JP6836477B2 - 平面光導波路デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、平面光導波路デバイスに関し、より詳細には、異なる波長帯の光を最適に結合しつつ、モニター光を取り出すための平面光導波路デバイスに関する。
非線形光学効果を用いた光応用技術は、新しい光通信分野や光を用いた量子情報通信分野において期待されている。その非線形光学効果の中でも基本的な効果として波長変換が知られている。非線形光学効果を利用した波長変換では、非線形光学媒質へ入射する光を別の周波数を有する光に変換することができる。この特性を利用し、レーザー単体では発振が困難な波長帯の光を生み出す技術として広く知られている。特に2次非線形材料で大きな非線形定数を持つニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた周期分極反転導波路は、その非線形光学効果の効率の高さから既に市販されている光源内に組み込まれている。
二次非線形光学効果では、波長λ1、λ2の光を入力して新たな波長λ3を発生させる。
1/λ3=1/λ1+1/λ2 (1)
を満たす波長変換を和周波発生(SFG)とよび、λ1=λ2の場合、すなわち式(1)を変形して、
λ3=λ1/2 (2)
を満たす波長変換を第二高調波発生(SHG)と呼ぶ。さらに、
1/λ3=1/λ1―1/λ2 (3)
を満たす波長変換を差周波発生(DFG)と呼ぶ。さらには波長λ1のみ入力し式(3)を満たす波長λ2、λ3を発生する光パラメトリック効果も存在する。特にSHG、SFGは入力光に対して短波長の光、すなわちエネルギーの高い光を新たに発生し、可視光域の発生などに良く利用される。
これらの二次非線形光学効果を効率良く起こすためには、相互作用する3波長の位相不整合量が0であることが求められる。そこで二次非線形光学材料の分極を周期的に反転させることにより疑似的に位相不整合量を0にすることができる。その時の反転周期をΛとすると、式(1)で示される和周波発生において波長λ1、λ2、λ3に対して以下の式(
4)を満たすΛを設定すれば良い。
3/λ3−n2/λ2−n1/λ1−1/Λ=0 (4)
ここでn1は波長λ1での屈折率、n2は波長λ2での屈折率、n3は波長λ3での屈折率である。
このような周期分極反転構造に加え、導波路化することにより高効率な波長変換が可能となる。非線形光学効果は非線形相互作用を引き起こす光の重なり密度が高いほどその効果も大きくなる。従って、光をその伝搬方向に垂直な断面積が小さい導波路に閉じ込め、かつ長い距離にわたって光を導波させることが可能な導波路構造の採用により高効率な波長変換が可能になる。
(直接接合型リッジ導波路)
非線形光学結晶を用いた導波路構造の実現にはTi拡散やプロトン交換による手法が一般的であった。しかし、近年では波長変換素子として、結晶のバルクの特性をそのまま利用でき、高光損傷耐性、長期信頼性、デバイス設計の容易性等の特徴を持つリッジ型の光導波路が研究開発されている(非特許文献1参照)。
このリッジ型光導波路は、2枚の基板を接合した後、一方の基板を薄膜化し、さらにリッジ加工を施すことによりコアが形成される。この基板を接合する際に接着剤等を用いず基板同士を強固に接合する技術として、直接接合技術が知られている。この技術を用いた直接接合型リッジ型導波路は、強い光を入射することができ、導波路化技術の進展と共に小コア化(コアの細線化)に成功しており、その非線形光学効率は向上の一途をたどっている(非特許文献2参照)。
(応用技術と要求)
強い光を入射することができるこの周期分極反転直接接合型非線形光学結晶導波路は、単なる波長変換素子としてだけでなく、低雑音な光増幅器や量子もつれ光子対の発生器として近年期待されている。これらの応用技術では複数の非線形光学導波路の特性を揃え、かつ入射する光の位相を厳密に制御することが重要となる。例えば、片偏波でのみ動作する位相感応増幅器を現在の長距離通信に応用する場合、偏波多重された光を一旦2つの偏波光に分離してそれぞれ別々の非線形光学導波路で増幅した後、再度それら2つの偏波光の位相を揃えて合波することが必要となる(非特許文献3参照)。
