以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100は、複数の可視光源である緑色光源11、青色光源12、赤色光源13と、石英系ガラスからなるPLCである光導波路回路20とを備えている。
緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、たとえば半導体レーザ素子である。緑色光源11は緑色の可視光L1を出力する。可視光L1の波長はたとえば495nm~570nmである。青色光源12は青色の可視光L2を出力する。可視光L2の波長はたとえば450nm~495nmである。赤色光源13は赤色の可視光L3を出力する。可視光L3の波長はたとえば620nm~750nmである。可視光L1、L2、L3は、互い波長が異なる。
光導波路回路20は、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20は、第1端面20aと、第1端面20aと対向する第2端面20bとを有している。緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、第1端面20aにバッドジョイント接続されている。
光導波路回路20は、導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26と、クラッド28とを有している。導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28は、導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とを取り囲んでいる。図2ではクラッド28が導波路27を取り囲んでいる状態を示している。クラッド28は、各導波路および合分波器の下方に位置する下部クラッド28aと、各導波路および合分波器の上方および側方に位置する上部クラッド28bとを備えている。クラッド28は、たとえば不図示のシリコン基板やガラス基板上に形成されている。
導波路21は、第1端面20aにおいて緑色光源11と光学的に接続されており、可視光L1を導波する。導波路22は、第1端面20aにおいて青色光源12と光学的に接続されており、可視光L2を導波する。導波路23は、第1端面20aにおいて赤色光源13と光学的に接続されており、可視光L3を導波する。すなわち第1端面20aには可視光L1、L2、L3が入力される。
合分波器24は、導波路21、22、25と光学的に接続されている。合分波器24は、可視光L1と可視光L2とを合波して導波路25に出力する。導波路25は可視光L1と可視光L2とを導波する。
合分波器26は、導波路23、25と光学的に接続されている。合分波器26は、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを合波して導波路27に出力する。
合分波器24、26は、公知の構成を有しており、たとえば方向性結合器型や多モード干渉型、Y分岐型などの、導波路を含む構造を有するものである。なお、光の相反性により、合分波器24、26は分波機能も有する。たとえば、合分波器24は、導波路25から可視光L1と可視光L2とが入力された場合、これらを分波して導波路21、22のそれぞれに出力できる。
導波路27は、合分波器26と光学的に接続されている。導波路27は可視光L1と可視光L2と可視光L3とを導波し、光導波路回路20の第2端面20bから、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを含むRGB光である可視光L4を出力する。
導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とについてより具体的に説明する。導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とは、屈折率を高めるドーパントであるジルコニア(ZrO2)を含む石英系ガラスからなる。一方、クラッド28はたとえば純石英ガラスからなる。ここで、純石英ガラスとは、不純物を含まない石英ガラスと、不純物を含むが石英ガラスの屈折率を変化させる不純物を含まない石英ガラスとを含むものと規定する。導波路21、22、23、25、27および合分波器24、26の、クラッド28に対する比屈折率差Δは、本実施形態では3.5%である。なお、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のモードフィールド径はたとえば1μm×15μmや1μm×30μmなどの楕円形である。そこで、比屈折率差Δを3.5%とすることで、導波路21、22、23のコアサイズを1μm×1μm程度とできる。これにより、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13とのバットジョイント接続における接続損失を0.1dB程度に低減できる。導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されている。ただし、導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とは、導波する可視光をマルチモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されていてもよい。
導波路21、22、23、25、27は、いずれも屈曲している。たとえば、導波路25は、2度Uターンする形状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は150μmである。導波路27は、S字状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は250μmである。比屈折率差Δが3.5%と高いので、導波路25の曲げ半径が150μmでも曲げ損失がきわめて低減される。このように導波路が屈曲していることによって、光源モジュール100は長さ、すなわち第1端面20aと第2端面20bとの距離が短くなるとともに、導波路のレイアウトの自由度が高くなる。なお、導波路21、22、23、25、27の曲げ半径は、比屈折率差Δを高くするにしたがってさらに小さくできる。比屈折率差Δが3.5%の場合に、最小曲げ半径は、波長460nm、530nm、640nmの場合は、それぞれ100μm、150μm、250μmである。なお、最小曲げ半径とは、その曲げ半径で導波路を90度だけ曲げたときに、曲げによる損失が0.05dB以下となる最小の半径である。
光導波路回路20は、たとえば以下の用にして製造できる。まず、FHD(Flame Hydrolysis Deposition)法により、基板上に石英系ガラスの微粒子を堆積し、これを加熱してガラス微粒子を透明ガラス化し、下部クラッド28aを形成する。つづいて、下部クラッド28a上にスパッタ法によって、導波路となる石英系ガラス微粒子層を堆積する。この際、ジルコニアをSiO2に添加して、石英系ガラス微粒子層の屈折率を下部クラッド28aよりも高くする。つづいて、光導波路回路20の導波路21、22、23、25、27および合分波器24、26の回路パターンをもつフォトマスクを使ったフォトリソグラフィにより、レジストからなるエッチングマスクを形成する。つづいて、フッ素系ガスなどのエッチングガスを用いて、エッチングマスクで覆われていない石英系ガラス微粒子層のドライエッチングを行う。つづいて、FHD法により石英系ガラスの微粒子を堆積し、これを加熱してガラス微粒子を透明ガラス化し、上部クラッド28bを形成する。
