JPWO2010041558A1 - 酸化物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カルシウム化合物とアルミニウム化合物の組み合わせ、またはカルシウムとアルミニウムを含む化合物を、酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比が9:10〜14:5となる範囲で原料とし、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm3以上である酸化物を製造する方法であって、前記原料を900〜1300℃で加熱保持し、カルシウムアルミネート、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムの群より選ばれる少なくとも一つの酸化物を含む仮焼粉を製造する工程と、前記仮焼粉を、酸素分圧が1000Pa以下の不活性ガス雰囲気中または真空雰囲気中の還元雰囲気下で、1200℃以上1415℃未満で加熱保持する工程を含む酸化物の製造方法に関する。

Description

本発明は、導電性マイエナイト型化合物を含む酸化物の製造方法に関する。
マイエナイト型化合物は12CaO・7Al (以下C12A7と記す。)なる代表組成を有し、三次元的に連結された、直径約0.4nmの空隙(ケージ)を有する特徴的な結晶構造を持つ。このケージを構成する骨格は正電荷を帯びており、単位格子当たり12個のケージを形成する。このケージの1/6は、結晶の電気的中性条件を満たすため、酸素イオンによって占められているが、この酸素イオンは、骨格を構成する他の酸素イオンとは化学的に異なる特性を持つことから、特に、フリー酸素イオンと呼ばれている。このことから、C12A7結晶は、[Ca 24 Al2864 4+ ・2O2− と表記される(非特許文献1参照)。
C12A7結晶の粉末あるいはその焼結体は、還元雰囲気中で熱処理することによってケージの中に電子を包接させて、永続的な導電性を室温で付与することができる(特許文献1)。この包接された電子はケージに緩く束縛されていて、結晶中を自由に動くことができるので、マイエナイト型化合物に導電性が付与される。
しかしながら、従来は最初に1300℃で6時間保持してC12A7構造だけの結晶粉を製造し、その後に還元処理を施すことにより、導電性マイエナイト型化合物を得るため高価な設備、複雑な反応条件の制御や、長時間の反応時間が必要であった(特許文献2参照)。
日本国特開2005−000741号公報 国際公開第2006/129675号パンフレット(米国公開第2008−095688号公報)
F.M.Lea and C.H.Desch,The Chemistry of Cement and Concrete,2nd ed.,p.52,Edward Arnold & Co.,London,1956.
本発明の目的は、従来技術が有する上述の問題点を解消することにある。すなわち従来技術では、C12A7構造だけの結晶粉を製造した後に還元処理を施すことにより、導電性マイエナイト型化合物のみを製造するため、高価な設備、複雑な反応条件の制御や、長時間の反応時間が必要であった。
本発明は、カルシウム化合物とアルミニウム化合物の組み合わせ、またはカルシウムとアルミニウムを含む化合物を、酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比が9:10〜14:5となる範囲で原料とし、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm以上である酸化物を製造する方法であって、
前記原料を900〜1300℃で加熱保持し、カルシウムアルミネート、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムの群より選ばれる少なくとも一つの酸化物を含む仮焼粉を製造する工程と、
前記仮焼粉を、酸素分圧が1000Pa以下の不活性ガス雰囲気中または真空雰囲気中の還元雰囲気下で、1200℃以上1415℃未満で加熱保持する工程
を含む酸化物の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、高価な設備、複雑な反応条件の制御や、長時間の反応時間を要さずに、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm以上である酸化物を、短時間の熱処理で効率良く大量に製造することができる。
