JP6089402B2 - 反射防止フィルム製造用原版 - Google Patents

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本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられ、表面に微細凹凸を有する反射防止フィルムを製造するために用いられる反射防止フィルム製造用原版、及びこれを用いた反射防止フィルムの製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の種々の表示方式のフラットパネルディスプレイの需要が増加している。フラットパネルディスプレイに要求される重要な品質の1つとして反射防止性能があり、反射防止技術の開発は、各方式のディスプレイにおいて共通する重要な技術的課題の一つになっている。
反射防止技術の1つとして、最近では、凹凸の周期が可視光の波長以下に制御された微細な凹凸パターンを表面に形成することによって反射防止を図る技術が注目されている(特許文献1参照)。このような方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。このようなモスアイ構造を用いた反射防止技術は、簡易な方法によって広い波長範囲の光の反射を防止できる点において有用なものであることから、ディスプレイの分野においてもその実用化が検討されている。なお、上記モスアイ構造に用いられる凹凸パターンとしては、円錐形や四角錐形などの錐形体が一般的である。
上記モスアイ構造は、その微細な凹凸形状を反転させた形状を有する原版(金型あるいは鋳型などのスタンパ)を用いて、その凹凸を任意の樹脂層に転写することによって製造されるのが一般的である。したがって、モスアイ構造が用いられた反射防止フィルムを作製する方法としては、基板上に硬化性樹脂からなる樹脂層を形成した後、上記のようなスタンパを用いて当該樹脂層の表面にモスアイ構造を賦型し、さらに当該樹脂層を硬化させることによって形成する方法を用いることができる。このような製造方法は、簡易な方法で、かつ高い製造効率で反射防止フィルムを連続的に製造することができるという利点があるものである。
ところで、上記モスアイ構造は、その微細な凹凸形状を反転させた形状を有するスタンパを用いて、その凹凸の型を任意の樹脂層に転写することによって製造されるのが一般的であるところ、当該スタンパの製法の一例として特許文献1のような陽極酸化法によって凹部が形成されたものが用いられている。陽極酸化法は、凹部が形成される位置をランダムにすることができること、大面積にわたって均一な形状を有する凹部を形成できること等において利点を有する。
陽極酸化法に用いられる金属基体としてはアルミニウムからなる金属基体が好適に用いられる。アルミニウムは酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易であるからである。また、金属基体表面に陽極酸化法を用いて微細孔を形成する場合、微細孔は金属基体表面の状態に大きく依存するため、金属基体表面に高精細な微細孔を形成するためには、金属基体表面のアルミニウムの純度が高く、緻密で結晶粒が揃っており、かつ平滑な鏡面であることが要求される。このような金属基体としては、従来から任意の基材上にアルミニウムのスパッタ膜、蒸着膜等のアルミニウム薄膜が形成されたものが用いられている。
国際公開第2006/059686号パンフレット
しかしながら、上記のように、アルミニウム薄膜上に微細孔を形成するのみでは、反射防止性能が未だ不充分である。このため、反射率を更に大幅に下げる要求があり、各種の検討が行われている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、反射防止性能を更に大幅に向上させることができる反射防止フィルムを製造するための原版、及びこれを用いた反射防止フィルムの製造方法を提供する。具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 基材と、前記基材上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたアルミニウム及び/又はその酸化物からなる薄膜とを備え、
前記薄膜の表面に可視光領域の波長以下の周期の微細孔が形成されており、
前記薄膜の表面の表面粗さRaが50μm以上500μm以下である反射防止フィルム製造用原版。
(2) 前記絶縁層が電着法により形成された(1)に記載の反射防止フィルム製造用原版。
(3) 前記絶縁層の表面の表面粗さRaが50μm以上500μm以下である(1)又は(2)に記載の反射防止フィルム製造用原版。
(4) 前記絶縁層がアクリル系樹脂である(1)から(3)のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版。
(5) 前記絶縁層と前記薄膜との間に密着強化層を更に備える(1)から(4)のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版。