可視光を導波または合波する導波路21、22、23、25、27と、合分波器24、26とがジルコニアを含むことによる効果をより詳細に説明する。
図3は、比屈折率差Δとコアサイズとの関係の一例を示す図である。コアサイズとは、導波路の長手方向に垂直な断面における断面形状を正方形とした場合の、正方形の一辺の長さである。コアサイズは波長λの光をシングルモードで導波することができる値を示している。波長λとして、通信において使用される1550nmの場合と、可視光領域のうち比較的短波である460nmの場合を示している図3に示すように、1550nmの場合と比較して、460nmの場合、コアサイズを大幅に小さくする必要がある。たとえば、比屈折率差Δが0.45%の場合、コアサイズは波長1550nmでは一辺が7.5μmであるものが、波長460nmでは一辺が3μmである。図3はシングルモード導波の場合を示すが、マルチモード導波の場合も、コアサイズの大小の波長依存性は同様の傾向を示す。
また、図4は、比屈折率差Δとドーパント濃度との関係の一例を示す図である。ここで、ドーパント濃度は、石英ガラス中おける濃度である。図4に示すように、同じ比屈折率差Δを実現するために必要なドーパント濃度については、ジルコニアはゲルマニアの1/4程度以下でよい。
ここで、導波路中にドーパントが存在すると、ドーパントによってレイリー散乱光が発生する。レイリー散乱光の発生は光損失を引き起こす。石英ガラス中のドーパントの粒子によって生じるレイリー散乱光の強度について、下記式が成立する。
Iはレイリー散乱光の強度、I
0は入射光の強度、λはレイリー散乱光の波長、Rはドーパント粒子からの距離、Vはドーパント粒子の体積、θは散乱角、nはドーパント粒子の屈折率である。
上記式から解るように、レイリー散乱光強度は、λの4乗に反比例する。したがって、レイリー散乱光は、可視光領域ではλが1550nmの場合と比較して強くなる。一方、レイリー散乱光強度は、Rの2乗に反比例する。したがって、ドーパントとしてジルコニアを用いると、ゲルマニアの場合と比較して、同じ比屈折率差Δを実現する際のドーパント濃度を1/4程度以下とできるので、R2を16倍程度以上とできる。その結果、ドーパントとしてジルコニアを用いると、レイリー散乱光強度を低減できるので、光散乱を抑制できる。
さらに、ガラスは一般的にドーパント濃度が高いと軟化点が低下する。そのため、光導波路回路の導波路にドーパントを添加する場合、製造プロセスにおけるガラス化などの、1000℃級の加熱工程において導波路が変形するおそれがある。たとえば、図5は、下部クラッド128a上に、ゲルマニアを添加した石英系ガラス微粒子層の導波路パターン121、122を形成し、その後FHD法により、上部クラッドとなる石英系ガラス微粒子層128bを形成した場合を示している。この場合、FHD法における高温下にて軟化した方向性結合器の導波路パターン121、122に石英系ガラス微粒子層128bから応力が掛かり、導波路パターン121、122が互いに近づく状態に傾く変形をする場合がある。
これに対して、ドーパントとしてジルコニアを用いると、ゲルマニアの場合と比較して、同じ比屈折率差Δを実現する際のドーパント濃度を1/4程度以下とできるので、導波路の変形を抑制することができる。さらに、ジルコニアの融点は2715℃であり、ゲルマニアの融点よりも約2.5倍高く、機械的強度も高いので、より高濃度としても変形を抑制できる。特に、図3に示したように、可視光領域の光を使用する場合はコアサイズを大幅に小さくする必要がある。そのため、導波路の変形を抑制することは、導波路の形状やサイズを高精度にするために適する。
図6は、比屈折率差Δに対するコアサイズとドーパント材料の適用範囲の一例を示す図である。波長帯として、1530nm~1560nm程度の通信帯域と、可視光領域とを示しており、特に1550nmと460nmの場合を示している。コアサイズと比屈折率差Δとの関係は図3に示したものと同じである。比屈折率差Δとドーパント濃度との関係は図4に示したものと同じである。
領域Aは、1000℃級の高温下で導波路の変形などが生じない比屈折率差Δおよびコアサイズの領域の一例である。なお、クラッドは純石英ガラスである。領域Bは、1000℃級の高温下で導波路の変形が生じ得る比屈折率差Δおよびコアサイズの領域の一例である。領域Cは、1000℃級の高温下で導波路の溶融が生じ得る比屈折率差Δおよびコアサイズの領域の一例である。図6に示すように、波長1550nmではゲルマニアの場合でも領域Aの範囲は比較的広いが、波長460nmでは大幅に狭くなる。これに対して、ジルコニアの場合は、領域Aの範囲がきわめて広いことがわかる。図6の場合は、青色領域の波長460nmにおいて、比屈折率差Δが0.8%以上またはコアサイズが2.2μm以下であればジルコニアの効果が高く、比屈折率差Δが3.5%以上またはコアサイズが1μm以下であればジルコニアの効果がさらに高い。この比屈折率差Δを図4の関係を用いてドーパント濃度に変換すると、青色領域の波長460nmにおいて、ドーパント濃度が2mol%以上であればジルコニアの効果が高く、ドーパント濃度が7.75mol%以上であればジルコニアの効果がさらに高い。
なお、図6に示す比屈折率差Δおよびコアサイズの領域である領域A、B、Cの範囲は、クラッドの屈折率や波長などに依存して変化し得ることに留意すべきである。
以上説明したように、実施形態1に係る光源モジュール100は、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100は、導波路21、22、23、25、27および合分波器24、26のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100はレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。
ここで、実施形態1に係る光源モジュールと同じ構成の光源モジュールを作製した。なお、合分波器は多モード干渉(MMI)型とした。作製した光導波路回路は平面視で3mm×0.5mmときわめて小型に作製できた。また、各可視光源と光導波路回路のバットジョイント接続の接続損失はいずれも0.2dB以下であった。各可視光源から光導波路回路の出力端までの損失は0.5dB以下であり、きわめて低損失を実現できた。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Aは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13と、石光導波路回路20Aとを備えている。
緑色光源11、青色光源12、赤色光源13と可視光L1、L2、L3とは、実施形態1の対応する要素と同じである。
光導波路回路20Aは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20は、第1端面20Aaと、第1端面20Aaと対向せずに略直交する第2端面20Abとを有している。緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、第1端面20Aaにバッドジョイント接続されている。
光導波路回路20Aは、導波路21A、22A、23A、25A、27Aと、合分波器24A、26Aと、クラッド28Aとを有している。導波路21A、22A、23A、25A、27Aと、合分波器24A、26Aとは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器を含む。
