JPWO2010098381A1 - Re−tm系混合物からの希土類元素の回収方法 - Google Patents

Re−tm系混合物からの希土類元素の回収方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する化合物および/または混合物であるRE−TM系混合物から希土類元素と遷移金属とを効率的に分離し、純度の高いリサイクル原料を簡便かつ経済的に回収する方法を提供する方法であって、希土類元素および遷移金属の回収方法であって、RE−TM系混合物を黒鉛坩堝内に装入する装入ステップ、当該RE−TM系混合物が内部に装入された黒鉛坩堝を加熱して、希土類元素を主成分とする酸化物相と遷移金属を含む金属相とに前記RE−TM系混合物を分離させるとともに、前記RE−TM系混合物を溶融させる分離ステップ、および前記RE−TM系混合物を、希土類元素を主成分とする酸化物と遷移金属を含む金属または合金とに分離して、それぞれを回収する回収ステップを備える。

Description

本発明はNd−Fe−B系磁石の加工・成形過程で発生するスラッジなど希土類元素と遷移金属とを含む化合物および/または混合物を、不活性ガス雰囲気にて、黒鉛坩堝中で加熱、溶融処理することにより、希土類元素を主成分とする酸化物と、Feおよび他の遷移金属を含むFeの合金とに相分離し、これらを個別に回収する方法に関する。
本発明において、RE−TM系混合物とは希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する化合物および/または混合物を意味する。なお、「RE」とはNd, Dy, Pr, Tb,Sm,Ceなど希土類元素から選択される1種類または2種類以上の元素を意味し、「TM」とはCo等の遷移金属を含むFeを意味する。
希土類元素とは、LaからLuまでのランタノイド、Sc、およびYを加えた計17種類の元素をいう。
本発明において、「遷移金属」とは、周期表で第3族元素から第11族元素の間に存在する元素のうち、上記の希土類元素以外の元素を意味する。
レアメタルとは、FeやAl以外の金属元素を意味し、具体的には、希土類元素、Co、Wなどが例示される。
金属元素を含有する部品の製造工程において発生した加工・切削屑を「スラッジ」という。特に、Nd−Fe−B系磁石の加工・成形過程で発生するスラッジを「Nd−Fe−B系スラッジ」という。
近年、多くの産業において重要部品におけるレアメタルの使用量が飛躍的に増加している。
そのようなレアメタル成分を含有する部品や材料として、ハードディスクドライブ、ハイブリッド自動車等のモーター、MRI、音響機器などに用いられているNd−Fe−B系磁石、そのほか磁石としてはSm−Fe−N系磁石、La−Co系磁石、磁石以外には、Tb,Dy,Fe,Co等を含有する光磁気ディスク、Y,Fe,Co等を含有するYAGレーザー、La,Ce,Nd,Fe等を含有する発火石、およびLa,Ce,Nd,Ni,Co,Al,Mn等を含有する水素吸蔵合金が例示される。
ところがレアメタルの国内産出量は限定的であるため、その安定的な確保が国家レベルの重要な課題となっている。この課題の一つの解決策として、レアメタル成分を含有する部品や材料の廃棄物、あるいはそれらの製造過程において従来廃棄されていた加工・成形屑に含まれるレアメタル成分を分離・回収することが挙げられる。
Nd−Fe−B系磁石を例にして説明すれば、その加工・成形過程で発生するスラッジには、Ndのみならず、Dy、Pr、Tbなどの希土類元素、およびFeのみならずCoなどの他の遷移金属元素が多数含まれている。このNd−Fe−B系スラッジからレアメタル成分を高収率、高選択性、かつ低コストで分離し、回収することができれば、レアメタルの安定供給に大いに資することができる。このため、この分離・回収技術の確立が強く望まれている。
上記のレアメタル成分を含有するスラッジのうち、特に希土類元素と遷移金属とを含む化合物および/または混合物から希土類元素と遷移金属とを分離回収する方法の一つとして、湿式法がある。Nd−Fe−B系スラッジを例としてこの湿式法について説明する。Nd−Fe−B系磁石中でNd、Dy、Pr等の希土類元素は酸化物となっている。このため、Nd−Fe−B系スラッジを酸水溶液に浸漬すると、Feは酸に溶解するが上記の希土類元素は酸に溶解しないため、Feは液相に、希土類は固相に分離される。濾過などの手段により、固液分離すれば、固相である希土類元素化合物を回収することができる。
