JPWO2010137661A1 - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

3つ以上の波長の光波を合波して出射する光源装置において、半導体基板上に光学系要素と電気系要素とを形成することによって、光コネクタ等の光学部材を不要とし、これらの光学部材に要するスペースを省いて配置間隔を縮め、また、電気回路の配線に要するスペースを縮小して、光学系要素および電気系要素の各要素の集積度を高める。同じ半導体基板上に光学系要素と電気的要素とを層状に形成することで、光学系要素と電気的要素とをそれぞれ併設させる構成が必要とする面積よりも小さくすることができる。

Description

本発明は、例えば小型プロジェクタに適する光源装置に関する。
R波長域、G波長域、およびB波長域の光をスクリーン上に投影してカラー画像を表示するプロジェクタにおいて、カラー画像を形成するには各波長域の光を一点に投射する必要がある。各波長域の光を一点に投射する構成として、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムズ)を用いたミラー機構によって各波長域の光を走査するものが知られている。
この構成は、水平方向に整合された各波長域の光をミラーによって走査する際に、各波長域の光が投射されるタイミングの時間がずれるという問題や、各波長域の走査角範囲が異なるという問題がある。
この問題を解決する先行技術として、特許文献1が知られている。特許文献1には、Xキューブと呼ばれる4体の直角プリズムを組み合わせて成るビーム結合器や、このXキューブが有する課題を解決した3つの光学部分からなるビーム結合器等のダイクロイックプリズムを用いてRGBの光波を合波することが開示されている。また、通常使用されているプロジェクタではクロスプリズムを用いてRGBの光波を合波することが知られている。
また、半導体レーザから出射されるレーザビームをプリズムを用いて合波する技術は、例えば特許文献2,3で知られている。
また、光通信において方向性結合器を用いて光合分波を行う装置として、例えば特許文献4、5が提案されている。特許文献4、5には導波路によって方向性結合器を構成し、2波長を合波または分波する点が開示されている。
特表2007−534987号公報(段落0002〜0005、0017〜0022) 特開平9−109353号公報(段落0028) 特開平11−64793号(段落0014) 特開平11−6931号(段落0027,0028) 特開2000−9952号(段落0053〜0057) 特公昭56−27846号(第2欄) 特開2008−261942号(段落0045,0046)
前記したように、ダイナクロイックプリズムやクロスプリズムを用いた空間光学系の合波器は、RGBの各発光素子について3次元のアライメントが必要であり、このアライメントを行う調芯工程が複雑となるという問題がある。また、各ビームを低損失で結合するためにレンズ等の光学素子が必要となり、部品点数が増加するという問題もある。
光通信の分野では、プリズムを用いた空間光学系の合波器に代えて方向性結合器を用いることが知られており、この方向性結合器をプロジェクタに適用することによって、アライメントのための調芯工程や、部品点数の増加といった問題を解決することが期待される。
しかしながら、特許文献4,5に示される方向性結合器は2波長を合波または分波するものであって、プロジェクタに必要となる少なくともフルカラー表示に必要な広範な波長範囲における3つの特定波長の合成法について具体的な記述はない。
一方、特許文献6には、3つのポートの1つから入射させた複数の中心波長を持つ光波のうちの特定の中心波長を持つ光波のみを選択して他の1つのピッチコンバータに取り出し残りの光波を他のもう一つのポートから取り出す方向性結合器形分波器が提案されている。
しかしながら、この方向性結合器形分波器は、N個の方向性結合器による波長選択性と、N−1個のY字型光分岐回路による光パワーの結合を利用する構成であるため、方向性結合器の他にY字型光分岐回路が必要となり、構成が複雑となり、部品点数が増加するという問題がある。
また、上記したような課題を解決する一般的な構成として、発光素子や方向性結合器などの光学素子を配置する構成が考えられるが、このように各光学素子を配置して実際の光源装置を形成するには、発光素子と方向性結合器との間を光学的に接続するために、光ファイバ等の導光体やこれらを光学的の接続する光コネクタが必要となる。そのため、光接続用の部材やスペースが必要となり、依然として、部品点数の増加や大型化といった問題が生じることになる。
また、複数の光源から出力された光を合波して出力する光合波手段を備えた光源装置が提案されている。この光合波手段は、所定区間において二つの光導波路を近接させることによって光を合波させる構成が示されている(例えば、特許文献7参照)。
この光合波路を備えた光源装置は、光源と光合波手段を素子搭載面上に集積することによって光学系を小型化することができるが、半導体レーザ素子や受光素子等の電気系の素子については、サブマウントや載置部材上に載置すると共にワイヤによって電気的な接続を行う構成である。このような構成は、光源装置および光源装置を備えたプロジェクタ装置を小型化する上の阻害要因となり、光学系を小型化、集積化した効果が十分に生かせないという問題がある。
そこで本発明は、上記した課題を解決して、3つ以上の波長の光波を合波して出射する光源装置において、光学系要素および電気系要素の集積度を高めることを目的とし、小型化することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、半導体基板上に光学系要素と電気系要素とを形成することによって、光コネクタ等の光学部材を不要とし、これらの光学部材に要するスペースを省いて配置間隔を縮め、また、電気回路の配線に要するスペースを縮小して、光学系要素および電気系要素の各要素の集積度を高める。
さらに、それぞれ別配置した光学系要素と電気系要素とを連結する構成では、光学系要素と電気系要素とをそれぞれ配置するスペースの他に、光学系要素と電気系要素とを連結する連結スペースが必要であり、また、この連結スペースを跨いで光学系要素と電気系要素とを電気的に接続する配線が必要である。これに対して、本発明は、同じ半導体基板上に光学系要素と電気系要素とを形成することによって、光学系要素と電気系要素とを連結するための連結スペースを不要とすることができ、半導体基板に配線も形成することができるため、連結スペースを跨いで光学系要素と電気系要素とを電気的に接続する配線についても不要とすることができる。
本発明は、半導体基板上に光学系要素と電気的要素とを形成するものであり、光学系要素については、半導体基板上に、発光素子の発光を合波する多波長合波器、発光素子と多波長合波器との間を光学的に接続する導波路を形成し、これによって光コネクタ等の光学部材を不要とすると共にこれら光学部材に要するスペースを省いて配置間隔を縮めることができる。また、電気的要素については、半導体基板上に、発光素子や発光量を検出する検出器、制御部等を電気的に接続する配線を形成し、これによって外部配線を設けることなく電気的接続を行うことができる。
また、同じ半導体基板上に光学系要素と電気的要素とを層状に形成することで、光学系要素と電気的要素とをそれぞれ併設させる構成が必要とする面積も小さくすることができる。
本発明の光源装置は、配線が形成された半導体基板と、半導体基板上に形成され、配線を外部と電気的に接続する電極端子と、半導体基板上に実装されるとともに配線と接続した、波長を異にする複数のレーザ素子と、半導体基板上に形成され、各レーザ素子が発光する光波を導波する複数の導波路と、半導体基板上に形成され、導波路型方向性結合器を有し、各導波路で導波される光波を合波する多波長合波器とを備える。
半導体基板を光学要素基板として導波路と多波長合波器とを形成し、また、半導体基板を電気要素基板として配線を形成し、さらに、この半導体基板上に発光素子、検出器、制御部等を実装して、これによって半導体基板上に発光素子、検出器、制御部、および導波路、多波長合波器を配置する。また、半導体基板内に検出器や制御部の電気回路を形成する構成とするとしてもよい。半導体基板は、例えば、シリコンを用いることができる。
さらに、半導体基板上において、発光素子を導波路の一方の端部に対向して配置することによって、光コネクタを要することなく発光素子で発光した光波を導波路に導く。光学要素基板としての半導体基板上において、導波路と多波長合波器とを光軸合わせを行った状態で形成することができるため、発光素子から導波路に導入された光波を、光コネクタを用いることなく多波長合波器に導入することができる。多波長合波器は、導波路を介して導入された波長を異にする複数の光波を合波して出射する。
本発明は、発光素子と導波路と多波長合波器とを共通の半導体基板上に配置する構成とすることによって、光コネクタ等の光学部材を不要として部品点数を少なくすることができ、これら光学部材に要するスペースを省くことによって配置間隔を縮めて光源装置を小型化することができる。
本発明の光源装置が備える多波長合波器において、導波路型方向性結合器のピッチ間隔は発光素子のピッチ間隔と異なる。通常、発光素子はレーザ素子等の、導波路とは別の半導体の発光素子で形成しているため、発光素子のピッチ間隔は導波路型方向性結合器のピッチ間隔よりも広くなる。また、各波長の発光素子を単体の素子で構成する場合には、各発光素子を半導体基板上に実装するため、所定の配置間隔を開けて配置する必要がある。
そのため、発光素子のピッチ間隔を導波路型方向性結合器のピッチ間隔に整合させる必要がある。発光素子のピッチ間隔を導波路型方向性結合器のピッチ間隔に合わせるには、通常、発光素子と導波路型方向性結合器との間にこれらを光学的に接続する導波路を設け、この導波路を湾曲させることによってピッチ間隔を徐々に狭める。導波路を湾曲させる曲率半径は、光のもれ等を考慮すると制限されるため、ピッチ間隔を整合させるために、発光素子と導波路型方向性結合器との間は、所定距離を開ける必要がある。この発光素子と導波路型方向性結合器との距離は、光源装置を大型化する要因となる。
そこで、本発明の光源装置は、ピッチコンバータを設けることによって、発光素子のピッチ間隔を導波路型方向性結合器のピッチ間隔に整合させることができる。ピッチコンバータは、発光素子のピッチ間隔を導波路型方向性結合器のピッチ間隔に整合させる光学素子である。発光素子と導波路型方向性結合器との間にピッチコンバータを設けることによって、発光素子と導波路型方向性結合器との間の距離を短縮して、光源装置をさらに小型化することができる。
ピッチコンバータをSHG波長変換素子と同じ異方性媒質によって、光学要素基板としても半導体基板上に導波路および導波路型方向性結合器と共に形成することで、結合箇所を減らし多波長合波器を小型化することができる。
ピッチコンバータは、光軸方向を曲げるベンド素子によって構成できるが、特に光軸方向を90°変更する全反射ミラーによって構成する90°ベンドコンバータを用いることによって、多波長合波器の長さを短縮する構成とすることができる。90°ベンドコンバータは導波路の向きを90°変更する。
90°ベンドコンバータは異方性媒質を用いた全反射ミラーによっても構成することができる。全反射ミラーの入射波に対する反射面の角度は、入射波の波長に対する異方性媒質が有する2つの屈折率をパラメータとして定める。
例えば、反射角を90°とするときの全反射ミラーの反射面の角度θは、異方性媒質の屈折率をno、neとするとき、
e 2+no 2−sin2θ(no 2−ne 2)−2no 2tanθ=0
の式によって求められる。
この異方性媒質の屈折率no、neをパラメータとして反射面の角度θを求めることによって、入射波の光軸と出射波の光軸を90°とすることができる。
本発明の光源装置の構成によれば、光源装置のサイズを大型化させることなく、光源装置が備える構成要素を配置することができ、実装部品を実装させることができる。ここで、実装部品としては、発光素子としてのレーザ素子、発光素子の発光を制御する制御部、半導体基板に形成した配線を外部と電気的に接続する電極端子がある。
本発明の光源装置の半導体基板の形状を四角形状とし、四角形状の一辺側に複数の発光素子を実装し、発光素子を実装した辺と直角をなす他辺側に、多波長合波器で合波した光を出射する出射端を設ける。
四角形状の各辺の長さは、ほぼ導波路型方向性結合器のサイズに基づいて定まる。したがって、発光素子および出射端を四角形状の直交関係を有する2辺にそれぞれ設けることによって、実装する発光素子や出射端によるサイズの拡大を抑制することができる。
また、発光素子と出射端とを四角形状の異なる辺に設けることによって実装位置を分散させ、これによって2つの実装部品が同一の実装位置となることによる実装面積の拡大を抑制することができる。
また、本発明の光源装置は、複数の発光素子の発光を制御する制御部と、半導体基板に形成した配線を外部と電気的に接続する電極端子とを備え、制御部を発光素子が実装される半導体基板の一辺側に実装し、電極端子を発光素子が実装される半導体基板の他辺側に形成する。
制御部は、発光素子を駆動する駆動回路およびこの駆動回路が供給する電流を制御する制御回路を含む構成とすることができ、IC回路によって構成することができる。制御部は、半導体基板上に実装する他に、半導体基板内に集積回路形成工程(IC工程)で形成してもよい。
制御部および電極端子についても、前記した発光素子や出射端と同様に、四角形状の直交関係を有する2辺にそれぞれ設けることによって、制御部や電極端子によるサイズの拡大を抑制することができる。
本発明の多波長合波器は、2つの入射波を合波する導波路型方向性結合器を多段に接続する。各段の導波路型方向性結合器は、波長を異にする複数の入射波を段階的に合波し、最終段の導波路型方向性結合器は、前段の各段の導波路型方向性結合器で合波した複数の入射波を合波する多波長合波器を構成する。
本発明の多波長合波器は、導波路型方向性結合器を単に多段接続するという簡易な構成とし、各段の導波路型方向性結合器によって波長の異なる光波を順次結合していくことによって複数の入射波を段階的に合波する。この構成によれば、プリズム等の空間光学系の素子を用いることなく複数の波長の異なる光波を合波することができ、部品点数の増加を抑制し、小型化することが可能となる。
本発明の多波長合波器が備える導波路型方向性結合器は、合波する波長について波長選択性をそれぞれ有する。本発明の多波長合波器の各段の導波路型方向性結合器は、各段の波長選択性によって各段で合波する光波の波長を異ならせ、これら各段で選択して合波する波長を組み合わせ、段階的に合波していくことによって、複数の異なる波長の光波の合波を可能とする。
