JP6425018B2 - 希土類元素の分離回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は希土類元素を含有する鉄系材料等から希土類元素を分離して回収する方法に関する。より詳しくは、使用済み自動車や電気製品や電子機器などに広く使用されている希土類磁石を用いたモータなどのスクラップから希土類元素を回収する方法であって、希土類元素と鉄の分離性が良く、希土類元素を効率よく分離して回収する処理方法に関する。
希土類元素は先端技術分野の有用な物質である。永久磁石の一種である希土類磁石には希土類元素が含まれている。この希土類磁石はハイブリッド自動車や電気自動車などのモータ、家電製品のモータなどに広く用いられており、希土類元素は今後も持続的な需要が見込まれている。しかし、希土類元素を含む鉱物の産地は偏在しており、安定的な供給が困難になる可能性が懸念されている。このため、希土類元素のリサイクルが重要視されている。
通常、希土類磁石を備えたモータスクラップから希土類元素を回収するには、モータを固定部(ステータ)と回転部(ロータ)に分解し、加熱等によって希土類磁石を消磁した後に該ロータ部に埋め込まれている磁石を取り外して、該磁石から希土類元素を回収している。
従来、希土類元素の回収方法として湿式処理と乾式処理が知られている。湿式処理は、磁石屑を酸に溶解し、この溶解液から溶媒抽出などによって希土類元素を回収する方法であり、磁石の製造工程で生じる加工屑やスラッジの処理に適している。使用済みの希土類磁石などを湿式処理するには、磁石の取り外しや消磁、粉砕の各処理を必要とし、コスト高になるので湿式処理には適さない。
一方、乾式処理には磁石を備えたロータを消磁やロータの分解、粉砕などを行わずに、そのまま熔解して処理する方法があり、リサイクルの大幅なコストダウンが見込まれる。このようなロータの乾式処理方法として特許文献1および非特許文献1に記載されている方法が知られている。
特許文献1に記載されている処理方法は、モータを分解して取り外した回転子を、消磁および粉砕を行わずに熔解炉に入れて加熱して溶湯にし、該溶湯に酸化性物質を投入して溶湯に含まれている希土類元素を酸化物にし、該希土類酸化物を含むスラグを生成させ、該スラグを回収して精錬し希土類元素を回収する方法である。
非特許文献1に記載されている処理方法は、モータを分解して取り外した回転子などのネオジム磁石スクラップをコークスおよび鋳鉄スクラップと共に高温熔融し、ネオジム磁石に含まれているNdとBの二元系融体スラグ(NdO-BO)とFe−C合金を生成させ、該NdO-BO融体スラグを酸溶解し、さらにシュウ酸を加えてホウ素含有液とネオジムシュウ酸塩を生成させ、該ネオジムシュウ酸塩を熱分解してネオジム酸化物を回収する方法である。
特開2014−181370号公報
山口勉功、資源・素材講演集、Vol.1(2014)、No.2
特許文献1の処理方法は、生成したスラグには酸化ネオジム(NdO)や酸化ディスプロシウム(DyO)などの希土類酸化物の他に、スラグ成分としてAl、Si、Mg、Tiなどの酸化物が含まれているが、熔融性の制御手段、例えばスラグ組成や処理温度などに関する記載はなく、融点の高い、即ち熔融物として回収困難なスラグが生成すると考えられる。その結果、このスラグにFeが多く含まれており、希土類元素と鉄が十分に分離されない。しかもこのようなスラグから希土類元素を分離するのに手間がかかる。また生成する鉄合金の組成は純鉄に近いので、操業温度は鉄の融点1538℃以上の高温である。
非特許文献1の処理方法は、コークスを加えてFe−C合金を生成させることによって熔融温度を1200℃未満にしており、特許文献1の方法よりは熔融温度が低いが、多量のBが生成するので、有害なホウ素を含む排ガスや排水の処理が問題になる。
本発明は、希土類元素を回収する従来の乾式処理方法における上記問題を解決したものであり、希土類元素と鉄の分離性が良く、希土類元素を効率よく分離して回収することができる処理方法に関する。
本発明は以下の構成を有する希土類元素の分離回収方法である。
〔1〕希土類磁石と鉄材料を含む原料から希土類元素を分離回収する方法であって、
金属シリコン源として、金属シリコン、Fe−Si系合金、または金属シリコンとFe−Si系合金を用い、
アルカリシリケートとして、アルカリ金属とSiの二元系酸化物、またはアルカリ金属酸化物とSiO の混合物を用い、
不活性雰囲気下、上記金属シリコン源と上記アルカリシリケートとを共存下で加熱溶融してSi−SiO 溶融浴を形成し、該Si−SiO 溶融浴中で上記原料を加熱溶融することによって、該原料中の鉄の酸化を抑制して金属シリコンと反応させてFe−Si系溶融合金を形成し、一方、該原料中の希土類を酸化して溶融スラグに取り込ませ、該溶融スラグと上記Fe−Si系溶融合金を分離し回収することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
