JPH0713634B2 - 酸化物系セラミックス中の酸素測定方法 - Google Patents

酸化物系セラミックス中の酸素測定方法

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JPH0713634B2
JPH0713634B2 JP62272205A JP27220587A JPH0713634B2 JP H0713634 B2 JPH0713634 B2 JP H0713634B2 JP 62272205 A JP62272205 A JP 62272205A JP 27220587 A JP27220587 A JP 27220587A JP H0713634 B2 JPH0713634 B2 JP H0713634B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酸化物系セラミックス中に含まれている酸素
の量を測定するための方法に関し、特に、例えば最近と
みに注目を集めている高温超伝導性セラミックスの探索
あるいは製造工程などにおいて、その構成材料となる物
質の酸素含有量あるいは焼成後のセラミックスの酸素含
有量の管理分析を簡便にかつ迅速にしかも精度良く行う
上で好適に利用できる、全く新規な酸化物系セラミック
ス中の酸素測定方法を開発せんとしてなされたものであ
る。
〔従来の技術〕
例えばYBa2Cu3Oyなる化学組成で表される高温超伝導セ
ラミックスでは、その酸素含有量(濃度)yの如何が超
伝導特性と非常に密接に関係していることが、最近の研
究により明らかにされており、また、その他の化学組成
で表される高温超伝導セラミックスについても同様な傾
向が大きいことがかなりの確度で類推されている。
従って、より高温において超伝導特性を有する物質(特
にセラミックス)の探索あるいは製造という最近の研究
を、更に効率的に押し進めるためには、その構成材料お
よび焼成後のセラミックスの含有酸素量を確実にかつ精
度良く管理分析可能な実用的な方法を見出すことが極め
て重要かつ必須のこととなるが、未だそのような要求を
満足する方法は確立されるに至っていない。
即ち、かかる酸化物系セラミックス中の酸素測定方法と
して一応は利用可能と思われる従来一般の物質中酸素測
定方法としては、荷電粒子による放射化分析法や真空融
解法などの絶対量測定法、および、二次イオン質量分析
法や赤外吸収法などの相対量測定法が知られているが、
これらの従来方法は、何れも、極めて大掛かりで高価な
設備を要したり、あるいは、多大な測定時間および手数
を必要とするために、工業用の管理分析法としては不適
で実用することは極めて困難であり、単に研究レベルの
分析において用いられているのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで、本発明らは、かかる酸化物系セラミックスを測
定対象試料とする場合であっても、前記従来方法に代わ
り得る、より簡便かつ迅速にしかも十分な精度で測定可
能な実用的管理分析法として利用できる含有酸素量測定
方法を開発せんとして種々の研究を行った結果、本願出
願人が既に実用化しているところの加熱融解方式による
金属中ガス抽出分析方法(例えば鉄中酸素の測定などに
用いられている)を利用する酸化物系セラミックス中の
酸素測定方法を発案し、その可能性について種々の検討
を試みた。
その従来の加熱融解方式による金属中ガス抽出分析方法
をそのまま利用した原理的な酸化物系セラミックス中の
酸素測定方法とは、第2図に略示しているように、電極
a,b間に圧着挟持され、それに通電して(電流iを流し
て)発熱させることにより温度調節可能とされた黒鉛る
つぼcを、先ず、所定の高温度に加熱することにより、
その黒鉛るつぼc自体の脱ガス処理を行った後、その黒
鉛るつぼc内へ酸化物系セラミックス試料sをフラック
ス用金属m(例えばニッケル,スズなどの金属浴用の金
属)と共に投入して、その酸化物系セラミックス試料s