ここで、導波路型方向性結合器は、並列配置した2本の導波路で構成する。導波路型方向性結合器の波長選択性は、並列配置する2本の導波路を平行して近接させる結合長に基づいて定まる。
導波路型方向性結合器の結合長は、通常、導波路の0次モードと1次モードの伝搬定数、および波長をパラメータとして定まる。2本の導波路が近接する長さが結合長であるとき、一方の導波路の光波は他方の導波路に移行し、近接する長さが結合長からずれると導波路間での光波の移行は行われない。
本発明は、導波路型方向性結合器の光波の移行において、導波路間の光波の移行状態は結合長の長さに依存して周期的に変動するという結合長の周期性、およびこの結合長の周期性は波長によって異なるという波長依存性を利用するものであり、この結合長の周期性と波長依存性とを組み合わせることで、導波路型方向性結合器に波長選択性を持たせ、この波長選択性を利用して、多段に構成した導波路型方向性結合器によって段階的に複数の異なる波長の光波を合波する。
本発明は、導波路型方向性結合器の結合長の周期性と波長依存性とによって、各波長が有する複数の結合長の組合せの中に結合長の長さが同じとなる部分があることを見出し、導波路型方向性結合器の結合長をこの長さとすることによって、複数の異なる波長の光波を合波するものである。
1つの導波路型方向性結合器によって異なる波長の複数の光波を合波するには、合波器する光波に適した結合長を選択する必要がある。従来提案される導波路型方向性結合器は、通常1つの波長の光波を導波路間で移行して合波を行う構成であるため、移行する波長に対応した結合長を選択している。このように1つの波長にのみ対応した結合長によって複数の異なる波長の光波を合波しようとする場合には、共通する結合長に対応しない波長の光波を合波させることができない。
そのため、導波路型方向性結合器を単に従属接続する構成では、後段の導波路型方向性結合器において、前段の導波路型方向性結合器で合波した光波にさらに別の波長の光波を合波させようとする際、前段で合波した波長成分は他の導波路に分岐され、複数の波長を合波させることができない。
本発明の導波路型方向性結合器は、各段で合波する複数の波長の周期において、結合長が同じ長さとなる組み合わせを選択することによって、複数の波長を合波させることができる。この導波路型方向性結合器による波長の合波を複数段で行うことによって、所望とする複数波長について合波することができる。
本発明の導波路型方向性結合器の一構成は、2本の導波路を配設し、結合長の長さに亘って平行に近接して成り、2つの入力ポートから波長を異にする少なくとも2つの複数の入射波を入射し、これらの複数の入射波の内から波長選択性によって選択される複数の入射波を合波し、合波した光波を1つの出力ポートから出射する。残りの出力ポートからは、合波されなかった波長の光波が出射される。
本発明の導波路型方向性結合器は、合波する光波を可視光域波長の可視光とすることができ、この導波路型方向性結合器を備えた多波長合波器は、合波した可視光をプロジェクタのスクリーン上に投射して表示させることができる。
この導波路型方向性結合器において、入射波は異なる可視光域波長の可視光であり、可視光はR波長成分、G波長成分、およびB波長成分を含む。このR波長成分、G波長成分、およびB波長成分を合波する場合には、多段の導波路型方向性結合器は2段で形成し、第1段の導波路型方向性結合器は3つの波長成分から選択した2つの波長成分を合波し、第2段の導波路型方向性結合器は第1の導波路型方向性結合器で合波した光波と残余の1つの波長成分の光波とを合波する。この構成によって、第2段の導波路型方向性結合器の出力ポートからは、R波長成分、G波長成分、およびB波長成分の3波長成分を合波した光波が出射される。
ここで、可視光は、半導体レーザ又は第2次高調波発生レーザ(SHGレーザ)の発光素子から発することができる。例えば、可視光のR波長成分およびB波長成分は、半導体レーザの発光素子から発し、G波長成分は第2次高調波発生レーザ(SHGレーザ)の発光素子から発することができる。
本発明の導波路は、半導体基板上に形成した光導波性材料からなる膜のパターニングにより形成する。光導波性材料は、シリコン窒化膜、ゲルマニウムをドープしたシリコン酸化膜、樹脂膜等を用いることができる。シリコン窒化膜やゲルマニウムをドープしたシリコン酸化膜のパターニングはプラズマを用いたドライエッチングによって行うことができる。樹脂膜のパターニングは、UV感光性樹脂の場合にはUV光の露光によって行うことができ、UV非感光性樹脂の場合にはO2プラズマ処理によって行うことができ、また、熱硬化樹脂やUV硬化樹脂に対してモールドを押し付けて行うナノインプリント技術によっても行うことができる。
導波路は単独での導波モードを単一モードとし、複数の態様で形成することができる。
導波路の第1の態様は、光学要素基板を構成する半導体基板上の薄膜によりコアを形成してなる平面型導波路であり、導波路型方向性結合器は2本のコアを結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させて形成することができる。
導波路の第2の態様は、光学要素基板を構成する半導体基板上にリッジ部を形成してなるリッジ型導波路であり、導波路型方向性結合器は2本のリッジ部を結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させて形成することができる。
導波路の第3の態様は、光学要素基板を構成する半導体基板上に固定した光ファイバであり、2本の光ファイバのコアを結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させて形成することができる。
本発明は、上記した多波長合波器と各波長域の入射波を発生する複数の発光素子とを同一の半導体基板上に形成して光源装置を構成することができる。
光源装置は、多段接続される複数の導波路型方向性結合器の内、最終段の導波路型方向性結合器を除く導波路型方向性結合器の合波出力する出力ポート以外の出力ポートの出射波の光強度を検出する検出器と、初段の導波路型方向性結合器において結合される入射波の光強度を検出する検出器と、発光素子が発生する入射波の強度を制御する制御部とを備える構成とすることができる。
制御部は、各検出器で検出される光強度を帰還して発光素子を制御し、出射される光量を一定に保持することができる。
また、光源装置において、R波長域、G波長域、およびB波長域の各波長域の入射波を発生する複数の発光素子を同一の半導体基板上に備えることでRGBの光源装置を構成することができる。
このRGB光源装置において、R波長域の入射波を検出する第1の検出器と、第1段の導波路型方向性結合器の漏れ出力の光強度を検出する第2の検出器と、第2段の導波路型方向性結合器の漏れ出力の光強度を検出する第3の検出器と、発光素子が発生する入射波の強度を制御する制御部とを備える構成とすることができる。制御部は、各検出器で検出される光強度を帰還して発光素子を制御する。
本発明の導波路型方向性結合器によれば、光学要素基板を構成する半導体基板上に形成した導波路や光ファイバによって一体で方向性結合器を形成することができる。
また、本発明の導波路型方向性結合器によれば、結合長の周期性に基づいて各導波路型方向性結合器で結合する合波の組み合わせを適宜選択することによって、多波長合波器の全長を短くすることができる。
本発明の光源装置によれば、多波長合波器の長さを短縮することによって全長を短くすることができる。また、発光素子と導波路型方向性結合器との間に90°ベンドコンバータを設けることによって、光源装置の全長を短くすることができる。
本発明の半導体基板に形成する配線は、半導体基板上に形成した金属膜をパターニングすることで形成することができる。また、金属膜のパターニングにより配線とともに接合部を形成する。この接合部にはレーザ素子が接合される。金属膜はAuからなる膜とすることができる。
本発明によれば、複数の波長の光波を合波して出射する光源装置において、光学系要素および電気系要素の集積度を高めることができ、小型化することができる。
典型的な導波路型の方向性結合器の概念図とその動作原理を示す図である。 1つの光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を説明するための図である。 波長λ1の光波に波長λ2の光波を結合する場合を説明するための図である。 波長λ2の光波に波長λ1の光波を結合する場合を説明するための図である。 波長λ3の光波に波長λ1と波長λ2との合波を結合する場合を説明するための図である。 波長λ1と波長λ2との合波に、波長λ3の光波を結合する場合を説明するための図である。 本発明の3本の導波路に対して2つの導波路型方向性結合器を2段で接続する例を説明するための図である。 本発明の3本の導波路に対して2つの導波路型方向性結合器を2段で接続する例の合波状態を説明するための図である。 本発明の3本の導波路に対して2つの導波路型方向性結合器を2段で接続する別の例を説明するための図である。 本発明の複数の導波路型方向性結合器を接続する構成例を説明するための概略図である。 本発明の4つの異なる波長の光波を結合して合波を形成する構成例を説明するための概略図である。 本発明の4つの異なる波長の光波を結合して合波を形成する構成例を説明するための概略図である。 本発明の4つの異なる波長の光波を結合して合波を形成する構成例を説明するための概略図である。 本発明の多波長合波器の構成例を説明するための図である。 本発明の多波長合波器の構成例を説明するための図である。 本発明の光源装置の構成例を説明するための図である。 本発明の光源装置の一実施例を説明するための図である。 本発明の光源装置の他の一実施例を説明するための図である。 本発明の光源装置の他の一実施例を説明するための図である。 本発明の光源装置の他の一実施例を説明するための図である。 本発明の光源装置の他の一実施例を説明するための図である。 本発明の光源装置のピッチコンバータの効果を説明するための図である。 本発明の光源装置のピッチコンバータの効果を説明するための図である。 本発明の導波路の導波路パラメータとy偏光の基本モードの光強度分布を示す図である。 本発明の導波路の実効屈折率特性を示す図である。 本発明の導波路型方向性結合器の形状の一例を示す図である。 本発明の導波路型方向性結合器の挿入損失を示す図である。 本発明の他の構成の導波路の導波路パラメータとy偏光の基本モードの光強度分布を示す図である。 導波路の波長分散特性を示す図である。 導波路の合波に必要な結合長を示す図である。 本発明の異方性媒質を用いた全反射ミラーの概略図である。 本発明の異方性媒質を用いた全反射ミラーのパラメータの関係を示す図である。 出射角θ2の算出を説明するための図である。 RGBの各波長での反射角を説明するための図である。 出射角θ2の算出を説明するための図である。 RGBの各波長での反射角を説明するための図である。 本発明の90°ベンド導波路の構造とFDTD法による解析例を示す図である。 本発明の90°ベンド導波路のモデルを説明するための図である。 x−z面で見たEx成分の基本モードを示す図である。 x−y面で見たEx成分の基本モードを示す図である。 本発明の90°ベンド導波路の別の構成例を説明するための図である。 本発明の90°ベンド導波路の別の構成例を説明するための図である。 本発明の90°ベンド導波路の別の構成例を説明するための図である。 窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成を説明するためのフローチャートである。 窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成を説明するための概略図である。 UV感光樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートである。 UV感光樹脂材による光導波路の形成を説明するための概略図である。 UV非感光樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートである。 UV非感光樹脂材による光導波路の形成を説明するための概略図である。 UV硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートである。 熱硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートである。 UV硬化樹脂材又は熱硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するための概略図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を後工程で実装するプロセスの手順を説明するためのフローチャートである。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を後工程で実装するプロセスの手順を説明するための概略図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を後工程で実装するプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を後工程で実装するプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を後工程で実装するプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの手順を説明するためのフローチャートである。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの手順を説明するための概略図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの各手順における構成図である。 光学系要素と電気的要素の形成において検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセスの各手順における構成図である。 SBGの配置を説明するための図である。 本発明の光源装置を用いたプロジェクタを説明するための図である。
1 多波長合波器
2 導波路型方向性結合器
2A,2B,2C 導波路型方向性結合器
2a,2b 導波路型方向性結合器
3 ピッチコンバータ
3A,3B,3C ピッチコンバータ
4 レーザ素子
4a 青色発光素子
4b 赤色発光素子
4c 緑色発光素子
5,5a,5b,5c,5n 検出器
6,6A,6B 制御部
