JP2011064794A - 反射防止フィルム製造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】モスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられる反射防止フィルム製造用金型であって、表面に形成された凹凸形状が欠損したり、あるいは表面に傷がついてしまうことを抑制することができる反射防止フィルムを提供することを主目的とする。
【解決手段】表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成された金型層を有する反射防止フィルム製造用金型であって、上記金型層の表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが上記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とする、反射防止フィルム製造用金型を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられるモスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられる反射防止フィルム製造用金型に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、フラットパネルディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の薄型テレビの普及率も高まっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及しているフラットパネルディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。このようなフラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、さらには有機ELディスプレイ等の種々の表示方式のものが採用されており、いずれの方式のディスプレイにおいても映像の表示品質を向上させることを目的とした研究が日々行われている。なかでも、表示品質の向上を目的とした光の反射防止技術の開発は、各方式のディスプレイにおいて共通する重要な技術的課題の一つになっている。
従来、このような反射防止技術としては、低屈折率の物質からなる薄膜を単層で表面に形成することにより、単一波長の光に対して有効な反射防止効果を得る技術や、低屈折率物質と高屈折率物質の薄膜を交互に形成した複数層を表面に形成することにより、広い波長範囲の光に対して反射防止効果を得る技術が用いられてきた。なかでも複数層を用いる技術は、その層数を増加させることによって、より広い波長域を有する光に対しても反射防止効果を得ることができる点において有用であったことから、種々の用途において実用化が図られてきた。
しかしながら、このような複数層を用いる技術においても幾つかの問題点があった。まず第1に、反射防止効果に優れた複数層を形成するには、通常、真空蒸着法などを用いて成膜する必要があるため、表示装置を製造するに際して真空設備を備えることが必要となり、製造工程が煩雑になってしまうという問題点があった。また、真空蒸着法では、成膜時間も長時間になるのが一般的であったことから、製造効率の問題も指摘されていた。特に、周囲光が非常に強い環境で使用されるディスプレイに対しては、一層高い反射防止性能が要請されるため、複数層を構成する層数を増加させる必要があることから、製造コストが著しく高くなってしまうという問題点があった。
第2に、技術的観点からしても、複数層による反射防止技術は、光の干渉現象を利用するものであるため、反射防止効果が光の入射角や波長に大きく影響してしまい、望みどおりの反射防止効果を得ることが困難であるという問題点があった。
このような問題点に対し、特許文献1〜6には凹凸の周期が可視光の波長以下に制御された微細な凹凸パターンが表面に形成することによって反射防止を図る技術が開示されている。このような方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。このようなモスアイ構造を用いた反射防止技術は、簡易な方法によって広い波長範囲の光の反射を防止できる点において有用なものであることから、ディスプレイの分野においてもその実用化が検討されている。
なお、上記モスアイ構造に用いられる凹凸パターンとしては、円錐形や四角錐形などの錐形体が一般的である。
ところで、上記モスアイ構造は、その微細な凸形状を反転させた凹部を有する反射防止フィルム製造用金型を用いて、その凹型を任意の樹脂層に転写することによって製造されるのが一般的であるところ、当該反射防止フィルム製造用金型としては、レーザー干渉法によって凹部が形成されたもの(例えば、特許文献1〜3)や、陽極酸化法によって凹部が形成されたもの(例えば、特許文献4〜6)が用いられている。なかでも陽極酸化法は、凹部が形成される位置をランダムにすることができること、大面積にわたって均一な形状を有する凹部を形成できること等において利点を有することから、反射防止フィルム製造用金型として広く用いられるに到っており、現在もなお、凹部形成技術の向上を見据えた研究が盛んに行われている。
上記反射防止フィルム製造用金型は、表面に形成された凹部の形状を任意の樹脂に転写することによってモスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられるものである。したがって、上記モスアイ型反射防止フィルム製造用金型としては、上記凹部が高精度で形成されていることに加えて、反射防止フィルムの製造工程等において上記凹部に傷がついてしまったり、あるいは欠損してしまったりすることが少ないことが求められるものである。
