JPWO2010070765A1 - グロメット - Google Patents
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Abstract
挿通部材(80)の抜け荷重を低減させずに挿入荷重を低減できるグロメット(10)を提供する。脚部(84)と脚部(84)の先端部(86)が拡径した頭部(82)とを有する挿通部材(80)は、グロメット(10)の本体部(12)の一端部(14)側から挿通穴(40)に挿通されて、グロメット(10)を介在させて被挿通部材(90)に取り付けられる。本体部(12)の外周面(18)に形成された溝部(30)よりも一端部(14)側において、挿通穴(40)の径(φb)は、頭部(82)の径(φa)以上である。溝部(30)よりも他端部(16)側において、グロメット(10)は、挿通穴(40)の径(φc)が頭部(82)の径(φa)よりも小さくかつ脚部(84)の径(φh)以上である小径部(24)を有する。
Description
本発明は、グロメットに関し、特に、被挿通部材に形成された開口部に係合し、開口部に挿通される挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットに関する。
従来のグロメットの形状は、たとえば特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載されている。特開2006−188964号公報(特許文献1)では、エンジンを覆うエンジンカバーをエンジン部品に取り付ける取付構造において、エンジン部材に形成された取付部の径と、筒状のグロメットに形成された孔の径とを規定して、取付作業効率を向上させた例が開示されている。
特開2006−188964号公報
特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載のグロメットでは、グロメットの剛性が低い場合、グロメットに形成された孔に取付部(挿通部材)を挿通するときのグロメットの変形量が大きくなり、グロメットが挿通部材を押圧する荷重が大きくなる。その結果、挿通部材を孔へ挿通するときに必要となる荷重(本明細書中では挿入荷重と称する)が大きくなり、組付け作業性が悪いという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、挿通部材がグロメットから抜けようとするときに要する荷重(抜け荷重と称する)を低減させずに、挿通部材をグロメットへ挿入するときの挿入荷重のみを低減させることのできる、グロメットを提供することである。
本発明に係るグロメットは、被挿通部材に形成された開口部の周縁部に係合し、開口部に挿通される挿通部材と被挿通部材との間に介在して挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットであって、本体部を備える。本体部には、挿通部材が挿通される挿通穴が形成されている。本体部の外周面には、周縁部と係合してグロメットを被挿通部材に取り付ける係合部が形成されている。挿通部材は、脚部と、脚部の先端部が拡径した頭部とを有する。挿通部材は、本体部の一端部側から挿通穴に挿通されて、被挿通部材に取り付けられる。係合部よりも一端部側において、挿通穴の径は、頭部の径以上である。係合部よりも一端部と反対側の端部である他端部側において、グロメットは、小径部を有する。小径部における挿通穴の径は、頭部の径よりも小さく、かつ、脚部の径以上である。
上記グロメットにおいて好ましくは、一端部から他端部へ向けて挿通穴の径が漸次縮小する縮径部を有する。挿通穴は、縮径部において挿通部材の頭部の径と等しい径を有するように形成されている。
上記グロメットにおいて好ましくは、係合部は、挿通部材を挿通穴へ挿通するとき被挿通部材と面接触するスラスト面を有する。スラスト面に対し他端部側の位置において、一端部側から挿通穴へ挿通された挿通部材が挿通穴の内壁面に当接する。
本発明のグロメットによると、グロメットに対する挿通部材の挿入荷重を低減させ、挿通部材をグロメットに挿し込みやすくすることができる。そのため、作業者が挿通部材を挿通穴へ押し込むことによって容易に挿通部材を被挿通部材に取り付けることができ、挿通部材の組付け作業性を向上できる。かつ、グロメットに対する挿通部材の抜け荷重を増大させ、挿通部材をグロメットから抜けにくくすることができる。したがって、挿通穴から挿通部材が外れ、挿通部材が取り付けられた部品が脱落する不具合の発生を抑制することができる。
10,110 グロメット、12,112 本体部、14,114 一端部、16,116 他端部、18,118 外周面、20 第一フランジ部、22 第二フランジ部、24,124 小径部、26,126 縮径部、27,127 内壁面、30 溝部、32,34,132 スラスト面、40,140 挿通穴、80,180 挿通部材、82,182 頭部、84,184 脚部、86 先端部、90,190 被挿通部材、92,192 開口部、94 周縁部、130 フランジ部、194 溝部。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1のグロメット10は、ゴム材料に代表される弾性材料により形成されている。図1に示すように、グロメット10は、本体部12を備える。本体部12の内部には、挿通穴40が形成されている。挿通穴40は、中心軸Oを中心とした線対称に形成されている。本体部12は、挿通穴40と中心軸Oを共通する、筒状に形成されている。中心軸Oの延びる方向(軸方向)における一方の方向をDR1方向と称し、他方の方向をDR2方向と称する。図1中に矢印で示すように、図中右側に向く方向をDR1方向とし、図中左側に向く方向をDR2方向とする。