7 光導波路
8 光学要素基板
9 配線基板
10,10A,10B,10C,10D,10E 光源装置
11A,11B,11C 90°ベンド導波路
11a 導波路
11b ミラー部分
11c ミラー裏面
11d アンダークラッド表面
11e リッジ下部断面
12 導波路
20 プロジェクタ
21 コントローラ
22 光源装置
23 偏向装置
24 投影レンズ
31 画像信号
32 制御信号
33 制御信号
34 光束
35 偏向光束
100 基板
101 SiO2
102 SiN膜
103 レジスト膜
105 ナノプリント用モールド
106 Au膜
107 レジスト膜
108 集積回路部
109 保護膜
110 感光樹脂材
111 非感光樹脂材
112 硬化樹脂材
113 熱硬化樹脂材
122 ビアホール
200 クラッド
201 アンダークラッド
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
以下、はじめに、図1〜図6を用いて本発明の導波路型方向性結合器における結合長および波長選択性について説明し、図7〜図13を用いて本発明の導波路型方向性結合器の多段接続について説明し、図14〜16を用いて本発明の多波長合波器およびRGB光源装置の構成について説明し、図17〜図64を用いて本発明の多波長合波器の各構成の実施例について説明し、図65を用いて光源装置を用いたプロジェクタの構成例について説明する。
はじめに、本発明の導波路型方向性結合器における結合長および波長選択性について図1〜図6を用いて説明する。
図1は、典型的な導波路型の方向性結合器の概念図とその動作原理を示す図であり、図1(a)は導波路型方向性結合器の全体の概略構成を示し、図1(b)は結合長部分における動作原理を示している。
2本の光導波路(図中のWaveguideI、Waveguide II)は、等価な構造として図1に示す区間の長さLcの間で近接して平行に配置される。ここで、2本の導波路は、それぞれが個別に導波するときはシングルモードであると仮定する。2本の導波路が平行して近接配置されている箇所では、相互の導波路のモードが干渉し結合するためシングルモードではなくなる。
方向性結合器内の電場は反射を考えなくて良い場合には、2つの進行波である偶モードEeven(y)(0次モード)と奇モードEodd(y)(一次モード)の重ね合わせで近似することができる。ここで、偶モードの伝搬定数をβ0(等価屈折率neven)とし、奇モードの伝搬定数をβ1(等価屈折率nodd)とし、伝搬方向をz軸方向とすると、zの位置での電場E(y,z)は以下の式で表すことができる。
一方の導波路(図中のWaveguideI)に結合するz=0の位置における入射電場E1(y)は
となる。ここで,入射電場E1(y)は導波路I(図中のWaveguideI)の固有モードである。
また、z=π/(βeven―βodd)の位置おける入射電場E1(y)は
となる。
このとき(z=Lとおく)の電場E2(y)は、導波路II(図中のWaveguide II)の固有モードであり、導波路I(図中のWaveguideI)の入射電場E1(y)は、式(4)に示す結合長(coupling length)Lcにおいて、導波路II(図中のWaveguide II)の電場E2(y)に完全に移る。したがって、図1(b)において、導波路Iのポート1から入射された光波は、結合長Lの間に導波路Iから導波路IIに移り、導波路IIのポート3から出射される。
ここで、結合長Lcは各モードの等価屈折率(または実効屈折率)および波長(真空中)λの関数となる。また、等価屈折率は、導波路を形成する材料固有の屈折率の波長分散によって変わり、導波路の形状によっても固有モードが変わるため変化する。
なお、上記説明では、近接した2本の導波路で方向性結合器を構成する例で説明しているが、2本の導波路を融合させて形成する合流型のマルチモード導波路(またはマルチモード干渉型結合器)によっても方向性結合器を構成することができる。
次に、図2〜図6を用いて結合長の波長選択性について説明する。
はじめに、結合長の周期性について図2〜図4を用いて説明する。なお、図に示す結合長の周期性は説明の便宜上から模式的に示すものであって、実際の周期性を示すものではない。
1つの光波が導波路間で移行する際の結合長Lcは上記式(4)で表されると共に周期性を有している。図2は1つの光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を示している。図2において、図2(a)は2本の導波路から成る導波路型方向性結合器の概略構成を示し、図2(b)はポート1からポート3への挿入損失の結合長による周期変化を示している。
2本の導波路の縮退した個々の伝搬定数が等しいとすると、ポート1からポート3への光パワーの流れP1-3は、式(6)で表すことができる。また、ポート1からポート4への光パワーの流れP1-4は、式(7)で表すことができる。実際の方向性結合器では、導波路からの散乱や2本の導波路の結合状態が理想的でないことによる損失など結合は理想的にはならないが、ここでは、簡単のために損失等は考慮しない。
なお、κは、導波路を伝搬する信号波長の関数である。この式(7)で示すκは、式(5)で示すモード結合係数と同じである。
図2(a)において、導波路型方向性結合器は2本の導波路を平行に近接させて成り、一方の導波路は入射側にポート1を有し出射側にポート4を有し、他方の導波路は入射側にポート2を有し出射側にポート34を有している。
一方の導波路のポート1から入射した単一波長の光波(図中の破線で示す)は、式(6)で示すように、結合長Lの部分で他方の導波路に移行してポート3から出射される。ここで、結合長Lを変化させると、図2(b)に示すように、ポート1からポート3への挿入損失が周期的に変化する。この結合長の周期は光波の波長に依存して変化する。
導波路型方向性結合器の結合長は、この結合長の周期性の波長依存性を利用することによって、複数の結合長Lの長さから選択することができる。
次に、2つの波長(λ1,λ2)の光波(λ1<λ2)を結合する場合において、結合長の周期性および波長選択性を図3および図4を用いて説明する。
図3は波長λ1の光波に波長λ2の光波を結合する場合を示している。図3は2つの異なる波長の光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を示し、図3(a),図3(b)は導波路型方向性結合器の結合長が異なる場合の移行状態を示し、図3(c)は例えばポート1からポート3へ等の導波路間の挿入損失の結合長による周期変化を示している。
図3(c)において、2つの異なる波長(λ1,λ2)のポート1からポート3への挿入損失は、光波の結合長Lの長さに依存して変化する。この挿入損失の結合長による周期変化は波長依存性を有し短波長の方が式(6)および(7)の周期が長くなる。例えば、結合長の長さがL1あるいはL2では、波長λ1(破線で示す)の挿入損失は小さく、波長λ2(実線で示す)の挿入損失は大きい。
図3(a)は結合長がL1の場合を示し、図3(b)は結合長がL2の場合を示している。この結合長L1,L2によれば、ポート1から入射した波長λ1の光波は、ポート1からポート3への挿入損失が小さいためポート3に移行する。一方、ポート2から入射した波長λ2の光波は、導波路間での挿入損失が大きいため移行することなくポート3に進む。したがって、この結合長の周期性によって、導波路型方向性結合器は合波について波長選択性を有することになる。
図4は波長λ2の光波に波長λ1の光波を結合する場合を示している。図3と同様に、図4は2つの異なる波長の光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を示し、図4(a),(b)は導波路型方向性結合器の結合長が異なる場合の移行状態を示し、図4(c)は導波路間の挿入損失の結合長による周期変化を示している。
図4(c)において、2つの異なる波長(λ1,λ2)の導波路間の挿入損失は、光波の結合長Lの長さに依存して変化する。この挿入損失の結合長による周期変化は波長依存性を有し、例えば、結合長の長さがL3あるいはL4では、波長λ1(破線で示す)の挿入損失は大きく、波長λ2(実線で示す)の挿入損失は小さい。
図4(a)は結合長がL3の場合を示し、図4(b)は結合長がL4の場合を示している。この結合長L3,L4によれば、ポート2から入射した波長λ2の光波は導波路間の挿入損失が小さいためポート4に移行し、ポート1から入射した波長λ1の光波は導波路間の挿入損失が大きいため移行することなくポート4に進む。この結合長の周期性によって、導波路型方向性結合器は合波について波長選択性を有することになる。
次に、複数の波長を含む光波に対する合波について図5,図6を用いて説明する。
図5は波長λ3の光波に、波長λ1と波長λ2との合波を結合する場合を示している。図5は3つの異なる波長の光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を示し、図5(a),図5(b)は導波路型方向性結合器の結合長が異なる場合の移行状態を示し、図5(c)は導波路間の挿入損失の結合長による周期変化を示している。
図5(c)において、3つの異なる波長(λ1,λ2,λ3)(λ1<λ2<λ3)の導波路間での挿入損失は、光波の結合長Lの長さに依存して変化する。この挿入損失の結合長による周期変化は波長依存性を有し、短波長の方が式(6)および(7)の周期が長くなる。例えば、結合長の長さがL5あるいはL6では、波長λ1(破線で示す)と波長2(実線で示す)の挿入損失は小さく、波長λ3(一点鎖線で示す)の挿入損失は大きい。
図5(a)は結合長がL5の場合を示し、図5(b)は結合長がL6の場合を示している。この結合長L5,L6によれば、ポート1から入射した波長λ1の光波および波長λ2の光波は挿入損失が小さいためポート3に移行し、ポート3から入射した波長λ3の光波は挿入損失が大きいため移行することなくポート3に進む。この結合長の周期性によって、導波路型方向性結合器は複数の波長を含む場合についても合波に波長選択性を有することになる。
また、図6は波長λ1と波長λ2との合波に、波長λ3の光波を結合する場合を示している。図5と同様に、図6は3つの異なる波長の光波が導波路間で移行する際の結合長の周期性を示し、図6(a),(b)は導波路型方向性結合器の結合長が異なる場合の移行状態を示し、図6(c)は導波路間の挿入損失の結合長による周期変化を示している。
図6(c)において、3つの異なる波長(λ1,λ2,λ3)の導波路間の挿入損失は、光波の結合長Lの長さに依存して変化する。この挿入損失の結合長による周期変化は波長依存性を有し、例えば、結合長の長さがL7あるいはL8では、波長λ1(破線で示す)と波長2(実線で示す)の挿入損失は大きく、波長λ3(一点鎖線で示す)の挿入損失は小さい。
図6(a)は結合長がL7の場合を示し、図6(b)は結合長がL8の場合を示している。この結合長L7,L8によれば、ポート1から入射した波長λ3の光波は挿入損失が小さいためポート3に移行し、ポート3から入射した波長λ1とλ2の光波は挿入損失が大きいため移行することなくポート3に進む。この結合長の周期性によって、導波路型方向性結合器は複数の波長を含む場合についても合波に波長選択性を有することになる。
次に、導波路型方向性結合器を多段に接続する構成について図7〜図13を用いて説明する。図7〜図10は、3つの異なる波長の光波を合波する導波路型方向性結合器の多段接続の例を示している。また、図11〜図13は、4つの異なる波長の光波を合波する導波路型方向性結合器の多段接続の例を示している。
図7に示す接続例は3本の導波路に対して2つの導波路型方向性結合器を2段で接続する例を示している。図7(a)は導波路型方向性結合器の多段接続を示し、図7(b)は導波路間の2つの結合長での挿入損失を示している。
図7(a)において、はじめに、3本の導波路の内で隣接する2本の導波路間に結合長L11で第1段目の導波路型方向性結合器を形成し、次に、結合した導波路と残りの導波路との間に結合長L12で第2段目の導波路型方向性結合器を形成する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3(λ1<λ2<λ3)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図7(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L11において波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、1番目の導波路に入射した波長λ1の光波は2番目の導波路に結合される。
次に、2番目の導波路の合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目の導波路に入射された波長λ3の光波は、図7(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L12において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、2番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波は3番目の導波路に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
図8はこの合波状態を示している。図8(a),図8(b),および図8(d)はそれぞれ波長λ1,波長λ2,波長λ3の結合長の周期性を示している。
図8(c)に示すように、第1段目の導波路型方向性結合器の結合長L11での挿入損失は、図8(a)に示す波長λ1の結合長の周期性と図8(b)に示す波長λ2の結合長の周期性の組み合わせによって、波長λ1は小さく(破線で示す)、波長λ2は大きい(実線で示す)。これによって、第1段目の導波路型方向性結合器は波長λ1の光波を波長λ2の光波に結合する。
次に、図8(e)に示すように、第2段目の導波路型方向性結合器の結合長L12での挿入損失は、図8(a)に示す波長λ1の結合長の周期性と図8(b)に示す波長λ2の結合長の周期性と図8(d)に示す波長λ3の結合長の周期性との組み合わせによって、波長λ1(破線で示す)および波長λ2は小さく(実線で示す)、波長λ3(一点鎖線で示す)は小さい。これによって、第2段目の導波路型方向性結合器は波長λ1および波長λ2の合波を波長λ3の光波に結合する。
図9に示す接続例は3本の導波路に対して2つの導波路型方向性結合器を2段で接続する別の例を示している。図9(a)は導波路型方向性結合器の多段接続を示し、図9(b)は導波路間の2つの結合長での挿入損失を示している。
