JP2010122599A - モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法、およびモスアイ型反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法、およびモスアイ型反射防止フィルムの製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、モスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられる金型が備える微細凹凸形状を、非破壊で正確に評価することが可能な、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、表面に複数の微細孔が形成された、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型について、上記微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、上記微細孔の平均孔深さを測定することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として、フラットパネルディスプレイ等に用いられるモスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型に形成された微細孔の形状を評価する方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、フラットパネルディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の薄型テレビの普及率も高まっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及しているフラットパネルディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。このようなフラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、さらには有機ELディスプレイ等の種々の表示方式のものが採用されており、いずれの方式のディスプレイにおいても映像の表示品質を向上させることを目的とした研究が日々行われている。なかでも、表示品質の向上を目的とした光の反射防止技術の開発は、各方式のディスプレイにおいて共通する重要な技術的課題の一つになっている。
従来、このような反射防止技術としては、例えば、低屈折率の物質からなる薄膜を単層で表面に形成することにより、単一波長の光に対して有効な反射防止効果を得る技術や、低屈折率物質と高屈折率物質の薄膜を交互に形成した複数層を形成することにより、より広い波長範囲の光に対して反射防止効果を得る技術が用いられてきた。なかでも複数層を用いる技術は、その層数を増加させることによって、より広い波長域を有する光に対しても反射防止効果を得ることができる点において有用であったことから、種々の用途において実用化が図られてきた。
しかしながら、このような複数層を用いる技術においても幾つかの問題点があった。まず第1に、反射防止効果に優れた複数層を形成するには、通常、真空蒸着法などを用いて成膜する必要があるため、表示装置を製造するに際して真空設備を備えることが必要となってしまうという問題点があった。また、真空蒸着法では、成膜時間も長時間になるのが一般的であったことから、製造効率の問題も指摘されていた。特に、周囲光が非常に強い環境で使用されるディスプレイに対しては、一層高い反射防止性能が要請されるため、複数層を構成する層数を増加させる必要があることから、製造コストが著しく高くなってしまうという問題点があった。
第2に、技術的観点からしても、複数層による反射防止技術は、光の干渉現象を利用するものであるため、反射防止効果が光の入射角や波長に大きく影響してしまい、望みどおりの反射防止効果を得ることが困難であるという問題点があった。
このような問題点に対し、特許文献1〜6には凹凸の周期が可視光の波長以下に制御された微細な凹凸パターンが表面に形成することによって反射防止を図る技術が開示されている。このような方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。このようなモスアイ構造を用いた反射防止技術は、簡易な方法によって広い波長範囲の光の反射を防止できる点において有用なものであることから、ディスプレイの分野においてもその実用化が検討されている。
なお、上記モスアイ構造に用いられる凹凸パターンとしては、円錐形や四角錐形などの錐形体が一般的である。
上記モスアイ構造は、その微細な凹凸形状を反転させた形状を有する金型(スタンパあるいは鋳型)を用いて、その凹凸を任意の樹脂層に転写することによって製造されるのが一般的である。したがって、モスアイ構造が用いられた反射防止フィルム(以下、「モスアイ型反射防止フィルム」と称する場合がある。)を作製する方法としては、基板上に硬化性樹脂からなる樹脂層を形成した後、上記のようなスタンパを用いて当該樹脂層の表面にモスアイ構造を賦型し、さらに当該樹脂層を硬化させることによって形成する方法を用いることができる。このような製造方法は、簡易な方法で、かつ高い製造効率で反射防止フィルムを連続的に製造することができるという利点があるものである。
上述したような金型を用いる方法によって、モスアイ型反射防止フィルムを製造する場合、所望の反射防止機能を備える反射防止フィルムを製造するには、所望の微細凹凸形状が形成された金型を使用することが不可欠になるが、その前提として、金型が備える微細凹凸形状を正確に評価し、把握することが必要になる。すなわち、金型を用いてモスアイ型反射防止フィルムを製造する場合、反射防止フィルムに形成されるモスアイ構造は、金型が備える凹凸形状に依存することになるため、所望の反射防止機能を備えるフィルムを製造するには、所望のモスアイ構造を形成することが可能な凹凸形状を有する金型を用いることが必須となる。したがって、モスアイ型反射防止フィルムを金型を用いて製造する際には、金型の凹凸形状を正確に評価することが重要な技術的課題となっている。
さらに、上述したように、上記金型を用いてモスアイ型反射防止フィルムを製造する方法は、例えば、ロール状の金型を使用することによって、連続的に反射防止フィルムを製造することができるという利点を有するものである。このような方法においては、連続的に製造される反射防止フィルムの性能に変動が生じた場合、その原因が金型に存するのか、あるいは他の要因であるのかを判別することが不良原因解消の第一歩となるが、その場合においても金型に形成された微細凹凸形状が、当初の規定値から変化していないかどうかを正確に評価することが必要になる。
上記以外にも、例えば、金型を製造する工程においても所望の微細凹凸形状を有する金型を製造するには、やはり形成された微細凹凸形状を正確に評価する必要がある。
