JPWO2009144970A1 - 反射防止膜及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、表示装置の表面で光が反射することを低減するとともに、表示装置の内部で反射する光の影響を低減する反射防止膜を提供する。本発明の反射防止膜は、隣接する頂点間の幅が可視光波長以下である微細凹凸構造を表面に有する反射防止膜であって、2枚重ね合わせた該反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角は、1.0°以上である反射防止膜であり、好ましくは、隣接する頂点間の幅が1μm以上である散乱凹凸構造を、あわせて表面に有する、又は、反射防止膜の主成分と異なる屈折率を有し、かつ1μm以上の粒径を有する散乱体を内部に含む反射防止膜である。

Description

本発明は、反射防止膜及び表示装置に関する。より詳しくは、光の反射率を低下させる反射防止膜、及び、その反射防止膜を表示面に備える表示装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)技術が目覚しく発展しており、FPDを有する大型のプラズマテレビ及び液晶テレビ(LC−TV)が一般化している。FPDは、このようにTVに応用されていることからも明らかなように、一般の家庭のリビング等、明所において多く利用されるものであり、暗室のみでなく明所においても良好な視認性が求められる。
FPDは、一般にガラスでできた基板を用いて作製される表示装置であるが、明所においては表示装置の表面において光が反射するため、その反射光によって画像が見にくくなるという課題を有している。これまでのFPDは、表面の反射を低減する方法として低反射(LR:Low Reflection)処理及び防眩(AG:Anti Glare)処理が行われてきた。LR処理とは、例えば、屈折率が1.5以下の樹脂を表示装置の表面に塗布し、更に、その樹脂の厚さを光の波長の1/4程度となるように制御することで、空気と樹脂との界面での反射と、樹脂と基板との界面での反射とを逆位相で重ねて互いに打ち消しあわせ、反射率を低減させるものである。
しかしながら、空気と樹脂との界面で起こる反射と、樹脂と基板との界面で起こる反射とでは、通常、それぞれの反射率が異なるため、これらの反射光は完全に打ち消されず、反射防止効果としては充分とはいえなかった。したがって、LR処理を行うだけでは一定の反射率で周囲光を反射するため、蛍光灯等の光源の像が表示に映りこみ、非常に見にくい表示となってしまっていた。そこで、表示装置の表面に凹凸を形成するAG処理を更に行い、光を散乱させることによって蛍光灯等の光源の像をぼかすといった処理を行う必要があった。
これに対し、近年、LR処理及びAG処理とは別の手段により明所での視認性を改善する技術として、光干渉を用いずに超反射防止効果を得ることができるモスアイ(Moth−eye:蛾の目)構造が注目されてきている。モスアイ構造は、反射防止処理を行う物品の表面に、AG処理よりも微細な、光の波長以下(例えば、400nm以下)間隔の凹凸パターンを隙間なく配列することで、外界(空気)と膜表面との境界における屈折率の変化を擬似的に連続なものとするものであり、屈折率界面に関係なく光のほぼ全てを透過させ、該物品の表面における光反射をほぼなくすことができる(例えば、特許文献1参照。)。
モスアイ構造を表示装置の表面に形成する方法としては、まず、微細な凹凸パターンを有する金型を作製し、表示装置の表面に凹凸パターン形成用の膜を形成した後、その膜表面に金型を押し当てて金型の凹凸パターンを膜表面に転写する方法(例えば、特許文献2、3、5〜7参照。)、金属膜をマスクとして膜表面に対しエッチングを行って凹凸パターンを形成する方法(例えば、特許文献4参照。)等が挙げられる。また、金型の凹凸パターンを形成する方法としては、陽極酸化及びエッチングを行う方法、電子線描画法等が挙げられる。
特表2001−517319号公報 特開2004−205990号公報 特開2004−287238号公報 特開2001−272505号公報 特開2002−286906号公報 特開2003−43203号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット
しかしながら、これら先行技術においては、表示装置表面における低反射処理にしか着目しておらず、表示装置の内部で反射する光の影響については、充分な検討がなされていない。例えば、一般的なLC−TVの場合は、アレイ基板及びカラーフィルタ(CF)基板の一対の基板と、該一対の基板に挟持された液晶層とを中心として表示装置が構成されているが、このアレイ基板には、液晶層に印加する電圧を制御するための薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)素子、及び、TFT素子に電気信号を供給するための配線が配置されることがある。TFT素子及び配線は、通常、金属で構成されるため、表示装置表面から入射し、表示装置の内部へと進行した外光は、TFT素子及び配線で反射されて表示装置表面へと向かうことになる。
また、LC−TV内には、液晶に電圧を印加するための電極として、透光性を有するITO(Indium Tin Oxide:インジウム酸化スズ)が配置されることが一般的であるが、ITOの屈折率は1.9〜2.1と、ガラス、樹脂、配向膜及び液晶分子の屈折率が約1.5であるのに対して、比較的高い値を有している。そのため、ITOとその他の部材の界面の屈折率差によって、入射角によっては、これらの界面では光が反射することになる。アレイ基板よりもCF基板が観察者側に配置されている場合には、カラーフィルタ及び偏光板の影響で反射光強度は弱められるものの、TFT素子、配線、ITO等の界面による反射率は0.5〜1.5%程度にもなる。表示装置表面に対する低反射処理としてモスアイ構造を採用したときの表示装置表面での反射率は0.15%とかなり低くなるため、反射光の映り込みの影響は表示装置内部からのものが支配的になる。
したがって、AG処理がなされた凹凸表面にモスアイ構造を形成して表面反射の像をぼかしても、表示装置内部での反射による光源の映り込みをぼかすことができていないため、視認性は低下したままである。ここで、外光がTFT素子、配線等で反射するのを防ぐため、CF基板にブラックマトリックスを配置することも考えられるが、一般にブラックマトリックスはパネル開口率を優先した設計を行うため、全てのTFT素子及び配線を覆うように設計されているわけではなく、また、アレイ基板とCF基板との貼り合わせ精度は、通常、±5μm程度であるため、全てのTFT素子及び配線を覆うことは実質的に困難である。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、表示装置の表面で光が反射することを低減するとともに、表示装置の内部で反射する光の影響を低減する反射防止膜を提供することを目的とするものである。
本発明者は、表示装置の内部で反射する光の影響を低減させる手段について種々検討したところ、表示装置の表面で光が反射することを低減する反射防止膜の構造に着目した。そして、反射防止膜に対し、反射防止膜を透過する光に対して一定の散乱性をもって出射させることができる特性(以下、透過散乱特性ともいう。)を付与することにより、表示装置の内部で反射する光を散乱させて映り込みの影響を低減させることができることを見いだした。また、本発明者は、そのとき散乱した光の透過率の分布(以下、透過散乱強度分布ともいう。)が角度依存性を有していることを見いだすとともに、このように散乱する光が反射防止膜を往復2回透過したときに、その散乱光の透過率(透過光強度)の最大値の半分を示す散乱角(以下、このような角度を半値角ともいう。)が1.0°以上であるときに、表示装置の内部における反射光による像の映りこみをぼかして視認性を改善することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、隣接する頂点間の幅が可視光波長以下である微細凹凸構造を表面に有する反射防止膜であって、2枚重ね合わせた上記反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角は、1.0°以上である反射防止膜である。
以下に本発明について詳述する。