(6) 前記基材の形状がスリーブ形状である(1)から(5)のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版。
(7) 基材上に電着法により表面粗さRaが50μm以上500μm以下の絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上にアルミニウムの薄膜を形成する工程と、
前記薄膜の表面に可視光領域の波長以下の周期の微細孔が形成する工程と、を備える反射防止フィルム製造用原版の製造方法。
(8) (1)から(6)のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版を用いて転写することにより、光透過性基板と、前記光透過性基板上に形成され、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された微細凹凸を有し、かつ、表面粗さRaが50μm以上500μm以下である反射防止層とを有する、反射防止フィルムの製造方法。
本発明によれば、可視光領域の波長以下の周期の微細孔が、上記表面粗さの表面上に形成されるので、いわゆるモスアイフィルムに防眩性を付与でき反射防止性能に優れる反射防止フィルムを製造するための原版を提供できる。
本発明の反射防止フィルム製造用原版の製造方法の一例を示す工程図である。 図1における薄膜の表面付近の拡大図である。
以下、図面を用いて本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の反射防止フィルム製造用原版10の製造方法の一例を示す工程図であり、図2は図1における薄膜の表面付近の拡大図である。この製造プロセスは、図1に示すように工程(a)から(d)で構成されている。具体的には、図1(a)に示す基材1の表面に、図1(b)に示すように所定の表面凹凸を有する絶縁層2を形成する工程と、図1(c)に示すように絶縁層上にアルミニウムの薄膜3を形成する工程と、図1(d)に示すように薄膜の表面に可視光領域の波長以下の周期の微細孔31を形成する工程と、からなる。以下、各工程について詳細に説明する。
<絶縁層形成工程>
まず、図1(a)及び(b)に示すように、基材1の表面に電着法により絶縁層2を形成する。
[基材]
基材1としては、上述した絶縁層2及び薄膜3を形成して、反射防止フィルム製造用原版として用いることができる程度の自己支持性をするものであれば特に限定されるものではない。基材は単層であってもよく2層以上の多層でもよい。具体的には最表面にニッケルなどの金属層を有するアルミニウム製パイプなどが例示できる。金属層の形成方法は、一般的な金属層の形成方法と同様とすることができ、具体的にはスパッタ法、蒸着法、めっき法等を挙げることができる。
最表面に配置される金属としては、具体的には、ニッケル、クロム、銀、ステンレス鋼、ブリキ、アルミニウムなどが例示でき、なかでもニッケルが電着膜がムラ無く均一に付くことから好ましく用いられる。金属層の表面が平滑な鏡面であることが好ましく、より具体的には、金属層表面の表面粗さRa80nm以下が好ましく、より好ましくは40nm以下である。なお、ここでいう表面粗さRaとは、JIS−B0601で定義される算術平均粗さである。上記表面粗さまで金属層表面に平滑性を付与する方法としては、従来公知の研磨法を用いることができる。
基材1の形状としては、絶縁層2及び薄膜3を形成することが可能な形状であれば特に限定されず、板形状、フィルム形状、ロール形状、スリーブ形状等を挙げることができる。なかでもロール形状であることが好ましい。これにより、本発明の反射防止フィルム製造用原版を用いて、反射防止フィルムを製造効率よく製造することが可能となる。ロール形状の基材1としては、具体的には軸付ロール、軸なしパイプ等を挙げることができる。
また、金属層が厚み1000μm以下のスリーブ形状(筒状)であることも好ましい。これにより、スリーブ形状の反射防止フィルム製造用原版は、ロール形状のものに比べて軽量であり、取扱いが容易となる。また、アルミパイプなどの表面に簡単に装脱着可能であり、交換も容易である。スリーブは従来公知の電鋳法などにより製造できる。
[絶縁層]
絶縁層2は、上記のように基材1の平滑な表面に電着法により形成される。電着は例えば特公平6−76680に記載されているような従来公知の条件で行うことができる。絶縁層2を構成する材料としては、具体的にはアクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、などの有機樹脂が例示でき、電着可能な極性を有していれば特に限定されないが、本発明においては、絶縁性、密着性という観点からアクリル系樹脂が特に好ましい。絶縁層2の厚さは上記特性が維持できればよく特に限定されないが、1μm以上20μm以下が例示できる。ここで表面凹凸を有する絶縁層2の厚さとは塗布硬化後の基材1との差分をマイクロメータで測定した10点平均厚さを意味する。