このように、金型を用いてモスアイ型反射防止フィルムを製造するには、種々の工程において金型の微細凹凸形状を正確に評価することが課題となっている。しかしながら、従来、金型の微細凹凸形状を評価する方法としては、金型の表面あるいは断面の電子顕微鏡写真等を撮影する方法が用いられているに過ぎなかった。例えば、特許文献7、8においては、作製した基板を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning electron microscope)により観察している。そして、このような方法は金型の微細凹凸形状を直接的に評価することができる点において利点を有するものであったが、評価のために金型を損壊しなければならず、仮に評価した結果、金型には問題がなかったとしても、評価対象となった金型をその後も継続して用いることができないという問題点があった。
特表2001−517319号公報 特開2004−205990号公報 特開2004−287238号公報 特開2001−272505号公報 特開2002−286906号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット 特開2008−158013号公報 特開2008−176076号公報 「アルミニウムの陽極酸化処理に係わる技術・技能」、中小企業総合事業団、平成12年7月、p.24−28
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、モスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられる金型(以下、「モスアイ型反射防止フィル製造用金型」と称する場合がある。)が備える微細凹凸形状を、非破壊・非接触で正確に評価することが可能な、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を提供することを主目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の表面に形成された微細孔の平均孔深さが、当該微細孔が形成された表面の光の正反射率と強い相関関係を有することを見出すことにより、本発明を完成するに到ったものである。
すなわち、上記課題を解決するために本発明は、表面に複数の微細孔が形成された、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型について、上記微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、上記微細孔の平均孔深さを測定することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を提供する。
本発明によれば、微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、当該微細孔の平均孔深さ評価することが可能になるため、非破壊・非破壊で上記微細孔の形状を正確に評価することができる。したがって、本発明によれば評価に際して、上記微細孔の形状に変動を及ぼすことが無いため、微細孔の正確な平均孔深さを評価することが可能であると共に、評価対象となった金型をそれ以後も継続して使用することができる。
本発明においては、上記金型表面の法線に対して
3°〜50°
の範囲内の角度から測定光を入射することによって、上記金型表面の正反射率を測定することが好ましい。また本発明においては、上記正反射率の測定方法が、上記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)と、上記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)と、を測定した後、上記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)から、上記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)を差引くものであることが好ましい。
これにより、上記金型表面の正反射率をより高精度で測定することが可能になる結果、微細孔の平均孔深さをより正確に評価することが可能になるからである。
さらに本発明においては、上記モスアイ型反射防止フィルム製造用金型がロール状の形態を有するものであってもよい。ロール状の金型は評価のために破壊すると以後使用することができなくなってしまうが、本発明によれば・非接触・非破壊で評価することができるため、評価に際して上記微細孔の形状に変動を及ぼすことが無い。したがって、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、特にロール状の金型の評価方法として効果を有するということができる。
また本発明は、表面がアルミニウムからなる金属基体を用い、陽極酸化法によって上記金属基体の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程と、上記陽極酸化工程によって形成された微細孔の平均孔深さを評価する金型評価工程と、を有するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法であって、上記金型評価工程が上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記金型評価工程が上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることにより、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の形状を、非破壊・非接触で正確に評価することができる。したがって、本発明によれば、例えば、金型評価工程における評価結果に応じて、再度微細孔の孔深さを調整したり、あるいは上記陽極酸化工程の工程条件に評価結果をフィードバックすること等により、望みどおりの平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイかが反射防止フィルム製造用金型を製造することが可能になる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、上記金型評価工程後に実施され、上記金型評価工程における評価結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする再陽極酸化工程を有するものであってもよい。これにより、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の平均深さが所期の値とは異なる場合であっても、再陽極酸化工程において事後的に平均孔深さを調整することができるため、所望の上記平均孔深さを有するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を製造することができるからである。
また本発明においては、上記金属基体がロール状の形態を有するものであることが好ましい。ロール状の金型は評価のために破壊すると以後使用することができなくなってしまう。しかしながら、本発明によれば上記金型評価工程において非破壊で評価することができるため、たとえば、金型評価工程において評価した結果、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の平均孔深さが所期の値どおりであった場合は、当該評価対象となった金型をそのまま使用することが可能であり、また、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の平均孔深さが所期の値と異なる場合であっても、微細孔の平均深さを事後的に調整することによって、当該評価対象となった金型を使用することが可能となる。したがって、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、特にロール状の金属基体を用いる場合に効果を有するということができる。