本発明の反射防止膜は、隣接する頂点間の幅(ピッチ)が可視光波長以下である微細凹凸構造(以下、第一の凹凸構造ないしモスアイ構造ともいう。)を表面に有する。本明細書において「可視光波長以下」とは、一般的な可視光波長域の下限である400nm以下をいい、より好ましくは300nm以下であり、更に好ましくは可視光波長域の下限の1/2である200nm以下である。モスアイ構造のピッチが200nmを超えると赤の波長700nmが色付くことがあるが、ピッチを300nm以下とすることで充分にその影響は抑制され、ピッチを200nm以下とすることでほとんど全く影響を受けない。
本発明の反射防止膜は、例えば、基材平面上に薄く形成されて用いられる。反射防止膜が形成される基材としては、例えば、表示装置の最表面を構成する部材である、偏光板、アクリル保護板、偏光板表面に配置されるハードコート層、偏光板表面に配置されるアンチグレア層等が挙げられる。このように表示装置の観察面側に本発明の反射防止膜を配置することで、反射光による像の映り込みをぼかして像を目立たなくすることができる。
本発明において、2枚重ね合せた上記反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角は、1.0°以上である。2枚重ね合せた上記反射防止膜とは、本発明の反射防止膜を重ね合わせて構成される試料(サンプル)をいい、実際に本発明を用いる際には反射防止膜は重ね合わせて用いなくてよい。本発明は、反射防止膜を一度通り抜けた後に再度反射防止膜を通った光によって発生する像の映り込みを抑制するものであるため、反射防止膜を2枚重ね合わせたものを用いて反射防止膜の透過散乱強度分布の半値角を特定している。
光が本発明の反射防止膜を通り抜けると、その反射防止膜を通り抜けた光は、散乱して出射される。本明細書において散乱角とは、光が本発明の反射防止膜を通り抜けることによって散乱した分の角度をいい、「反射防止膜から光が出射したときの出射角」から「反射防止膜に対して光が入射したときの入射角」を差し引きすることで算出される。なお、本明細書において入射角及び出射角は、その光の進行方向が反射防止膜(基材)平面の法線方向に対してなす角をいう。
反射防止膜を通り抜けることによって散乱した光の透過率は、散乱角によって異なる。本発明において散乱光の透過率は、散乱角が0°のものが最も大きく、散乱角が大きくなるにつれ小さくなる。そして、散乱角が0°であるときの透過率を100としたときに、散乱光透過率がその半分の値(透過率=50)をとるときの角度(半値角)が1.0°以上、好ましくは1.5°以上であれば、たとえ表示装置の内部で光が反射したとしても、その反射光に対して充分な散乱作用を与えることができ、それによって蛍光灯、人の顔等の像の映り込みを充分にぼかすことが可能となる。
本発明の反射防止膜の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。例えば、本発明の反射防止膜が備える微細凹凸構造は、隣接する頂点間の幅(ピッチ)が可視光波長以下であることが必須とされるが、頂点から底点までの高さは可視光波長以下であってもよく、可視光波長以上であってもよい。
上記半値角は、2.8°以下であることが好ましい。上述のように透過散乱強度分布の半値角を1.0°以上とすることで、パネル内部からの反射に対して充分な散乱効果を得ることができるものの、半値角が大きすぎると全体均な明るさが際立ち、観察者にとってより平面性が意識されることになり、表示画像の立体感が失われることがある。これに対し、半値角が2.8°以下であることで、観察者が奥行き感覚を認識しやすい表示を行うことができる。
本発明の反射防止膜の第一の好ましい形態について、以下に詳しく説明する。
上記反射防止膜は、隣接する頂点間の幅が1μm以上である散乱凹凸構造(以下、第二の凹凸構造ともいう。)を、あわせて表面に有することが好ましい。すなわち本形態は、反射防止膜の表面に、頂点間の幅が可視光波長以下の周期の小さな凹凸構造(モスアイ構造)が形成されるとともに、更に、そのモスアイ構造とは別の、頂点間の幅が可視光波長以上の周期の大きな凹凸構造が形成された形態であり、このような二段階の凹凸構造とすることで、反射防止膜を透過する光の透過散乱特性を向上させ、透過散乱強度分布の半値角を精密に調整することができる。反射防止膜に対し効果的な散乱性を付与するためには、可視光波長に対して十分な大きさの周期をもつ凹凸面が形成されることが好ましく、そのような効果を得るための凹凸ピッチとしては、一般的な可視光波長の上限である750nmを充分にカバーする1μm以上、好ましくは4倍以上の3μm以上に設定する。なお、1μmとした場合には赤(R)及び青(B)の波長に対する相対長さが大きく異なることになるが、凹凸ピッチを可視光の4倍以上とすることで、赤(R)及び青(B)の波長に対するそれぞれの相対長さが、赤(R)と青(B)とで近づくことになり、より自然な色の表示を得ることができ、表示品位が向上する。
上記散乱凹凸構造は、100μmあたりの凸部の個数が60個以上であることが好ましい。本明細書において凸部とは、反射防止膜表面に形成された凹凸構造のうち、外界側に向かって伸びた先細りの構造部をいう。散乱凹凸構造の凸部の数が画素に対して少なすぎると、画素単位で輝度のばらつきが生じるため、暗室表示において表示がぎらついて見えてしまうことがあるが、面積100μmあたりの凸部の個数を60個以上に制御することにより、表示のぎらつきを効果的に抑制することができるようになる。
本発明の反射防止膜の第二の好ましい形態について、以下に詳しく説明する。
上記反射防止膜は、反射防止膜の主成分と異なる屈折率を有し、かつ1μm以上の粒径を有する散乱体を内部に含むことが好ましい。反射防止膜に対して、反射防止膜材料の主成分と異なる屈折率をもち、かつ可視光波長の上限である750nmを充分にカバーするミクロンオーダー(1μm以上)の粒径をもつ構造体を含有させることで、反射防止膜を透過する光の透過散乱特性を向上させ、透過散乱強度分布の半値角を効果的に調整することができる。ここで、本発明の反射防止膜の主成分としては、例えば、樹脂が挙げられる。中でも、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の、一定の条件下で硬化性をもつ樹脂を用いることが、高精細なモスアイ構造を形成する上で好ましい。
上記散乱体は、反射防止膜を透過する光の透過散乱特性を向上させることができる形で配置されれば、その存在形態は特に限定されないが、例えば、反射防止膜の内部に散在されて配置される形態が挙げられる。本形態において散乱体の形状は、球形、多角形、不定形等、特に限定されない。本明細書において粒径とは、散乱体の粒子のうち最も大きい部分の径をいう。このような粒径は、例えば、光学顕微鏡を用いて計測することができる。
上記散乱体は、1μm以上の距離を隔てて不規則に存在していることが好ましい。反射防止膜に対して、反射防止膜材料の主成分と異なる屈折率をもつ上記散乱体が、可視光波長の上限である750nmを充分にカバーするミクロンオーダー(1μm以上)の距離を隔てて不規則(ランダム)に含まれることで、透過散乱特性がより向上し、透過散乱強度分布の半値角をより効果的に調節することができる。本明細書において「1μm以上の距離を隔てて」とは、各散乱体の中心間の距離が1μm以上開いていることをいい、例えば、多角形、不定形であれば、その重心間の距離が1μm以上開いていることをいう。
以上、本発明の反射防止膜の第一の好ましい形態と、第二の好ましい形態とについて説明してきたが、これらは必要に応じて適宜組み合わせることができ、これらを組み合わせることで、透過散乱特性をより向上させることができ、透過散乱強度分布の半値角を調整することがより効果的となる。
本発明はまた、上記反射防止膜を表示面に備える表示装置でもある。本発明の表示装置としては、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)表示装置、液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)装置、プラズマ表示装置(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)表示装置等が挙げられる。このように、一般的に装置内部に電極、配線等の光を反射する材料が用いられる表示装置において本発明は特に好適に用いることができ、本発明の表示装置によれば、表示面(表示パネルの外側向きの面)と表示装置内部とで起こるいずれの反射に対しても、優れた低反射効果を得ることができる。
本発明の反射防止膜によれば、表面にモスアイ構造を有するとともに、2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角が1.0°以上となるように設定されているので、例えば表示装置の表面に配置したときに、表示装置の表面での光の反射を低減するとともに、表示装置の内部で反射した光を散乱させることができ、これらの反射光による光源等の表示画面への像の映り込みをぼかし、表示品位を高めることが可能となる。
