JP3614987B2 - 水素吸蔵合金の酸素低減方法 - Google Patents
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金を、湿式処理を経由せずに、金属状態のままで安価に回収リサイクルする、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金からの有効成分の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
希土類を用いた水素吸蔵合金を使用するニッケル・水素吸蔵合金二次電池は、そのエネルギー密度の高さから広く使用されているため、その回収とリサイクルが求められている。
特に、このニッケル・水素吸蔵合金二次電池が、地球環境対策の一つとして考えられている電気自動車用電池の主流を占めると目されているので、電池に含まれる希少金属の回収再資源化は必須である。
【0003】
このニッケル・水素吸蔵合金二次電池からの有効成分の回収方法としては、負極の水素吸蔵合金を酸で溶解してその成分を水溶液状態とし、コバルト,ニッケル,希土類等を回収する方法があるが、このような方法では回収コストが低くできないことから、価格の高い一部の金属以外についてはその商業的な利用が現実的でないという問題がある。
【0004】
また、別のリサイクルの方法として、負極より回収された水素吸蔵合金を、そのままニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極合金の溶解・合金化工程に原料として添加することも可能であるが、これでは回収された合金中に多量に含まれている酸素が、溶解によって作製した製品に混入するため、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極用の水素吸蔵合金に必要とされる不純物のレベルをクリアできない、という問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑み、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池から回収された負極合金を簡易且つ安価なプロセスで、二次電池用水素吸蔵合金の原料として再使用できるような高純度な原料用金属として回収するニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極からの水素吸蔵合金の酸素低減方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の水素吸蔵合金の酸素低減方法は、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金粉末にミッシュメタルを添加して不活性ガス又は真空中で溶解した後に冷却し、生成したスラグを除去することにより、回収した合金中の酸素濃度を低減することを特徴とする。
【0007】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、ミッシュメタルの添加量が、負極より回収した水素吸蔵合金粉の重量に対して25重量%以上であることを特徴とする。
【0008】
上記記載の水素吸蔵合金の酸素低減方法の不活性ガスあるいは真空中での溶解工程において、溶解に供する水素吸蔵合金粉をあらかじめプレス機あるいはブリケットマシンを用いて、成団しておくことを特徴とする。
【0009】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、坩堝にアルミナ,マグネシア,ジルコニア等のセラミックス製坩堝を使用することを特徴する。
【0010】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、負極水素吸蔵合金粉の成団塊とミッシュメタルあるいは希土類金属を装入した坩堝を、抵抗加熱溶解炉あるいは高周波誘導加熱溶解炉にて、不活性ガスあるいは真空中で900〜1500℃に加熱し、内容物を溶解させることを特徴とする。
【0011】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、上記溶解後の坩堝内容物を冷却し、合金部分とスラグ部分とに分離して合金を回収することを特徴とする。
【0012】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、上記の取り出しには、水冷鋳型等に坩堝の内容物を流し出し、合金とスラグ部分とを分離することも可能である。
【0013】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、真空あるいは不活性ガス中での溶解で回収した合金は、酸素含有量が低減されており、そのままの状態でニッケル・水素吸蔵合金二次電池用合金の原料として、製造工程に戻すことが可能である。
【0014】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法の溶解工程において、脱酸を行おうとする負極から回収した水素吸蔵合金粉の成団塊と、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池用合金の原料とするミッシュメタルを、他の原料より先駆けて坩堝中で溶解し、脱酸を行わせ、この後に他の原料を添加することで、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池用水素吸蔵合金を得ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態説明する。
【0016】
本発明では、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極より回収された水素吸蔵合金粉をプレスによってブリケット状に成団した試料に、所定量のミッシュメタルあるいは融点の低い希土類金属を加え、これらをアルミナ、マグネシア、ジルコニア等のセラミックス製坩堝に装入する。
ここで、坩堝としては、炭素や黒鉛製のものを使用した場合には、溶解した合金と反応を生じ、該合金中に炭素が混入したり、坩堝が侵食されるという問題がある。
【0017】
このときのミッシュメタルあるいは希土類金属の添加量は、溶解しようとする回収水素吸蔵合金粉量の25%以上量が効果的である。
これは、ミッシュメタルあるいは希土類金属の添加量が25%以下であると、坩堝内で溶解される合金の融点が高く、回収しようとする合金に含まれる酸化物がスムースにスラグへ排出されないという、問題があるからである。
