13から読み出されて、モニター11aの画面で表示されるので、運転者は、モニター11aの画面を見ながら、ちょうど空いている駐車スペースに予想進路軌跡101が合うようにステアリングを操舵し、自車両100を後退させることにより、容易に並列駐車することができる。
【0041】
次に、縦列駐車開始スイッチ9を操作することにより開始される縦列駐車モード時の動作の具体例について詳述する。
【0042】
縦列駐車モードにおいては、図5の縦列駐車支援イメージ図に示すように、自車両100が空いている駐車スペースPに縦列駐車しようとする場合は、自車両100は、ステアリングの一方向への最大角操舵による始点c1から切り返し転舵点c2に至る自車両100の第1回転中心d1から回転半径Rmin(ただしRmin=最小回転半径)および旋回角θ1で規定される第1旋回経路L1と、ステアリングの他方向への最大角操舵による切り返し転舵点c2から終点c3に至る第2回転中心d2から回転半径Rminおよび旋回角θ2(=θ1)で規定される第1旋回経路L1の旋回方向とは逆の第2旋回経路L2とから構成される走行経路をたどって駐車スペースPに駐車される。
【0043】
図6〜図8は、縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図であり、以下、これらの図を参照しながら説明する。
【0044】
通常、CPU3aは、ナビゲーション装置15によりナビゲーション機能を働かせ、モニター11aおよびスピーカ11bを使用して、出発地から目的地までの経路案内や自車両の現在位置を表示したり音声案内したりしている。
【0045】
そこで、図6に示すように、自車両100を駐車動作の初期の位置Aに停止させる。これは、運転者が、駐車予定の駐車スペースPの手前に駐車している車両200から所定の距離(たとえば、1メートル)間隔を置いて、駐車スペースPと平行に、かつ自車両100のドアミラー位置を駐車車両200の前端にほぼ合わせた位置Aに、自車両100を停止させることにより行われる。
【0046】
このように初期の位置Aに停止した後、次に、縦列駐車モードへ移行する。これは、運転者が、縦列駐車開始スイッチ9を押下することにより行われる。なお、縦列駐車スイッチ9をもう一度押下すると、縦列駐車モードが解除される。
【0047】
次に、図7に示すように、自車両100を初期の位置Aからまっすぐ前進させると、所定の距離走行した地点(位置B)でブザー11cが駆動されて鳴り、運転者は、このブザー音を聞いて車両を位置Bに停止させる。この位置Bは、縦列駐車のために後述する後退動作を開始するのに最適な位置(すなわち、図5の始点c1に相当する位置)であり、位置Aにおいて縦列駐車開始スイッチ9が押下された後、走行センサ6からのパルス信号S3をカウントすることにより決定される。この位置Bは、たとえば、駐車スペースPの前方の駐車車両201の横にほぼ並んだ位置となる。
【0048】
次に、ギアをリバースに入れると、リバース検出センサ4からリバース信号(パルス信号S1)が出力される。このリバース信号の出力に応じて、CPU3aは、ナビゲーション機能を停止させ、モニター11aの画面をナビゲーション画面からカメラ2からのカメラ画像に切り換えると共に、予め格納されている文字メッセージ「駐車する側にハンドルを切ってください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0049】
次に、車両の左右どちらに転舵するのかが決定される。これは、運転者がステアリングを駐車したい側に切る(1回目の転舵動作)ことにより生じる舵角センサ5のパルス信号S2の検出に基づいて行われる。たとえば、車両の左側にある駐車スペースに駐車したい場合は、運転者は、ステアリングを左にフル操舵する。このとき、舵角センサ5から出力されるパルス信号S2に応じて、左側の駐車スペースに対応する縦列駐車モード用の予想軌跡パターンデータがメモリ13から読み出され、カメラ2のカメラ画像に予想軌跡パターンが重畳されてモニター11aの画面に表示される。同様に、車両の右側にある駐車スペースに駐車したい場合は、運転者は、ステアリングを右にフル操舵する。このとき、舵角センサ5から出力されるパルス信号S2に応じて、右側の駐車スペースに対応する縦列駐車モード用の予想軌跡パターンデータがメモリ13から読み出され、カメラ2のカメラ画像に予想軌跡パターンが重畳されてモニター11aの画面に表示される。
【0050】
図9(A)は、このように自車両100が図7の位置Bに停止している時、モニター11aの画面に表示される、左側の駐車スペースPへ縦列駐車する場合の縦列駐車モード用の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104を表している。この図9(A)は、自車両100が駐車スペースP内にうまく駐車できる場合を示している。
【0051】
一方、図9(B)に示すように、自車両100が図5の位置Bに停止している時、モニター11aの画面に表示される自車両100の駐車標準位置が駐車スペースP内から一部はみ出している場合(これは、初期位置Aの位置ズレ等により発生する)には、駐車エリア選択スイッチ10の操作により位置調整を行うことができる。
【0052】
すなわち、運転者が駐車エリア選択スイッチ10を押下するたびに、標準駐車位置を左右に所定間隔(たとえば、30〜50センチメートル)ずつずらした駐車位置候補を含む予想軌跡パターンデータがメモリ13から順次読み出され、カメラ2のカメラ画像に順次切り換え重畳されてモニター11aの画面に表示される。それに基づき、運転者は、最適な駐車位置候補を示す予想軌跡パターンを選択し、最適な駐車位置候補が表示された時点で、駐車エリア選択スイッチ10の押下を止める。
【0053】
なお、標準駐車位置を左右に所定間隔(たとえば、30〜50センチメートル)ずつずらした駐車位置候補の位置は、旋回角θ1およびθ2をそれぞれ異なる値の組み合わせにすることにより、予め設定することができる。
【0054】
このように、図9(B)の場合には、駐車エリア選択スイッチ10を押すことにより、予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104を左右方向にずらすことができるので、自車両100が駐車スペースP内にうまく駐車する、点線で表す予想進路軌跡101′および駐車位置候補104′となるように設定することができる。