本発明の製造方法によれば、仮焼粉を還元雰囲気で熱処理することにより、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm以上である酸化物を、長時間を要する工程や、工業的に実現が難しい特殊な処理条件を要することなく、安定して製造することができる。
本発明では、カルシウム化合物とアルミニウム化合物の組み合わせ、またはカルシウムとアルミニウムを含む化合物が原料として挙げられる。前記原料は、具体的には下記の(1)〜(5)であることが好ましい。下記(1)〜(4)の混合物は均一に混合されていることが好ましく、混合には自動乳鉢やボールミルなどが用いられる。
(1)カルシウム化合物とアルミニウム化合物との混合物
(2)カルシウム化合物とカルシウムアルミネートの混合物
(3)アルミニウム化合物とカルシウムアルミネートの混合物
(4)カルシウム化合物、アルミニウム化合物およびカルシウムアルミネートの混合物
(5)カルシウムアルミネート
前記原料に用いられるカルシウム化合物は、上記(1)、(2)または(4)の混合物を900〜1300℃で加熱保持し、少なくともカルシウムアルミネート、酸化カルシウムのいずれかを含む仮焼粉を製造できる化合物であればよい。具体的には、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、ハロゲン化カルシウムなどが挙げられる。
これらのカルシウム化合物の中でも、炭酸カルシウム、酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むカルシウム化合物を前記原料に用いることが好ましい。
前記原料に用いられるアルミニウム化合物は、上記(1)、(3)または(4)の混合物を900〜1300℃で加熱保持し、少なくともカルシウムアルミネート、酸化アルミニウムのいずれかを含む仮焼粉を製造できる化合物であればよい。具体的には、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ハロゲン化アルミニウムなどが挙げられる。これらのアルミニウム化合物の中でも、水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含むアルミニウム化合物を前記原料に用いることが好ましい。
前記原料に用いられる上記(5)カルシウムアルミネートは、酸化カルシウムと酸化アルミニウムとが一定の割合で含まれる化合物である。具体的には、C12A7、3CaO・Al(以下C3Aと記す。)、CaO・Al(以下CAと記す。)や5CaO・3Al(以下C5A3と記す。)などのカルシウムとアルミニウムを含む化合物である。
本発明において、マイエナイト型化合物とは、12CaO・7Alの結晶をいう。本発明におけるマイエナイト型化合物としては、C12A7結晶格子の骨格と骨格により形成されるケージ構造が保持される範囲で、ケージ中のフリー酸素イオンの一部ないし全部が他の陰イオンに置換された同型化合物であってもよい。他の陰イオンとしては、例えば、H、H2−、OH、F、Cl、S2−などの陰イオンが挙げられる。なお、C12A7はCa12Al1433またはCa24Al2866と表記されることがある。マイエナイト型化合物は、何らかの処理により、ケージ中の酸素が電子に置換されて、導電性マイエナイト型化合物になる。
本発明における酸化物の電子密度は1×1018/cm以上である。酸化物の電子密度が1×1018/cm以上であると、2次電子放出係数が大きくなるなど電子放出特性が向上するからである。本発明の酸化物は、マイエナイト型化合物のケージ中のフリー酸素イオンの少なくとも一部が電子に置換された導電性マイエナイト型化合物を含有している。導電性マイエナイト型化合物を含むことにより、前記酸化物の電子密度を1×1018/cm以上とすることができる。前記酸化物には、C12A7以外に、C3AやCAのようなカルシウムアルミネートを含有していてもよい。
本発明における導電性マイエナイト型化合物の導電率は、電子密度が1×1018/cmのときに0.1S/cmであるため、0.1S/cm以上であり、1.0S/cm以上であることが好ましい。導電率の最大値としては、単結晶では1000S/cm程度が可能である。
