JP5283846B2 - 成形体とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば反射防止物品などとして好適な成形体とその製造方法に関する。
近年、可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造を表面に有する材料は、反射防止機能、Lotus効果等を発現することから、その有用性が注目されている。特に、Moth−Eye構造と呼ばれる微細凹凸構造は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に増大していくことで有効な反射防止機能を奏することが知られている。
材料表面に微細凹凸構造を形成する方法としては、材料の表面を直接加工する方法、微細凹凸構造に対応した反転構造を有するモールドを用いて、この構造を転写する転写法などがあり、生産性、経済性の点から、後者の方法が優れている。モールドに反転構造を形成する方法としては、高コストである電子線描画法、レーザー光干渉法等が知られているが、近年、より簡便に製造できるモールドとして、陽極酸化ポーラスアルミナが注目され(例えば、特許文献1参照。)、このモールドを用いて、例えば熱硬化性または光硬化性の樹脂に微細凹凸構造を転写する反射防止膜の製造技術が提案されている。
このように、微細凹凸構造を正確に形成する技術は着実に進歩してきてはいるが、こうして形成される微細凹凸構造の凸部は、通常、略円錐状であるため、先端の耐擦傷性に劣り、微細凹凸構造が維持され難い問題がある。
そこで、凸部の形状を特定の形状に限定することによって、凸部の耐擦傷性を向上させ、反射防止機能も備えた光学素子を提供しようとする技術も検討されはじめている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2005−156695号公報 特開2005−173457号公報
しかしながら、耐擦傷性向上についての検討は未だ不充分であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、優れた耐擦傷性を有する凸部を備えた微細凹凸構造が表面に形成された成形体の提供を課題とする。
本発明の成形体は、表面に微細凹凸構造を有する成形体であって、前記微細凹凸構造の凸部は、略円柱状の基端部と該基端部に連続して形成され、該基端部の上底を底部とした略円錐状の先端部とからなり、成形後の鉛筆硬度がH以上の樹脂組成物から形成されたことを特徴とする。
前記樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性または熱硬化性であることが好ましい。
本発明の成形体の好ましい具体例としては、反射防止膜(反射防止フィルム、反射防止シートを含む。)などの反射防止物品が挙げられる。
本発明の成形体の製造方法は、前記成形体の製造方法であって、モールドを用いた転写法により前記微細凹凸構造を形成することを特徴とする。
前記モールドは、陽極酸化ポーラスアルミナであることが好ましい。
本発明によれば、優れた耐擦傷性を有する凸部を備えた微細凹凸構造が表面に形成された成形体を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[成形体]
図1は、表面に周期的な微細凹凸構造を有する本発明の成形体の一例であって、この成形体10は、シート状の透明基材11と、その片面に形成された樹脂層12とからなり、樹脂層12の表面に、微細凹凸構造が形成されている。そして、この微細凹凸構造を構成する凸部13は、略柱状の基端部13aと、この基端部13aに連続して形成された略錘状の先端部13bとの2つの部分から構成されている。具体的には、この例の基端部13aは、直径Rの略円柱状であり、先端部13bは、基端部13aの直径Rの上底を底部とした略円錐状となっている。
このような凸部13において、基端部13aの高さHは20〜250nmが好ましい。基端部13aの高さHが20nm以上であると、凸部13の耐擦傷性がより優れる傾向にあり、一方、基端部13aの高さHが250nm以下であると、微細凹凸構造は反射率の入射角依存性が低いものとなり、成形体10が反射防止膜などの反射防止物品である場合には特に好適である。また、先端部13bの高さHは50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。50nm以上であれば、微細凹凸構造は充分な反射防止機能を発揮するとともに、反射率の入射角依存性も低くなり、成形体10が反射防止膜などの反射防止物品である場合には特に好適である。また、基端部13aの高さHと先端部13bの高さHとの比(H/H)は2.0以下が好ましい。
凸部13の周期pは、20〜500nmの範囲であることが好ましく、周期pがこのような範囲内であると、例えばこの成形体10の微細凹凸構造を後述の陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして用い、転写法で形成しようとする場合、詳しくは後述するが、モールドの製造が比較的容易となる。また、凸部13の周期pが可視光の波長以下の周期、すなわち400nm以下の周期であると、この成形体10は特に反射防止膜などの反射防止物品として有用である。