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の反射防止膜の断面模式図である。図1に示すように、実施形態1の反射防止膜10の表面には、可視光波長よりも周期の小さな凹凸構造(第一の凹凸構造;モスアイ構造)13、及び、可視光波長よりも周期の大きな凹凸構造(第二の凹凸構造;散乱凹凸構造)14の二段階の凹凸構造が形成された表面層11、及び、表面層11の下層に位置する下地層12で構成されている。モスアイ構造13は反射防止膜10表面での反射を低減するための凹凸構造であり、散乱凹凸構造14は実施形態1の反射防止膜10を2枚重ね合わせたときに、2枚重ね合わせた反射防止膜10を透過する光の透過散乱強度分布の半値角を1.0°以上に調整するための凹凸構造である。すなわち、実施形態1は、透過散乱強度分布の半値角を調整する手段として、本発明の第一の好ましい形態を用いている。
<第一の凹凸構造(微細凹凸構造;モスアイ構造)>
図2は、実施形態1の反射防止膜のモスアイ構造の斜視図である。(a)はモスアイ構造の単位構造が円錐状のときを示し、(b)はモスアイ構造の単位構造が四角錐状のときを示す。図2に示すように、実施形態1の反射防止膜のモスアイ構造13の凹凸は、複数の微小な凸部21が可視光波長よりも周期の小さな繰り返し単位をもって並んで配置されているということもできる。モスアイ構造13において、凸部21の頂上部が頂点tであり、各凸部21同士が接する点が底点bである。図2に示すように、モスアイ構造13の隣接する頂点間の幅wは、凸部21の頂点tからそれぞれ垂線を同一平面上まで下ろしたときの二点間の距離で示される。また、モスアイ構造の頂点から底点までの高さhは、凸部21の頂点tから底点bの位置する平面まで垂線を下ろしたときの距離で示される。
実施形態1の反射防止膜において、モスアイ構造の隣接する頂点間の幅wは400nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下である。なお、図2においては、凸部21の単位構造として円錐及び四角錐を図示したが、実施形態1においては、頂点及び底点が形成され、かつ上記数値範囲に幅が制御された凹凸構造であれば、その単位構造は特に限定されない。また、上記幅は、実質的に全体がこのような数値範囲に制御されていればよく、一部にこれらの数値範囲に制御されていない領域があってもよい。
ここで、実施形態1の反射防止膜がモスアイ構造によって低反射を実現することができる原理について説明する。図3は、モスアイ構造が低反射を実現する原理を示す模式図である。(a)は反射防止膜の断面構造を示し、(b)は反射防止膜に入射する光の屈折率を示す。図3に示すように、実施形態1の反射防止膜が備えるモスアイ構造13は、凸部21と下地部22とで構成されている。光はある媒質から異なる媒質へ進むとき、これらの媒質界面で屈折する。屈折の程度は光が進む媒質の屈折率によって決まり、例えば、空気であれば約1.0、樹脂であれば約1.5の屈折率を有する。実施形態1においては、反射防止膜の表面に形成された凹凸構造の単位構造は錐状であり、すなわち、先端方向に向かって徐々に幅が小さくなっていく形状を有している。したがって、図3に示すように、空気層と反射防止膜との界面に位置する凸部21(X−Y間)においては、空気の屈折率である約1.0から、膜構成材料の屈折率(樹脂であれば約1.5)まで、屈折率が連続的に徐々に大きくなっているとみなすことができる。光が反射する量は媒質間の屈折率差に比例するため、このように光の屈折界面を擬似的にほぼ存在しないものとすることで、光のほとんどが反射防止膜中を通り抜けることとなり、膜表面での反射率が大きく減少することとなる。
<第二の凹凸構造(散乱凹凸構造)>
図4は、実施形態1の反射防止膜の散乱凹凸構造を拡大した斜視図である。図4に示すように、実施形態1の反射防止膜の散乱凹凸構造は、複数の微小な凸部31が可視光波長よりも周期の大きな繰り返し単位をもって並んで配置されているということもできる。散乱凹凸構造において、凸部31の頂上部が頂点Tであり、各凸部31同士が接する点が底点Bである。図4に示すように、散乱凹凸構造の隣接する頂点間の幅Wは、凸部31の頂点Tからそれぞれ垂線を同一平面上まで降ろしたときの二点間の距離で示される。
実施形態1の反射防止膜において、散乱凹凸構造の隣接する頂点間の幅Wは1μm以上、好ましくは3μm以上であり、モスアイ構造における隣接する頂点間の幅wよりもはるかに大きい。なお、図4においては、凸部の単位構造としてなだらかな山型を図示したが、実施形態1においては、頂点及び底点が形成され、かつ上記数値範囲に幅が制御された凹凸構造であれば、その単位構造は特に限定されない。また、上記幅は、実質的に全体がこのような数値範囲に制御されていればよく、一部にこれらの数値範囲に制御されていない領域があってもよい。このように反射防止膜の表面に可視光波長よりも周期の大きな散乱凹凸構造を形成することで、反射防止膜の透過散乱特性を高めることができ、上記透過散乱強度分布の半値角を容易に、かつ精密に調整することが可能となる。
実施形態1の反射防止膜の製造方法について、以下に詳述する。以下に示す製造方法では、まず、実施形態1の反射防止膜に凹凸を形成するための金型を作製し、次に、基材表面に塗布された樹脂膜の表面にその金型を押し当て、金型の凹凸形状を膜表面に転写(インプリント)し、それと同時に樹脂膜に所定の条件を加えて反射防止膜表面に転写された凹凸形状を硬化させて所定の凹凸形状を成型する。
<金型の作製>
反射防止膜の散乱凹凸構造を形成するための凹凸形状を金型の表面に形成するために、まず、金型の材料となるアルミニウム(Al)基板を用意し、その表面にあらかじめサンドブラスト処理を行い、可視光波長オーダー以上の凹凸を形成する。具体的には、無数の研摩粒を加圧空気で吹き付け、この研摩粒で接着面の異物や有機質を除去するとともに、無数の凹凸をAl表面に形成する。研摩粒としては、アルミナ、カーボランダム、アランダム、ダイヤモンド、エメリー、ざくろ石、炭化硼素、ベンガラ、酸化クロム、ガラス粉、焼成ドロマイト、無水硅酸等が挙げられ、例えば、これらを50〜2000メッシュの粒子とし、空気圧2〜15kg/cmの条件で噴射して凹凸を形成する。実施形態1の反射防止膜の散乱凹凸構造の大きさは、サンドブラスト処理に用いる粒子の径、粒子の硬度、サンドブラスト処理の時間の程度により調整することができ、これにより、上記半値角の値を制御することができる。
次に、反射防止膜のモスアイ構造を形成するための凹凸形状を金型の表面に形成する。ここでは、アルミニウムを陽極酸化することによって可視光波長オーダー以下の微小な穴(細孔)が多数形成されたアルミナ(Al)(以下、陽極酸化ポーラスアルミナともいう。)を金型の表面に広い範囲で作製する。最終的に陽極酸化ポーラスアルミナが有する凹凸の形状は断面三角形であり、その形状は、アルミニウムの陽極酸化による細孔形成、及び、陽極酸化膜のエッチングとが段階的に繰り返されることによって形成される。
陽極酸化ポーラスアルミナの構造について、以下に詳述する。図5は、陽極酸化ポーラスアルミナを拡大した斜視図である。上述のように、陽極酸化ポーラスアルミナとは、アルミニウム基板44を陽極酸化することで得られる多孔質性のアルミナ層をいい、模式的には、図5に示すようなセル41と呼ばれる一定サイズの円柱状のアルミナ層が最密充填した構造で示される。各セル41の中央には細孔42が形成されており、各細孔42の配列は規則性を有している。セル41は、局所的な皮膜の溶解及び成長の結果形成されるものであり、具体的には、バリア層43と呼ばれる細孔42の底部に位置する層において皮膜の溶解と成長とが同時進行することで形成される。細孔42同士の間隔(セルサイズ)は、陽極酸化時の化成電圧の大きさに比例するが、バリア層43の厚さの約2倍とすることが挙げられる。また、細孔42の径は、化成浴の種類、濃度、温度等の条件に依存するが、セルサイズの約1/3とすることが挙げられる。