しかしながら、湿式法は、現実には、次のような問題を有する方法である。希土類元素と希土類元素以外の元素(Feおよび他の遷移金属)とが微細に交じり合った組織からFeのみを溶解するには多くの時間を必要とする。また、Feを溶解させるために多量の酸が必要とされる。さらに、その酸性溶液を処分するためには、廃棄するにせよ、Feなどの成分を回収するにせよ、相当の処理が必要とされる。
希土類元素と遷移金属元素とを含む化合物および/または混合物から希土類元素と遷移金属元素とを分離回収する他の方法として、高温乾式法がある。この方法の一例として、希土類元素を含むスラッジに対して、希土類元素を含有する固形スクラップ、磁石廃棄物、および希土類金属屑を加えて溶解することにより、希土類元素を主成分とする化合物と希土類元素以外の元素からなる合金とに分離し、希土類元素を回収する方法が特許文献1に開示されている。
しかしながら、この方法では、固形スクラップのような他の工程でリサイクルが確立されているものや、希土類元素自身のような非常に価値の高いものを利用するため、経済的観点から問題がある。
一方、Sm−Co系磁石のスクラップに関して、スクラップを溶解した後、希土類を選択的に酸化させる分圧のOガスを吹き込み、この処理にて生成された希土類元素の酸化物スラグから希土類元素を回収する方法が知られている(例えば特許文献2)。
しかしながら、この方法では安定した分離、回収を行うためには、Oガスの吹き込みおよび吹き込んだOガスの分圧の制御を行う設備が必要であり、さらにそれらの維持・管理が必要である。このため、分離、回収に要する設備負荷が大きく、採算性の観点から現実的には採用不可能な方法である。
特開2002−60863号公報 特開平2−22426号公報
S. C. Parida, S. Dash, Z. Singh, R. Prasad, K. T. Jacob and V. Venugopal: Journal of Solid Sate Chemistry, 164 (2002), 34-41. S. C. Parida, K. T. Jacob and V. Venugopal: Solid State Science, 4 (2002), 1245-1255. Yu. D. Tretyakov, V. V. Sorokin and A. P. Erastova: Journal of Solid Sate Chemistry, 18 (1976), 263-269. Yu. D. Tretyakov, V. V. Sorokin, A.R. Kaul and A. P. Erastova: Journal of Solid Sate Chemistry, 18 (1976), 253-261. S. C. Parida, K. T. Jacob and V. Venugopal: Journal of Phase Equilibria, 24 (2003), 431-440.
本発明は上記の経済的な問題を解決すべく、Nd−Fe−B系スラッジが典型例として示されるレアメタル成分を含有する部材のうち、特にRE−TM系混合物から希土類元素と遷移金属とを効率的に分離し、純度の高いリサイクル原料を簡便かつ経済的に回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、RE−TM系混合物を加熱した際に存在する相に対する、RE−TM系混合物を取り囲む雰囲気の酸素分圧の影響を詳細に調査した。その結果、希土類元素とFeまたは他の遷移金属を含むFeの合金とが固体状態において2相に相分離することが可能という知見を得た(図1)。
すなわち、RE−TM系混合物を構成する成分のうち、希土類元素のみが酸化され、Feまたは他の遷移金属を含むFeは酸化されない酸素分圧にRE−TM系混合物を取り囲む雰囲気を制御する。このように制御することで、RE−TM系混合物は、希土類元素を主成分とする酸化物からなる相と、Feまたは他の遷移金属を含むFeはFe金属または合金からなる相とに分離する。