なお、本明細書において微細凹凸構造の「周期」とは、微細凹凸構造の凸部の中心からこれに隣接する凸部の中心までの距離である。
また、凸部13は、基端部13aの形状がこの例のように略円柱状であって、その底部が略円形である場合には、直径Rが可視光の波長以下、すなわち400nm以下であることが好ましく、より好ましくは30〜300nmである。このような範囲であると、この成形体10は反射防止膜などの反射防止物品として有用であるとともに、凸部13の形成も比較的容易に行える。
なお、基端部が角柱状などの場合には、底部の最大長さが可視光の波長以下であることが好ましい。
また、凸部13のアスペクト比(=凸部全体の高さH/周期p)は0.5以上10未満が好ましく、1以上8未満がさらに好ましい。0.5以上であると、反射率が低い転写面を形成でき、その入射角依存性も充分に小さくなるため、成形体10が反射防止膜などの反射防止物品である場合には特に好適である。また、10未満であると、凸部13の耐擦傷性がより優れる傾向にある。
このような成形体10の微細凹凸構造の凸部13は、以上説明したように、略柱状の基端部13aと該基端部13aに連続して形成された略錘状の先端部13bとからなるため、例えば略円錐状の部分のみからなるような従来の凸部と比べた場合、耐擦傷性が向上する傾向にあることを本発明者らは見出したが、これに加えて、樹脂層12を形成する組成物として、成形後のJIS K5600による鉛筆硬度がH以上となる樹脂組成物を選択し、凸部13をこのような樹脂組成物から形成することにより、さらに優れた耐擦傷性を有する凸部を形成することができる。
成形後の鉛筆硬度がH以上の樹脂組成物としては、成形後にこのような硬度を示すものであれば制限はないが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物、電子線硬化性樹脂組成物)、熱硬化性樹脂組成物など、硬化反応により硬化する樹脂組成物が好適であって、例えば重合性化合物と重合開始剤とを含有する樹脂組成物が挙げられる。
重合性化合物としては、例えば、(1)1モルの多価アルコールに対して、2モル以上の比率の(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させて得られるエステル化物、(2)多価アルコールと、多価カルボン酸またはその無水物と、(メタ)アクリル酸またはその誘導体とから得られるエステル化物、などを使用できる。
上記(1)としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(2)としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等から選ばれる多価カルボン酸またはその無水物と、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させて得られるエステル化物等が挙げられる。
これら重合性化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物が光硬化性の場合には、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド;などが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。
電子線硬化性の場合には、電子線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジンなどが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。
熱硬化性の場合には、熱重合開始剤としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
これらの光重合開始剤、電子線重合開始剤、熱重合開始剤は単独で使用してもよく、これらを所望に組み合わせて用いてもよい。
また、重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対し0.01〜10質量部が好ましい。このような範囲であると、硬化が充分に進行するとともに、硬化物の分子量が適切となって充分な強度が得られ、また、重合開始剤の残留物等のために硬化物が着色するなどの問題も生じない。
樹脂組成物には、必要に応じて、非反応性のポリマーや活性エネルギー線ゾルゲル反応性成分が含まれてもよいし、増粘剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、溶剤、無機フィラー等の各種添加剤が含まれてもよい。
非反応性のポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性成分としては、特に限定されないが、例えばアルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物は、RxSi(OR’)yで表せるものが使用でき、R及びR’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、x及びyはx+y=4の関係を満たす整数である。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシランなどが挙げられる。
