JPH1114755A - 2次元検出器を用いた撮影装置 - Google Patents

2次元検出器を用いた撮影装置

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JPH1114755A
JPH1114755A JP9169800A JP16980097A JPH1114755A JP H1114755 A JPH1114755 A JP H1114755A JP 9169800 A JP9169800 A JP 9169800A JP 16980097 A JP16980097 A JP 16980097A JP H1114755 A JPH1114755 A JP H1114755A
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radiation
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time
signal
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JP9169800A
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Inventor
Tomoharu Kajiyama
智晴 梶山
Fumio Kawaguchi
文男 川口
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーク電流の影響を補正し正確な信号読み出
しを行なう撮影装置を提供する。 【解決手段】 被写体5に光又は放射線を照射し、被写
体の撮影を行う撮影装置において、光又は放射線の入射
量に応じた電荷量を蓄積する複数の検出素子、ゲート
線、ゲート線ドライバ、信号線、ゲート及びA/D変換
器とを有する2次元検出器と、検出素子に接続されたゲ
ートのon時の第1の時定数及びoff時の第2の時定
数を記憶する記憶手段4と、検出素子から読み出された
電荷量を記憶媒体に記憶された第1及び第2の時定数を
用いて、検出素子に入射した光量又は放射線量を求める
信号処理手段3とを有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次元検出器(2
次元イメージセンサ)を使用する撮影装置、例えば、放
射線像撮影装置に関し、特に、2次元検出器(2次元イ
メージセンサ)から得る信号を補正して正確な放射線像
を得る信号補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線による被写体の透過像をディジタ
ル画像として検出する2次元放射線検出器として、放射
線I.I.とテレビジョン(TV)の組合わせ、イメージン
グプレート等が広く知られている。また、2次元放射線
検出器を使用して複数方向から複数の2次元画像データ
を得て、被写体の3次元像を再構成する放射線コーンビ
ームCTへの応用も行われている。近年報告された2次
元放射線検出器としては、例えば,L.E.Antonuk,
et al,“Demonstration of megavoltage anddiagnos
tic x-ray imaging with hydrogenated amorphous sili
con array”,(Med.Phys.,19(6),1445-1466,
Nov/Dec(1992))がある。
【0003】図3は従来の2次元放射線検出器を構成す
る1つの放射線検出素子の構成例を示す断面図、図4は
従来の2次元放射線検出器の概略構成を示すブロック構
成図である。従来の放射線検出素子は、図3に示すよう
に、基板30に形成されたPINフォトダイオード31
と、電極34と、PINフォトダイオード31の上部の
透明電極33の上部に形成された蛍光体層32とから構
成されている。放射線検出素子(以下単に検出素子と称
する)には、TFTゲート23のオン(on)及びオフ
(off)を行うゲート線24と、PINフォトダイオ
ード31に蓄積された信号電荷量を伝達する信号線26
とが接続されている。TFTゲート23及び信号線26
と蛍光体層32との間には、絶縁体35が充填されてい