また、多種多様な条件において鋭意実験を重ね検討した結果、次の知見を得た。すなわち、黒鉛坩堝中でRE−TM系混合物を加熱保持した場合には、黒鉛坩堝を構成する炭素が所定の平衡状態を作るべく酸素と速やかに反応する。つまり、黒鉛坩堝中でRE−TM系混合物を加熱保持すると、坩堝に導入された気体の酸素分圧が厳密に制御されていなくとも、黒鉛坩堝を構成する炭素が酸化して一酸化炭素を形成する反応によって、黒鉛坩堝内の雰囲気における酸素分圧は自律的に制御される。この自律的に制御された酸素分圧において、RE−TM系混合物における希土類は酸化され、Feなど遷移金属は金属状態が維持される。その結果、RE−TM系混合物は希土類元素を主成分とする酸化物とFeまたは他の遷移金属を含むFe合金とに相分離する。したがって、黒鉛坩堝内でRE−TM系混合物を加熱保持するだけで、個別に回収することが可能となる。
この点についてさらに詳しく説明する。
炭素と酸素の熱力学的平衡反応は式(3)により表現される。
2C + O2 = 2CO
ΔGo = -223532 - 175.4T (3)
ここで、ΔGoは標準の自由エネルギー変化(J)であり、Tは温度(K)である。
平衡状態では以下の式(4)が成り立つ。
ΔGo = -RTln{PCO 2/(aC 2・PO2)} (4)
ここで、Rは気体定数、PCOはCOの分圧、aCは炭素の活量、およびPO2は酸素の分圧である。
炭素は純粋な固体状態であるので、その活量aCは1である。Oの物質量をn(1-α)mol(ここで、nは式(3)によりCOが生成する前の、つまり当初のOの物質量を意味する。)とすると、COの物質量は2nαであり、その合計はn(1+α)molである。それぞれの分圧は全圧をPとすると、
PO2 = P・(1 - α) / (1 + α) (5)
PCO = P・2α / (1 + α) (6)
で与えられる。全圧Pを1atmとし、温度ごとに式(3)、(5)、(6)を式(4)に代入してαの値を求め、このαを(5)式に代入して算出したPO2を図1上に示した。図1に示されるように、黒鉛坩堝内の酸素分圧は、平衡状態において10−15〜10−18atm程度になるように自律的に制御される。
一方、希土類元素(具体的にNd,Pr,Dy,CeおよびSmが例示される。)と遷移金属元素(具体的にFeが例示される。)との混合物の平衡状態における酸化状態について、非特許文献1〜5に基づいて検討すると(具体的には、非特許文献1 Fig.5, Eq.[15], 非特許文献2 Fig.9, Eq.(15), 非特許文献3 Fig.2, Eq.(2), 非特許文献4 Fig.3, Eq.(8), および非特許文献5 Fig.9, Eq.(14)参照。)、図1に示されるように、雰囲気酸素分圧が高い場合には希土類元素も遷移金属元素も酸化物として存在する。雰囲気酸素分圧が低い場合には両者が酸化されない状態で存在する。雰囲気の酸素分圧がこれらの間にある場合には、希土類元素は酸化されるが遷移金属元素は酸化されない状態となる。
そして、図1によれば、黒鉛坩堝内の平衡状態における酸素分圧は、この希土類元素は酸化されるが遷移金属元素は酸化されない状態をもたらす酸素分圧に相当する。このため、黒鉛坩堝内で加熱されたRE−TM系混合物は、希土類元素が酸化物に、遷移金属元素が金属または合金になる状態で安定する。したがって両者は黒鉛坩堝内で相分離する。
なお、図1に示される酸素分圧は平衡状態におけるものである一方、現実の系では、黒鉛坩堝内に導入される酸素濃度が高い場合が多いため、平衡状態に至らない場合もある。しかしながら、そのような場合であっても、黒鉛坩堝が加熱されると、坩堝内の雰囲気における酸素は速やかに炭素によって消費される。その結果、黒鉛坩堝内の酸素濃度は急速に低下し、10−10atm以下に容易に到達する。このため、黒鉛坩堝内に装入されたRE−TM系混合物が酸化物相と金属または合金相とに分離することが可能な条件が安定的にもたらされる。
また、図1には、5種類の希土類元素とFeとが共存する場合について平衡曲線を示したが、他の希土類元素およびFe以外の他の遷移金属元素がFeと共存する場合も、おおむね図1に示される平衡曲線と同様に、黒鉛坩堝内の平衡状態における酸素分圧では、希土類元素は酸化されるが遷移金属元素は酸化されない状態となる。したがって他の希土類元素およびFe以外の他の遷移金属元素がFeと共存する場合でも、黒鉛坩堝内で相分離が生じる。