なお、本発明における「基材上に電着法により形成された絶縁層」とは、図1(b)のように基材1上に絶縁層2が直接形成される場合はもちろんのこと、基材1と絶縁層2との間にアンカー層(密着向上層)などの別の層を介して配置される場合も含むものであり、「基材上に」とは、基材の上方に直接又は間接的に絶縁層が配置されていることを意味する。
本発明の特徴は、この電着法により形成される絶縁層2の表面(図1(b)における表面25)における表面粗さRaが50μm以上500μm以下であり、好ましくは100μm以上300μm以下である。ここで表面粗さRaは上記同様にJIS−B0601で定義される値である。凸部同士の間隔は50μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以上300μm以下である。この範囲の凹凸を絶縁層2の表面に付与することにより、後に形成される薄膜も表面粗さRaが50μm以上500μm以下となり、モスアイとしての機能に防眩性を付与することで、反射防止効果をモスアイ単独に比べて格段に高くすることができる。Raが50μm未満であると、防眩性の付与が不充分で反射防止性能が不充分であるので好ましくなく、500μmを越えるとざらざらとした外観となるので好ましくない。
<薄膜形成工程>
次に、図1(c)に示すように、絶縁層2の表面25に電着法によりアルミニウムの薄膜3を形成する。アルミニウムは酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易であるので本発明に好適に用いられる。ここでアルミニウムにはアルミニウム合金も含まれる。
薄膜3は従来公知のスパッタ法、蒸着法、めっき法等で形成され、その厚さは、好ましくは0.1μmから10μm程度である。この結果、図1(c)に示すように、薄膜3の表面35の表面粗さも、図1(b)の表面25と同程度の粗さ、すなわち表面粗さRaが50μm以上500μm以下となる。
なお、本発明における「絶縁層上に形成されたアルミニウム及び/又はその酸化物からなる薄膜」とは、図1(c)のように絶縁層2上に薄膜3が直接形成される場合はもちろんのこと、絶縁層2と薄膜3との間にアンカー層(密着向上層)などの別の層を介して配置される場合も含むものであり、「絶縁層上に」とは、絶縁層の上方に直接又は間接的に薄膜が配置されていることを意味する。
このような密着向上層としては、例えばシリカなどの無機酸化物層を従来公知のスパッタ法や蒸着法で例えば厚さ1〜100nmで形成することが例示できる。
<微細孔形成工程>
最後に、図1(d)に示すように、薄膜3の表面35に陽極酸化法、具体的には陽極酸化とエッチングとを交互に行うことにより、表面35に微細孔31を形成して本発明の反射防止フィルム製造用原版が得られる。この際、微細孔31が形成される表面35付近は酸化されて酸化アルミニウムとなる。本発明における「絶縁層上に形成されたアルミニウム及び/又はその酸化物からなる薄膜」とはこのような、絶縁層/アルミニウム層/酸化アルミニウム層(表面に微細孔有)のような多層構成を含んでいることを意味するものである。
陽極酸化法は、薄膜3の表面に複数の微細孔を有する酸化アルミニウム膜を形成する陽極酸化工程と、上記酸化アルミニウム膜をエッチングすることにより上記微細孔の開口部にテーパー形状を形成するエッチング工程と、を順次繰り返し実施することによって、薄膜3の表面に複数の微細孔31を形成することができる。
陽極酸化工程は、薄膜の表面に複数の微細孔を有する酸化アルミニウム膜を形成する工程である。ここで、上記陽極酸化法により形成される微細孔の深さや配列態様は、陽極酸化に用いる電解液の液性等に依存するものであるところ、本工程に用いられる電解液は、中性の電解液であっても、あるいは酸性の電解液であっても好適に用いることができる。なかでも、本工程においては、上記電解液として酸性の電解液が用いられることが好ましい。酸性の電解液が用いられることにより、所望のモスアイ形状が得られやすい。本工程に用いられる酸性の電解液としては、例えば、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、およびリン酸水溶液等を挙げることができる。
陽極酸化時間としては、アルミニウム薄膜の表面に所望の形状の複数の微細孔を有するアルミニウム酸化膜を形成することができれば特に限定されるものではなく、本発明に用いられる反射防止フィルム製造用原版の製造方法に用いられる金属基体のアルミニウム薄膜、本工程に用いられる電解液等に応じて適宜設定されるものである。また、形成される酸化アルミニウム膜の厚みとしては、所望の形状の複数の微細孔を有することができる程度であれば、特に限定されるものではない。
エッチング工程では、テーパー形状を有する孔の径を均等に大きくする。エッチング液としては、例えば、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液、クロム酸水溶液等の酸性水溶液、およびこれらの混合液が用いられる。また、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液が用いられる。なかでも、取り扱いや管理の面から、リン酸水溶液が好ましい。エッチング液の濃度としては、エッチング液の種類、本発明に用いられる反射防止フィルム製造用原版の製造方法に用いられる金属基体等に応じて適宜調整されるものであるが、例えば、0.005M〜2.0Mの範囲内であることが好ましく、0.01M〜1.5Mの範囲内であることがより好ましい。エッチング時間としては、例えば、1分間〜60分間の範囲内であることが好ましく、2分間〜30分間の範囲内であることがより好ましい。