図1は、本発明の実施の形態1に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1のグロメット10は、ゴム材料に代表される弾性材料により形成されている。図1に示すように、グロメット10は、本体部12を備える。本体部12の内部には、挿通穴40が形成されている。挿通穴40は、中心軸Oを中心とした線対称に形成されている。本体部12は、挿通穴40と中心軸Oを共通する、筒状に形成されている。中心軸Oの延びる方向(軸方向)における一方の方向をDR1方向と称し、他方の方向をDR2方向と称する。図1中に矢印で示すように、図中右側に向く方向をDR1方向とし、図中左側に向く方向をDR2方向とする。
中心軸Oに沿って延びる筒状の本体部12の、DR2方向側の端部を一端部14側と称し、一端部14と反対側のDR1方向側の端部を他端部16側と称する。挿通部材80を被挿通部材90に取り付ける際、挿通部材80は、一端部14側から挿通穴40に挿通される。本体部12は、本体部12の一端部14側に形成された、第一フランジ部20を含む。本体部12はまた、一端部14の他端部16側に形成された、第二フランジ部22を含む。
本体部12の外周面18には、周方向に沿う溝部30が形成されている。溝部30は、軸方向における第一フランジ部20と第二フランジ部22との間において、外周面18に形成されている。溝部30は、本体部12の外周面18の一部が細長く窪み、外周面18の周方向に延びるように形成されている。第一フランジ部20および第二フランジ部22は、溝部30によって軸方向に隔てられている。第一フランジ部20および第二フランジ部22は、溝部30に対し筒状の本体部12の径方向外側に張り出した、鍔形状に形成されている。
挿通部材80は、グロメット10の本体部12に形成された挿通穴40に挿通される。挿通部材80は、相対的に大径の頭部82と、相対的に小径の脚部84とを有する。頭部82は、脚部84の先端部86が拡径して形成されている。挿通部材80は、頭部82側から挿通穴40の内部に挿入される。挿通部材80は、たとえば樹脂材料や金属材料などの、剛性が大きく変形しにくい硬質の材料により形成されている。
グロメット10が取り付けられる被挿通部材90には、開口部92が形成されている。被挿通部材90に形成された開口部92の周縁部94は、グロメット10の本体部12に形成された溝部30の内部に係合している。周縁部94と溝部30との係合によって、グロメット10は被挿通部材90に取り付けられている。溝部30は、開口部92の周縁部94と係合してグロメット10を被挿通部材90に取り付ける、係合部の一例である。
第一フランジ部20は、溝部30に対して相対的に大径に形成されている。第一フランジ部20の他端部16側のスラスト面32は、被挿通部材90と対向する。本体部12の外周面18は円筒面を形成している。本体部12の円筒状の外周面18が径方向内側に窪んで、外周面18の周方向に延びるように溝部30が形成されている。スラスト面32は、溝部30の一端部14側の壁面を形成する。溝部30は、一方の壁面としてのスラスト面32を有する。
グロメット10および挿通部材80の各部の寸法について説明する。挿通部材80の脚部84は径φhを有し、頭部82は、脚部84の径φhに対して大径の径φaを有するように形成されている。本体部12の軸方向における溝部30よりも一端部14側の領域、すなわち、本体部12が第一フランジ部20を形成している領域において、挿通穴40は、頭部82の径φa以上の径φbを有するように形成されている。挿通穴40の内壁面は、一端部14において径φbの円筒形状を形成している。当該円筒形状の高さ(つまり、軸方向における寸法)fが、第一フランジ部20の厚みd(つまり、軸方向における一端部14からスラスト面32までの距離)よりも大きくなるように、挿通穴40は形成されている。
一端部14側において挿通穴40の内壁面を形成する径φbの円筒形状に対して他端部16側において、挿通穴40の内壁面27の形状は、円錐台の側面形状を形成する。挿通穴40の内壁面が径φbの円筒形状に形成された領域よりも他端部16側において、挿通穴40の内部空間は、下底がφbの円形、上底がφcの円形である円錐台形状を形成する。この円錐台形状を形成する部分は、挿通穴40の径が一端部14側から他端部16側へ向けて漸次縮小する、縮径部26を形成する。縮径部26は概ね、本体部12の外周面18に溝部30が形成されている領域において形成されている。
本体部12は、縮径部26よりも他端部16側(つまり、溝部30よりも他端部16側)に設けられた、小径部24を有する。小径部24において、挿通穴40は、径φcを有するように形成されている。小径部24の内径φcは、頭部82の径φaよりも小さく、かつ、脚部84の径φh以上である。挿通穴40は、一端部14から他端部16へ向かって連続的に縮径している。挿通穴40は、径φbの円筒形状と径φcの小径部24との間に形成された縮径部26において、挿通部材80の頭部82の径φaと等しい径を有するように形成されている。
図1に示すグロメット10および挿通部材80の各部の寸法の関係を、数式として列挙すると、
φc<φa≦φb・・・(1)
f≧d・・・(2)
e≒g・・・(3)
のようになる。なお寸法gは、寸法eとの関係において上式(3)を満たす寸法であってもよく、または、抜け荷重を確保でき(寸法gが小さすぎると抜け荷重が小さくなることによる)、かつ、挿通穴40の内壁面において径φbの円筒形状および径φcの小径部24が滑らかにつながり得るような寸法であってもよい。