る。
【0004】図4では、図を簡単にするために12個の
検出素子(21-11,21-12,21-13,21-1
4,21-21,21-22,21-23,21-24,2
1-31,21-32,21-33,21-34)からなる
2次元放射線検出器を示している。各検出素子には、T
FTゲート(23-11,23-12,23-13,23-
14,23-21,23-22,23-23,23-24,
23-31,23-32,23-33,23-34)、ゲー
ト線(24-1,24-2,24-3)及び信号線(26-
1,26-2,26-3)が接続され、各ゲート線(24
-1,24-2,24-3)は、各TFTゲートのon及
びoff制御のためにゲート線の電位を制御するゲート
ドライバ25に接続され、各信号線(26-1,26-
2,26-3)には、A/D変換器(27-1,27-
2,27-3,27-4)が接続されている。
【0005】各TFTゲートは、ゲート線の電位により
抵抗が変化するが、以下の説明では、TFTゲートの抵
抗値が低い状態及び高い状態をそれぞれon状態及びo
ff状態と表現し、その抵抗値をon抵抗r及びoff
抵抗Rと表記する。
【0006】また、2次元光検出器(2次元イメージセ
ンサ)に関する従来技術として,小林らが報告している
“アモルファスシリコンTFT駆動2次元イメージセン
サ”(IEEE TOKYO SECTION Denshi
Tokyo No.32(1993))がある。
【0007】放射線による被写体の2次元透過像は以下
の方法で得られる。被写体の撮影時は、2次元放射線検
出器の全てのTFTゲートをoff状態に設定する。被
写体に放射線を照射し、被写体を透過した放射線を2次
元放射線検出器により検出する。2次元放射線検出器に
入射した放射線は、蛍光体層32において蛍光に変換さ
れ、PINフォトダイオード31により光電変換され電
気信号に変換され、各検出素子に入射した放射線量に比
例した電荷量が信号電荷量として各検出素子に蓄積され
る。各検出素子に蓄積された信号電荷量の読み出しは、
例えば、以下のように行う。
【0008】同一の信号線に接続された複数の検出素子
のうちの1つの特定の検出素子に接続するゲートをon
状態に設定すると、特定の検出素子に蓄積された信号電
荷量は、ゲートを介してA/D変換器に伝達されてディ
ジタル数値に変換される。1つの検出素子から読み出さ
れた信号が放射線透過画像の1画素に対するディジタル
数値(画像値)を与える。予め決められた順序により、
ゲート線を1本ずつ次々にon状態の電位に設定する
と、全ての検出素子からの信号読み出しができ、最終的
に1枚の放射線透過画像が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の2次元放射
線検出器において、TFTゲートのon及びoff時の
抵抗値r及びRは、理想的にはそれぞれ、読み出し時の
抵抗であるon抵抗rはゼロ、非読み出し時の抵抗であ
るoff抵抗Rは無限大であることが求められる。しか
し、実際の現状技術では、抵抗比R/rは106程度で
ある。また、TFTゲートのon抵抗r及びoff抵抗
Rは、TFTゲートの製造精度に依存するが、ある程度
のバラツキを持つ。同様に、各検出素子の容量Cもある
程度のバラツキを持つ。この結果、前記従来の2次元放
射線検出器では以下の解決すべき課題がある。
【0010】2次元放射線検出器を用いて放射線透過画
像を撮像する場合を考える。図4に示す2次元放射線検
出器の信号線(26-1,26-2,26-3)に接続す
る各検出素子に、各検出素子に入射する射線量に応じた
信号電荷量が蓄積される。また、全てのTFTゲート線
(24-1,24-2,24-3)は、off電位に設定
されており、各検出素子に蓄積された信号電荷量は、o
ff抵抗R=無限大の場合には信号線には伝搬しない。
各検出素子に蓄積された信号電荷量の読み出しは、TF
Tゲート線を1本ずつ逐次on電位に設定して行われ
る。例えば、検出素子21-14に接続するゲート23-
14のみをonに設定し、同検出素子の信号電荷量を読
み出す場合、検出素子21-14以外の全ての検出素子
に接続するゲートは全てoff状態に設定して、検出素
子21-14の信号電荷量だけを読み出す。
