JP6458051B2 - 型および型の製造方法ならびに反射防止膜 - Google Patents

型および型の製造方法ならびに反射防止膜 Download PDF

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Description

本発明は、型および型の製造方法ならびに反射防止膜に関する。ここでいう「型」は、種々の加工方法(スタンピングやキャスティング)に用いられる型を包含し、スタンパということもある。また、印刷(ナノプリントを含む)にも用いられ得る。
テレビや携帯電話などに用いられる表示装置やカメラレンズなどの光学素子には、通常、表面反射を低減して光の透過量を高めるために反射防止技術が施されている。例えば、空気とガラスとの界面に光が入射する場合のように屈折率が異なる媒体の界面を光が通過する場合、フレネル反射などによって光の透過量が低減し、視認性が低下するからである。
近年、反射防止技術として、凹凸の周期が可視光の波長(λ=380nm〜780nm)以下に制御された微細な凹凸パターンを基板表面に形成する方法が注目されている(特許文献1〜4を参照)。反射防止機能を発現する凹凸パターンを構成する凸部の2次元的な大きさは10nm以上500nm未満である。
この方法は、いわゆるモスアイ(Moth−eye、蛾の目)構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を凹凸の深さ方向に沿って入射媒体の屈折率から基板の屈折率まで連続的に変化させることによって反射防止したい波長域の反射を抑えている。
モスアイ構造は、広い波長域にわたって入射角依存性の小さい反射防止作用を発揮できるほか、多くの材料に適用でき、凹凸パターンを基板に直接形成できるなどの利点を有している。その結果、低コストで高性能の反射防止膜(または反射防止表面)を提供できる。
モスアイ構造の製造方法として、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層を用いる方法が注目されている(特許文献2〜4)。
ここで、アルミニウムを陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層について簡単に説明する。従来から、陽極酸化を利用した多孔質構造体の製造方法は、規則正しく配列されたナノオーダーの円柱状の細孔(微細な凹部)を形成できる簡易な方法として注目されてきた。硫酸、蓚酸、または燐酸等の酸性電解液またはアルカリ性電解液中に基材を浸漬し、これを陽極として電圧を印加すると、基材の表面で酸化と溶解が同時に進行し、その表面に細孔を有する酸化膜を形成することができる。この円柱状の細孔は、酸化膜に対して垂直に配向し、一定の条件下(電圧、電解液の種類、温度等)では自己組織的な規則性を示すため、各種機能材料への応用が期待されている。
特定の条件下で形成されたポーラスアルミナ層は、膜面に垂直な方向から見たときに、ほぼ正六角形のセルが2次元的に最も高密度で充填された配列をとっている。それぞれのセルはその中央に細孔を有しており、細孔の配列は周期性を有している。セルは局所的な皮膜の溶解および成長の結果形成されるものであり、バリア層と呼ばれる細孔底部で、皮膜の溶解と成長とが同時に進行する。このとき、セルのサイズすなわち、隣接する細孔の間隔(中心間距離)は、バリア層の厚さのほぼ2倍に相当し、陽極酸化時の電圧にほぼ比例することが知られている。また、細孔の直径は、電解液の種類、濃度、温度等に依存するものの、通常、セルのサイズ(膜面に垂直な方向からみたときのセルの最長対角線の長さ)の1/3程度であることが知られている。このようなポーラスアルミナの細孔は、特定の条件下では高い規則性を有する(周期性を有する)配列、また、条件によってはある程度規則性の乱れた配列、あるいは不規則(周期性を有しない)な配列を形成する。
特許文献2は、陽極酸化ポーラスアルミナ膜を表面に有するスタンパを用いて、反射防止膜(反射防止表面)を形成する方法を開示している。
また、特許文献3には、アルミニウムの陽極酸化と孔径拡大処理を繰り返すことによって、連続的に細孔径が変化するテーパー形状の凹部を形成する技術が開示されている。
特許文献4には、微細な凹部が階段状の側面を有するアルミナ層を用いて反射防止膜を形成する技術が開示されている。
また、特許文献1、2および4に記載されているように、モスアイ構造(ミクロ構造)に加えて、モスアイ構造よりも大きな凹凸構造(マクロ構造)を設けることによって、反射防止膜(反射防止表面)にアンチグレア(防眩)機能を付与することができる。アンチグレア機能を発揮する凹凸を構成する凸部の2次元的な大きさは1μm以上100μm未満である。特許文献1、2および4の開示内容の全てを参考のために本明細書に援用する。ここで、凸部の「2次元的な大きさ」とは、表面の法線方向から見たときの凸部の面積円相当径を指し、例えば、凸部が円錐形の場合、凸部の2次元的な大きさは、円錐の底面の直径に相当する。凹部の「2次元的な大きさ」も同様である。
陽極酸化ポーラスアルミナ膜を利用することによって、モスアイ構造を表面に形成するための型(以下、「モスアイ用型」という。)を容易に製造することができる。特に、特許文献2および4に記載されているように、アルミニウムの陽極酸化膜の表面をそのまま型として利用すると、製造コストを低減する効果が大きい。モスアイ構造を形成することができるモスアイ用型の表面の構造を「反転されたモスアイ構造」ということにする。
モスアイ用型を用いた反射防止膜の製造方法としては、光硬化性樹脂を用いる方法が知られている。まず、基板上に光硬化性樹脂を付与する。続いて、離型処理を施したモスアイ用型の凹凸表面を真空中で光硬化性樹脂に押圧する。その後、光硬化性樹脂を凹凸構造中に充填する。続いて、凹凸構造中の光硬化性樹脂に紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化する。その後、基板からモスアイ用型を分離することによって、モスアイ用型の凹凸構造が転写された光硬化性樹脂の硬化物層が基板の表面に形成される。光硬化性樹脂を用いた反射防止膜の製造方法は、例えば特許文献4に記載されている。
特許文献1、2および4に記載のアンチグレア構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜を製造するための型の製造方法は、反転されたモスアイ構造を形成する工程とは別に、予めアンチグレア構造を形成するための凹凸構造を形成する工程を行う必要がある。例えば、特許文献1には、反転されたモスアイ構造を形成する工程とは別に、サンド・ブラストやガラスビートでのショット・ピーニング等の機械的手段により、アンチグレア構造を形成するための凹凸構造を形成することが記載されている。