【0055】
次に、車両の後退を開始させる。このとき、予め格納されている文字メッセージ「周囲に注意して、後退してください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0056】
次に、図7に示すように、ステアリングをフル操舵して車両を位置Bから後退させると、所定の距離走行した地点(位置C)でブザー11cが駆動されて鳴り、運転者は、このブザー音を聞いて車両を位置Cに停止させる。この位置Cは、縦列駐車のために2回目の転舵動作を行うのに最適な位置(すなわち、図5で示した切り返し転舵点c2に相当する位置)であり、位置Bにおいてリバースギアが入れられた後、走行センサ6からのパルス信号S3をカウントすることにより決定される。また、ブザー音に合わせて、モニター11aの画面には、予め格納されている文字メッセージ「停止して転舵してください。」がメモリ13から読み出されて、カメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0057】
次に、位置Cにおいて車両の転舵を行う。これは、運転者が、ステアリングを逆方向にフル操舵することにより行われる。このフル操舵に基づく舵角センサ5からの最大角を示すパルス信号S2に対応する並列駐車用の予想軌跡パターンが、メモリ13から読み出され、図9に示す縦列駐車モード用の予想軌跡パターンの予想進路軌跡101および駐車標準位置104に代えて、予想進路軌跡101と車幅延長線102がカメラ画像に重畳され、モニター11aの画面に表示される。
【0058】
図10は、縦列駐車モード時の位置Cにおけるモニター11aの画面の一例を示し、縦列駐車しようとする駐車スペースに向かう予想進路軌跡101と車幅延長線102が表示されている。
【0059】
次に、運転者は、フル操舵が保たれていることを確認し、続いて、モニター11aの画面の表示を確認する。モニター11aの画面において、進路予想軌跡101が駐車スペースPに合っている場合、後退を開始する。このとき、モニター11aの画面には、「周囲に注意して、後退してください。」という表示が重畳される。なお、進路予想軌跡101が駐車スペースPに合っていない場合は、ステアリングの操舵をフル操舵以外の舵角になるように調整して、進路予想軌跡101を駐車スペースPに合わせることができる。
【0060】
次に、図8に示すように、車両を位置Dで停止させる。この位置Dは、車両が駐車スペースに対して平行になった位置であり、車幅延長線102が路肩と平行になるまで運転者が自車両100を後退させ、運転者が平行になったことを確認して、ステアリングをまっすぐに戻し、車両を停止させる。
【0061】
最後に、リバースギアを解除することにより、縦列駐車モードが解除される。
【0062】
このように、本発明によれば、ステアリング舵角に合わせた予想進路を表示するだけでなく、各種センサにより車両角度がわかることにより、並列および縦列駐車案内が可能である。従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0063】
また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ないROM容量で駐車の動作案内をすることができる。また、並列駐車モードおよび縦列駐車モードに必要な予想軌跡パターンを1つのROMに格納しているので、他車種への適用時にデータ書き換え動作が簡単である。
【0064】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0065】
たとえば、上述の実施の形態では、切り返し転舵点の位置(位置C)をブザー音で知らせているが、これに代えてまたはブザー音に加えて、距離バーをモニター11aの画面に重畳表示し、位置Bにおいてフルになっていた距離バーが位置Cにおいてゼロになったことを視認した時点で車両を停止させることにより、車両を位置Cに停止させるように構成しても良い。
【0066】
また、上述の実施の形態では、位置Bにおける車両の左右どちらに転舵するのかの決定を、舵角センサ5のパルス信号S2の検出に基づいて行っているが、これに代えて内外車輪の回転差を回転センサ(図示しない)で検出することにより行っても良く、または左右決定スイッチ(図示しない)の操作により行っても良い。
【0067】
また、他の実施例として、所定舵角指示機能(ステアリング舵角が予定よりずれた場合に警報する機能)を追加しても良い。すなわち、縦列駐車モード時、ステアリングの実舵角が指示されている舵角よりずれた場合に、ブザー11cのブザー音で運転者に警報すると共に、モニター11aの画面に、注意を促す文字メッセージを表示しても良い。
【0068】
また、他の実施例として、走行経路逸脱判定機能を追加しても良い。すなわち、縦列駐車案内時に、ステアリング舵角のずれがなく予定停止位置を行き過ぎた場合は、戻るような案内をブザー11cのブザー音で知らせると共に、動作を変更するよう促す文字や絵をモニター11aに表示する。また、予定の経路を大きく外れた場合は、駐車動作のやり直しを指示することができる。
【0069】
また、他の実施例として、図11(A)に示すように、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、自車両100の内側を表す内側線105および後端を表す後端線106の組み合わせとしても良い。
【0070】
また、さらに他の実施例として、図11(B)に示すように、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、自車両100の内側線105および後端線106と、2回目の転舵動作時の自車両100の前端外縁線107との組み合わせとしても良い。
【0071】