(集積化への期待)
このような応用技術においては、システム内の光の位相を厳密に制御することが可能な石英系平面光回路と非線形光学素子の集積化が期待される。近年、半導体微細加工を利用した石英を用いた平面光回路は、その加工精度の高さから厳密な光路長制御が可能であり、現在の光通信システムにおいて実用化されている。したがって、石英系平面光回路と周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)アレイ導波路の集積化は、前述の位相感応増幅器の様な非線形光学応用技術に対して有効な手法となる。
(光入射)
前述の導波路デバイスを動作させるうえで重要となるのが、効率よく複数波長の光を非線形光導波路へ結合させることである。さらに非線形光学ではまったく異なる波長帯の光を同時に結合する必要がある。非特許文献3に挙げられるような光通信ネットワークの中継系に位相感応増幅器を適用する場合、1.5μm帯の通信波長帯だけでなく、その2倍波となる780nm帯の光も同時に非線形光学導波路に結合させる必要がある。
光結合の手法としては、ダイクロイックミラーやレンズを用いる手法や、合波回路を形成した平面光回路を用いて2波長帯を合波させ、その平面光回路を非線形光学導波路に突き合わせて接合する手法が考えられる。前者では多数の光学部品間のアライメント調整を行ってそれらを正確に組み立てる必要があり、実装コストが大きくなる。一方、後者では合波といった機能を平面光回路内で実現してしまえば、アライメント調整が必要なのは平面光回路と非線形光学導波路との接合についてのみであり、実装が簡易で低コストに実現可能である。
さらに、近年では石英系平面光回路の加工精度が上昇し、その平面光回路上で実現できる機能が多様化しているため、平面光回路を用いた光結合は、非線形光学デバイスの応用技術をさらに発展させる可能性を秘めている。
Y. Nishida, H. Miyazawa, M. Asobe, O. Tadanaga, and H. Suzuki,"Direct-bonded QPM-LN ridge waveguide with high damage resistance at room temperature," Electronics Letters, Vol.39, No. 7, p.609-611, 2003. T. Umeki, O. Tadanaga, and M. Asobe, ‘Highly Efficient Wavelength Converter Using Direct-Bonded PPZnLN Ridge Waveguide,’ IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. 46, No. 8, pp. 1206-1213, 2010. T. Umeki, T. Kazama, O. Tadanaga, M. Asobe, Y. Miyamoto, and H. Takenouchi, "PDM Signal Amplification Using PPLN-Based Polarization-Independent Phase-Sensitive Amplifier," J. Lightwave Technol., Vol. 33, No. 7, P.1326-1331, 2015. T. Kazama, T. Umeki, M. Asobe, and H. Takenouchi, "Single-Chip Parametric Frequency Up/Down Converter Using Parallel PPLN Waveguides," IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 26, No. 22, p. 2248-2251, 2014.
