JP6411001B1 - 金属マンガンの製造方法 - Google Patents

金属マンガンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6411001B1
JP6411001B1 JP2018529077A JP2018529077A JP6411001B1 JP 6411001 B1 JP6411001 B1 JP 6411001B1 JP 2018529077 A JP2018529077 A JP 2018529077A JP 2018529077 A JP2018529077 A JP 2018529077A JP 6411001 B1 JP6411001 B1 JP 6411001B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manganese
metal
slag
treatment
subjected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018529077A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018168472A1 (ja
Inventor
山口 東洋司
東洋司 山口
村井 亮太
亮太 村井
鷲見 郁宏
郁宏 鷲見
博一 杉森
博一 杉森
関口 誓子
誓子 関口
正浩 森
正浩 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Material Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Material Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Material Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6411001B1 publication Critical patent/JP6411001B1/ja
Publication of JPWO2018168472A1 publication Critical patent/JPWO2018168472A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B09DISPOSAL OF SOLID WASTE; RECLAMATION OF CONTAMINATED SOIL
    • B09BDISPOSAL OF SOLID WASTE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B09B3/00Destroying solid waste or transforming solid waste into something useful or harmless
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B09DISPOSAL OF SOLID WASTE; RECLAMATION OF CONTAMINATED SOIL
    • B09BDISPOSAL OF SOLID WASTE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B09B5/00Operations not covered by a single other subclass or by a single other group in this subclass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B47/00Obtaining manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B5/00General methods of reducing to metals
    • C22B5/02Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes
    • C22B5/04Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes by aluminium, other metals or silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B7/00Working up raw materials other than ores, e.g. scrap, to produce non-ferrous metals and compounds thereof; Methods of a general interest or applied to the winning of more than two metals
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

高品位金属マンガンの製造方法であって、粉粒体(Mn含有物質)に、水洗処理を施し、含まれる塩素を水中に溶解させたのち、固液分離処理を施し、塩素を分離除去した固形分を得る。得られた固形分に乾燥処理を施し、ついで、該乾燥処理を施された前記固形分に、フラックスを混合して、アーク溶解炉に装入し、通電して加熱して、固形分中のマンガンをスラグ化する。ついで、スラグ化して得られたスラグ溶湯を、取鍋に移すとともに、該取鍋に還元剤、フラックスを投入して、スラグ溶湯を還元し、金属溶湯(金属マンガン)とする還元処理を施す。これにより、高品位の金属マンガンを製造できる。なお、原料として使用するMn含有物質は、廃乾電池から、マンガン乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を選別し、粉砕、篩分けして得られた粉粒体とすることが好ましい。

Description