特表2001−517319号公報 特表2003−531962号公報 特開2005−156695号公報 国際公開第2006/059686号 国際公開第2011/052652号 国際公開第2012/137664号 国際公開第2013/183576号
そこで、本出願人は、特許文献5に、アンチグレア構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜を製造するための型を簡単に製造する方法を開示している。特許文献5によると、ヘイズ値が1%以上5%以下の反射防止膜の作製に好適な型を製造することができる。
一方、本出願人は他の出願人とともに、特許文献6および7に、鏡面性の高いアルミニウム合金層を備える型基材の製造方法を開示している。なお、本明細書において、「型基材」とは、型の製造工程において、陽極酸化およびエッチングされる対象をいう。特許文献6および7に記載の型を用いると不要なヘイズを有しない反射防止膜を形成することができる。特許文献5〜7の開示内容の全てを参考のために本明細書に援用する。
本発明は、新規な構造を有する反射防止膜および、そのような反射防止膜の作製に好適に用いられる型、ならびに型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のある実施形態による反射防止膜は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、高さが50nm以上300nm以下の複数の第1凸部を有し、前記複数の第1凸部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凸部が環状に配列された、複数の環状凸部群を含み、前記複数の環状凸部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が300nm超800nm以下の複数の第1領域を含む。
ある実施形態において、前記複数の第1領域は、前記複数の第1凸部を有しない。
ある実施形態において、前記複数の第1領域は、前記複数の第1凸部よりも高さの小さい、2個以上の第2凸部を有する第1領域を含む。
本発明の他の実施形態による型は、表面にポーラスアルミナ層を有し、前記ポーラスアルミナ層は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、深さが50nm以上300nm以下の複数の第1凹部を有し、前記複数の第1凹部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凹部が環状に配列された、複数の環状凹部群を含み、前記複数の環状凹部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が300nm超800nm以下の複数の第1領域を含む。
ある実施形態において、前記型は、前記ポーラスアルミナ層の下にアルミニウム合金層をさらに有し、前記アルミニウム合金層は、アルミニウムとチタンとを含む。
ある実施形態において、前記アルミニウム合金層および前記ポーラスアルミナ層の合計の厚さは2μm以上である。
ある実施形態において、前記型は、前記アルミニウム合金層の下に無機下地層をさらに有する。前記無機下地層は、酸化シリコン層、酸化タンタル層または酸化チタン層である。ある実施形態において、前記無機下地層の厚さは50nm以上300nm以下であることが好ましい。
前記型は、前記無機下地層と前記アルミニウム合金層との間に、緩衝層をさらに有し、前記緩衝層は、アルミニウムと、チタンと、酸素または窒素とを含む。
本発明のさらに他の実施形態による型の製造方法は、上記のいずれかに記載の型を製造する方法であって、(a)基材上に厚さが2μm以上のアルミニウム合金層を形成する工程と、(b)前記アルミニウム合金層を部分的に陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記ポーラスアルミナ層を、エッチング液に接触させることによって、前記ポーラスアルミナ層の前記複数の微細な凹部を拡大させる工程と、(d)前記工程(c)の後に、さらに陽極酸化することによって、前記複数の微細な凹部を成長させる工程とを包含する。
ポーラスアルミナ層を形成する工程で用いられる電解液は、例えば、蓚酸、酒石酸、燐酸、クロム酸、クエン酸、リンゴ酸からなる群から選択される酸を含む水溶液である。エッチング液としては、例えば10質量%の燐酸や、蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸の水溶液やクロム燐酸混合水溶液を用いることができる。
本発明の実施形態によると、新規な構造を有する反射防止膜ならびに、そのような反射防止膜の作製に好適に用いられる型、および型の製造方法が提供される。本発明の実施形態によると、例えば、ヘイズ値が1%以上12%以下の反射防止膜、ならびに、そのような反射防止膜の作製に好適に用いられる型、および型の製造方法が提供される。
(a)は、本発明の実施形態による反射防止膜(実施例1)の表面SEM像であり、(b)は、反射防止膜の表面構造を示す模式的な平面図であり、(c)は、(b)の1C−1C’線に沿った模式的な断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態による型の製造方法を説明するための模式図である。 (a)は型基材の表面SEM像であり、(b)はモスアイ用型の表面SEM像であり、(c)は反射防止膜の表面SEM像である(実施例1)。 (a)〜(c)は本発明の実施形態による反射防止膜(実施例2〜4)の表面SEM像である。 比較例の反射防止膜の表面SEM像である。 アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材のSEM像であり、(a)および(b)は厚さが6μm(実施例1)、(c)および(d)は厚さが4μm(実施例2)、(e)および(f)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材の表面のSEM像および断面のSEM像である。 アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、(a)および(b)は厚さが6μm(実施例1)、(c)および(d)は厚さが4μm(実施例2)、(e)および(f)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。 アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、(a)は厚さが6μm(実施例1)、(b)は厚さが4μm(実施例2)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。 アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、(a)は厚さが4μm(実施例3)、(b)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。 実施例1〜4および比較例の反射防止膜の環状凸部群によって包囲された領域の平均径とヘイズ値との関係を示すグラフである。 (a)は実施例1の反射防止膜の表面SEM像であり、(b)は実施例5の反射防止膜の表面SEM像である。 (a)および(b)は、特許文献5に記載の、アンチグレア構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜を製造するための型の製造方法を説明するための模式図であり、(c)はその型を用いた反射防止膜の製造方法を説明するための模式図である。 (a)は厚さが4μmの高純度アルミニウム層の断面SEM像であり、(b)は厚さが2μmの高純度アルミニウム層の表面SEM像であり、(c)は厚さが4μmの高純度アルミニウム層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成された反射防止膜の表面SEM像である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による反射防止膜ならびに、そのような反射防止膜の作製に好適に用いられる型、および型の製造方法を説明する。本発明の実施形態は、以下に例示する実施形態に限定されない。
まず、特許文献5に記載のモスアイ用型およびその製造方法ならびに、そのモスアイ用型を用いた反射防止膜の製造方法を説明する。なお、モスアイ用型の製造に用いられる型基材は、本発明による実施形態と異なるが、陽極酸化とエッチングとを交互に行うことによってモスアイ用型を製造する方法や、モスアイ用型を用いて反射防止膜を形成する方法は、本発明による実施形態と共通する。特許文献5に記載のモスアイ用型の製造方法においては、アルミニウム膜(純度が高いアルミニウム膜)を有する型基材を用いていた。
特許文献5に記載の型の製造方法においては、まず、図12(a)に示すように、基材12上に堆積されたアルミニウム膜18pを用意する。アルミニウム膜18pは高純度アルミニウム、例えば、純度が99.99質量%以上で形成されている。アルミニウム膜18pの厚さは0.5μm以上5μm以下であり、アルミニウム膜18pの表面18psには、結晶粒径の平均値が、200nm以上5μm以下である複数の結晶粒18paが存在する。図12(a)に、アルミニウム膜18pの表面18psに存在する結晶粒界18pbを模式的に示す。アルミニウム膜18pは、例えば、スパッタリング法や電子線蒸着法などの真空成膜法を用いて形成することができる。
次に、アルミニウム膜18pに対して、陽極酸化(AO)およびエッチング(Et)を交互に複数回繰り返すことによって、図12(b)に示すポーラスアルミナ層22を有するモスアイ用型900Aが得られる。
まず、アルミニウム膜18pの表面を陽極酸化することによって、微細な凹部(細孔)22pを有するポーラスアルミナ層22が形成される。図12(b)は、最終的に得られたポーラスアルミナ層22の構造を示しているが、ここでは、簡単のために、微細な凹部22pの形状および大きさの変化に拘わらず、共通の参照符号で示す。
ポーラスアルミナ層22は、アルミニウム膜18pの表面18psの凹凸形状に対応して形成される。すなわち、ポーラスアルミナ層22の表面は、アルミニウム膜18pの複数の結晶粒18paに対応する複数の凸部を有している。また、ポーラスアルミナ層22の微細な凹部22pは、結晶粒18paの表面および結晶粒界18pbに対応する位置に形成される。すなわち、微細な凹部22pは、複数の凸部の間および複数の凸部の表面に形成される。例えば、アルミニウム膜18pの表面18psを、蓚酸水溶液(濃度0.06質量%、液温5℃)を用いて、印加電圧80Vで30秒間陽極酸化を行うことにより、ポーラスアルミナ層22が形成される。陽極酸化条件(例えば、電解液の種類、印加電圧、陽極酸化時間)を調整することにより、微細な凹部間の間隔、微細な凹部の深さ等を調節できる。ポーラスアルミナ層を形成する工程で用いられる電解液は、例えば、蓚酸、酒石酸、燐酸、クロム酸、クエン酸、リンゴ酸からなる群から選択される酸を含む水溶液である。
次に、陽極酸化によって得られたポーラスアルミナ層22をアルミナのエッチャントに接触させることによって所定の量だけエッチングすることにより微細な凹部22pの孔径を拡大する。ここで、ウェットエッチングを採用することによって、微細な凹部22pの側面(細孔壁ともいう。)およびバリア層をほぼ等方的にエッチングすることができる。エッチング液の種類、濃度、およびエッチング時間を調整することによって、エッチング量(すなわち、微細な凹部22pの大きさおよび深さ)を制御することができる。例えば、燐酸(濃度1mol/L、液温30℃)を用いて25分間エッチングを行うことにより、微細な凹部22pを拡大する。エッチング液としては、この他、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸の水溶液やクロム燐酸混合水溶液を用いることができる。
その後、必要に応じて、再び、アルミニウム膜18pを部分的に陽極酸化することにより、微細な凹部22pを深さ方向に成長させるとともにポーラスアルミナ層22を厚くする。ここで、微細な凹部22pの成長は、既に形成されている微細な凹部22pの底部から始まるので、微細な凹部22pの側面は階段状になる。
さらにこの後、必要に応じて、ポーラスアルミナ層22をアルミナのエッチャントに接触させることによってエッチングすることにより微細な凹部22pの孔径をさらに拡大する。
このように、陽極酸化工程およびエッチング工程を繰り返すことによって、モスアイ用型900A(図12(b))が得られる。モスアイ用型900Aは、アルミニウム膜18pの表面18psにポーラスアルミナ層22が形成される結果、表面に、アルミニウム膜18pの複数の結晶粒18paの表面形状に対応する複数の凸部が形成されている。従って、モスアイ用型900Aの表面には、複数の凸部の間(結晶粒界18pbに対応する部分)および複数の凸部の表面(結晶粒18paの表面に対応する部分)に、複数の微細な凹部22pが形成されている。