クラッド28Aは、導波路21A、22A、23A、25A、27Aと、合分波器24A、26Aとを取り囲んでいる。クラッド28Aは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
導波路21Aは、第1端面20Aaにおいて緑色光源11と光学的に接続されており、可視光L1を導波する。導波路22Aは、第1端面20Aaにおいて青色光源12と光学的に接続されており、可視光L2を導波する。導波路23Aは、第1端面20Aaにおいて赤色光源13と光学的に接続されており、可視光L3を導波する。
合分波器24Aは、導波路21A、22A、25Aと光学的に接続されている。合分波器24Aは、可視光L1と可視光L2とを合波して導波路25Aに出力する。導波路25Aは可視光L1と可視光L2とを導波する。
合分波器26Aは、導波路23A、25Aと光学的に接続されている。合分波器26Aは、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを合波して導波路27Aに出力する。
合分波器24A、26Aは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Aは、合分波器26Aと光学的に接続されている。導波路27Aは可視光L1と可視光L2と可視光L3とを導波し、光導波路回路20Aの第2端面20Abから、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを含むRGB光である可視光L4を出力する。
導波路21A、22A、23A、25A、27Aと、合分波器24A、26Aとは、実施形態1の対応する要素と同様に、ジルコニアを含む石英系ガラスからなる。導波路21A、22A、23A、25A、27Aおよび合分波器24A、26Aのクラッド28Aに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。導波路21A、22A、23A、25A、27Aと、合分波器24A、26Aとは少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモードで導波する条件に設定されていてもよい。
導波路21A、22A、23A、25A、27Aは、いずれも屈曲している。たとえば、導波路21A、23Aは、L字状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は150μmである。導波路22Aは、S字状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は150μmである。導波路25Aは、S字状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は150μmである。導波路27Aは、U字状に屈曲しており、その最大の曲げ半径は250μmである。比屈折率差Δが3.5%と高いので、導波路の曲げ半径が150μmでも曲げ損失がきわめて低減される。このように導波路が屈曲していることによって、光源モジュール100Aは第1端面20aから入力された可視光L1、L2、L3を、略直交する第2端面20bから可視光L4として出力することができる。それととともに、光源モジュール100Aは導波路のレイアウトの自由度が高くなる。また、光源モジュール100Aは、長さ、すなわち第2端面20bとその対向端面との距離が短くなる。なお、導波路21、22、23、25、27の曲げ半径は、比屈折率差Δを高くするにしたがってさらに小さくできる。
実施形態2に係る光源モジュール100Aは、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100Aは、導波路および合分波器のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100Aはレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。また、第1端面20aから入力された可視光L1、L2、L3を、略直交する第2端面20bから可視光L4として出力することができるので、可視光L1、L2、L3のうち、第1端面20aへの入力時に導波路21A、22A、23Aに結合しなかった非結合成分が迷光として第2端面20bに到達しにくい。その結果、可視光L4は、非結合成分による品質劣化がきわめて抑制される。
なお、実施形態2では、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13がいずれも第1端面20Aa側に配置されているが、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のうちいずれか1つまたは2つが、第1端面20Aaと対向する端面側に配置されてもよい。そのような配置でも導波路や光結合器のレイアウトを適宜設計することで、可視光L4を第2端面20bから出力することができる。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Bは、緑色光源11Ba、11Bb、11Bc、11Bd、青色光源12Ba、12Bb、12Bc、12Bd、赤色光源13Ba、13Bb、13Bc、13Bdと、光導波路回路20Bとを備えている。
緑色光源11Ba、11Bb、11Bc、11Bdは、実施形態1の緑色光源11と同様の構成であるが、それぞれ、緑色領域であって互いに異なる波長の可視光を出力する。なお、この緑色の可視光は、互いにスペクトルが重なる。グラフG11は緑色光源11Ba~11Bdがそれぞれ出力する光の強度スペクトルを示している。横軸は波長を示しており、各光は互いに波長が異なる。
青色光源12Ba、12Bb、12Bc、12Bdは、実施形態1の青色光源12と同様の構成であるが、それぞれ、青色領域であって互いに異なる波長の可視光を出力する。なお、この青色領域の可視光は、互いにスペクトルが重なる。グラフG21は青色光源12Ba~12Bdがそれぞれ出力する光の強度スペクトルを示している。各光は互いに波長が異なる。
赤色光源13Ba、13Bb、13Bc、13Bdは、実施形態1の赤色光源13と同様の構成であるが、それぞれ、赤色領域であって互いに異なる波長の可視光を出力する。なお、この赤色の可視光は、互いにスペクトルが重なる。グラフG31は赤色光源13Ba~13Bdがそれぞれ出力する光の強度スペクトルを示している。各光は互いに波長が異なる。
光導波路回路20Bは、緑色光源11Ba~11Bd、青色光源12Ba~12Bd、赤色光源13Ba~13Bdのそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Bは、第1端面20Baと、第1端面20Baと対向する第2端面20Abとを有している。緑色光源11Ba~11Bd、青色光源12Ba~12Bd、赤色光源13Ba~13Bdは、第1端面20Aaにバッドジョイント接続されている。
光導波路回路20Bは、緑色合分波部21Bと、青色合分波部22Bと、赤色合分波部23Bと、導波路25B、27Bと、合分波器24B、26Bと、クラッド28Bとを有している。緑色合分波部21Bと、青色合分波部22Bと、赤色合分波部23Bと、導波路25B、27Bと、合分波器24B、26Bとは、緑色光源11Ba~11Bd、青色光源12Ba~12Bd、赤色光源13Ba~13Bdに光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Bは、緑色合分波部21Bと、青色合分波部22Bと、赤色合分波部23Bと、導波路25B、27Bと、合分波器24B、26Bとを取り囲んでいる。クラッド28Bは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