【0011】実際には、r(ゲートがon状態の時の抵
抗値)が理想的にゼロでないため以下の問題が生じる。
検出素子iの信号電荷量の読み出しは,検出素子iの容
量をCi、検出素子iに接続するゲートがon状態の時
の抵抗値をriとする時、時定数ri×Ciで行われ、検
出素子iに蓄積された信号電荷量の一部が、有限の読み
出し時間で読み出され、読み出された信号電荷量以外は
検出素子iに残留する。残留する信号電荷量の比率は、
1検出素子当りの読み出し時間と時定数で決まる。各検
出素子の容量Cやon抵抗rの間に存在するバラツキ
は、各検出素子での残留する信号電荷量の比率に影響を
与え、実際に各検出素子間の感度ムラ(バラツキ)とし
て検出され、精度の高い画像が得られないという問題を
生じている。
【0012】また、off抵抗R(ゲートがoff状態
の時の抵抗値)が有限であるためさらに重大な問題があ
る。検出素子iの信号電荷量が読み出されている場合、
off抵抗Rが有限であるため、同一の信号線に接続す
る検出素子i以外の他の全ての検出素子jの信号電荷量
が、検出素子jの容量をCj、検出素子jに接続するゲ
ートがoff状態の時の抵抗値をRjとする時、時定数
j×Cjで信号線に漏れ出すという問題がある。以下、
この問題を簡単な例を用いて説明する。
【0013】前記図2は、従来の2次元放射線検出器に
おいて、N個の検出素子S1,S2,〜,SNが接続する
1本の信号線26-iと、信号線26-iに接続するA/
D変換器27-iを示す図であり、2次元放射線検出器
を構成する信号線26-i以外の信号線を省略した図で
ある。
【0014】各検出素子(S1,S2,〜,SN)には、
信号電荷量Q1,Q2,〜,QNが蓄積されている。検出
素子からの信号読み出しを、検出素子S1,S2,〜,S
Nまで逐次行い、信号読みとり時間長をΔt、各検出素
子(S1,S2,〜,SN)に接続するゲートのon抵抗
をr1,r2,〜,rN、off抵抗をR1,R2,〜,
N、各検出素子(S1,S2,〜,SN)の電気容量をC
1,C2,〜,CNとする。まず、時間長Δtの間に検出
素子S1に接続するTFTゲートをonとすると、A/
D変換器に読み出される信号電荷量X1は、数1の式で
与えられる。
【0015】
【数1】 X1=Q1×{1−exp[−Δt/(r1×C1)]} +ΣQj×{1−exp[−Δt/(Rj×Cj)]} …(数1) 数1の式において、加算Σはj=2,3,〜,Nについ
て行う。数1の式の右辺第1項は、検出素子S1から伝
搬する電荷量であり、右辺第2項は他の検出素子
(S2,〜,SN)からのリーク(漏洩)電荷量である。
【0016】即ち、検出素子に接続するゲートのoff
抵抗Rが有限であるため、検出素子S1の信号を読み出
す際に、他の検出素子からのリーク電荷量がノイズとし
て、検出素子S1の信号電荷量に混入する。検出素子S1
の信号読み出し終了後、検出素子S1には残留する信号
電荷量が存在し、他の各検出素子(S2,〜,SN)の信
号電荷量は、リーク電荷量分だけ減少する。次に、検出
素子S2の信号電荷量を読み出す。検出素子S2より読み
出される信号電荷量X2は、数2の式となる。
【0017】
【数2】 X2=Q2×exp[−Δt/(R2×C2)] ×{1−exp[−Δt/(r2×C2)]} +Q1×{exp[−Δt/(r1×C1)]} ×{1−exp[−Δt/(R1×C1)]} +ΣQj×{exp[−Δt/(Rj×Cj)]} ×{1−exp[−Δt/(Rj×Cj)]} …(数2) 数2の式において、加算Σはj=3,4,〜,Nについ
て行う。数2の式の右辺第1項は、検出素子S2より伝
搬する電荷量であり、右辺第2項は検出素子S1に残留
する信号電荷量のリーク電荷量、右辺第3項は検出素子
3,S4,〜,SNからのリーク電荷量である。各検出
素子から信号電荷量を読み出す場合,読み出し対象以外
の検出素子からのリーク電荷量が混入する。検出素子k
から読み出される信号電荷量Xkを一般式で示すと数3
の式となる。
【0018】
