JP2001064737A - アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金蓋付スチー
ル缶等の、アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び
鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を容易に分
離回収することができる技術の提供。 【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金部材及
び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、溶融アルミ
ニウム又はアルミニウム合金浴中に浸漬・撹拌して、前
記複合材廃棄物中のアルミニウム又はアルミニウム合金
部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合金部材は固形物とし
て残存させて、両者を分離する。浴温度は、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金の融点以上で鉄又は鉄合金の融
点未満、好ましくは700〜900℃である。浴中に、
強力磁石を入れて撹拌すれば、鉄又は鉄合金部材を着磁
して分離回収できるので好ましい。
ル缶等の、アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び
鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を容易に分
離回収することができる技術の提供。 【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金部材及
び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、溶融アルミ
ニウム又はアルミニウム合金浴中に浸漬・撹拌して、前
記複合材廃棄物中のアルミニウム又はアルミニウム合金
部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合金部材は固形物とし
て残存させて、両者を分離する。浴温度は、アルミニウ
ム又はアルミニウム合金の融点以上で鉄又は鉄合金の融
点未満、好ましくは700〜900℃である。浴中に、
強力磁石を入れて撹拌すれば、鉄又は鉄合金部材を着磁
して分離回収できるので好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、使用済み飲料用
スチール缶(アルミニウム又はアルミニウム合金蓋
付)、使用済み飲料用アルミニウム缶等のアルミニウム
又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む
複合材廃棄物から、アルミニウム又はアルミニウム合金
と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法に関する。
スチール缶(アルミニウム又はアルミニウム合金蓋
付)、使用済み飲料用アルミニウム缶等のアルミニウム
又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む
複合材廃棄物から、アルミニウム又はアルミニウム合金
と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 従
来、使用済み飲料用スチール缶(アルミニウム又はアル
ミニウム合金蓋付)、使用済み飲料用アルミニウム缶等
のアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄
合金部材を含む複合材廃棄物から、アルミニウム又はア
ルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法
として、例えば使用済みアルミニウム又はアルミニウム
合金蓋付スチール缶、アルミニウム又はアルミニウム合
金缶などの混在したプレス成形材を解砕し、これを最終
的に磁力により選別して回収する方法が実施されてい
た。しかしそうした方法では、スチール片に混在するア
ルミニウム小片や、アルミニウムに僅かに混在するスチ
ール小片を完全に分離することは非常に難しく、従って
このような分離回収の方法では、その回収率や回収され
た金属自体の純度の面で改善すべき問題があり、種々改
善研究が進められているが満足し得る技術の提供はなさ
れていない。
来、使用済み飲料用スチール缶(アルミニウム又はアル
ミニウム合金蓋付)、使用済み飲料用アルミニウム缶等
のアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄
合金部材を含む複合材廃棄物から、アルミニウム又はア
ルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法
として、例えば使用済みアルミニウム又はアルミニウム
合金蓋付スチール缶、アルミニウム又はアルミニウム合
金缶などの混在したプレス成形材を解砕し、これを最終
的に磁力により選別して回収する方法が実施されてい
た。しかしそうした方法では、スチール片に混在するア
ルミニウム小片や、アルミニウムに僅かに混在するスチ
ール小片を完全に分離することは非常に難しく、従って
このような分離回収の方法では、その回収率や回収され
た金属自体の純度の面で改善すべき問題があり、種々改
善研究が進められているが満足し得る技術の提供はなさ
れていない。
【0003】また、アルミニウム又はアルミニウム合金
と鉄又は鉄合金の融点差を利用し、アルミニウム又はア
ルミニウム合金と鉄又は鉄合金に一旦分離し、これらを
造粒してアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄
合金のペレットにした後に、磁力により両者を選別する
ような方法によっても、回収率を高めることができず、
かつ純度の高いアルミニウム又はアルミニウム合金及び
鉄又は鉄合金を得ることが困難であった。
と鉄又は鉄合金の融点差を利用し、アルミニウム又はア
ルミニウム合金と鉄又は鉄合金に一旦分離し、これらを
造粒してアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄
合金のペレットにした後に、磁力により両者を選別する
ような方法によっても、回収率を高めることができず、
かつ純度の高いアルミニウム又はアルミニウム合金及び
鉄又は鉄合金を得ることが困難であった。
【0004】本発明は、前記のような問題点の解消を図
るために成されたものであり、本発明の目的は、使用済
みのアルミニウム又はアルミニウム合金缶、スチール缶
(アルミニウム蓋付)又は両者の混在した缶材中のアル
ミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金の分離処
理に際して、それらの分離回収が確実かつ効果的に達成
し得て、以て実用化の促進に資することができる廃棄物
である使用済み飲食物収容缶材等中のアルミニウム又は
アルミニウム合金と、鉄又は鉄合金の新規な分離回収処
理方法を提供するものである。
るために成されたものであり、本発明の目的は、使用済
みのアルミニウム又はアルミニウム合金缶、スチール缶
(アルミニウム蓋付)又は両者の混在した缶材中のアル
ミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金の分離処
理に際して、それらの分離回収が確実かつ効果的に達成
し得て、以て実用化の促進に資することができる廃棄物
である使用済み飲食物収容缶材等中のアルミニウム又は
アルミニウム合金と、鉄又は鉄合金の新規な分離回収処
理方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記課題を解
決するもので、下記構成の発明である。 (1)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、溶融アルミニウム
又はアルミニウム合金浴中に浸漬・撹拌して、前記複合
材廃棄物中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材を
選択的に溶解し、鉄又は鉄合金部材は固形物として残存
させて、両者を分離することを特徴とするアルミニウム
部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアル
ミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分
離回収する方法。 (2)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、アルミニウム又は
アルミニウム合金の融点以上で鉄又は鉄合金の融点未満
の温度の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に
浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニウム又
はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合
金部材は固形物として残存させて、両者を分離すること
を特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金部材及
び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウ
ム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収
する方法。 (3)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、670℃〜140
0℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に浸
漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニウム又は
アルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合金
部材は固形物として残存させて、両者を分離することを
特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び
鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム
又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収す
る方法。
決するもので、下記構成の発明である。 (1)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、溶融アルミニウム
又はアルミニウム合金浴中に浸漬・撹拌して、前記複合
材廃棄物中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材を
選択的に溶解し、鉄又は鉄合金部材は固形物として残存
させて、両者を分離することを特徴とするアルミニウム
部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアル
ミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分
離回収する方法。 (2)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、アルミニウム又は
アルミニウム合金の融点以上で鉄又は鉄合金の融点未満
の温度の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に
浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニウム又
はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合
金部材は固形物として残存させて、両者を分離すること
を特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金部材及
び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウ
ム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収
する方法。 (3)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、670℃〜140
0℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に浸
漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニウム又は
アルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合金
部材は固形物として残存させて、両者を分離することを
特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び
鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム
又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収す