モスアイ用型900Aは、2次元的な大きさが200nm以上5μm以下である凹凸構造に反転されたモスアイ構造が重畳された形状を有するので、モスアイ用型900Aを用いて反射防止膜を作製すると、モスアイ用型900Aの表面の2次元的な大きさが200nm以上5μm以下である凹凸構造が反転された形状が形成される。この形状は、アンチグレア機能を発揮し得る。すなわち、モスアイ用型900Aを用いることにより、アンチグレア機能を発揮し得る反射防止膜を作製できる。
上述したように、例えば、上記特許文献1、2および4に記載のアンチグレア構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜を製造するための型の製造方法においては、反転されたモスアイ構造を形成する工程とは別に、アンチグレア構造を形成するための凹凸構造を形成する工程を行う必要がある。特許文献5に記載のモスアイ用型の製造方法によれば、アルミニウム膜を堆積する工程においてアンチグレア構造を形成するための凹凸構造が形成されたアルミニウム膜を用いるので、アンチグレア構造を形成するための凹凸構造を形成する工程を別に行うことなく、アンチグレア構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜を製造するためのモスアイ用型を簡単に製造することができる。
なお、反射防止性能の優れた反射防止膜を作製するためには、微細な凹部22pは、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上500nm未満であることが好ましい。モスアイ用型900Aでは、微細な凹部22pの2次元的な大きさ(開口部径:Dp)と微細な凹部22p間の間隔(隣接間距離Dint)とは同程度である。すなわち、微細な凹部22pは密に充填されており、表面の法線方向から見たときの微細な凹部22pの形状を円と仮定すると、隣接する円は互いに重なり合い、隣接する微細な凹部22pの間に鞍部が形成されてもよい。微細な凹部22pの深さ(Ddepth)は10nm以上1000nm(1μm)未満程度である。一般に、微細な凹部間の間隔は印加電圧の大きさにほぼ比例するので、2次元的な大きさが50nm以上500nm未満である細孔を形成するには、細孔間隔が50nm以上500nm未満の微細な凹部が形成される電圧を印加すればよい。
特許文献5によると、0.5μm以上の厚さのアルミニウム膜を形成するときに成膜条件を調整することにより、結晶粒径の平均値が200nm以上5μm以下である複数の結晶粒が表面に存在するアルミニウム膜を形成できる。なお、アルミニウム膜の厚さの上限については、生産性の観点から、5μm以下であることが好ましいとされている。
例えば、厚さが200nmのアルミニウム層をスパッタリング法で形成する工程を5回行うことにより、総厚が1μmで、結晶粒径の平均値が200nmであるアルミニウム膜(実施例1)や、厚さが420nmのアルミニウム層をスパッタリング法で形成する工程を10回行うことにより、総厚が4.2μmで、結晶粒径の平均値が700nmであるアルミニウム膜が作製されている。
モスアイ用型900Aを用いて、以下の様にして、反射防止膜を製造することができる。
図12(c)に示す様に、被加工物42の表面と、モスアイ用型900Aとの間に、紫外線硬化樹脂32Cを付与した状態で、モスアイ用型900Aを介して紫外線硬化樹脂32Cに紫外線(UV)を照射することによって紫外線硬化樹脂32Cを硬化する。紫外線硬化樹脂32Cは、被加工物42の表面に付与しておいてもよいし、モスアイ用型900Aの型面(モスアイ構造を有する面)に付与しておいてもよい。紫外線硬化樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。
その後、被加工物42からモスアイ用型900Aを分離することによって、モスアイ用型900Aの凹凸構造(複数の凸部により構成される凹凸構造に、反転されたモスアイ構造が重畳された構造)が転写された紫外線硬化樹脂32Cの硬化物層が被加工物42の表面に形成される。こうして、2次元的な大きさの平均値が200nm以上5μm以下である複数の凸部により構成される凹凸構造が反転された凹凸構造にモスアイ構造が重畳された反射防止膜が得られる。すなわち、2次元的な大きさの平均値が200nm以上5μm以下であるアンチグレア機能を発揮する凹凸構造に、モスアイ構造が重畳された反射防止膜が得られる。
特許文献5に記載されているように、アルミニウム層の結晶粒径およびその分布を制御することによって、得られる反射防止膜のヘイズ値を制御することができるものの、例えば、ヘイズ値を2%以上6%以下に制御することは簡単ではない。これは、高純度アルミニウム層の構造が、堆積条件に依存して変わり易いことにある。
例えば、図13(a)および(b)に示す様に、厚さが4μmまたは2μmの高純度アルミニウム層には、大部分の結晶粒と比べて不連続的に大きな結晶粒(「異常粒子」ということがある。)が形成されやすく、また、異常粒子の周囲に隙間が形成される。このようなアルミニウム層に対して、陽極酸化とエッチングとを交互に行うと、異常粒子の側面(隙間に面した面)にも微細な凹部が形成される。したがって、そのようなポーラスアルミナ層を有する型を用いて反射防止膜を形成すると、図13(c)に示す様に、側面に小さい凸部を有する大きな凸部が形成される。大きな凸部は、異常粒子の周囲に形成された隙間に対応する。反射防止膜が有するこのような比較的大きな凸部は、摩擦によって破壊されやすく、反射防止膜の耐擦傷性を低下させる。また、このような反射防止膜のヘイズは、比較的大きく、例えば12%以下のヘイズ値を有する反射防止膜を再現性よく量産することは容易ではない。
一方、特許文献6および7には、鏡面性の高い表面を有するアルミニウム合金層を形成する方法およびそのようなアルミニウム合金層を有する型基材を用いて、モスアイ用型を製造する方法が開示されている。特許文献6および7に記載のモスアイ用型を用いると、不要なヘイズを有しない反射防止膜を形成することができる。
本発明者は、特許文献6に記載のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて、適度なヘイズ値を有する反射防止膜を製造することができるモスアイ用型を製造する方法を検討した。適度なヘイズ値とは、例えば、2%以上6%以下であり、近年の高精細な表示パネルに貼ったときに、高精細な画像を劣化させず、クリア性を有しつつ、防眩性を発現する。
本発明の実施形態による反射防止膜の構造を図1(a)〜(c)を参照して説明する。図1(a)は、実施形態による反射防止膜(後述の実施例1)の表面SEM像であり、図1(b)は、実施形態による反射防止膜の表面構造を示す模式的な平面図であり、図1(c)は、図1(b)の1C−1C’線に沿った模式的な断面図である。