【数3】 Xk=Qk×exp[−((k−1)×Δt)/(Rk×Ck)] ×{1−exp[−Δt/(rk×Ck)]} +Σ1j×{exp[−Δt/(rj×Cj)]} ×exp[−((k−2)×Δt)/(Rj×Cj)] ×{1−exp[−Δt/(Rj×Cj)]} +Σ2j×{exp[−((k−1)×Δt)/(Rj×Cj)]} ×{1−exp[−Δt/(Rj×Cj)]} …(数3) 数3の式において、加算Σ1はj=1,2,〜,(k−
1)について、加算Σ2はj=(k+1),(k+
2),〜,Nについて行う。数3の式の右辺第1項は、
検出素子Skより伝搬する電荷量であり、第2項は検出
素子S1,S2,Sk-1に残留する信号電荷量のリーク電
荷量、第3項はSk+1,Sk+2,〜,SNからのリーク電
荷量である。
【0019】以上のように、検出素子Skから得られる
信号電荷量Xkは、本来検出素子Skに入射した放射線量
を反映する電荷量Qkに加えて、検出素子Sk以外からの
リーク電荷量が混入している。また、読み出し順序が遅
い検出素子では、実際に信号として読み出す以前に、信
号電荷量の1部がリーク電荷量として損失してしまう。
【0020】2次元放射線検出器を構成する検出素子S
kから得られる信号電荷量Xkに混入する検出素子Sk
外からのリーク電荷量及び実際に信号として読み出す以
前に、信号電荷量から損失するリーク電荷量は、実際に
2次元放射線検出器により得られる画像に、非線形的な
画像ノイズを発生し画像を劣化させるという問題があ
る。また、前記のような特性を持つ2次元放射線検出器
を用いる放射線コーンビームCT等の3次元画像再構成
では、前記のリーク電荷量は画像のアーチファクトの原
因となる。なお、前記の問題は、従来のアモルファスシ
リコンTFT駆動2次元イメージセンサ(2次元光検出
器)にも存在する。
【0021】本発明の目的は、2次元検出器を用いた撮
影装置において、1つの検出器より信号を読み出す場合
に、他の検出器からのリーク電流による影響を補正する
ことが可能な技術を提供することにある。
【0022】本発明の他の目的は、2次元検出器(2次
元イメージセンサ)を用いた放射線像撮影装置におい
て、2次元検出器の各検出素子からの信号電荷量に及ぼ
すリーク電荷量の影響を補正して正確な画像を得ること
が可能な技術を提供することにある。
【0023】本発明の前記ならびにその他の目的及び新
規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明ら
かになるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば以下
のとおりである。
【0025】本発明は、2次元検出器(2次元イメージ
センサ)を使用する撮影装置(例えば、放射線像撮影装
置)の2次元検出器から得る信号を補正して、リーク
(漏洩)電流の影響を除去して正確な画像(例えば放射
線像)を得るものである。本発明では、予め各信号線に
接続されている検出素子の特性として、各検出素子iに
接続するTFTゲートのon時の時定数λ1,λ2,〜,
λNと、各検出素子iに接続するTFTゲートのoff
時の時定数μ1,μ2,〜,μNとを求め、測定結果を検
出素子特性データとして記憶手段(記憶媒体)に記憶し
ておき、この記憶手段に記憶された検出素子特性データ
と、実際に各検出素子により計測された信号電荷量
1,X2,〜,XNと、信号読みとり時間長Δtとを用
いて、各検出素子iに真に入射した放射線量を反映する
電荷量Qiを演算処理手段により数学的に算出する。
【0026】各検出素子iに接続するTFTゲートのo
n時の時定数λiは,各検出素子iの容量Ciと各検出素
子iに接続するTFTゲートのon時の抵抗riとの積
として、各検出素子iに接続するTFTゲートのoff
時の時定数μiは、各検出素子iの容量Ciと各検出素子
iに接続するTFTゲートのoff時の抵抗Riの積と
してそれぞれ与えられるので、予め各検出素子の容量C
1,C2,〜,CNと、各検出素子iに接続するTFTゲ
ートのon時の抵抗ri及びoff時の抵抗Riを測定し
ておき、時定数λi,μiを求めておく。
【0027】即ち、本発明では、既知の量である実際に
各検出素子iにより計測された信号電荷量X1,X2
〜,XNと、各検出素子iに接続するTFTゲートのo
n時の抵抗ri及びoff時の抵抗Riと、信号読みとり
時間長Δtとを用いて、各検出素子iに真に入射した放