図9(a)において、はじめに、3本の導波路の内で隣接する2本の導波路間に結合長L13で第1段目の導波路型方向性結合器を形成し、次に、結合した導波路と残りの導波路との間に結合長L14で第2段目の導波路型方向性結合器を形成する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3(λ1<λ2<λ3)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図9(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L11において波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、1番目の導波路に入射した波長λ1の光波は2番目の導波路に結合される。
次に、2番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目の導波路に入射された波長λ3の光波は、図9(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L13において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は大きく波長λ3の光波の挿入損失(実線で示す)は小さいため、3番目の導波路の波長λ3の光波は2番目の導波路に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
複数の導波路型方向性結合器の接続は、複数の形態によって行うことができる。図10は、複数の導波路型方向性結合器を接続する構成例を説明するための概略図である。
図10(a)は複数の導波路型方向性結合器2A,2B,2Cを順次段階的に接続する構成であり、前段の導波路型方向性結合器で結合した光波を、次段に導波路型方向性結合器によって他の導波路の光波に結合する。この結合を順次繰り返すことによって複数の異なる波長の光波を結合して合波を形成する。
図10(b)は導波路型方向性結合器2Aによって結合した光波と導波路型方向性結合器2Bによって結合した光波を、後段に接続する導波路型方向性結合器2Cで結合する構成であり、この構成を繰り返すことによって複数の異なる波長の光波を結合して合波を形成する。
以下、4つの異なる波長の光波を結合して合波を形成する構成例について、図11〜図13を用いて説明する。
図11に示す構成例は、図7で示した構成例と同様に、導波路型方向性結合器を順次段階的に接続する構成であり、図10(a)に示す形態に対応する構成である。
図11(a)は導波路型方向性結合器の多段接続を示し、図11(b)は導波路間の各結合長での挿入損失を示している。
図11(a)において、はじめに、4本の導波路の内で隣接する2本の導波路間に結合長La1で第1段目の導波路型方向性結合器を形成し、次に、結合した導波路と3番目の導波路との間に結合長La2で第2段目の導波路型方向性結合器を形成し、最後に、結合した導波路と4番目の導波路との間に結合長La3で第3段目の導波路型方向性結合器を形成する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3,λ4(λ1<λ2<λ3<λ4)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図11(b)の挿入損失特性が示すように、結合長La1において波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、1番目の導波路に入射した波長λ1の光波は2番目の導波路の波長λ2に結合される。
次に、2番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目のポート3から入射された波長λ3の光波は、図11(b)の挿入損失特性が示すように、結合長La2において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、2番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波は3番目の導波路のλ3に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
最後に、3番目の導波路に合波された波長λ1の光波、波長λ2の光波、および波長λ3の光波と4番目のポート4から入射された波長λ4の光波は、図11(b)の挿入損失特性が示すように、結合長La3において波長λ1,波長λ2,および波長λ3の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ4の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、3番目の導波路の波長λ1,波長λ2および波長λ3の光波は4番目の導波路のλ4に結合される。これによって、4番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3,λ4の光波が合波されることになる。
図12に示す構成例は、一本の導波路に対して複数の導波路型方向性結合器を順次接続する構成である。
図12(a)は導波路型方向性結合器の多段接続を示し、図12(b)は導波路間の各結合長での挿入損失を示している。
図12(a)に示す構成は、4本の導波路の内の1本の導波路に対して複数の導波路型方向性結合器を順次接続する構成であり、第1段目の導波路型方向性結合器を結合長Lb1で形成し、第2段目の導波路型方向性結合器を結合長Lb2で形成し、第3段目の導波路型方向性結合器を結合長Lb3で形成する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3,λ4(λ1<λ2<λ3<λ4)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図12(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lb1において波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は小さく波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は大きいため、2番目の導波路の波長λ2は1番目の導波路に入射した波長λ1の光波に結合される。
次に、1番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と、3番目のポート3から入射された波長λ3の光波は、図12(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lb2において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は大きいため、3番目の導波路のλ3は1番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波に結合される。これによって、1番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
最後に、1番目の導波路に合波された波長λ1の光波、波長λ2の光波、および波長λ3の光波と、4番目のポート4から入射された波長λ4の光波は、図12(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lb3において波長λ1,波長λ2,および波長λ3の光波の挿入損失(破線、実線、一点鎖線で示す)は小さく波長λ4の光波の挿入損失(破線で示す)は大きいため、4番目の導波路のλ4の光波は3番目の導波路の波長λ1,波長λ2および波長λ3の光波に結合される。これによって、1番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3,λ4の光波が合波されることになる。
図13に示す構成例は、導波路型方向性結合器を順次段階的に接続する別の構成であり、図10(b)に示す形態に対応する構成である。
図13(a)は導波路型方向性結合器の多段接続を示し、図13(b)は導波路間の各結合長での挿入損失を示している。
図13(a)に示す構成は、4本の導波路の内、2本の導波路を導波路型方向性結合器で接続する構成を2組形成し、さらに、この2組の導波路型方向性結合器で形成される2本の導波路を導波路型方向性結合器で接続する。
1番目の導波路と2番目の導波路に結合長Lc1の第1段目の導波路型方向性結合器を形成し、3番目の導波路と4番目の導波路に結合長Lc2の第1段目の導波路型方向性結合器を形成し、さらに、結合された2本の導波路に結合長Lc3の第2段の導波路型方向性結合器を形成する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3,λ4(λ1<λ2<λ3<λ4)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図13(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lc1において波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、1番目の導波路の波長λ1は2番目の導波路に入射した波長λ2の光波に結合される。
一方、ポート3から入射した波長λ3の光波とポート4から入射した波長λ4の光波は、図13(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lc2において波長λ4の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は大きいため、14目の導波路の波長λ4は3番目の導波路に入射した波長λ3の光波に結合される。
最後に、合波された波長λ1と波長λ2の光波と、同じく結合された波長λ3と波長λ4の光波は、図13(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lc3において波長λ3,波長λ4の光波の挿入損失(破線および一点鎖線で示す)は小さく、波長λ1,波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は大きいため、波長λ3と波長λ4の光波は波長λ1と波長λ2の光波に結合される。
本発明の多波長合波器は、上記したように、合波を行う各波長の光波が持つ結合長の周期性に基づいて、合波を行うことができる結合長の組み合わせを選択し、これらの結合長の組み合わせによる導波路型方向性結合器を構成して複数波長を結合し、さらに、この導波路型方向性結合器を複数段で組み合わせることで、複数波長を合波することができる。
また、本発明の導波路型方向性結合器によれば、上記した結合長の組み合わせにおいて、多波長合波器の全長が短くなる組み合わせを選択することによって、多波長合波器を小型化することができる。
なお、上記説明では、各波長の関係をλ1<λ2<λ3<λ4としているが、この波長関係に限定されるものではなく、結合長の周期性は、前記した波長と周期との関係に基づいて定めることができる。
次に、本発明の多波長合波器の構成例について図14,図15を用いて説明し、本発明の光源装置の構成例について図16を用いて説明する。
図14(a)において、多波長合波器1は、複数の導波路型方向性結合器2a,2b,…,2nを備え、複数の導波路に対して前記した多段接続によって形成される。多波長合波器1には、異なる波長λ1〜波長λnの入射光1〜入射光nが入射され、多段接続され導波路型方向性結合器2a〜2nによって結合される。得られた合波は出射光として出力される。
多波長合波器1は、図14(b)に示すように、複数の導波路型方向性結合器2a〜2nに加えてピッチコンバータ3を備える構成としてもよい。ピッチコンバータ3は、入射光を各導波路型方向性結合器2a〜2nに導く複数の導波路のピッチ間隔を導波路型方向性結合器のピッチ間隔に合わせる素子である。入射光の発光素子を例えば半導体素子で形成する場合には、半導体素子を構成するために必要なサイズの要請から、導波路間のピッチ間隔は導波路型方向性結合器における導波路間のピッチ間隔より広い間隔が必要となる。
ピッチコンバータ3は、ピッチ間隔を切り換えて導波路間のピッチ間隔を狭めることによって上記した空間的な要求を満たして、導波路型方向性結合器に入射光を入射させることができる。
なお、ピッチコンバータは、図15のように方向性結合器の後や間に挿入しても良い。図15の構成では、ピッチコンバータ3は、導波路型方向性結合器2a〜2cと導波路型方向性結合器2o〜2rの間に配置し、ピッチコンバータ3の入射側の導波路型方向性結合器2a〜2cのピッチ間隔からピッチコンバータ3の出射側の導波路型方向性結合器2o〜2rのピッチ間隔に変換する。
本発明の光源装置10は、本発明の多波長合波器1と共に発光素子および制御手段を同一の半導体基板上に形成する装置であり、制御手段によって発光素子から発する光を制御することによって、プロジェクタに投射する画像を制御することができる。
図16において、光源装置10は、同一の配線基板9上に導波路型方向性結合器2a〜2nとピッチコンバータ3と含む多波長合波器1と、レーザ素子4と、検出器5a〜5nと、制御部6とを形成して構成される。
レーザ素子4は各波長λ1〜波長λnの光を発生して入射光1〜入射光nを形成する。検出器5a〜5nは、発光素子の発光光量を制御するために、各波長の光を検出する。例えば、検出器5aは導波路型方向性結合器2aの導波路から得られる光の光量を検出する。この導波路からは、導波路型方向性結合器2で結合されなかった光が放出される。検出器はこの放出光を検出することによって、その波長を発生するレーザ素子4の発光光量をモニタすることができる。導波路型方向性結合器2からの放出光で検出できない波長については、レーザ素子4側に設けた検出器5nによって検出する。制御部6は、検出器5からの検出信号を帰還し、レーザ素子4の発光を制御する。
本発明の多波長合波器および光源装置は、半導体基板上に平面回路として形成することができる。
[実施例]
次に、図17〜図64を用いて、本発明の多波長合波器および光源装置の一実施例について説明する。
はじめに、本発明の多波長合波器の一実施例について図17〜図23を用いて説明する。なお、図17,18に示す実施例は、発光素子と出射端とが四角形状の半導体基板の互いに対向する2つの辺に配列される構成例であり、図19〜図23は発光素子と出射端とが、四角形状の半導体基板の互いに直交する二つの辺に配置される構成例である。
