JP7161648B2 - ドロマイトを原料としたマイエナイトーマグネシアコンポジットの創製 - Google Patents

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本発明は、天然鉱物である安価なドロマイトを原料としたマイエナイト-マグネシアコンポシットを合成する方法に関するものである。
マイエナイトはセメント鉱物の一種で、代表的な組成は、12CaO・7Al である。Caの一部はK、Na、Li、Mg、Sr,Baなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属で、またAlの一部はSi、Geなどの金属元素で置換することができる。マイエナイト型化合物結晶は、正電荷を帯びたカゴ型構造の内部に電気的中性を保つために陰イオンまたは電子を包含することが知られている(非特許文献1~3、特許文献1参照)。このような特徴を有するマイエナイト型化合物は、電子供与体として還元性有し、抗酸化剤としての機能をもつことが知られている。還元触媒としての用途や応用研究・技術開発が進められている(非特許文献4)。さらに、コールド電子エミッター、導電体、有機EL電子注入電極、熱電変換材料、熱電子発電材料、還元剤、触媒などへの応用等多くの可能性を秘めた材料である(特許文献2、3)。
一方、天然鉱物として産出するドロマイトは炭酸カルシウムと炭酸マグネシウム系の複塩 である。その工業的な用途としては、コンクリート骨材用がほどんどを占め,鉄鋼・製錬用,道路用、ソーダ・ガラス用などに限定されており、より付加価値の高い工業製品としての用途を開拓することが求められている。これまで、石灰石を原料としたマイエナイト型化合物の合成に関する報告(非特許文献5)はあるがマグネシウムを含むドロマイトを原料としたマイエナイトの報告例はない。
特開2004-26608号公報 特許第6152381号 特開2007ー83126号公報
陳 友晴、石灰石を原料とした導電性マイエナイト型化合物の創製石灰石鉱業協会会誌 石灰石 第407号(平成29年5月) H.B.Bartl and T.Scheller,Neuses Jarhrb.Minerai,Monatsh.(1970),547 P.P.Williams,Acta Crystallogr.,Sec.B,29,1550(1973) H.Pollmann,F.Kammerer,J.Goske,J.Neubauer,Friedrich-Alexander-Univ.Erlangen-Nurnberg,Germany,ICDD Grant-in-Aid,(1994) Y.Toda,H.Hirayama,N.Kuganathan,A.Torrisi,P.V.Sushko& H.HosonoNature communications,Volume4,Article number:2378
本発明は、ドロマイト資源の有効利用を目的として、これを原料として用いたマイエナイト-マグネシアコンポジット材料の創製方法を確立することである。
本発明は、ドロマイトからマイエナイトを創製するため、ドロマイト中のマグネシウムの挙動を明らかにするとともに、出発物質の組成を調整することによりマイエナイト-マグネシアコンポジットを創製する条件を明らかにすることを最も主要な特徴とする。
本発明は、天然ドロマイトを原料として、抗酸化剤や還元触媒など多くの可能性を秘めた材料であるマイエナイトと固体塩基触媒としての特性を有するマグネシアのコンポシットを安価に供給できるとともにドロマイト資源の有効利用を図ることができるという利点がある。
図1は市販の試薬を用いた固相反応によるマイエナイトの合成結果を示した説明図である。(実施例1) 図2は市販の試薬を用いた固相反応によるマイエナイト合成における酸化マグネシウムの影響を示した説明図である。(実施例2) 図3はドロマイトにアルミナを加え、12(CaO+Mg)・7Al 組成になるように調整した出発物質を用いた合成結果を示した説明図である。(実施例3) 図4はドロマイトにアルミナを加え、12CaO・7Al +MgO組成になるように調整した出発物質を用いた合成結果を示した説明図である。(実施例4)
マイエナイトは12CaO・7Al の組成で表される。一方、ドロマイトの化学式はCa・Mg(CO である。したがって、ドロマイトからマイエナイトを創製するためには、酸化アルミニウムを添加する必要がある。さらに、ドロマイト中のマグネシウムの挙動を明らかにする必要がある。