本発明は、この黒鉛坩堝内においてRE−TM系混合物が自律的に相分離される現象に基づき、相分離した希土類元素を主成分とする酸化物およびFe金属または他の遷移金属を含むFeの合金を好ましくは1623〜1973Kで溶融して分離し、それぞれの相を回収する方法を提供するものである。
すなわち、本発明は次のとおりである。
(1)希土類元素および遷移金属の回収方法であって、希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する化合物および/または混合物であるRE−TM系混合物を黒鉛坩堝内に装入する装入ステップ、当該RE−TM系混合物が内部に装入された黒鉛坩堝を加熱して、希土類元素を主成分とする酸化物相と遷移金属を含む金属相とに前記RE−TM系混合物を分離させるとともに、前記RE−TM系混合物を溶融させる分離ステップ、および前記RE−TM系混合物を、希土類元素を主成分とする酸化物と遷移金属を含む金属または合金とに分離して、それぞれを回収する回収ステップを備える方法。
(2)溶融ステップにおいて、前記RE−TM系混合物を溶融させるときに黒鉛坩堝に1ppm〜1%の酸素を含む不活性ガスからなるガスを導入する上記(1)記載の回収方法。
(3)装入ステップにおいて黒鉛坩堝に装入される前記RE−TM系混合物の平均粒径が10〜20μmである、上記(1)記載の回収方法。
(4)分離ステップにおいて、前記RE−TM系混合物を炭素含有物質とともに溶融させることを特徴とする上記(1)記載の回収方法。
(5)装入ステップにおいて黒鉛坩堝に装入される前記炭素含有物質に含有される炭素量Wc(単位:g)の範囲は式(i)および(ii)で与えられる上記(4)記載の回収方法:
0 < WC ≦ WFe × MC × NC / ( MC × NC+ MFe × NFe ) (i)
NC ≦ 1012.728 / T + 0.7271 × log T - 3.049 (ii)
ここで、WFe(g):黒鉛坩堝に装入されたFe量、T (K):分離ステップにおける黒鉛坩堝内温度であって、1623K超1973K未満の範囲で変動する、MFe(g):Feの原子量55.85、MC (g):Cの原子量12、NC:Fe-C系におけるFe中炭素のモル分率換算の飽和溶解度、およびNFe= 1 - NCである。
(6)装入ステップにおいて、前記炭素含有物質に含有量される炭素量および黒鉛坩堝に装入されたFe量が下記式(iii)を満たすように、前記炭素含有物質は黒鉛坩堝に装入される上記(5)記載の回収方法。
0.017 WFe< WC < 0.048 WFe (iii)
本発明によれば、RE−TM系混合物を黒鉛坩堝中、不活性ガス雰囲気下で加熱するという簡便かつ経済的な負荷が少ない方法により、RE−TM系混合物中の希土類元素は酸化物として、Feなどの遷移金属を含む金属または合金として、それぞれ高純度で分離、回収することが可能となる。
Feと酸化物とが分離する酸素分圧を示すグラフである。 実施例1に係る試料の冷却後の断面観察結果を示す図である。 実施例2に係る試料の冷却後の断面観察結果を示す図である。 実施例3に係る試料の冷却後の外観観察結果を示す図である。 実施例4に係る各試料の冷却後の外観観察結果を示す図である。
本発明のRE−TM系混合物からの希土類元素の回収方法について以下に説明する。
本発明においては、RE−TM系混合物を、黒鉛坩堝内に装入し、この黒鉛坩堝を加熱して、希土類元素を主成分とする酸化物相と遷移金属を含む金属相とに分離させるとともに、RE−TM系混合物を溶融させる。ここで、相分離、溶融の順序は問わない。こうして相分離・溶融を行うことによって、希土類元素を主成分とする酸化物と、金属Feあるいは他の遷移金属を含有するFeの合金に分離する。
すなわち、本発明に係る方法は、希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する化合物および/または混合物であるRE−TM系混合物を黒鉛坩堝内に装入する装入ステップ、当該RE−TM系混合物が内部に装入された黒鉛坩堝を加熱して、希土類元素を主成分とする酸化物相と遷移金属を含む金属相とに前記RE−TM系混合物を分離させるとともに、前記RE−TM系混合物を溶融させる分離ステップ、および前記RE−TM系混合物を、希土類元素を主成分とする酸化物と遷移金属を含む金属または合金とに分離して、それぞれを回収する回収ステップを備える。