φc<φa≦φb・・・(1)
f≧d・・・(2)
e≒g・・・(3)
のようになる。なお寸法gは、寸法eとの関係において上式(3)を満たす寸法であってもよく、または、抜け荷重を確保でき(寸法gが小さすぎると抜け荷重が小さくなることによる)、かつ、挿通穴40の内壁面において径φbの円筒形状および径φcの小径部24が滑らかにつながり得るような寸法であってもよい。
以上のような構成を有する実施の形態1のグロメット10の挿通穴40に、一端部14側から挿通部材80を挿通して、グロメット10を介在させて挿通部材80を被挿通部材90に取り付ける場合の動作について説明する。図2は、挿通部材80を一端部14側から挿通穴40内へ挿通した状態を示す断面模式図である。図3は、挿通部材80を一端部14側から挿通穴40内へ挿通したとき挿通部材80およびグロメット10間に作用する荷重およびモーメントの関係について示す模式図である。
図2中の白抜き矢印に示すように、グロメット10に形成された挿通穴40の内部へ、一端部14側から挿通部材80を移動させる。挿通穴40の一端部14側の内部空間、すなわち挿通穴40の径φbが頭部82の径φa以上である領域では、挿通部材80の頭部82は挿通穴40の内壁面に非接触または内壁面に対して滑らかに摺動可能である。そのため、当該領域では、挿通部材80の挿入荷重は比較的小さい。
一端部14側から挿通穴40に挿通される挿通部材80の頭部82は、挿通穴40の径が漸次縮小する縮径部26において、挿通穴40の内壁面27に接触する。このとき、挿通部材80からグロメット10に対して、図3に示すように、DR1方向に作用する力F1が加えられる。挿通部材80を挿通穴40へ挿通するとき、挿通部材80によってグロメット10はDR1方向へ押圧され、グロメット10は被挿通部材90に対し軸方向に相対移動して、被挿通部材90の表面とスラスト面32とが面接触する。
図2に示すように、一端部14側から挿通穴40へ挿通された挿通部材80が挿通穴40の内壁面27に当接する点を、点P1とする。また、被挿通部材90に形成された開口部92の周縁部94とグロメット10のスラスト面32とが接触する点を、点P2とする。式(1)および式(2)より、軸方向における点P1の位置は、スラスト面32に対し他端部16側である。そのため、力F1の作用によって、点P2まわりにモーメントM1が発生する。図3に示すように、中心軸Oに対し図上側のグロメット10に対して、モーメントM1は、点P2回りにグロメット10を反時計回り方向へ回転させる向きに作用する。一方、中心軸Oに対し図下側のグロメット10に対して、モーメントM1は、点P2回りにグロメット10を時計回り方向へ回転させる向きに作用する。
モーメントM1の作用によって、第二フランジ部22が中心軸Oから離れる方向へ移動するように、グロメット10が変形する。このグロメット10の変形によって、挿通穴40の径が拡大する。小径部24において、グロメット10の変形前の挿通穴40の径はφcであるのに対し、図4に示すように、グロメット10の変形後の挿通穴40の径は、φcよりも大きいφc1となっている。なお図4は、モーメントM1の作用によって変形したグロメット10を示す断面模式図である。
グロメット10の変形によって、挿通部材80に対し挿通部材80の進行方向(すなわちDR1方向)側に位置する、挿通穴40の径が拡大する。そのため、グロメット10から挿通部材80に対して作用する力F2(図3参照)が減少する。したがって、一端部14側から他端部16側へ向かう挿通部材80の移動に対する抵抗が減少する。すなわち、グロメット10に対する挿通部材80の挿入荷重を低減することができるので、挿通部材80をグロメット10に挿し込みやすくすることができる。その結果、作業者が挿通部材80を挿通穴40へ押し込むことによって容易に挿通部材80を被挿通部材90に取り付けることができ、挿通部材80の組付け作業性を向上できる。
従来のグロメットでは、挿通部材をグロメットへ挿し込む挿通方向(すなわち挿通穴の中心軸の延びる軸方向)について、グロメットおよび挿通部材の寸法は特に規定されていなかった。そのため、挿通部材の挿通時に挿通穴が縮径するようにグロメットが変形し、挿入荷重が増加する場合があった。これに対し、本実施の形態のグロメット10では、挿通部材80の挿通方向におけるグロメット10の寸法(寸法dおよびf)が規定されている。これにより、挿通部材80の挿通時に、挿通穴40を拡径させ挿入荷重を低減する向きにグロメット10を変形させ、挿通部材80の組付け性を向上させることを可能としている。
次に、グロメット10の挿通穴40に挿通部材80が他端部16側から入り込み、グロメット10から挿通部材80が抜けようとした場合の動作について説明する。図5は、挿通部材80が他端部16側から挿通穴40内へ入り込もうとする状態を示す断面模式図である。図6は、挿通部材80が他端部16側から挿通穴40内へ入り込もうとするとき挿通部材80およびグロメット10間に作用する荷重およびモーメントの関係について示す模式図である。
図5では、挿通部材80の頭部82が挿通穴40を貫通してグロメット10の他端部16側へ到達し、取付部としての挿通部材80を有している部品を被挿通部材90に取り付けた状態が図示されている。被挿通部材90と、被挿通部材90の開口部92に挿通される挿通部材80との間にグロメット10が介在して、挿通部材80および挿通部材80を取付部として有している部品が、被挿通部材90に取り付けられている。