図17において、光源装置10Aは、導波路および多波長合波器1のブロックを形成した光学要素基板8と、レーザ素子4(4a〜4c)のブロックとを配線基板9上に実装して、平面光回路を形成している。図17は、多波長をR波長、G波長、およびB波長とするRGB光源装置の例を示している。
図17に示すRGB光源装置10Aの概念構成において、配線基板9上にレーザ素子4(4a〜4c)と、多波長合波器1と、制御部6Aと、電極端子6Bとを実装する。多波長合波器1は導波路型方向性結合器2を備え、光学要素基板8上に形成される。ここで、光学要素基板8と配線基板9とを共に半導体基板で形成することができる。半導体基板は、例えば、シリコン基板を用いることができる。
レーザ素子4のブロックはRGB発光素子を備える。このRGB発光素子において、青色発光素子4aと赤色発光素子4bは、例えばそれぞれInGaN(青色)と AlInGaP(赤色)の半導体レーザを用いることができる。一方、緑色発光素子4cは直接発光型の緑色LDを用いても良いが、実用的な緑色の半導体レーザに適当な素子の入手が難しいため、SHG(Second Harmonic Generation:第2次高調波発生)レーザを緑色発光素子として用いる。
各発光素子の波長は、例えば、青色発光素子4aの波長は450〜470nm、赤色発光素子4bの波長は630〜650nm、緑色発光素子4cの基本波を発生する近赤外LDの波長は1050〜1070nmとしている。
SHGレーザの緑色光出力を安定化させるために、近赤外LDの基本波を部分的に反射させるために表面ブラッググレーティング(surface Bragg grating (SBG))4eを設け、周波数ロックのために非線形光学結晶部(PPLN (periodically poled lithium niobate))4dをPPLN導波路上に形成する。近赤外LDとしては、ファブリ−ペロー型やSLD(Super Luminescent Diode)型や面発光型を用いることができる。近赤外LDが例えばDBR(Distributed Bragg Reflector)やDFB(Distributed-feedback)型で、波長や周波数ロック機構を内蔵している場合、表面ブラッググレーティングは省略できる。
各レーザ素子のレーザ出力は、接続用の導波路を介してRGB合波のための多波長合波器1の各入力ポートに接続する。図17では、青と緑の出力を赤の導波路にそれぞれ接続する設計の導波路型方向性結合器の構成を示している。緑色光出力の一部は、ポンプレーザである近赤外LDの出力を安定化させるために、PD (photo diode)の検出器5に結合する。このRGB光源装置10Aは光回路を構成する導波路がシングルモードであるため、合波された出力光をレンズやMEMSやその他の光学系に容易に外部接続することが可能である。
図18に示す光源装置10Bは、図17に示した光源装置10Aと同様に、多波長合波器1のブロックを含む光学要素基板8とレーザ素子4のブロックとを配線基板9上に実装して平面光回路によって構成している。
図18に示すRGB光源装置10Bの概念構成において、配線基板9上にレーザ素子4(4a〜4c)と、多波長合波器1と、制御部6Aと、電極端子6Bと、ピッチコンバータ3Aを実装する。多波長合波器1や導波路やピッチコンバータ3Aは、光学要素基板8上に形成される。
ピッチコンバータ3Aは、光源装置10Bのレーザ素子4(4a,4b,4c)のピッチ間隔を多波長合波器1の方向性結合器2のピッチ間隔に整合する。
図17に示す構成では、発光素子4a,4b,4cのピッチ間隔を多波長合波器1の導波路型方向性結合器2のピッチ間隔に合わせるために、D1の距離で導波路を湾曲させている。一方、図18に示す構成では、発光素子4a,4b,4cのピッチ間隔を多波長合波器1の導波路型方向性結合器2のピッチ間隔に合わせるために、ピッチコンバータ3Aによって整合させている。ピッチコンバータ3Aは長さD2を有し、ピッチコンバータを用いない構成と比較して短縮することができる。
図19〜図21に、本発明のRGB光源装置の具体的な構成の一例を示す。図19〜21に示す構成では、90°ピッチコンバータ3Bを設けることによって配置する。
図19〜図21において、多波長合波器1は実際には非常に細長い形状をしているが、図19〜図21では構成の理解を容易にするために一部を拡大して示している。
RGB光源装置10Cは、配線基板9上に、レーザ素子4(4a,4b,4c)、90°ベンド部を兼ねた90°ピッチコンバータ3B、導波路型方向性結合器2を含む多波長合波器1、検出器5(5a〜5c),制御部6A、電極端子6Bを実装してなる。90°ピッチコンバータ3Bおよび導波路型方向性結合器2を含む多波長合波器1は、光学要素基板8上に形成される。
なお、光学要素基板8は、シリコン基板等の半導体基板の他に、金属基板や誘電体基板を用いることができる。配線基板9は、図18の構成と同様に、絶縁体基板や導電基板を用いることができ、基板の材料としては、例えば、金属、シリコン、窒化アルミ、SiO2、樹脂等を用いることができる。
各基板を半導体基板以外の材料を用いる構成とする場合には、ベースとなるシリコン基板等の半導体基板上に、各材料で形成された配線基板および光学要素基板を積層することで構成することができる。
各発光素子4a,4bの半導体レーザ、および発光素子4cのSHGレーザの実装間隔に対して、各導波路型方向性結合器2a,2bからなる多波長合波器1の各導波路の間隔は非常に狭い。そこで、発光素子側の導波路のピッチ間隔と導波路型方向性結合器側のピッチ間隔を整合するために、90°ベンド部を兼ねた90°ピッチコンバータ3Bをレーザ素子4の接続用導波路と多波長合波器1の各ポートの間に設ける。なお、90°ピッチコンバータには、内側に共振エリアを設けた方式を示しているが、共振エリアを設けない単純な90°エルボー型の導波路も用いることができる。
また、青色光の出力をモニタするためにPD (photo diode)の検出器5aを導波路型方向性結合器2aの他方の出力ポートに接続し、緑色光の出力をモニタするためにPD (photo diode)の検出器5bを導波路型方向性結合器2bの他方の出力ポートに接続する。また、赤色光の出力をモニタするためにPD (photo diode)の検出器5cを赤色の発光素子4bに接続する。
図19の構成例の光源装置10Cでは、90°ピッチコンバータ3Bおよび多波長合波器1の幅D3は、例えば200μm程度とすることができ、発光素子側の幅D4は、例えば7mm程度とすることができる。また、光源装置10Cの長さ(図19の左右方向の長さ)は例えば8mm程度とすることができる。また、図19に示す構成例では、制御部6Aを配線基板9の一方の辺側に実装し、電極端子6Bを一方の辺側と直交する他方の辺側に実装する構成を示している。
図20に示す構成例は、図19に示す構成において、90°ピッチコンバータ3Bのピッチ間隔をさらに縮めた構成例を示している。この構成例の光源装置10Dでは、90°ピッチコンバータ3Bおよび多波長合波器1の幅D3'は、例えば200μm程度以下とすることができ、これによって、光源装置10Dの長さ(図19の左右方向の長さ)は例えば8mm程度以下とすることができる。また、図20に示す構成例では、制御部6Aおよび、電極端子6Bを配線基板9の一方の辺側に実装する構成を示している。
図21に示す構成例は、図19に示す構成において、緑色発光素子4cに設けた、表面ブラッググレーティングSBG4e、および非線形光学結晶部PPLN4dを発光素子4a,4bが配置される辺と直交する辺に設ける構成例である。この構成とすることで、SBG4eおよびPPLN4dを実装するスペースを縮小することができる。この構成例の光源装置10Eでは、発光素子側の幅D4を、例えば7mm程度以下とすることができる。
次に、図22および図23を用いて、本発明の光源装置においてピッチコンバータによる効果を説明する。
図22は、図17で示した光源装置10Aおよび図18で示した光源装置10Bにおいて、ピッチコンバータによる小型化の効果を説明するための図である。なお、図22(c)はピッチコンバータを配置しない構成例を示している。
図22(a)に示す光源装置10Aでは、四角形状の配線基板9の一方の辺側に発光素子4a〜4cを実装し、対向する他方の辺側に出射端を配置し、導波路7と多波長合波器1との間にピッチコンバータ3Aを配置した構成例である。光源装置10Aと図22(c)の構成とを比較すると、ピッチコンバータ3Aによって導波路部分の長さを短縮して光源装置10Aの長さを短くすることができる。
また、図22(b)に示す光源装置10Bでは、四角形状の配線基板9の一方の辺側に発光素子4a〜4cを実装し、直交する他方の辺側に出射端を配置し、導波路7と多波長合波器1との間に90°ピッチコンバータ3Bを配置した構成例である。光源装置10Bと図22(c)の構成とを比較すると、ピッチコンバータ3Bによって導波路部分の長さおよびを短縮して光源装置10Aの長さを短くすると共に、光源装置10Aの幅(図中の上下方向)を短くすることができる。
図23は、図18で示した光源装置10Bにおいて、90°ピッチコンバータによる小型化の効果を説明するための図であり、光波の進行方向を90°変更することに意義を説明する。なお、図23(b)は45°ピッチコンバータを配置しない場合を示している。
図23(a)に示す光源装置10Bでは、四角形状の配線基板9の一方の辺側に発光素子4a〜4cを実装し、直交する他方の辺側に出射端を配置し、導波路7と多波長合波器1との間に90°ピッチコンバータ3Bを配置した構成例である。これに対して、図23(b)の45°ピッチコンバータ3Cは、光波の進行方向を45°変更するものである。
45°ピッチコンバータ3Cの場合には、ピッチコンバータ自体の幅(図中の上下方向)が長くなる他、多波長合波器1の配置位置が図中の下方位置となるため、光源装置の長さ(図中の左右方向)および幅(図中の上下方向)が共に長くなる。
これに対して、90°ピッチコンバータ3Bによって導波路部分の長さおよびを短縮して光源装置10Aの長さを短くすると共に、光源装置10Aの幅(図中の上下方向)を短くすることができる。
また、図示していないが、ピッチコンバータとして90°を越える鈍角として構成においても、ピッチコンバータ自体の幅((図中の上下方向)が長くなる他、多波長合波器1の配置位置が図中の上方位置となるため、光源装置の長さ(図中の左右方向)および幅(図中の上下方向)が共に長くなる。
したがって、90°ピッチコンバータとすることによって、光源装置を効率よく小型化することができる。
次に、光導波路設計用の統合ソフトウェアであるAPSS2.3g(Apollo Software)による検討結果について説明する。
はじめに、導波路のモード解析を行う。実際のRGBのそれぞれの波長は、使用する半導体レーザやSHGレーザの波長にあわせて設計する必要があるが、ここでは使用する波長帯域として青から赤までの可視光領域の450−650nm程度をカバーするものとする。
図24は導波路の断面における導波路パラメータと、460nmでのy偏光の基本モードの光強度分布を示している。ここでは、y偏光(Eモード)が半導体レーザからの出射偏光であるためEモードについて解析を行っている。図24に示す導波路はリッジ型導波路であり、光学要素基板として石英からなる誘電体基板を用い、この誘電体基板(屈折率ns=1.44)上に、厚さ1μmの平面部上に厚さ3μmで幅4μmの突出部を設けたリッジ部(屈折率nw=1.46)を形成している。オーバークラッド層の屈折率はnoc=1.44としている。
また、本発明の導波路の基本構造においては、図25に示す実効屈折率特性のように偏光依存性が小さいことが確認できる。そこで、以降では、導波路に結合するレーザ光はE波であるため、y偏光のみで解析を行う。
次に、本発明の導波路の基本構造を用いて方向性結合器を構成し、結合部の長さ(coupled section length)の関数としてポート1からポート3への結合における損失計算を行う。図26は解析に用いた導波路型方向性結合器の形状の一例を示している。
図27は、図26に示す形状の導波路型方向性結合器の結合長の長さを変え、波長をパラメータとしてポート1からポート3への挿入損失(IL)の関数として求めたプロットを示している。
解析はビーム伝搬法により行っている。前記では、2本の導波路を近接させてモード間干渉を利用した方向性結合器を例として説明しているが、実用的には、十分なモード結合を起こすために2本の導波路間の距離をサブμmオーダーで、なおかつ、間隔の誤差を抑えて形成する必要がある。このように導波路間距離が微小であることから、導波路を形成するプロセスで生じる揺らぎが特性に大きく影響することが予想される。そこで、ここでのシミュレーションでは、分離タイプではなく、結合部については2本の導波路を融合した合流導波路型(マルチモード干渉型)の導波路型方向性結合器で検討している。
図27に示したシミュレーション結果によれば、結合長Lc=L1(570μm)の近傍で,R波長(640nm)とB波長(460nm)とを結合できることが分かる。また、結合長Lc=L2(2270μm)において、R波長およびB波長をG波長と結合できることが分かる。そのため、図19で示したRBG光源装置の構成では、発光素子側から第1段目の導波路型方向性結合器の結合長をL1とし、第2段目の導波路型方向性結合器の結合長をL2とすることによって、異なる半導体レーザの発光素子からのR波長、G波長、およびB波長の光波を合波することができる。
次に、導波路の材料と構造について別の構成例について説明する。
図28は導波路の概略構造を説明するための図であり、図24と同様に、導波路の断面における導波路パラメータと、y偏光の基本モードの光強度分布を示している。この例では、導波路にMgOを5mol%ドープしたCongruent LN(一致溶融組成ニオブ酸リチウム)を用いている。
図28に示す導波路はリッジ型導波路であり、Si基板等の半導体基板上に、屈折率n=1.46で厚さが1μmのSiO2のクラッド層、MgOを5mol%ドープしたCongruent LNによって、厚さが1μmの平面部上に厚さ2.5μmで幅3.5μmの突出部を設けたリッジ部を形成している。
図29は導波路材料であるMgOドープCLNの材料波長分散特性を示し、図30は合波に必要な結合長のグラフを示している。この構成例において、複数の結合長の中から選択して得られる複数種の結合長の組み合わせによって、複数波長の光波を合波することができる。
例えば、第1の形態では、R波長(650nm)とB波長(460nm)の光波を、結合長Lcが650μmの長さの一段目の導波路型方向性結合器によって合波し、合波したR波長とB波長の光波を、結合長Lcが3410μmの2段目の導波路型方向性結合器でG波長(523nm)の光波と合波する。図30では、この結合長の組み合わせを丸付き数字1で示している。