中に含まれる酸素をカーボンと結合したガス(例えば一
酸化炭素ガス)として抽出し、そして、その抽出された
酸化炭素ガスを公知のガス濃度分析系(図示せず:例え
ば赤外線吸収法によるガス濃度分析系)へ導いて、その
ガス濃度を検出することにより、前記酸化物系セラミッ
クス試料s中に含まれる酸素の量を測定する、というよ
うに例えば鉄を測定対象とする場合と同様の手順による
方法である。
かかる加熱融解式ガス抽出分析方法をそのまま利用した
酸化物系セラミックス中の酸素測定方法によれば、基本
的には、酸化物系セラミックス試料s中に含まれる酸素
の量を非常に簡便にかつ迅速に測定可能であるが、 <ア> 黒鉛るつぼcを直接通電方式により加熱してい
るために、黒鉛るつぼc全体の温度分布が均一になるよ
うに加熱することが殆ど不可能であり、そのために生じ
る局部的な過熱高温部分に起因して、酸化物系セラミッ
クス試料sの突沸現象(試料蒸気の急激な飛散)、およ
び、その試料蒸気による抽出ガス(酸化炭素ガス)に対
するゲッタ作用が発生して、大きな測定誤差の要因とな
る、 <イ> 試料sに対する過熱に伴って、フラックス用金
属m自体の含有する酸素も同時に抽出されるため、含有
酸素の極めて少ない高純度のフラックス用金属mを使用
しなければ、やはり大きな測定誤差の要因となる、 などといった種々の問題があるために、測定精度上あま
り良好な結果は得られなかった。
本発明は、かかる実情に鑑みて、上記した各種の問題点
を解消すべく、更なる研究を進めた結果完成されたもの
で、その目的は、酸化物系セラミックス試料中に含まれ
る酸素の量を、極めて簡便にかつ迅速にしかも十分に精
度良く測定できて、簡易な工業用の管理分析法として好
適に利用できる酸化物系セラミックス中の酸素測定方法
を提供せんとすることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明による酸化物系セラ
ミックス中の酸素測定方法は、 (i)通電して発熱させることにより直接的に温度調節
可能とされた外側黒鉛るつぼと、その外側黒鉛るつぼ内
に収容されて間接的に温度調節可能とされた内側黒鉛る
つぼとから成る二重黒鉛るつぼを、先ず、2800〜3000℃
程度の高温度に加熱することにより、その二重黒鉛るつ
ぼ自体の脱ガス処理を行い、 (ii)次に、前記二重黒鉛るつぼを2500℃よりも高温
で、かつ3000℃以下の温度に調節すると共に、その内側
黒鉛るつぼ内に所定量のフラックス用金属を投入して、
そのフラックス用金属の脱ガス処理を行い、 (iii)続いて、前記二重黒鉛るつぼを酸化物系セラミ
ックスの融点以上の所定の温度に調節すると共に、その
内側黒鉛るつぼ内に所定量の酸化物系セラミックス試料
を投入して、その酸化物系セラミックス試料を前記フラ
ックス用金属に溶融させることによって、前記酸化物系
セラミックス試料を還元して該酸化物系セラミックス試
料中に含まれる酸素を前記二重黒鉛るつぼのカーボンと
結合した酸化炭素ガスとして抽出し、 (iv)そして、前記抽出された酸化炭素ガスをガス濃度
分析系へ導いて、そのガス濃度を検出することにより、
前記酸化物系セラミックス試料中に含まれる酸素の量を
測定する、 という手順によることを特徴としてする。
〔作用〕
即ち、上記本発明に係る酸化物系セラミックス中の酸素
測定方法は、基本的には、前述したように簡便かつ迅速
な測定を行える従来の加熱融解式ガス抽出分析方法を応
用したものであるが、酸化物系セラミックス試料を加熱
融解して酸素ガスを抽出するための手段として、従来の
一重型の黒鉛るつぼをそのまま使用するのでは無く、通
電して発熱させることにより直接的に温度調節可能とさ
れた(つまり、電流が流れる)外側黒鉛るつぼと、その
外側黒鉛るつぼ内に収容されて間接的に温度調節可能と
された内側黒鉛るつぼ(これには電流は殆ど流れない)
とから成る二重黒鉛るつぼを用いることによって、酸化
物系セラミックス試料が投入されるその内側黒鉛るつぼ