この状態において、図5中の白抜き矢印に示すように、挿通部材80が他端部16側から挿通穴40内へ入り込みグロメット10から抜けようとする場合、小径部24の径φcよりも大きな径φaを有する頭部82が、グロメット10と接触する。頭部82は、挿通穴40の他端部16側の周縁部に位置する点P3において、グロメット10と接触する。
このとき、挿通部材80からグロメット10に対して、図6に示すように、DR2方向に作用する力F3が加えられる。挿通部材80がグロメット10から抜けようとして挿通穴40内へ進入しようとするとき、挿通部材80によってグロメット10はDR2方向へ押圧されて、被挿通部材90と図5に示すスラスト面34とが面接触する。スラスト面34は、第二フランジ部22の一端部14側のスラスト面である。
図5に示すように、他端部16側から挿通穴40へ入り込もうとする挿通部材80がグロメット10に当接する点P3の位置は、スラスト面34に対し他端部16側である。そのため、力F3の作用によって、被挿通部材90に形成された開口部92の周縁部94とグロメット10のスラスト面34とが接触する点P4まわりに、モーメントM2が作用する。図6に示すように、中心軸Oに対し図上側のグロメット10に対して、モーメントM2は、点P4回りにグロメット10を時計回り方向へ回転させる向きに作用する。一方中心軸Oに対し図下側のグロメット10に対して、モーメントM2は、点P4回りにグロメット10を反時計回り方向へ回転させる向きに作用する。
モーメントM2の作用によって、第二フランジ部22が中心軸Oへ近接する方向へ移動するように、グロメット10が変形する。このグロメット10の変形によって、挿通穴40の径が縮小する。小径部24において、グロメット10の変形前の挿通穴40の径はφcであるのに対し、図7に示すように、グロメット10の変形後の挿通穴40の径は、φcよりも小さいφc2となっている。なお図7は、モーメントM2の作用によって変形したグロメット10を示す断面模式図である。
このように、他端部16側から挿通穴40に入り込もうとする挿通部材80を巻き込むようにグロメット10が変形し、挿通部材80の進行方向に位置する挿通穴40の径が縮小することにより、グロメット10から挿通部材80に対して作用する力F4(図6参照)が増加する。したがって、他端部16側から一端部14側へ向かう挿通部材80の移動に対する抵抗が増加する。すなわち、グロメット10に対する挿通部材80の抜け荷重を増大させることができる。その結果、挿通部材80をグロメット10から抜けにくくすることができ、挿通穴40から挿通部材80が外れることを抑制することができる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。挿通穴40の形状は、実施の形態1で説明した形状に限られるものではない。たとえば図8に示すように、円錐面形状の内壁面を有する挿通穴40が本体部12に形成されており、グロメット10の一端部14側から他端部16側へ向かって等しい割合で径が連続的に単調減少する形状を有する挿通穴40が形成されていてもよい。
図8は、実施の形態2に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。挿通穴40の形状は、実施の形態1で説明した形状に限られるものではない。たとえば図8に示すように、円錐面形状の内壁面を有する挿通穴40が本体部12に形成されており、グロメット10の一端部14側から他端部16側へ向かって等しい割合で径が連続的に単調減少する形状を有する挿通穴40が形成されていてもよい。
実施の形態1と同様に、一端部14側における挿通穴40の周縁部が、頭部82の径φaよりも大きい径φbを有する円により形成されるように、かつ、他端部16側の小径部24における挿通穴40の径φcが、頭部82の径φaよりも小さく脚部84の径φh以上であるように、実施の形態2の挿通穴40を形成することができる。実施の形態2の挿通穴40は、その軸方向における全長において、一端部14から他端部16へ向けて径が漸次縮小する縮径部26を形成している。挿通穴40は、縮径部26において頭部82の径と等しい径φaを有するように形成されている。
ここで、軸方向における、グロメット10の一端部14から挿通穴40の径がφaとなる位置までの距離f1が、一端部14からスラスト面32までの距離d以上となるように、挿通穴40は形成されている。また挿通穴40は、他端部16側における周縁部が、頭部82の径φaよりも小さい径φcを有するように形成されている。
このようにすれば、図3および図6を参照して説明した挿通部材80とグロメット10との間に作用する力(F1〜F4)およびモーメント(M1〜M2)の作用によって、グロメット10に対する挿通部材80の挿入荷重を低減させ、挿通部材80をグロメット10に挿し込みやすくすることができる。かつ、グロメット10に対する挿通部材80の抜け荷重を増大させ、挿通部材80をグロメット10から抜けにくくすることができる。
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1のグロメット10と比較して、実施の形態3のグロメット10は、挿通穴40の一端部14側の周縁部にテーパ部42が形成されており、一端部14側の挿通穴40の径がφbよりも大径となっている点で異なっている。
図9は、実施の形態3に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1のグロメット10と比較して、実施の形態3のグロメット10は、挿通穴40の一端部14側の周縁部にテーパ部42が形成されており、一端部14側の挿通穴40の径がφbよりも大径となっている点で異なっている。