【0018】
この回収水素吸蔵合金粉の成団塊と所定量のミッシュメタルとを装入した坩堝を、抵抗加熱溶解炉や高周波誘導加熱溶解炉にて、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気あるいは真空中で溶解する。
このときの、溶解温度は900〜1500℃の範囲とすることが好ましく、この温度での0.1〜4時間の温度保持を行う。
このとき、溶解温度が900℃より低いと坩堝の内容物が溶解しないといった問題が生じ、また、1500℃より高いと、溶解した合金と坩堝との反応が強くなり、合金中に不純物が混入したり、坩堝が侵食されるといった問題が生じる。
【0019】
その後、坩堝を冷却し、該坩堝の内容物を合金部と、上部に分離したスラグ部分とに選別して合金を回収する。
【0020】
合金とスラグとの分離には、坩堝の内容物を溶融状態で水冷鋳型等の鋳型に流し出す方法も利用することができる。この場合には、冷却後に鋳型より合金を回収する。
【0021】
この方法で酸素を除去された回収合金は、含有する酸素がニッケル・水素吸蔵合金二次電池に用いる水素吸蔵合金の原料として使用できる程度になっているので、そのまま製造工程に使用することが可能である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されものではない。
【0023】
(実施例1)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊1000gとミッシュメタル675gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1250℃まで昇温し、その温度で0.5時間の保持を行った後、炉内で試料を冷却した。
室温まで冷却を行った後、坩堝を取り出して分解し、内容物より合金1520gとスラグ150gを回収した。
【0024】
この溶解で回収された合金と、溶解前の回収水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表1」に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
(実施例2)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gとミッシュメタル3375gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1400℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金8250gが、また115gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0027】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表2」に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
(実施例3)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gとミッシュメタル3375gをアルミナ製坩堝に装入し、高周波誘導加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1400℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金8040gが、また125gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0030】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表3」に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
(比較例1)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊1000gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1500℃まで昇温し、その温度で0.5時間の保持を行った後、炉内で試料を冷却した。
室温まで冷却を行った後、坩堝を取り出して分解し、内容物より合金850gとスラグ145gを回収した。
【0033】
この溶解で回収された合金と、溶解前の回収水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表4」に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
(比較例2)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gをアルミナ製坩堝に装入し、高周波誘導加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1500℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金4100gが、また889gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0036】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表5」に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
上記、実施例及び比較例の分析結果から明らかなように、ミッシュメタルあるいは低融点な希土類金属を添加せずに、行った溶解では、回収された合金中の酸素の濃度が溶解前に較べて、わずかな低下しかしていないことが判明した。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金を、湿式処理を経由せずに、金属状態のままで安価に回収リサイクルする、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金からの有効成分の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
希土類を用いた水素吸蔵合金を使用するニッケル・水素吸蔵合金二次電池は、そのエネルギー密度の高さから広く使用されているため、その回収とリサイクルが求められている。