本実施形態では、陽極酸化ポーラスアルミナの細孔が基板面に対して垂直の方向へ形成される現象に注目しており、また、陽極酸化を一旦停止した後に再び同じ条件で陽極酸化を行うと、前の過程で形成した細孔の底が開始点となり、その下方に同様の細孔が再び形成されるという特徴を有することを利用して、細孔の断面形状が三角形となるように制御している。陽極酸化を利用した多孔質構造体の製造方法によれば、ナノメートルオーダーの円柱状の細孔をほぼ最密充填状に形成することができる。硫酸、シュウ酸、燐酸等の酸性電解液、又は、アルカリ性電解溶液中に被加工物を浸漬し、これを陽極として電圧を印加すると、被加工物の表面で酸化と溶解とが同時に進行し、その表面に微細な円柱の細孔をもった酸化皮膜を形成することができる。この円柱の細孔は、酸化膜に対して垂直に配向し、化成電圧、電解液の種類、温度等をある一定の条件とすることで自己組織的な規則性を示し、これらの条件及び時間を制御することによって、大きさ、形状、密度等が自在に制御される。
図6は、陽極酸化ポーラスアルミナの製造フローを示す断面模式図であり、(a)〜(g)は各製造段階を示す。まず、(a)に示すようにアルミニウム基板51を用意し、一定の陽極酸化条件下で酸化膜を成長させ、(b)に示すような所定の深さの細孔配列を有したポーラスアルミナ層(第一次ポーラスアルミナ層)52を形成する。このとき、化成電圧は一定に保たれることが好ましい。化成電圧の変動は細孔配列の規則性を低下させるため、陽極酸化は基本的に定電圧条件で行う。初期段階で生成する陽極酸化皮膜(第一次ポーラスアルミナ層)52は細孔に乱れが生じる傾向にあるため、(c)に示すように、一定条件下の燐酸処理等によって除去することが好ましい。その後、再び同じ条件で陽極酸化を行い、(d)に示すような所定の深さをもつ規則性を有する細孔を有したポーラスアルミナ層(第二次ポーラスアルミナ層)53を形成する。続いて、(e)に示すように、細孔を所定の量だけ等方的にエッチング処理することにより孔径を拡大する。このときウェットプロセスを用いれば、細孔の壁及びバリア層はほぼ均等に拡大される。以下、(f)及び(g)に示すように、陽極酸化による先の細孔の底が開始点となる基板方向への細孔形成と、等方的なエッチング処理とを複数回繰り返すことで、所望の凹凸形状を作製することが可能となる。
図7は、細孔形成量(深さ方向)及びエッチング量(幅方向)をそれぞれ一定として、上記ステップを複数回行ったときに形成される細孔の形状を示す断面模式図である。(a)はグラフ上に細孔の形状を転写したものであり、(b)は細孔断面の斜視図である。図7に示すように、上述の方法によって、アルミニウム基板61を陽極酸化して得られるポーラスアルミナ層62に形成される細孔63の形状は略円錐体となり、またステップ数を増やすことで、より厳密に円錐体に近づけることができる。実際には、有限回数の繰り返し処理を行うと、凹凸構造の特徴の一つとして細孔の表面には階段(ステップ)形状が形成される。
以上、反射防止膜に対してモスアイ構造(第一の凹凸構造)及び散乱凹凸構造(第二の凹凸構造)を形成するの金型の製造方法について説明したが、金型の製造方法はこれらの手段に限定されない。散乱凹凸構造については、上述のようなサンドブラストによる表面処理を行う方法のほかに、ケミカルエッチング法等が挙げられる。また、モスアイ構造については、上述のような陽極酸化及びエッチングを行う方法のほかに、電子線描画法、レーザー光の干渉露光を行う方法等が挙げられる。
なお、金型の表面に周期(繰り返し単位)の異なる二段階の凹凸形状を形成する場合には、上記製造方法のように、陽極酸化処理よりも先にあらかじめサンドブラスト処理を行っておくことが好ましい。このように周期の小さな凹凸構造よりも先に、周期の大きな凹凸構造を形成することで、表面に形成されるモスアイ構造及び散乱凹凸構造のいずれについても精密に形成することができることとなり、品質のよい反射防止膜を得ることができる。また、サンドブラスト処理によれば、ランダムでピッチの大きな凹凸が形成されるため、表面反射光との干渉による色付きを防止しつつ、像をぼかすことが可能となる。
<転写工程>
次に、上記工程で作製した金型の凹凸形状を基材上に塗布された膜に転写する工程へと進む。ここでは、コンベアー方式で送られてくる膜に対し、回転するロール状の金型を押し当てて、順次、膜の表面に凹凸形状を転写するロール・ツー・ロール方式を採用する。図8は、金型の凹凸形状を反射防止膜に転写する工程を示す断面模式図である。
まず、基材フィルムロール71を回転させつつ基材フィルムロール71から、ベルト状の基材フィルム81を図8中の矢印の方向に送り出す。次に、基材フィルム81に対しダイコーター72を用いて樹脂材料を塗布し、樹脂膜82を形成する。塗布方法としては、その他にスリットコーター、グラビアコーター等を用いる方法が挙げられる。
本製造方法において、塗布される樹脂材料としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が用いられる。光硬化性樹脂としては、例えば、光を吸収して重合が開始するモノマーのほか、それ単独では光を吸収しても重合は開始しないが、光重合開始剤が添加され、その光重合開始剤が光を吸収して活性種となって重合が開始するモノマーが挙げられ、適宜、光重合開始剤、光増感剤等が加えられてもよい。
樹脂膜82が塗布された後、基材フィルム81は、ピンチロール73を介して円筒状の金型ロール74へと進む。金型ロール74の外周面には、上述の金型の製造方法によって形成された陽極酸化ポーラスアルミナが設けられている。基材フィルム81は、この金型ロール74の外周面に沿って半周分移動し、このとき、基材フィルム81に塗布された樹脂膜82が金型ロール74の外周面と接することで、金型ロール74の凹凸形状が樹脂膜82に転写される。基材フィルム81が金型ロール74の外周面と接する位置には、金型ロール75の外周面と対向するようにして円柱状のピンチロール75が配置されている。この位置において、金型ロール74とピンチロール75とで基材フィルム81が挟み込まれ、金型ロール75と樹脂膜82とが加圧密着することにより、樹脂膜82の表面に、金型と同様の凹凸を有する樹脂膜83が形成される。
金型ロール74とピンチロール75とで基材フィルム81を均一に挟み込むためには、基材フィルム81の幅は、金型ロール74及びピンチロール75の幅よりも小さいことが好ましい。なお、ピンチロール75は、ゴム製であることが好ましい。樹脂膜83の表面に凹凸形状が転写された後、基材フィルム81は金型ロール74の外周面に沿ってピンチロール76に向かって進み、ピンチロール76を介して次の工程へと進む。
基材フィルム81が金型ロール74の外周面とが接する際には、基材フィルム81上の樹脂膜83に対して硬化処理80がなされる。基材フィルム81が光硬化性を有する場合には、その樹脂材料に適した波長域の光(紫外線、可視光線等)が選択され、その樹脂材料が硬化するに適した強度及び時間の光照射が行われる。なお、光の照射による硬化処理であれば、常温で硬化処理を行うことが可能である。基材フィルム81が熱硬化性を有する場合には、その樹脂材料が熱硬化するに適した温度及び時間の加熱がなされる。このような硬化処理により、樹脂膜83に転写された凹凸形状は固まることとなる。
続いて、ラミネーションフィルムロール77から供給されたラミネーションフィルム84が、ピンチロール78により、樹脂膜83の表面側に貼りつけられる。そして最後に、基材フィルム81、樹脂膜83、及び、ラミネーションフィルム84の積層フィルムが巻き付けられて積層フィルムロール85が作製される。ラミネーションフィルム84を貼り合わせることにより、樹脂膜83表面にホコリが付着したり、傷がつくことを防止することができる。
以上により、実施形態1の反射防止膜は完成する。
<評価試験1>
実施形態1の反射防止膜の特性を調べるために、実際に反射防止膜を作製して実施例1の反射防止膜とし、評価試験1を行った。実施例1の反射防止膜の製造方法について、以下に説明する。まず、金型の作製については、アルミニウム基板に対して、メッシュ♯180のAl粒子を用いて、エア圧0.8MPaの条件でサンドブラスト処理を行った後、電解液として0.05mol/Lのシュウ酸(3℃)を用いて陽極酸化を5分間行い、陽極酸化ポーラスアルミナ層(第一次ポーラスアルミナ層)をアルミニウム基板表面に形成した。続いて、陽極酸化ポーラスアルミナ層を表面に含むアルミニウム基板を8mol/Lの燐酸(30℃)に30分間浸漬させて、第一次ポーラスアルミナ層を除去した。続いて、同じ条件で陽極酸化を30秒間行うステップと、1mol/Lの燐酸(30℃)に19分間浸漬させてエッチングを行うステップとを交互に5回繰り返し、最後に同じ条件で陽極酸化を30秒間行い、新たな陽極酸化ポーラスアルミナ層(第二次ポーラスアルミナ層)を形成した。