を均一な温度分布を有する状態に容易に温度制御を行え
るようにするために、先ず、2800〜3000℃程度の高温度
に加熱することにより、その二重黒鉛るつぼ自体の脱ガ
ス処理を行い、次に、前記二重黒鉛るつぼを2500℃より
も高温で、かつ3000℃以下の温度に調節すると共に、そ
の内側黒鉛るつぼ内に所定量のフラックス用金属を投入
して、そのフラックス用金属の脱ガス処理を行い、続い
て、前記二重黒鉛るつぼを酸化物系セラミックスの融点
以上の所定の温度に調節したから、先に説明した一重黒
鉛るつぼを用いた場合に生じる問題<ア>(局部的異常
高温による試料蒸気の急激な飛散やその試料蒸気による
抽出ガスに対するゲッタ作用による大きな測定誤差の発
生)を生じること無く、極めて円滑にかつ100%に近い
酸素抽出を行えて、優れた測定精度を確保できる。
また、酸化物系セラミックス試料を内側黒鉛るつぼ内へ
投入するに先立って、二重黒鉛るつぼ自体の脱ガス処理
を行うことは勿論、フラックス用金属の脱ガス処理をも
行うようにしたので、特に高価につく高純度のフラック
ス用金属を準備しなくても、そのフラックス用金属自体
の含有する酸素が測定誤差の要因となることを確実に防
止できるため、通常グレードのフラックス用金属(例え
ば酸素含有量が2000ppm程度のもの)を使用してもよ
く、従って、前述の問題<イ>も解消することができ、
経済的に有利である。
かくして、以上の各作用の相乗により、極めて精度の良
くかつ再現性に優れた酸化物系セラミックス含有酸素量
の測定を、非常に簡便にかつ迅速に操作性良く行うこと
ができるようになった。
〔実施例〕
以下、本発明に係る酸化物系セラミックス中の酸素測定
方法の具体的な一実施例について、第1図<イ>〜<ハ
>に示す手順の流れ図、ならびに、第1図<ニ>〜<ホ
>に示するつぼ内温度,一酸化炭素ガス発生量,検出出
力のタイムヒストリーを表すグラフを参照しながら説明
する。
なお、第1図<イ>〜<ハ>は、夫々、本発明方法を適
用して構成される酸化物系セラミックス中酸素測定シス
テムの主要部分である加熱融解式ガス抽出装置部分Xを
示している。
即ち、1は基台であって、フラックス用金属Mの投入口
2および落下通路3、ならびに、酸化物系セラミックス
試料Sの投入口4および落下通路5を備えていると共
に、前記投入口2と落下通路3との間、および、投入口
4および落下通路5との間には、夫々、保持/落下切換
部材6,7(この例では回転方式のものを採用している
が、スライド方式等種々の構造のものがある)が設けら
れている。また、Aは、前記基台1の下側に装着された
電極であって、前記両落下通路3,5に連通する落下通路
8を備えていると共に、その落下通路8の下端部には、
二重型の黒鉛るつぼCが、前記電極Aともうひとつの電
極Bとで圧着挟持される状態で設けられている。この二
重黒鉛るつぼCは、前記両電極A,B間に通電して発熱さ
せることにより直接的に温度調節可能とされた外側黒鉛
るつぼ9と、その外側黒鉛るつぼ9内に収容されて間接
的に温度調節可能とされた内側黒鉛るつぼ10とで構成さ
れている。つまり、外側黒鉛るつぼ9には電流が流れ
て、そのジュール熱により外側黒鉛るつぼ9が直接加熱
されるので、その外側黒鉛るつぼ9の内部に局部的に電
気抵抗の大きい箇所があると、その部分が異常高温に過
熱されるが、内側黒鉛るつぼ10には電流は殆ど流れない
ので、その内側黒鉛るつぼ10は、前記外側黒鉛るつぼ9
からの接触伝熱により間接的に加熱されるので、全体的
に非常に均一な温度分布を呈する状態に、容易に温度制
御を行えるようになっている。
さて、上記加熱融解式ガス抽出装置部分Xを有する酸化
物系セラミックス中酸素測定システムにより実行される
本発明方法の手順は下記の通りである。
(i)先ず、第1図<イ>に示すように、二重黒鉛るつ
ぼCにはフラックス用金属Mも酸化物系セラミックス試
料Sも投入しない空の状態で、前記両電極A,B間に通電
して、その二重黒鉛るつぼC全体を2800〜3000℃程度の