しかしながら、上記陽極酸化法によって形成される反射防止フィルム製造用金型は、通常、アルミニウムからなる基板の表面に酸化アルミニウム層が形成され、当該酸化アルミニウム層に凹部が形成された構成を有するものであるところ、上記酸化アルミニウム層それ自体は、比較的硬度が高く、傷や欠損が生じることが少ないものであるが、上記各引用文献に記載された方法によって製造される金型においては、酸化アルミニウム層の厚みが薄いため、傷や欠損の発生を十分に防止することができないという問題点があった。
特開2001−264520号公報 特開2002−172722号公報 特開2002−333508号公報 特開2003−43203号公報 特開2005−156695号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、モスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられる反射防止フィルム製造用金型であって、表面に形成された凹部が欠損したり、あるいは表面に傷がついてしまうことが少ない反射防止フィルム製造用金型を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成された金型層を有する反射防止フィルム製造用金型であって、上記金型層の表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが、上記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とする、反射防止フィルム製造用金型を提供する。
本発明によれば、上記金型層に比較的硬度が高い酸化アルミニウム層が形成されており、上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが、上記金型層の表面に形成された凹部の周期の1/2以上であることにより、上記凹部に傷や欠損が生じにくい反射防止フィルム製造用金型を得ることができる。
本発明においては、上記凹部を除く酸化アルミニウム層の厚みが0.2〜100μmの範囲内であることが好ましい。これにより本発明の反射防止フィルム製造用金型をより凹部が形成された金型層の表面に傷がつきにくいものとすることができるからである。
本発明の反射防止フィルム製造用金型は、表面に形成された凹部が欠損したり、あるいは表面に傷がついてしまうことが少ないという効果を奏するものである。
本発明の反射防止フィルム製造用金型の一例を示す概略図である。 本発明における金型層に形成された凹部を特定するパラメーター等を説明する概略図である。 本発明の反射防止フィルム製造用金型の他の例を示す概略図である。 本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法における陽極酸化工程の一例を示す概略図である。 本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法における陽極酸化工程の他の例を示す概略図である。
本発明は、モスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられる反射防止フィルム製造用金型に関するものである。
以下、当該発明について詳細に説明する。
上述したように、本発明の反射防止フィルム製造用金型は、表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成された金型層を有するものであって、上記金型層の表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが、上記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とするものである。
このような本発明の反射防止フィルム製造用金型について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の反射防止フィルム製造用金型の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の反射防止フィルム製造用金型10は、表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部Xが形成された金型層1を有するものである。そして、本発明の反射防止フィルム製造用金型10は、当該金型層1の表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層1Aからなり、上記凹部Xを除く酸化アルミニウム層1Aの厚みDが、上記凹部Xが形成された周期Fの1/2以上であることを特徴とするものである。
なお、図1における1Bは本発明の反射防止フィルム製造用金型10を構成する必須の要素ではないが、アルミニウムからなる層を示すものである。
本発明によれば、上記金型層に比較的硬度が高い酸化アルミニウム層が上述した厚みで形成されていることにより、上記凹部に傷や欠損が生じにくい反射防止フィルム製造用金型を得ることができる。
本発明の反射防止フィルム製造用金型は、少なくとも上記金型層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.金型層
まず、本発明における金型層について説明する。上述したように本発明における金型層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成されたものであって、表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに上記凹部を除く上記酸化アルミニウム層の厚みが、上記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とするものである。本発明の反射防止フィルム製造用金型は、上記酸化アルミニウム層の厚みが上述した範囲内であることにより、金型層の表面に形成された凹部に傷が付きにくく、かつ欠損が生じにくいという効果を奏するものである。