2次電子放出係数の観点からは、本発明の酸化物の電子密度は1×1019/cm以上であることが好ましい。本発明における酸化物は、導電性を付与し得るC12A7結晶の単相であることがより好ましい。これは、C12A7結晶単相であると高い電子密度の酸化物を得ることが容易になり、2次電子放出係数を高くできるからである。特に、すべてのフリー酸素イオンが電子で置換されたC12A7の単相であると、電子密度は2.3×1021/cmとなり好ましい。
前記酸化物中に含まれる導電性マイエナイト型化合物の量は、前記酸化物の電子密度が1×1018/cm以上になるような量の導電性マイエナイト型化合物を含んでいれば良い。例えば、前記酸化物が、電子密度が1×1020/cmである導電性マイエナイト型化合物を含む場合は、前記酸化物中に導電性マイエナイト型化合物を1体積%以上含有していれば良い。前記導電性マイエナイト型化合物を1体積%以上含有していれば、前記酸化物の電子密度が1×1018/cm以上となるからである。さらには、前記酸化物中に導電性マイエナイト型化合物を30体積%以上、特に50体積%以上含有していることが好ましい。
本発明では、前記原料を900〜1300℃で加熱保持し仮焼粉を製造する。前記原料を900〜1300℃で加熱保持すると、固相反応による焼結が進むため、製造途中で発生する中間反応物は、粉末が凝集した状態、塊状、または両者の混合物のいずれかになっている。そのため、この凝集した粉末をほぐす、すなわち解砕するか、または焼結した塊を砕く、すなわち粉砕することにより仮焼粉が製造できる。この解砕または粉砕に用いられる方法としては自動乳鉢、ボールミルなど挙げられる。焼結した反応物の平均粒径が5mm程度以下であると、自動乳鉢を用いて解砕、または粉砕することができ容易に仮焼粉を得ることができるので、中間反応物の平均粒径は5mm程度以下であることが好ましい。得られた仮焼粉の平均粒径は5〜100μmであればよい。
本発明の酸化物の製造方法では、仮焼粉を1200℃以上1415℃未満で加熱保持(以下本焼成という。)を行う前に、さらに細かく粉砕してもよい。この粉砕に用いる方法としては、循環式ビーズミルなどが使用可能である。仮焼粉をさらに細かく粉砕することよって、仮焼粉の均質性を高め、本焼成で固相反応が進みやすくすることができる。このように微粉砕された仮焼粉の平均粒径は0.5〜50μmが好ましい。微粉砕された仮焼粉の平均粒径が0.5μm未満では凝集し易くなり、取り扱いが難しくなる。また、50μm超では本焼成を行うときに固相反応が進み難くなり、マイエナイト型化合物を製造するのに長時間を要する可能性がある。前記微粉砕された仮焼粉の平均粒径はレーザ回折散乱法を用いて測定した数値である。
仮焼粉の組成としては、具体的には、下記の(1)〜(3)の酸化物の混合物が例示されるが、これらに限定されない。
(1)少なくともC3AまたはCAのいずれかを含むカルシウムアルミネートと、酸化カルシウムまたは酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含む混合物。
(2)酸化カルシウムと酸化アルミニウムとの混合物。
(3)少なくともC3AまたはCAのいずれかを含むカルシウムアルミネートと他の組成のカルシウムアルミネートとの混合物。
カルシウムアルミネートには、C3AまたはCAと異なるモル比の結晶が混在しても良い。
本発明において、炭酸カルシウムを含む原料を用いて仮焼粉を製造する場合には、加熱温度が900℃未満では炭酸カルシウムから生じる炭酸ガスが残存し、酸化カルシウムと酸化アルミニウムの固相反応が進みにくくなるため仮焼粉の均質性が悪くなるおそれがある。さらに、炭酸カルシウムが残存した状態で本焼成の熱処理温度まで急昇温させると、炭酸ガスが急激に放出され、炭素製坩堝の内壁が著しく破損するおそれがある。破損した炭素製坩堝は使用できる回数が少なくなるため、交換頻度が高くなり効率的に本発明の酸化物を製造することができなくなるおそれがある。
また、急激な炭酸ガスの放出を防ぐため、炭酸カルシウムから炭酸ガスが放出される温度域を徐々に昇温させて、炭素製坩堝の破損を防ぐこともできるが、本焼成の時間が長くなるため、効率的に酸化物を製造できなくなるおそれがある。加熱温度が1300℃超では焼結体の焼結が進むため著しく固くなり粉砕性が悪くなるため、粉砕に長時間を要し効率的に酸化物が製造できなくなる。よって、炭酸カルシウムを含む原料を用いて仮焼粉を製造する場合には、加熱温度は、950〜1250℃であることが好ましい。