さらに本発明は、使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用い、当該モスアイ型反射防止フィルム製造用金型に形成された微細孔の平均孔深さを検査する金型検査工程と、上記金型検査工程における上記微細孔の平均孔深さの検査結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする再生工程と、を有することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法であって、上記金型検査工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法を提供する。
本発明によれば、上記金型検査工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用いて微細孔の平均孔深さを評価するものであることにより、上記検査工程において、非破壊・非接触で平均孔深さを正確に評価することが可能になる。このため、本発明によれば、仮に上記金型検査工程において使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の平均孔深さに変動が生じていることが判明した場合であっても上記再生工程によって改めて上記平均孔深さを調整することにより、使用済みの金型を再度使用することが可能になる。
本発明においては、上記使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型がロール状の形態を有するものであることが好ましい。ロール状の金型は評価のために破壊すると以後使用することができなくなってしまうが、本発明によれば上記金型検査工程において非破壊で評価することができるため、特にロール状の金型を再生する場合に効果を有するからである。
さらにまた、本発明は、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用い、所定の平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を選択する金型選択工程と、上記金型選択工程において選択されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用いて、モスアイ構造を賦型する賦型工程と、を有することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記金型選択工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用い、所定の平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を選択するものであることにより、上記金型選択工程において所望の平均孔深さの微細孔を有する金型を確実に選択することができる。このため、本発明によれば上記賦型工程において所望の形状を有するモスアイ構造を形成することが可能になるため、所望の反射防止機能を有するモスアイ型反射防止フィルムを高確度で製造することができる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型が有する微細孔の平均孔深さを、非破壊・非接触で正確に評価することができるという効果を奏する。
本発明は、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法、およびこれを用いたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法、モスアイ型反射防止フィルムの製造方法に関するものである。
以下、本発明のこれらの発明について順に説明する。
A.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法
まず、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法について説明する。上述したように本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、表面に複数の微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型について、上記微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、上記微細孔の平均孔深さを測定することを特徴とするものである。
本発明によれば、微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、当該微細孔の平均孔深さ評価することが可能になるため、非破壊・非破壊で上記微細孔の形状を正確に評価することができる。したがって、本発明によれば評価に際して、上記微細孔の形状に変動を及ぼすことが無いため、微細孔の正確な平均孔深さを評価することが可能であると共に、評価対象となった金型をそれ以後も継続して使用することができる。
すなわち、従来、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の微細孔を評価する方法としては、電子顕微鏡による観察法等が用いられていたため、評価用サンプルを採取するために、評価のために金型の少なくとも一部を損壊することが不可避となっていた。このため、仮に評価の結果、金型に問題がないことが判明した場合であっても、評価対象となった金型を使用することができなくなってしまうという問題点があった。
この点、本発明によれば非破壊・非接触で評価することができるため、評価の際に金型を損壊してしまうということが一切生じない。このため、本発明によれば評価対象となった金型をそれ以後も継続して使用することができる。
また、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、正反射率という比較的簡易な指標を使用して、微細孔の平均孔深さを評価するものであるため、例えば、モスアイ型反射防止フィルムの製造工程において、オンラインで平均孔深さの経時変化等を評価することができるという利点も有するものである。
以下、このような本発明のモスアイ用金型の評価方法について詳細に説明する。
1.正反射率の測定方法
まず、本発明における正反射率の測定方法について説明する。本発明のモスアイ用金型の評価方法は、微細孔が形成された金型表面の正反射率と、当該微細孔の平均孔深さと、に相関関係があることを見出したことに基づき、金型表面の正反射率を測定することにより、非破壊・非接触で微細孔の平均孔深さを評価することを可能とするものである。したがって、本発明に用いられる正反射率の測定方法としては、上記金型表面について正反射率を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
ここで、本発明における「正反射率」とは、正反射光のみを対象とした反射率を意味するものである。