上記のように黒鉛坩堝内の雰囲気は自律的に制御されるため、本質的には雰囲気を制御するための外的操作は必要とされない。しかし、現実的には、次の理由により、酸素含有濃度が1ppm以上1%以下であって残部がAr,Nなどの不活性ガスからなるガスを黒鉛坩堝に導入し、その雰囲気中で黒鉛坩堝ごとRE−TM系混合物を加熱して分離・回収処理を行うことが望ましい。
すなわち、雰囲気における酸素分圧が過度に増加すると黒鉛坩堝の酸化反応が激しくなり、黒鉛坩堝が著しく消耗することが懸念される。このため、酸素分圧は1%を上限とすることが好ましい。また、酸素分圧が過度に低すぎる場合には、希土類酸化物を酸化させるための酸素量が減少するため処理に要する時間が長くなること、および、坩堝表面から離れた部分では局所的に酸素分圧が低すぎ相分離が適切に進行しないことが懸念される。これらは、経済的、品質的観点から好ましいことではない。したがって、雰囲気中の酸素濃度は1ppm以上とすることが好ましい。
雰囲気の制御にあたって、上記の不活性ガスを供給する方法は特に制限されない。酸素濃度が上記の範囲になるように適宜の方法で調整すればよい。一般に工業的に用いられる不活性ガスには1〜10ppm程度の酸素が不純物として含まれている。したがって、一般的に入手可能な不活性ガスを入手し、これに含まれる酸素濃度が上記範囲にあることを確認すれば、その不活性ガスをそのまま供給することにより、本発明を実施することができる。
また、黒鉛坩堝中でRE−TM系混合物を加熱すると、黒鉛坩堝からの炭素がFeへ侵入するため、1811KであるFeの融点が減少する。このため、溶融分離温度が低下し、エネルギーコスト的にも有利となる。
希土類酸化物の溶融温度は約1623Kであり、これが分離の下限温度となる。また、1973K超での溶融は加熱に多くのエネルギーを必要とするため、エネルギーコストの観点から、溶融温度を1973K以下とすることが好ましい。
黒鉛坩堝内に装入されるRE−TM系混合物の形状は特に限定されない。本発明は、黒鉛坩堝内の雰囲気における酸素分圧が特定の平衡状態に近づくように自律的に制御される現象を用い、その酸素分圧における希土類元素と遷移金属元素との安定状態の差を利用して相分離するのであるから、投入されるRE−TM系混合物の単位質量当たりの表面積は大きければ大きいほど、希土類元素および繊維金属元素と酸素との相互作用が起こりやすく、その結果、相分離現象が発生しやすくなる。すなわち、相分離の起こりやすさの観点からは、RE−TM系混合物の形状が小径であればあるほど有利である。したがって、RE−TM系混合物が塊状である場合には、これを粉砕して粉体としてから処理することが好ましい。
ただし、RE−TM系混合物を小径化するためにはそのための工程(粉砕工程)が必要であり、径が小さくなればなるほど工程に要する時間が多くなる上、粉塵の発生など別の問題を発生させることも懸念される。したがって投入されるRE−TM系混合物の平均粒径は5〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであればより好ましく、10〜20μmであれば特に好ましい。
ここで、RE−TM系混合物に炭素含有物質を混合させると、黒鉛坩堝における炭素による雰囲気制御に加え、混合物内部からの雰囲気制御も可能となる。このため、相分離の進行が促進されるとともに、浸炭も効率的に生じ、プロセスに要する時間が短縮される。
ただし、炭素含有物質の混合量が過度に多い場合には、希土類元素を主成分とする酸化物中に炭素が混入することが懸念される。再利用される用途においてこの炭素が品質に影響を与えない場合は問題ないが、混入炭素が製品の品質に影響を及ぼす可能性がある場合には、その用途に応じて炭素含有物質の混合量を制御することが好ましい。
例えばNd−Fe−B系磁石の原料として再利用する場合には、希土類酸化物に混入した炭素が磁石としての特性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、混合させる炭素含有物質に含有される炭素量(以下、「添加炭素量」と略記する。)は、Nd−Fe−B系スラッジ中のFeに溶解する炭素量の上限値、すなわち飽和炭素量を超えないことが望ましい。以上のことから、添加炭素量Wc gは式(1)で与えられる範囲にすることが望ましい。