特に、このニッケル・水素吸蔵合金二次電池が、地球環境対策の一つとして考えられている電気自動車用電池の主流を占めると目されているので、電池に含まれる希少金属の回収再資源化は必須である。
【0003】
このニッケル・水素吸蔵合金二次電池からの有効成分の回収方法としては、負極の水素吸蔵合金を酸で溶解してその成分を水溶液状態とし、コバルト,ニッケル,希土類等を回収する方法があるが、このような方法では回収コストが低くできないことから、価格の高い一部の金属以外についてはその商業的な利用が現実的でないという問題がある。
【0004】
また、別のリサイクルの方法として、負極より回収された水素吸蔵合金を、そのままニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極合金の溶解・合金化工程に原料として添加することも可能であるが、これでは回収された合金中に多量に含まれている酸素が、溶解によって作製した製品に混入するため、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極用の水素吸蔵合金に必要とされる不純物のレベルをクリアできない、という問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑み、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池から回収された負極合金を簡易且つ安価なプロセスで、二次電池用水素吸蔵合金の原料として再使用できるような高純度な原料用金属として回収するニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極からの水素吸蔵合金の酸素低減方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の水素吸蔵合金の酸素低減方法は、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金粉末にミッシュメタルを添加して不活性ガス又は真空中で溶解した後に冷却し、生成したスラグを除去することにより、回収した合金中の酸素濃度を低減することを特徴とする。
【0007】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、ミッシュメタルの添加量が、負極より回収した水素吸蔵合金粉の重量に対して25重量%以上であることを特徴とする。
【0008】
上記記載の水素吸蔵合金の酸素低減方法の不活性ガスあるいは真空中での溶解工程において、溶解に供する水素吸蔵合金粉をあらかじめプレス機あるいはブリケットマシンを用いて、成団しておくことを特徴とする。
【0009】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、坩堝にアルミナ,マグネシア,ジルコニア等のセラミックス製坩堝を使用することを特徴する。
【0010】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、負極水素吸蔵合金粉の成団塊とミッシュメタルあるいは希土類金属を装入した坩堝を、抵抗加熱溶解炉あるいは高周波誘導加熱溶解炉にて、不活性ガスあるいは真空中で900〜1500℃に加熱し、内容物を溶解させることを特徴とする。
【0011】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、上記溶解後の坩堝内容物を冷却し、合金部分とスラグ部分とに分離して合金を回収することを特徴とする。
【0012】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、上記の取り出しには、水冷鋳型等に坩堝の内容物を流し出し、合金とスラグ部分とを分離することも可能である。
【0013】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法において、真空あるいは不活性ガス中での溶解で回収した合金は、酸素含有量が低減されており、そのままの状態でニッケル・水素吸蔵合金二次電池用合金の原料として、製造工程に戻すことが可能である。
【0014】
上記水素吸蔵合金の酸素低減方法の溶解工程において、脱酸を行おうとする負極から回収した水素吸蔵合金粉の成団塊と、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池用合金の原料とするミッシュメタルを、他の原料より先駆けて坩堝中で溶解し、脱酸を行わせ、この後に他の原料を添加することで、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池用水素吸蔵合金を得ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態説明する。
【0016】
本発明では、ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極より回収された水素吸蔵合金粉をプレスによってブリケット状に成団した試料に、所定量のミッシュメタルあるいは融点の低い希土類金属を加え、これらをアルミナ、マグネシア、ジルコニア等のセラミックス製坩堝に装入する。
ここで、坩堝としては、炭素や黒鉛製のものを使用した場合には、溶解した合金と反応を生じ、該合金中に炭素が混入したり、坩堝が侵食されるという問題がある。
【0017】
このときのミッシュメタルあるいは希土類金属の添加量は、溶解しようとする回収水素吸蔵合金粉量の25%以上量が効果的である。
これは、ミッシュメタルあるいは希土類金属の添加量が25%以下であると、坩堝内で溶解される合金の融点が高く、回収しようとする合金に含まれる酸化物がスムースにスラグへ排出されないという、問題があるからである。
【0018】
この回収水素吸蔵合金粉の成団塊と所定量のミッシュメタルとを装入した坩堝を、抵抗加熱溶解炉や高周波誘導加熱溶解炉にて、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気あるいは真空中で溶解する。
このときの、溶解温度は900〜1500℃の範囲とすることが好ましく、この温度での0.1〜4時間の温度保持を行う。
このとき、溶解温度が900℃より低いと坩堝の内容物が溶解しないといった問題が生じ、また、1500℃より高いと、溶解した合金と坩堝との反応が強くなり、合金中に不純物が混入したり、坩堝が侵食されるといった問題が生じる。
【0019】