本発明に用いられる正反射率の測定方法は、上記金型表面の正反射率を所望の精度で測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、なかでも上記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)と、上記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)と、を測定した後、上記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)から、上記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)を差引くことによって、正反射率を求める方法が用いられることが好ましい。このような方法によれば、より高精度で上記金型表面の正反射率を測定することができるからである。
このような方法の具体例としては、例えば、JIS Z 8722に記載された方法を挙げることができる。
本発明において金型表面の反射率を測定する方法としては、通常、測定光を上記金型表面に入射し、当該金型表面から反射された反射光のうち、正反射光のみを対象として反射率を求める方法が用いられるが、このとき上記測定光を上記金型表面に入射する角度としては、正反射率を測定することができる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも、上記金型表面の法線に対して3°〜50°の範囲内であることが好ましく、
3°〜45°の範囲内であることがより好ましく、3°〜13°の範囲内であることがさらに好ましい。
また、本発明において正反射率を測定する際に用いられる測定光の波長としては、上記金型表面の正反射率を測定することができる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上記金型表面に微細孔が形成されている態様等に応じて、適宜適切な波長の光を選択して用いることができる。なかでも本発明における測定光の波長は、通常、300nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、380nm〜780nmの範囲内であることがより好ましい。
2.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型
次に、本発明において評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型について説明する。本発明において評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型としては、表面に微細孔が形成されたものであれば特に限定されるものではなく、あらゆる構成を有するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を評価対象とすることができる。したがって、本発明において評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型としては、金属基体の少なくとも一方の表面に微細孔が形成された構成を有するものであってもよく、あるいは任意の基体上に金属材料からなる層が形成され、当該層の表面に微細孔が形成された構成を有するものであってもよい。
また、本発明の評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の形態についても、微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することができる形態であれば特に限定されるものではない。したがって、本発明においてはシート状、ロール状等のいずれの形態のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型であっても評価対象とすることができる。ここで、ロール状のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型は、長尺の反射防止フィルムを連続的に製造することが可能であるという利点を有するものであるが、評価時に破壊を伴うと、以後、反射防止フィルムの製造に使用することができなくなるという問題点があったものである。
この点、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、金型表面の正反射率を指標として、微細孔の平均孔深さを評価するものであるため、非接触・非破壊で評価できるという利点を有するものである。したがって、本発明によればロール状のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型であっても、その機能を損なうことなく微細孔の平均孔深さを評価することができ、特にロール状のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法として、顕著な効果を備えるものということができる。
本発明の評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の金型表面に微細孔が形成されている態様としては、金型表面の正反射率を測定することができる態様であれば特に限定されるものではない。もっとも、モスアイ方反射防止フィルムを製造するために用いられる関係上、上記微細孔は、通常、可視光領域の波長以下の周期で形成された態様となる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、金型表面に形成された微細孔の平均孔深さを評価するものであるが、本発明によって評価可能な孔深さの範囲も特に限定されるものではない。したがって、本発明においては任意の深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を評価対象とすることができる。
さらに、本発明の評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型は、金型表面において、微細孔が形成されていない部位の表面状態によっても特に制約を受けるものではない。したがって、微細孔が形成されていない部位の表面状態が鏡面であるものであっても、あるいは、あるいは表面粗さが大きいことに起因する曇り面であるものであっても、本発明の評価対象とすることができる。
ここで、上記微細孔が形成されていない表面状態が鏡面である場合と、曇り面である場合のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型について図を参照しながら説明する。図1は本発明の評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の評価対象となるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型10は、微細孔Aが形成されていない表面の状態が鏡面であるものであってもよく(図1(a))、あるいは微細孔Aが形成されていない表面の状態が曇り面であるものであってもよい(図1(b))。
ここで、本発明においては、上記表面状態が鏡面であっても、曇り面であっても平均孔深さの評価精度には特に影響はなく、いずれの表面状態を有する金型であっても高精度で評価することが可能であるが、上記表面状態の相違によって、微細孔の平均孔深さと、正反射率との相関関係に差が生じることがある。例えば、正反射率の測定条件によっては、上記表面状態が鏡面である場合は、微細孔の平均孔深さが大きいほど金型表面の正反射率も大きくなる傾向を示し、一方、上記表面状態が曇り面である場合は、これとは逆の相関関係を示す場合がある。