0 < WC ≦ WFe × MC × NC / ( MC × NC+ MFe × NFe ) (1)
NC ≦ 1012.728 / T + 0.7271 × log T - 3.049 (2)
ここで、WFe(g):黒鉛坩堝に装入されたFe量、T (K):分離ステップにおける黒鉛坩堝内温度であって、1623K超1973K未満の範囲で変動する、MFe(g):Feの原子量55.85、MC (g):Cの原子量12、NC:Fe-C系におけるFe中炭素のモル分率換算の飽和溶解度、およびNFe= 1 - NCである。
なお、添加炭素量は式(1)、(2)で与えられる上記の範囲内であって、さらに0.017 WFe < WC < 0.048 WFeの範囲にすることがさらに望ましい。その理由は次のとおりである。添加炭素量が少ないと時間短縮効果が小さいので添加する意味が小さくなる。逆に添加炭素量が多いと炭素添加の偏りにより部分的に悪影響が生じるおそれがある。
なお、スラッジ自体にもスラッジを保存する際に用いられる有機剤など、炭素含有物質として考えられる成分が含まれているが、水洗浄により取り除くことができるため炭素含有物質として考慮する必要はない。
こうして本発明に係る方法により回収された希土類酸化物はCa還元および溶融塩電解の原料として再利用でき、さらに遷移金属の金属または合金は、例えばFeの原料としてリサイクル可能である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例で使用している試料はいずれも加工、切削工程で発生したNd−Fe−B系スラッジである。その組成は、質量%で、Nd:19.91%、Pr:5.65%、Dy:4.41%、Tb:0.01%、Fe:53.87%、B:0.77%、Co:0.08%、C:1.36%、Al:0.19%、および残部不純物である。このNd−Fe−B系スラッジは、超純水で洗浄した後、空気中で乾燥し水分を十分に除去した後、平均粒径は10〜20μmになるように粉砕して、実験に用いた。以下、この前処理が施されたNd−Fe−B系スラッジを「Nd−Fe−B系スラッジ試料」という。
(実施例1)
Nd−Fe−B系スラッジ試料21.2gを黒鉛坩堝に装入し、電気炉を用いて、工業用Ar(純度99.99体積%、酸素濃度10ppm)を50mL/min.(標準状態換算)で導入し、300K/hで1823Kまで加熱し、3時間保持した。その後、試料を炉から取り出し、Arガスを吹き付けて冷却した。
炉から排出されるガスに含まれるCO,COをガスクロマトグラフィーで分析し、CO分圧およびCO分圧を求めた。
2CO + O2= 2CO2
ΔGo= -568000+ 175.48T (7)
測定されたCO分圧およびCO分圧を式(7)に適用した結果、平衡の酸素分圧として1823Kで5×10−11atmが算出された。この値は、式(3)による平衡により決定される酸素分圧と同程度、すなわち、図1でNd、Pr、Dyが酸化し、Feが酸化しない酸素分圧の範囲内にある。
図2に冷却後の試料の断面写真を示す。金属相と酸化物相の2相が存在しているのが確認できる。
表1に回収された金属相(表中「合金Fe」で示されている。)、酸化物相(表中「希土類酸化物」で示されている。)の組成を示す。金属相はFeを主成分とする相、酸化物相は希土類元素Nd、Dy、Prを主成分とする相である。表1における数値は、各相の質量を100%としたときの各元素の含有量(単位:質量%)を意味する。
Figure 2010098381
金属相では遷移金属元素(Fe+Co)の濃度は99.8%、酸化物相では希土類元素(Nd+Dy+Pr)の濃度は96.8%と非常に高い値である。
一方、表2および3は、従来技術である特許文献1の表1および2を転記したものであり、スラッジにスラッジ中の希土類元素の純分とほぼ同量(重量比で0.75または1.1)の高価なNd金属屑を添加して回収を行った結果がこれらの表に示されている。表2および3に示されるように、特許文献1に開示される技術によれば、合金中の遷移金属元素(Fe+Co)の濃度は99.7または99.8%、回収スラグ中の希土類元素(Nd+Dy+Pr)の濃度は88.9または95.9%であった。この結果と比較して、本発明に係る回収方法では、同等かそれ以上の純度で希土類元素(Nd、Dy、Pr)、遷移金属(Fe、Co)が回収された。