アルキルシリケート化合物は、RO(SiORORO)で表せるものが使用でき、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、Zは3〜20の整数を示す。具体的にはメチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケートなどが挙げられる。
[成形体の製造方法]
図示例の成形体10の製造方法には特に制限はないが、モールドを用いた転写法により微細凹凸構造を形成することが好ましい。モールドとしては、図2に示すように、図1の成形体10の凸部13の基端部13aに対応する基端対応部21aと、成形体10の凸部13の先端部13bに対応する先端対応部21bとの2つの部分から構成された凹部(以下、細孔という場合もある。)21を表面に備えたモールド20、すなわち、成形体10の微細凹凸構造の反転構造を表面に備えたモールド20を使用する。このようなモールド20であれば、その材質などには特に制限はないが、陽極酸化ポーラスアルミナ(アルミニウムの陽極酸化皮膜)からなるモールドを使用することが好ましい。陽極酸化ポーラスアルミナからなるモールドを使用する方法によれば、低コストであるとともに、成形体の微細凹凸構造を大面積で形成することや連続賦型も容易となる。
モールド20が陽極酸化ポーラスアルミナからなる場合、そのモールド材料には、アルミニウム原型が使用されるが、そのアルミニウム純度は90%以上のものが好ましく、99%以上がより好ましく、99.5%以上がさらに好ましい。純度が90%未満では、得られるモールドに不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、凹部の形状が円柱状になったりする傾向がある。このようなアルミニウム原型から形成されたモールドは、例えば反射防止物品などの光学用途成形体の製造には好適ではない。
アルミニウム原型は、形成しようとする陽極酸化皮膜以上の厚みのアルミニウム部分を表面に少なくとも備えたものであれば、表面以外は他の材料からなるものでもよいし、その形状としても、平板状、フィルム状、柱状、円柱状、円筒状など、特に制限はない。
このようなアルミニウム原型から陽極酸化ポーラスアルミナ製のモールド20を製造する場合には、アルミニウム原型を陽極酸化すればよいが、その際、陽極酸化を高電圧で行うほど細孔径は大きくなる。また、電解液としては、酸性電解液、アルカリ性電解液が使用できるが、酸性電解液が好ましい。酸性電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸、これらの混合物等が使用でき、これらのなかでは、硫酸、シュウ酸、リン酸等の順で細孔径が増加する傾向にある。
具体的な方法としては、まず、アルミニウム原型を電解液中、定電圧下で陽極酸化して酸化皮膜を形成する第1の酸化皮膜形成工程(a)を行い、その後、形成された酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する酸化皮膜除去工程(b)を行うことが好ましい。
第1の酸化皮膜形成工程(a)(以下、(a)工程という場合もある。)では、アルミニウム原型を電解液中、定電圧下で陽極酸化し、図3(a)に示すように、アルミニウム原型30の表面に、細孔36を備えた酸化皮膜32を形成する。
シュウ酸を電解液として用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
また、化成電圧が30〜60Vの時、周期が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にあり、周期が可視光の波長より大きくなることがある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
また、化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向があり、周期が可視光の波長より大きくなることがある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
(a)工程では、陽極酸化を長時間施すことで形成される酸化皮膜32が厚くなるが、その際、酸化皮膜32の厚さを好ましくは10μm以下、より好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmとする。このようにすると最終的に形成される微細凹凸構造は、アルミニウムの結晶粒界による凹凸がないものとなり、このような凹凸が転写されることもなくなるため、光学用途成形体の製造により適したモールドとすることができる。なお、酸化皮膜の厚さは、電界放出形走査電子顕微鏡などで観察できる。
(a)工程の後、(a)工程により形成された酸化皮膜32を除去する酸化皮膜除去工程(b)(以下、(b)工程という場合もある。)により、図3(b)に示すように、除去された酸化皮膜32の底部(バリア層と呼ばれる)に対応する周期的な窪み、すなわち、細孔発生点33を形成する。このように、形成された酸化皮膜32を一旦除去し、陽極酸化の細孔発生点33を形成することで、最終的に形成される細孔21の規則性を向上させることができる(例えば、益田,応用物理,vol.69,No.5,p558(2000)参照。)。