〔2〕Fe−Si合金、金属シリコン、またはFe−Si合金と金属シリコンとを加熱し熔融し、この溶湯に希土類磁石と鉄材料を含む原料と、上記アルカリシリケートフラックスを加えて加熱溶融する上記[1]に記載する希土類元素の分離回収方法。
〔3〕熔融スラグから分離したFe−Si系熔融合金を金属シリコン源として再利用する上記[1]または上記[2]に記載する希土類元素の分離回収方法。
〔4〕希土類磁石と鉄材料を含む原料としてモータの希土類磁石を備えた回転子のスクラップを用いる上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
〔5〕熔融スラグと分離したFe−Si系合金をフェロシリコン材料または鉄材料として再利用する上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
〔6〕熔融スラグから希土類元素を回収し、該希土類元素を希土類磁石の原料として再利用する上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
〔具体的な説明〕
本発明の分離回収方法は、希土類磁石と鉄材料を含む原料から希土類元素を分離回収する方法であって、
金属シリコン源として、金属シリコン、Fe−Si系合金、または金属シリコンとFe−Si系合金を用い、アルカリシリケートとして、アルカリ金属とSiの二元系酸化物、またはアルカリ金属酸化物とSiO の混合物を用い、不活性雰囲気下、上記金属シリコン源と上記アルカリシリケートとを共存下で加熱溶融してSi−SiO 溶融浴を形成し、該Si−SiO 溶融浴中で上記原料を加熱溶融することによって、該原料中の鉄の酸化を抑制して金属シリコンと反応させてFe−Si系溶融合金を形成し、一方、該原料中の希土類を酸化して溶融スラグに取り込ませ、該溶融スラグと上記Fe−Si系溶融合金を分離し回収することを特徴とする希土類元素の分離回収方法である。
本発明の分離回収方法において、希土類磁石と鉄材料を含む原料はモータの希土類磁石を備えた回転子のスクラップなどである。具体的には、例えば、電気自動やハイブリット自動車、電子機器や家電製品には、最近、希土類磁石のモータが設けられており、ハードディスクのVCMやスピーカ等にも希土類元素を含む材料が用いられている。これらの希土類磁石が設けられているモータのスクラップなどを原料として用いることができる。
本発明の分離回収方法は、これらの希土類磁石を備えた回転子(ロータ)のスクラップについて、希土類磁石を取り外さずに、該ロータ部のケイ素鋼板と共に希土類磁石を加熱熔融して処理することができる。例えば、概ねロータ部は希土類磁石と共に該磁石の2〜15質量倍のケイ素鋼板によって形成されているが、本発明の分離回収方法は、このように希土類磁石よりも多量の鉄材料を含む原料、例えば、希土類磁石の2〜15質量倍の鉄材料を含む原料を処理することができる。
本発明の分離回収方法は、希土類磁石と鉄材料を含む原料を、不活性雰囲気下、例えば、アルゴンガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下で、1250℃〜1500℃に加熱し、金属シリコン源とアルカリシリケートの共存下で上記原料を熔融することによってSi−SiO熔融を形成し、該Si−SiO熔融浴中で上記原料を溶融し、鉄の酸化を抑制してFe−Si熔融合金を形成しつつ、希土類元素を選択的に酸化して熔融スラグにする。
金属シリコン源として、金属シリコン、またはFe−Si系合金、または金属シリコンとFe−Si系合金を用いることができる。なお、Fe−Si合金、あるいはFeとSi以外の金属を含むFe−Si合金をFe−Si系合金と云う。Fe−Si系合金は本発明の方法によって回収したものを再利用することができる。
アルカリシリケートとして、アルカリ金属とシリコンの二元系酸化物、またはアルカリ金属酸化物ないし炭酸塩とSiOの混合物を用いることができる。例えば、メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)、二ケイ酸ナトリウム(NaO・2SiO)、メタケイ酸カリウム(KSiO)、二ケイ酸カリウム(KO・2SiO)、無水ケイ酸ソーダのカレットなどを用いることができる。さらに、このアルカリシリケートは少量の酸化物、例えば5wt%以下の酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化クロム、酸化マンガン、酸化アルミ、酸化マグネシウムを含むものを用いることができる。