3.その他
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法は、非接触・非破壊で微細孔の平均孔深さを評価できるという利点を有することから、例えば、後述するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法、およびモスアイ型反射防止フィルムの製造方法等に用いることができるものである。
B.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法
次に、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法について説明する。上述したように、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、表面がアルミニウムからなる金属基体を用い、陽極酸化法によって上記金属基体の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程と、上記陽極酸化工程によって形成された微細孔の平均孔深さを評価する金型評価工程と、を有するものあって、上記金型評価工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記金型評価工程が上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることにより、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の形状を、非破壊・非接触で正確に評価することができる。したがって、本発明によれば、例えば、金型評価工程における評価結果に応じて、再度微細孔の孔深さを調整したり、あるいは上記陽極酸化工程の工程条件に評価結果をフィードバックすること等により、望みどおりの平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイかが反射防止フィルム製造用金型を製造することが可能になる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、少なくとも上記陽極酸化工程と、上記金型評価工程とを有するものであり、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。
以下、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法に用いられる各工程について順に説明する。
1.陽極酸化工程
まず、本発明に用いられる陽極酸化工程について説明する。本工程は、表面がアルミニウムからなる金属基体を用い、陽極酸化法によって上記金属基体の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程である。
(1)金属基体
本工程に用いられる金属基体としては、表面アルミニウムからなるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本工程に用いられる金属基体としては、アルミニウム単体からなるものであってもよく、あるいは任意の基材上にアルミニウムからなる層が最表層となるように形成された構成を有するものであってもよい。
また、本工程に用いられる金属基体の形態は特に限定されるものではない。したがって、本工程においてはシート状あるいはロール状のいずれの形態を有する金属基体であっても好適に用いることができる。なかでも本工程においては、ロール状の形態を有する金属基体を用いることが好ましい。ロール状の金型は評価のために破壊すると以後使用することができなくなってしまう。しかしながら、本発明によれば後述する金型評価工程において非破壊で評価することができるため、たとえば、金型評価工程において評価した結果、本工程において形成された微細孔の平均孔深さが所期の値どおりであった場合は、当該評価対象となった金型をそのまま使用することが可能であり、また、本工程において形成された微細孔の平均孔深さが所期の値と異なる場合であっても、微細孔の平均深さを事後的に調整することによって、当該評価対象となった金型を使用することが可能となる。このようなことから、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、特にロール状の金属基体を用いる場合に効果を有するということができる。
(2)陽極酸化法
次に、本工程に用いられる陽極酸化法について説明する。本工程に用いられる陽極酸化法としては、上記金属基体の表面に所望の形状を有する微細孔を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、陽極酸化によって上記金属基体の表面に微細孔を有するアルミナ膜を形成するポーラスアルミナ膜形成工程と、上記アルミナ膜をエッチングすることにより上記微細孔の孔径を拡大するエッチング工程とを、順次繰り返し実施する方法が用いられることが好ましい。いわゆるモスアイ型の反射防止フィルムにおいては、表面に円錐や四角錐等の錐形の微細構造物が形成されていることが望ましいものであるところ、上記の方法によれば、このような錐形の微細構造物を形成可能なテーパー形状の微細孔を形成することが容易になるからである。
本工程において上記ポーラスアルミナ膜形成工程と、上記エッチング工程とを順次繰り返すことによって金属基体に微細孔を形成する方法について図を参照しながら具体的に説明する。図2は、本工程において金属基体に微細孔を形成する方法の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本工程において金属基体に微細孔を形成する方法としては、表面が研磨された金属基体1に対し(図2(a))、陽極酸化によって上記金属基体1の表面に微細孔を有するアルミナ膜1’を形成するポーラスアルミナ膜形成工程と(図2(b))、上記アルミナ膜1’をエッチングすることにより上記微細孔の孔径を拡大するエッチング工程と(図2(c))を用い、これを順次繰り返し実施する方法であることが好ましい。このような方法によれば、上記ポーラスアルミナ膜形成工程における陽極酸化時間と、上記エッチング工程におけるエッチング処理時間とを調整することによって、様々なテーパー形状を有する孔の形成が可能であり、周期、孔深さに合わせて、最適な屈折率変化を設計することが可能となるからである(図2(d))。
上記ポーラスアルミナ膜形成工程において、上記金属基体の表面に微細孔を有するアルミナ膜を形成する方法としては、所望の深さ、および配列態様で微細孔が形成されたアルミナ膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。ここで、上記ポーラスアルミナ膜形成工程において形成される微細孔の深さや配置態様は、陽極酸化に用いる電解液の液性等に依存するものであるところ、本工程に用いられる電解液は、中性の電解液であっても、あるいは酸性の電解液であっても好適に用いることができる。なかでも本工程においては上記電解液として酸性の電解液が用いられることが好ましい。酸性の電解液が用いられることにより、本工程において上記金型基体の表面に微細孔をランダムな位置に形成することができるからである。本工程に用いられる酸性の電解液としては、例えば、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、およびリン酸水溶液等を挙げることができる。