る方法。
【0006】(4)アルミニウム又はアルミニウム合金
部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、70
0℃〜900℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合
金浴中に浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄
又は鉄合金部材は固形物として残存させて、両者を分離
することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合
金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からア
ルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を
分離回収する方法。 (5)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物が、アルミニウム又は
アルミニウム合金部材の単一材及び鉄又は鉄合金部材の
単一材が混在した廃棄物材料であることを特徴とする前
項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアル
ミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃
棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄
合金部材を分離回収する方法。 (6)アルミニウム又はアルミニウム合金部材が溶解し
た670〜770℃のアルミニウム又はアルミニウム合
金と鉄又は鉄合金部材との混在物の浴中に、強力磁石を
接触させることにより、前記混在物から鉄又は鉄合金部
材を吸着して分離回収することを特徴とする前項1〜6
のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム
合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から
アルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材
を分離回収する方法。 (7)強力磁石を撹拌用具として用いることを特徴とす
る前項6に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミ
ニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離
回収する方法。
部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、70
0℃〜900℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合
金浴中に浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄
又は鉄合金部材は固形物として残存させて、両者を分離
することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合
金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からア
ルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を
分離回収する方法。 (5)アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又
は鉄合金部材を含む複合材廃棄物が、アルミニウム又は
アルミニウム合金部材の単一材及び鉄又は鉄合金部材の
単一材が混在した廃棄物材料であることを特徴とする前
項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアル
ミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃
棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄
合金部材を分離回収する方法。 (6)アルミニウム又はアルミニウム合金部材が溶解し
た670〜770℃のアルミニウム又はアルミニウム合
金と鉄又は鉄合金部材との混在物の浴中に、強力磁石を
接触させることにより、前記混在物から鉄又は鉄合金部
材を吸着して分離回収することを特徴とする前項1〜6
のいずれか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム
合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から
アルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材
を分離回収する方法。 (7)強力磁石を撹拌用具として用いることを特徴とす
る前項6に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミ
ニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離
回収する方法。
【0007】(8)水素ガス、一酸化炭素ガス、固形炭
素(黒鉛)などの還元性物質又はアルゴンガスなどの不
活性ガスを用いて、溶融アルミニウム浴又はアルミニウ
ム合金浴の表面を還元性又は不活性雰囲気に保持するこ
とを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載のアル
ミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部
材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウ
ム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。 (9)アルミニウム又はアルミニウム合金浴に、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、又は鉛、亜鉛、錫等の融点
750℃以下の低融点金属を添加してなることを特徴と
する前項1〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム又
はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複
合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄
又は鉄合金部材を分離回収する方法。 (10)アルミニウム又はアルミニウム合金浴に、フッ
化物、ホウ化物等の融剤を添加してなることを特徴とす
る前項1〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合
材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又
は鉄合金部材を分離回収する方法。
素(黒鉛)などの還元性物質又はアルゴンガスなどの不
活性ガスを用いて、溶融アルミニウム浴又はアルミニウ
ム合金浴の表面を還元性又は不活性雰囲気に保持するこ
とを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載のアル
ミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部
材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウ
ム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。 (9)アルミニウム又はアルミニウム合金浴に、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、又は鉛、亜鉛、錫等の融点
750℃以下の低融点金属を添加してなることを特徴と
する前項1〜8のいずれか1項に記載のアルミニウム又
はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複
合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄
又は鉄合金部材を分離回収する方法。 (10)アルミニウム又はアルミニウム合金浴に、フッ
化物、ホウ化物等の融剤を添加してなることを特徴とす
る前項1〜9のいずれか1項に記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合
材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又
は鉄合金部材を分離回収する方法。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明では、分離・回収を目的
とする使用済みスチール缶(アルミニウム又はアルミニ
ウム合金蓋付)、アルミニウム缶などが混在したアルミ
ニウム部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
を、例えば固形炭素製容器(溶解炉)(又は固形炭素で
内張された容器:溶解炉)に予め充填されている溶融ア
ルミニウム又はアルミニウム合金浴(浴の温度:アルミ
ニウム又はアルミニウム合金の融点以上で、かつ鉄又は
鉄合金の融点未満、好ましくは700〜900℃)中へ
適宜時間浸漬・撹拌させる。なお、複合材廃棄物の鉄又
は鉄合金部材としては、工業的に製造される純鉄、炭素
鋼のほか、Cr,Niを含むステンレス鋼や、少量のS
iやMn等を含む鉄合金が挙げられる。すると、前記缶
材等中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材(金属
アルミニウム又は金属アルミニウム合金部材)が前記ア
ルミニウム又はアルミニウム合金浴中の溶融アルミニウ
ム又はアルミニウム合金に溶解されて液状となる一方、
鉄又は鉄合金部材は不溶解で固形のまま残存する。次い
で、前記液状物と固形物は、例えば耐熱材料製の濾過器
を介して固液分離して、両者を分離回収することができ
る。
とする使用済みスチール缶(アルミニウム又はアルミニ
ウム合金蓋付)、アルミニウム缶などが混在したアルミ
ニウム部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
を、例えば固形炭素製容器(溶解炉)(又は固形炭素で
内張された容器:溶解炉)に予め充填されている溶融ア
ルミニウム又はアルミニウム合金浴(浴の温度:アルミ
ニウム又はアルミニウム合金の融点以上で、かつ鉄又は
鉄合金の融点未満、好ましくは700〜900℃)中へ
適宜時間浸漬・撹拌させる。なお、複合材廃棄物の鉄又
は鉄合金部材としては、工業的に製造される純鉄、炭素
鋼のほか、Cr,Niを含むステンレス鋼や、少量のS
iやMn等を含む鉄合金が挙げられる。すると、前記缶
材等中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材(金属
アルミニウム又は金属アルミニウム合金部材)が前記ア
ルミニウム又はアルミニウム合金浴中の溶融アルミニウ
ム又はアルミニウム合金に溶解されて液状となる一方、
鉄又は鉄合金部材は不溶解で固形のまま残存する。次い
で、前記液状物と固形物は、例えば耐熱材料製の濾過器
を介して固液分離して、両者を分離回収することができ
る。
【0009】また、前記固液混合物(溶解アルミニウム
又は溶解アルミニウム合金と固形の鉄又は鉄合金部材の
混合物)中に、強力磁石を入れて撹拌すれば、鉄又は鉄
合金部材が強力磁石に選択的に吸着(着磁)されて、分
離回収される。その時、撹拌具を強力磁石で構成するこ
とはより好ましい。しかしながら、強力磁石による着磁
回収においては、鉄のキューリー点が770℃であるた
め、アルミニウム浴の温度が770℃を越えた温度昇温
すると、着磁不能となって、効果が生じない。よって、
強力磁石による鉄の着磁分離方式においては、770℃
を越える温度では効果が得られなく、したがって強力磁
石を使用する場合のアルミニウム浴温度は670〜77
0℃が好ましい。また、前記固形炭素製溶解炉を使用す
れば、炉壁自体の還元性又は炉壁から発生する還元性炭
素含有ガスにより、溶融アルミニウム又はアルミニウム
合金浴面付近の雰囲気を還元性に保つことができ、アル
ミニウム酸化物の生成を防止し、また鉄又は鉄合金部材
の酸化を防止し、その結果酸化物層を有しない金属アル
ミニウム又はアルミニウム合金及び酸化物層を有しない
鉄又は鉄合金部材を取得することができる。さらに、前
記アルミニウム又はアルミニウム合金浴には、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、鉛、亜鉛、錫等の融点750
℃以下の低融点金属を添加してもよい。さらにまた、融
剤、例えばフッ化カルシウム等のフッ化物、ホウ酸、ホ
ウ砂等のホウ化物を添加してもよい。
又は溶解アルミニウム合金と固形の鉄又は鉄合金部材の
混合物)中に、強力磁石を入れて撹拌すれば、鉄又は鉄
合金部材が強力磁石に選択的に吸着(着磁)されて、分
離回収される。その時、撹拌具を強力磁石で構成するこ
とはより好ましい。しかしながら、強力磁石による着磁
回収においては、鉄のキューリー点が770℃であるた