希土類磁石と鉄材料を含む原料を、不活性雰囲気下、金属シリコン源とアルカリシリケートの共存下、1250℃〜1500℃に加熱し熔融することによって、金属シリコンとアルカリシリケートの二酸化ケイ素からなるSi−SiO熔融が形成される。
このようなSi−SiO熔融浴での酸素分圧下では鉄は酸化されず、原料に含まれる鉄は金属シリコンと共に熔融してFe−Si系合金が形成される。例えば、希土類磁石と共に該磁石の2〜15質量倍のケイ素鋼板の鉄材料を含む原料を金属シリコン源とアルカリシリケートの共存下で1250℃〜1500℃に加熱して熔融すると、原料に含まれる鉄は金属シリコンと反応してFe−Si系合金を形成し、このFe−Si系合金中に鉄が次第に取り込まれる。なお、原料にNi等のめっき金属が含まれている場合には、Ni等のめっき金属を含むFe−Si系合金が形成される。
Fe−Si系合金は、Si量が0〜約25wt%の範囲では、Si量の増加に伴い純鉄の熔融温度1538℃から次第に熔融温度が低下し、Si量約10wt%では約1300℃以上で熔融状態を保ち、Si量約15wt%〜約25wt%の範囲では1250℃以上で熔融状態である。従って、原料に含まれる鉄が金属シリコンと反応してFe−Si系合金に取り込まれ、次第にSi量が減少しても、Si量に応じて熔融温度を制御することによって原料に含まれる鉄をFe−Si系合金に取り込ませることができる。
一方、上記Si−SiO熔融では、希土類元素が酸化するのに充分な酸素分圧が保たれるので、希土類元素は選択的に酸化されて希土類酸化物になり、該希土類酸化物を含む熔融スラグが形成される。なお、希土類元素が酸化される酸素分圧は自然に保たれるので、酸素ないし空気を系内に導入することは基本的に不要であるが、大量処理する場合には少量の空気または酸素を吹き込んで希土類元素の酸化反応を促進させることができる。また、この希土類酸化物を含むスラグは低融点であるので上記加熱温度下で熔融スラグになる。
希土類元素含有スラグを冷却し粉砕した後にアルカリ性水溶液または酸性水溶液によって浸出することによって、スラグ中のシリカ成分と希土類元素とを分離浸出することができる。例えば、アルカリ浸出の場合、希土類元素はアルカリ性水溶液中に不溶なため、アルカリ浸出残渣として水溶性アルカリシリケートから分離できる。ろ別したアルカリ浸出残渣中には希土類元素が濃縮しており、そのまま最終回収物としても良いが、これをさらに酸性溶液中に浸出して希土類元素含有液として回収することができる。
また、希土類元素含有液に含まれているNd、Dy、Pr、Tb等の精製方法として、例えば溶媒抽出を用いた場合には、上記希土類元素含有液を精製工程の原料液として使用することができる。
一方、希土類元素含有スラグを粉砕後、酸性水溶液中浸出した場合、希土類元素を選択的に抽出することも可能である。この場合、浸出残渣の主成分は未溶解のシリカと一部の希土類成分が含まれるので、浸出残渣をろ過、乾燥させた後スラグ成分として再利用することができる。
このように、本発明の分離回収方法では、金属シリコン源は原料に含まれる鉄を取り込む材料になり、アルカリシリケートは原料に含まれる希土類元素を選択的に酸化して熔融スラグに取り込むフラックスとして作用する。
上記加熱熔融工程において形成されるFe−Si熔融合金は、純鉄より熔融温度が低いので、Fe−Si系合金を形成することによって熔融温度を下げることができ、1250℃〜1500℃の加熱温度でFe−Si系熔融合金を形成することができ、該Fe−Si系熔融合金に原料の鉄を取り込ませることができる。なお、加熱温度が1200℃未満ではFe−Si系合金はほぼ固体になるので、原料に含まれる鉄がFe−Si系合金に熔解できなくなり、従って加熱温度は1250℃〜1500℃が好ましい。
上記熔融スラグとFe−Si系合金は比重差が大きいので、該熔融スラグは自然にFe−Si系熔融合金の上側に浮上して二相に分離した融体が形成される。このFe−Si系熔融合金と熔融スラグは二相に分離した液−液系であるので、分離性が良く、容易に分別することができる。
本発明の分離回収方法は、金属シリコン源とアルカリシリケートを加えてFe−Si系合金を形成するので、1250℃〜1500℃の熔融温度で鉄を合金にすることができ、従来の処理方法よりも低温で希土類元素を鉄と分離することができる。
また、本発明の処理方法は、希土類磁石と鉄材料を含む原料をSiとSiOの共存下で熔融するので、鉄は酸化されずに合金を形成し、希土類元素が選択的に酸化されてスラグになる。このため、鉄と希土類元素との分離性が良く、スラグに含まれる鉄が極めて少なく、鉄の大部分を付加価値の高いフェロシリコン合金として回収することができる。
本発明の分離回収方法によって形成されるFe−Si系熔融合金と熔融スラグは、二相に分離した液−液系であるので、容易に分別して回収することができる。また、形成される熔融スラグはアルカリシリケートスラグであるので、浸出処理などによって容易に希土類元素を外部に取り出すことができ、希土類元素を効率よく回収することができる。