本発明は、金属マンガン(以下、金属Mnともいう)の製造方法に係り、特に、廃乾電池等から回収されたマンガン含有物質を原料として、高品位の金属マンガンを製造する方法に関する。
鉄鋼分野においては、マンガンは従来から、有用な元素として広く用いられてきた元素であり、近年では、特に自動車向け高張力鋼板の製造において、重要な元素になっている。
鉄鋼分野で使用するマンガンとして、鉄鋼製品製造の最終段階である成分調整段階で使用する場合には、高純度のマンガンが要求される。このため、通常、この段階で使用されるマンガンは、電気分解法により製造された電解金属マンガンである。電気分解法は、マンガン鉱石などのマンガン原料(マンガン源)を硫酸などの酸で溶解し、溶媒抽出等で不純物を除去したのち、電気分解して金属マンガンとする方法であり、高純度の金属マンガンを得ることができる。しかし、この方法は、電解コストが高く、また剥離等の問題のため電極板を大きくできず、また自動化が困難で人手が必要であったり、また電解効率を高めるために添加するセレンの廃水処理が困難であることなど、様々な問題があり、代替製造法の確立が求められている。
電気分解法以外の、金属マンガンの一般的な製造方法としては、高炉法、テルミット法などがある。高炉法は、マンガン原料(マンガン源)であるマンガン鉱石をコークスと共に高炉に装入して精錬する方法であり、比較的安価に製造できるが、シリコンや炭素などの不純物を含むことや、粉状の原料を用いることが難しいこと、亜鉛、ナトリウム、カリウムなどの揮発性の高い物質を含む原料を使用できないこと、などの問題があった。また、テルミット法は、マンガン鉱石などのマンガン原料(マンガン源)に、マグネシウム、アルミニウムなどの金属を混合して、テルミット反応を起こさせることにより金属マンガンを得る方法であるが、マグネシウムやアルミニウムなどの高価な金属を還元および昇熱に用いるので、製造コストが高騰し経済的に不利となるという問題があった。このような状況から、工業的な金属マンガンの製造は、電気分解法のみで行われているのが現状である。
また、金属マンガンの製造において、マンガン原料(マンガン源)として使用されているものとしては、酸化マンガン鉱石、炭酸マンガン鉱石などのマンガン鉱石が一般的であるが、これら天然資源には限りがあり、枯渇する恐れがある。特に、製鉄所では、製鋼原料としてマンガンを大量に消費することから、マンガン源の確保は、製鉄分野においても極めて重要な問題となっている。近年では、原料であるマンガン鉱石も、その枯渇から価格が上昇傾向にある。
近年、このような金属資源の枯渇や取引価格の上昇等により、低品位の原鉱や、精鉱、製鉄所副生成物、産業廃棄物などから、積極的にマンガンを回収しようとする試みがなされている。例えば、産業廃棄物として処分されている乾電池の一部には、マンガン含有率が高いものが存在する。1次電池として代表的なマンガン乾電池およびアルカリマンガン乾電池は、正極材料として二酸化マンガンを使用している。したがって、これらの廃乾電池からマンガンを回収し、これを製鋼原料として再利用する技術が確立できれば、マンガン源の確保に有効に寄与することが期待される。しかも、世界各国では、莫大な量の乾電池が生産され、消費、廃棄されている。なお、乾電池では、負極材料として亜鉛を使用している。
しかしながら、現状では、放電終了後に廃棄されたマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池からは、亜鉛精錬メーカーによる亜鉛の一部の回収、あるいは、アーク溶解炉メーカーによる鉄や炭素の一部の回収が、行なわれているに過ぎず、資源リサイクルが十分に行なわれているとはいえない。現状では、未だ多くの資源がリサイクルされることなく未利用のまま、廃材として埋め立て処理等に利用されている。
そこで、最近では、廃乾電池から、亜鉛や鉄、炭素のみならず、マンガンを回収する各種技術が提案されている。
特許文献1には、廃乾電池からマンガン電池およびアルカリマンガン電池を選別する工程と、破砕、篩い分けして粉粒体を得る工程と、得られた粉粒体を希塩酸または希硫酸で溶解処理する工程を有する、二酸化マンガンおよび炭素含有混合物の回収方法が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、二酸化マンガンと炭素成分とを、簡便に、しかも大きな損失を生じることなく同時に回収でき、回収された混合物は、フェロマンガン製造の出発原料として利用できるとしている。
特許文献2には、廃乾電池より二酸化マンガンと塩化亜鉛を分離回収する方法が記載されている。特許文献2に記載された技術は、廃乾電池の中からマンガンと亜鉛を多く含む材料を得、これを必要により水洗したのち塩酸に溶解し、その溶液を浄液により不純成分を除去したのち加熱濃縮し、その濃縮物に過塩素酸を加えて加熱し、二酸化マンガンと塩化亜鉛の固形混合物を得、該固形混合物を水に溶解して濾過する、廃乾電池より二酸化マンガンと塩化亜鉛を分離回収する方法である。特許文献2に記載された技術では、得られた塩化亜鉛は、有機溶剤に溶かして、混在していた不溶性のアルカリ金属塩類を除去して、塩化亜鉛を精製するとしている。また、回収された二酸化マンガン、塩化亜鉛は、再び乾電池製造に利用可能な純度を有しているとしている。
特許文献3には、金属回収方法が記載されている。特許文献3に記載された技術は、金属酸化物および金属水酸化物からなる群に、鉄還元細菌を作用させ、3価鉄を2価鉄に還元し、得られた2価鉄を用いて、金属酸化物および金属水酸化物からなる群に含まれる、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属を浸出させ、浸出液と残渣を生成し、得られた浸出液と残渣とを分離し、所望の金属を回収する金属回収方法である。金属酸化物および金属水酸化物からなる群としては、深海底鉱物資源、金属含有酸化鉱(陸上鉱物)、金属含有焼却残渣などの廃棄物等が挙げられるとしている。特許文献3に記載された技術によれば、金属酸化物、金属水酸化物に含まれる低品位の金属を高速・高効率に回収することができるとしている。また、浸出液に含まれるコバルト、ニッケル、マンガン等の金属は、通常の方法を用いて、回収することができるとしている。