また、第2の形態では、R波長(650nm)とB波長(460nm)の光波を、結合長Lcが1210μmの長さの一段目の導波路型方向性結合器によって合波し、合波したR波長とB波長の光波を、結合長Lcが2660μmの2段目の導波路型方向性結合器でG波長(523nm)の光波と合波する。図30では、この結合長の組み合わせを丸付き数字2で示している。
[90°ベンド型ピッチコンバータ]
次に、本発明の多波長合波器が備える90°ベンドピッチコンバータについて、図31〜図40を用いて説明する。以下の説明では異方性材料を扱えるように異方性材料の例で説明をおこなうが、SiO2系や有機の等方性材料の場合は、ne=noとして同様に扱うことができる。
図31は、異方性媒質を用いた全反射ミラーの概略図である。全反射ミラーの外側は空気(nair=1)とする。高屈折率媒質から低屈折率媒質(この場合は空気)へ光波を入射させた場合、Snell's lawにしたがってno・sinθ1が1より大きくなる臨界角以上になると、透過光は空気側の空間へ伝搬できないため全反射となる。また、通常、等方性媒質では入射角θ1と出射角θ2は等しくなる。一方、異方性媒質中では入射光の波面法線ベクトルk1と出射波面法線ベクトルとは、伝搬する媒質の屈折率楕円体の方向との関係によって、境界面で境界条件を満たす必要がある。そのため、入射角θ1と出射角θ2とは必ずしも等しくはならない。
なお、図31は説明を容易にするため、入射光と反射光との位相を示す界面での波面を同じ位置で表現してあるが、実際は、臨界角以上の全反射状態では媒質の屈折率や入射角に依存して入射光と反射光とは位相のとびが生じ界面での波面には位相にとびに相当する波面のずれが生じ、また、エバネッセント波が界面近傍で生じるとともにグース・ヘンシェンシフトと呼ばれる入射および反射光線のずれも生じるがここでは表示していない。
簡単のためここでは異方性媒質を負の一軸性結晶(negative uniaxial crystal, no>ne.)と仮定すると、波長λ1と波長λ2は以下の関係となる。
ここで、波長λ1および波長λ2は、それぞれ入射側の波長および出射側の波長であり、cは光速度であり、屈折率n1および屈折率n2は、それぞれ入射時の屈折率および出射時の屈折率である。また、電場ベクトルの接線方向成分と一致するという境界条件を満たすためには、入射角θ1および出射角θ2と波長λ1および波長λ2との間で、
の関係が成立する必要がある。ここで、lは波長の境界面への射影成分の長さである。
この式(8)および式(9)から、全反射光に対する関係式(10)が導かれる。
角度の定義が異なるものの、式(10)の形はSnell's lawの式と同じとなる。
次に、実際の結晶方位を仮定して検討する。全反射ミラーを形成する結晶(ここでは、ニオブ酸リチウムLNを仮定する)のc軸をz方向に平行とする。反射ミラーのx軸から測った角度をπ/4(45度)として、入射波面法線ベクトルはx軸に沿って伝搬する方向とする。また,入射面はx−z面に平行にとる。このとき、結晶の屈折率楕円体を入射面x−z面で切り屈折率楕円体の主軸を基準にすると、図32によって各パラメータの関係が表される。ここで、入射偏光はs偏光(y偏光)とする。
図32の屈折率楕円体の定義から、
また、
とおける。
式(11),式(12)とβ=π/4−θ2およびθ1=π/4の関係を使って整理すると式(13)を式(14)のように簡単化することができる。
f(θ2)=式(7)の左辺として、真空中の波長632.8nmにおいて、LN基板のne=2.200,no=2.286を代入してf−θ2の関係をプロットすると図33が得られる。
図33から解があることが分かり、式(13)式の45度近傍の解は、θ2=0.7485[rad] (42.886 [deg])である。
等方性媒質の45度反射と比較すると、約2度だけ反射角が小さくなっていることが分かる。
次に、反射角の波長依存性について検討する。
MgOを5モルドープしたLNの反射係数ne、noを用いて計算すると、RGBの各波長での反射角は図34で表される。
この演算結果によれば、B波長(470nm)では42.59度となり、G波長(530m)では42.69度となり、R波長(640nm)では42.80度が求める。
次に、反射ミラーの調整について説明する。前記の演算の結果、例えば、470nmの波長において,反射角θ2は約42.6度となる。したがって、入射波と反射波とのなす角αは,45+42.6=87.6度と90度より小さくなる。そのため、90°ベンドを形成するためには、反射ミラーの角度を調整する必要がある。
そこで、(13)式において、θ1+θ2=π/2とおいて整理すると式(15)を得る。
一例として、f(θ2)=式(14)の左辺とし、真空中の波長470nmにおいて、LN:MgO基板の屈折率ne=2.255419、no=2.356908を代入して、f−θ2の関係をプロットすると図35を得る。図35から解があることが分かる。式(13)式の45度近傍の解は、θ2=0.7634[rad] (43.740 [deg])である。
図32に示した関係とθ1+θ2=π/2の条件により、x軸から測ったミラー角度γとθ2は等しくなる。
次に、式(15)を用いて計算した波長とミラー角度との関係を図36に示す。この演算結果によれば、ミラー角度γはB波長(470nm)では43.74度となり、G波長(530m)では43.80度となり、R波長(640nm)では43.86度が求められる。
したがって、入射波が平面波で近似できるときはミラー角度を上記のように決めれば90°ベンドが可能なことが分かる。
図37は、90°ベンド導波路の構造と、FDTD法による解析例を示している。リッジ型導波路に全反射ミラーを形成することで小さいロスで半導体レーザからの出射光を90度に曲げることができる。このような90°ベンド導波路を用いると、図19に示す90°ベンドピッチコンバータを構成することができる。
各半導体レーザやPPLNの大きさからLD部の実装ピッチは数百μmから数ミリの大きさになる。これに対して、図26に示すように導波路型方向性結合器の幅は200μm以下で形成することができる。
このようにLD部の実装ピッチは導波路型方向性結合器の幅よりも大きくなるため、ピッチ間隔を合わせる必要が生じる。このピッチ間隔の調整を、直線的なピッチ変換で行う場合には、導波路を形成する材料の屈折率にもよるが、放射モードの発生を小さく導波路の伝搬損失を小さくするために長い距離が必要となり、その結果光回路が大きくなる。
これに対して、本発明の90°ベンド型ピッチコンバータを介して接続することによって光回路の大きさを小型化することが可能となる。
上記の説明では、材料屈折率をそのまま使って平面波近似にて解析をおこなったが、実際の導波路構造では、導波路の形状に依存する等価屈折率(実効屈折率)を考えて、導波路の伝搬モードに対する光波解析の必要がある。
次に、異方性媒質基板を用いた90°ベンド導波路の設計例について説明する。ここでは、図38に示す90°ベンド導波路11Aのモデルに基づいて、FDTD法(FDTD solutions)を用いて行う。
この構造は、Si基板、SiO2クラッド層、MgOをドープしたLNからなるコア層の3層から形成される。導波路11aのコアとなるLN基板は異方性があるが、LN層のz軸(c軸)を図38のデカルト座標のy軸と平行にとる。ここで、LN基板は、yカット基板を仮定する。モード解析から入力するEx成分(波長532nm)の基本モードを図39(a)に示す。図39において、入力側ではy軸と平行な横軸3μmの位置が導波路の中央であり、出力側ではx軸と平行な横軸3μmの位置が導波路の中央である。ミラー角を45度としたとき、出力側のモードを示す図39(b)のEx成分は、3μmより最大値が左側にずれる。ミラー角を43.8度としたときは、ほぼ3μmの位置に電界Exの最大点がある。この角度は、前記した平面波近似での解析結果と一致する。なお、図40は、図39と同じ条件での電界分布をx−y平面で見たときの図を示している。
上記したベンド回路は、コアを形成する導波路幅や高さの等しい異方性媒質を導波路に用いた場合を示したが、SiO2や有機導波路などで等方性媒質によって形成することも可能で、その場合は、設計パラメータ設定時にneおよびnoを媒質の等価屈折率に置き換えることで実現可能である。
本発明の光源装置が備える導波路型方向性結合器を構成する導波路は、リッジ型導波路、平面型導波路、光ファイバ等の種々の形態を用いることができる。
例えば、光学要素基板上にリッジ部を形成してなるリッジ型導波路は、リッジ部の等価屈折率を両側に比べて大きくすることで形成され、導波路型方向性結合器は2本のリッジ部を結合長の長さ分の間だけ平行に隣接させて形成することができる。
平面型導波路は、光学要素基板として半導体基板を用い、この半導体基板上の薄膜によりコアを形成してなり、例えば、イオン交換法により高屈折率領域を形成し、この高屈折率領域を導波路として使用するチタン拡散型やプロトン交換型のLN導波路を用いることができる。
また、導波路として光ファイバを用いる形態では、光学要素基板上に光ファイバを固定し、2本の光ファイバを結合長の長さ分の間だけ平行に隣接させて導波路型方向性結合器を形成することができる。
図41,42は90°ベンド導波路の別の構成例を示している。図41,42に示す90°ベンド導波路11Bは、図38に示した90°ベンド導波路11Aの構成において、ミラー部分11bにおける光の漏れを低減する構成を備えるものであり、ミラー部分11bにおいてリッジ部分の一部を削除した構成を備えている。
図41(a),(b)は、ミラー部分11bを裏面側から見た概略図である。90°ベンド導波路11Bは、ミラーの裏面11c側のリッジ部をアンダークラッドの表面11dまで掘り下げて開口部11eを形成する。リッジ部の掘り下げは、例えばエッチング等によって行うことができる。この構成とすることによって、ミラー部分11bにおいて導波路11aからの光の漏れを低減させ、ミラーの反射性を高めることができる。
図42(a)に示す開口部11eは、掘り下げ部分を大きくとって、ミラーの裏面11cと連続するリッジ下部の断面11fを露出させる構成であり、図42(b)に示す開口部11eは、掘り下げ部分を小さくとって、リッジ下部の断面11fの露出部分を小さくした構成である。このリッジ下部の断面11fの露出量は、ミラー部分11bからの光の漏れに応じて定めることができる。
図43は90°ベンド導波路のさらに別の構成例を示している。図43に示す90°ベンド導波路11Cは、曲がり導波路によって形成した例である。この曲がり導波路では、通過する光に波長依存性がある。そのため、曲がり導波路の曲率半径や屈折率等を発光素子の光の波長に応じて設定する。
[光導波路の形成]
次に、図44〜図52を用いて光導波路の形成例について説明する。以下では、窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成、樹脂膜による光導波路の形成、およびナノインプリント技術を用いた光導波路の形成について説明する。
(窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成)
窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成について図44,図45を用いて説明する。図44,45は窒化シリコン(SiN)膜による光導波路の形成を説明するためのフローチャート、および概略図である。
はじめに、シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(S1)。SiO2膜101上に窒化シリコン膜(SiN膜)102をプラズマCVDによって形成する。SiN膜102の膜厚は3μm程度とする(図45(a))(S2)。
SiN膜102上にフォトレジストを塗布し、光導波路のパターンを形成するレジストパターンを形成する(図45(b))(S3)。レジストパターンをマスクとしてプラズマを用いたドライエッチングを行ってSiN膜102をエッチングする。エッチングはSiO2膜101との境界、あるいはSiO2膜101を残して終了する。
SiO2膜101との境界までエッチングした場合には、Si基板100上にSiN膜102による独立型の光導波路を形成することができる。また、SiO2膜101の境界の手前でエッチングを終了して、SiN膜102を残した場合には、Si基板100上にSiN膜102によるリッジ型の光導波路を形成することができる(図45(c))(S4)。
また、形成した光導波路およびSiO2膜101上に例えば2μmの膜厚のSiO2膜を形成する。このとき、上層のSiO2膜は光導波路のクラッド200上のオーバークラッド202を形成し、下層のSiO2膜101はアンダークラッド201を形成する(図45(d))(S5)。
(樹脂膜による光導波路の形成)
樹脂膜による光導波路の形成について図46〜49を用いて説明する。樹脂膜は、UV感光樹脂材又はUV非感光樹脂材を用いることができる。図46,47はUV感光樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートおよび概略図であり、図48,49はUV非感光樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートおよび概略図である。
はじめに、UV感光樹脂材を用いた光導波路の形成について説明する。
シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(S11)。SiO2膜101の全面にUV感光樹脂材110を塗布する。(図47(a))(S12)。
UV感光樹脂材110上にCrを材料としたフォトレジストマスクを介して、光導波路のパターンをUV光で露光する(図47(b))(S13)。
UV光が照射されたUV感光樹脂材110部分を分解して除去し、残ったUV感光樹脂材110部分を硬化して光導波路を形成する(図47(c))(S14)。なお、UV感光樹脂材110の特性によって、露光部分を残して光導波路を形成する場合もある。
次に、非感光樹脂材を用いた光導波路の形成について図48、図49に基づいて説明する。
シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(S21)。SiO2膜101の全面にUV非感光樹脂材111を塗布する。(図49(a))(S22)。