前記原料を900〜1300℃で加熱保持する時間は、特に限定されないが、1〜6時間が均質性を維持し、高い生産性を確保するため好ましい。1時間未満では固相反応が充分進まず均質性が悪くなり、6時間超では固相反応が充分進んでいるため生産性を考慮すると好ましくないからである。好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1.5〜3時間である。
本発明の原料は、カルシウム化合物とアルミニウム化合物の組み合わせ、またはカルシウムとアルミニウムを含む化合物を、酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で9:10〜14:5含んでいる。
前記モル比が9:10未満、または14:5を超えると、前記原料からマイエナイト型化合物は形成され得るが、形成されるマイエナイト型化合物の量が極めて少ないため、本発明の酸化物の電子密度が1×1018/cm未満となるおそれがあり好ましくない。酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比が、11:8〜13:6、特に11.8:7.2〜12.2:6.8であることが好ましい。
本発明では、仮焼粉を、酸素分圧が1000Pa以下の不活性ガス雰囲気中または真空雰囲気中の還元雰囲気下で本焼成を行う。本焼成では、仮焼粉の酸化物の少なくとも一部がマイエナイト型化合物となると共に、還元雰囲気下で熱処理を行うためマイエナイト型化合物のケージ中のフリー酸素が電子に置換され、導電性マイエナイト型化合物を含む酸化物が得られる。
還元雰囲気下での本焼成は、閉鎖系の電気炉を用いて、雰囲気中に酸素や水蒸気の分圧が低くされた窒素などの前記原料と反応しないガスを流して、酸素分圧を10Paあるいはそれ以下にまで低下させて、おこなわれる。
本焼成での酸素分圧が1000Paを超えると、高温下で、導電性マイエナイト型化合物が雰囲気中の酸素を取り込んで、ケージ中の電子がフリー酸素イオンに置換される反応が進行し、得られるマイエナイト型化合物の導電性が低下する。酸素分圧は10Pa以下が好ましく、10 −1 Pa以下がさらに好ましい。
また、本焼成での酸素分圧は、10 −11 Paを超えて低くしても、熱処理コストが嵩む一方、得られる導電性マイエナイト型化合物の導電率は改善されないので、10−11 Pa以上とすることが好ましい。
酸素分圧を1000Pa以下とする方法としては、酸素ガスを含まない種々の不活性ガス、例えば窒素ガス、アルゴン等の希ガスなどの雰囲気や、真空などが好ましく例示される。前記仮焼粉に、還元剤としてアルミニウムなどの窒化され易い成分を含む場合は、不活性ガスとして窒素ガスを用いると、前記仮焼粉が還元剤の窒化により、所望の導電性マイエナイト型化合物が得られないおそれがある。その場合は、アルゴン等の希ガスの雰囲気中または真空中で本焼成をおこなうことが好ましい。
仮焼粉を還元雰囲気において熱処理するために、還元雰囲気が、炭素製坩堝に仮焼粉を入れて密閉すること、および還元剤を用いることの少なくとも一方により形成されることが好ましい。還元剤を用いる場合、仮焼粉に還元剤の粉末を含有させて還元剤粉末含有仮焼粉とすることにより、本焼成を行うことが好ましい。なお、還元剤は、炭素材料であることが好ましく、還元剤である炭素材料を含有させた仮焼粉(炭素材料粉末含有仮焼粉)を作製した後、本焼成を行うことが好ましい。また、炭素製坩堝に仮焼粉を入れて密閉するときに、炭素製の蓋で密閉すると還元雰囲気になりやすいため、密閉に炭素製の蓋を用いることが好ましい。
この熱処理を行うときに、蓋付炭素製坩堝の中にさらに蓋付炭素製坩堝を入れた構造の二重炭素製坩堝を使用してもよい。二重炭素製坩堝を用いると坩堝内の酸素分圧が下げられるために好ましく用いることができる。
還元剤である炭素材料を含有しない仮焼粉の場合には炭素製坩堝との接触部分が還元されやすく、炭素材料粉末含有仮焼粉の場合は炭素材料粉末との接触部分が還元されやすい。いずれの場合にも、マイエナイト型化合物は接触する炭素または炭素材料の周囲からケージ中の酸素が電子に置換されて、導電性マイエナイト型化合物になる。
本焼成の時間は、炭素製坩堝の大きさや仮焼粉の量によって異なる。例えば、炭素製坩堝の大きさが、内径50mm、深さ50mmの場合、仮焼粉が3gならば、概ね3時間以内で仮焼粉を導電性マイエナイト型化合物とすることができる。また、炭素材料粉末含有仮焼粉が3gの場合には、概ね2時間程度で、炭素材料粉末含有仮焼粉を導電性マイエナイト型化合物とすることができる。