さらに、本発明の分離回収方法において使用するフラックスのアルカリシリケートは有害なホウ素を含まないので、分離回収したスラグを安全に処理することができる。
上記スラグから回収した希土類元素は希土類磁石の原料として再利用することができる。また、回収したFe−Si系合金は、FeおよびSiを主成分とするので、フェロシリコン材料または鋼種材料として再利用することができる。さらに、本発明の分離回収方法における金属シリコンと併用することができる。
本発明の分離回収方法の概略を示す工程図。
以下、本発明の実施例と比較例を示す。なお、Fe−Si系合金の組成はXRF法(X-ray Fluorescence Spectrometry)、およびEPMA(Electron Probe Micro Analysis)によって定性分析と定量分析を行った。また、スラグ中の組成はXRF法で定性分析し、化学法で定量分析を行った。
実施例および比較例で用いたケイ素鋼板の組成はFe94.6〜96.0wt%、Si2.1〜2.8wt%、その他1.2〜3.3wt%であり、希土類磁石の組成は、Fe68wt%、Nd20wt%、Dy10wt%、B1wt%、その他1wt%である。
〔実施例1〕
鉄/シリコンの質量比73/27に調整熔融したFe−Si合金20gをカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1400℃に加熱して熔融させた。この溶湯に、モータ回転子スクラップ(ケイ素鋼板24gと希土類磁石3g)を入れて熔融させた。さらに上記溶湯にメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)と二酸化ケイ素(SiO)からなるアルカリシリケートフラックス(35wt%NaO-65wt%SiO)6gを加え、1400℃にて5時間保持してFe−Si熔融合金と熔融スラグを生成させた。その後、試料を水冷してFe−Si合金とスラグを回収した。上記処理条件およびスラグと合金の回収量を表1に示す。また、回収したスラグと合金の組成を表2に示す。表2に示すように、スラグ中に鉄が検出されず、または合金中にはNdとDyが検出されず、鉄と希土類元素の分離は良好であった。
〔実施例2〕
実施例1で回収したFe−Si合金17gと金属シリコン(純度98%)1.5gをカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1300℃に加熱して熔融させた。この溶湯に、モータ回転子のケイ素鋼板8gと希土類磁石1gを入れて熔融させた。さらに上記溶湯にメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)と二酸化ケイ素(SiO)からなるアルカリシリケートフラックス(35wt%NaO-65wt%SiO)5gを加え、1300℃にて5時間保持してFe−Si系熔融合金と熔融スラグを生成させた。その後、試料を水冷してFe−Si合金とスラグを回収した。上記処理条件およびスラグと合金の回収量を表1に示す。また、回収したスラグと合金の組成を表2に示す。表2に示すように、スラグ中に鉄が検出されず、または合金中にはNdとDyが検出されず、鉄と希土類元素の分離は良好であった。また、Fe−Si合金の一部を再利用しても希土類元素の高回収率、および鉄と希土類元素の分離も良好であることが確認された。
〔実施例3〕
金属シリコン(純度98%、粒子径<20mm)3gをカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1450℃に加熱して熔融させた。この溶湯に、モータ回転子のケイ素鋼板37gと希土類磁石4.6gを入れて熔融させた。さらに上記溶湯にメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)と二酸化ケイ素(SiO)からなるアルカリシリケートフラックス(35wt%NaO-65wt%SiO)22gを加え、1450℃にて5時間保持した。その後、試料を水冷してFe−Si合金とスラグを回収した。上記処理条件およびスラグと合金の回収量を表1に示す。また、回収したスラグと合金の組成を表2に示す。表2に示すように、スラグ中に鉄が検出されず、一方、合金中にもNdとDyが検出されず、鉄と希土類元素の分離は良好であった。また、シリコン源として少量の金属Siの熔体に原料(モータ回転子)のケイ素鋼板を添加して1450℃未満で充分に熔解できることが分かった。
〔実施例4〕