特許文献4には、金属マンガンの製造方法が記載されている。特許文献4に記載された技術は、加熱炉内に還元剤とともに酸化マンガン含有物質を装入し、加熱炉の炉内温度が1200℃以上になるまで加熱し酸化マンガンを還元し、その後700℃以下まで冷却して、炉外に排出する、金属マンガンの製造方法である。特許文献4に記載された技術では、酸化マンガン含有物質としては、廃乾電池、マンガン鉱石等を用いることができ、還元剤として、石炭、コークス、黒鉛等の炭素系還元剤を使用するとしている。
特許文献5には、廃乾電池からのマンガンおよび亜鉛分離方法が記載されている。特許文献5に記載された技術は、廃乾電池からマンガン乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を選別し、選別した乾電池を破砕、篩い分けして粉粒体とし、該粉粒体に酸溶液を用いて酸浸出処理を施し、マンガンおよび亜鉛を浸出した浸出液と、マンガンを含有する浸出残渣とを得て、固液分離したのち、分離された浸出液にオゾンを作用させて、マンガン含有沈殿物と亜鉛イオン含有溶液とを得て、固液分離して、廃乾電池に含まれるマンガン成分を浸出残渣とマンガン含有沈殿物とし、廃乾電池に含まれる亜鉛成分を亜鉛イオン含有溶液として分離する、廃乾電池からのマンガンおよび亜鉛分離方法である。
特開2007−12527号公報 特開平11−191439号公報 特開2007−113116号公報 特開2011−94207号公報 特開2015−206077号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された各技術で回収されたMn含有物質では、含有されるMnは、酸化物あるいは水酸化物となっていると考えられ、例えば、製鉄原料として利用可能な状態となるには、更なるMnの還元を必要とし、製造工程が複雑となり、結果として高価になるという問題がある。マンガンはレアメタルとしては決して高価な金属ではなく、製造コストの増加はその技術の実用化の妨げとなる。なお、特許文献3に記載された技術では、微生物の培地や、微生物の栄養源となる錯化剤として添加されている薬剤が高価であるという問題がある。また、特許文献4に記載された技術で製造された金属Mnは、還元剤として使用した炭素が残留して炭素含有量(濃度)が高くなる場合が多く、金属Mnとしての品位が低下するという問題がある。また、特許文献5に記載された技術では、現時点では、オゾンを発生させるための設備(オゾン発生設備)が高価であり、しかも多量の電力を必要とするため、製造コストの高騰を招き、実用上、問題を残している。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、製鉄原料として利用可能な金属マンガン、さらには電解金属マンガンに匹敵する金属マンガンを安価で、かつ簡便に製造できる、金属マンガンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、金属マンガンの品位向上方法について鋭意検討した。その結果、マンガン含有物質を、還元剤、フラックスとともに、電気炉(代表的な例としてはアーク溶解炉)へ装入し、電気炉で還元処理を行えば、電解金属マンガンの代替として使用可能な高純度マンガンを安価に製造することができることに想到した。さらに、この方法によれば、「廃乾電池を選別し、破砕し、篩分けして得られた物質」(粉粒体)をそのまま、マンガン源(マンガン含有物質)として使用できることも見出した。しかし、廃乾電池を選別し、破砕し、篩分けして得られた粉粒体には、主成分として、マンガン以外に、亜鉛、炭素が含まれ、さらには塩素が含有される場合があることを知見した。
そこで、更なる検討を行い、前処理として、粉粒体(マンガン含有物質)に加熱処理を施せば、「マンガン含有物質」(粉粒体)に含まれる炭素を燃焼除去でき、その後の電気炉における還元処理で得られる金属マンガンの品位を容易に向上できることに想到した。なお、還元処理に際し、粉粒体に含まれる亜鉛は、還元されて金属体(金属亜鉛)となる。金属亜鉛の沸点が低いことから、粉粒体に含まれる亜鉛は、還元時に揮発して除去できることも知見した。
さらに、本発明者らは、マンガン含有物質(粉粒体)に塩素が含有される場合には、還元処理や、加熱処理に際し、有害物質の発生が懸念され、そのため、前処理として予め、マンガン含有物質(粉粒体)に、塩素を除去する処理を施す必要があることに思い至った。本発明者らは、更なる検討により、「塩素を除去する処理」として、マンガン含有物質(粉粒体)に水洗処理を施すことが有効であることを見出した。
このように、本発明者らは、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に、予め上記した前処理を施すことにより、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に含まれるマンガン以外の各成分を、容易に分離除去でき、高品位(高純度)金属マンガンを安価に製造(回収)できることを知見した。
本発明者らは、更なる高品位の金属マンガンを製造するために、さらに、還元処理での金属マンガンの汚染をできるだけ低減する必要があることに思い至った。そのため、本発明者らは、還元工程の前に、アーク溶解炉に、マンガン含有物質をフラックスとともに装入し、マンガン成分をスラグ化するスラグ製造工程を施し、しかる後に、スラグ化したマンガン(マンガンスラグ)を還元する還元工程を施すことを想到した。これによれば、溶融金属マンガン(溶湯)の汚染が少なく、得られる金属マンガンの品位がさらに向上することができることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
[1]マンガン含有物質を還元して金属マンガンを得る金属マンガンの製造方法であって、