緑色合分波部21Bは、6本の導波路21Baと3個の合分波器21Bbとを備えている。緑色合分波部21Bは以下のように構成されている。導波路21Baのうち4本はそれぞれ、第1端面20Baにおいて緑色光源11Ba~11Bdのそれぞれと光学的に接続されており、それぞれから出力された可視光をそれぞれ導波する。合分波器21Bbのうち2個はそれぞれ、2つの可視光を合波して、それぞれ残りの2本の導波路21Baのそれぞれに出力する。残りの1個の合分波器21Bbは、2本の導波路21Baのそれぞれを導波した可視光をさらに合波して、さらに残りの1本の導波路21Baに出力する。
緑色合分波部21Bから出力された可視光は、グラフG12に示すように、緑色光源11Ba~11Bdのそれぞれから出力された光の強度スペクトルが少しずつ重なり、幅広いスペクトル形状を有している。
青色合分波部22Bは、緑色合分波部21Bと同様に、6本の導波路22Baと3個の合分波器22Bbとを備えている。青色合分波部22Bは、緑色合分波部21Bと同様に構成されており、青色光源12Ba~12Bdのそれぞれから出力された可視光を合波し、1本の導波路22Baに出力するように構成されている。
青色合分波部22Bから出力された可視光は、グラフG22に示すように、青色光源12Ba~12Bdのそれぞれから出力された光のスペクトルが少しずつ重なり、幅広いスペクトル形状を有している。
赤色合分波部23Bは、緑色合分波部21Bと同様に、6本の導波路23Baと3個の合分波器23Bbとを備えている。赤色合分波部23Bは、緑色合分波部21Bと同様に構成されており、赤色光源13Ba~13Bdのそれぞれから出力された可視光を合波し、1本の導波路23Baに出力するように構成されている。
赤色合分波部23Bから出力された可視光は、グラフG32に示すように、青色光源12Ba~12Bdのそれぞれから出力された光の強度スペクトルが少しずつ重なり、幅広いスペクトル形状を有している。
合分波器24Bは、緑色合分波部21B、青色合分波部22Bと光学的に接続されている。合分波器24Bは、緑色合分波部21B、青色合分波部22Bのそれぞれから出力された可視光を合波して導波路25Bに出力する。導波路25Bは合波された可視光を導波する。
合分波器26Bは、導波路25B、赤色合分波部23Bと光学的に接続されている。合分波器26Bは、導波路25B、赤色合分波部23Bのそれぞれから出力された可視光を合波して導波路27Bに出力する。
合分波器24A、26Aは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Bは、合分波器26Bと光学的に接続されている。導波路27Bは合波された可視光を導波し、光導波路回路20Bの第2端面20Bbから、グラフG4に示すスペクトルを有するRGB光である可視光L5を出力する。
緑色合分波部21Bと、青色合分波部22Bと、赤色合分波部23Bと、導波路25B、27Bと、合分波器24B、26Bとは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなり、クラッド28Bに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。緑色合分波部21B、青色合分波部22B、赤色合分波部23B、導波路25B、27B、および合分波器24B、26Bは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
ここで、可視光源がレーザ光源である場合、可視光であるレーザ光はコヒーレンシが高いので、スペックルノイズが発生するおそれがある。これに対して、実施形態3に係る光源モジュール100Bでは、緑色領域において緑色光源11Ba~11Bdのそれぞれから出力された光の強度スペクトルが少しずつ重なるようにして、幅広いスペクトル形状を有する光を生成する。同様に、青色領域において青色光源12Ba~12Bdのそれぞれから出力された光の強度スペクトルが少しずつ重なるようにして、幅広いスペクトル形状を有する光を生成する。同様に、赤色領域において赤色光源13Ba~13Bdのそれぞれから出力された光の強度スペクトルが少しずつ重なるようにして、幅広いスペクトル形状を有する光を生成する。これにより、光源モジュール100Bから出力される可視光L5では、スペックルノイズの発生が抑制される。
さらに、光源モジュール100Bは、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100Bは、導波路および合分波器のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100Bはレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。
(実施形態4)
図9は、実施形態4に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Cは、緑色光源11Ca、11Cb、青色光源12Ca、12Cb、赤色光源13Ca、13Cbと、光導波路回路20Cとを備えている。
緑色光源11Ca、11Cbは、実施形態1の緑色光源11と同様の構成であるが、光導波路回路20Cに対してTE(Transverse Electric)偏波の光を出力するように配置されている。ここで、TE偏波とは、光導波路回路20Cの基板面と平行方向の偏波である。青色光源12Ca、12Cbは、実施形態1の青色光源12と同様の構成であるが、光導波路回路20Cに対してTE偏波の光を出力するように配置されている。赤色光源13Ca、13Cbは、実施形態1の赤色光源13と同様の構成であるが、光導波路回路20Cに対してTE偏波の光を出力するように配置されている。
光導波路回路20Cは、緑色光源11Ca、11Cb、青色光源12Ca、12Cb、赤色光源13Ca、13Cbのそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Cは、第1端面20Caと、第1端面20Caと対向する第2端面20Cbとを有している。緑色光源11Ca、11Cb、青色光源12Ca、12Cb、赤色光源13Ca、13Cbは、第1端面20Caにバッドジョイント接続されている。
光導波路回路20Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと、青色偏波合成/分離部22Cと、赤色偏波合成/分離部23Cと、導波路25C、27Cと、合分波器24C、26Cと、クラッド28Cとを有している。緑色偏波合成/分離部21Cと、青色偏波合成/分離部22Cと、赤色偏波合成/分離部23Cと、導波路25C、27Cと、合分波器24C、26Cとは、緑色光源11Ca、11Cb、青色光源12Ca、12Cb、赤色光源13Ca、13Cbに光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと、青色偏波合成/分離部22Cと、赤色偏波合成/分離部23Cと、導波路25C、27Cと、合分波器24C、26Cとを取り囲んでいる。クラッド28Cは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