炭素材料粉末含有仮焼粉中の炭素材料は粉末状態で仮焼粉に均質に含有させることにより、より還元雰囲気となるため、短時間でケージ中の電子を増やすことができ、電子密度を増加させ導電性を高くする効果があり好ましい。また、粉末状態の炭素は焼結を阻害する効果もあり、仮焼粉全体が均質に還元されるため、炭素材料粉末含有仮焼粉を用いることは、導電性マイエナイト型化合物を含む酸化物を大量に効率的よく製造するために適した方法であり好ましい。
前記炭素材料粉末含有仮焼粉は、前記仮焼粉と粉末状の炭素材料とを混合することによって得られる。前記仮焼粉と粉末状の炭素材料とを混合するときには、湿式で混合してもよいし、一般に均質に混ざり難いとされる乾式で混合させても十分に焼結抑制効果および還元効果を得ることができる。
炭素材料としては、炭素同素体、アセチリド化合物、共有結合性またはイオン性の金属炭化物および炭化水素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。炭素同素体としては、無定形炭素、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素同素体を用いることができる。炭化物としては、各種の金属炭化物やアセチリド化合物や、炭化水素化合物を用いることができる。
金属炭化物とは炭素と金属の化合物であり、具体的には炭化カルシウムが挙げられる。アセチリド化合物とはアセチレンの水素の一方、或いは双方を金属で置換した炭化物の総称であり、前記金属炭化物はその一種である。炭化水素化合物とは炭素と水素でできた化合物の総称である。
前記炭素材料粉末含有仮焼粉の炭素材料粉末の含有量は、仮焼粉100質量部に対して0.1〜1.0質量部が好ましい。0.1質量部未満では焼結抑制効果が不十分となり、1.0質量部を超えると焼結抑制効果はあるが、マイエナイト型結晶が合成し難くなり、カルシウムアルミネートが多くなるため、酸化物の電子密度が充分に高くならないおそれがある。
前記仮焼粉または、前記炭素材料粉末含有仮焼粉を還元雰囲気で熱処理する本焼成の温度が1200℃未満では、マイエナイト型化合物が炭素または炭素材料では十分に還元されないため導電性マイエナイト型化合物が十分には製造できない。このため電子密度が1×1018/cm以上である酸化物を効果的に得ることができない。
本焼成の温度が1200〜1270℃の範囲では、製造されるマイエナイト型化合物の量は酸化物中の30体積%未満で、主としてCAを含むカルシウムアルミネートが析出する。また、1200〜1270℃の温度範囲では炭素坩堝および/または炭素材料による還元効果が充分に得られず、マイエナイト型化合物の電子密度は1〜5×1018/cm程度となる。本焼成の温度が1200〜1270℃の範囲では、電子密度が1×1019/cm以上である酸化物を得ることは難しい。
導電性を付与できるC12A7結晶の単相とすると、電子密度が1×1018/cm以上である酸化物が得られやすいため、C12A7結晶の単相を得るためには1270℃以上で本焼成を行うことが好ましい。1415℃を超えるとマイエナイト型化合物の融点である1415℃を超えてしまい、C12A7結晶が壊れるため好ましくない。このため1400℃以下で加熱保持することがさらに好ましい。
C12A7結晶のケージ中のすべてのフリー酸素が電子に置換されると融点が100℃程度下がるため、1300℃〜1350℃で本焼成を行うことが高い電子密度の酸化物を得るために特に好ましい。
本焼成の昇温速度は50℃/時間以上が好ましく、より好ましくは200℃/時間以上である。昇温速度が50℃/時間未満であると、熱処理に長時間を要して生産性が低下する。
本焼成後の冷却速度は、50℃/時間以上とするのが好ましい。冷却速度が50℃/時間未満であると、熱処理に要する時間が長いため生産性が低下する。また、真空中では冷却過程で導電性マイエナイト型化合物のケージ中の電子が放出されることがあり、冷却速度が50℃/時間未満であると酸化物の導電性が低下するおそれがあるため好ましくない。このため、冷却速度は200〜500℃/時間であることがより好ましい。本焼成後の冷却方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気で冷却してもよいし、空冷してもよいが、水冷などの冷却設備を備えた加熱処理炉を用いて、冷却速度が200〜500℃/時間で急冷させることが好ましい。