前記マンガン含有物質に、水を加えてスラリーとして水洗する水洗処理を施し、
ついで該水洗処理された前記スラリーに固液分離処理を施して固形分を分離し、
得られた前記固形分を加熱して、前記固形分中に含まれる水分を除去する乾燥処理を施し、
前記乾燥処理された前記固形分を、フラックスとともに電気炉に装入し、該電気炉で通電による加熱を施して、前記固形分中のマンガンをマンガンスラグとするスラグ製造処理を施し、
前記スラグ製造処理で得られた前記マンガンスラグを、取鍋に移送するとともに、該取鍋に還元剤を投入して、前記マンガンスラグを還元処理して金属マンガンを得る金属マンガンの製造方法。
[2]前記マンガン含有物質が、廃乾電池を選別し、破砕し、篩分けして得られた物質である[1]に記載の金属マンガンの製造方法。
[3]前記水洗処理における前記スラリーの固形分と液体の比が、質量比で1:10〜5:10である[1]または[2]に記載の金属マンガンの製造方法。
[4]前記水洗処理における水洗時間が、15分以上である[1]ないし[3]のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
[5]前記還元処理で使用する前記還元剤が、金属アルミニウムおよび/または金属珪素である[1]ないし[4]のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
[6]前記スラグ製造処理または前記還元処理で使用する前記フラックスが、CaOを主成分とする物質である[1]ないし[5]のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
本発明に依れば、電解金属マンガン代替となり得る金属マンガンを、安価に製造でき、産業上格段の効果を有する。
図1は、本発明の金属マンガンの製造方法のフローを示す説明図である。
発明を実施するための手段
本発明は、マンガン含有物質を原料とし、該原料に還元処理を施して金属マンガンとする、金属マンガンの製造方法である。本発明では、原料とするマンガン含有物質は特に限定されないが、マンガンを10質量%以上、亜鉛を0.03質量%以上、炭素を0.1質量%以上含む物質とするのが好ましい。更に、廃乾電池を選別、破砕、篩分けを行って、得られる粉粒体(廃乾電池粉粒体)を用いることが好ましい。
ここでいう「選別」とは、廃乾電池から、アルカリ乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を選別する処理をいう。この「選別」工程では、廃棄・回収された乾電池の中から、アルカリ乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を選別する。選別方法は、水銀乾電池やニカド電池等を除外できる方法であれば特に限定する必要はなく、手選別や、形状や放射線等を利用する機械選別など、常用の、いずれの方法を用いてもよい。
また、ここでいう「破砕」とは、選別したアルカリ乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を破砕する処理をいう。選別した廃乾電池の破砕には、通常、破砕機を使用する。破砕機の型式については特に限定する必要はないが、破砕後に、乾電池を構成している包装材等と粉粒体が良く分離される型式のもの、例えば2軸回転式の破砕機とすることが好ましい。
これら乾電池が破砕されると、包装材(鉄、プラスチックおよび紙等)や、マンガン乾電池の負極材料である亜鉛缶、アルカリマンガン乾電池の集電体である真鍮棒は、箔状や片状の固形物となる。一方、マンガン乾電池の正極材料である二酸化マンガン、マンガン乾電池の集電体である炭素棒、アルカリマンガン乾電池の負極材料である亜鉛粉、放電により生成したMnO(OH)やZn(OH)、Mn(OH)、ZnOなど、および各種電解液は、上記した箔状・片状の固形物よりも更に細かい粉粒体となる。
したがって、選別した廃乾電池を破砕した後、所定の目開きの篩を用いて篩い分けすると、選別した廃乾電池から包装材等の大きな固形物が除去され、マンガン乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池の主要構成材料である、二酸化マンガン、炭素、塩化亜鉛または塩化アンモニウム、鉄、苛性カリ、更には、放電によって生成したMnO(OH)やZn(OH)、Mn(OH)、ZnOなどが混合した粉粒体(廃乾電池粉粒体)を得ることができる。なお、破砕物の篩分けに使用する篩の目開きは、1mm以上20mm以下程度とすることが好ましく、さらに好ましくは1mm以上10mm以下程度である。
この得られた廃乾電池粉粒体は、マンガン、亜鉛、および炭素が主要な成分(元素)として含まれ、さらに塩素も一定量含有されている。そのため、廃乾電池粉粒体を原料として、金属マンガンを製造する場合には、亜鉛、炭素、塩素の分離除去の程度が重要になる。本発明の金属マンガンの製造方法のフローを図1に示す。
本発明では、還元処理を施す前に、前処理として、原料であるマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に、水洗処理、固液分離処理、乾燥処理をこの順で施す。
まず、前処理として、原料であるマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に、水洗処理を施す。水洗処理は、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に水を加えてスラリーとし、該スラリーを水洗する処理とする。具体的には、水洗処理は、容器にマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)を装入し水を加えてスラリーとし、一定時間攪拌する処理とすることが好ましい。これにより、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に含まれる塩素が、加えた水に溶解し、塩素をマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)から除去することが可能となる。