所定の高温度に加熱することにより(多くの実験結果に
よれば、第1図<ニ>に示すように略2900℃程度とする
のが最も適当であった)、その二重黒鉛るつぼC自体の
脱ガス処理を行う。これにより、第1図<ホ>に示すよ
うに、内側黒鉛るつぼ10内には、二重黒鉛るつぼC自体
に含まれていた酸素が一酸化炭素ガスとして抽出される
が、この一酸化炭素ガスは分析系(ここでは図示してい
ない)へは導かれること無く系外へ排出されるために、
第1図<ヘ>から明らかなように検出されない。
(ii)次に、二重黒鉛るつぼCを2500℃よりも高温で、
かつ3000℃以下のの所定の温度に低下させるように調節
すると共に(多くの実験結果によれば、第1図<ニ>に
示すように略2600℃とするのが適当であった)、第1図
<ロ>に示すように、前記フラックス用金属M用の回転
部材6を操作して、その内側黒鉛るつぼ10内に所定量の
フラックス用金属Mを投入することにより(多くの実験
結果によれば、酸化物系セラミックスSが5〜200mgに
対して、0.3〜1.5gのニッケルと0〜1.0gのスズを混合
したものが適当であった:なお、最も好適な例として
は、略30mgの酸化物系セラミックス試料Sに対して、0.
8gのニッケルと0.5gのスズを用いる)、そのフラックス
用金属Mを加熱溶融してその脱ガス処理を行う。これに
より、第1図<ホ>に示すように、内側黒鉛るつぼ10内
には、フラックス用金属Mに含まれていた酸素が一酸化
炭素ガスとして抽出されるが、この一酸化炭素ガスも分
析系へは導かれること無く系外へ排出されるため、やは
り第1図<ヘ>から明らかなように検出されない。
(iii)続いて、二重黒鉛るつぼCを酸化物系セラミッ
クスの融点以上の所定の温度に調節すると共に(多くの
実験によれば、第1図<ニ>に示すように略2600℃とす
るのが適当であった)、第1図<ハ>に示すように、前
記酸化物系セラミックス試料S用の切換部材7を操作し
て、その内側黒鉛るつぼ10内に酸化物系セラミックス試
料S(前記したように30mg)を投入し、その酸化物系セ
ラミックス試料Sを前記フラックス用金属Mに溶融させ
ることによって、酸化物系セラミックス試料S中に含ま
れる酸素を一酸化炭素ガスとして抽出する。
なお、この手順(iii)において、前記内側黒鉛るつぼ1
0内に所定量の酸化物系セラミックス試料Sを投入する
に際しては、その酸化物系セラミックス試料S(通常は
粉状に粉砕されている)を予め高純度の(含有酸素量の
極めて少ない)フラックス用金属(例えばニッケル)か
ら成る箔またはカプセルに包みこむと、量りとった試料
が逸散することなく定量に供することができ望ましい。
ただし、その場合には、前記フラックス用金属Mの重量
は、その試料包装用の箔またはカプセルの重量分少なく
用いる。
(iv)上記のようにして、第1図<ホ>に示すように、
内側黒鉛るつぼ10内には、酸化物系セラミックス試料S
中に含まれていた酸素が一酸化炭素ガス(測定対象ガ
ス)として抽出されるので、ガスラインを切り換えるこ
とにより、その抽出された測定対象ガスである一酸化炭
素ガスを、例えば非分散型赤外線分析計などで構成され
るガス濃度分析計や熱伝導度計(公知であるため図示し
ていない)へ導けば、第1図<ヘ>に示すようにその一
酸化炭素濃度が検出されて、前記酸化物系セラミックス
試料S中に含まれる酸素の量が測定されるのである。
なお、前記一酸化炭素ガスを更に酸化させて二酸化炭素
ガスに変換し、その二酸化炭素ガス濃度を測定するよう
にしてもよく、それは分析計との関連で適宜アレンジ可
能である。
また、上記本発明方法の測定対象としては(つまり前記
酸化物系セラミックス試料Sとしては)、(La1-xAx)2
CuO4-xとがRBa2Cu3O7-xなどの化学組成式で示されると
ころの現在知られている高温超伝導性酸化物系セラミッ
クス(ただし、AはCa,Sr,Baなどから選定されるアルカ
リ土類金属であり、Rは+3の酸価状態をとるY,Nd,Sm,
Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどから選定される希土類金
属が該当し、また、xはその選定されたアルカリ土類金
属Aまたは希土類金属Rに対応して定まるところの超伝
導特性臨界値を定める数値である)は勿論、その他の一
般の酸化物系セラミックスをも含んでおり、更に、その
酸化物系セラミックス試料Sは、焼成前の材料でもよ
く、また焼成後の製品でもよい。
次に、上記本発明による酸化物系セラミックス中の酸素
測定方法を用いて行った数多くの実験のうちの一部(YB
a2Cu3Oyの構成材料および焼成物の場合)を、従来の加
熱融解方式による金属中ガス抽出分析方法をそのまま利
用した場合との比較しながら、また、それに必然的に付
随する事柄について、具体的に付記しておく。
<1>較正用試料 現在、酸化物系セラミックスの含有酸素量の機器分析に
よる定量を行う際において、最も基本的な問題は、機器
の検査線を得るために必要な認証された標準試料が存在
しない、ということである。そこで、本発明者らは、先
ず、適当な(信頼するに足る)較正用試料を探索するた
めに、上記した酸素・窒素同時分析システムにおける窒
素分析系列を利用して、重量法による分析を行った。即
ち、抽出炉(二重黒鉛るつぼC)により抽出されたCOガ
スを酸化器に導いてCO2ガスに変換した後、そのCO2ガス
を、吸収管の前半部にCO2ガス吸収用アスカライトを後
半部に水分吸収用アンヒドロンを充填したものに導き、
その吸収管の増加重量を検量することにより、試料中の
酸素の定量を行った。次頁に示す第1表は上記Y2O3を試
料とした場合における分析結果、ならびに、そのときの
前処理条件および分析条件等を示しているが、この測定
結果(平均測定酸素濃度21.23%)が化学理論値(21.25
%)と非常に良く一致していることからして、上記試料
Y2O3、更に厳密には、それを1000℃で2時間灼熱すると
いう前処理を加えて、水分および不純物を除去したもの
が、較正試料として十分に適当であることが判明した。
このことは、最終的な測定対象である酸化物系セラミッ
クスと略同質・同条件を有する較正試料を得ることがで
きたという意味において、絶対量の分析を行う場合極め
て意義が大きい。
なお、上記第1表は、吸収管の容易から8回分の分析を
積算したデータを用いた分析結果を示す。
<2>超伝導性を示すY−Ba−Cu−O系の試料の分析 臨界温度90゜KのY−Ba−Cu−O系超伝導性酸化物系セ
ラミックスについて、分析を行った結果の一例を第2表
に示す。
この結果から明らかなように、試料の酸素分析値は十分
に高く、かつ、二重黒鉛るつぼを用いているため、試料
の突沸現象は全く認められなかった。
〔発明の効果〕 以上詳述したところから明らかなように、本発明に係る
酸化物系セラミックス中の酸素測定方法によれば、基本
的には、従来の金属中ガス分析方法である加熱溶解式ガ
ス抽出分析方法という、非常に簡便かつ迅速な測定を行
える方法を応用する一方、酸化物系セラミックス試料を
加熱溶融して酸素ガスを抽出するための手段として、従
来の一重型の黒鉛るつぼをそのまま使用するのでは無
く、 通電して発熱させることにより直接的に温度調節可
能とされた(つまり、電流が流れる)外側黒鉛るつぼ
と、その外側黒鉛るつぼ内に収容されて間接的に温度調
節可能とされた内側黒鉛るつぼ(これには電流は殆ど流
れない)とから成る二重黒鉛るつぼを用いることによっ
て、酸化物系セラミックス試料が投入されるその内側黒
鉛るつぼを均一な温度分布を有する状態に容易に温度制
御を行えるようにし、前記均一な温度分布を、酸化物系
セラミックスの融点以上の所定の温度に設定することに
よって実現できるようにし、酸化物系セラミックス試料
をフラックス用金属に溶融させることで前記酸化物系セ
ラミックス試料を還元して該酸化物系セラミックス中に
含まれる酸素を前記二重黒鉛るつぼのカーボンと結合し