上述したように非線形光学効果を効果的に活用するためには、全く異なる複数波長帯の光を非線形光学媒体に入射する必要がある。この大きく異なる2波長帯の光の合分波に関して、これまでマルチモード光干渉(MMI)を用いた光カプラの報告がなされている(非特許文献4参照)。しかしながら、MMIカプラは小型化には有効であるが、小型であることに起因して作製誤差による損失が生じ易く、また伝送帯域を広くすることが困難であるという課題がある。このように従来技術においては、二次非線形光学操作に必須となる基本波と倍波を低損失かつ広帯域に合分波できる光素子の明確な設計指針は示されていない。
また、位相感応増幅器や位相共役変換器では、非線形光学過程が光位相や光強度に敏感な過程であるため、非線形導波路への入射光や出力光の一部をモニターしながら様々なフィードバック制御を行う必要がある。そのため、大きく異なる2波長帯に対して任意の割合で合分波可能な光カプラの実現が望まれる。これらの光信号処理技術ではワット級の高出力光を扱うが、モニター光としてはマイクロワット級の一部の出力光を取り出せれば良い。しかしながら、このような高出力光の一部を取り出すことができる光カプラの明確な設計指針もまた現状示されていない。
本発明は上記の2つの課題を同時に解決するものであり、本発明の目的は、非線形光学応用に向けた波長が倍半分異なる2波長帯の光を低損失かつ広帯域に合分波し、かつ両波長の光の一部を取り出すことのできる平面光導波路デバイスを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、方向性結合器を構成する結合領域を有する2本の光導波路を含む平面光導波路デバイスであって、2本の前記光導波路の一方は、第1の波長帯の第1の波長の光が入力される光導波路であり、2本の前記光導波路の他方は、第2の波長帯の第2の波長の光が入力される光導波路であり、前記第2の波長帯は、前記第1の波長帯より短波長の帯域であって、前記第2の波長は、前記第1の波長の半分であり、前記結合領域の結合長は、2本の前記光導波路の一方に入力された前記第1の波長帯の中心波長の光が2本の前記光導波路の他方に完全結合する長さであり、前記結合領域の2本の前記光導波路間の距離は、2本の前記光導波路の他方に入力された前記第2の波長帯の第2の波長の光が2本の前記光導波路の一方に一部結合する距離であり、かつ前記第2の波長の光のスルーポートへの透過率が前記第1の波長の光のクロスポートへの透過率と同程度となる距離であり、2本の前記光導波路の内前記第2の波長の光が入力される光導波路が直線光導波路であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面光導波路デバイスにおいて、2本の前記光導波路は、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とに対してシングルモード導波路であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の平面光導波路デバイスにおいて、2本の前記光導波路の内前記第1の波長の光が入力される光導波路の出力ポートに前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とが分波される光カプラをさらに備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の平面光導波路デバイスにおいて、前記光カプラは、請求項1に記載の別の平面光導波路デバイスであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の平面光導波路デバイスにおいて、前記光導波路が誘電体または半導体からなることを特徴とする。
本発明は、非線形光学応用に向けた波長が倍半分異なる2波長帯の光を低損失かつ広帯域に合分波し、かつ両波長の光の一部を取り出すことができる。