本発明における水洗処理では、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)量に対する加える水量の比、すなわち固液比は質量比で、5:10以下とすることが好ましい。上記した固液比を超えて、固体であるマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)量を増加すると、スラリーとしてのハンドリングが難しくなる。一方、固体の量を少なくし固液比を小さくなると、水洗用の容器を大きくする必要があり、経済的に不利となる。そのため、固液比は、1:10〜5:10の範囲とすることが好ましく、1:10以上で3:10以下が更に好ましい。
また、水洗処理の時間は、塩素の水への溶解を確実にするため、15分(以下「min」と記す)以上とすることが好ましい。なお、長時間の水洗は、容器が大型化するなど経済的に不利となるため、水洗時間は1時間(以下「hr」と記す)以下程度とすることが好ましい。
水洗処理を施されたマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)に、ついで固液分離処理を施す。水洗処理後のマンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)は、固液分離処理により、固形分と分離液(水)とに分離される。分離液(水)には、溶解した塩素が含まれ、これにより、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)から、含まれた塩素を分離除去できる。なお、本発明における固液分離処理は、重力沈降分離、遠心ろ過、フィルタープレス、膜分離等、常用の方法を用いて行うことができる。
ついで、水洗処理−固液分離処理を経て得られた固形分に、乾燥処理を施す。乾燥処理は、水洗処理−固液分離処理を経て得られた固形分中の水分を除去する処理とする。乾燥処理は、固形分中の水分が除去でき、電気炉に投入できる水分濃度である0.1質量%以下とすることができる処理であれば、特に限定されない。具体的には、温度:300〜600℃程度に加熱された乾燥炉等に、水洗処理−固液分離処理を経て得られた固形分を装入し、30min以上保持する処理とすることが好ましい。
水洗処理−固液分離処理−乾燥処理を経て得られた固形分(マンガン含有物質)は、ついで、スラグ製造処理を施される。スラグ製造工程は、電気炉を用いる工程とする。ここで、用いる電気炉はアーク溶解炉が代表的な例であるが、その他に抵抗炉、誘導溶解炉などを用いることができる。以降は、電気炉がアーク溶解炉であるものとして説明する。また、生成した溶融スラグの排滓のため、傾動可能な炉とすることが好ましい。
乾燥処理を経て得られた固形分(マンガン含有物質)は、通電材としての微量の金属マンガンと、フラックス(造滓剤)とを配合され、アーク溶解炉に装入される。そして、装入された原料は、アーク溶解炉の黒鉛製電極を介して通電により加熱・溶融される。この時、溶湯(溶融した状態の金属を「金属溶湯」または「溶湯」と言う)の温度は1600℃以上になる。マンガン含有物質中に含まれるマンガンは、800℃以上でMnO・Mn(一般にはMn)となるため、上記温度に加熱されたマンガン含有物質中に含まれるマンガンは、スラグ成分となる。またマンガン含有物質中に含まれる炭素は大部分が燃焼除去される。この時、炭素は、含まれるマンガンおよび亜鉛を一部還元する。また、還元された亜鉛の多くは金属亜鉛となるが、金属亜鉛の沸点が907℃であるため、金属亜鉛は気体となり、蒸発(揮発)する。蒸発した亜鉛は、空気中の酸素と速やかに反応して、酸化亜鉛となり、ダストとして、バグフィルターに捕捉され、回収される。
また、含まれる炭素は、大部分が燃焼除去されるが、スラグ成分よりもメタル成分と親和性があるため、一部の炭素は、通電用に装入された金属マンガン溶湯、さらに還元された一部のマンガンの溶湯中に含有される。ここで、高品位の金属マンガンとは、マンガン鋼の最終成分調整剤として使用できるものであり、具体的にはMn+Al濃度が90質量%以上、炭素(C)濃度が0.2質量%以下、リン(P)濃度が0.05質量%以下、および硫黄(S)濃度が0.05質量%のものを言う。
このように、スラグ製造工程では、原料である固形分(マンガン含有物質)中のマンガンは、大部分がスラグ成分となり、一部がメタル成分となる。また、固形分(マンガン含有物質)中に含まれていた炭素の大部分は燃焼除去され、一部がメタル成分中に存在しているだけであり、スラグ成分中にはほとんど存在しない。また、固形分(マンガン含有物質)中に含まれていた亜鉛の大部分は揮発除去される。
ついで、還元処理を施す。還元工程では、まず、スラグ製造工程を終了したアーク溶解炉を傾動させ、スラグ製造工程で得られたスラグ成分のみを別の鍋(取鍋)に移動し、メタル成分はアーク溶解炉に残す。これにより、マンガンと炭素の分離が可能となる。なお、アーク溶解炉中に残されたメタル成分は、次回のスラグ製造工程における通電用金属材として、繰り返し使用することができる。取鍋に移されたスラグ成分には、還元剤とCaO/Al比を調整する必要がある場合はフラックス(造滓剤)を配合し、取鍋中でスラグ成分の還元を行い、金属マンガン溶湯を得る。マンガンの還元に際しては、アルゴンガス等を吹き込むなどの常用の方法により攪拌することが反応促進の観点から好ましい。還元反応は、スラグ成分が保持している熱容量と還元剤の反応熱で進行するが、熱量が不足する場合には、アーク放電等の手段で加熱してもよい。これにより、スラグ溶湯は、金属マンガンの溶湯となり、高品位のマンガンを回収できる。