以上説明したように、本発明の製造方法を用いると、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm以上となる酸化物を、大量かつ効率的に製造することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の説明に限定されない。例1〜9は実施例、例10〜15は比較例である。
[例1]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で12:7となるように、炭酸カルシウム62.7gと酸化アルミニウム37.3gとを混合したのち、空気中で昇温速度を300℃/時間で1100℃まで昇温して2時間保持した。冷却速度を300℃/時間で室温まで温度を下げたところ、固相反応による焼結はほとんど進んでおらず、凝集した粉末72gを得た。
凝集した粉末の平均粒径は100μm以下であり、自動乳鉢を用いて容易に解砕することができ仮焼粉を得た。得られた仮焼粉はX線回折を用いて調べた結果、カルシウムアルミネート、酸化カルシウム、酸化アルミニウムの混合物であった。仮焼粉の平均粒径をレーザ回折散乱法(SALD−2100、島津製作所社製)で測定をしたところ、平均粒径は20μmであった。
得られた仮焼粉3gを外径50mm、内径40mm、高さ50mmの炭素製坩堝に入れて炭素製の蓋で閉じ、酸素分圧が10−3Paの真空雰囲気で1300℃まで急昇温させた後、1300℃で2時間保持し、その後室温まで300℃/時間で冷却させた。熱処理後に2.9gの酸化物が得られ、得られた酸化物は暗緑色をしており、X線回折によりC12A7構造だけであることが分かった。また、光拡散反射スペクトルからクベルカムンク法により求められた酸化物の電子密度は1.0×1020/cm、導電率は8.8S/cmであり、導電性マイエナイト型化合物であることが分かった。
[例2]
仮焼粉を1250℃に2時間保持した以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であり、この酸化物の電子密度は5.0×1018/cm、導電率は0.2S/cmであった。
[例3]
仮焼粉を1400℃に2時間保持した以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であり、この酸化物の電子密度は6×1019/cm、導電率は5.3S/cmであった。
[例4]
空気中で1000℃まで昇温して2時間保持し仮焼粉を製造した以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であり、この酸化物の電子密度は1.9×1020/cm、導電率は16.7S/cmであった。
[例5]
仮焼粉にグラファイト炭素材料粉末を、仮焼粉100質量部に対して、0.1質量部混合させた、炭素材料粉末含有仮焼粉を用いた以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であり、この酸化物の電子密度は1.3×1019/cm、導電率は11.4S/cmであった。
[例6]
仮焼粉にグラファイト炭素材料粉末を、仮焼粉100質量部に対して、1.0質量部混合させた炭素材料粉末含有仮焼粉を用いた以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であり、この酸化物の電子密度は2.1×1019/cm、導電率は18.5S/cmであった。
[例7]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で10:9となるように、炭酸カルシウム52.2gと酸化アルミニウム47.8gとを混合したのち、空気中で昇温速度を300℃/時間で1100℃まで昇温して2時間保持した。冷却速度を300℃/時間で室温まで温度を下げたところ、固相反応による焼結はほとんど進んでおらず、凝集した粉末77gを得た。凝集した粉末の平均粒径は100μm以下であり、自動乳鉢を用いて容易に解砕することができ仮焼粉を得た。得られた仮焼粉はX線回折を用いて調べた結果、カルシウムアルミネート、酸化カルシウム、酸化アルミニウムの混合物であった。仮焼粉の平均粒径をレーザ回折散乱法(SALD−2100、島津製作所社製)で測定をしたところ、平均粒径は20μmであった。