射線量を反映した電荷量Qiを未知数とするN元一次方
程式として数3の式から、電荷量Qiを求める。
【0028】また、2次元放射線検出器の各信号線に接
続される検出素子から読み出された信号電荷量X1
2,〜,XNと、各検出素子に真に入射した放射線量を
反映する電荷量Q1,Q2,〜,QNとの関係を表わし、
検出素子特性データから決定されるN次の係数行列Uの
逆行列Vを、各撮影モード毎に予め求め記憶手段(記憶
媒体)に記憶しておき、指定された撮影モードに応じて
記憶手段から逆行列Vを読み出して、電荷量Q1,Q2
〜,QNを求める。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態(実施
例)を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の
実施形態(実施例)の放射線像撮影装置の概略構成を示
す図である。放射線像撮影装置は、図1に示すように、
被写体5に照射するX線等の放射線を発生する放射線源
1と、被写体5を通過した放射線を検出する放射線2次
元検出器2と、放射線2次元検出器2を構成する各A/
D変換器に接続されるインタフェース6と、各信号線に
接続されている各検出素子iに接続するTFTゲートの
on時の時定数λ1,λ2,〜,λNと、各検出素子iに
接続するTFTゲートのoff時の時定数μ1,μ2
〜,μNとを、予め検出素子特性データとして記憶する
記憶手段(記憶媒体)4と、記憶手段4に記憶された検
出素子特性データを読み出して、実際に放射線2次元検
出器2を構成する各検出素子により蓄積された信号電荷
量X1,X2,〜,XNと、信号読みとり時間長Δtとを
用いて、各検出素子iに真に入射した放射線量を反映す
る電荷量Qiを数学的に算出する演算処理、及びインタ
フェース6を介して放射線2次元検出器2を構成する各
検出素子に蓄積された信号電荷量の読み出し、撮影モー
ドの指定等の制御を行う計算機等からなる信号処理手段
3とから構成される。放射線2次元検出器2は、図3及
び図4に示す従来の構成の検出器を使用する。放射線2
次元検出器2は、1本当りN個(例えば1000個)の
検出素子が接続される信号線をM本(例えば500〜1
000本)有しており、検出素子の総数はM×N個
(M,Nは自然数)である。
【0030】次に、本実施形態の放射線像撮影装置の動
作を説明する。まず、各信号線に接続された検出素子群
の検出素子特性データとして,各検出素子に接続された
TFTゲートのon時の時定数λ1,λ2,〜,λN及び
off時の時定数μ1,μ2,〜,μNを測定する。又は
各信号線に接続された検出素子群の各検出素子の容量C
1,C2,〜,CNと、各検出素子に接続されたTFTゲ
ートのon時の抵抗r1,r2,〜,rN及びoff時の
抵抗R1,R2,〜,RNとを測定し、それらの抵抗測定
値と前記各検出素子の容量C1,C2,〜,CNの測定値
との積から、時定数λ1,λ2,〜,λN及びoff時の
時定数μ1,μ2,〜,μNを求める。
【0031】これらの検出素子特性データは、各信号線
に接続される検出素子に固有な特性であり、検出素子の
耐久性能に依存するある期間内では変化しない。検出素
子特性データは記憶手段(記憶媒体)4に記録してお
く。また、検出素子特性(時定数)の変化が、検出素子
特性の測定からの経過時間又は2次元放射線検出器の累
積使用時間により予測できる場合には、前記の経過時間
又は累積使用時間も記録しておき、2次元放射線検出器
が実際に使用される時点で検出素子特性データを補正し
て使用する。放射線2次元検出器2は、M本(例えば5
00〜1000本)の信号線を持つので、検出素子特性
データは独立にM組(500〜1000組)得られる。
【0032】検出素子特性データは実験により決定でき
る。例えば、最も単純な方法を以下に説明する。図2に
示す信号線26-iに接続されるN個(例えば1000
個)の検出素子のうち、任意の1つの検出素子(例え
ば,k番目の検出素子、以下検出素子kとする)の特性
を求める場合を考える。まず、検出素子kに接続するT
FTゲート24-kをoff、検出素子kの他の検出素
子に接続するゲートを全てonに設定する。