図9は、実施例1の反射防止膜を作製するために用いた金型表面の凹凸構造(モスアイ形成用)の電子顕微鏡写真である。(a)は凹凸構造の正面図、(b)は凹凸構造の斜視図、(c)は凹凸構造の断面図をそれぞれ示している。金型が有する凹凸構造の隣接する頂点間の幅は約200nmであり、かつ頂点から底点までの高さ(深さ)は約840nm(アスペクト比は約4.2)であった。金型が有する凹凸構造の凹部92及び凸部91は、尖った凸部91形状が最密充填で周期的に配置されることで形成されていた。凸部91の表面は、多段階の陽極酸化及びエッチングの繰り返しによって生じた数段階のステップ形状を有していた。
続いて、このようにして作製された金型を用いた実施形態1のロール・ツー・ロール方式の転写方法により、基材フィルムであるPET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布したUV(Ultra Violet:紫外線)硬化樹脂膜に対して凹凸金型を押し当てて金型の凹凸形状をUV硬化樹脂膜に転写し、続いて、そのUV硬化樹脂膜にUVを照射して凹凸形状を保持した状態で硬化させ、実施例1の反射防止膜を形成した。
次に、実施例1との比較の対象として、表面にモスアイ構造が形成されていない通常の多層薄膜干渉(LR)タイプの反射防止膜を用意し、比較例1とした。そして、実施例1の反射防止膜、及び、比較例1の反射防止膜のそれぞれについて表面反射率を測定した。図10は、実施例1の反射防止膜及び比較例1の反射防止膜の表面反射率を示すグラフである。図10のグラフは、正反射光の分光反射率を示しており、横軸が波長(nm)、縦軸が反射率(%)である。図10に示すように、実施例1の反射防止膜では、可視光領域の反射率は約0.2%まで抑えられており、また、反射回折光は発生しなかった。一方、比較例1の反射防止膜では、可視光領域の反射率は0.7%以上と高く、充分な低反射機能を有していなかった。このことから、実施例1の反射防止膜は、従来の多層薄膜干渉タイプの反射防止膜(比較例1)に比べて反射防止膜の表面における反射率が充分に低減されていることが確認できた。
次に、実施例1との比較の対象として、表面にモスアイ構造が形成されているが散乱凹凸構造は形成されていない、すなわち、通常の、モスアイ構造を表面に備える反射防止膜を作製し、比較例2の反射防止膜とした。比較例2の反射防止膜は、サンドブラスト処理を行わなかったこと以外は実施形態1の反射防止膜の製造方法と同様の方法を用いて作製した。そして、これら実施例1及び比較例2の反射防止膜を下記実施形態3に示す液晶表示装置に適用し、明室において、蛍光灯の映り込みの程度を目視によって観察した。図11は、実施例1及び比較例2の反射防止膜を用いたときの蛍光灯の映り込みの程度を示す写真である。その結果、実施例1の反射防止膜を備える液晶表示装置は、蛍光灯の外形がぼやけて見えたのに対し、比較例2の反射防止膜を備える液晶表示装置は、蛍光灯の外形がくっきりと見えた。
これらの反射防止膜の特性の相違点を更に詳しく調べるために、実施例1の反射防止膜を2枚重ね合わせたときに、その2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光がどのような透過散乱特性を示すのかを調べるための試験を行った。図12は、2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光が散乱する様子を示す模式図である。また、図13は、反射防止膜下に位置する反射体によって反射した光が散乱する様子を示す模式図である。
ここで、実際に表示装置で用いられる場合の反射防止膜の反射散乱特性を調べる際には、反射防止膜(表示装置)の表面における散乱特性のみならず、表示装置内部で反射した光が反射防止膜を透過する際の光散乱特性も調べなければならない。そのため、本実施例では、図12に示すように、反射防止膜111を2枚重ねた状態での透過光の光散乱特性を測定することとしており、このとき散乱する光の散乱角θは、図13のように、モスアイ構造を有する反射防止膜121をガラス等の反射体122に貼り付けたときにその反射体122で反射した光が再度反射防止膜121を透過する際に散乱する光の散乱角θとほぼ同じとみなすことができる。これにより、例えば、反射防止膜を表示パネルの表面上に形成したときに、表示装置内で反射した光が表示パネル上に形成された反射防止膜を透過するときの光散乱特性を調べることができる。
まず、評価サンプルとして、反射防止膜を2枚重ね合わせたものを作製し、サンプル1とした。図14は、反射防止膜を2枚重ね合わせて形成したサンプル1を示す断面模式図である。図14に示すように、実施例1の反射防止膜131、TAC(Tri Acetyl Cellulose:トリアセチルセルロース)フィルム132、ガラス133、TACフィルム132、及び、実施例1の反射防止膜131をこの順に貼り合わせたものを作製した。なお、これらはフィルム状の糊によって互いが接着されている。反射防止膜、TACフィルム、ガラス及びフィルム状の糊の屈折率は、いずれも約1.5である。
また、評価サンプルとして、散乱凹凸構造が形成されていない(サンドブラスト処理がなされていない)モスアイ構造を有する比較例2の反射防止膜を、サンプル1と同様の層構造で2枚重ね合わせたものを作製し、サンプル2とした。
このような評価サンプルに対し、光学性能測定装置LCD−5000(大塚電子製)を用いて透過散乱特性を調べたところ、図15に示すような結果が得られた。図15は、実施例1の反射防止膜及び比較例2の反射防止膜を2枚重ね合わせたときの透過光強度の角度依存性を示すグラフである。図15のグラフは、評価サンプルを透過した光の散乱角度、及び、その角度で散乱した光の透過率を示しており、横軸が散乱角度(deg)、縦軸が透過率(%)である。なお、図15のグラフにおいては、散乱角度が0°の光の強度(正面強度)を透過率100としており、その他の散乱角度の透過率(透過強度)は、正面強度の相対値で表されている。
図15のグラフからわかるように、サンプル2のグラフに比べてサンプル1のグラフはなだらかであり、サンプル1の最大透過率(散乱角0°)の半分の値を示す角度(半値角)は約1.3°であった。一方、サンプル2の半値角は0.6°であった。このことから、反射防止膜を2枚重ね合わせたときに、2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角が1.0°以上であることによって、充分な透過散乱特性を付与することができ、光源等の像の映り込みを低減させることができることが示された。
そして最後に、実施例1の反射防止膜を、下記実施形態3で示される液晶表示装置のパネル表面に貼り付けて液晶表示装置を作製し、反射防止膜表面での反射、及び、液晶表示装置パネル内部での反射をトータルした反射散乱特性を測定した。図16は、実施例1の反射防止膜を備える液晶表示装置の反射光強度の角度依存性を示すグラフである。図16のグラフは、実施例1の液晶表示装置で反射した光の散乱角度、及び、その角度で散乱した光の反射率(散乱光反射率)を示しており、横軸が散乱角度(deg)、縦軸が反射率である。なお、図16のグラフにおいては、散乱角度が0°の光の強度(正面強度)を反射率1としており、その他の散乱角度の反射率(反射強度)は、正面強度の相対値で表されている。
図16のグラフからわかるように、実施例1の反射防止膜を備える液晶表示装置のパネルの内部反射と表面反射とをトータルした反射散乱光の半値角は約1.2°であり、表示画面への像の映り込みをぼかすのには充分な値であった。
<評価試験2>
実施形態1の反射防止膜の好ましい条件を調べるために、2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角が1.0°以上である反射防止膜について、半値角が異なる3つの反射防止膜を、メッシュ♯180のAl粒子を用いて、それぞれエア圧0.1MPa(サンプル3)、0.2MPa(サンプル4)、0.3MPa(サンプル5)と、異なる条件でサンドブラスト処理して作製した金型を用いて作製し、それぞれ実施例2、実施例3及び実施例4の反射防止膜とした。また、実施例2、実施例3及び実施例4の反射防止膜のそれぞれについて透過散乱強度分布の半値角を調べるために、評価試験1のときと同様、反射防止膜、TACフィルム、ガラス、TACフィルム、及び、反射防止膜をこの順に貼り合わせた評価サンプルを作製して、それぞれサンプル3、サンプル4及びサンプル5とし、それぞれについて透過散乱強度分布の半値角を測定した。その結果、図17に示すようなグラフが得られた。