緑色偏波合成/分離部21Cは、4本の導波路21Caと1個の偏波回転器21Cbと1個の偏波合成/分離器21Ccとを備えている。緑色偏波合成/分離部21Cは以下のように構成されている。導波路21Caのうち2本はそれぞれ、第1端面20Caにおいて緑色光源11Ca、11Cbのそれぞれと光学的に接続されており、それぞれから出力されたTE偏波の可視光をそれぞれ導波する。偏波回転器22CbはTE偏波の可視光の偏波面を90度回転させてTM(Transverse Magnetic)偏波とし、残りの1本の導波路21Caに出力する。偏波合成/分離器21Ccは、TE偏波の可視光とTM偏波の可視光とを偏波合成して、さらに残りの1本の導波路21Caに出力する。
青色偏波合成/分離部22Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと同様に、4本の導波路22Caと1個の偏波回転器22Cbと1個の偏波合成/分離器22Ccとを備えている。青色偏波合成/分離部22Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと同様に構成されており、青色光源12Ca、12Cbのそれぞれから出力されたTE偏波の可視光を、TE偏波の可視光とTM偏波の可視光との偏波合成光として1本の導波路22Caに出力するように構成されている。
赤色偏波合成/分離部23Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと同様に、4本の導波路22Caと1個の偏波回転器22Cbと1個の偏波合成/分離器22Ccとを備えている。赤色偏波合成/分離部23Cは、緑色偏波合成/分離部21Cと同様に構成されており、赤色光源13Ca、13Cbのそれぞれから出力されたTE偏波の可視光を、TE偏波の可視光とTM偏波の可視光との偏波合成光として1本の導波路23Caに出力するように構成されている。
なお、光の相反性により、偏波合成/分離器21Cc、22Cc、23Ccは偏波分離機能も有する。たとえば、偏波合成/分離器21Ccは、無偏波の可視光が入力された場合、これらをTE偏波の光とTM偏波の光に分離できる。
合分波器24Cは、緑色偏波合成/分離部21C、青色偏波合成/分離部22Cと光学的に接続されている。合分波器24Cは、緑色偏波合成/分離部21C、青色偏波合成/分離部22Cのそれぞれから出力された偏波合成光を合波して導波路25Cに出力する。導波路25Cは合波された偏波合成光を導波する。
合分波器26Cは、導波路25C、赤色偏波合成/分離部23Cと光学的に接続されている。合分波器26Cは、導波路25C、赤色偏波合成/分離部23Cのそれぞれから出力された偏波合成光を合波して導波路27Cに出力する。
合分波器24C、26Cは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Cは、合分波器26Cと光学的に接続されている。導波路27Cは合波された偏波合成光を導波し、光導波路回路20Cの第2端面20Cbから、RGB光である可視光L6を出力する。
緑色偏波合成/分離部21Cと、青色偏波合成/分離部22Cと、赤色偏波合成/分離部23Cと、導波路25C、27Cと、合分波器24C、26Cとは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなり、クラッド28Bに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。緑色偏波合成/分離部21C、青色偏波合成/分離部22C、赤色偏波合成/分離部23C、導波路25C、27C、および合分波器24C、26Cは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
実施形態4に係る光源モジュール100Cでは、緑色領域において緑色光源11Ca、11Cbのそれぞれから出力された光から、TE偏波の可視光とTM偏波の可視光とを含む偏波合成光を生成する。同様に、青色領域において青色光源12Ca、12Cbのそれぞれから出力された光から偏波合成光を生成する。同様に、赤色領域において赤色光源13Ca、13Cbのそれぞれから出力された光から偏波合成光を生成する。これにより、光源モジュール100Cから出力される可視光L5では、スペックルノイズの発生が抑制される。
さらに、光源モジュール100Cは、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100Cは、導波路および合分波器のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100Cはレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。
(実施形態5)
図10は、実施形態5に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Dは、4個の緑色光源11と、4個の青色光源12と、4個の赤色光源13と、光導波路回路20Dとを備えている。
緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、実施形態1の対応する要素を同じなので、説明を省略する。グラフG71は各緑色光源11が出力する光の強度スペクトルを示している。横軸は波長を示しており、各光は略同じ波長である。グラフG61は各青色光源12がそれぞれ出力する光の強度スペクトルを示している。各光は略同じ波長である。グラフG81は各赤色光源13がそれぞれ出力する光の強度スペクトルを示している。各光は略同じ波長である。
光導波路回路20Dは、各緑色光源11、各青色光源12、各赤色光源13のそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Dは、第1端面20Daと、第1端面20Daと対向する第2端面20Dbとを有している。各緑色光源11、各青色光源12、各赤色光源13は、第1端面20Daにバッドジョイント接続されている。
光導波路回路20Dは、緑色合分波部21Dと、青色合分波部22Dと、赤色合分波部23Dと、導波路25D、27Dと、合分波器24D、26Dと、クラッド28Dとを有している。緑色合分波部21Dと、青色合分波部22Dと、赤色合分波部23Dと、導波路25D、27Dと、合分波器24D、26Dとは、各緑色光源11、各青色光源12、各赤色光源13に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Dは、緑色合分波部21Dと、青色合分波部22Dと、赤色合分波部23Dと、導波路25D、27Dと、合分波器24D、26Dとを取り囲んでいる。クラッド28Dは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
緑色合分波部21Dは、6本の導波路21Daと3個の合分波器21Dbとを備えている。緑色合分波部21Dは、実施形態3に係る緑色合分波部21Bと同様に構成されている。すなわち、緑色合分波部21Dは、各緑色光源11から出力された可視光を合波して、1本の導波路21Daから出力する。
緑色合分波部21Dから出力された可視光は、グラフG72に示すように、各緑色光源11から出力された光の強度スペクトルが重なり、高出力のスペクトル形状を有している。
青色合分波部22Dは、青色合分波部22Bと同様に、6本の導波路22Daと3個の合分波器22Dbとを備えている。青色合分波部22Dは、青色合分波部22Bと同様に構成されており、各青色光源12から出力された可視光を合波して、1本の導波路22Daから出力する。
青色合分波部22Dから出力された可視光は、グラフG62に示すように、各青色光源12から出力された光の強度スペクトルが重なり、高出力のスペクトル形状を有している。