UV非感光樹脂材111上の全面にSiO2膜をプラズマCVD等によって成膜し(S23)、フォトリソ工程によってSiO2膜をパターニングして耐エッチングマスクを形成する (S24)。O2プラズマ処理によって、カーボンを主成分とする樹脂をCOの反応によって除去する(図49(b))(S25)。
2プラズマ処理の後、耐エッチングマスクを除去して光導波路を形成する(図49(c))。なお、UV感光樹脂材110の特性によって、露光部分を残して光導波路を形成する場合もある。
(ナノインプリント技術を用いた光導波路の形成)
ナノインプリント技術を用いた光導波路の形成について図50〜52を用いて説明する。樹脂膜は、UV硬化樹脂材又は熱硬化樹脂材を用いることができる。図50はUV硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートであり、図51は熱硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するためのフローチャートであり、図52は、UV硬化樹脂材又は熱硬化樹脂材による光導波路の形成を説明するための概略図である。
はじめに、UV硬化樹脂材にナノインプリント技術を適用した光導波路の形成について説明する。
シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(S31)。SiO2膜101の全面にUV硬化樹脂材112を塗布する。(図52(a))(S32)。
UV硬化樹脂材112上に、ナノプリント用モールド105を押し込んで、光導波路部分を形成する。ナノプリント用モールド105は、例えば石英等の材質で形成することができる(図52(b))(S33)。
ナノプリント用モールド105で押圧した状態で、UV光を照射してUV硬化樹脂材112を硬化させる (S34)。
ナノプリント用モールド105を剥離し、硬化したUV硬化樹脂材112によって光導波路を形成する(図52(c)) (S35)。
次に、熱硬化樹脂材にナノインプリント技術を適用した光導波路の形成について説明する。
シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(S41)。SiO2膜101の全面に熱硬化樹脂材113を塗布する。(図52(a))(S42)。
熱硬化樹脂材113上に、ナノプリント用モールド105を押し込んで、光導波路部分を形成する。ナノプリント用モールド105は、例えば石英等の材質で形成することができる(図52(b))(S43)。
ナノプリント用モールド105で押圧した状態で、加熱して熱硬化樹脂材113を硬化させる (S44)。ナノプリント用モールド105を剥離し、硬化した熱硬化樹脂材113によって光導波路を形成する(図52(c)) (S45)。
[光学系要素と電気的要素の形成]
次に、半導体基板上に光学系要素と電気的要素とを形成する形成方法について説明する。以下では、検出器と制御部を後工程で実装するプロセス例と、検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセス例について説明する。
ここで、光学系要素は、例えば、光導波路や多波長合波器要素であり、電気的要素は、例えば、配線や電極端子である。また、検出器と制御部を半導体基板内に作り込む場合には、配線等の電気的要素と共に検出器や制御部を形成することができる。
(検出器と制御部を後工程で実装するプロセス例)
光学系要素と電気的要素の形成において、検出器と制御部を後工程で実装するプロセス例について図53〜57を用いて説明する。図53,54はプロセスの手順を説明するためのフローチャートおよび手順を説明するための概略図であり、図55〜図57はプロセスの各手順における構成図である。
はじめに、S51〜S55の工程で光学系要素を形成する。シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)101を形成する。SiO2膜101は、熱酸化膜あるいはプラズマCVD膜とすることができ、1〜2μm程度の膜厚とする(図54(a))(S51)。SiO2膜101上に窒化シリコン膜(SiN膜)102をプラズマCVDによって形成する。SiN膜102の膜厚は3μm程度とする(図54(b))(S52)。
SiN膜102上にフォトレジストを塗布し、光導波路のパターンを形成するレジストパターンを形成する。フォトレジストのパターニングでは、例えば、導波路型方向性結合器2、ピッチコンバータ3、ピッチコンバータ3とレーザ素子4とを繋ぐ光導波路7のパターンが形成されている(図54(c),(d))(S53,S54)。レジストパターンをマスクとしてプラズマを用いたドライエッチングを行ってSiN膜102をエッチングし、光導波路を形成する。図55は、半導体基板上に、導波路型方向性結合器2、ピッチコンバータ3、光導波路7等の光学系要素を形成した状態を示している(図54(e)、図55)(S55)。
次に、S56の工程で電気的要素を形成する。電気的要素の形成工程では、Au膜による配線、外部接続用の電極、制御部等の実装品を電気的に接続するための電極を形成する。実装品を電気的に接続するための電極はマイクロバンプによって形成することができる(S56)。この工程では、SiO2膜101上にAu膜106を形成した後(図54(f))、配線あるいは電極として残したい部分にレジスト膜103をパターニングして形成し(図54(g))、レジスト膜103をマスクとしてエッチングを行って、レジスト膜103で覆われていない部分のAu膜106を除去し、配線や電極を形成する。このとき、SiO2膜101やSiN膜102による光導波路は残る(図54(h))。
次に、電極の内、部品を実装する部分にはマイクロバンプ用のレジスト膜107を形成する。また、配線として残す場合には、レジスト膜103をAu膜106の全面に形成する(図54(i))。
この後、ハーフエッチングによって、マイクロバンプ用のレジスト膜107の間のAu膜106には所定深さの凹凸が形成される(図54(j))。このAu膜106に形成された凹凸によってマイクロバンプが形成される。Au膜106は下層で繋がっているため、電極として導通状態となる。一方、配線側にはマイクロバンプが形成されないため、平坦面が形成されている。図56は、Au配線、電極等の電気的要素を形成した状態を示している(図54(k),図56)(S56)。
マイクロバンプが形成されたAu膜106は実装品の接合部を構成し、この接合部にレーザ素子や制御部等の実装品を実装する。マイクロバンプによる接合は、常温活性化接合であり、低温で接合することができる(図54(l))(S57)。その後、電極と配線との間をAuのワイヤボンディングによって接続する。なお、制御部の実装では、制御部のICをベアチップの状態でアルミパッド上にAu膜を形成しておき、フリップした状態で行う(S58)。
図57は、レーザ素子4、検出器5,制御部6、PPLN4d、SGB4e等の実装品を実装し、レーザ素子4の上部電極とAu配線との間をAuのワイヤボンディングによって接続した状態を示している。(図54(m)、図57)。
(検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセス例)
光学系要素と電気的要素の形成において、検出器と制御部を半導体基板内に作り込むプロセス例について図58〜63を用いて説明する。図58,59はプロセスの手順を説明するためのフローチャートおよび手順を説明するための概略図であり、図60〜図63はプロセスの各手順における構成図である。
はじめに、61〜S66の工程で光学系要素を形成する。シリコン基板(Si基板)100内に、制御部、検出器等の回路構成、および配線等の集積回路部108を集積回路形成工程(IC工程)で形成する、配線は、例えばAl配線で形成される(図59(a))。 図60は、半導体基板内に、検出器5,制御部6,および配線が形成された状態を示している、配線は、例えば、電源ラインや外部との信号線として用いられる(S61)。
シリコン基板(Si基板)100上に酸化シリコン膜(SiO2膜)によって保護膜109を形成する。この保護膜109は、光導波路を形成する工程において、集積回路形成工程(IC工程)で形成した集積回路部108がダメージを受けないようにするために設けられる。SiO2膜の保護膜109は、プラズマCVD膜で形成することができ、1μm程度の膜厚とする(図59(b))(S62)。保護膜109上に窒化シリコン膜(SiN膜)102をプラズマCVDによって形成する。SiN膜102の膜厚は3μm程度とする(図59(c))(S63)。
SiN膜102上にフォトレジストを塗布し(S64)、光導波路のパターンを形成するレジストパターンを形成する。フォトレジストのパターニングでは、例えば、導波路型方向性結合器2、ピッチコンバータ3、ピッチコンバータ3とレーザ素子4とを繋ぐ光導波路7のパターンが形成されている(図59(d))(65)。レジストパターンをマスクとしてプラズマを用いたドライエッチングを行ってSiN膜102をエッチングし、光導波路を形成する(図59(d)〜(f)、図61)(S66)。
半導体基板内に形成したAl配線や電極と、以後の工程において保護膜109上に形成するAu膜106の配線や電極との間は、保護膜109によって電気的に絶縁された状態となる。そこで、これらの間を電気的に接続するために、ビアホール122を形成する(S67)。ビアホール122の形成は、例えば、ビアホールのパターンに対応したレジストパターンによって保護膜109に開口部を形成して行うことができる。このビアホール122内に導電層を埋め込むことによって、保護膜109を挟んで電気的導通を行うことができる(図59(g))(S67)。
図61は、半導体基板に、前記した工程で半導体基板内に検出した検出器5,制御部6,および配線の上層側に、導波路型方向性結合器2、ピッチコンバータ3、光導波路7等の光学系要素を形成した状態を示している。
次に、S68,S69の工程で電気的要素を形成する。電気的要素の形成工程では、Au膜による配線、外部接続用の電極、制御部等の実装品を電気的に接続するための電極を形成する。実装品を電気的に接続するための電極はマイクロバンプによって形成することができる。この工程では、Si基板100上に、Ti膜またはCr膜を介してAu膜106を形成した後(図59(h))、配線あるいは電極として残したい部分にレジスト膜103をパターニングして形成し(図59(i))、レジスト膜103をマスクとしてエッチングを行って、レジスト膜103で覆われていない部分のAu膜106を除去し、配線や電極を形成する。このとき、SiN膜102による光導波路は残る(図59(j))。
次に、電極の内、部品を実装する部分にはマイクロバンプ用のレジスト膜107を形成する。また、配線として残す場合には、レジスト膜103をAu膜106の全面に形成する(図59(k))。
この後、ハーフエッチングによって、マイクロバンプ用のレジスト膜107の間のAu膜106には所定深さの凹凸が形成される(図59(l))。このAu膜106に形成された凹凸によってマイクロバンプが形成される。Au膜106は下層で繋がっているため、電極として導通状態となる。一方、配線側にはマイクロバンプが形成されないため、平坦面が形成されている。図62は、Au配線、電極等の電気的要素を形成した状態を示している(図59(m),図62)(S68)。
マイクロバンプが形成されたAu膜106は実装品の接合部を構成し、この接合部にレーザ素子や制御部等の実装品を実装する。マイクロバンプによる接合は、常温活性化接合であり、低温で接合することができる(図59(n))(S70)。その後、電極と配線との間をAuのワイヤボンディングによって接続する。なお、制御部の実装では、制御部のICをベアチップの状態でアルミパッド上にAu膜を形成しておき、フリップした状態で行う(S71)。
図63は、レーザ素子4、検出器5,制御部6、PPLN4d、SGB4e等の実装品を実装し、レーザ素子4の上部電極とAu配線との間をAuのワイヤボンディングによって接続した状態を示している。(図59(o)、図63)。
次に、本発明の光源装置が備えるSBGについて図64を用いて説明する。
SBGは、近赤外LDの基本波を部分的に反射させるために表面ブラッググレーティング(surface Bragg grating (SBG))であり、SHGレーザの緑色光出力を安定化させるために設けられる。
SBGは、前記した図19〜図21に示した構成例のように、波長変換素子上に形成する構成とする他に、光導波路上に形成する構成とすることができる。
図64は、SBGの配置を説明するための図である。図64(a)はPPLN(波長変換素子)4d上にSBG4eを形成する構成を示し、図64(b)〜(d)は光導波路7上にSBG4eを形成する構成を示している。
図64(b)は、PPLN(波長変換素子)4dと曲がり導波路12との間に光導波路7上に形成する構成例であり、図64(c)は、光路上において曲がり導波路12の後方に形成する構成例であり、図64(d)は、曲がり導波路12上に形成する構成例である。
SBGを光導波路上に形成する場合には、エッチング等によってグレーティング形状を形成する方法、あるいは光導波路にUV光に反応する材料を用いてUV光によって光書き込みを行って屈折率に差を形成させる方法がある。
UV光の書き込みによる場合には、GeドープしたSiO2膜等の、UV光で屈折率が変化する材料を光導波路とし、この光導波路に二光束干渉露光法を用いて直接書き込むことができる。二光束干渉露光法は、2つの波長のUVレーザを干渉させることでパターンを形成する方法である。
次に、本発明の光源装置をプロジェクタへの適用例について図65を用いて説明する。
図65に示す構成例において、プロジェクタ20は、コントローラ21,光源装置22,偏向装置23、投影レンズ24を備え、画像信号を光束に変換してスクリーン等に投影する。
コントローラ21は、入力した画像信号に基づいて、例えば、画素単位でRGBの各波長成分を求め、光源装置22のレーザ素子を駆動する制御信号を形成する。光源装置22のレーザ素子は、コントローラ21から制御信号32を受けて、RGBの各波長の光を発光する。光源装置22は、RGBの各波長の光を合波して光束34を出射する。
偏向装置23は、光源装置22から出射された光束34を偏向して偏向光束35を形成する。偏向装置23は、例えば、MEMSミラー等によって形成することができ、コントローラ21からの制御信号33によって光束34を所定方向に偏向して偏向光束35を形成する。
上記した回路構成は一例であって上記回路の限られるものではなく、他の回路構成を用いて検出回路を構成することもできる。
図2(a)において、導波路型方向性結合器は2本の導波路を平行に近接させて成り、一方の導波路は入射側にポート1を有し出射側にポート4を有し、他方の導波路は入射側にポート2を有し出射側にポートを有している。