め、アルミニウム浴の温度が770℃を越えた温度昇温
すると、着磁不能となって、効果が生じない。よって、
強力磁石による鉄の着磁分離方式においては、770℃
を越える温度では効果が得られなく、したがって強力磁
石を使用する場合のアルミニウム浴温度は670〜77
0℃が好ましい。また、前記固形炭素製溶解炉を使用す
れば、炉壁自体の還元性又は炉壁から発生する還元性炭
素含有ガスにより、溶融アルミニウム又はアルミニウム
合金浴面付近の雰囲気を還元性に保つことができ、アル
ミニウム酸化物の生成を防止し、また鉄又は鉄合金部材
の酸化を防止し、その結果酸化物層を有しない金属アル
ミニウム又はアルミニウム合金及び酸化物層を有しない
鉄又は鉄合金部材を取得することができる。さらに、前
記アルミニウム又はアルミニウム合金浴には、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、鉛、亜鉛、錫等の融点750
℃以下の低融点金属を添加してもよい。さらにまた、融
剤、例えばフッ化カルシウム等のフッ化物、ホウ酸、ホ
ウ砂等のホウ化物を添加してもよい。
【0010】本発明では、目的とする複合材廃棄物、例
えばスチール缶(アルミニウム又はアルミニウム合金蓋
付)、アルミニウム又はアルミニウム合金缶又はそれら
の混在した缶材を予め選別する、しないに関係なく、そ
れを前記溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中へ
浸漬・撹拌し、缶材等中のアルミニウム又はアルミニウ
ム合金を選択的に同浴中へ溶解して分離回収することが
できる。なおこの場合、固形炭素は溶融アルミニウム又
はアルミニウム合金浴中へは殆ど溶解しないので、溶融
アルミニウム又はアルミニウム合金浴の温度、浸漬時間
の調整により、目的とする前記缶材中のアルミニウム又
はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材の分離回収をよ
り効果的に行うことができる。
えばスチール缶(アルミニウム又はアルミニウム合金蓋
付)、アルミニウム又はアルミニウム合金缶又はそれら
の混在した缶材を予め選別する、しないに関係なく、そ
れを前記溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中へ
浸漬・撹拌し、缶材等中のアルミニウム又はアルミニウ
ム合金を選択的に同浴中へ溶解して分離回収することが
できる。なおこの場合、固形炭素は溶融アルミニウム又
はアルミニウム合金浴中へは殆ど溶解しないので、溶融
アルミニウム又はアルミニウム合金浴の温度、浸漬時間
の調整により、目的とする前記缶材中のアルミニウム又
はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材の分離回収をよ
り効果的に行うことができる。
【0011】
【実施例】 以下、本発明の実施例について、添付図面
を参照しながら説明する。 実施例1:図1に示す断面の溶融アルミニウム又はアル
ミニウム合金浴を入れる浴槽(溶解炉)(1)は、壁材
(2)を固形炭素材で作製した内径70mm×外径85
mm×高さ130mmの有底円筒体状のものである。本
浴槽(1)の中では、500g程度の純アルミニウム地
金を電熱などを用いて溶解し、これをアルミニウム浴
(3)とし、その温度は700〜900℃、好ましくは
720〜850℃の間の温度に保った。また、処理対象
物としてのアルミニウム部材及び鉄及又は鉄合金部材を
含む複合材廃棄物である使用済み飲料缶(上面蓋部がア
ルミニウム又はアルミニウム合金製のスチール缶)は、
予め300℃〜500℃程度の温度で予熱焙焼し、缶に
付着の塗料や水分を除去した。次いで、それを前記溶融
アルミニウム浴に投入・浸漬し、5秒〜15秒間の撹拌
操作を続けた。その結果、缶材中のアルミニウム部材
が、アルミニウム浴中へ溶解(分離)された一方、缶材
中の鉄又は鉄合金部材は固形物としてアルミニウム浴か
ら引き上げ、取り出され、この取り出された残材は再生
スチール用の原料として利用できた。缶材中のアルミニ
ウム又はアルミニウム合金部材成分を溶解回収した溶融
アルミニウム浴については、缶材からの鉄分の混入の有
無を化学分析によって調べ、その結果を表1に示した。
を参照しながら説明する。 実施例1:図1に示す断面の溶融アルミニウム又はアル
ミニウム合金浴を入れる浴槽(溶解炉)(1)は、壁材
(2)を固形炭素材で作製した内径70mm×外径85
mm×高さ130mmの有底円筒体状のものである。本
浴槽(1)の中では、500g程度の純アルミニウム地
金を電熱などを用いて溶解し、これをアルミニウム浴
(3)とし、その温度は700〜900℃、好ましくは
720〜850℃の間の温度に保った。また、処理対象
物としてのアルミニウム部材及び鉄及又は鉄合金部材を
含む複合材廃棄物である使用済み飲料缶(上面蓋部がア
ルミニウム又はアルミニウム合金製のスチール缶)は、
予め300℃〜500℃程度の温度で予熱焙焼し、缶に
付着の塗料や水分を除去した。次いで、それを前記溶融
アルミニウム浴に投入・浸漬し、5秒〜15秒間の撹拌
操作を続けた。その結果、缶材中のアルミニウム部材
が、アルミニウム浴中へ溶解(分離)された一方、缶材
中の鉄又は鉄合金部材は固形物としてアルミニウム浴か
ら引き上げ、取り出され、この取り出された残材は再生
スチール用の原料として利用できた。缶材中のアルミニ
ウム又はアルミニウム合金部材成分を溶解回収した溶融
アルミニウム浴については、缶材からの鉄分の混入の有
無を化学分析によって調べ、その結果を表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】以上の実施例1及び表1からみて、本発明
によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金蓋付スチ
ール缶、アルミニウム又はアルミニウム合金缶、スチー
ル缶等又はこれらの混在したアルミニウム又はアルミニ
ウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材から、容易に両成分
金属が固液分離により回収できることが解った。
によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金蓋付スチ
ール缶、アルミニウム又はアルミニウム合金缶、スチー
ル缶等又はこれらの混在したアルミニウム又はアルミニ
ウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材から、容易に両成分
金属が固液分離により回収できることが解った。
【0014】実施例2:実施例1において、複合材廃棄
物である使用済み飲料缶を前記溶融アルミニウム浴の液
面に接近・接触及び液中に浸漬し、5秒〜15秒間の撹