本発明の一実施形態に係る平面光導波路デバイスの概要図を示す図である。 本発明の実施例1に係る平面光導波路デバイスの上面図を示す図である。 本発明の実施例1に係る平面光導波路デバイスにおける光伝搬シミュレーションにより求めた隣接導波路間隔と波長1.56μmの光の完全結合長(長波完全結合長)との関係を破線で示し、この長波完全結合長を採用した際の波長0.78μmの光の非線形光学導波路接続ポート204への透過損失を実線で示す図である。 (a)は本発明の実施例1に係る平面光導波路デバイスの結合領域における隣接導波路間隔dを2.7μm、長波完全結合長L0を600μmとした際の波長1.56μmの光の光伝搬シミュレーション結果を示す図であり、(b)は同条件での波長0.78μmの光の光伝搬シミュレーション結果を示す図である。 (a)は1.56μm帯の光の非線形光学導波路接続ポートおよびモニター出力ポートへの透過率を示す図であり、(b)は0.78μm帯の光の非線形光学導波路接続ポートおよびモニター出力ポートへの透過率を示す図である。 本発明の実施例2に係る平面光導波路デバイスの上面図を示す図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る平面光導波路デバイスの概要図を示す。
平面光導波路デバイス100は2本の光導波路111、112からなり、それら光導波路111、112は隣接導波路間隔がdである結合領域を有するように配置されている。この結合領域の長さ(結合長)をLとする。長波長帯の光Aが長波入力ポート101から入力されると、光Aは結合領域内において近接する光導波路112に徐々に移っていく。
ここで、結合長Lを、長波入力ポート101から入力された長波長帯の中心波長の光が理論的に100%光導波路111から光導波路112に乗り移ることが可能な長さとし、これを長波完全結合長L0とする。この場合、長波長帯の光Aのほとんどが非線形光学素子接続ポート104から出射される。しかし取り扱う長波長帯の光は一般的に信号光と呼ばれ、ある程度の波長幅を有する。そのため、平面光導波路デバイス100において信号光のすべてが完全に光導波路111から隣接する光導波路112に乗り移ることは理論上起こりえず、ある一定の割合でモニターポート103からも長波長帯の光は出力される。
尚、この長波完全結合長L0は隣接導波路間隔dに対して依存性を有しており、一般に隣接導波路間隔dを大きくとると隣接導波路への結合係数が小さくなるため、長波完全結合長L0は長くなる。
一方、短波入力ポート102から入力された短波長帯の光Bは結合領域において隣接する光導波路111に結合しないことが望まれる。ここで短波長の光のモニターポート103への結合量は、前述の長波完全結合長L0と短波長光自身の結合係数の2つのパラメータによって決定される。結合係数は隣接導波路のそれぞれの固有モードの重ね合わせ等によって決定されるため、隣接導波路間隔依存性を有する。
従って、前述の長波完全結合長L0と短波長光自身の結合係数の2つのパラメータはそれぞれが方向性結合器の隣接導波路間隔dに対して依存性を有する。このことから、平面光導波路デバイス100における短波長帯の光Bのモニターポート103への結合量も隣接導波路間隔dによって決定される。この隣接導波路間隔依存性を調べたところ、隣接導波路間隔dを大きくとることにより、平面光導波路デバイス100の長波完全結合長L0が長くなるにもかかわらず、短波長帯の光Bのモニターポート103からの出力が小さくなることが分かった。これは両波長帯の導波路内電磁界分布が大きく異なる事で、それぞれの結合係数の隣接導波路間隔依存性も大きく異なるからであると考えられる。
また、隣接導波路間隔dを大きくし、長波完全結合長L0を長くすることで隣接する光導波路へ光結合する長波長帯の光の帯域幅を広くとることが可能となる。デバイスサイズを小さくするには光導波路サイズ、すなわち光導波路の光の伝搬方向に垂直な断面積を調整することも有効な手法となる。
このように、本発明の平面光導波路デバイスでは、隣接導波路間隔dと結合長Lを調整することにより、全く異なる2波長帯の光のそれぞれに対して、低損失かつ広帯域な合分波を実現でき、かつワット級の高パワー光の光を扱う際にモニター光の取り出しを同時に行うことが可能である。
本発明の平面光導波路デバイスを構成する物質は、ケイ素、二酸化ケイ素、ニオブ酸リチウム、インジウムリン、ポリマー等の誘電体や半導体、もしくはそれらに添加物を加えた化合物など、使用する2波長帯の光に対して透明であればよい。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施例1)
図2に、本発明の実施例1に係る平面光導波路デバイス200の上面図を示す。2本の光導波路211、212を含む平面光導波路は、SiO2を主成分とする誘電体からなり、光導波路構造としてコア部分には添加物が含まれ周囲よりも屈折率が高い構造を有している。光導波路211は、長波入力ポート201およびモニター出力ポート203を備え、光導波路212は、短波入力ポート202および非線形光学導波路接続ポート204を備える。また、光導波路211、212は、隣接導波路間隔dとする結合領域を形成するよう配置され、結合領域の長さは、長波長帯の中心波長の光が完全に光導波路211から光導波路212に乗り移ることが可能な長波完全結合長L0である。隣接導波路間隔dは、短波長帯の光の一部が隣接する光導波路に結合するような距離に設定されている。