図17は、評価試験2で作製されたサンプル3、サンプル4及びサンプル5を透過する光の透過光強度の角度依存性を示すグラフである。図17のグラフは、評価サンプルを透過した光の散乱角度、及び、その角度で散乱した光の透過率を示しており、横軸が散乱角度(deg)、縦軸が透過率(%)である。なお、図17のグラフにおいては、散乱角度が0°の光の強度(正面強度)を透過率100%としており、その他の散乱角度の透過率(透過強度)は、正面強度の相対値で表されている。図17のグラフからわかるように、サンプル3の半値角は約1.3°、サンプル4の半値角は約2.0°、サンプル5の半値角は約2.9°であった。
図18は、評価試験2で作製されたサンプル3、サンプル4及びサンプル5のそれぞれのサンプルにおける傾斜角分布(傾斜角θに対する占有率)の測定値を示すグラフである。横軸の角度(θ)は、測定面の法線ベクトルの極角を示し、0.5°は0°〜1°の範囲に含まれる角度を代表している。図18に示すように、サンプル3では、傾斜角が大きくなるにつれ、測定面に占める面積の割合は小さくなっていた。サンプル4及びサンプル5のいずれも、0.5°と1.5°とでは1.5°の方がより測定面に占める面積の割合は大きかったが、1.5°よりも大きい角度については、傾斜角が大きくなるにつれ、測定面に占める面積の割合は小さくなっていた。測定面に占める面積の割合の減少の程度については、サンプル3においてサンプル4及びサンプル5よりも急峻な減少が見られ、3.5°以上の傾斜角をもつ領域は、サンプル3においてほとんど見られなかった。サンプル4とサンプル5とでは、サンプル4においてより急峻な減少が見られたが、全体としての変化の傾向は同様であった。なお、サンプル4及びサンプル5のいずれにおいても、9.5°以上の傾斜角をもつ領域は見られなかった。
視認評価試験の結果、実施例2(半値角=1.3°)及び実施例3(半値角=2.0°)の反射防止膜を用いた例では良好な表示が得られたのに対し、実施例4(半値角=2.9°)では実施例2及び実施例3の反射防止膜を用いた例に比べて、表示画像の立体感を得ることができなかったものの、このことから、半値角の増加と表示画像の立体感の向上とはそれぞれ比例関係にあり、半値角を2.8°以下とすることで表示画像の立体感を得ることができ、半値角を2.0°以下とすることで、より効果的に立体感を得ることができることが分かった。
このような半値角の相違に関してより詳細に調査を行うために、評価試験2においては、実施例2、実施例3及び実施例4の反射防止膜の凹凸構造をより詳細に解析した。具体的には、金型へのサンドブラスト処理に基づいて形成される、反射防止膜の散乱凹凸構造の平均傾斜角を、微分干渉顕微鏡を用いて計測した。ここでは、各サンプルの表面をナノメートルサイズの碁盤の目をもつフィルターを通して観察し、碁盤の交点の任意の3点における凹凸深さを算出し、傾斜角の平均値を求めた。この測定により、サンプル3の平均傾斜角は0.84°、サンプル4の平均傾斜角は1.75°であることがわかった。このことから、半値角の変化量と平均傾斜角の変化量とはそれぞれ比例関係にあり、散乱凹凸構造の平均傾斜角を少なくとも0.84°以上とすることで、充分な半値角を得ることができることが分かった。
<評価試験3>
実施形態1の反射防止膜の好ましい条件を調べるために、実施例1及び比較例2の反射防止膜を用いて実際に下記実施形態3の液晶表示装置に適用し、目視による視認評価試験を行って暗室表示における各反射防止膜の表示品位を確認した。このとき液晶表示装置は、画素サイズが20型WXGA(100μm×30μm)のものを、カラーフィルタが緑(G)単色のものを用いた。
その結果、実施例1の反射防止膜を適用した液晶表示装置については良好な表示が得られたものの、比較例2の反射防止膜を適用した液晶表示装置については表示にぎらつきが見られた。そこで、各液晶表示装置について画素単位で輝度を測定し、輝度ばらつきの標準偏差を算出した。図19は、画素個数に対する輝度ばらつきを示すグラフである。(a)は実施例1の反射防止膜を適用した液晶表示装置であり、(b)は比較例2の反射防止膜を適用した液晶表示装置である。図19から分かるように、実施例1の反射防止膜を適用した場合、輝度の標準偏差は0.017であったのに対し、比較例2の反射防止膜を適用した場合、輝度の標準偏差は0.029であった。このように、表示のぎらつきは、画素単位の輝度ばらつきに基づいて視認され、見る方向によって輝度ばらつきが変動するため、ぎらぎら感が視認されることが分かった。
そこで次に、このような輝度ばらつきがどのような条件で起こるのかについての調査を行った。図20は、反射防止膜の表面に形成された凹凸を示す平面模式図である。図20に示すように、反射防止膜の表面は、単位面積141あたりに、光を散乱させる複数の凸部142が形成されている。本評価試験では、散乱凹凸構造が有する凸部142の単位面積141あたりの存在比率を測定した。評価サンプルとしては、実施例1及び比較例1の反射防止膜のほかに、サンドブラスト処理条件の異なる実施例5の反射防止膜、及び、実施例6の反射防止膜を作製した。なお、実施例5の反射防止膜においては、サンドブラスト処理条件を、メッシュ♯180のAl粒子、エア圧を0.8MPaとした。また、実施例6の反射防止膜においては、サンドブラスト処理条件を、メッシュ♯60のAl粒子、エア圧を0.2MPaとした。
図21は、単位面積当たりの凸部の個数と輝度のばらつき(標準偏差)を示すグラフである。図21のグラフは、横軸がAG密度(個/100μm)を、縦軸が輝度ばらつき(標準偏差)を示す。図21に示すように、輝度の標準偏差が0.017であった実施例1の反射防止膜では、100μmあたりに存在する凸部の数は約65個であったのに対し、輝度の標準偏差が0.029であった比較例1の反射防止膜では、100μmあたりに存在する凸部の数は約5個であった。
また、新たに作製した、輝度の標準偏差が0.012である実施例5の反射防止膜、及び、輝度の標準偏差が0.036である実施例6の反射防止膜について凸構造の散乱単位を調べたところ、実施例5では、100μmあたりに存在する凸部の数は約130個であり、ぎらつきのない良好な表示が得られたのに対し、実施例6では、100μmあたりに存在する凸部の数は約5個であり、ぎらつきが多く見られる結果となった。
これらの結果から、凹凸構造の散乱単位が画素に対して大きいほど、すなわち、凹凸構造の数が画素単位に対して少ないほど、画素単位の輝度ばらつきは発生し、逆に、凹凸構造の数が画素単位に対して多いほど、画素単位の輝度ばらつきは抑制され、具体的には60個/100μm以上であるときに、ぎらつきが充分に抑制された良好な表示が得られることが分かった。
〔実施形態2〕
実施形態1では、ミクロンオーダー以上の散乱凹凸構造を有した表面上にモスアイ構造を形成することで透過光を散乱させているが、実施形態2では、ほぼ平坦な表面に対してモスアイ構造を形成することとし、ミクロンオーダー以上の散乱凹凸構造の代わりに、モスアイ構造を有する表面層より下の層に光散乱性を有する透明ビーズ(散乱体)を混入することによって透過光を散乱させている。すなわち、実施形態2は、透過散乱強度分布の半値角を調整する手段として、本発明の第二の好ましい形態を用いている。
図22は、実施形態2の反射防止膜の断面模式図である。図22に示すように、実施形態2の反射防止膜は、周期の小さな凹凸構造(モスアイ構造)が形成された表面層151と、反射防止膜の主成分と異なる屈折率を有する透明ビーズ153を含む下地層152とで構成されている。
実施形態2の反射防止膜が備えるモスアイ構造は、実施形態1の反射防止膜が備えるモスアイ構造と同様であり、隣接する頂点間の幅が可視光波長以下となるように設計されている。
実施形態2において反射防止膜の主成分は、モスアイ構造を精密に形成するという観点から、一定の条件で硬化する光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を用いている。実施形態2において反射防止膜の下地層152(内部)には、部分的に実施形態2の反射防止膜の主成分である樹脂材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料で構成された透明ビーズ153が散在している。
透明ビーズ153は、反射防止膜の主成分と異なる屈折率を有し、透過散乱特性を向上させることができるものであれば特に限定されないが、透明ビーズ153の成分としては、例えば、スチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。特に、スチレン樹脂であれば、屈折率は約1.6であり、反射防止膜の主成分として好適なUV硬化性樹脂の屈折率は約1.5であるため、これらには約0.1の屈折率の差ができることになり、透過散乱特性に優れた反射防止膜を得ることができる。フッ素樹脂の屈折率は1.42であり、ポリエチレン樹脂の屈折率は1.53である。