酸化皮膜32を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、アルミナを選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
ついで、細孔発生点33が形成されたアルミニウム原型30を電解液中、定電圧下で再度陽極酸化し、再び酸化皮膜を形成する(第2の酸化皮膜形成工程(c)(以下、(c)工程という場合もある。))。(c)工程では、(a)工程と同様の条件(電解液濃度、電解液温度、化成電圧等)下、適当な時間、陽極酸化すればよい。
これにより、図3(c)に示すように、円柱状の細孔21が形成された酸化皮膜35を設けることができる。(c)工程において、陽極酸化を長時間施すほど、深い細孔21を得ることができるが、例えば反射防止物品などの光学用途成形体を製造するためのモールドを製造する場合には、ここでは0.01〜10μm程度の酸化皮膜35を形成すればよく、(a)工程で形成するほどの厚さの酸化皮膜を形成する必要はない。
このような(c)工程の後には、(c)工程で形成された細孔21の径を拡大させる孔径拡大処理工程(d)(以下、(d)工程という場合もある。)を行って、図3(d)に示すように、細孔21の径を図3(c)の場合よりも拡径する。
孔径拡大処理の具体的方法としては、アルミナを溶解する溶液に浸漬して、(c)工程で形成された細孔径をエッチングにより拡大させる方法が挙げられ、このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。孔径拡大処理工程(c)の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
ついで、再度(c)工程を行って、図3(e)に示すように、細孔21の形状を径の異なる2段の円柱状とし、その後、再度(d)工程を行う。
このように(c)工程と(d)工程を繰り返す繰り返し工程(e)工程(以下、(e)工程という場合もある。)の条件を適宜変更することにより、最終的に形成される細孔21の形状を制御することができ、特に(e)工程における陽極酸化の時間と孔径拡大処理の時間とを、(c)工程における陽極酸化の時間と(d)工程における孔径拡大処理の時間よりもそれぞれ短時間にすることにより、図2や図3(f)に示すような形状の細孔21を形成することができる。例えば、ここで仮に、(e)工程における陽極酸化の時間と孔径拡大処理の時間とを(c)工程における陽極酸化の時間と(d)工程における孔径拡大処理の時間とそれぞれ同時間に設定して繰り返したとすると、ほぼ一定のテーパー度で深さ方向に縮径する略円錐状の細孔が形成されることとなる。
(e)工程における繰り返し回数は、回数が多いほど、先端対応部21bの形状をより滑らかなテーパー形状にすることができ、少なくとも3回行うことが好ましい。
なお、モールドの微細凹凸構造の周期(微細凹凸構造の細孔の中心からこれに隣接する細孔の中心までの距離)、細孔の径、細孔の深さなどは、製造しようとする成形体に要求される微細凹凸構造に応じて形成すればよいが、周期が20〜500nmの範囲であるとモールドの製造が比較的容易となる。すなわち、20nm未満であると、そのような細孔を形成するための陽極酸化反応の制御が難しく、目的に応じた周期とならない場合があり、500nmを超えると、印加する電圧が電解液の耐電圧を超え、凹凸が形成できなくなる傾向にある。
モールド20の微細凹凸構造が形成された表面(モールド表面)には、離型が容易になるよう、離型処理が施されてもよい。離型処理方法としては特に限定されないが、例えば、シリコーン系ポリマーやフッ素ポリマーをコーティングする方法、フッ素化合物を蒸着する方法、フッ素系またはフッ素シリコーン系のシランカップリング剤をコーティングする方法などが挙げられる。
こうして得られたモールド20を用いることによって、このモールド20の微細凹凸構造が転写された転写面を有する成形体10を製造できる。
具体的な方法としては、例えば、モールド20と透明基材11との間に、先に説明した重合性化合物と重合開始剤とを含有する樹脂組成物を配した後、この樹脂組成物を硬化するとともにモールド20を剥離する。その結果、微細凹凸構造が表面に転写された樹脂層12と透明基材11とからなる図1のような成形体10が得られる。
より具体的には、モールド20と透明基材11とを対向させ、これらの間に樹脂組成物を充填、配置する。この際、モールド20の微細凹凸構造が形成された側の面、すなわちモールド表面が、透明基材11と対向するようにする。ついで、充填された樹脂組成物に、透明基材11を介して活性エネルギー線(可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、赤外線等の熱線)を例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプにより照射したり、加熱したりして、樹脂組成物を硬化し、その後、モールド20を剥離する。この際、必要に応じて、剥離後に再度活性エネルギー線を照射したり、加熱したりしてもよい。活性エネルギー線の照射量は、硬化が進行するエネルギー量であればよいが、通常、100〜10000mJ/cmである。