挿通穴40の一端部14側に形成された円筒形状部分の径φbが頭部82の径φaと等しい、またはφbがφaに対してわずかに大きいように挿通穴40が形成されていると、挿通部材80を挿通穴40へ挿入しにくく作業性が悪化する場合がある。これに対し、実施の形態3の挿通穴40のように、テーパ部42を設け、一端部14側の周縁部の径がφbよりもさらに大きくなるように挿通穴40を形成することにより、挿通穴40へ挿通部材80をより容易に挿通させることができる。つまり、挿通部材80の挿通穴40内部への挿し込み作業性をより向上させることができるので、作業者が挿通部材80をより容易に被挿通部材90に取り付けることができる。
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態2のグロメット10と比較して、実施の形態4のグロメット10は、実施の形態3同様に挿通穴40の一端部14側の周縁部にテーパ部42が形成されており、一端部14側の挿通穴40の径がφbよりも大径となっている点で異なっている。
図10は、実施の形態4に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態2のグロメット10と比較して、実施の形態4のグロメット10は、実施の形態3同様に挿通穴40の一端部14側の周縁部にテーパ部42が形成されており、一端部14側の挿通穴40の径がφbよりも大径となっている点で異なっている。
このように挿通穴40を形成することにより、実施の形態2のグロメット10に対して、挿通穴40へ挿通部材80をより容易に挿通させることができる。つまり、挿通部材80の挿通穴40内部への挿し込み作業性をより向上させることができるので、作業者が挿通部材80をより容易に被挿通部材90に取り付けることができる。
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係るグロメット110の構成を示す断面模式図である。実施の形態1〜4の説明においては、グロメット10に形成された挿通穴40が一端部14側から他端部16側へ向けて連続的に縮径しており、また、本体部12の外周面18に溝部30が形成され、溝部30の内部に被挿通部材90の開口部92の周縁部94が係合している例について説明した。本発明のグロメット10はこのような構成に限られるものではない。つまり、グロメット10に形成された挿通穴40は、連続的に縮径していなくてもよい。また、グロメット10が被挿通部材90と係合する係合部は、溝部30に限られるものではなく、軸方向と直交する挿通穴40の径方向外側の外周面において、係合部が形成されていればよい。
図11は、実施の形態5に係るグロメット110の構成を示す断面模式図である。実施の形態1〜4の説明においては、グロメット10に形成された挿通穴40が一端部14側から他端部16側へ向けて連続的に縮径しており、また、本体部12の外周面18に溝部30が形成され、溝部30の内部に被挿通部材90の開口部92の周縁部94が係合している例について説明した。本発明のグロメット10はこのような構成に限られるものではない。つまり、グロメット10に形成された挿通穴40は、連続的に縮径していなくてもよい。また、グロメット10が被挿通部材90と係合する係合部は、溝部30に限られるものではなく、軸方向と直交する挿通穴40の径方向外側の外周面において、係合部が形成されていればよい。
具体的には、図11に示すように、実施の形態5のグロメット110は、内部に挿通穴140が形成された本体部112を備える。挿通穴40は、中心軸Oを中心とした線対称に形成されている。本体部112は、挿通穴140と中心軸Oを共通する、筒状に形成されている。本体部112は、その筒状の径方向外側に張り出すように形成された鍔形状のフランジ部130を含む。
グロメット110が取り付けられる被挿通部材190には、開口部192が形成されている。被挿通部材190に形成された開口部192には、溝部194が形成されている。溝部194は、開口部192の内周面の一部が細長く窪み、当該内周面の周方向に延びるように形成されている。溝部194の内部にフランジ部130が係合することにより、グロメット110は被挿通部材190に取り付けられている。フランジ部130は、開口部192と係合してグロメット110を被挿通部材190に取り付ける、係合部の一例である。
フランジ部130の他端部116側のスラスト面132は、被挿通部材190と対向する。本体部112の外周面118は円筒面を形成しており、円筒状の外周面118が径方向外側に突出して周方向に延びるようにフランジ部130が形成されている。フランジ部130は、他端部116側の壁面を形成するスラスト面132を有する。
このような構成を有する実施の形態5のグロメット110、および挿通部材180の各部の寸法は、実施の形態1と同様に規定されている。つまり、挿通部材180の頭部182は、脚部184の径φhに対して大径の径φaを有するように形成されている。本体部112の軸方向におけるフランジ部130よりも一端部114側の領域およびフランジ部130を形成する領域において、挿通穴140の径φbは、頭部182の径φa以上である。挿通穴140の内壁面は、一端部114において径φbの円筒形状を形成している。当該円筒形状の高さ(つまり、軸方向における寸法)fが、軸方向における一端部114からスラスト面132までの距離dよりも大きくなるように、挿通穴140は形成されている。