た酸化炭素ガスとして抽出する還元反応による抽出ガス
処理を還元反応雰囲気下で行うようにするとともに、 そのため、以下に示すような前記二重黒鉛るつぼを
用いたことによる本願特有の効果を奏する。すなわち、
本発明と同様に従来でも試料として酸化物系セラミック
スを用いて該酸化物系セラミックス試料中に含まれる酸
素の量を測定するようにしているけれども、試料の酸化
物系セラミックスは、一般に、酸化物系セラミックス以
外のセラミックスや通常の金属等に比して融点が高いか
ら、前記還元反応雰囲気下の一重型の黒鉛るつぼにおい
て、温度分布が均一になるように加熱することが殆ど不
可能であったことにより生じる局部的異常高温部分に起
因して酸化物系セラミックス試料蒸気の急激な飛散(突
沸)が、酸化物系セラミックス以外のセラミックスや通
常の金属等を用いる場合に比して、頻繁に発生し易く、
そのため、融解された酸化物系セラミックス試料が電流
が流れる黒鉛るつぼの側壁内面に付着して浸食され、結
局、従来法では、酸化物系セラミックスのような高融点
試料分析に対しては充分な高温の前記還元反応雰囲気を
得ることが難しかったのを、本発明では、二重黒鉛るつ
ぼを高融点試料分析に対しても充分な高温(酸化物系セ
ラミックスの融点以上の所定の温度)に調節することに
より、二重黒鉛るつぼの温度を酸化物系セラミックスの
融点以上の所定の温度に上昇させても還元反応雰囲気を
上述した均一な温度分布を有するものとして得ることが
でき、更に、融解された酸化物系セラミックス試料の突
沸によって該試料が電流は殆ど流れない内側黒鉛るつぼ
の側壁内面に付着することはあっても、電流が流れる外
側黒鉛るつぼの側壁内面に付着して浸食することはない
状態に還元反応雰囲気を実現したので、従来の一重型の
黒鉛るつぼを用いた場合に生じる問題<ア>(一重黒鉛
るつぼcを直接通電方式により加熱しているために、一
重黒鉛るつぼc全体の温度分布が均一になるように加熱
することが殆ど不可能であり、そのために生じる局部的
異常高温による試料蒸気の急激な飛散やその試料蒸気に
よる抽出ガスに対するゲッタ作用による大きな測定誤差
の発生)、を生じること無く、極めて円滑にかつ100%
に近い酸素抽出を行えて、優れた測定精度を確保でき
る。
しかも、前記還元反応雰囲気を実現するために、そ
の前処理として、前記二重黒鉛るつぼを、2800〜3000℃
程度の高温度に加熱することにより、その二重黒鉛るつ
ぼ自体の脱ガス処理を行い、続いて、前記二重黒鉛るつ
ぼを2500℃よりも高温で、かつ3000℃以下の温度に調節
してフラックス用金属が融剤としての機能を発揮するの
を助長する温度雰囲気を形成すると共に、その内側黒鉛
るつぼ内に所定量のフラックス用金属を投入して、その
フラックス用金属の脱ガス処理を行っているので、前記
還元反応雰囲気下での酸化炭素ガスの、酸化物系セラミ
ックス試料と前記二重黒鉛るつぼからの抽出を円滑に、
かつ、精度よく行うことができ、正確な酸素分析値を得
ることができる。
また、酸化物系セラミックス試料を内側黒鉛るつぼ
内へ投入するに先立って、上述したように、二重黒鉛る
つぼ自体の脱ガス処理を行うことは勿論、フラックス用
金属の脱ガス処理をも行うようにしたので、特に高価に
つく高純度のフラックス用金属を準備しなくても、その
フラックス用金属自体の含有する酸素が測定誤差の要因
となることを確実に防止できるため、通常グレードのフ
ラックス用金属(例えば酸素含有率が2000ppm程度のも
の)を使用してもよく、従って、従来のもう一つの問題
点<イ>(酸化物系セラミックス試料sに対する加熱に
伴って、フラックス用金属m自体の含有する酸素も同時
に抽出されるため、含有酸素の極めて少ない高純度のフ
ラックス用金属mを使用しなければ、やはり大きな測定
誤差の要因となる、)も解消することができ、経済的に
非常に有利である。
かくして、以上の各作用の相乗により、極めて精度の良
くかつ再現性に優れた酸化物系セラミックス含有酸素量
の測定を、非常に簡便にかつ迅速に操作性良く行うこと