上記の陽極酸化工程とエッチング工程とを順次繰り返し実施してもよく、通常、反射防止フィルム製造用原版として用いることが可能な程度に均一な微細孔ができるまで、複数回繰り返して行われる。
[微細孔の形状と寸法]
図2はこのような陽極酸化法の一例によって形成された薄膜3の拡大図であり、その表面35aには多数の微細孔31が規則的に形成されている。実際には表面35には上記の表面粗さRaが存在するが、拡大図のために模式的に表面35を直線で表している。
微細孔31の開口部の縦断面の形状としては、所定の深さのテーパー形状を有することが好ましい。図2におけるテーパー角度θとしては、テーパー形状を形成することが可能な角度であれば特に限定されるものではないが、50°〜87°の範囲内であることが好ましく、55°〜85°の範囲内であることがより好ましく、55°〜82°の範囲内であることがさらに好ましい。微細孔の開口部の縦断面におけるテーパー角度が上記範囲よりも大きいと、開口部が垂直形状に近くなり、反射防止フィルムを製造する際に、原版の微細孔に樹脂層が入り込みにくくなる場合があるからである。また、原版から抜けにくくなるからである。一方、微細孔の開口部の縦断面におけるテーパー角度が上記範囲よりも小さいと、開口部を形成することが困難となる場合があるからである。また、反射防止機能が劣るようになるからである。なお、テーパー角度は、縦断面を電子顕微鏡により観察して10個分のテーパー角度を測定し、その測定値の平均値とする。微細孔31の開口表面の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円、楕円等の丸形状の他、多角形形状などを挙げることができる。
微細孔31の開口表面の径、すなわち上記微細孔の孔径としては、特に限定されるものではないが、25nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、50nm〜250nmの範囲内であることがより好ましい。上記微細孔の孔径が25nm以下の場合、反射防止フィルムにおいて隣り合う構造体の間が大きくなるため、構造体を形成していない部分が多くなり、反射防止機能が悪くなる。なお、本発明の反射防止フィルム製造用原版における上記孔径は、上述した方法で決定した平均値とする。
微細孔31の周期Pは、特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルム製造用原版を用いて製造する反射防止フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。周期Pは、反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その周期が長くなるほど780nm以下の可視光領域の短波長側の光に対する反射率が増加する傾向にあるものである。一方、周期が200nm以下においては、周期の変動に伴う反射率の波長依存性の変化は少なくなるものである。このようなことから周期Pは、50nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、80nm〜200nmの範囲内であることがより好ましい。なお、上記周期はすべての微細孔において均一ではない場合があるが、その場合は、上記周期は上述した方法で決定した平均値とする。
微細孔31の深さQも、反射防止フィルムの反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その深さが深いほど反射率を低くすることができ、一方、浅くなると長波長側の反射率が増加する傾向にあるものである。このようなことから、上記微細孔の孔深さは、60nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、100nm〜800nmの範囲内であることがより好ましい。なお、上記微細孔の深さは上述した方法で決定した平均値とする。
微細孔31同士の間隔Rは、これが広くなるほど、反射防止フィルムにおいて可視光の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、狭くなるほど可視光の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。このようなことから、上記微細孔が形成される間隔は、0nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜50nmの範囲内であることがより好ましい。なお、上記間隔はすべての微細孔において均一ではない場合があるが、その場合における上記間隔は、上述した方法で決定した平均値とする。