また、上記酸化アルミニウム層の厚みは、上記表面に形成された凹部を除いた厚みが、当該凹部が形成された周期の1/2以上であれば特に限定されるものではない。もっとも、厚みは厚い方が金型強度は増すが、加工時間が長くなる。そのため必要十分な強度を持つ厚みに制限するのが好ましい。このような観点からすると、上記凹部を除いた上記酸化アルミニウム層の厚みが、0.2μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、低コストで金型を作製するには0.2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、より耐久性が高い金型を作製するには10μm〜200μmの範囲内であることがより好ましい。
次に、金型層に形成された凹部について説明する。本発明における凹部は金型層の表面に形成されるものであり、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて反射防止フィルムを製造する際に、当該反射防止フィルムに反射防止機能を付与するモスアイ構造を形成するものである。このような凹部が形成された態様としては、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて製造する反射防止フィルムの種類や用途等に応じて適宜決定することができるものであり特に限定されるものではない。
本発明における凹部が形成された周期は、可視光領域の波長以下であれば特に限定されるものではなく、本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造する反射防止フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。ここで、上記凹部が形成される周期は、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムの反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その周期が長くなるほど可視光領域の短波長側の光に対する反射率が増加する傾向にあるものである。一方、周期が200nm以下においては、周期の変動に伴う反射率の波長依存性の変化は少なくなるものである。また、深さが一定の場合、周期が長くなればアスペクト比が低下するため、金型強度は増加する傾向にあるものである。さらに、転写した反射防止フィルムの突起が太くなり強度が増加する。このようなことから、本発明における凹部の周期は50nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、75nm〜200nmの範囲内であることがより好ましく、100nm〜150nmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、上記周期はすべての凹部において均一ではない場合があるが、その場合は、単位面積あたりに形成された凹部の平均周期を指すものとする。また、本発明における凹部はすべての凹部が単一の周期で形成されていてもよく、あるいは複数の周期で形成されていてもよい。
また、上記凹部が形成された深さも、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムの、反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その深さが深いほど反射率を低くすることができる。一方、深すぎると転写した反射防止フィルムの突起が長くなり倒れやすくなる。このようなことから、上記凹部の深さは50nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、150nm〜400nmの範囲内であることがより好ましく、250nm〜350nmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、上記深さはすべての凹部において均一ではない場合があるが、その場合における上記深さは、単位面積あたりに形成された凹部間の平均深さを指すものとする。また、本発明における凹部の深さは、すべての凹部において同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。
また上記凹部が形成される間隔は、広くなるほど本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造する反射防止フィルムにおいて、可視光の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、狭くなるほど可視光の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。このようなことから、上記凹部が形成される間隔は0〜50nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜30nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜15nmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記間隔はすべての凹部において均一ではない場合があるが、その場合における上記間隔は、単位面積あたりに形成された凹部間の平均距離を指すものとする。
ここで、上記凹部が形成された周期、深さ、および間隔について図を参照しながら説明する。図2(a)は、上記凹部が形成された周期、深さおよび間隔について説明する概略図である。上記本発明における凹部が形成された周期、深さおよび間隔は、それぞれ図2におけるP、Q、およびRで表される距離を指すものとする。