図1(a)のSEM写真と図1(b)の模式図とを対比させると理解されるように、本発明の実施形態による反射防止膜32Aは、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、高さが50nm以上300nm以下の複数の第1凸部32aを有し、複数の第1凸部32aは、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で複数の第1凸部32aが環状に配列された、複数の環状凸部群を含み、複数の環状凸部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が300nm超800nm以下の複数の第1領域R1を含んでいる。個々の第1領域R1の長径および短径は、SEM像において環状凸部群を構成する第1凸部32aの頂点を通る略楕円形(図1(a)および(b)中の破線を参照)を描き、その略楕円形の最も長い径と最も短い径として求めることができる。環状凸部群が、2重に環状に配列された第1凸部32aを含む場合は、内側の第1凸部32aの頂点を通る略楕円形に基づいて長径および短径を求める。典型的には、第1領域R1内には第1凸部32aは存在しない。
複数の第1領域R1には、第1凸部32aよりも高さの小さい第2凸部32bを有する第1領域R1や、第2凸部32bを有しない第1領域R1が存在する。また、第2凸部32bを有する第1領域R1の中には、2個以上の第2凸部32bを有する第1領域R1が存在する。
図1(c)に模式的に示す様に、第1凸部32aおよび第2凸部32bは、基本的には、平坦な支持部分32s上に形成されている。特許文献5などの従来のアンチグレア機能を有する反射防止膜は、アンチグレア機能を発現する比較的大きな凹凸構造にモスアイ構造が重畳された構造を有していたのに対し、実施形態による反射防止膜32Aは、アンチグレア機能を発現するような比較的大きな凹凸構造を有していない。反射防止膜32Aにおいては、第1凸部32aが形成する長径と短径との平均値が300nm超800nm以下の複数の第1領域R1が、言い換えると、第1領域R1を形成するよう配置された第1凸部32aが、アンチグレア機能を発現すると考えられる。
複数の第1領域R1を有する特徴的なモスアイ表面構造を有する反射防止膜32Aを形成できる型の製造方法の例を図2を参照して説明する。図2(a)および(b)は、本発明の実施形態による型の製造方法を説明するための模式図である。
まず、図2(a)に示す様に、基材12と、基板12上に必要に応じて形成された無機下地層14と、無機下地層14上に形成されたアルミニウム合金層18とを有する型基材を用意する。基材12の表面は、例えば、平面、曲面、ロール面のいずれかであってもよい。また、基材12の材質は、例えば、ガラス、セラミック、プラスティックなどの耐酸性を有する絶縁物であってもよい。また、基材12は、例えば、アルミニウム材であってもよい。あるいは、例えばアルミニウムでない金属上に絶縁物を付与したものであってもよい。量産性の観点からは、ロール状のアルミニウム基材を用いることが好ましい。無機下地層14は、例えば、酸化シリコン層、酸化タンタル層または酸化チタン層である。無機下地層14の厚さは50nm以上300nm以下であることが好ましい。
アルミニウム合金層18は、アルミニウム(Al)とチタン(Ti)とを含む。以下、アルミニウムとチタンとを含む合金を「Al−Ti」と表記することがある。アルミニウム合金層18中のTiの含有率は、0質量%超2.0質量%以下が好ましく、0質量%超1.0質量%未満がさらに好ましい。Tiの含有率が1.0質量%以上になると、環状凸部群が形成され難くなることがあり、Tiの含有率は約0.5質量%が最も好ましい。
チタンに代えてNd(ネオジウム)を用いることもできる。アルミニウム合金層18の厚さは2μm以上である。このように厚いアルミニウム合金層18は、図2(a)に模式的に示す様に、結晶粒の間にV字状の窪みが形成される。結晶粒の大きさは、概ね300nm超となる。アルミニウム合金層18は、特許文献7に記載されているように、さらにN(窒素)を含んでもよい。Nは、例えば、アルミニウム合金層をスパッタリングによって堆積する際に雰囲気ガスに混入させることによって、アルミニウム合金層に導入することができる。アルミニウム合金層が窒素を含む場合(実施例1〜3)、窒素の含有率は5.7質量%を超えないことが好ましく、1.2質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
このようなアルミニウム合金層18の表面に対して、陽極酸化とエッチングとを交互に繰り返すことによって得られるポーラスアルミナ層22は、結晶粒間のV字状の窪みを形成する表面に形成された比較的大きな(深い)第1凹部22aと、結晶粒の平坦な表面に形成された比較的小さな(浅い)第2凹部22bとを有する。複数の第1凹部22aの表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさは50nm以上300nm未満で、深さは50nm以上300nm以下である。複数の第1凹部22aは、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で複数の第1凹部22aが環状に配列された、複数の環状凹部群を含んでいる。
第1凹部22aは、V字状の窪みを形成する表面に形成されるので、1つの結晶粒界に互いに反対方向に延びる2種類の第1凹部22aが形成される。反射防止膜32Aの第1凸部32aは、この第1凹部22aが転写された構造に対応する。図1(a)および(b)において、第1凸部32aが、2重に環状に配列されていることがわかる。また、反射防止膜32Aにおける第1領域R1は、アルミニウム合金層18の結晶粒に対応して形成されていることがわかる。したがって、アルミニウム合金層18における結晶粒の大きさを制御することによって、反射防止膜32Aにおける第1領域R1の大きさを制御できる。
以下に説明する実施例および比較例からあきらかになるように、アルミニウム合金層の厚さを制御することによって、結晶粒の大きさを制御することができる。もちろん、アルミニウム合金層の組成(Ti含有率)や成膜条件にも依存するが、本発明者の検討によると、アルミニウム合金層の厚さを制御することによって、結晶粒の大きさを制御することが最も量産に適していると考えられる。