Figure 2010098381
Figure 2010098381
このことから、本方法は高価なNd金属屑を使用することもなく、不活性ガス、黒鉛坩堝を利用して経済的に安価なコストで実施できるにも関わらず、純度の高い希土類元素、遷移金属を簡便かつ経済的に回収する方法であることがわかる。
(実施例2)
1823Kに保持した電気炉に、Nd−Fe−B系スラッジ試料0.15gを充填したPt坩堝を導入し、空気中で1時間保持した。その後、試料を炉から取り出し、Arガスを吹き付けて冷却した。
図3に冷却後の試料の断面写真を示す。
金属相と酸化物相の2相には分離せず均一な酸化物相が確認された。
(実施例3)
1823Kに保持した電気炉に、Nd−Fe−B系スラッジ試料1gを充填した黒鉛坩堝を導入し、空気中で1時間保持した。その後、試料を炉から取り出し、Arガスを吹き付けて冷却した。
図4に冷却後に坩堝から取り出した試料の外観を示す。
金属相と酸化物相の2相に分離しているのが確認された。つまり、空気雰囲気中でも黒鉛坩堝内は黒鉛と酸素の反応により酸素分圧が制御されていることがわかる。
(実施例4)
1823Kに保持した電気炉を用いて、工業用Ar、純度99.99vol%、酸素濃度10ppm、50mL/min (s.t.p.(Standard Temperature and Pressure))を導入し、以下のような条件でそれぞれNd−Fe−B系スラッジ試料を黒鉛坩堝中で以下の(1)〜(4)の条件で熱処理した。
(1)Nd−Fe−B系スラッジ試料1g、保持時間2分間、
(2)Nd−Fe−B系スラッジ試料1gに黒鉛粉末0.02gを添加、保持時間2分間、
(3)Nd−Fe−B系スラッジ試料1g、保持時間10分間、
(4)Nd−Fe−B系スラッジ試料1gに黒鉛粉末0.02gを添加、保持時間10分間、
保持後、試料を炉から取り出し、Arガスを吹き付けて冷却した。
図5に冷却後に坩堝から取り出した条件(1)〜(4)により得られた試料の外観を示す。
条件(2)により得られた試料は、金属相と酸化物相の2相に分離している。これに対し、条件(1)により得られた試料は、溶融が不十分で分離が完全には生じていない結果となった。
一方、10分間保持した条件(3)および(4)により得られた試料はいずれも、金属相と酸化物相の2相に分離した。このことから、(1)および(2)の結果の相違は黒鉛粉末を添加したか否かによりもたらされたもので、黒鉛粉末の添加によりプロセスの進行が促進されることがわかる。
上記のレアメタル成分を含有するスラッジのうち、特に希土類元素と遷移金属とを含む化合物および/または混合物から希土類元素と遷移金属とを分離回収する方法の一つとして、湿式法がある。Nd−Fe−B系スラッジを例としてこの湿式法について説明する。Nd−Fe−B系スラッジ中でNd、Dy、Pr等の希土類元素は酸化物となっている。このため、Nd−Fe−B系スラッジを酸水溶液に浸漬すると、Feは酸に溶解するが上記の希土類元素は酸に溶解しないため、Feは液相に、希土類は固相に分離される。濾過などの手段により、固液分離すれば、固相である希土類元素化合物を回収することができる。
希土類元素と遷移金属元素とを含む化合物および/または混合物から希土類元素と遷移金属元素とを分離回収する他の方法として、高温乾式法がある。この方法の一例として、希土類元素を含むスラッジに対して、希土類元素を含有する固形スクラップ、磁石廃棄物、または希土類金属屑を加えて溶解することにより、希土類元素を主成分とする化合物と希土類元素以外の元素からなる合金とに分離し、希土類元素を回収する方法が特許文献1に開示されている。
すなわち、RE−TM系混合物を構成する成分のうち、希土類元素のみが酸化され、Feまたは他の遷移金属を含むFeの合金は酸化されない酸素分圧にRE−TM系混合物を取り囲む雰囲気を制御する。このように制御することで、RE−TM系混合物は、希土類元素を主成分とする酸化物からなる相と、Feまたは他の遷移金属を含むFe合金からなる相とに分離する。