図22において透明ビーズ153の1つ1つの形状は球形であるが、特に限定されず、そのほかに、多角形、不定形等の形状を有しているものを用いることができる。透明ビーズ153の粒径は1μm以上である。粒径をミクロンオーダーで設定することにより、効果的な透過散乱特性を得ることができる。
透明ビーズ153は、内部が全て樹脂成分で構成されているものに限定されず、例えば、空気等の気体が内部に充填されている、いわゆる中空ビーズのようなものであってもよい。また、散乱体153は、空気等の気体のみで構成される気泡であってもよい。
実施形態2において透明ビーズ153のそれぞれは、粒径が1μm以上に設定されているが、実際に反射防止膜内において透明ビーズ153は、凝集されて互いが押し潰された形で存在していることがある。このような形態であっても、反射防止膜を透過する光に対し透過散乱特性を付与することはできるが、例えば、密度を下げて充分に均一化を行い1μm以上の距離を隔てて不規則(ランダム)に配置されたものとすることで、透明ビーズ153をよりバランスよく配置することができ、より透過散乱特性に優れたものが得られることとなる。
実施形態2の反射防止膜の製造方法について、以下に詳述する。
まず、反射防止膜の表面にモスアイ構造を形成するための金型を作製する。この工程で作製される金型は、実施形態1で作製した陽極酸化ポーラスアルミナとほぼ同様であるが、実施形態2で作製される金型にはサンドブラスト処理は行われず、したがって、金型の表面形状は実施形態1の散乱凹凸構造を有さず、モスアイ構造による凹凸を除けば、表面はほぼ平坦である。
次に、反射防止膜の材料として、樹脂材料に透明ビーズを混ぜ込ませたものを調製し、実施形態1と同様の方法によって、透明ビーズを含む樹脂材料を基材フィルムに対し塗布し、陽極酸化ポーラスアルミナを用いて凹凸形状の転写を行った後、所定の条件で硬化処理を行うことで、実施形態2の反射防止膜は完成する。
<評価試験4>
実施形態2の反射防止膜の特性を調べるために、実際に反射防止膜を作製して実施例5の反射防止膜とし、評価試験4を行った。金型は、表面の平滑性を確保するため、アルミニウム基板ではなくガラス基板にアルミ薄膜を約1μm成膜したものを用い、実施形態1と同様に陽極酸化とエッチングを繰り返す方法によって陽極酸化ポーラスアルミナ(ナノメートルオーダーの微小な穴が表面に形成されたアルミナ)を作製した。
一方、反射防止膜材料として、UV硬化樹脂中にスチレン樹脂製の透明ビーズ(平均粒子径φ=8.0μm)を3重量%混入させたものを調製し、基材フィルム上への塗布を行った。なお、実施例5のUV硬化樹脂の屈折率は1.49であり、透明ビーズの屈折率は1.59であった。基材フィルム上のUV硬化樹脂膜の厚さは100μmとした。次に、金型を用いて、UV硬化樹脂膜表面に凹凸形状を転写し、UV照射を行って凹凸表面を硬化させ、実施例7の反射防止膜を形成した。
次に、評価サンプルとして、反射防止膜を2枚重ね合わせたものを作製してサンプル6とし、評価試験1と同様の方法により、サンプル6の透過散乱強度分布の半値角を測定した。評価サンプルを用いて透過散乱特性を調べたところ、図23に示すような結果が得られた。図23は、実施例7の反射防止膜を2枚重ね合わせたときの透過光強度の角度依存性を示すグラフである。図23のグラフは、評価サンプルを透過した光の散乱角度、及び、その角度で散乱した光の透過率を示しており、横軸が散乱角度(deg)、縦軸が透過率(%)である。なお、図23のグラフにおいては、散乱角度が0°の光の強度(正面強度)を透過率100%としており、その他の散乱角度の透過率(透過強度)は、正面強度の相対値で表されている。
図23のグラフからわかるように、サンプル6の半値角は約2.0°であった。このことから、実施例7の反射防止膜を2枚重ね合わせたときに、充分な透過散乱特性を付与することができ、光源等の像の映り込みを低減させることができることが分かった。
そして最後に、実施例7の反射防止膜を、下記実施形態3で示される液晶表示装置のパネル表面に貼り付けて液晶表示装置を作製し、反射防止膜表面での反射、及び、液晶表示装置パネル内部での反射をトータルした反射散乱特性を測定した。図24は、実施例7の反射防止膜を備える液晶表示装置の反射光強度の角度依存性を示すグラフである。図24のグラフは、実施例7の液晶表示装置で反射した光の散乱角度、及び、その角度で散乱した光の反射率(散乱光反射率)を示しており、横軸が散乱角度(deg)、縦軸が反射率である。なお、図24のグラフにおいては、散乱角度が0°の光の強度(正面強度)を反射率1としており、その他の散乱角度の反射率(反射強度)は、正面強度の相対値で表されている。
図24のグラフからわかるように、実施例5の液晶表示装置のパネルの内部反射と表面反射をトータルした反射散乱光の半値角は約2.0°であり、表示画面への像の映り込みをぼかすのには充分な値であった。
〔実施形態3〕
実施形態3は、本発明の表示装置の一例である。実施形態3の表示装置は液晶表示装置(LCD)であり、実施形態1又は2の反射防止膜を表示面に備えており、光源等の像の映り込みが少ない表示を提供することができる。
図25は、実施形態3のLCDの断面模式図であり、外光がLCD内で反射する様子を示す。図25に示すように、実施形態3のLCDのパネル部分は、一対の基板161、162と該一対の基板161、162に挟持された液晶層163とで構成されている。これら一対の基板161、162は、例えば、一方の基板をアレイ基板161とし、もう一方の基板をカラーフィルタ基板162とする形態が挙げられ、これら両方の基板に電極を配置してこれら電極間で発生する電界の影響により液晶層163を駆動制御することができる。ただし、実施形態3においては、このほかに、一方の基板がアレイ基板及びカラーフィルタ基板の両方の役割を担う形態、又は、一方の基板にのみ電極が配置される形態も挙げられ、特に限定されない。また、液晶層163内の液晶分子配向制御方法についても、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In-Plane Switching)モード等、特に限定されない。なお、アレイ基板161及びカラーフィルタ基板162の液晶層163と逆側のそれぞれの面には、偏光板等の光制御素子が設けられる。
アレイ基板161は、ガラス、プラスチック等の支持基板171上に液晶層163中の液晶分子の配向を制御するための配線、電極等が配置されて構成される。液晶の駆動方式としては、例えば、パッシブマトリクス型、アクティブマトリクス型が挙げられ、このようなマトリクス型の駆動方式の場合、配線は互いに交差して配置され、これらの配線によって囲まれた複数の領域がマトリクス形状を構成する。これら配線及び電極は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化モリブデン(MoN)等の材料を用いることが機能性及び生産性の面で優れているが、これらは通常、反射性を有する。
また、アクティブマトリクス型であれば、各配線の交点には薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)174等の半導体スイッチング素子が配置され、各配線から送られてくる信号を制御する。TFT174は、半導体層173にバイアス電圧を印加するための電極172を有しており、この電極材料もまた、上記配線及び電極に用いた材料が好適に用いられるため、反射性を有することとなる。
これら配線及びTFT174上には層間絶縁膜175が形成され、更に、その層間絶縁膜175上には、透光性を有する材料で形成された画素電極176が、上記配線172によって囲まれた領域と重なるようにして配置される。画素電極176は、ITO、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム酸化亜鉛)等の透光性を有する金属酸化物で構成されており、原則として光を透過するものであるが、入射角によっては光を反射する特性も有している。
カラーフィルタ基板162は、ガラス、プラスチック等の支持基板181上に、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層等の樹脂層182が配置され、更にこれら樹脂層182上に、透光性を有する材料で形成された対向電極183が一面に配置されて構成される。対向電極183もまた、画素電極176と同様、ITO、IZO等の金属酸化物が用いられているため、入射角によっては光を反射する特性を有している。実施形態3においては、カラーフィルタ基板162の表示面(観察面)側に実施形態1又は実施形態2の反射防止膜184が備え付けられている。なお、図25においては、実施形態1の反射防止膜184を用いた形態を図示している。