一端部114側において、挿通穴140の内壁面は、径φbの円筒形状に形成されている。この径φbの円筒形状に対し他端部116側において、挿通穴140の内壁面127の形状は、円錐台の側面形状を形成している。挿通穴140の内壁面が径φbの円筒形状に形成された領域よりも他端部116側において、挿通穴140の内部空間は、下底がφbの円形、上底がφcの円形である円錐台形状を形成する。この円錐台形状を形成する部分は、縮径部126を形成する。縮径部126において、挿通穴140の径は、一端部114側から他端部116側へ向けて漸次縮小する。縮径部126は、本体部112の外周面118にフランジ部130が形成されている領域よりも他端部116側において形成されている。
本体部112は、縮径部126よりも他端部116側(つまり、フランジ部130のスラスト面132よりも他端部116側)において、小径部124を有する。小径部124における挿通穴140の径φcは、頭部182の径φaよりも小さく、かつ、脚部184の径φh以上である。
挿通穴40は、他端部116側の周縁部において、径が拡大されている。小径部124に対し他端部116側の挿通穴40は、拡径部128を形成する。拡径部128は、小径部124の径φcよりも大きな径を有する。すなわち、実施の形態5の挿通穴140は、一端部114から他端部116へ向かって連続的に縮径しておらず、小径部124に対して他端部116側に形成された拡径部128は、小径部124に対し相対的に大きな径を有している。
このようにすれば、実施の形態1と同様に、挿通部材180とグロメット110との間に作用する力およびモーメント(図3および図6を参照して説明した力F1〜F4およびモーメントM1〜M2)の作用によって、グロメット110に対する挿通部材180の挿入荷重を低減させ、挿通部材180をグロメット110に挿し込みやすくすることができる。かつ、グロメット110に対する挿通部材180の抜け荷重を増大させ、挿通部材180をグロメット110から抜けにくくすることができる。
(実施の形態6)
図12は、実施の形態6に係るグロメット10の構成を示す斜視図である。実施の形態1〜5においては、グロメット10の本体部12に1つの挿通穴40が形成されており、グロメット10の本体部12は挿通穴40の中心軸Oに対して対称な筒状に形成されている例について説明したが、1つのグロメット10に挿通穴40が複数形成されていてもよく、その場合本体部12は中心軸Oに対して対称でなくてもよい。図12には、略円筒形状の2つの部材が接合部13において接合されて本体部12が形成され、当該略円筒形状の部材の各々に挿通穴40が形成されている例が示されている。
図12は、実施の形態6に係るグロメット10の構成を示す斜視図である。実施の形態1〜5においては、グロメット10の本体部12に1つの挿通穴40が形成されており、グロメット10の本体部12は挿通穴40の中心軸Oに対して対称な筒状に形成されている例について説明したが、1つのグロメット10に挿通穴40が複数形成されていてもよく、その場合本体部12は中心軸Oに対して対称でなくてもよい。図12には、略円筒形状の2つの部材が接合部13において接合されて本体部12が形成され、当該略円筒形状の部材の各々に挿通穴40が形成されている例が示されている。
このように構成された実施の形態6のグロメット10を使用した場合でも、挿通穴40の形状を実施の形態1と同様に規定することにより、グロメット10に対する挿通部材80の挿入荷重を低減させ、かつ、グロメット10に対する挿通部材80の抜け荷重を増大させることができる。
(実施の形態7)
図13は、実施の形態7に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1〜6においては、グロメット10に形成された挿通穴40が軸方向に本体部12を貫通している例について説明したが、挿通穴40は本体部12を軸方向に貫通しなくてもよい。図13には、挿通穴40の他端部16側においてグロメット10の内部に空間19が形成されており、挿通穴40はグロメット10を軸方向に貫通していない例が示されている。
図13は、実施の形態7に係るグロメット10の構成を示す断面模式図である。実施の形態1〜6においては、グロメット10に形成された挿通穴40が軸方向に本体部12を貫通している例について説明したが、挿通穴40は本体部12を軸方向に貫通しなくてもよい。図13には、挿通穴40の他端部16側においてグロメット10の内部に空間19が形成されており、挿通穴40はグロメット10を軸方向に貫通していない例が示されている。
このように構成された実施の形態7のグロメット10を使用した場合でも、挿通穴40の形状を実施の形態1と同様に規定することにより、グロメット10に対する挿通部材80の挿入荷重を低減させ、かつ、グロメット10に対する挿通部材80の抜け荷重を増大させることができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、たとえば防音カバーの蓋を防音カバー本体に取り付けるために使用されるグロメットなど、車両に搭載される機器や部品の取り付け時に使用されるグロメットに、特に有利に適用され得る。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、グロメットに関し、特に、被挿通部材に形成された開口部に係合し、開口部に挿通される挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットに関する。
背景技術
[0002]
従来のグロメットの形状は、たとえば特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載されている。特開2006−188964号公報(特許文献1)では、エンジンを覆うエンジンカバーをエンジン部品に取り付ける取付構造において、エンジン部材に形成された取付部の径と、筒状のグロメットに形成された孔の径とを規定して、取付作業効率を向上させた例が開示されている。