また、さらに他の実施例として、縦列駐車用の予想軌跡パターンを、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせた上記以外の組み合わせパターンとしても良い。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ステアリング舵角に合わせた車両の予想進路を表示して縦列駐車の案内が可能である。また、駐車動作のパターンは無数にあるが、駐車スペースへの走行経路の予想軌跡パターンを限定することにより、少ない記憶容量で駐車の動作案内をすることができる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、従来装置のようなグラフィックコントローラを使用しないため、安価に製作することが可能である。そのため、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる駐車支援装置を安価に提供することができる。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、縦列駐車時に、駐車の苦手な運転初心者などに、操舵量や操舵のタイミングを教えることができる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、駐車の苦手な運転初心者などに、車両の走行停止や操舵のタイミングを教えることができる。
【0076】
請求項5記載の発明によれば、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【0077】
請求項6記載の発明によれば、操舵量や操舵のタイミング等の変更に応じた予想軌跡パターンを表示して、車両を容易に駐車スペースに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駐車支援装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の駐車支援装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】並列駐車モード時の駐車支援イメージ図である。
【図4】(A)および(B)は、並列駐車モード時のモニターの画面の一例を示す。
【図5】縦列駐車モード時の駐車支援イメージ図である。
【図6】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図7】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図8】縦列駐車モード時の具体的な駐車支援動作を説明する図である。
【図9】(A)および(B)は、縦列駐車モード時の位置Bにおけるモニターの画面の一例を示す図である。
【図10】縦列駐車モード時の位置Cにおけるモニターの画面の一例を示す図である。
【図11】(A)および(B)は、縦列駐車モード用予想軌跡パターンの変形例を示す図である。
【符号の説明】
2 カメラ(撮像手段)
3 マイクロコンピュータ
4 リバース検出センサ
5 舵角センサ(舵角検出手段)
6 走行センサ
7 ヨーレートセンサ
8 並列駐車開始スイッチ
9 縦列駐車開始スイッチ
10 駐車エリア選択スイッチ
11 指示部
11a モニター(表示手段)
11b スピーカ
11c ブザー(報知手段)
12 オンスクリーンディスプレイコントローラ(OSDC)(重畳手段)
13 メモリ(記憶手段)
14 EEPROM
Claims (6)
- 車両に搭載され、駐車スペース周辺の撮像画像を出力する撮像手段と、
ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、
複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納した記憶手段と、
駐車エリア選択手段と、
上記駐車エリア選択手段の選択操作に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる縦列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された縦列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、上記撮像手段からの撮像画像に重畳する重畳手段と、
上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記縦列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする駐車支援装置。 - 前記重畳手段は、オンスクリーンディスプレイコントローラである
ことを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置。 - 前記縦列駐車モード用の予想軌跡パターンは、ステアリングの一方向への最大角操舵、切り返し転舵点およびステアリングの他方向への最大角操舵の組み合わせによる車両の後輪の予想進路軌跡と、予想進路軌跡の終点における車両の停止位置およびサイズを表す標準駐車位置と、車両の停止位置における車両の後端を表す後端線と、前端を表す前端線と、内側を表す内側線と、外側を表す外側線とのうちのいずれか2つ以上を組み合わせたパターンである
ことを特徴とする請求項1または2記載の駐車支援装置。 - 縦列駐車モード時に車両を走行させたとき、車両が縦列駐車のために後退動作を開始する位置に達したことおよび前記切り返し転舵点に達したことを報知する報知手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置。
- 前記記憶手段は、さらに、複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンを予め格納しており、
前記重畳手段は、前記車両が前記切り返し転舵点に位置するとき、前記ステアリングの他方向へのフル操舵による前記舵角検出手段からの検出信号に応じて、上記記憶手段に格納されている上記複数の異なる並列駐車モード用予想軌跡パターンの中から選択された並列駐車モード用予想軌跡パターンを読出して、読み出した並列駐車モード用予想軌跡パターンを前記縦列駐車モード用予想軌跡パターンに代えて前記上記撮像手段からの撮像画像に重畳し、
前記表示手段は、上記重畳手段で重畳された上記撮像画像と上記並列駐車モード用予想軌跡パターンを表示する
ことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置。 - 前記並列駐車モード用の予想軌跡パターンは、車両の後輪の予想進路軌跡であり、前記記憶手段には、ステアリング舵角の所定角度毎に最大角までそれぞれのステアリング舵角に対応する上記予想進路軌跡からなる所定枚数の予想軌跡パターンが格納されている
ことを特徴とする請求項5記載の駐車支援装置。
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