本発明の還元工程で使用する還元剤としては、金属アルミニウム、金属珪素、炭素が例示できるが、高品位金属マンガンを製造する場合には、金属マンガン(製品)中に混入しやすい炭素は高品位金属マンガン製造用の還元剤としては適当ではなく、金属アルミニウムおよび/または金属珪素とすることが好ましい。なお、金属珪素に代えて、安価なフェロシリコンを用いることもできる。その場合は、製品(金属マンガン)中の鉄濃度が高くなるが、製鉄原料として使用する場合には鉄は不純物にはならないので金属マンガンとして使用可能である。
また、本発明の還元工程では、還元剤として金属アルミニウムおよび/または金属珪素を使用する場合には、還元剤である金属アルミニウムおよび/または金属珪素を複数回に分けて装入する、いわゆる分割装入とすることが好ましい。これにより、アルミテルミット反応による発熱を均一化でき、過加熱を防止でき、溶融金属(金属Mn)の蒸発(吹き上げロス)を抑制し、Mn歩留を向上させることができる。なお、還元剤の分割装入に際しては、反応の均一化のために、フラックスも分割して装入することが好ましい。
還元剤の配合量は、マンガンスラグに含まれる酸化物、あるいは水酸化物としてのマンガンを金属マンガンとする還元反応を完全に遂行するために必要な還元剤量(理論還元当量)以上とすることはいうまでもないが、予め実験によって適正量を検討することが好ましい。
本発明のスラグ製造工程および還元工程で使用するフラックスは、CaOを主成分とする物質とすることが好ましい。CaOを主成分とする物質としては、生石灰、石灰石、消石灰が例示できる。なお、フラックスの配合量は、CaO/Al比、を用いて調整する。CaO/Al比は0.55であるが、0.4〜1.0程度の範囲内であれば、良好な反応の進行が得られる。0.4未満では、スラグ中の酸化マンガンが低下しきれず、また1.0を超えると、遊離の生石灰が多くなり、スラグの融点が高くなりすぎるとともに、スラグ量が増加しすぎる。このようなことから、フラックスの配合量は、CaO換算でのフラックス量と、酸化物換算での還元剤量との比(質量比)、CaO/Al比で0.4〜1.0の範囲内となるように調整することが好ましい。
以下、実施例に基づき、さらに、本発明について説明する。
廃乾電池から、マンガン乾電池および/またはアルカリマンガン乾電池を選別し、該選別した廃乾電池を二軸回転式破砕機を用いて破砕し、目開き:3mmの篩で篩い分けして、粉粒体(廃乾電池粉粒体)を得た。得られた粉粒体の組成を表1に示す。なお、得られた粉粒体は、表1に示す元素以外に、酸化物や水酸化物に由来する酸素、水分を含む。
Figure 0006411001
まず、得られた粉粒体50gを容器(ビーカー)に投入(装入)し、そこに蒸留水500mLを添加して、質量比で、固液比1:10で水洗する水洗処理を施した。なお、水洗は、表2に示す水洗時間:5、15、30minとし、容器内で攪拌する処理とした。
水洗処理を施された粉粒体には、ついで固液分離処理として、5Cろ紙を用いたろ過を施し、固形分と分離液とに分離した。得られた固形分について、塩素分析を実施した。その結果を表2に示す。
Figure 0006411001
表2から、粉粒体(廃乾電池粉粒体)中の塩素含有量は、処理時間:15min程度の水洗処理で、十分に0.1質量%未満とすることができる。なお、0.1質量%未満という塩素含有量は、スラグ製造工程において、アーク溶解炉に投入可能な原料の目標塩素含有量である。
つぎに、固液比を1:10〜5:10の間で変化するように、得られた粉粒体の投入量と蒸留水の添加量を変化して、容器(ビーカー)に投入(装入)し、水洗する水洗処理を施した。なお、水洗は、処理時間:15minに固定して、容器内で攪拌する処理とした。水洗処理を施された粉粒体に、ついで固液分離処理として、5Cろ紙を用いたろ過を施し、固形分と分離液とに分離した。得られた固形分について、塩素分析を実施した。その結果を表3に示す。
Figure 0006411001
表3から、固液比を5:10まで固形分を高めたスラリーにおいても、水洗処理により、粉粒体(廃乾電池粉粒体)中の塩素量は、十分に0.1質量%未満とすることができ、水洗処理後の塩素含有量への固液比の影響は小さいことが確認できる。なお、この実験では、容器を小型としているため、撹拌を強化することで十分な撹拌ができたが、容器を大型化した場合には、固液比が3:10あたりまでは均一な撹拌が比較的容易であるが、固液比を5:10程度に高めると、均一な撹拌は難しくなることが予想される。そこで、下記のように装置を大型化(粉粒体20kgを超えて数トン規模)した際には、撹拌の容易性の観点から、固液比は3:10程度とすることが好ましい。なお、固液比3:10となるように、粉粒体20kgに、67kgの水を添加し攪拌洗浄する水洗処理を施したのち、遠心ろ過器を用いてろ過したところ、回収率92質量%、含水率20質量%の水洗処理済み粉粒体を得ることができた。この程度の固液比であれば、水洗処理、固液分離処理において問題なく実施できることを確認している。
このようなことから、マンガン含有物質(廃乾電池粉粒体)の水洗処理は、固液比を5:10以下程度とし、水洗時間を15min程度以上とする処理で十分であると判断した。
つぎに、粉粒体(廃乾電池粉粒体):70kgに、固液比:3:10で水洗時間:15minの水洗処理を施したのち、遠心ろ過機で固液分離処理を施し、固形分を得た。ついで、得られた固形分に乾燥炉で乾燥処理(300℃×120min)を施したのち、通電用金属マンガン:4kgとフラックス(石灰):10kgとともに、アーク溶解炉に装入し、通電し、溶融させるスラグ製造工程を施して、溶融スラグ(マンガンスラグ)を得た。得られた溶融スラグの組成を表4に示す。
Figure 0006411001
表4から、得られた溶融スラグは、マンガン酸化物を主成分としたスラグであり、亜鉛、炭素は共に非常に低濃度となっていることがわかる。なお、アルミナAlは、炉体の耐火物から混入したものである。
このようにスラグ製造工程を終了し、得られた溶湯スラグ:60kgを、アーク溶解炉を傾動させて取鍋に移送し、ついで取鍋に還元剤:金属アルミニウム15kgおよびフラックス:石灰14kgを投入して還元反応を行わせ、溶湯金属(金属マンガン)を得る還元工程を施し、本発明例とした。還元工程終了後、溶融スラグを排出し、ついで得られた溶湯金属(金属マンガン)を、鋳型に注入し凝固させて製品とした。得られた製品(金属マンガン)は35.1kgであった。