特許文献1:特開2006−188964号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0003]
特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載のグロメットでは、グロメットの剛性が低い場合、グロメットに形成された孔に取付部(挿通部材)を挿通するときのグロメットの変形量が大きくなり、グロメットが挿通部材を押圧する荷重が大きくなる。その結果、挿通部材を孔へ挿通するときに必要となる荷重(本明細書中では挿入荷重と称する)が大きくなり、組付け作業性が悪いという問題があった。
[0004]
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、挿通部材がグロメットから抜けようとするときに要する荷重(抜け荷重と称する)を低減させずに、挿通部材をグロメットへ挿入するときの挿入荷重のみを低減させることのできる、グロメットを提供することである。
課題を解決するための手段
[0005]
本発明に係るグロメットは、被挿通部材に形成された開口部の周縁部に係合し、開口部に挿通される挿通部材と被挿通部材との間に介在して挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットであって、筒状の本体部を備える。本体部には、挿通部材が挿通され
技術分野
[0001]
本発明は、グロメットに関し、特に、被挿通部材に形成された開口部に係合し、開口部に挿通される挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットに関する。
背景技術
[0002]
従来のグロメットの形状は、たとえば特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載されている。特開2006−188964号公報(特許文献1)では、エンジンを覆うエンジンカバーをエンジン部品に取り付ける取付構造において、エンジン部材に形成された取付部の径と、筒状のグロメットに形成された孔の径とを規定して、取付作業効率を向上させた例が開示されている。
特許文献1:特開2006−188964号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0003]
特開2006−188964号公報(特許文献1)に記載のグロメットでは、グロメットの剛性が低い場合、グロメットに形成された孔に取付部(挿通部材)を挿通するときのグロメットの変形量が大きくなり、グロメットが挿通部材を押圧する荷重が大きくなる。その結果、挿通部材を孔へ挿通するときに必要となる荷重(本明細書中では挿入荷重と称する)が大きくなり、組付け作業性が悪いという問題があった。
[0004]
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、挿通部材がグロメットから抜けようとするときに要する荷重(抜け荷重と称する)を低減させずに、挿通部材をグロメットへ挿入するときの挿入荷重のみを低減させることのできる、グロメットを提供することである。
課題を解決するための手段
[0005]
本発明に係るグロメットは、被挿通部材に形成された開口部の周縁部に係合し、開口部に挿通される挿通部材と被挿通部材との間に介在して挿通部材を被挿通部材に取り付けるグロメットであって、筒状の本体部を備える。本体部には、挿通部材が挿通され
【0002】
る挿通穴が形成されている。本体部は、一端部において本体部の径方向外側に張り出した鍔形状の第一フランジ部と、一端部と反対側の端部である他端部において本体部の径方向外側に張り出した鍔形状の第二フランジ部とを含む。本体部の外周面には、軸方向における第一フランジ部と第二フランジ部との間において外周面の周方向に沿って外周面の一部が細長く窪んだ、周縁部と係合してグロメットを被挿通部材に取り付ける溝部が形成されている。第一フランジ部は、他端部側にスラスト面を有する。第二フランジ部は、一端部側に他のスラスト面を有する。挿通部材は、脚部と、脚部の先端部が拡径した頭部とを有する。挿通部材は、本体部の一端部側から挿通穴に挿通されて、被挿通部材に取り付けられる。溝部よりも一端部側において、挿通穴の径は、頭部の径以上である。溝部よりも他端部側において、グロメットは、小径部を有する。小径部における挿通穴の径は、頭部の径よりも小さく、かつ、脚部の径以上である。挿通部材を一端部側から挿通穴へ挿通するとき、スラスト面に対し他端部側の位置において挿通部材は挿通穴の内壁面に当接し、スラスト面は被挿通部材と面接触し、第二フランジ部は挿通穴の径が拡大するように変形する。挿通部材がグロメットから抜けようとするとき、挿通部材は他端部に当接し、他のスラスト面は被挿通部材と面接触し、第二フランジ部は挿通穴の径が縮小するように変形する。
[0006]
上記グロメットにおいて好ましくは、一端部から他端部へ向けて挿通穴の径が漸次縮小する縮径部を有する。挿通穴は、縮径部において挿通部材の頭部の径と等しい径を有するように形成されている。
[0007]
発明の効果
[0008]
本発明のグロメットによると、グロメットに対する挿通部材の挿入荷重を低減させ、挿通部材をグロメットに挿し込みやすくすることができる。そのため、作業者が挿通部材を挿通穴へ押し込むことによって容易に挿通部材を被挿通部材に取り付けることができ、挿通部材の組付け作業性を向上できる。かつ、グロメットに対する挿通部材の抜け荷重を増大させ、挿通部材をグロメットから抜けにくくすることができる。したがって、挿通穴から挿通部材が外れ、挿通部材が取り付けられた部品が脱落する不具合の発生を抑制することができる。