上記エッチング工程において、アルミナ膜をエッチングする方法としては、上記アルミナ膜に形成された微細孔を所望の程度に拡大することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、アルカリエッチング法、酸性エッチング法、電解エッチング法を挙げることができる。上記アルカリエッチング法は、通常5〜10wt%水酸化ナトリウム水溶液を40〜80℃に加温し、アルミニウム材を0.5〜10分間浸漬し、表層をエッチングする方法である。このエッチング方法は、処理コストが安価であり、取扱が容易なため、最も一般的に使用されているエッチング方法である。
一方、上記酸性エッチング法は、化学研磨を行う場合の艶出しエッチングとして、リン酸―硫酸(75:25wt%)系の浴を105〜110℃に加温し、アルミニウム材を2〜10分間浸漬し、表層をエッチングする方法である。
上記エッチング工程においてはこれらのいずれの方法であっても用いることができるが、アルカリエッチング法は、光沢や表面粗度等が大きく、エッチング面を一定の状態に維持することが難しく、遊離アルカリ濃度や浴中の溶存アルミニウム成分を常に一定範囲に管理することなどが要求されるため、酸性エッチング法が用いられることが好ましい。
本工程において、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と上記エッチング工程とを繰り返し実施する態様としては、本工程において所望の形状を有する微細孔を形成することが可能な態様であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、金属基体の表面にテーパー形状の微細孔を形成できるように、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と上記エッチング工程とを繰り返し実施することが好ましい。本発明によって製造されるモスアイ型反射防止フィルム製造用金型は、いわゆるモスアイ型反射防止フィルムを製造するために用いられるものであるところ、本工程において形成される凹部の形状をテーパー形状とすることにより、本発明によって製造されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムに、広い波長領域において優れた反射防止機能を付与することができるからである。
図3は、本工程においてテーパー形状の微細孔が形成されるように、上記ポーラスアルミナ膜形成工程と、上記エッチング工程とを繰り返し実施する態様の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本工程においては、金属基体1に対して(図3(a))、まず第1のポーラスアルミナ膜形成工程により、円柱状の第1の微細孔を有するアルミナ膜1’を形成した後(図3(b))、第1のエッチング工程により、上記第1の微細孔の孔径を拡大するように、上記アルミナ膜1’をエッチングする(図3(c))。次に、第2のポーラスアルミナ膜形成工程により、上記孔径が拡大された第1の微細孔の底部に、第1の微細孔より孔径の小さい第2の微細孔を形成する(図3(d))。次いで、第2のエッチング工程により、第1の微細孔および第2の微細孔の孔径を拡大するようにアルミナ膜1’をエッチングする(図3(e))。これを複数回繰り返すことにより(図3(f)、(g))、テーパー状の形状を有する微細孔を形成することが好ましい(図3(h))。
本工程によって金属基体に形成される微細孔の周期は、特に限定されるものではなく、本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造する反射防止フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。ここで、本工程において微細孔が形成される周期は、本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムの、反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その周期が長くなるほど可視光領域の短波長側の光に対する反射率が増加する傾向にあるものである。一方、周期が200nm以下においては、周期の変動に伴う反射率の波長依存性の変化は少なくなるものである。このようなことから、本工程において形成される微細孔の周期は、70nm〜130nmの範囲内であることが好ましく、90nm〜110nmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上記周期はすべての微細孔において均一ではない場合があるが、その場合は、単位面積あたりに形成された微細孔の平均周期を指すものとする。
また、本工程において形成される微細孔の平均孔深さも、本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造される反射防止フィルムの、反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その深さが深いほど反射率を低くすることができ、一方、浅くなると長波長側の反射率が増加する傾向にあるものである。このようなことから、本工程において形成される微細孔の平均孔深さは、150nm〜450nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜350nmの範囲内であることがより好ましい。
また本工程において微細孔が形成される間隔は、これが広くなるほど、本発明によって製造される反射防止フィルム製造用金型を用いて製造する反射防止フィルムにおいて、可視光の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、狭くなるほど可視光の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。このようなことから、本工程において微細孔が形成される間隔は、0〜30nmの範囲内であることが好ましく、10〜20nmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上記間隔はすべての微細孔において均一ではない場合があるが、その場合における上記間隔は、単位面積あたりに形成された微細孔間の平均距離を指すものとする。
ここで、上記微細孔が形成される周期、深さ、および間隔は、それぞれ図4におけるP、Q、およびRで表される距離を指すものとする。
2.金型評価工程
次に、本発明に用いられる金型評価工程について説明する。本工程は、上記陽極酸化工程によって形成された微細孔の平均孔深さを評価する工程であり、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とするものである。
ここで、本工程において微細孔の平均孔深さを評価する方法としては、上記「A.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.任意の工程