拌操作を続けた際に、撹拌棒には、.強力永久磁石と
して、希土類コバルト磁石(キューリー点:820℃)
を埋め込んだものと、.強力電磁石として、コバルト
10%含有の鉄合金(キューリー点:870℃)製のも
のを用いた。なお、前記の電磁石は、その一端に励磁
用コイルを付加せしめ、105A・T(アンペアター
ン)/mの励磁を行ったものを用いた。その結果、缶材
中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材が、同アル
ミニウム浴中へ溶解(分離)された一方、缶材中の鉄又
は鉄合金部材は固形物として撹拌棒に付着してアルミニ
ウム浴から引き上げ、取り出された。この引き上げられ
た残材は再生スチール用の原料として利用できた。そし
て、缶材中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材成
分を溶解回収した溶融アルミニウム浴については、缶材
からの鉄分の混入の有無を化学分析によって調べた。そ
の結果を表2に示した。表2中、アルミニウム浴温80
0℃の時の、強力磁石棒による撹拌においては、鉄のキ
ューリー点が770℃であるところ、着磁される鉄(ス
チール)がその点を越えてしまっているため、着磁不能
となっている。よって、強力磁石による鉄の着磁分離方
式においては、770℃を越える温度では効果が得られ
ない。
物である使用済み飲料缶を前記溶融アルミニウム浴の液
面に接近・接触及び液中に浸漬し、5秒〜15秒間の撹
拌操作を続けた際に、撹拌棒には、.強力永久磁石と
して、希土類コバルト磁石(キューリー点:820℃)
を埋め込んだものと、.強力電磁石として、コバルト
10%含有の鉄合金(キューリー点:870℃)製のも
のを用いた。なお、前記の電磁石は、その一端に励磁
用コイルを付加せしめ、105A・T(アンペアター
ン)/mの励磁を行ったものを用いた。その結果、缶材
中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材が、同アル
ミニウム浴中へ溶解(分離)された一方、缶材中の鉄又
は鉄合金部材は固形物として撹拌棒に付着してアルミニ
ウム浴から引き上げ、取り出された。この引き上げられ
た残材は再生スチール用の原料として利用できた。そし
て、缶材中のアルミニウム又はアルミニウム合金部材成
分を溶解回収した溶融アルミニウム浴については、缶材
からの鉄分の混入の有無を化学分析によって調べた。そ
の結果を表2に示した。表2中、アルミニウム浴温80
0℃の時の、強力磁石棒による撹拌においては、鉄のキ
ューリー点が770℃であるところ、着磁される鉄(ス
チール)がその点を越えてしまっているため、着磁不能
となっている。よって、強力磁石による鉄の着磁分離方
式においては、770℃を越える温度では効果が得られ
ない。
【0015】
【表2】
【0016】その結果、アルミニウム浴中での撹拌時に
強力磁石を用いた場合、容易に金属アルミニウムが分離
回収できることが解った。
強力磁石を用いた場合、容易に金属アルミニウムが分離
回収できることが解った。
【0017】実施例3:実施例1で用いた図1に示す浴
槽(溶解炉)に溶融アルミニウム合金(マグネシウム3
%含有のアルミニウム合金)を500g入れ、730℃
に保持した浴及び800℃に保持した浴について、浴中
にアルミニウム蓋付スチール缶を1缶浸漬し、5秒間及
び10秒間、撹拌した時の蓋(アルミニウム部)の溶解
分離状況、及びアルミニウム浴中への鉄分の混入の有無
状況を試験し、その結果を表3に示した。表3から解る
ごとく、缶材中のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材が、短時間にアルミニウム合金浴中へ溶解(分離)さ
れた。缶材中の鉄又は鉄合金部材は固形物としてアルミ
ニウム合金浴から引き上げ、取り出され、この取り出さ
れた残材は再生スチール用の原料として利用できた。
槽(溶解炉)に溶融アルミニウム合金(マグネシウム3
%含有のアルミニウム合金)を500g入れ、730℃
に保持した浴及び800℃に保持した浴について、浴中
にアルミニウム蓋付スチール缶を1缶浸漬し、5秒間及
び10秒間、撹拌した時の蓋(アルミニウム部)の溶解
分離状況、及びアルミニウム浴中への鉄分の混入の有無
状況を試験し、その結果を表3に示した。表3から解る
ごとく、缶材中のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材が、短時間にアルミニウム合金浴中へ溶解(分離)さ
れた。缶材中の鉄又は鉄合金部材は固形物としてアルミ
ニウム合金浴から引き上げ、取り出され、この取り出さ
れた残材は再生スチール用の原料として利用できた。
【0018】
【表3】
【0019】実施例4:実施例1で用いた図1に示す浴
槽(溶解炉)に溶融アルミニウム合金(マグネシウム3
%含有のアルミニウム合金)を500g入れ、730℃
に保持した浴及び800℃に保持した浴を使用して、浴
中にアルミニウム蓋付スチール缶を1缶浸漬し、5秒間
及び10秒間、強力磁石棒で撹拌した時の蓋(アルミニ
ウム部)の溶解分離状況、及びアルミニウム浴中への鉄
分の混入の有無状況を試験し、その結果を表4に示し
た。なお、強力磁石としては、.強力永久磁石とし
て、希土類コバルト磁石(キューリー点:820℃)を
埋め込んだものと、.強力電磁石棒として、コバルト
10%含有の鉄合金(キューリー点:870℃)製のも
の(その一端に励磁用コイルを付加せしめ、105A・
T(アンペアターン)/mの励磁を行ったもの)を用い
た。表4から解るごとく、缶材中のアルミニウム又はア
ルミニウム合金部材が、短時間にアルミニウム合金浴中
へ溶解(分離)された。缶材中の鉄又は鉄合金部材は固
形物としてアルミニウム合金浴から引き上げ、取り出さ
れ、この取り出された残材は再生スチール用の原料とし
て利用できた。
槽(溶解炉)に溶融アルミニウム合金(マグネシウム3
%含有のアルミニウム合金)を500g入れ、730℃
に保持した浴及び800℃に保持した浴を使用して、浴
中にアルミニウム蓋付スチール缶を1缶浸漬し、5秒間
及び10秒間、強力磁石棒で撹拌した時の蓋(アルミニ
ウム部)の溶解分離状況、及びアルミニウム浴中への鉄
分の混入の有無状況を試験し、その結果を表4に示し
た。なお、強力磁石としては、.強力永久磁石とし
て、希土類コバルト磁石(キューリー点:820℃)を
埋め込んだものと、.強力電磁石棒として、コバルト
10%含有の鉄合金(キューリー点:870℃)製のも
の(その一端に励磁用コイルを付加せしめ、105A・
T(アンペアターン)/mの励磁を行ったもの)を用い
た。表4から解るごとく、缶材中のアルミニウム又はア
ルミニウム合金部材が、短時間にアルミニウム合金浴中
へ溶解(分離)された。缶材中の鉄又は鉄合金部材は固
