JP5659475B2 - 反射防止フィルム製造用金型 - Google Patents
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しかしながら、このような複数層を用いる技術においても幾つかの問題点があった。まず第1に、反射防止効果に優れた複数層を形成するには、通常、真空蒸着法などを用いて成膜する必要があるため、表示装置を製造するに際して真空設備を備えることが必要となり、製造工程が煩雑になってしまうという問題点があった。また、真空蒸着法では、成膜時間も長時間になるのが一般的であったことから、製造効率の問題も指摘されていた。特に、周囲光が非常に強い環境で使用されるディスプレイに対しては、一層高い反射防止性能が要請されるため、複数層を構成する層数を増加させる必要があることから、製造コストが著しく高くなってしまうという問題点があった。
第2に、技術的観点からしても、複数層による反射防止技術は、光の干渉現象を利用するものであるため、反射防止効果が光の入射角や波長に大きく影響してしまい、望みどおりの反射防止効果を得ることが困難であるという問題点があった。
なお、上記モスアイ構造に用いられる凹凸パターンとしては、円錐形や四角錐形などの錐形体が一般的である。
しかしながら、上記陽極酸化法によって形成される反射防止フィルム製造用金型は、通常、アルミニウムからなる基板の表面に酸化アルミニウム層が形成され、当該酸化アルミニウム層に凹部が形成された構成を有するものであるところ、上記酸化アルミニウム層それ自体は、比較的硬度が高く、傷や欠損が生じることが少ないものであるが、上記各引用文献に記載された方法によって製造される金型においては、酸化アルミニウム層の厚みが薄いため、傷や欠損の発生を十分に防止することができないという問題点があった。
以下、当該発明について詳細に説明する。
なお、図1における1Bは本発明の反射防止フィルム製造用金型10を構成する必須の要素ではないが、アルミニウムからなる層を示すものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明における金型層について説明する。上述したように本発明における金型層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成されたものであって、表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが、上記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とするものである。本発明の反射防止フィルム製造用金型は、上記酸化アルミニウム層の厚みが上述した範囲内であることにより、金型層の表面に形成された凹部に傷が付きにくく、かつ欠損が生じにくいという効果を奏するものである。
なお、上記周期はすべての凹部において均一ではない場合があるが、その場合は、単位面積あたりに形成された凹部の平均周期を指すものとする。また、本発明における凹部はすべての凹部が単一の周期で形成されていてもよく、あるいは複数の周期で形成されていてもよい。
なお、本発明における凹部が、後述する陽極酸化法によって形成されたものである場合、微視的にみると本発明の金型層には、凹部Xの底面に微細な空孔Yが形成される場合もある(図2(b))。しかしながら、このような場合であっても本発明における凹部は、陽極酸化によって形成された空孔がエッチング等によって拡大された部位(図2(b)中、Xで示す部位)のみを指し、エッチング等によって拡大されていない空孔(図2(b)中、Yで示す部位)は、本発明における凹部には含まれないものとする。
なお、本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法として後述する陽極酸化法が用いられる場合、上記金型層は図1に例示したようなアルミニウム層、および酸化アルミニウム層からなるものとなる。
本発明の反射防止フィルム製造用金型は少なくとも上記金型層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる他の構成としては、本発明の目的を損なわないものであれば特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルム製造用金型に所望の機能付与できる構成を適宜用いることができる。このような任意の構成の例としては、例えば、上記金型層を支持する基体を挙げることができる。
次に、本発明の反射防止フィルム製造用金型の用途について説明する。本発明の反射防止フィルム製造用金型は、いわゆるモスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられるものである。ここで、モスアイ型の反射防止フィルムとは、周期が可視光の波長以下に制御された微細な凸パターンを表面に形成することによって、入射光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。本発明の反射防止フィルム製造用金型はモスアイ型の反射防止フィルムの技術的な中核となる微細な凸パターンを表面に形成するために用いられるものである。
より具体的には、上記モスアイ型の反射防止フィルムの製造方法としては、例えば、表面に凹部が形成された金型を用い、当該金型に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を充填する工程と、当該金型に充填された硬化性樹脂組成物上に光透過性基板を配置する工程と、上記硬化性樹脂組成物と上記光透過性基板とが接した状態で上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、硬化された硬化性樹脂組成物から上記金型を剥離する工程とを有する製造方法や、光透過性基板を用い、当該光透過性基板上に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を塗工することにより、硬化性樹脂組成物からなる膜を形成する工程と、表面に凹部が形成された金型を用い、上記硬化性樹脂組成物からなる膜にモスアイ構造を賦型する工程と、上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、上記金型を剥離する工程とを有する製造方法等が知られているが、本発明の反射防止フィルム製造用金型は、これらの製造方法における金型として用いられるものである。
なお、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムは、通常、表示装置等の最表面に配置されて用いられるものである。しかしながら、当該反射防止フィルムの表面に形成されたモスアイ構造は反射防止機能のみでなく、例えば、アンカー効果により、モスアイ構造上に任意の層を形成した場合に当該任意の層との接着性を向上させるという機能も奏し得るものである。このため、本発明の反射防止フィルム製造用金型によって製造される反射防止フィルムの用途は、上述したような表示装置の最表面に配置される用途に限られるものではなく、例えば、複数の層が積層された構成を有する光学部材の内部に配置され、反射防止機能と上記アンカー効果による接着性向上機能とを奏する態様で用いられる場合もある。
次に、本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法について説明する。本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法としては、上述したような構成を有する金型層を作製することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に公知の方法を適宜組み合わせた方法を用いることができる。このような製造方法の例としては、例えば、表面がアルミニウムからなる金属基板を用い、陽極酸化法によって上記金属基板の上記アルミニウムからなる金属基板の表面に凹部を形成する方法を挙げることができる。
ここで、図4に例示するように、上記陽極酸化法(図4(b))ではアルミニウムを酸化しながら凹部が形成されることになるため、凹部が形成されるとともに、酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層(アルミナ膜)1Aが形成されることになる。また、上記陽極酸化工程(図4(b))において、金属基板1’のアルミニウムからなる層がすべて陽極酸化されない場合には、アルミニウムからなる層1Bが残存することになる。
このような方法によれば、陽極酸化の条件を調整することによって、凹部を除く酸化アルミニウム層の厚みを本発明で規定する範囲内にすることができる。
ここで、上記基体としては特に限定されるものではなく、上述したものを用いることができる。
純度99.9%のアルミニウム板を0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電解液として電圧40Vで1分間、陽極酸化を行った。その後2wt%のリン酸30℃中で5分間エッチングを行った。この操作を5回繰り返したあと、再び、15分間陽極酸化を行うことで、周期100nm、深さ300nm、のテーパー形状の凹部を有し、上記凹部を除いた酸化アルミニウム層の厚みが3μmの本発明の金型を得た。
1A … 酸化アルミニウム層(アルミナ膜)
1B … アルミニウム層
1’ … 金属基板
1’A … 酸化アルミニウム層(アルミナ膜)
10 … 反射防止フィルム製造用金型
X … 凹部
Claims (1)
- 表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成された金型層を有する反射防止フィルム製造用金型であって、
前記金型層の表面が、アルミニウム層上に形成された酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに前記酸化アルミニウム層の、前記凹部の最下部から前記酸化アルミニウム層の前記凹部が形成された表面と対向する表面までの厚みが、前記凹部が形成された周期の1/2以上であり、
前記酸化アルミニウム層の、前記凹部の最下部から前記酸化アルミニウム層の前記凹部が形成された表面と対向する表面までの厚みが10〜200μmの範囲内であることを特徴とする、反射防止フィルム製造用金型。
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