ができ、以って、超伝導物質などに代表される酸化物系
セラミックスの技術分野における簡易な工業用の管理分
析法として極めて好適に利用できる、という優れた効果
が発揮される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る酸化物系セラミックス中の酸素測
定方法の具体的な一実施例を説明するためのものであっ
て、第1図<イ>〜<ハ>は手順の流れ図を、第1図<
ニ>〜<ヘ>は夫々るつぼ内温度,一酸化炭素ガス発生
量,検出出力のタイムヒストリーを表すグラフをを示し
ている。 また、第2図は、従来一般の加熱融解方式による金属中
ガス抽出分析方法をそのまま利用した場合の原理的な酸
化物系セラミックス中の酸素測定方法(比較例)の問題
点を説明するために用いるシステム要部の拡大縦断面図
である。 A……電極、 B……電極、 C……二重黒鉛るつぼ、 M……フラックス用金属、 S……酸化物系セラミックス試料、 X……加熱融解式ガス抽出装置部分、 1……基台、 2……フラックス用金属の投入口、 3……フラックス用金属の落下通路3、 4……セラミック試料の投入口、 5……セラミック試料の落下通路5、 6……フラックス用金属の保持/落下切換部材、 7……セラミック試料の保持/落下切換部材、 8……落下通路、 9……外側黒鉛るつぼ、 10……内側黒鉛るつぼ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡山 順二 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−194359(JP,A) 特開 昭60−257360(JP,A) 実開 昭59−193997(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物系セラミックス試料中に含まれる酸
    素の量を測定するための方法であって、 (i)通電して発熱させることにより直接的に温度調節
    可能とされた外側黒鉛るつぼと、その外側黒鉛るつぼ内
    に収容されて間接的に温度調節可能とされた内側黒鉛る
    つぼとから成る二重黒鉛るつぼを、先ず、2800〜3000℃
    程度の高温度に加熱することにより、その二重黒鉛るつ
    ぼ自体の脱ガス処理を行い、 (ii)次に、前記二重黒鉛るつぼを2500℃よりも高温
    で、かつ3000℃以下の温度に調節すると共に、その内側
    黒鉛るつぼ内に所定量のフラックス用金属を投入して、
    そのフラックス用金属の脱ガス処理を行い、 (iii)続いて、前記二重黒鉛るつぼを酸化物系セラミ
    ックスの融点以上の所定の温度に調節すると共に、その
    内側黒鉛るつぼ内に所定量の酸化物系セラミックス試料
    を投入して、その酸化物系セラミックス試料を前記フラ
    ックス用金属に溶融させることによって、前記酸化物系
    セラミックス試料を還元して該酸化物系セラミックス試
    料中に含まれる酸素を前記二重黒鉛るつぼのカーボンと
    結合した酸化炭素ガスとして抽出し、 (iv)そして、前記抽出された酸化炭素ガスをガス濃度
    分析系へ導いて、そのガス濃度を検出することにより、
    前記酸化物系セラミックス試料中に含まれる酸素の量を
    測定する、 という手順によることを特徴とする酸化物系セラミック
    ス中の酸素測定方法。
  2. 【請求項2】前記手順(iii)において前記内側黒鉛る
    つぼ内に所定量の酸化物系セラミックス試料を投入する
    に際して、その酸化物系セラミックス試料を予め高純度
    のフラックス用金属から成る箔またはカプセルにより包
    んでおくことを特徴とする特許請求の範囲第〔1〕項に
    記載の酸化物系セラミックス中の酸素測定方法。
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