赤色合分波部23Dは、赤色合分波部23Bと同様に、6本の導波路23Daと3個の合分波器23Dbとを備えている。赤色合分波部23Dは、赤色合分波部23Bと同様に構成されており、各青色光源12から出力された可視光を合波して、1本の導波路23Daから出力する。
赤色合分波部23Dから出力された可視光は、グラフG82に示すように、各赤色光源13から出力された光の強度スペクトルが重なり、高出力のスペクトル形状を有している。
合分波器24Dは、緑色合分波部21D、青色合分波部22Dと光学的に接続されている。合分波器24Dは、緑色合分波部21D、青色合分波部22Dのそれぞれから出力された可視光を合波して導波路25Dに出力する。導波路25Dは合波された可視光を導波する。
合分波器26Dは、導波路25D、赤色合分波部23Dと光学的に接続されている。合分波器26Dは、導波路25D、赤色合分波部23Dのそれぞれから出力された可視光を合波して導波路27Dに出力する。
合分波器24D、26Dは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Dは、合分波器26Dと光学的に接続されている。導波路27Dは合波された可視光を導波し、光導波路回路20Dの第2端面20Dbから、グラフG9に示すスペクトルを有するRGB光である可視光L7を出力する。
緑色合分波部21Dと、青色合分波部22Dと、赤色合分波部23Dと、導波路25D、27Dと、合分波器24D、26Dとは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなる。一方、クラッド28Dはたとえば純石英ガラスからなる。緑色合分波部21D、青色合分波部22D、赤色合分波部23D、導波路25D、27D、および合分波器24D、26Dのクラッド28Dに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。緑色合分波部21D、青色合分波部22D、赤色合分波部23D、導波路25D、27D、および合分波器24D、26Dは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
実施形態5に係る光源モジュール100Dは、高出力のRGB光である可視光L7を出力することができるので、高輝度の光源モジュールを実現できる。
さらに、光源モジュール100Dは、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100Dは、導波路および合分波器のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100Dはレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。
ここで、実施形態3~5の光源モジュールの光導波路回路を作製したところ、いずれも平面視で3.5mm×2.5mmと小型にすることができた。
(実施形態6)
図11は、実施形態6に係る光源モジュールの模式的構成および動作を示す図である。図11(a)に示すように、光源モジュール100Eは、緑色光源11と、青色光源12と、赤色光源13と、光導波路回路20Eとを備えている。
緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、実施形態1の対応する要素を同じなので、説明を省略する。
光導波路回路20Eは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Eは、第1端面20Eaと、第1端面20Eaと対向する第2端面20Ebとを有している。緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、第1端面20Ea側に配置されているが、第1端面20Daにバッドジョイント接続されていてもよい。
光導波路回路20Eは、導波路21E、22E、23E、25E、27Eと、合分波器24E、26Eと、光スイッチ29Eと、クラッド28Eとを有している。導波路21E、22E、23E、25E、27Eと、合分波器24E、26Eと、光スイッチ29Eとは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Eは、導波路21E、22E、23E、25E、27Eと、合分波器24E、26Eと、光スイッチ29Eの導波路とを取り囲んでいる。クラッド28Eは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
導波路21Eは、緑色光源11と光学的に接続されており、可視光L1を導波する。導波路22Eは、青色光源12と光学的に接続されており、可視光L2を導波する。導波路23Eは、赤色光源13と光学的に接続されており、可視光L3を導波する。
合分波器24Eは、導波路21E、22E、25Eと光学的に接続されている。合分波器24Eは、可視光L1と可視光L2とを合波して導波路25Eに出力する。導波路25Eは可視光L1と可視光L2とを導波する。
合分波器26Eは、導波路23E、25Eと光学的に接続されている。合分波器26Eは、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを合波して導波路27Eに出力する。
合分波器24E、26Eは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Eは、合分波器26Eおよび光スイッチ29Eと光学的に接続されている。導波路27Eは可視光L1と可視光L2と可視光L3とを導波し、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを光スイッチ29Eに出力する。
光スイッチ29Eは、導波路型の合分波器29Ea、29Ebと、ヒータ29Ecとを備えている。合分波器29Ea、29Ebは、2入力×2出力型の構成を有している。合分波器29Eaの2つの入力導波路の1つは、導波路27Eに光学的に接続している。合分波器29Eaの2つの出力導波路のそれぞれは合分波器29Ebの2つの入力導波路のそれぞれに光学的に接続している。合分波器29Ea、29Ebは、マッハツェンダ干渉計を構成している。合分波器29Ebの2つの出力導波路28Eb1、28Eb2は、本実施形態ではいずれも第2端面20Ebまで延伸している。以下、出力導波路28Eb1、28Eb2をメインポート、アイドルポートとそれぞれ記載する場合がある。
ヒータ29Ecは、合分波器29Eaの一方の出力導波路と合分波器29Ebの一方の入力導波路とが構成するアームの上方のクラッド28Eに設けられている。不図示の制御器からヒータ29Ecに駆動電流が流されると、ヒータ29Ecが発熱してアームを加熱する。これにより光スイッチ29Eは、駆動電流を制御することによって、導波路27Eから入力された光を出力導波路28Eb1、28Eb2のいずれか一方から選択的に出力する光スイッチとして機能する。
導波路21E、22E、23E、25E、27Eと、合分波器24E、26Eと、光スイッチ29Eの導波路とは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなり、クラッド28Dに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。導波路21E、22E、23E、25E、27E、合分波器24E、26E、光スイッチ29Eの導波路は、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