鉄/シリコンの質量比73/27に調整熔融したFe−Si合金16gをカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1250℃に加熱して熔融させた。この溶湯に、モータ回転子スクラップ(ケイ素鋼板5gと希土類磁石2g)を入れて熔融させた。さらに上記溶湯にメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)と二酸化ケイ素(SiO)からなるアルカリシリケートフラックス(35wt%NaO-65wt%SiO)7gを加え、1250℃にて5時間保持してFe−Si熔融合金と熔融スラグを生成させた。その後、試料を水冷してFe−Si合金とスラグを回収した。上記処理条件およびスラグと合金の回収量を表1に示す。また、回収したスラグと合金の組成を表2に示す。表2に示すように、スラグ中に鉄が検出されず、または合金中にはNdとDyが検出されず、鉄と希土類元素の分離は良好であった。
〔実施例5〕
金属シリコン(純度98%、粒子径<20mm)0.5gとモータ回転子のケイ素鋼板30gと希土類磁石2gをカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1500℃に加熱して熔融させた。上記溶湯にメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)と二酸化ケイ素(SiO)からなるアルカリシリケートフラックス(35wt%NaO-65wt%SiO)20gを加え、1500℃にて5時間保持した。その後、試料を水冷してFe−Si合金とスラグを回収した。上記処理条件およびスラグと合金の回収量を表1に示す。また、回収したスラグと合金の組成を表2に示す。表2に示すように、スラグ中に鉄が検出されず、一方、合金中にもNdとDyが検出されず、鉄と希土類元素の分離は良好であった。
Figure 0006425018
Figure 0006425018
〔比較例1〕
Fe−Si合金(Fe/Si質量比=73/27)をカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1400℃に加熱して熔融させた。この溶湯に、モータ回転子のケイ素鋼板と希土類磁石を入れて熔融させた。この溶湯にアルカリシリケートフラックスを加えずに、1400℃にて5時間保持し坩堝ごと水冷した。回収した物を観察すると、ケイ素鋼板はFe−Si合金中に熔解しており、希土類元素は酸化され、希土類酸化物の多くがFe−Si合金中に分散して残留し、鉄と希土類元素を十分に分離できないことが分かった。
〔比較例2〕
金属シリコンまたはFe−Si合金の溶湯を形成せずに、モータ回転子のケイ素鋼板と希土類磁石をカーボン坩堝に入れ、不活性雰囲気下(アルゴンガス、流量200ml/分)、1400℃に加熱して5時間保持したところ、ケイ素鋼板と希土類磁石は殆ど熔解しなかった。

Claims (6)

  1. 希土類磁石と鉄材料を含む原料から希土類元素を分離回収する方法であって、
    金属シリコン源として、金属シリコン、Fe−Si系合金、または金属シリコンとFe−Si系合金を用い、
    アルカリシリケートとして、アルカリ金属とSiの二元系酸化物、またはアルカリ金属酸化物とSiO の混合物を用い、
    不活性雰囲気下、上記金属シリコン源と上記アルカリシリケートとを共存下で加熱溶融してSi−SiO 溶融浴を形成し、該Si−SiO 溶融浴中で上記原料を加熱溶融することによって、該原料中の鉄の酸化を抑制して金属シリコンと反応させてFe−Si系溶融合金を形成し、一方、該原料中の希土類を酸化して溶融スラグに取り込ませ、該溶融スラグと上記Fe−Si系溶融合金を分離し回収することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  2. Fe−Si合金、金属シリコン、またはFe−Si合金と金属シリコンとを加熱し熔融し、この溶湯に希土類磁石と鉄材料を含む原料と、上記アルカリシリケートフラックスを加えて加熱溶融する請求項1に記載する希土類元素の分離回収方法。
  3. 熔融スラグから分離したFe−Si系熔融合金を金属シリコン源として再利用する請求項1または請求項2に記載する希土類元素の分離回収方法。
  4. 希土類磁石と鉄材料を含む原料としてモータの希土類磁石を備えた回転子のスクラップを用いる請求項1〜請求項3の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
  5. 熔融スラグと分離したFe−Si系合金をフェロシリコン材料または鉄材料として再利用する請求項1〜請求項4の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
  6. 熔融スラグから希土類元素を回収し、該希土類元素を希土類磁石の原料として再利用する請求項1〜請求項5の何れかに記載する希土類元素の分離回収方法。
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