形物としてアルミニウム合金浴から引き上げ、取り出さ
れ、この取り出された残材は再生スチール用の原料とし
て利用できた。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】 以上述べたとおり、本発明によれば溶
融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に、対象とす
る使用済みの飲食物缶材等のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
を投入し浸漬・撹拌するとき、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金部材のみが溶融アルミニウム又はアルミニウ
ム合金浴中に選択的に溶解分離されることから、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金蓋付スチール缶、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金缶、スチール缶又はこれらの
混在した缶材等のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から、アル
ミニウム又はアルミニウム合金を容易に分離回収するこ
とができる。また、その際、浴中に強力磁石を入れて撹
拌すれば、鉄又は鉄合金部材が着磁され、容易かつ高効
率で分離回収することができる。その結果、不燃性ゴミ
となる使用済み各種飲料缶のプレス品などから、極めて
効果的にアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄
又は鉄合金部材を分離回収し、有用物として再利用する
ことができる。
融アルミニウム又はアルミニウム合金浴中に、対象とす
る使用済みの飲食物缶材等のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
を投入し浸漬・撹拌するとき、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金部材のみが溶融アルミニウム又はアルミニウ
ム合金浴中に選択的に溶解分離されることから、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金蓋付スチール缶、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金缶、スチール缶又はこれらの
混在した缶材等のアルミニウム又はアルミニウム合金部
材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物から、アル
ミニウム又はアルミニウム合金を容易に分離回収するこ
とができる。また、その際、浴中に強力磁石を入れて撹
拌すれば、鉄又は鉄合金部材が着磁され、容易かつ高効
率で分離回収することができる。その結果、不燃性ゴミ
となる使用済み各種飲料缶のプレス品などから、極めて
効果的にアルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄
又は鉄合金部材を分離回収し、有用物として再利用する
ことができる。
【図1】本発明実施例で用いられる溶融アルミニウム又
はアルミニウム合金浴を入れた浴槽(溶解炉)の断面図
である。
はアルミニウム合金浴を入れた浴槽(溶解炉)の断面図
である。
1:溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴を入れた
浴槽(溶解炉) 2:浴槽の壁材 3:アルミニウム又はアルミニウム合金浴
浴槽(溶解炉) 2:浴槽の壁材 3:アルミニウム又はアルミニウム合金浴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮尾 信昭 大阪府寝屋川市成田東町20番19号 Fターム(参考) 4K001 AA02 AA10 BA22 CA04 CA09 EA05
Claims (10)
- 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、溶融アル
ミニウム又はアルミニウム合金浴中に浸漬・撹拌して、
前記複合材廃棄物中のアルミニウム又はアルミニウム合
金部材を選択的に溶解し、鉄又は鉄合金部材は固形物と
して残存させて、両者を分離することを特徴とするアル
ミニウム部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金
部材を分離回収する方法。 - 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金の融点以上で鉄又は鉄合金の
融点未満の温度の溶融アルミニウム又はアルミニウム合
金浴中に浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄
又は鉄合金部材は固形物として残存させて、両者を分離
することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合
金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からア
ルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を
分離回収する方法。 - 【請求項3】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、670℃
〜1400℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金
浴中に浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニ
ウム又はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又
は鉄合金部材は固形物として残存させて、両者を分離す
ることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金
部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアル
ミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分
離回収する方法。 - 【請求項4】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物を、700℃
〜900℃の溶融アルミニウム又はアルミニウム合金浴
中に浸漬・撹拌して、前記複合材廃棄物中のアルミニウ
ム又はアルミニウム合金部材を選択的に溶解し、鉄又は