なお、本発明における凹部が、後述する陽極酸化法によって形成されたものである場合、微視的にみると本発明の金型層には、凹部Xの底面に微細な空孔Yが形成される場合もある(図2(b))。しかしながら、このような場合であっても本発明における凹部は、陽極酸化によって形成された空孔がエッチング等によって拡大された部位(図2(b)中、Xで示す部位)のみを指し、エッチング等によって拡大されていない空孔(図2(b)中、Yで示す部位)は、本発明における凹部には含まれないものとする。
また、本発明における金型層は少なくとも上記酸化アルミニウム層を有するものであるが、これに加えてアルミニウム層が形成されていてもよいものである(図1参照)。
なお、本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法として後述する陽極酸化法が用いられる場合、上記金型層は図1に例示したようなアルミニウム層、および酸化アルミニウム層からなるものとなる。
2.任意の構成
本発明の反射防止フィルム製造用金型は少なくとも上記金型層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる他の構成としては、本発明の目的を損なわないものであれば特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルム製造用金型に所望の機能付与できる構成を適宜用いることができる。このような任意の構成の例としては、例えば、上記金型層を支持する基体を挙げることができる。
本発明の反射防止フィルム製造用金型に上記基体が用いられる場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明の反射防止フィルム製造用金型に基体が用いられる場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の反射防止フィルム製造用金型10は、基体2が用いられており、当該基体2上に上述した金型層1が形成された構成を有するものであってもよい。
本発明に用いられる基体としては、本発明の反射防止フィルムの形状や使用方法等に応じて、任意の材料および形状からなるものと用いることができるものであり、特に限定されるものではない。このような基体を構成する材料は、金属材料、ガラス等の無機材料であってもよく、あるいは樹脂材料であってもよい。上記金属材料としては、例えば、アルミ、鉄、銅、ニッケル、ステンレス等を挙げることができる。また、上記樹脂材料としては、例えば、PET、TAC、COP等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる基体の形状としては、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて反射防止フィルムを製造する方法等に応じて適宜決定することができるものであり特に限定されるものではない。このため、板状、シート状あるいはロール状のいずれであってもよいが、なかでもロール状であることが好ましい。本工程においてロール状の形状を有する基体が用いられることにより、本発明の反射防止フィルム製造用金型をロール状にすることができ、Roll to Rollプロセスによる反射防止フィルムの製造方法に用いることが可能ものにできるからである。
本工程に用いられる基体の厚みは、基体の形状にも依存するものであるが、通常、シート状の場合、フレキシブル性が求められるため薄い方が良い。もっとも薄すぎると強度が弱くなり、折れやすいなどハンドリングが困難になる。そのため、この場合の厚みは0.01mm〜1mmの範囲内であることが好ましく、0.02mm〜0.5mmの範囲内であることがより好ましく、0.05mm〜0.2mmの範囲内であることがさらに好ましい。一方、板状、ロール状では厚い方が強度が高くなるが、厚すぎると重くなるため、基体を支持するのが困難になる。そのため、この場合の厚みは0.5mm〜50mmの範囲内であることが好ましく、1mm〜30mmの範囲内であることがより好ましく、2mm〜15mmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.反射防止フィルム製造用金型の用途
次に、本発明の反射防止フィルム製造用金型の用途について説明する。本発明の反射防止フィルム製造用金型は、いわゆるモスアイ型の反射防止フィルムを製造するために用いられるものである。ここで、モスアイ型の反射防止フィルムとは、周期が可視光の波長以下に制御された微細な凸パターンを表面に形成することによって、入射光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。本発明の反射防止フィルム製造用金型はモスアイ型の反射防止フィルムの技術的な中核となる微細な凸パターンを表面に形成するために用いられるものである。
より具体的には、上記モスアイ型の反射防止フィルムの製造方法としては、例えば、表面に凹部が形成された金型を用い、当該金型に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を充填する工程と、当該金型に充填された硬化性樹脂組成物上に光透過性基板を配置する工程と、上記硬化性樹脂組成物と上記光透過性基板とが接した状態で上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、硬化された硬化性樹脂組成物から上記金型を剥離する工程とを有する製造方法や、光透過性基板を用い、当該光透過性基板上に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を塗工することにより、硬化性樹脂組成物からなる膜を形成する工程と、表面に凹部が形成された金型を用い、上記硬化性樹脂組成物からなる膜にモスアイ構造を賦型する工程と、上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、上記金型を剥離する工程とを有する製造方法等が知られているが、本発明の反射防止フィルム製造用金型は、これらの製造方法における金型として用いられるものである。