得られた金属マンガン(本発明例)の組成を表5に示す。
なお、比較として、原料として粉粒体50kgに、固液比:3:10で水洗時間:15minの水洗処理を施したのち、遠心ろ過機で固液分離処理を施して固形分を得た。ついで、得られた固形分を乾燥炉で加熱して乾燥処理(300℃×120min)を施したのち、通電用金属マンガン:4kgとフラックス(石灰):15kgと、還元剤として金属アルミニウム:10kgとともに、アーク溶解炉に装入し、通電し、溶融させて、還元反応を行わせる還元処理を施して、溶湯金属(金属マンガンスラグ)を得た。スラグ製造工程を省略した以外は、本発明例と同じ工程を施した。得られた金属マンガン(比較例)の組成を表5に併記した。なお、比較として、既存の電解マンガン、極低リン極低炭素フェロマンガンの組成も合わせて示した。
Figure 0006411001
表5から、本発明例では、亜鉛、炭素はほとんどが除去され、残存していない。なお、強還元状態を維持するために、金属アルミニウムが溶湯金属中にある程度残留するようなに調整した製造を行っているため、本発明例では、アルミニウム濃度が高くなっている。しかし、製鉄分野においては、マンガン濃度の最終調整段階で、脱酸剤としてアルミニウムを添加しているため、金属マンガン中のアルミニウム残留は、アルミニウム濃度が既知であれば問題ない。したがって、本発明例(金属マンガン)は、電解金属マンガン代替として使用可能であることがわかる。一方、スラグ製造工程を省略した比較例は、Mn+Al濃度は90質量%以上(94.0質量%)で発明例とほぼ同レベルであるものの、不純物である炭素(C)量が高くなっている。

Claims (6)

  1. マンガン含有物質を還元して金属マンガンを得る金属マンガンの製造方法であって、
    前記マンガン含有物質に、水を加えてスラリーとして水洗する水洗処理を施し、
    ついで該水洗処理された前記スラリーに固液分離処理を施して固形分を分離し、
    得られた前記固形分を加熱して、前記固形分中に含まれる水分を除去する乾燥処理を施し、
    前記乾燥処理された前記固形分を、フラックスとともに電気炉に装入し、該電気炉で通電による加熱を施して、前記固形分中のマンガンをマンガンスラグとするスラグ製造処理を施し、
    前記スラグ製造処理で得られた前記マンガンスラグを、取鍋に移送するとともに、該取鍋に還元剤を投入して、前記マンガンスラグを還元処理して金属マンガンを得る金属マンガンの製造方法。
  2. 前記マンガン含有物質が、廃乾電池を選別し、破砕し、篩分けして得られた物質である請求項1に記載の金属マンガンの製造方法。
  3. 前記水洗処理における前記スラリーの固形分と液体の比が、質量比で1:10〜5:10である請求項1または2に記載の金属マンガンの製造方法。
  4. 前記水洗処理における水洗時間が、15分以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
  5. 前記還元処理で使用する前記還元剤が、金属アルミニウムおよび/または金属珪素である請求項1ないし4のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
  6. 前記スラグ製造処理または前記還元処理で使用する前記フラックスが、CaOを主成分とする物質である請求項1ないし5のいずれかに記載の金属マンガンの製造方法。
JP2018529077A 2017-03-15 2018-02-28 金属マンガンの製造方法 Active JP6411001B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017049456 2017-03-15
JP2017049456 2017-03-15
PCT/JP2018/007557 WO2018168472A1 (ja) 2017-03-15 2018-02-28 金属マンガンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6411001B1 true JP6411001B1 (ja) 2018-10-24
JPWO2018168472A1 JPWO2018168472A1 (ja) 2019-03-22

Family

ID=63522167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018529077A Active JP6411001B1 (ja) 2017-03-15 2018-02-28 金属マンガンの製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6411001B1 (ja)
CN (1) CN110402294B (ja)
WO (1) WO2018168472A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111041247B (zh) * 2019-12-11 2022-04-05 遵义天磁锰业集团有限公司 一种基于金属锰制液的常温氧化铁脱硫剂的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5834159A (ja) * 1981-08-25 1983-02-28 Chuo Denki Kogyo Kk マンガンスラグからのマンガン回収方法
JPS61261443A (ja) * 1985-05-16 1986-11-19 Nippon Mining Co Ltd 廃乾電池からの有価物の分離回収方法