【0033】この条件下で、2次元放射線検出器に強度
(照射線量)が既知な放射線を照射すると、検出素子k
に既知の信号電荷量Qkが蓄積され、検出素子k以外の
他の検出素子では、TFTゲートから蓄積された信号電
荷量は2次元放射線検出器の外部に排出される。放射線
を照射して充分な時間間隔T(例えば、検出素子からの
信号読みとり時間Δtと1本の信号線に接続される全検
出素子数Nとの積である読みとり周期T=Δt×N)以
上経過すると、検出素子k以外の全ての検出素子の信号
電荷量は無視できる程度に小さくなる。
【0034】次に、検出素子kのTFTゲートをonに
設定すると、検出素子kより蓄積された信号電荷量が伝
搬し、A/D変換器で信号電流として検出される。この
検出される信号電流の時間変化から検出素子kの時定数
λk及び時間Tの間に検出素子kに蓄積された信号電荷
量Qk’が得られる。さらに、Qk,Qk’及び時間間隔
Tから検出素子kの時定数μkが得られる。また、時間
間隔Tを複数通り変化させて時定数μkを測定して時定
数μkの測定精度を向上できる。
【0035】次に、実際に被写体の画像の画素に対応す
る各検出素子からの信号電荷量に及ぼすリーク電荷量の
影響を補正して正確な画像を得るための信号補正方法に
ついて説明する。放射線画像の撮影において,2次元放
射線検出器の各1本の信号線に接続される各検出素子か
ら読み出される信号電荷量X1,X2,〜,XNと、各検
出素子に入射した真の放射線量を反映する電荷量Q1
2,〜,QNとの関係は、数3の式を変形すると、数4
の式の行列式で示されるN元一次方程式となる。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、方程式の係数であるN次元の係数
行列Uの行列要素Uijは、前記の検出素子特性データ
(2種類の時定数)と、信号読み出し周波数の逆数であ
る信号読み出し時間長Δtとのみに依存しており、Uii
は(数5)、Uij(i>j)は(数6)、Uij(i<
j)は(数7)によりそれぞれ与えられる。
【0038】
【数5】 Uii=exp{−[(i−1)×Δt]/μi} ×{1−exp(−Δt/λi)} …(数5)
【0039】
【数6】 Uij=exp(−Δt/λj)×exp{−[(i−2)×Δt]/μj} ×{1−exp(−Δt/μj)} …(数6)
【0040】
【数7】 Uij=exp{−[(i−1)×Δt]/μj} ×{1−exp(−Δt/μj)} …(数7) 一般の放射線像撮影装置では、複数の予め固定された撮
影モードを有しており、2次元放射線検出器からの信号
読み出しにおける信号読み出し時間長Δtは各撮影モー
ド毎に一定であり、数4の式における係数行列Uは、撮
影モード毎に予め定められる量となる。従って、放射線
画像撮影において、2次元放射線検出器の各信号線に接
続される検出素子から読み出された信号電荷量X1
2,〜,XNを数4に代入して、Q1,Q2,〜,QN
ついて数4を解くことにより、各検出素子に真に入射し
た放射線量を反映する電荷量Q1,Q2,〜,QNを数学
的に決定できる。Q1,Q2,〜,QNについて数4の式
を解く方法は、どのような方法でも良いが、係数行列U
の逆行列Vを各撮影モード毎に予め求めておく方法が有
効である。数4の式を変形して数8の式を得る。
【0041】
【数8】
【0042】数8の式において、Vijは逆行列Vの行列
要素であり、未知数Q1,Q2,〜,QNがN個の測定値
1,X2,〜,XNと、対応する逆行列Vの行列要素V
ijとの積和により算出でき、計算機により非常に簡単に
計算でき実用的である。
【0043】なお、以上の説明では、放射線照射による
被写体の画像を正確に得ることを例にとり説明したが、
放射線源1の代わりに被写体を照明する光源を用い、放
射線2次元検出器2の代わりに従来技術のアモルファス
シリコンTFT駆動2次元イメージセンサを用いて、被
写体を光撮影する装置にも本発明を適用できることは言
うまでもない。
【0044】本発明の撮影装置の特徴を以下に要約す
る。
【0045】(1)第1の時定数を検出素子の静電容量
と検出素子に接続するゲートがon状態の時の抵抗値と
の積から、第2の時定数を検出素子の静電容量と検出素
子に接続するゲートがoff状態の時の抵抗値との積か