<反射防止フィルム>
本発明の反射防止フィルム製造用原版(以下、単に原版ともいう)は、光透過性基板上に塗布されたUV硬化樹脂などと圧着することにより、表面35aの形状がUV硬化樹脂側表面に賦型転写され反射防止層となり、その後に樹脂をUV硬化して原版から剥離することにより製造される。
その結果得られる反射防止フィルムは、表面に視光領域の波長以下の周期で形成された微細凹凸を有し、かつ、表面粗さRaが50μm以上500μm以下である反射防止層を有しており、極めて低反射率なものとなる。具体的には、5度正反射率が0.1%以下の反射防止フィルムを得ることができる。例えばディスプレイ用の反射防止フィルム等に好適に用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。まず、電鋳法により製造したニッケルスリーブ(150mm径、長さ600mm、厚さ0.1mm)を、アルミパイプ(149.9mm径、長さ620mm、厚さ5mm)にはめて固定し基材とした。ニッケルスリーブの表面粗さRaは40nm以下であった。
次に、ニッケルスリーブ表面に電着により絶縁性のアクリル系樹脂を絶縁層として形成した。電着条件は、厚さ8μm、表面粗さRaは200μm、凸部ピッチ間隔が100μmとなるように調整した。
その後、絶縁層上に、密着向上層としてのシリカ薄膜を10nmスパッタリングで形成し、更にシリカ薄膜上に、スパッタリングでアルミニウム薄膜を形成して積層体を得た。このとき、アルミニウム薄膜の表面の表面粗さRaは200μmであった。
上記積層体に対して、シュウ酸溶液(濃度5%、10℃)による陽極酸化工程(直流60V)と、リン酸溶液(濃度20%、30℃)による上記の第二エッチング工程とを、計6回繰り返して、孔周期Pが130nm、孔深さQが400nm、孔間隔Rが10nmの微細孔を形成し、スリーブを取り外して原版を作成した。
この原版を用いて、透明アクリル基材125μm上に塗布したアクリル系UV硬化樹脂10μmの表面に転写して、UV硬化して反射防止層を形成、その後剥離して、透明基材/反射防止層の構成の反射防止フィルムを得た。表面粗さRaは200μmであった。
得られた反射防止フィルムの5度正反射率を測定した結果、反射率0.09%という結果を得た。一方、絶縁層として表面粗さRaが30μmのアクリル系UV硬化樹脂を塗装法により形成した以外は実施例と同様の方法で製造した比較例の反射防止フィルム製造用原版は、アルミニウム薄膜の表面粗さRaは30μmであり、得られた反射防止フィルムの表面粗さRaは30μmであり、5度正反射率が0.15%と高かった。
1 … 基材
2 … 絶縁層
3 … 薄膜
10 … 反射防止フィルム製造用原版
25、35、35a … 表面
31 … 微細孔

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたアルミニウム及び/又はその酸化物からなる薄膜とを備え、
    前記薄膜の表面に可視光領域の波長以下の周期の微細孔が形成されており、
    前記微細孔を含む前記薄膜の表面の表面粗さRaが50μm以上500μm以下であり、
    前記基材は、最表面に金属層を備え、
    前記最表面の金属層の表面粗さRaが80nm以下である反射防止フィルム製造用原版。
  2. 前記絶縁層の表面の表面粗さRaが50μm以上500μm以下である請求項1に記載の反射防止フィルム製造用原版。
  3. 前記絶縁層がアクリル系樹脂である請求項1又は2に記載の反射防止フィルム製造用原版。
  4. 前記絶縁層と前記薄膜との間に密着強化層を更に備える請求項1から3のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版。
  5. 前記基材の形状がスリーブ形状である請求項1から4のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版。
  6. 基材上に電着法により表面粗さRaが50μm以上500μm以下の絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上にアルミニウムの薄膜を形成する工程と、
    前記薄膜の表面に可視光領域の波長以下の周期の微細孔が形成する工程と、を備え、
    前記基材は、最表面に金属層を備え、
    前記最表面の金属層の表面粗さRaが80nm以下である反射防止フィルム製造用原版の製造方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の反射防止フィルム製造用原版を用いて転写することにより、光透過性基板と、前記光透過性基板上に形成され、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された微細凹凸を有し、かつ、前記微細凹凸を含む表面粗さRaが50μm以上500μm以下である反射防止層とを有する、反射防止フィルムの製造方法。
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