尚、本平面光導波路デバイス200を構成する物質は、ケイ素、二酸化ケイ素、ニオブ酸リチウム、インジウムリン、ポリマー等の誘電体や半導体、もしくはそれらに添加物を加えた化合物など、使用する2波長帯の光に対して透明であればよい。
本平面光導波路デバイス200では、位相感応増幅器や位相共役変換器といった光通信応用を想定し、長波長帯の中心波長として波長1.56μmの光A、短波長帯の中心波長として波長0.78μmの光Bを選択した。尚、本平面光導波路デバイス200に使用できる波長帯は光導波路部材に対して透明波長であればよく、通信波長帯およびその2倍波に限らない。
また波長0.78μmの光Bを入力する光導波路212は直線光導波路としている。これは選択した光導波路が波長1.56μmの光Aに対してシングルモード導波路であっても波長0.78μmの光Bに対してマルチモード導波路となる可能性があり、曲げ導波路の導入による高次モード結合を防ぐためである。そのため、光導波路212も曲げ導波路としてもよいが、両波長に対してシングルモード条件を満たすように2波長に対する曲げ導波路の設計最適化を行うことが望ましい。また、光導波路211、212の導波路幅を調整することにより、両波長に対してシングルモード条件を満たすようにしてもよい。
図3に、本発明の実施例1に係る平面光導波路デバイスにおける光伝搬シミュレーションにより求めた隣接導波路間隔と波長1.56μmの光Aの完全結合長(長波完全結合長)との関係を破線で示す。また図3に、この長波完全結合長を採用した際の波長0.78μmの光Bの非線形光学導波路接続ポート204への透過損失、すなわち波長0.78μmの光Bの光導波路212から隣接する光導波路211への結合量を実線で示す。
図3は、隣接導波路間隔dを大きくとることにより、平面光導波路デバイス200の長波完全結合長L0が長くなるにもかかわらず、波長0.78μmの光Bの非線形光学導波路接続ポート204への透過損失が小さくなる、すなわちモニターポート203から出力される波長0.78μmの光Bの強度が小さくなることを示している。
ここで図4(a)、(b)に、隣接導波路間隔dを2.7μm、長波完全結合長L0を600μmとした際の光伝搬シミュレーション結果を示す。図4(a)に示すように光導波路211の長波入力ポート201から入力された波長1.56μmの光Aの多くは、隣接する光導波路212に移行するのに対し、図4(b)に示すように光導波路212の短波入力ポート202から入力された波長0.78μmの光Bの殆どは隣接する光導波路211に結合しないことを示している。
図5(a)、(b)に、実際に作製した実施例1に係る平面光導波路デバイスの各波長帯に対する透過スペクトルを示す。1.56μm波長帯と0.78μm波長帯のそれぞれの光に対する非線形光学素子接続ポート204への透過率、すなわち1.56μm波長帯の光Aのクロスポートへの透過率と0.78μm波長帯の光Bのスルーポートへの透過率(図5(a)、(b)の実線)は、それぞれ−0.33dB、−0.12dBであり同程度であった。これは、空間光学部品である一般的なダイクロイックミラーを用いたときに匹敵する低損失な合分波が実現できている。また、本平面光導波路デバイスは、通信波長帯1540−1580nmの波長域に対して大きな損失の変動がなく、通信応用に向けて十分な広帯域動作をしている。
一方、モニターポート203への透過率(図5(a)、(b)の破線)は、波長1.56μmの光Aに対し−23dB、波長0.78μmの光Bに対し−33dBであった。これはそれぞれ1.0Wの光を入力ポートから入射した際に、波長1.56μmでは5mW、波長0.78μmでは0.5mWの光がモニターポート203から出力されることを示している。この光強度は一般的な光受光器に対して十分な強度を有しており、位相感応増幅器や位相共役変換器内のフィードバック制御に十分活用できる強度である。
(実施例2)
図6に、本発明の実施例2に係る平面光導波路デバイスの上面図を示す。実施例2に係る平面光導波路デバイス300は、3本の光導波路311〜313からなり、実施例1に係る平面光導波路デバイス200のモニター出力ポート203を別の平面光導波路デバイス200の短波入力ポート202に接続した構成をとる。