あるいは、透明基材11上に固体状の未硬化の樹脂組成物をコーティングしておき、この樹脂組成物に対してロール型とされたモールド20を圧接して微細凹凸構造を転写した後、未硬化の樹脂組成物に活性エネルギー線を照射したり加熱したりして硬化する方法によっても、同様に成形体10が得られる。
なお、樹脂組成物の硬化反応とモールドの剥離の順番に関しては、結果として微細凹凸構造が転写できていればどのような順番でもよく、例えば、完全に樹脂組成物を硬化させた後にモールドを剥離する方法や、ある程度樹脂組成物を硬化させた段階でモールドを剥離し、さらに硬化させる方法を選択して用いてもよい。
樹脂組成物をモールド20と透明基材11との間に充填、配置する際には、例えばローラーコート法、バーコート法、エアーナイフコート法等により、樹脂組成物を透明基材11やモールド20に塗布する方法が挙げられる。また、その際、樹脂組成物が適当な粘度となるように、増粘剤や溶剤等を添加したり、樹脂組成物の温度を調整したりしてもよい。
ここで使用される透明基材11の材質は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
透明基材11の形状は、図1の例ではシート状(フィルム状)とされていて、例えば成形体が反射防止膜などである場合には好適であるが、製造する成形体に応じて適宜選択でき、立体形状でもよい。
[成形体の用途]
このようにして製造された成形体は、光学用途成形体、特に反射防止膜や立体形状の反射防止体などの反射防止物品として好適である。
成形体が反射防止膜である場合には、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置のような画像表示装置、レンズ、ショーウィンドー、眼鏡レンズ等の対象物の表面に貼り付けて使用される。反射防止膜のヘイズは3%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。3%より高いと、例えば画像表示装置に用いた場合、画像の鮮明度が低下する可能性がある。
成形体が立体形状の反射防止体である場合には、あらかじめ用途に応じた形状の透明基材を用いて反射防止体を製造しておき、これを上記対象物の表面を構成する部材として使用することもできる。
また、対象物が画像表示装置である場合には、その表面に限らず、その前面板に対して反射防止膜を貼り付けてもよいし、前面板そのものを本発明の成形体から構成することもできる。
その他にも、このような成形体の用途としては、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子などの光学用途成形体や、細胞培養シート、超撥水性フィルム、超親水性フィルムなどが挙げられる。
以上の説明においては、シート状の透明基材11とその片面に形成された樹脂層12とからなり、樹脂層12の表面に微細凹凸構造が形成された成形体10を例示し、微細凹凸構造を構成する凸部13の形態としては、略円柱状の基端部13aと、この基端部13aに連続して形成された略円錐状の先端部13bとの2つの部分から構成されたものを挙げたが、微細凹凸構造の凸部は、略柱状の基端部と該基端部に連続して形成された略錘状の先端部とからなっていればよく、それぞれ例えば略角柱状、略角錐状などであってもよい。
また、成形体10の構成としても、透明基材11と樹脂層12とからなるものに限定されず、透明基材11を備えていないものであってもよく、用途に応じて適宜設定できる。 さらに、成形体10が反射防止物品である場合、外光を散乱させるアンチグレア機能を有したものでもよく、その場合には、可視光の波長を超える周期の凹凸構造上に、可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造(柱状の基端部と該基端部に連続して形成された略錐状の先端部とからなる凸部を備えた微細凹凸構造)を設けた構成としてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、各種測定は以下の方法にて行った。
(1)モールドの細孔
陽極酸化ポーラスアルミナからなるモールドの一部について、その縦断面を1分間Pt蒸着し、日本電子製電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7400Fにより加速電圧3.00kVで観察した。そして、酸化皮膜の厚さ、細孔の周期p’細孔の径r、細孔全体の深さDep、基端対応部の深さDと先端対応部の深さDの比を、それぞれ10点ずつ測定し、その平均値を求め、その値を測定値とした。
(2)成形体の微細凹凸
製造された成形体の縦断面を5分間Pt蒸着し、上記(2)の場合と同様の装置および条件にて、凸部の周期p、凸部の直径R、凸部の高さHなどを、それぞれ10点ずつ測定し、その平均値を求め、その値を測定値とした。
(3)鉛筆硬度
各例で使用した樹脂組成物A〜Cの成形後の鉛筆硬度について、JIS K5400に準拠した方法により測定した。