なお、本発明の反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムは、通常、表示装置等の最表面に配置されて用いられるものである。しかしながら、当該反射防止フィルムの表面に形成されたモスアイ構造は反射防止機能のみでなく、例えば、アンカー効果により、モスアイ構造上に任意の層を形成した場合に当該任意の層との接着性を向上させるという機能も奏し得るものである。このため、本発明の反射防止フィルム製造用金型によって製造される反射防止フィルムの用途は、上述したような表示装置の最表面に配置される用途に限られるものではなく、例えば、複数の層が積層された構成を有する光学部材の内部に配置され、反射防止機能と上記アンカー効果による接着性向上機能とを奏する態様で用いられる場合もある。
4.反射防止フィルム製造用金型の製造方法
次に、本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法について説明する。本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法としては、上述したような構成を有する金型層を作製することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に公知の方法を適宜組み合わせた方法を用いることができる。このような製造方法の例としては、例えば、表面がアルミニウムからなる金属基板を用い、陽極酸化法によって上記金属基板の上記アルミニウムからなる金属基板の表面に凹部を形成する方法を挙げることができる。
このような本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法について図を参照しながら説明する。図4は本発明の反射防止フィルム製造用金型の製造方法について、その一例を示す概略断面図である。図4に例示するように本発明の反射防止フィルム製造用金型は、表面がアルミニウムからなる金属基板1’を用い(図4(a))、陽極酸化法により、上記金属基板1’の上記アルミニウムからなる表面に凹部を形成する方法を挙げることができる(図4(b))。
ここで、図4に例示するように、上記陽極酸化法(図4(b))ではアルミニウムを酸化しながら凹部が形成されることになるため、凹部が形成されるとともに、酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層(アルミナ膜)1Aが形成されることになる。また、上記陽極酸化工程(図4(b))において、金属基板1’のアルミニウムからなる層がすべて陽極酸化されない場合には、アルミニウムからなる層1Bが残存することになる。
このような方法によれば、陽極酸化の条件を調整することによって、凹部を除く酸化アルミニウム層の厚みを本発明で規定する範囲内にすることができる。
上記金属基板としては、表面がアルミニウムからなるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本工程に用いられる金属基板はアルミニウム単体からなるもの基板であってもよく、あるいは任意の基体上にアルミニウムからなる層が積層された構成を有するものであってもよい。
ここで、上記基体としては特に限定されるものではなく、上述したものを用いることができる。
上記陽極酸化法としては、上記金属基板のアルミニウム表面に所望の形状を有する凹部を形成でき、かつ凹部を除く酸化アルミニウム層の厚みを本発明で規定する範囲内にすることができる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも陽極酸化によって上記金属基板のアルミニウム表面に微細孔を有するアルミナ膜を形成するポーラスアルミナ膜形成工程と、上記アルミナ膜をエッチングすることにより上記微細孔の孔径を拡大するエッチング工程とを順次繰り返し実施する方法が用いられることが好ましい。このような方法によれば、当該ポーラスアルミナ膜形成工程、エッチング工程の条件を適宜調整することによって、所望の形状を有する凹部を形成でき、かつ凹部を除く酸化アルミニウム層の厚みを本発明で規定する範囲内にすることが容易だからである。また、いわゆるモスアイ型の反射防止フィルムにおいては、表面に円錐や四角錐等の錐形の微細構造物が形成されていることが望ましいものであるところ、このような方法によれば、錐形の微細構造物を形成可能なテーパー形状の凹部を形成することが容易になるからである。
本工程において上記ポーラスアルミナ膜形成工程と、上記エッチング工程とを順次繰り返すことによって凹部を形成する方法について図を参照しながら具体的に説明する。図5は、本工程において凹部を形成する方法の一例を示す概略図である。図5に例示するように本工程において凹部を形成する方法としては、金属基板1’のアルミニウム表面に対し(図5(a))、陽極酸化によって上表面に微細孔を有するアルミナ膜1’Aを形成するポーラスアルミナ膜形成工程と(図5(b))、上記アルミナ膜1’Aをエッチングすることにより上記微細孔の孔径を拡大するエッチング工程と(図5(c))を用い、これを順次繰り返し実施する方法であることが好ましい。このような方法によれば、上記ポーラスアルミナ膜形成工程における陽極酸化時間と、上記エッチング工程におけるエッチング処理時間とを調整することによって、様々なテーパー形状を有する孔の形成が可能であり、周期、孔深さに合わせて、最適な屈折率変化を設計することが可能となるからである(図5(d))。