試薬を用いた公知の方法によりマイエナイトを合成した。例えば、出発原料粉末として市販の炭酸カルシウム粉末とα-アルミナ粉末をマイエナイト組成(12CaO・7Al (以後、C 12 と表記する))になるように秤量し、YTZボールとイソプロピルアルコールと分散剤を加えて、遊星ボールミルおよびボールミルを用いて微粉砕すると同時に混合した。乾燥後、大気中電気炉内で900℃,1000℃,1100℃,1200℃の各温度で3時間保持し、冷却した。
図1はこれらの粉末X線回折図である。この結果から、炭酸カルシウム粉末とα―アルミナ粉末を原料に用いた場合、1200℃でマイエナイトが単相で得られることが判明した。
次に、ドロマイト中のCaOとMgOのモル比はおおよそ1.0:0.76であり、MgOがマイエナイト合成にどのように影響するかを確認するために、炭酸カルシウムの一部を酸化マグネシウムで置き換え、炭酸カルシウム粉末と酸化マグネシウムおよびα-アルミナ粉末を((12-x)CaO・xMgO・7Al (x=0~5))の組成になるように調整した粉末を実施例1の工程と同様に、微粉砕と混合を同時に行った。乾燥後、大気中電気炉内で900,1000,1100,1200℃の各温度で3時間保持し、冷却した。
図2にこれらの粉末を1200℃で3時間焼成した生成物のX線回折図を示す。図に示されるように、xの値(MgO)が増大するにつれて、マイエナイトの回折強度が低下し、x=0.4以上では確認出来なくなった。逆に、ペリクレース(MgO)およびCaAl (以後CAと略記)の回折強度は増大し、x=4以上においては、MgOとCAのみとなった。この結果、ペリクレースは安定な化合物であり、マイエナイト中のCaを置換して、固溶体を形成することがないことが、判明した。
ドロマイトを用いたマイエナイトの合成方法について説明する。使用するドロマイトを数マイクロメーター程度に微粉砕後、ドロマイト中の(CaO+MgO)とα-アルミナのモル比が12:7の組成になるように調整した粉末を実施例1の工程と同様に、微粉砕と混合を同時に行った。乾燥後、大気中電気炉内で900℃、950℃、1300℃、1400℃の各温度で2時間3時間保持し、冷却した。
図3に生成物のX線回折図を示す。図に示されるように、900℃でCAが生成し始め、1300℃でCAとペリクレース(MgO)となった。これは、実施例2のx=5の場合と同じ結果であった。1400℃でマイエナイトが主生成物となり、これとスピネル(MgAl とペリクレース(MgO)の回折ピークが確認された。
次に、ドロマイト中のCaOのみが反応すると仮定して、12CaO・7Al +MgO組成になるように、α-アルミナを加えて調整した粉末を実施例1の工程と同様に、微粉砕と混合を同時に行った。乾燥後、大気中電気炉内で1000℃から1200℃の各温度で3時間保持し、冷却した。
図4に焼成した試料のX線回折図を示す。1000℃から5CaO・3Al が生成し始め、1100℃からマイエナイトが生成し始める。1200℃における主生成物はマイエナイトであり、ペリクレース(MgO)は未反応のまま、残存しているのが確認された。これは、実施例3の場合に比較して200℃低い温度でスピネルの生成を伴わずにマイエナイトのみが生成することが確認された。ドロマイト中の炭酸カルシウムが全て反応し、マイエナイトになったと仮定すると、生成物中のマイエナイト含有量は約80wt%と推定され、十分な量が生成していることが判明した。
マイエナイトは結晶材料そのものの機能により触媒活性を示すため、酸化・還元触媒への用途や応用研究・技術開発が進められており、コールド電子エミッター、導電体、有機EL電子注入電極、熱電変換材料、熱電子発電材料、還元剤、酸化剤、触媒などへの応用が期待されている。触媒としての利用例としては、自動車排ガス用触媒、二酸化炭素の吸着還元剤、アンモニア合成触媒などがある。このように、有用なマイエナイトを安価な天然ドロマイトを用いて創製することは、工業的にも有用である。

Claims (1)

  1. ドロマイトを原料に用いたマイエナイト―マグネシアコンポジットの製造方法であって、下記(1)から(2)の工程を含む。
    (1)ドロマイト中のカルシウム成分に対し、アルミナをマイエナイト組成(12Ca
    Figure 0007161648000001
    (2)前記出発物質を1200℃で、3時間以上加熱する工程。
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