ここで、図11(a)では、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13の出力がON状態になっており、それぞれ可視光L1、L2、L3を出力する。一方、光スイッチ29EはOFF状態となっている。このとき、可視光L1と可視光L2と可視光L3とを含むRGB光である可視光L4は、メインポートである出力導波路28Eb1から出力される。
一方、図11(b)では、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13の出力がOFF状態となっているが、それぞれ微弱な可視光L1a、L2a、L3aを出力するとする。一方、光スイッチ29EはON状態となっている。このとき、可視光L1aと可視光L2aと可視光L3aとを含むRGB光である可視光L4aは、アイドルポートである出力導波路28Eb1から出力される。
その結果、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13の出力がOFF状態のときに、可視光L1aと可視光L2aと可視光L3aとが出力されていても、これらがメインポートである出力導波路28Eb1から出力されることがない。その結果、光源モジュール100Eは、メインポートから可視光L4が出力される場合と出力されない場合の消光比が高くなり、高ダイナミックレンジで高コントラストの光源モジュールとなる。
なお、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13を常時ON状態とし、光スイッチ29Eにて、可視光L4をメインポートから出力するかアイドルポートから出力するかを切り替えてもよい。この場合も、メインポートから可視光L4が出力される場合と出力されない場合の消光比が高くなり、高ダイナミックレンジで高コントラストの光源モジュールとなる。
(実施形態7)
図12は、実施形態7に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Fは、緑色光源11と、青色光源12と、赤色光源13と、光導波路回路20Fとを備えている。
緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、実施形態1の対応する要素と同じである。
光導波路回路20Fは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13のそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Fは、第1端面20Faと、第1端面20Faと対向する第2端面20Fbとを有している。緑色光源11、青色光源12、赤色光源13は、第1端面20Fa側に配置されているが、第1端面20Faにバッドジョイント接続されていてもよい。
光導波路回路20Fは、可変光減衰器21F、22F、23Fと、導波路25F、27Fと、合分波器24F、26Fと、クラッド28Fとを有している。可変光減衰器21F、22F、23Fと、導波路25F、27Fと、合分波器24F、26Fとは、緑色光源11、青色光源12、赤色光源13に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Eは、可変光減衰器21F、22F、23Fのそれぞれの導波路と、導波路25F、27Fと、合分波器24F、26Fとを取り囲んでいる。クラッド28Eは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
可変光減衰器21Fは、導波路型の合分波器21Fa、21Fbと、ヒータ21Fcとを備えている。合分波器21Fa、21Fbは、2入力×2出力型の構成を有している。合分波器21Faの2つの入力導波路の1つは、緑色光源11に光学的に接続している。合分波器21Faの2つの出力導波路のそれぞれは合分波器21Fbの2つの入力導波路のそれぞれに光学的に接続している。合分波器21Fa、21Fbは、マッハツェンダ干渉計を構成している。合分波器21Fbの2つの出力導波路21Fb1、21Fb2のうち、出力導波路21Fb1は合分波器24Fに光学的に接続している。出力導波路21Fb2は第2端面20Ebまで延伸している。
ヒータ21Fcは、合分波器21Faの一方の出力導波路と合分波器21Fbの一方の入力導波路とが構成するアームの上方のクラッド28Fに設けられている。不図示の制御器からヒータ21Fcに駆動電流が流されると、ヒータ21Fcが発熱してアームを加熱する。これにより可変光減衰器21Fは、駆動電流を制御することによって、緑色光源11から入力された可視光L1の強度を変更して出力導波路21Fb1から出力する可変光減衰器として機能する。
可変光減衰器22Fは、導波路型の合分波器22Fa、22Fbと、ヒータ22Fcとを備えている。合分波器22Fa、22Fbは、2入力×2出力型の構成を有している。合分波器22Faの2つの入力導波路の1つは、青色光源12に光学的に接続している。合分波器22Faの2つの出力導波路のそれぞれは合分波器22Fbの2つの入力導波路のそれぞれに光学的に接続しており、マッハツェンダ干渉計が構成されている。合分波器22Fbの2つの出力導波路22Fb1、22Fb2のうち、出力導波路22Fb1は合分波器24Fに光学的に接続している。出力導波路22Fb2は第2端面20Ebまで延伸している。
ヒータ22Fcは、合分波器22Faの一方の出力導波路と合分波器22Fbの一方の入力導波路とが構成するアームの上方のクラッド28Fに設けられている。不図示の制御器からヒータ22Fcに駆動電流が流されると、ヒータ22Fcが発熱してアームを加熱する。これにより可変光減衰器22Fは、駆動電流を制御することによって、青色光源12から入力された可視光L2の強度を変更して出力導波路22Fb1から出力する可変光減衰器として機能する。
可変光減衰器23Fは、導波路型の合分波器23Fa、22Fbと、ヒータ23Fcとを備えている。合分波器23Fa、23Fbは、2入力×2出力型の構成を有している。合分波器23Faの2つの入力導波路の1つは、赤色光源13に光学的に接続している。合分波器23Faの2つの出力導波路のそれぞれは合分波器23Fbの2つの入力導波路のそれぞれに光学的に接続しており、マッハツェンダ干渉計が構成されている。合分波器23Fbの2つの出力導波路23Fb1、23Fb2のうち、出力導波路23Fb1は合分波器24Fに光学的に接続している。出力導波路23Fb2は第2端面20Ebまで延伸している。
ヒータ23Fcは、合分波器23Faの一方の出力導波路と合分波器23Fbの一方の入力導波路とが構成するアームの上方のクラッド28Fに設けられている。不図示の制御器からヒータ23Fcに駆動電流が流されると、ヒータ23Fcが発熱してアームを加熱する。これにより可変光減衰器23Fは、駆動電流を制御することによって、赤色光源13から入力された可視光L3の強度を変更して出力導波路23Fb1から出力する可変光減衰器として機能する。
合分波器24Fは、可変光減衰器21Fの出力導波路21Fb1、可変光減衰器22Fの出力導波路22Fb1、導波路25Fと光学的に接続されている。合分波器24Fは、可変光減衰器21Fによって強度が変更された可視光L1と可変光減衰器22Fによって強度が変更された可視光L2とを合波して導波路25Fに出力する。導波路25Fは可視光L1と可視光L2とを導波する。
合分波器26Fは、可変光減衰器23Fの出力導波路23Fb1、導波路25Fと光学的に接続されている。合分波器26Fは、可視光L1と可視光L2と、可変光減衰器22Fによって強度が変更された可視光L3とを合波して導波路27Fに出力する。