以下の実施例1〜4および比較例では、Tiを0.5質量%含むアルミニウム合金層(実施例1〜3は1.2質量%以上2.0質量%以下のNをさらに含む。)を用い、厚さが異なるアルミニウム合金層を有する型基材を作製し、これに対して、陽極酸化(0.3質量%の蓚酸水溶液、10℃、80V)とエッチング(10質量%のリン酸水溶液、30℃)とを交互に、陽極酸化5回、エッチング4回行うことによって、モスアイ用型100A(図2(b)参照)を作製した。基材12としては、ガラス基板またはアルミニウムパイプ(ロール状のアルミニウム基材)を用いた。無機下地層14としては、厚さが200nmの酸化タンタル(Ta25)層を形成した。アルミニウム合金層18の成膜は、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、必要に応じて、スパッタガスとしてアルゴン(Ar)ガスに加えて窒素ガス(N2)を導入した。スパッタ中、無機下地層14の表面温度を80℃に制御した。典型的な条件は、スパッタガス(Arガス)の流量が440sccmであり、スパッタ時の真空度が0.4Paで、窒素ガスを導入した際の窒素ガスの流量は10sccmである(詳細は、特許文献7を参照)。陽極酸化時間、エッチング時間等の個々の条件は下記の表1に併せて示す。なお、比較例の試料の形態は実施例1〜4と異なるので、陽極酸化時間、エッチング時間等の条件を、直接的な比較はできないが、陽極酸化時間は約33秒、エッチング時間は約25分であった。
Figure 0006458051
各反射防止膜は、図12を参照して説明した方法で作製した。被加工物42としては、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを用いた。表1は、各反射防止膜のヘイズ値を示す。ヘイズ値は、日本電色工業株式会社製の積分球式濁度計NDH−2000を用いて測定した。投光は平行光とした。直進透過光と拡散透過光との和を全光線透過光とし、全光線透過光に対する拡散透過光の比をヘイズ値とした。
図3(a)に、実施例1に用いた型基材の表面のSEM像を示し、図3(b)に実施例1のモスアイ用型の表面のSEM像を示し、図3(c)に、反射防止膜の表面のSEM像を示す。
図3(a)に示す実施例1の型基材は、厚さが6μmのアルミニウム合金層を有している。図3(a)のSEM像の中央および右下に見える粒径が特に大きい粒子は異常粒子である。全体に対して、0.5質量%のTiおよび1.2質量%以上2.0質量%以下のNを含み、残りがAlであるアルミニウム合金の組成では、異常粒子の発生を完全に抑制することはできなかったが、高純度アルミニウム層に比べて異常粒子の発生は少なく、また、高純度アルミニウム層に見られた異常粒子の周辺の隙間(図13(a)および(b)参照)は見られなかった。
図3(b)に示す実施例1のモスアイ用型の表面のポーラスアルミナ層は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、深さが50nm以上300nm以下の複数の第1凹部を有している。複数の第1凹部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で複数の第1凹部が環状に配列された複数の環状凹部群を含んでいる。異常粒子の表面には、第1凹部がランダムにかつ均一に形成されている。
図3(c)に示す実施例1の反射防止膜は、図1(a)を参照して説明した様に、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、高さが50nm以上300nm以下の複数の第1凸部32aを有している。複数の第1凸部32aは、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で複数の第1凸部32aが環状に配列された、複数の環状凸部群を含み、複数の環状凸部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が300nm超800nm以下の複数の第1領域R1を含んでいる。図1(a)に示したSEM像において、破線が概ね頂点を通る第1凸部32aで構成された環状凸部群は、平均的な大きさを有するもので、この環状凸部群によって包囲された第1領域(破線内の領域)の長径は850nm、短径は650nmであり、長径と短径との平均値は750nmであった。すなわち、実施例1の反射防止膜における複数の第1領域は、長径と短径との平均値が750nmの第1領域を多く含んでいると言える。なお、表1に示した環状領域の平均径も、第1領域の長径と短径との平均値であるが、求め方が違う。表1中の環状領域の平均径の値については、後に詳述する。実施例1の表1中の環状領域の平均径は723.8nmであり、反射防止膜のヘイズ値は11.48%であった。
図4(a)〜(c)に、実施例2〜4による反射防止膜の表面のSEM像を示す。実施例2〜4のモスアイ用型の作製に用いた型基材が有するアルミニウム合金層の厚さは、それぞれ、4μm、4μm、3μmである。なお、実施例2と3では、同じ厚さのアルミニウム合金層を用いたが、成膜条件が異なる。
図4(a)に示す実施例2の反射防止膜において、概ね頂点を通る破線で示した環状凸部群で包囲された第1領域(破線内の領域)の長径は800nm、短径は500nmであり、長径と短径との平均値は650nmであった。実施例2の表1中の環状領域の平均径は572nmであり、反射防止膜のヘイズ値は4.38%であった。
一方、図4(b)に示す実施例3の反射防止膜において、概ね頂点を通る破線で示した環状凸部群で包囲された第1領域(破線内の領域)の長径は600nm、短径は450nmであり、長径と短径との平均値は525nmであった。実施例3の表1中の環状領域の平均径は514.8nmであり、実施例3の反射防止膜のヘイズ値は5.63%であった。
実施例2と実施例3とは、アルミニウム合金層の成膜条件が異なる。実施例2では、スパッタにおいて2つのターゲット(2源)を用いて、厚さ200nm成膜するたびに一定時間放置し、スパッタ中の型基材の表面の温度の上昇を抑制した。実施例3では、スパッタにおいて1つのターゲット(1源)を用いて、厚さ1000nm成膜するたびに一定時間放置し、スパッタ中の型基材の表面の温度の上昇を抑制した。この成膜条件の違いが、アルミニウム合金層の結晶粒の大きさの違いとなったと考えられる。
図4(c)に示す実施例4の反射防止膜において、概ね頂点を通る破線で示した環状凸部群で包囲された第1領域(破線内の領域)の長径は350nm、短径は250nmであり、長径と短径との平均値は300nmであった。実施例4の表1中の環状領域の平均径は543.4nmであり、実施例4の反射防止膜のヘイズ値は2.29%であった。
図5は、比較例の反射防止膜の表面SEM像である。比較例の反射防止膜は、現在市販している、アンチグレア機能を有しない、クリアタイプの反射防止膜であり、第1凸部が不規則に配列されており、第1領域を形成していない。比較のために、図5中に破線で示した領域の大きさを求めると、約200nmであり、隣接する第1凸部間の距離とほぼ等しい。比較例の反射防止膜のヘイズ値は0.52%と非常に小さい。