らそれぞれ求めること。
【0046】(2)所定の検出素子に接続するゲートを
offに、所定の検出素子の他の検出素子に接続するゲ
ートをonに設定して、2次元検出器に所定の線量の光
又は放射線を照射して第1の所定の電荷量を所定の検出
素子に蓄積し、光又は放射線の照射から所定時間間隔を
おいた後、検出素子に接続するゲートをonに設定し
て、A/D変換器により検出される電流の時間変化から
第1の時定数を、所定時間間隔に検出素子に蓄積された
第2の電荷量を求め、第1,第2の電荷量及び所定時間
間隔とから第2の時定数を求めること、所定の時間間隔
を複数通り変化させて第2の時定数を求めること。
【0047】(3)第1及び第2の時定数を記憶手段
(記憶媒体)に記憶した後からの経過時間又は2次元検
出器の使用時間を記録し、経過時間又は使用時間を用い
て、第1,第2の時定数を変更すること。
【0048】(4)第1,第2の時定数が、1本の信号
線に接続される検出素子の数の次元の行列として記憶手
段(記憶媒体)に記憶されること、撮影装置は複数の予
め定められた撮影モードを有し、行列が撮影モード毎に
記憶手段に記憶されること。
【0049】以上、本発明を実施形態(実施例)に基づ
き具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て、種々変更し得ることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0051】(1)2次元検出器を用いた撮影装置にお
いて、被写体を撮影の際に2次元検出器から読み出され
る信号電荷量を真の撮影情報に反映する電荷量に簡単に
補正することができる。
【0052】(2)2次元イメージセンサを用いた放射
線撮影装置において、放射線撮影の際に2次元イメージ
センサから読み出される信号電荷量を真の放射線情報に
反映する電荷量に簡単に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の2次元検出器を用いた撮影
装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態の1本の信号線上にN個の検出器が
配置している構成を示すブロック図である。
【図3】従来の2次元撮像装置の1つの検出器の1例の
構成を示す断面図である。
【図4】従来例の2次元撮像装置の概略構成を示すブロ
ック構成図である。
【符号の説明】
1…放射線源、2…放射線2次元検出器、3…信号処理
手段、4…記憶手段、5…被写体、6…インタフェー
ス、21-11,21-12,21-13,21-14,2
1-21,21-22,21-23,21-24,21-3
1,21-32,21-33,21-34,S1,S2
〜,Sk,〜,SN…検出素子、23,23-11,23-
12,23-13,23-14,23-21,23-22,
23-23,23-24,23-31,23-32,23-
33,23-34,23-k…TFTゲート、24,24
-1,24-2,24-3…ゲート線、25…ゲートドラ
イバ、26,26-1,26-2,26-3,26-i…信
号線、27-1,27-2,27-3,27-4,27-i
…A/D変換器、30…基板、31…PINフォトダイ
オード、32…蛍光体層、33…透明電極、34…電
極、35…絶縁体。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に光又は放射線を照射して前記被
    写体の撮影を行う撮影装置において、前記光又は放射線
    の入射量に応じた電荷量を蓄積する複数の検出素子と、
    第1の方向に配列する前記検出素子の複数に接続するゲ
    ート線と、該ゲート線の電位を制御するゲート線ドライ
    バと、第2の方向に配列する前記検出素子の複数に接続
    され、前記の蓄積された電荷量を読み出す信号線と、第
    1の端子が前記検出素子の前記電荷量が蓄積される領域
    に、第2の端子が前記信号線に、第3の端子が前記ゲー
    ト線にそれぞれ接続し、抵抗値が前記第3の端子に接続
    する前記ゲート線の電位により変化するゲートと、前記
    信号線に接続する前記検出素子に蓄積された前記電荷量