図面の簡単な説明
[0009]
[図1]本発明の実施の形態1に係るグロメットの構成を示す断面模式図である。
[図2]挿通部材を一端部側から挿通穴内へ挿通した状態を示す断面模式図である。
[図3]挿通部材を一端部側から挿通穴内へ挿通したとき挿通部材およびグロメット間に作用する荷重およびモーメントの関係について示す模式図である。
[図4]モーメントM1の作用によって変形したグロメットを示す断面模式図である。
[図5]挿通部材が他端部側から挿通穴内へ入り込もうとする状態を示す断面模式図
る挿通穴が形成されている。本体部は、一端部において本体部の径方向外側に張り出した鍔形状の第一フランジ部と、一端部と反対側の端部である他端部において本体部の径方向外側に張り出した鍔形状の第二フランジ部とを含む。本体部の外周面には、軸方向における第一フランジ部と第二フランジ部との間において外周面の周方向に沿って外周面の一部が細長く窪んだ、周縁部と係合してグロメットを被挿通部材に取り付ける溝部が形成されている。第一フランジ部は、他端部側にスラスト面を有する。第二フランジ部は、一端部側に他のスラスト面を有する。挿通部材は、脚部と、脚部の先端部が拡径した頭部とを有する。挿通部材は、本体部の一端部側から挿通穴に挿通されて、被挿通部材に取り付けられる。溝部よりも一端部側において、挿通穴の径は、頭部の径以上である。溝部よりも他端部側において、グロメットは、小径部を有する。小径部における挿通穴の径は、頭部の径よりも小さく、かつ、脚部の径以上である。挿通部材を一端部側から挿通穴へ挿通するとき、スラスト面に対し他端部側の位置において挿通部材は挿通穴の内壁面に当接し、スラスト面は被挿通部材と面接触し、第二フランジ部は挿通穴の径が拡大するように変形する。挿通部材がグロメットから抜けようとするとき、挿通部材は他端部に当接し、他のスラスト面は被挿通部材と面接触し、第二フランジ部は挿通穴の径が縮小するように変形する。
[0006]
上記グロメットにおいて好ましくは、一端部から他端部へ向けて挿通穴の径が漸次縮小する縮径部を有する。挿通穴は、縮径部において挿通部材の頭部の径と等しい径を有するように形成されている。
[0007]
発明の効果
[0008]
本発明のグロメットによると、グロメットに対する挿通部材の挿入荷重を低減させ、挿通部材をグロメットに挿し込みやすくすることができる。そのため、作業者が挿通部材を挿通穴へ押し込むことによって容易に挿通部材を被挿通部材に取り付けることができ、挿通部材の組付け作業性を向上できる。かつ、グロメットに対する挿通部材の抜け荷重を増大させ、挿通部材をグロメットから抜けにくくすることができる。したがって、挿通穴から挿通部材が外れ、挿通部材が取り付けられた部品が脱落する不具合の発生を抑制することができる。
図面の簡単な説明
[0009]
[図1]本発明の実施の形態1に係るグロメットの構成を示す断面模式図である。
[図2]挿通部材を一端部側から挿通穴内へ挿通した状態を示す断面模式図である。
[図3]挿通部材を一端部側から挿通穴内へ挿通したとき挿通部材およびグロメット間に作用する荷重およびモーメントの関係について示す模式図である。
[図4]モーメントM1の作用によって変形したグロメットを示す断面模式図である。
[図5]挿通部材が他端部側から挿通穴内へ入り込もうとする状態を示す断面模式図
Claims (3)
- 被挿通部材(90)に形成された開口部(92)の周縁部(94)に係合し、前記開口部(92)に挿通される挿通部材(80)と前記被挿通部材(90)との間に介在して前記挿通部材(80)を前記被挿通部材(90)に取り付けるグロメット(10)において、
前記挿通部材(80)が挿通される挿通穴(40)が形成された本体部(12)を備え、
前記本体部(12)の外周面(18)には、前記周縁部(94)と係合して前記グロメット(10)を前記被挿通部材(90)に取り付ける係合部(30)が形成されており、
脚部(84)と前記脚部(84)の先端部(86)が拡径した頭部(82)とを有する前記挿通部材(80)は、前記本体部(12)の一端部(14)側から前記挿通穴(40)に挿通されて前記被挿通部材(90)に取り付けられるものであって、
前記係合部(30)よりも前記一端部(14)側において、前記挿通穴(40)の径(φb)は、前記頭部(82)の径(φa)以上であり、
前記係合部(30)よりも前記一端部(14)と反対側の端部である他端部(16)側において、前記挿通穴(40)の径(φc)が前記頭部(82)の径(φa)よりも小さくかつ前記脚部(84)の径(φh)以上である小径部(24)を有する、グロメット(10)。 - 前記一端部(14)から前記他端部(16)へ向けて前記挿通穴(40)の径が漸次縮小する縮径部(26)を有し、
前記挿通穴(40)は、前記縮径部(26)において前記頭部(82)の径(φa)と等しい径を有するように形成されている、請求の範囲第1項に記載のグロメット(10)。 - 前記係合部(30)は、前記挿通部材(80)を前記挿通穴(40)へ挿通するとき前記被挿通部材(90)と面接触するスラスト面(32)を有し、
前記スラスト面(32)に対し前記他端部(16)側の位置において、前記一端部(14)側から前記挿通穴(40)へ挿通された前記挿通部材(80)が前記挿通穴(40)の内壁面(27)に当接する、請求の範囲第1項に記載のグロメット(10)。
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