(2)分離ステップにおいて、前記RE−TM系混合物を溶融させるときに黒鉛坩堝に1ppm〜1%の酸素を含む不活性ガスからなるガスを導入する上記(1)記載の回収方法。
すなわち、雰囲気における酸素分圧が過度に増加すると黒鉛坩堝の酸化反応が激しくなり、黒鉛坩堝が著しく消耗することが懸念される。このため、酸素濃度は1%を上限とすることが好ましい。また、酸素分圧が過度に低すぎる場合には、希土類酸化物酸化させるための酸素量が減少するため処理に要する時間が長くなること、および、坩堝表面から離れた部分では局所的に酸素分圧が低すぎ相分離が適切に進行しないことが懸念される。これらは、経済的、品質的観点から好ましいことではない。したがって、雰囲気中の酸素濃度は1ppm以上とすることが好ましい。
黒鉛坩堝内に装入されるRE−TM系混合物の形状は特に限定されない。本発明は、黒鉛坩堝内の雰囲気における酸素分圧が特定の平衡状態に近づくように自律的に制御される現象を用い、その酸素分圧における希土類元素と遷移金属元素との安定状態の差を利用して相分離するのであるから、投入されるRE−TM系混合物の単位質量当たりの表面積は大きければ大きいほど、希土類元素および遷移金属元素と酸素との相互作用が起こりやすく、その結果、相分離現象が発生しやすくなる。すなわち、相分離の起こりやすさの観点からは、RE−TM系混合物の形状が小径であればあるほど有利である。したがって、RE−TM系混合物が塊状である場合には、これを粉砕して粉体としてから処理することが好ましい。
(実施例4)
1823Kに保持した電気炉を用いて、工業用Ar、純度99.99vol%、酸素濃度10ppm、50mL/min (s.t.p.(Standard Temperature and Pressure))を導入し、それぞれNd−Fe−B系スラッジ試料を黒鉛坩堝中で以下の(1)〜(4)の条件で熱処理した。

Claims (6)

  1. 希土類元素および遷移金属の回収方法であって、
    希土類元素とFeを含む遷移金属とを含有する化合物および/または混合物であるRE−TM系混合物を黒鉛坩堝内に装入する装入ステップ、
    当該RE−TM系混合物が内部に装入された黒鉛坩堝を加熱して、希土類元素を主成分とする酸化物相と遷移金属を含む金属相とに前記RE−TM系混合物を分離させるとともに、前記RE−TM系混合物を溶融させる分離ステップ、および
    前記RE−TM系混合物を、希土類元素を主成分とする酸化物と遷移金属を含む金属または合金とに分離して、それぞれを回収する回収ステップ
    を備える方法。
  2. 溶融ステップにおいて、前記RE−TM系混合物を溶融させるときに黒鉛坩堝に1ppm〜1%の酸素を含む不活性ガスからなるガスを導入する請求項1記載の回収方法。
  3. 装入ステップにおいて黒鉛坩堝に装入される前記RE−TM系混合物の平均粒径が10〜20μmである、請求項1記載の回収方法。
  4. 分離ステップにおいて、前記RE−TM系混合物を炭素含有物質とともに溶融させることを特徴とする請求項1記載の回収方法。
  5. 装入ステップにおいて黒鉛坩堝に装入される前記炭素含有物質における炭素含有量Wc(単位:g)の範囲は式(i)および(ii)で与えられる請求項4記載の回収方法:
    0 < WC ≦ WFe × MC × NC / ( MC × NC+ MFe × NFe ) (i)
    NC ≦ 1012.728 / T + 0.7271 × log T - 3.049 (ii)
    ここで、WFe(g):黒鉛坩堝に装入されたFeの量、T (K):分離ステップにおける黒鉛坩堝内温度であって、1623K超1973K未満の範囲で変動する、MFe(g):Feの原子量55.85、MC (g):Cの原子量12、NC:Fe-C系におけるFe中炭素のモル分率換算の飽和溶解度、およびNFe= 1 - NCである。
  6. 装入ステップにおいて、前記炭素含有物質に含有される炭素量および黒鉛坩堝に装入されたFe量が下記式(iii)を満たすように、前記炭素含有物質は黒鉛坩堝に装入される請求項5記載の回収方法。
    0.017 WFe< WC < 0.048 WFe (iii)
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