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法は、少なくとも上記陽極酸化工程と、上記金型評価工程とを有するものであるが、必要に応じてこれら以外の他の任意の工程が用いられてもよいものである。なかでも本発明においては、上記任意の工程として、上記金型評価工程後に実施され、上記金型評価工程における評価結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする再陽極酸化工程が用いられることが好ましい。上記金型評価工程後に実施され、上記金型評価工程における評価結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする再陽極酸化工程を有するものであってもよい。これにより、上記陽極酸化工程において形成された微細孔の平均深さが所期の値とは異なる場合であっても、再陽極酸化工程において事後的に平均孔深さを調整することができるため、所望の上記平均孔深さを有するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を製造することができるからである。
ここで、上記再陽極酸化工程は、陽極酸化法によって上記微細孔の平均孔深さを大きくするものであるが、当該陽極酸化法については、上記「1.陽極酸化工程」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法
次に、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法について説明する。上述したように、本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法は、使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用い、当該モスアイ型反射防止フィルム製造用金型に形成された微細孔の平均孔深さを検査する、金型検査工程と、上記金型検査工程における上記微細孔の平均孔深さの検査結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする再生工程と、を有するものであって、上記記金型検査工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、上記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記金型検査工程が、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用いて、微細孔の平均孔深さを評価するものであることにより、上記検査工程において、非破壊で正確に評価することが可能になる。このため、本発明によれば、仮に上記金型検査工程において使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の平均孔深さに変動が生じていることが判明した場合であっても上記再生工程によって改めて上記平均孔深さを調整することにより、使用済みの金型を以後も継続して使用することが可能になる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法は、少なくとも上記金型検査工程と、上記再生工程とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.金型検査工程
まず、本発明に用いられる金型検査工程について説明する。本工程は、使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用い、当該モスアイ型反射防止フィルム製造用金型に形成された微細孔の平均孔深さを、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用いて検査する工程である。
ここで、本工程において微細孔の平均孔深さを評価する方法としては、上記「A.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.再生工程
次に、本発明に用いられる再生工程について説明する。本工程は、上記金型検査工程における上記微細孔の平均孔深さの検査結果に基づいて、陽極酸化法により、上記微細孔の平均孔深さを大きくする工程である。
すなわち、本工程は所定の平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型について、上記金型検査工程において検査した結果、当該平均孔深さが当初の値から変動していることが判明した場合に、その結果に基づいて、当該平均孔深さを所期の値に復元することによって、金型を以後も継続的に使用可能にする工程である。
ここで、本工程は、陽極酸化法によって上記微細孔の平均孔深さを大きくするものであるが、当該陽極酸化法については、上記「B.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
D.モスアイ型反射防止フィルムの製造方法
次に、本発明のモスアイ型反射防止フィルムの製造方法について説明する。上述したように本発明のモスアイ型反射防止フィルムの製造方法は、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用い、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型を選択する金型選択工程と、上記金型選択工程において選択されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用いて、モスアイ構造を賦型する賦型工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記金型選択工程が上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用い、所定の平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を選択するものであることにより、上記金型選択工程において所望の平均孔深さの微細孔を有する金型を確実に選択することができる。このため、本発明によれば上記賦型工程において所望の形状を有するモスアイ構造を形成することが可能になるため、所望の反射防止機能を有するモスアイ型反射防止フィルムを高確度で製造することができる。
本発明は、少なくとも上記金型選択工程と、上記賦型工程とを有するものであり、必要に応じて他の任意の工程が用いられてもよいものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.金型選択工程
まず、本発明に用いられる金型選択工程について説明する。本工程は、後述する賦型工程に用いる金型を選択する工程である。本工程は、金型に形成された微細孔の平均孔深さを基準として金型を選択するものであり、当該平均孔深さを評価する方法として、上記本発明に係るモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用いることを特徴とするものである。このため、本工程において非接触・非破壊で所望の平均孔深さで形成された微細孔を有する金型を確実に選択することができる。
ここで、本工程において微細孔の平均孔深さを評価する方法としては、上記「A.モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.賦型工程