1つ目の平面光導波路デバイス200に相当する1段目の平面光導波路デバイス構造321は、長波入力ポート301を含む光導波路311と短波入力ポート302および非線形光学導波路接続ポート305を含む光導波路312からなり、長波長帯の中心波長の光が完全に光導波路311から光導波路312に乗り移ることが可能な結合領域を含む。
2つ目の平面光導波路デバイス200に相当する2段目の平面光導波路デバイス構造322は、長波モニター出力ポート303と短波モニター出力ポート304とを含み、長波長帯の中心波長の光が完全に光導波路311から光導波路313に乗り移ることが可能な結合領域を含む。
1段目の平面光導波路デバイス構造321により取り出されたモニター光は、2段目の平面光導波路デバイス構造322によって波長毎に異なる長波モニター出力ポート303、短波モニター出力ポート304とに分けることが可能である。これにより両波長に対してそれぞれフィードバックをかけることが可能となる。
図6に示す平面光導波路デバイス300は、平面光導波路デバイス構造321、322が光導波路311を共有して一体として形成されているが、平面光導波路デバイス構造321、322は別々に形成されたものを接続してもよく、2段目の平面光導波路デバイス構造322は一般的なMMIカプラでもよい。しかし、作製誤差を考慮した場合、1段目と2段目を同じ構造にした方が作製フィードバックをかけ易い。
本実施例2に係る平面光導波路デバイス300では、位相感応増幅器や位相共役変換器といった光通信応用を想定し、長波長帯の光の中心波長として波長1.56μm、短波長帯の光の中心波長として0.78μmを選択した。尚、本実施例2に係る平面光導波路デバイス300に使用できる波長帯は光導波路部材に対して透明波長であればよく、通信波長帯およびその2倍波に限らない。実際に作製した合分波器に対し1.0Wの光を入射したところ、長波モニター出力ポートからは4.0mW、短波モニター出力ポートからは0.33mWの出力が得られた。
100、200、300 平面光導波路デバイス
101、201、301 長波入力ポート
102、202、302 短波入力ポート
103、203 モニター出力ポート
104、204、305 非線形光学導波路接続ポート
111、112、211、212、311、312、313 光導波路
303 長波モニター出力ポート
304 短波モニター出力ポート
321、322 平面光導波路デバイス構造

Claims (5)

  1. 方向性結合器を構成する結合領域を有する2本の光導波路を含む平面光導波路デバイスであって、
    2本の前記光導波路の一方は、第1の波長帯の第1の波長の光が入力される光導波路であり、
    2本の前記光導波路の他方は、第2の波長帯の第2の波長の光が入力される光導波路であり、
    前記第2の波長帯は、前記第1の波長帯より短波長の帯域であって、前記第2の波長は、前記第1の波長の半分であり、
    前記結合領域の結合長は、2本の前記光導波路の一方に入力された前記第1の波長帯の中心波長の光が2本の前記光導波路の他方に完全結合する長さであり、
    前記結合領域の2本の前記光導波路間の距離は、2本の前記光導波路の他方に入力された前記第2の波長帯の第2の波長の光が2本の前記光導波路の一方に一部結合する距離であり、かつ前記第2の波長の光のスルーポートへの透過率が前記第1の波長の光のクロスポートへの透過率と同程度となる距離であり、
    2本の前記光導波路の内前記第2の波長の光が入力される光導波路が直線光導波路であることを特徴とする平面光導波路デバイス。
  2. 2本の前記光導波路は、前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とに対してシングルモード導波路であることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波路デバイス。
  3. 2本の前記光導波路の内前記第1の波長の光が入力される光導波路の出力ポートに前記第1の波長の光と前記第2の波長の光とが分波される光カプラをさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の平面光導波路デバイス。
  4. 前記光カプラは、請求項1に記載の別の平面光導波路デバイスであることを特徴とする請求項に記載の平面光導波路デバイス。
  5. 前記光導波路が誘電体または半導体からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の平面光導波路デバイス。
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