得られた仮焼粉3gを外径50mm、内径40mm、高さ50mmの炭素製坩堝に入れて炭素製の蓋で閉じ、酸素分圧が0.06Paの窒素雰囲気下で、1350℃まで300℃/時間で昇温させた後、1350℃で2時間保持し、その後室温まで300℃/時間で冷却させた。2.9gの酸化物が得られ、得られた酸化物の析出結晶は主としてCAであったが、C12A7も含まれていた。この酸化物の電子密度は3.0×1018/cm、導電率は0.1S/cmであった。
[例8]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で13.5:5.5となるように、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムとを混合して仮焼粉を製造した以外は、例7と同様にして酸化物を製造した。酸化物の析出結晶は主としてC3Aであったが、C12A7も含まれていた。電子密度は1.2×1018/cm、導電率は0.1S/cmであった。
[例9]
出発原料としてセメントクリンカーを用いた。セメントクリンカーとはセメントの原料である、石灰石、粘土、珪酸原料、酸化鉄等を焼成窯で1500℃程度まで昇温焼成し急冷したもので、5〜10cm程度の塊である。ゆえにセメントクリンカーは、カルシウムとアルミニウムを含む化合物と言える。前記セメントクリンカーのカルシウムとアルミニウムの比は酸化物換算で、12.3:6.7であった。
前記セメントクリンカーを粉砕し粉末化した、セメントクリンカー粉末を用いた以外は例1と同様にして酸化物を製造した。酸化物中の析出結晶は主としてC12A7であったが、珪酸化合物などの異相を含んでいた。この酸化物の電子密度は6.0×1018/cm、導電率は0.5S/cmであった。
[例10]
仮焼粉を1150℃に2時間保持した以外は例1と同様にして酸化物を製造した。この酸化物はC12A7単相であったが、この酸化物の電子密度は1.0×1014/cm、導電率は4.0×10−4S/cmであった。
[例11]
仮焼粉を300℃/時間で1450℃まで昇温させて、2時間保持し、室温まで300℃/時間で冷却させた以外は例1と同様にして酸化物を製造した。酸化物中の析出結晶は主としてC12A7あったが、C3AとCAも含まれていた。電子密度は1.0×1019/cm、導電率は0.4S/cmであった。
仮焼粉の熱処理温度がマイエナイト型化合物の融点を超えているため融解し、融解した仮焼粉が炭素製坩堝に融着し、坩堝を破壊しなければ焼結体を採取することができなかった。さらに焼結体は著しく固くなっており、粉砕するにはスタンプミルを使用する必要があり、量産性に欠けていた。
[例12]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で8:11となるように、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムとを調合して仮焼粉を製造した以外は例7と同様にして導電性マイエナイト型化合物を含む酸化物を製造した。酸化物中の析出結晶は主としてCAとC3Aであり、C12A7はほとんど存在しなかった。電子密度は5.0×1017/cm、導電率は測定不能であった。
[例13]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で14.5:4.5となるように、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムとを調合した以外は、例7と同様にして導電性マイエナイト型化合物を含む酸化物を製造した。酸化物中の析出結晶は主としてC3AとCAであり、C12A7はほとんど存在しなかった。電子密度は1.0×1017/cm、導電率は1.6×10−3S/cmであった。
[例14]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で12:7となるように、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムを混合したのち、空気中で昇温速度を300℃/時間で1350℃まで昇温して6時間保持した。冷却速度を300℃/時間で室温まで温度を下げて焼結体を得た。