次に、図6および図7を参照して、アルミニウム合金層の厚さと異常粒子との関係を説明する。図6は、アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材のSEM像であり、図6(a)および(b)は厚さが6μm(実施例1)、図6(c)および(d)は厚さが4μm(実施例2)、図6(e)および(f)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材のSEM像であり、それぞれ、表面のSEM像と断面のSEM像である。図7は、アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、図7(a)および(b)は厚さが6μm(実施例1)、図7(c)および(d)は厚さが4μm(実施例2)、図7(e)および(f)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。
図6(a)および(b)のSEM像からわかるように、厚さが6μmのアルミニウム合金層は大きな異常粒子を有している。これに対し、厚さが4μmのアルミニウム合金層は、図6(c)および(d)のSEM像からわかるように、異常粒子を有しているものの、その大きさは、厚さが6μmのアルミニウム合金層の異常粒子の大きさに比べてずっと小さい。図6(e)および(f)のSEM像からわかるように、厚さが3μmのアルミニウム合金層は異常粒子を有しない。このように、アルミニウム合金層の厚さが3μmを超えて大きくなると、異常粒子が含まれるようになり、アルミニウム合金層の厚さが大きいほど、異常粒子も大きくなる。
図7(a)、(b)、(c)および(d)に示す反射防止膜の表面SEM像を見ると、異常粒子を含むアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成された反射防止膜には、異常粒子に対応する大きさの凹部が形成されている。特に、図7(a)および(b)に示す様に、厚さが6μmのアルミニウム合金層に含まれる異常粒子が非常に大きい(面積円相当径が3μm以上)ので、異常粒子の斜面に沿って環状の隆起が形成されている。図7(c)および(d)を見ると、異常粒子に対応する大きさの凹部は形成されているが、環状の隆起は見られない。これは、厚さが4μmのアルミニウム合金層に含まれる異常粒子の面積円相当径が2μm未満で比較的小さいためと考えられる。また、図7(e)および(f)からわかるように、異常粒子を含まないアルミニウム合金層を用いて作製されたモスアイ用型を用いると、当然に、異常粒子に対応する大きさの凹部も環状の隆起も形成されない。
図7(a)および(b)に示すような環状の隆起を有する反射防止膜は、耐擦傷性が低いという欠点を有している。すなわち、反射防止膜の表面を例えば布(例えば、KBセーレン株式会社製のザヴィーナMX、savinaは登録商標)でこすると、環状の隆起が破壊されて、表面が白濁して見えるようになることがある。したがって、このような反射防止膜は、耐擦傷性が要求される用途(例えば、スマートフォンなどの携帯端末)には好ましくない。
また、図7(a)〜(d)に示すような、異常粒子に対応する大きさの凹部を有すると、反射防止膜を形成する際の転写工程において、光硬化性樹脂がモスアイ用型の上記の凹部内に残存しやすく、その結果、モスアイ用型を連続的に使用することが困難になることがある。例えば、ロール・ツー・ロール法で、反射防止膜を形成する場合、連続的に反射防止膜を形成できる長さが短くなり、製造効率が低下するという問題がある。
上記のことから、環状隆起の発生を抑制するためには、型基材が有するアルミニウム合金層の厚さは6μm未満であることが好ましく、4μm以下であることがさらに好ましい。また、異常粒子に対応する大きさの凹部が形成されることを抑制するためには、アルミニウム合金層の厚さは3μm以下であることが好ましい。
次に、図8、図9および図10を参照して、実施例1〜4および比較例の反射防止膜の環状凸部群によって包囲された領域(実施例1〜4における第1領域)の平均径とヘイズ値との関係を説明する。図8は、アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、図8(a)は厚さが6μm(実施例1)、図8(b)は厚さが4μm(実施例2)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。図9は、アルミニウム合金層の厚さが異なる型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像であり、図9(a)は厚さが4μm(実施例3)、図9(b)は厚さが3μm(実施例4)のアルミニウム合金層を有する型基材を用いて作製されたモスアイ用型を用いて形成した反射防止膜の表面SEM像である。図10は、実施例1〜4および比較例の反射防止膜の環状凸部群によって包囲された領域の平均径とヘイズ値との関係を示すグラフである。
図4および図5を参照して、実施例1〜4および比較例の反射防止膜の構造(代表的な第1領域の大きさ)とヘイズ値との関係を説明したが、ここでは、第1領域の大きさを以下の様にして求めることによって、第1領域の大きさの精度を高めることを試みた。
反射防止膜の表面のSEM像の中から、5μm×5μmの正方形の領域を選択する。このとき、異常粒子に対応する構造が形成されている領域を含まないように、対象とする領域を選択する。選択した領域の中で、第1領域の大きい方から10個を選択し、長径と短径との長さを測る。10個の第1領域について、長径と短径との平均値を求めた。得られた結果を表1(環状領域の平均値)に示す。また、第1領域の長径と短径との平均値(=環状凸部群によって包囲された領域の平均径)とヘイズ値との関係を図10のグラフに示す。
図10のグラフからわかるように、第1領域の長径と短径との平均値が大きくなるほど、ヘイズ値が大きくなるという傾向が認められる。なお、実施例2および3の反射防止膜のヘイズ値が実施例4の反射防止膜のヘイズ値よりも大きくなっているのは、実施例2および3の反射防止膜には、異常粒子による比較的大きな構造(面積円相当径が1μm超)が存在し、それによるヘイズ値の増大があるためと考えられる。
実施例2〜4の反射防止膜における第1領域の長径と短径との平均値は、500nm以上600nm以下の範囲に入っており、ヘイズ値は2%以上6%以下の範囲に入っている。実施例2〜4の反射防止膜は、クリア性を有しつつ、防眩性を発現しており、高精細な表示パネルに好適に用いられる。