上記ポーラスアルミナ膜形成工程において、上記表面に微細孔を有するアルミナ膜を形成する方法としては、所望の深さ、および配列態様で微細孔が形成されたアルミナ膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。ここで、上記ポーラスアルミナ膜形成工程において形成される微細孔の深さや配置態様は、陽極酸化に用いる電解液の液性等に依存するものであるところ、本工程に用いられる電解液は、中性の電解液であっても、あるいは酸性の電解液であっても好適に用いることができる。なかでも本工程においては上記電解液として酸性の電解液が用いられることが好ましい。酸性の電解液が用いられることにより、本工程において上記凹部をランダムな位置に形成することができるからである。本工程に用いられる酸性の電解液としては、例えば、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、およびリン酸水溶液等を挙げることができる。
上記エッチング工程において、アルミナ膜をエッチングする方法としては、上記アルミナ膜に形成された微細孔を所望の程度に拡大することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を用いてエッチングする方法を挙げることができる。
本工程において、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と上記エッチング工程とを繰り返し実施する態様としては、本工程において所望の形状を有する凹部を形成することが可能な態様であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、金属基板の表面にテーパー形状の凹部を形成できるように、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と上記エッチング工程とを繰り返し実施することが好ましい。本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型は、いわゆるモスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられるものであるところ、本工程において形成される凹部の形状をテーパー形状とすることにより、本発明によって製造された反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムに、広い波長領域において優れた反射防止機能を付与することができるからである。
図6は、本工程においてテーパー形状の凹部が形成されるように、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と、上記エッチング工程とを繰り返し実施する態様の一例を示す概略図である。図6に例示するように、本工程においては、金属基板1’に対して(図6(a))、まず第1のポーラスアルミナ膜形成工程により、円柱状の第1の微細孔を有するアルミナ膜1’Aを形成した後(図6(b))、第1のエッチング工程により、上記第1の微細孔の孔径を拡大するように、上記アルミナ膜1’A’をエッチングする(図6(c))。次に、第2のポーラスアルミナ膜形成工程により、上記孔径が拡大された第1の微細孔の底部に、第1の微細孔より孔径の小さい第2の微細孔を形成する(図6(d))。次いで、第2のエッチング工程により、第1の微細孔および第2の微細孔の孔径を拡大するようにアルミナ膜1’Aをエッチングする(図6(e))。これを複数回繰り返すことにより(図6(f)、(g))、テーパー状の形状を有する凹部を形成することが好ましい(図6(h))。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。
[実施例]
純度99.9%のアルミニウム板を0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電解液として電圧40Vで1分間、陽極酸化を行った。その後2wt%のリン酸30℃中で5分間エッチングを行った。この操作を5回繰り返したあと、再び、15分間陽極酸化を行うことで、周期100nm、深さ300nm、のテーパー形状の凹部を有し、上記凹部を除いた酸化アルミニウム層の厚みが3μmの本発明の金型を得た。
次に下記条件で比較用の従来法の金型を作製した。純度99.9%のアルミニウム板を0.3mol/lのシュウ酸水溶液を電解液として電圧40Vで1分間、陽極酸化を行った。その後2wtパーセントのリン酸30℃中で5分間エッチングを行った。この操作を5回繰り返すことで、周期100nm、深さ300nm、のテーパー形状の凹部を有し、上記凹部を除いた酸化アルミニウム層の厚みが50nm(<周期の1/2以下)の従来法の金型を得た。
上記2つの金型の耐久性を調べるため、超微小硬度計ピコデンター(フィッシャー社製)にてビッカース硬度の測定を行った。従来法と本発明の金型のビッカース硬度はそれぞれ、HV34、HV72であり、本発明によりビッカース硬度が2倍以上向上し、金型の耐久性が改善した。
1 … 金型層
1A … 酸化アルミニウム層(アルミナ膜)
1B … アルミニウム層
1’ … 金属基板
1’A … 酸化アルミニウム層(アルミナ膜)
10 … 反射防止フィルム製造用金型
X … 凹部

Claims (2)

  1. 表面に可視光領域の波長以下の周期で凹部が形成された金型層を有する反射防止フィルム製造用金型であって、
    前記金型層の表面が酸化アルミニウムからなる酸化アルミニウム層からなり、さらに前記凹部を除く前記酸化アルミニウム層の厚みが前記凹部が形成された周期の1/2以上であることを特徴とする、反射防止フィルム製造用金型。
  2. 前記凹部を除く前記酸化アルミニウム層の厚みが0.2〜100μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム製造用金型。
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