このように、アレイ基板161及びカラーフィルタ基板162上には、反射性を有する材料が多く用いられることが機能性、生産性の観点から好ましい。従来であれば、このような表示装置内部における反射については注目されていなかったが、モスアイ等の表面反射が低減された表示装置の下では、ITO等での光の反射が表示画面への像の映り込みを誘発する要因となる。
図25に示すように、実施形態3のLCDへと入射してくる外光は、LCDの表面に入射する際に、LCDの表面(反射防止膜表面)で反射する成分191と、反射防止膜184を透過してLCD内へと進む成分192とに分離される。実施形態3のLCDは、表示装置表面に配置される反射防止膜184がモスアイ構造を備えているので、ほとんどが反射防止膜184を透過することになるが、LCDの表面で反射する一部の光の成分191は、散乱凹凸構造の作用により、複数の成分に分離される。
LCD内へと進む成分192は、カラーフィルタ基板162が備える対向電極(ITO)183、TFT174の表面等の表示装置内に設けられた電極及び配線で反射し、表示面側へと進む。しかしながら、実施形態3のLCDによれば、2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角が1.0°以上になるよう設計されているので、表示装置内部で反射した光を散乱させ、表示への影響を低減させることができる設計となっており、像の映り込みの少ない、優れた表示品位を得ることができる。
なお、実施形態3の表示装置が液晶表示装置である場合には、更に、偏光板と装置内のガラス基板との間の貼り付け用接着糊の中に、実施形態2で示したような透明ビーズを混入し、散乱特性を向上させることもできる。これにより、透過散乱強度分布の半値角の制御をより精密に行うことができることとなる。
実施形態3の表示装置は、このようなLCDに限定されず、CRT、PDP、EL等の表示装置のいずれにも用いることができ、配線、電極等に用いられる反射性を有する材料で構成された部材での反射の影響を低減させることができる。
なお、本願は、2008年5月27日に出願された日本国特許出願2008−138458号を基礎として、パリ条約ないし移行する国における法規に基づく優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。
実施形態1の反射防止膜の断面模式図である。 実施形態1の反射防止膜のモスアイ構造の斜視図である。(a)はモスアイ構造の単位構造が円錐状のときを示し、(b)はモスアイ構造の単位構造が四角錐状のときを示す。 モスアイ構造が低反射を実現する原理を示す模式図である。(a)は反射防止膜の断面構造を示し、(b)は反射防止膜に入射する光の屈折率を示す。 実施形態1の反射防止膜の散乱凹凸構造を拡大した斜視図である。 陽極酸化ポーラスアルミナを拡大した斜視図である。 陽極酸化ポーラスアルミナの製造フローを示す断面模式図であり、(a)〜(g)は各製造段階を示す。 細孔形成量(深さ方向)及びエッチング量(幅方向)をそれぞれ一定として、上記ステップを複数回行ったときに形成される細孔の形状を示す断面模式図である。(a)はグラフ上に細孔の形状を転写したものであり、(b)は細孔断面の斜視図である。 金型の凹凸形状を膜に転写する工程を示す断面模式図である。 実施例1の反射防止膜を作製するために用いた金型表面の凹凸構造(モスアイ)の電子顕微鏡写真である。(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は断面図である。 実施例1の反射防止膜及び比較例1の反射防止膜の表面反射率を示すグラフである。 実施例1及び比較例2の反射防止膜を用いたときの蛍光灯の映り込みの程度を示す写真である。 2枚重ね合わせた反射防止膜を透過する光が散乱する様子を示す模式図である。 反射防止膜下に位置する反射体によって反射した光が散乱する様子を示す模式図である。 反射防止膜を2枚重ね合わせて形成したサンプル1を示す断面模式図である。 実施例1の反射防止膜を2枚重ね合わせたとき、及び、比較例2の反射防止膜を2枚重ね合わせたときのそれぞれの透過光強度の角度依存性を示すグラフである。 実施例1の反射防止膜を備える液晶表示装置の反射光強度の角度依存性を示すグラフである。 評価試験2で作製されたサンプル3、サンプル4及びサンプル5を透過する光の透過光強度の角度依存性を示すグラフである。 評価試験2で作製されたサンプル3、サンプル4及びサンプル5のそれぞれのサンプルにおける傾斜角分布(傾斜角に対する占有率)の測定値を示すグラフである。 画素個数に対する輝度ばらつきを示すグラフである。(a)は実施例1の反射防止膜を適用した液晶表示装置であり、(b)は比較例2の反射防止膜を適用した液晶表示装置である。 反射防止膜の表面に形成された凹凸を示す平面模式図である。 単位面積当たりの凸部の個数と輝度のばらつき(標準偏差)を示すグラフである。 実施形態2の反射防止膜の断面模式図である。 実施例7の反射防止膜を2枚重ね合わせたときの透過光強度の角度依存性を示すグラフである。 実施例7の反射防止膜を備える液晶表示装置の反射光強度の角度依存性を示すグラフである。 実施形態3のLCDの断面模式図であり、外光がLCD内で反射する様子を示す。
符号の説明
10、184:反射防止膜
11:表面層
12:下地層
13:第一の凹凸構造、微細凹凸構造、モスアイ構造
14:第二の凹凸構造、散乱凹凸構造
21:凸部(モスアイ構造)
22:下地部
31:凸部(散乱凹凸構造)
41:セル
42、63:細孔
43:バリア層
44、51、61:アルミニウム基板
52:ポーラスアルミナ層(第一次ポーラスアルミナ層)
53:ポーラスアルミナ層(第二次ポーラスアルミナ層)
62:ポーラスアルミナ層
71:基材フィルムロール
72:ダイコーター
73、75、76、78:ピンチロール
74:金型ロール
77:ラミネーションフィルムロール
80:硬化処理
81:基材フィルム
82:(塗布された)樹脂膜
83:(凹凸を有する)樹脂膜
84:ラミネーションフィルム
85:積層フィルムロール
91:凸部(金型)
92:凹部(金型)
111、121、131:反射防止膜
122:反射体
132:TACフィルム
133:ガラス
141:単位面積
142:凸部(散乱凹凸構造)
151:表面層
152:下地層
153:透明ビーズ
161:アレイ基板
162:カラーフィルタ基板
163:液晶層
171:支持基板(アレイ基板側)
172:電極
173:半導体層
174:TFT
175:層間絶縁膜
176:画素電極
181:支持基板(カラーフィルタ基板側)
182:樹脂層
183:対向電極
191:外光(LCDの表面で反射する成分)
192:外光(LCD内へと進む成分)

Claims (7)

  1. 隣接する頂点間の幅が可視光波長以下である微細凹凸構造を表面に有する反射防止膜であって、
    2枚重ね合わせた該反射防止膜を透過する光の透過散乱強度分布の半値角は、1.0°以上である
    ことを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記半値角は、2.8°以下であることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  3. 前記反射防止膜は、反射防止膜の主成分と異なる屈折率を有し、かつ1μm以上の粒径を有する散乱体を内部に含むことを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止膜。
  4. 前記散乱体は、1μm以上の距離を隔てて不規則に存在していることを特徴とする請求項3記載の反射防止膜。
  5. 前記反射防止膜は、隣接する頂点間の幅が1μm以上である散乱凹凸構造を、あわせて表面に有することを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止膜。
  6. 前記散乱凹凸構造は、100μmあたりの凸部の個数が60個以上であることを特徴とする請求項5記載の反射防止膜。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止膜を表示面に備えることを特徴とする表示装置。
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