    をディジタル値として検出するA/D変換器とを有する
    2次元検出器と、前記検出素子に接続された前記ゲート
    のオン(on)時の第1の時定数及びオフ(off)時
    の第2の時定数を記憶する記憶手段と、前記検出素子か
    ら読み出された前記電荷量を、前記記憶手段に記憶され
    た前記第1及び第2の時定数を用いて、前記検出素子に
    入射した光量又は放射線量を求める手段とを有すること
    を特徴とする撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮影装置において、前
    記第1の時定数を前記検出素子の静電容量と前記検出素
    子に接続する前記ゲートがオン(on)状態の時の抵抗
    値との積から、前記第2の時定数を前記検出素子の静電
    容量と前記検出素子に接続する前記ゲートがオフ(of
    f)状態の時の抵抗値との積からそれぞれ求める手段を
    有することを特徴とする撮影装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の撮影装置において、所
    定の前記検出素子に接続する前記ゲートをオフ(of
    f)に、前記所定の検出素子の他の前記検出素子に接続
    する前記ゲートをオン(on)に設定して、前記2次元
    検出器に所定の線量の前記光又は放射線を照射して第1
    の所定の電荷量を前記所定の検出素子に蓄積し、前記光
    又は放射線の照射から所定時間間隔をおいた後、前記検
    出素子に接続する前記ゲートをオン(on)に設定し
    て、前記A/D変換器により検出される電流の時間変化
    から前記第1の時定数を前記所定時間間隔に前記検出素
    子に蓄積された第2の電荷量を求め、前記第1の電荷
    量、第2の電荷量及び前記所定時間間隔とから前記第2
    の時定数を求める手段を有することを特徴とする撮影装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の撮影装置において、前
    記所定の時間間隔を複数通り変化させて第2の時定数を
    求める手段を有することを特徴とする撮影装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の撮影装置において,前
    記第1及び第2の時定数を前記記憶手段に記憶した後か
    らの経過時間又は前記2次元検出器の使用時間を記録
    し、前記経過時間又は前記使用時間を用いて、前記第1
    の時定数及び第2の時定数を変更する手段を有すること
    を特徴とする撮影装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の撮影装置において、前
    記第1の時定数及び第2の時定数が、1本の前記信号線
    に接続される前記検出素子の数の次元の行列として前記
    記憶手段に記憶されることを特徴とする撮影装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の撮影装置において、前
    記撮影装置は複数の予め定められた撮影モードを有し、
    前記行列が前記撮影モード毎に前記記憶手段に記憶され
    る手段を有することを特徴とする撮影装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4784340A (en) * 1986-07-02 1988-11-15 Taurus Gumiipari Vallalat Apparatus for communition of organic matters
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JP2016019243A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 株式会社リコー 撮像装置、画像読取装置及び画像形成装置

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