1350℃、6時間の熱処理では原料の焼結が著しく進行しており、得られた焼結体は全て塊状の反応物となっていた。この塊状の反応物を直接自動乳鉢で粉砕することは困難であったため、スタンプミルで塊状の反応物の平均粒径が5mm程度になるまで砕いた後、自動乳鉢を用いて細かく粉砕した。この製造方法では得られた塊状の反応物を粉砕するための工程が複雑になり長時間を要するため大量に製造するには不向きであった。
[例15]
酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比で12:7となるように、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムを混合したのち、空気中で昇温速度を300℃/時間で850℃まで昇温して2時間保持した。冷却速度を300℃/時間で室温まで温度を下げた粉体を、自動乳鉢を用いて解砕し仮焼粉を得た。得られた仮焼粉はX線回折を用いて調べた結果、主として炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの混合状態であった。
仮焼粉3gを外径50mm、内径40mm、高さ50mmの炭素製坩堝に入れて、炭素製の蓋で閉じ、酸素分圧が0.06Paの窒素雰囲気下で、1300℃まで急昇温させた後、1300℃で2時間保持し、その後室温まで急冷却させた。炭酸カルシウムから炭酸ガスの放出が898℃で急激に起こるため、炭素製坩堝の内壁が著しく破損していた。炭素製坩堝の使用回数が著しく少なくなり、大量の酸化物を効率的に製造することはできなかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2008年10月6日出願の日本特許出願2008−259781に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の製造方法によれば、導電性が大きい導電性マイエナイトを含む酸化物を、安定してかつ低コストで大量に製造することができる。本発明の方法により製造された酸化物は、電子放出特性が優れているので、電界効果型の電子放出材料として用いることができるため、電子放出装置、表示装置、あるいは小型のX線源が実現される。また、仕事関数が小さいため、有機ELデバイスにおける電荷注入材料など、特殊な接合特性が要求される電極材料としても用いることができる。

Claims (6)

  1. カルシウム化合物とアルミニウム化合物の組み合わせ、またはカルシウムとアルミニウムを含む化合物を、酸化物換算した酸化カルシウムと酸化アルミニウムのモル比が9:10〜14:5となる範囲で原料とし、導電性マイエナイト型化合物を含み、電子密度が1×1018/cm以上である酸化物を製造する方法であって、
    前記原料を900〜1300℃で加熱保持し、カルシウムアルミネート、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムの群より選ばれる少なくとも一つの酸化物を含む仮焼粉を製造する工程と、
    前記仮焼粉を、酸素分圧が1000Pa以下の不活性ガス雰囲気中または真空雰囲気中の還元雰囲気下で、1200℃以上1415℃未満で加熱保持する工程
    を含む酸化物の製造方法。
  2. 前記カルシウム化合物が、炭酸カルシウム、酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むカルシウム化合物であり、前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの少なくとも1つを含むアルミニウム化合物である請求項1に記載の酸化物の製造方法。
  3. 前記還元雰囲気が、炭素製坩堝に仮焼粉を入れて密閉すること、および還元剤を用いることの少なくとも一方により形成される請求項1または2に記載の酸化物の製造方法。
  4. 前記還元剤が、炭素材料である請求項3に記載の酸化物の製造方法。
  5. 前記炭素材料が、炭素同素体、アセチリド化合物、共有結合性またはイオン性の金属炭化物および炭化水素化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の酸化物の製造方法。
  6. 前記酸化物の電子密度が1×1019/cm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の酸化物の製造方法。
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