合分波器24F、26Fは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Fは、合分波器26Fと光学的に接続されている。導波路27Fは合波された可視光を導波し、光導波路回路20Fの第2端面20Fbから、RGB光である可視光L8を出力する。
可変光減衰器21F、22F、23Fの導波路と、導波路25F、27Fと、合分波器24F、26Fとは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなり、クラッド28Fに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。可変光減衰器21F、22F、23Fの導波路、導波路25F、27F、合分波器24F、26Fは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
実施形態7に係る光源モジュール100Fは、可変光減衰器21F、22F、23Fが集積されており、RGB成分の強度が個別に変更された可視光L8を出力することができるので、高機能の光源モジュールを実現できる。
さらに、光源モジュール100Fは、レイリー散乱による光損失が抑制されており、より高出力な光源モジュールとなる。また、光源モジュール100Fは、導波路および合分波器のサイズの精度が高いので、光学特性の精度も高く、かつ製造性も良好である。また、光源モジュール100Fはレイアウトの自由度が高く、たとえば小型化できる。
上記実施形態6、7では、光スイッチ29Eおよび可変光減衰器21F、22F、23Fは、ヒータを備えるマッハツェンダ型の構成を有するが、他の構成の可変光減衰器に置き換えてもよいし、半導体材料などの石英系ガラス以外の材料を用いて構成してもよい。
(実施形態8)
図13は、実施形態8に係る光源モジュールの模式的構成図である。光源モジュール100Gは、青色光源14と、緑色光源15と、赤色光源16と、光導波路回路20Gとを備えている。
青色光源14はたとえばアレイ型半導体レーザ素子である。青色光源14は、アレイ状に配列された導波路型の活性層14a、14b、14cを備えている。活性層14a、14b、14cは、それぞれ青色の可視光L2Gを出力する。
光導波路回路20Gは、青色光源14と、緑色光源15と、赤色光源16とのそれぞれに光学的に接続されている。本実施形態では、光導波路回路20Gは、第1端面20Gaと、第1端面20Gaと略直交する第2端面20Gbとを有している。青色光源14は、第1端面20Gaにバッドジョイント接続されている。光導波路回路20Gと緑色光源15および赤色光源16との光学的接続については後述する。
光導波路回路20Gは、導波路21G、22G、23G、25G、27Gと、合分波器24G、26Gと、クラッド28Gとを有している。導波路21G、22G、23G、25G、27Gと、合分波器24G、26Gとは、青色光源14と、緑色光源15と、赤色光源16に光学的に接続されている複数の導波路および少なくとも1つの合分波器に対応する。
クラッド28Gは、導波路21G、22G、23G、25G、27Gと、合分波器24G、26Gとを取り囲んでいる。クラッド28Gは、実施形態1のクラッド28と同様の構成である。
導波路21Gは、第1端面20Gaにおいて青色光源14の活性層14aと光学的に接続されており、可視光L2Gを導波する。緑色光源15は、導波路21Gを横断するように設けられている。緑色光源15は、本実施形態では、光導波路回路20Gに形成された溝に挿入されたガラス板である。緑色光源15は、公知の材料からなる緑色蛍光体を含んでいる。緑色光源15は、導波路21Gを導波した可視光L2Gが照射されると、緑色の可視光L1Gを発光する。可視光L1Gは導波路21Gを導波する。なお、導波路21Gは、可視光L1G、L2Gの損失を低減するために幅方向にテーパ構造21Gaを有している。なお、緑色光源15は特に限定されず、蛍光体を含む樹脂からなるものでもよい。
導波路22Gは、第1端面20Gaにおいて青色光源14の活性層14bと光学的に接続されており、可視光L2Gを導波する。
導波路23Gは、第1端面20Gaにおいて青色光源14の活性層14cと光学的に接続されており、可視光L2Gを導波する。赤色光源16は、導波路21Gを横断するように設けられている。赤色光源16は、本実施形態では、光導波路回路20Gに形成された溝に挿入されたガラス板である。赤色光源16は、公知の材料からなる赤色蛍光体を含んでいる。赤色光源16は、導波路23Gを導波した可視光L2Gが照射されると、赤色の可視光L3Gを発光する。可視光L3Gは導波路23Gを導波する。なお、導波路23Gは、可視光L2G、L3Gの損失を低減するために幅方向にテーパ構造23Gaを有している。なお、赤色光源16特に限定されず、蛍光体を含む樹脂からなるものでもよい。
以上の説明のように、光源モジュール100Gは、一次光としての可視光L2Gが照射されると可視光L2Gとは波長が異なる可視光L1Gを出力する発光体を有する緑色光源15と、一次光としての可視光L2Gが照射されると可視光L2Gとは波長が異なる可視光L3Gを出力する発光体を有する赤色光源16とを含む。青色光源14の活性層14a、14cは、一次光としての可視光L2Gを出力する一次光源として機能する。
合分波器24Gは、導波路21G、22G、25Gと光学的に接続されている。合分波器24Gは、可視光L2Gと可視光L1Gとを合波して導波路25Gに出力する。導波路25Gは可視光L2Gと可視光L1Gとを導波する。
合分波器26Gは、導波路23G、25Gと光学的に接続されている。合分波器26Gは、可視光L1Gと可視光L2Gと可視光L3Gとを合波して導波路27Gに出力する。
合分波器24G、26Gは、実施形態1の合分波器24、26と同様の構成である。
導波路27Gは、合分波器26Gと光学的に接続されている。導波路27Gは可視光L1Gと可視光L2Gと可視光L3Gとを導波し、光導波路回路20Gの第2端面20Gbから、可視光L1Gと可視光L2Gと可視光L3Gとを含むRGB光である可視光L9を出力する。
導波路21G、22G、23G、25G、27Gと、合分波器24G、26Gとは、ジルコニアを含む石英系ガラスからなり、クラッド28Gに対する比屈折率差Δは本実施形態では3.5%である。導波路21G、22G、23G、25G、27Gと、合分波器24G、26Gとは、少なくとも導波する可視光をシングルモードで導波する条件に、その断面サイズと比屈折率差Δとの関係が設定されているが、マルチモード導波の条件に設定されていてもよい。
導波路21G、22G、23G、25G、27Gは、図7に示す導波路21A、22A、23A、25A、27Aと同様に屈曲している。これによって、光源モジュール100Gは、可視光L1G、L2G、L3Gを第2端面20Gbから可視光L9として出力することができる。その結果、可視光L10は、非結合成分による品質劣化がきわめて抑制される。
光源モジュール100Gは、可視光源として、一次光源としての青色光源14と発光体を有する緑色光源15、赤色光源16とを用いて構成することができる。これによって、たとえば駆動電流を供給する光源としては青色レーザ光源のみを用いてRGB光を生成できる。また、本実施形態では、青色光源14がアレイ型光源なので、光導波路回路20Gに光学的に接続するのが容易である。
なお、本実施形態では、一次光源が1つであり、発光体を有する可視光源が2つであるが、その数は特に限定されない。
また、上記実施形態では、可視光源が3つであるが、その数は特に限定されず、2または4以上であってもよい。可視光源の数が2の場合、合波器の数は1でもよい。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。