具体的には、平滑なガラス基板上に液状の樹脂組成物を流し、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを被せた後、UV照射機(高圧水銀ランプ:積算光量3600mJ/cm、ピーク照度180mW/cm)によってUV照射し、樹脂組成物を硬化した(ただし、実施例2および3で使用した樹脂組成物Bについては、UV照射後に、70℃×10分間の加熱処理も行った。)。ついで、ガラスを剥離することにより、平板状に成形された樹脂組成物を得て、その鉛筆硬度を測定した。
(4)耐擦傷性
眼鏡拭き(商品名トレシー:東レ(株)製)を用いて往復摩耗試験を行った。条件は、荷重2000g/2cmφ、往復回数1000回とした。試験後のサンプルを目視して、以下の基準で評価した。
◎:傷跡が見られない。
○:凝視すると傷跡が確認できる。
△:傷跡が数本確認できる。
×:傷跡が10本以上確認できる。
(5)反射率測定
製造された成形体の裏面(微細凹凸構造が形成されていない面)を艶消し黒色スプレーで塗り、これをサンプルとし、日立社製分光光度計U−4000を用いて入射角5°(5°正反射付属装置使用)、波長380〜780nmの範囲で成形体の表面(微細凹凸構造が形成された面)の相対反射率を測定した。
<製造例1>
電解液として0.5Mシュウ酸を用い、陰極・陽極それぞれに厚さ0.5mmのアルミ板を使用して、40Vの電圧で16℃で6時間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((a)工程)。
ついで、その陽極を70℃の6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混酸に浸漬して、酸化皮膜(アルミナ層)を溶解した((b)工程)。
ついで、純水で洗浄後、0.3Mシュウ酸を電解液として40Vの電圧で16℃で90秒陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((c)工程)。そのまま、32℃、5質量%リン酸に16分間浸漬してエッチング処理を行い、細孔を拡径した((d)工程)。
その後、以下の(e)工程を合計3回繰り返して行い、酸化皮膜の厚さ:290nm、細孔の周期p’:100nm、細孔の径r:90nm、細孔全体の深さDep:250nm、基端対応部の深さDと先端対応部の深さDの比=5/5の図2のような細孔形状のモールドを得た。そして、モールド表面をKP−801M(フルオロアルキルシリコーン)で処理するフッ素化処理を行った。
(e)工程:0.3Mシュウ酸を電解液として、40Vの電圧で16℃で20秒陽極酸化し、そのまま32℃、5質量%リン酸に6分間浸漬してエッチング処理を行って拡径する工程。
<製造例2>
電解液として0.5Mシュウ酸、陰極・陽極それぞれに厚さ0.5mmのアルミ板を使用して、120Vの電圧で1℃で6時間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((a)工程)。この際、一気に120Vの電圧をかけるといわゆる「ヤケ」が発生してしまうので、40V程度から徐々に電圧を上げていった。
ついで、その陽極を70℃の6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混酸に浸漬して、酸化皮膜(アルミナ層)を溶解した((b)工程)。
ついで、純水で洗浄後、4質量%リン酸を電解液として80Vの電圧で1℃で90秒陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((c)工程)。そのまま、32℃、5質量%リン酸に6分間浸漬してエッチング処理を行い、細孔を拡径した((d)工程)。
その後、以下の(e)工程を合計3回繰り返して行い、酸化皮膜の厚さ:340nm、細孔の周期p’:280nm、細孔の径r:260nm、細孔全体の深さDep:300nm、基端対応部の深さDと先端対応部の深さDの比=5/5の図2のような細孔形状のモールドを得た。そして、モールド表面について、製造例1と同様にしてフッ素化処理を行った。
(e)工程:4質量%リン酸を電解液として、80Vの電圧で1℃で20秒陽極酸化し、そのまま32℃、5質量%リン酸に6分間浸漬してエッチング処理を行って拡径する工程。
<製造例3>
電解液として0.5Mシュウ酸を用い、陰極・陽極それぞれに厚さ0.5mmのアルミ板を使用して、40Vの電圧で16℃で6時間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((a)工程)。
ついで、その陽極を70℃の6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混酸に浸漬して、酸化皮膜(アルミナ層)を溶解した((b)工程)。
ついで、純水で洗浄後、0.3Mシュウ酸を電解液として40Vの電圧で16℃で30秒陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した((c)工程)。そのまま、32℃、5質量%リン酸に8分間浸漬してエッチング処理を行い、細孔を拡径した((d)工程)。
その後、以下の(e)工程を合計4回繰り返して行い、酸化皮膜の厚さ:290nm、細孔の周期p’:100nm、細孔の径r:80nm、細孔全体の深さDep:250nmの略円錐状の細孔を有するモールドを得た。そして、モールド表面について、製造例1と同様にしてフッ素化処理を行った。