JP2016156074A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 Jfeスチール株式会社 金属マンガンの製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1312307C (zh) * 2004-06-16 2007-04-25 吴光亮 一种锰合金生产工艺
CN100480184C (zh) * 2007-04-03 2009-04-22 深圳市格林美高新技术股份有限公司 一种废弃锌锰电池的选择性挥发回收工艺
JP5446735B2 (ja) * 2009-10-30 2014-03-19 Jfeスチール株式会社 金属マンガンの製造方法
CN102154566B (zh) * 2011-03-25 2012-07-25 重庆大学 一种以软锰矿为原料制备高锰含量锰-铝中间合金的方法
JP5948637B2 (ja) * 2013-04-03 2016-07-06 東邦亜鉛株式会社 金属回収方法
JP6070898B2 (ja) * 2014-04-21 2017-02-01 Jfeスチール株式会社 廃乾電池からの有価成分の回収方法および回収設備
CN104060100B (zh) * 2014-05-08 2016-08-24 无锡市阳泰冶金炉料有限公司 从富锰渣中提取金属锰的工艺方法
CN104789778B (zh) * 2015-03-11 2017-09-12 长沙矿冶研究院有限责任公司 一种含Mn废旧电池的回收处理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5834159A (ja) * 1981-08-25 1983-02-28 Chuo Denki Kogyo Kk マンガンスラグからのマンガン回収方法
JPS61261443A (ja) * 1985-05-16 1986-11-19 Nippon Mining Co Ltd 廃乾電池からの有価物の分離回収方法
JP2016156074A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 Jfeスチール株式会社 金属マンガンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN110402294B (zh) 2022-05-03
WO2018168472A1 (ja) 2018-09-20
CN110402294A (zh) 2019-11-01
JPWO2018168472A1 (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6219325B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP7303327B2 (ja) リチウム電池正極用の前駆体化合物を調製する方法
JP6648674B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
KR20200024909A (ko) 리튬 화합물의 용해 방법 및, 탄산리튬의 제조 방법, 그리고, 리튬 이온 이차 전지 스크랩으로부터의 리튬의 회수 방법
KR20200065503A (ko) 리튬이온 전지 양극재 스크랩으로부터 유가금속 회수 방법
CN113517484B (zh) 废钴酸锂电池的处理方法及其产物
JP2016037661A (ja) 有価金属の回収方法
JP6986997B2 (ja) 炭酸リチウムの製造方法及び、炭酸リチウム
JPWO2021075136A1 (ja) 廃乾電池からのマンガン回収方法および回収設備
JP6591675B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP6493423B2 (ja) 亜鉛の分離方法、亜鉛材料の製造方法および鉄材料の製造方法
CN100586617C (zh) 从含锌粉料中回收并制取超细锌粉的方法
JP6411001B1 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP6820689B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP2021066903A (ja) 有価金属を回収する方法
JP2017150029A (ja) 金属マンガンの製造方法
Lucas et al. Conditioning of bauxite residue with bottom ash in view of recovery of valuable metals: A sustainable approach
JP5533251B2 (ja) 脱銅スラグの処理方法
CN111748694A (zh) 一种富集回收富钒渣中钒资源的方法
WO2023157826A1 (ja) 亜鉛回収方法
JP2004307885A (ja) 金属の不純物低減方法
US20230411722A1 (en) Lithium-rich compositions
JP5678470B2 (ja) 脱銅スラグの処理方法
WO2024048247A1 (ja) 有価金属の回収方法
CN101876004A (zh) 一种从钼选矿尾矿中回收稀有金属元素钼的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180618

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180618

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180702

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180810

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6411001

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250