その後、坩堝を冷却し、該坩堝の内容物を合金部と、上部に分離したスラグ部分とに選別して合金を回収する。
【0020】
合金とスラグとの分離には、坩堝の内容物を溶融状態で水冷鋳型等の鋳型に流し出す方法も利用することができる。この場合には、冷却後に鋳型より合金を回収する。
【0021】
この方法で酸素を除去された回収合金は、含有する酸素がニッケル・水素吸蔵合金二次電池に用いる水素吸蔵合金の原料として使用できる程度になっているので、そのまま製造工程に使用することが可能である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されものではない。
【0023】
(実施例1)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊1000gとミッシュメタル675gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1250℃まで昇温し、その温度で0.5時間の保持を行った後、炉内で試料を冷却した。
室温まで冷却を行った後、坩堝を取り出して分解し、内容物より合金1520gとスラグ150gを回収した。
【0024】
この溶解で回収された合金と、溶解前の回収水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表1」に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
(実施例2)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gとミッシュメタル3375gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1400℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金8250gが、また115gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0027】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表2」に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
(実施例3)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gとミッシュメタル3375gをアルミナ製坩堝に装入し、高周波誘導加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1400℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金8040gが、また125gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0030】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表3」に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
(比較例1)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊1000gをアルミナ製坩堝に装入し、抵抗加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1500℃まで昇温し、その温度で0.5時間の保持を行った後、炉内で試料を冷却した。
室温まで冷却を行った後、坩堝を取り出して分解し、内容物より合金850gとスラグ145gを回収した。
【0033】
この溶解で回収された合金と、溶解前の回収水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表4」に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
(比較例2)
ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した、水素吸蔵合金粉末をプレス機で成団した成団塊5000gをアルミナ製坩堝に装入し、高周波誘導加熱溶解炉にセットした。
この炉内をロータリーポンプにて0.1torrまで真空排気したのち、アルゴンガスを500mmHgまで炉内に導入した。
坩堝を1500℃まで昇温し、その温度で1時間の保持を行った後、あらかじめ炉内に設置したあった水冷銅鋳型に坩堝の内容物を流し出し冷却した。
冷却後、鋳型内部より合金4100gが、また889gのスラグが鋳込みの際に坩堝より流れ出ずに、坩堝内に留まっていた。
【0036】
これらの回収合金とスラグ、さらに原料とした水素吸蔵合金粉末の分析結果を、下記「表5」に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
上記、実施例及び比較例の分析結果から明らかなように、ミッシュメタルあるいは低融点な希土類金属を添加せずに、行った溶解では、回収された合金中の酸素の濃度が溶解前に較べて、わずかな低下しかしていないことが判明した。
Claims (3)
- ニッケル・水素吸蔵合金二次電池の負極から回収した水素吸蔵合金粉末にミッシュメタルを添加して不活性ガス又は真空中で溶解した後に冷却し、生成したスラグを除去することにより、回収した合金中の酸素濃度を低減することを特徴とする水素吸蔵合金の酸素低減方法。
- 請求項1記載の水素吸蔵合金の酸素低減方法において、
ミッシュメタルの添加量が、負極より回収した水素吸蔵合金粉の重量に対して25重量%以上であることを特徴とする水素吸蔵合金の酸素低減方法。 - 請求項1記載の水素吸蔵合金の酸素低減方法において、
溶解に供する水素吸蔵合金粉をあらかじめプレス機あるいはブリケットマシンを用いて、成団しておくことを特徴とする水素吸蔵合金の酸素低減方法。
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CN103123965B (zh) * | 2013-02-18 | 2016-01-20 | 先进储能材料国家工程研究中心有限责任公司 | 利用失效镍氢电池制备储氢合金材料的制备方法 |
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1996
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