(e)工程:0.3Mシュウ酸を電解液として、40Vの電圧で16℃で30秒陽極酸化し、そのまま32℃、5質量%リン酸に8分間浸漬してエッチング処理を行って拡径する工程。
<実施例1>
製造例1で得られたモールドのモールド表面に、以下の組成の液状の樹脂組成物A(成形後の鉛筆硬度:H)を流し込み、その上に透明基材としてPETフィルムを被せた後、UV照射機(高圧水銀ランプ:積算光量3600mJ/cm、ピーク照度180mW/cm)によりUV照射して、樹脂組成物Aを硬化した。ついで、モールドを剥離することにより、略円柱状の基端部とこれに連続した略円錐状の先端部からなる凸部を備えた微細凹凸構造を表面に有する樹脂層と、透明基材とからなる図1のような成形体を得た。
得られた成形体の耐擦傷性の評価結果と、凸部の周期p、凸部の直径R、凸部全体の高さH、凸部の基端部の高さH、凸部の先端部の高さHを表1に示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
(樹脂組成物A)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物;50質量部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製);50質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュア184」);3質量部
<実施例2>
実施例1において使用した樹脂組成物Aの代わりに、樹脂組成物AにV−70(2,2’ −アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル))0.1質量部を追加した樹脂組成物B(成形後の鉛筆硬度:2H)を使用するとともに、実施例1と同様の条件のUV照射後にさらに70℃×10分間の加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして成形体を得て、同様に評価した。表1に結果を示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
<実施例3>
製造例2で得られたモールドを使用した以外は実施例1と同様にして成形体を得て、同様に評価した。表1に結果を示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
<実施例4>
製造例2で得られたモールドを使用した以外は実施例2と同様にして成形体を得て、同様に評価した。表1に結果を示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
<比較例1>
製造例3で得られたモールドを使用した以外は実施例1と同様にして成形体を得て、同様に評価した。表1に結果を示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
<比較例2>
樹脂組成物Aの代わりに、以下の組成の液状の樹脂組成物C(成形後の鉛筆硬度:F)を使用した以外は実施例1と同様にして成形体を得て、同様に評価した。表1に結果を示す。また、この成形体の微細凹凸構造が形成された面について、反射率を測定したところ、380〜780nmの範囲全てで0.8%以下であった。
(樹脂組成物C)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物;10質量部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学(株)製);90質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュア184」);3質量部
Figure 0005283846
本発明の成形体の一例を示す断面図である。 図1の成形体の製造に使用されるモールドの一例を示す断面図である。 図2のモールドの製造方法を説明する説明図である。
符号の説明
10 成形体
13 凸部
13a 基端部
13b 先端部
20 モールド

Claims (5)

  1. 表面に微細凹凸構造を有する成形体であって、前記微細凹凸構造の凸部は、略円柱状の基端部と該基端部に連続して形成され、該基端部の上底を底部とした略円錐状の先端部とからなり、成形後の鉛筆硬度がH以上の樹脂組成物から形成されたことを特徴とする成形体。
  2. 前記樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性または熱硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
  3. 反射防止物品であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の成形体の製造方法であって、モールドを用いた転写法により前記微細凹凸構造を形成することを特徴とする成形体の製造方法。
  5. 前記モールドは、陽極酸化ポーラスアルミナであることを特徴とする請求項4に記載の成形体の製造方法。
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