図5(a)は結合長がL5の場合を示し、図5(b)は結合長がL6の場合を示している。この結合長L5,L6によれば、ポート1から入射した波長λ1の光波および波長λ2の光波は挿入損失が小さいためポート3に移行し、ポートから入射した波長λ3の光波は挿入損失が大きいため移行することなくポート3に進む。この結合長の周期性によって、導波路型方向性結合器は複数の波長を含む場合についても合波に波長選択性を有することになる。
次に、2番目の導波路の合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目の導波路に入射された波長λ3の光波は、図7(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L12において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は大きいため、2番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波は3番目の導波路に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
次に、図8(e)に示すように、第2段目の導波路型方向性結合器の結合長L12での挿入損失は、図8(a)に示す波長λ1の結合長の周期性と図8(b)に示す波長λ2の結合長の周期性と図8(d)に示す波長λ3の結合長の周期性との組み合わせによって、波長λ1(破線で示す)および波長λ2は小さく(実線で示す)、波長λ3(一点鎖線で示す)は大きい。これによって、第2段目の導波路型方向性結合器は波長λ1および波長λ2の合波を波長λ3の光波に結合する。
各導波路からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3(λ1<λ2<λ3)の光波を入射する。ポート1から入射した波長λ1の光波とポート2から入射した波長λ2の光波は、図9(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L13において波長λ1の光波の挿入損失(破線で示す)は小さく波長λ2の光波の挿入損失(実線で示す)は大きいため、1番目の導波路に入射した波長λ1の光波は2番目の導波路に結合される。
次に、2番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目の導波路に入射された波長λ3の光波は、図9(b)の挿入損失特性が示すように、結合長L14において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は大きく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は小さいため、3番目の導波路の波長λ3の光波は2番目の導波路に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
次に、2番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と3番目のポート3から入射された波長λ3の光波は、図11(b)の挿入損失特性が示すように、結合長La2において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は小さく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は大きいため、2番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波は3番目の導波路のλ3に結合される。これによって、3番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
最後に、3番目の導波路に合波された波長λ1の光波、波長λ2の光波、および波長λ3の光波と4番目のポート4から入射された波長λ4の光波は、図11(b)の挿入損失特性が示すように、結合長La3において波長λ1,波長λ2,および波長λ3の光波の挿入損失(破線、実線、一点鎖線で示す)は小さく波長λ4の光波の挿入損失(長い破線で示す)は大きいため、3番目の導波路の波長λ1,波長λ2および波長λ3の光波は4番目の導波路のλ4に結合される。これによって、4番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3,λ4の光波が合波されることになる。
次に、1番目の導波路に合波された波長λ1の光波および波長λ2の光波と、3番目のポート3から入射された波長λ3の光波は、図12(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lb2において波長λ1および波長λ2の光波の挿入損失(破線および実線で示す)は大きく波長λ3の光波の挿入損失(一点鎖線で示す)は小さいため、3番目の導波路のλ3は1番目の導波路の波長λ1および波長λ2の光波に結合される。これによって、1番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3の光波が合波されることになる。
最後に、1番目の導波路に合波された波長λ1の光波、波長λ2の光波、および波長λ3の光波と、4番目のポート4から入射された波長λ4の光波は、図12(b)の挿入損失特性が示すように、結合長Lb3において波長λ1,波長λ2,および波長λ3の光波の挿入損失(破線、実線、一点鎖線で示す)は大きく波長λ4の光波の挿入損失(破線で示す)は小さいため、4番目の導波路のλ4の光波は3番目の導波路の波長λ1,波長λ2および波長λ3の光波に結合される。これによって、1番目の導波路には波長λ1,λ2,λ3,λ4の光波が合波されることになる。
なお、ピッチコンバータは、図15のように方向性結合器の後や間に挿入しても良い。図15の構成では、ピッチコンバータ3aは、導波路型方向性結合器2a〜2cと導波路型方向性結合器2o〜2rの間に配置し、ピッチコンバータ3aの入射側の導波路型方向性結合器2a〜2cのピッチ間隔からピッチコンバータ3aの出射側の導波路型方向性結合器2o〜2rのピッチ間隔に変換する。
図20に示す構成例は、図19に示す構成において、90°ピッチコンバータ3Bのピッチ間隔をさらに縮めた構成例を示している。この構成例の光源装置10Dでは、90°ピッチコンバータ3Bおよび多波長合波器1の幅D3'は、例えば200μm程度より小さくすることができ、これによって、光源装置10Dの長さ(図20の左右方向の長さ)は例えば8mm程度より小さくすることができる。また、図20に示す構成例では、制御部6Aおよび、電極端子6Bを配線基板9の一方の辺側に実装する構成を示している。
図21に示す構成例は、図19に示す構成において、緑色発光素子4cに設けた、表面ブラッググレーティングSBG4e、および非線形光学結晶部PPLN4dを発光素子4a,4bが配置される辺と直交する辺に設ける構成例である。この構成とすることで、SBG4eおよびPPLN4dを実装するスペースを縮小することができる。この構成例の光源装置10Eでは、発光素子側の幅D4'を、例えば7mm程度より小さくすることができる。
図23は、図18で示した光源装置10Bにおいて、90°ピッチコンバータによる小型化の効果を説明するための図であり、光波の進行方向を90°変更することに意義を説明する。なお、図23(b)は45°ピッチコンバータを配置する場合を示している。
また、第2の形態では、R波長(650nm)と波長(523nm)の光波を、結合長Lcが1210μmの長さの一段目の導波路型方向性結合器によって合波し、合波したR波長と波長の光波を、結合長Lcが2660μmの2段目の導波路型方向性結合器で波長(460nm)の光波と合波する。図30では、この結合長の組み合わせを丸付き数字2で示している。
f(θ2)=式(14)の左辺として、真空中の波長632.8nmにおいて、LN基板のne=2.200,no =2.286を代入してf−θ2の関係をプロットすると図33が得られる。
42(a),(b)は、ミラー部分11bを裏面側から見た概略図である。90°ベンド導波路11Bは、ミラーの裏面11c側のリッジ部をアンダークラッドの表面11dまで掘り下げて開口部11eを形成する。リッジ部の掘り下げは、例えばエッチング等によって行うことができる。この構成とすることによって、ミラー部分11bにおいて導波路11aからの光の漏れを低減させ、ミラーの反射性を高めることができる。
プラズマ処理の後、耐エッチングマスクを除去して光導波路を形成する(図49(c))。

Claims (20)

  1. 配線が形成された半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、前記配線を外部と電気的に接続する電極端子と、
    前記半導体基板上に実装されるとともに前記配線と接続した、波長を異にする複数のレーザ素子と、
    前記半導体基板上に形成され、前記各レーザ素子が発光する光波を導波する複数の導波路と、
    前記半導体基板上に形成され、導波路型方向性結合器を有し、前記各導波路で導波される光波を合波する多波長合波器と、を備えたことを特徴とする、光源装置。
  2. 前記多波長合波器は、
    少なくとも2つの入射波を合波する導波路型方向性結合器を多段に接続して備え、
    前記各段の導波路型方向性結合器は、波長を異にする複数の入射波を段階的に合波し、
    最終段の導波路型方向性結合器は、前段の各段の導波路型方向性結合器で合波した複数の入射波を合波することを特徴とする、請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記導波路型方向性結合器は、並列配置した2本の導波路の結合長に基づいた波長選択性を有することを特徴とする、請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記導波路は、前記半導体基板上に形成した光導波性材料からなる膜のパターニングにより形成され、
    前記導波路型方向性結合器は、パターニングされた2本の前記導波路を結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させることを特徴とする、請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記導波路は、シリコン窒化膜、ゲルマニウムをドープしたシリコン酸化膜、樹脂膜の何れか一つをパターニングして形成されたことを特徴とする、請求項4に記載の光源装置。
  6. 前記導波路は半導体基板上に高屈折率領域を形成してなる平面型導波路であり、
    前記導波路型方向性結合器は、2本のコアを結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させることを特徴とする、請求項3に記載の光源装置。
  7. 前記導波路は半導体基板上に等価屈折率を異にするリッジ部を形成してなるリッジ型導波路であり、
    前記導波路型方向性結合器は、2本のリッジ部を結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させることを特徴とする、請求項3に記載の光源装置。
  8. 前記導波路は半導体基板上に固定された光ファイバであり、2本の光ファイバのコアを結合長の長さ分の間だけ平行に隣接または融合させることを特徴とする、請求項3に記載の光源装置。
  9. 前記導波路どうしの間隔を、前記複数のレーザ素子を前記半導体基板上に配置するピッチ間隔から、前記導波路型方向性結合器の導波路間のピッチ間隔に切り換えるピッチコンバータを備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一つに記載の光源装置。
  10. 前記ピッチコンバータは、前記導波路の向きを90°変更する90°ベンドコンバータであることを特徴とする、請求項9に記載の光源装置。
  11. 前記半導体基板は四角形状であり、
    前記複数のレーザ素子は四角形状の一辺側に実装され、
    前記多波長合波器で合波した光を出射する出射端は前記レーザ素子を実装した辺と直角をなす他辺側に設けられることを特徴とする、請求項10に記載の光源装置。
  12. 前記配線は、前記半導体基板上に形成した金属膜のパターニングにより形成されたことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一つに記載の光源装置。
  13. 前記金属膜のパターニングにより、前記配線とともに形成された金属材料からなる接合部を備え、
    前記接合部に前記レーザ素子が接合されたことを特徴とする、請求項12に記載の光源装置。
  14. 前記金属膜はAuからなる膜であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の光源装置。
  15. 前記半導体基板に形成された配線を介して前記各レーザ素子を駆動する駆動回路を有する制御部を備えたことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の光源装置。
  16. 前記制御部は、前記半導体基板の内部に集積回路形成工程により形成されたことを特徴とする、請求項15に記載の光源装置。
  17. 前記制御部は、前記半導体基板上に実装された集積回路により構成されることを特徴とする、請求項15に記載の光源装置。
  18. 多段接続される複数の導波路型方向性結合器の内、最終段の導波路型方向性結合器を除く導波路型方向性結合器の合波出力する出力ポート以外の出力ポートの出射波の光強度を検出する検出器と、初段の導波路型方向性結合器において結合される入射波の光強度を検出する検出器と、
    前記レーザ素子が発生する入射波の強度を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記各検出器で検出される光強度を帰還し、前記発光素子を制御することを特徴とする、請求項15から17のいずれか一つに記載の光源装置。
  19. 前記レーザ素子が発光する光波を波長変換する波長変換素子を備え、
    前記導波路は、前記波長変換素子で変換された光波を導波することを特徴とする、請求項1から18のいずれか一つに記載の光源装置。
  20. 前記各導波路は、R波長域、G波長域、およびB波長域の各波長域の光波を導波することを特徴とする、請求項1から19のいずれか一つに記載の光源装置。
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