鉄合金部材は固形物として残存させて、両者を分離する
ことを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金部
材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミ
ニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離
回収する方法。 - 【請求項5】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物が、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金部材の単一材及び鉄又は鉄合
金部材の単一材が混在した廃棄物材料であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウ
ム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含
む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金
と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。 - 【請求項6】 アルミニウム又はアルミニウム合金部材
が溶解した670〜770℃のアルミニウム又はアルミ
ニウム合金と鉄又は鉄合金部材との混在物の浴中に、強
力磁石を接触させることにより、前記混在物から鉄又は
鉄合金部材を吸着して分離回収することを特徴とする請
求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム又はア
ルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材
廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は
鉄合金部材を分離回収する方法。 - 【請求項7】 強力磁石を撹拌用具として用いることを
特徴とする請求項6に記載のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物
からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金
部材を分離回収する方法。 - 【請求項8】 水素ガス、一酸化炭素ガス、固形炭素
(黒鉛)などの還元性物質又はアルゴンガスなどの不活
性ガスを用いて、溶融アルミニウム浴又はアルミニウム
合金浴の表面を還元性又は不活性雰囲気に保持すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアル
ミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部
材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウ
ム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。 - 【請求項9】アルミニウム又はアルミニウム合金浴に、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は鉛、亜鉛、錫等
の融点750℃以下の低融点金属を添加してなることを
特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材
を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム
合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。 - 【請求項10】アルミニウム又はアルミニウム合金浴
に、フッ化物、ホウ化物等の融剤を添加してなることを
特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材
を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム
合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23820099A JP2001064737A (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23820099A JP2001064737A (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064737A true JP2001064737A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17026653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23820099A Pending JP2001064737A (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | アルミニウム又はアルミニウム合金部材及び鉄又は鉄合金部材を含む複合材廃棄物からアルミニウム又はアルミニウム合金と鉄又は鉄合金部材を分離回収する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001064737A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089838A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Chiba Univ | リサイクル型Fe−Al複合材料の製造方法 |
JP2021063243A (ja) * | 2019-10-10 | 2021-04-22 | 東京ステーション開発株式会社 | アルミニウム製鉄道車両のリサイクル方法 |
-
1999
- 1999-08-25 JP JP23820099A patent/JP2001064737A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089838A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Chiba Univ | リサイクル型Fe−Al複合材料の製造方法 |
JP2021063243A (ja) * | 2019-10-10 | 2021-04-22 | 東京ステーション開発株式会社 | アルミニウム製鉄道車両のリサイクル方法 |
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