もちろん、実施例1の反射防止膜も比較的高い防眩性が求められる用途またはユーザに対しては好適に用いられ得る。図11(a)に実施例1の反射防止膜の表面SEM像を示し、図11(b)に実施例5の反射防止膜の表面SEM像を示す。実施例5は、モスアイ用型の製造プロセスにおける陽極酸化の時間を45秒にした以外は、実施例1(陽極酸化時間33秒)と同様にして作製したモスアイ用型を用いて反射防止膜を作製した。
図11(a)からわかるように、実施例1の反射防止膜における第1凸部の高さは100nm〜150nmであり、第1凸部によって包囲された領域内の第2凸部の高さは10nm程度である。また、図11(b)からわかるように、実施例5の反射防止膜における第1凸部の高さは200nm〜250nmであり、第1凸部によって包囲された領域内の第2凸部の高さは50nm程度である。
このように、本発明の実施形態による反射防止膜は、第1凸部によって包囲された第1領域が、長径と短径との平均値が300nm超800nm以下という大きさを有しているので、クリア性を有しつつ、防眩性を発現することができる。第1凸部および第2凸部は、従来のモスアイ構造を有する反射防止膜と同様に反射防止機能を発現する。
本発明は、反射防止膜および、そのような反射防止膜の作製に好適に用いられる型、ならびに型の製造方法に用いられる。本発明によると反射防止膜は、高精細な表示パネルに好適に用いられる。
32A 反射防止膜
32s 支持部分
32a 第1凸部
32b 第2凸部
R1 第1領域(環状領域)

Claims (8)

  1. 表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、高さが50nm以上300nm以下の複数の第1凸部を有し、
    前記複数の第1凸部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凸部が環状に配列された、複数の環状凸部群を含み、
    前記複数の環状凸部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が500nm以上600nm以下の複数の第1領域を含み、
    前記複数の第1凸部は、平坦な支持部分上に形成されており、
    ヘイズ値が2%以上6%以下であり、
    前記複数の第1領域は、前記複数の第1凸部のいずれをも有しない、および/または、前記複数の第1領域は、前記複数の第1凸部よりも高さの小さい、2個以上の第2凸部を有する第1領域を含む、反射防止膜。
  2. 前記複数の第1凸部は、ランダムに配置されている、請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 請求項1または2に記載の反射防止膜を形成するための型であって、
    表面にポーラスアルミナ層を有し、
    前記ポーラスアルミナ層は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、深さが50nm以上300nm以下の複数の第1凹部を有し、
    前記複数の第1凹部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凹部が環状に配列された、複数の環状凹部群を含み、
    前記複数の環状凹部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が500nm以上600nm以下の複数の第1領域を含む、型。
  4. 前記ポーラスアルミナ層の下にアルミニウム合金層をさらに有し、
    前記アルミニウム合金層は、アルミニウムとチタンとを含む、請求項に記載の型。
  5. 前記アルミニウム合金層および前記ポーラスアルミナ層の合計の厚さは3μm以上4μm以下である、請求項に記載の型。
  6. 前記アルミニウム合金層の下に無機下地層をさらに有する、請求項またはに記載の型。
  7. 請求項からのいずれかに記載の型を製造する方法であって、
    (a)基材上に厚さが3μm以上4μm以下のアルミニウム合金層を形成する工程と、
    (b)前記アルミニウム合金層を部分的に陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する工程と、
    (c)前記工程(b)の後に、前記ポーラスアルミナ層を、エッチング液に接触させることによって、前記ポーラスアルミナ層の前記複数の微細な凹部を拡大させる工程と、
    (d)前記工程(c)の後に、さらに陽極酸化することによって、前記複数の微細な凹部を成長させる工程とを包含する、型の製造方法。
  8. 反射防止膜を形成するための型を製造する方法であって、
    前記反射防止膜は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、高さが50nm以上300nm以下の複数の第1凸部を有し、
    前記複数の第1凸部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凸部が環状に配列された、複数の環状凸部群を含み、
    前記複数の環状凸部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が500nm以上600nm以下の複数の第1領域を含み、
    前記複数の第1凸部は、平坦な支持部分上に形成されており、
    前記反射防止膜のヘイズ値が2%以上6%以下であり、
    前記型は、表面にポーラスアルミナ層を有し、
    前記ポーラスアルミナ層は、表面の法線方向から見たときの2次元的な大きさが50nm以上300nm未満で、深さが50nm以上300nm以下の複数の第1凹部を有し、
    前記複数の第1凹部は、それぞれが、50nm以上300nm未満の隣接間距離で前記複数の第1凹部が環状に配列された、複数の環状凹部群を含み、
    前記複数の環状凹部群のそれぞれによって包囲された複数の領域は、長径と短径との平均値が500nm以上600nm以下の複数の第1領域を含み、
    前記型は、前記ポーラスアルミナ層の下にアルミニウム合金層をさらに有し、
    前記アルミニウム合金層は、アルミニウムとチタンとを含み、
    (a)基材上に厚さが3μm以上4μm以下のアルミニウム合金層を形成する工程と、
    (b)前記アルミニウム合金層を部分的に陽極酸化することによって、複数の微細な凹部を有するポーラスアルミナ層を形成する工程と、
    (c)前記工程(b)の後に、前記ポーラスアルミナ層を、エッチング液に接触させることによって、前記ポーラスアルミナ層の前記複数の微細な凹部を拡大させる工程と、
    (d)前記工程(c)の後に、さらに陽極酸化することによって、前記複数の微細な凹部を成長させる工程とを包含する、型の製造方法。
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