次に、本発明に用いられる賦型工程について説明する。本工程は、上記金型選択工程において選択されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用いて、モスアイ構造を賦型する工程である。
本工程において、上記金型選択工程において選択された金型を用いてモスアイ構造を賦型する方法としては、本発明によって製造するモスアイ型反射防止フィルムの構成等に応じて適宜選択することができるものであり特に限定されるものではない。具体的な方法としては、例えば、上記金型選択工程において選択された金型を用い、当該金型に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を充填する工程と、当該金型に充填された硬化性樹脂組成物上に光透過性基板を配置する工程と、上記硬化性樹脂組成物と上記光透過性基板とが接した状態で上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、硬化された硬化性樹脂組成物から上記金型を剥離する工程とを有する方法や、光透過性基板を用い、当該光透過性基板上に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を塗工することにより、硬化性樹脂組成物からなる膜を形成する工程と、上記金型選択工程において選択された金型を用い、上記硬化性樹脂組成物からなる膜にモスアイ構造を賦型する工程と、上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、上記金型を剥離する工程とを有する方法等を挙げることができる。
ここで、上記硬化性樹脂組成物に用いられる硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂を挙げることができ、本発明においてはこれらのいずれの硬化性樹脂であっても好適に用いることができる。なかでも本発明においては上記硬化性樹脂として光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられる光硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノステアレート等の(メタ)アクリレート樹脂またはこれらの混合物が挙げられる。これらに属する樹脂の具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。本発明においてはこれらの光硬化性樹脂の中から、後述する光透過性基板の屈折率と近い屈折率を有する樹脂を適宜選択して用いることができる。
また、上記光透過性基板としては、光透過性を示し、かつ所望の屈折率を有するものであれば特に限定されるものではない。このような光透過性基板としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、或いは、ガラス(セラミックスを含む)等からなる基板を挙げることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板に、過塩素酸とエタノールの混合溶液(体積比=1:4)中で電解研磨を行った後、0.01Mシュウ酸水溶液の電解液中、化成電圧40V、20℃の条件にて10分間、陽極酸化を施し、酸化皮膜を形成した。
次に、0.03Mリン酸の電解液中、50℃で15分間、形成された酸化皮膜を選択的に溶解除去した。
さらに、0.01Mシュウ酸水溶液の電解液中で、先と同一条件でそれぞれ30、60、90、120秒間、陽極酸化を施し、0.05Mリン酸水溶液で300秒間孔径拡大処理を行った。さらに上記工程を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に陽極酸化アルミナ膜が形成された構成を有し、細孔の深さが異なる4種類の金型を得た。
各金型の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、およそ孔径100nmの細孔の奥におよそ孔径20nmの細孔が形成されていることが観察された。
また、集束イオンビームにより金型を垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、細孔の断面形状は6段ステップ状に深さ方向に細くなっていることが確認された。細孔の深さは陽極酸化の時間が短い方から順に、それぞれ110、140、210、260nmであった。
得られた陽極酸化アルミナ膜表面の正反射率を測定し、正反射率と細孔の深さとの相関関係を求めた結果、正反射率と細孔の深さとの間には比例関係があり、最小二乗法を用いて直線で近似することができた(図5)。
[実施例2]
また、純度99.85%の圧延されたアルミニウム板に、過塩素酸とエタノールの混合溶液(体積比=1:4)中で電解研磨を行った後、0.01Mシュウ酸水溶液の電解液中、化成電圧40V、20℃の条件にて10分間、陽極酸化を施し、酸化皮膜を形成した。
次に、0.03Mリン酸/クロム酸混合液の電解液中、40℃で30分間、形成された酸化皮膜を選択的に溶解除去した。
さらに、0.3Mシュウ酸水溶液の電解液中で、先と同一条件でそれぞれ10,15、20秒間、陽極酸化を施し、0.03Mリン酸水溶液で20分間孔径拡大処理を行った。さらに上記工程を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に陽極酸化アルミナ膜が形成された構成を有し、細孔の深さが異なる3種類の金型を得た。
各金型の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、およそ孔径100nmの細孔の奥におよそ孔径20nmの細孔が形成されていることが観察された。
また、集束イオンビームにより金型を垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、細孔の断面形状は6段ステップ状に深さ方向に細くなっていることが確認された。細孔の深さは陽極酸化の時間が短い方から順に、それぞれ215、260、280nmであった。
得られた陽極酸化アルミナ膜表面の正反射率を測定し、正反射率と細孔の深さとの相関関係を求めたところ、正反射率と細孔の深さとの間には比例関係があり、最小二乗法を用いて直線で近似することができた(図6)。
[実施例3]
純度99.85%のアルミニウム板の正反射率が0.2%を示した金型を選択し、紫外線硬化樹脂層塗布液をこの金型表面に一定量塗布し、その上に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製、フジタック「T80SZ」)を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をローラー(フジプラ製、ラミパッカー「LPA3301」)で圧着し、金型全体に均一な組成物が塗布されたことを確認して、フィルム側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して紫外線硬化樹脂組成物を光硬化させた。その後、フィルムと金型を剥離して反射防止フィルムを得た。
得られた反射防止フィルムの表面(転写面)は、金型の表面構造が転写されていた。なお、転写面には、P(周期):100nm、Q(高さ):280nm、の凸部状の突起物が形成されていた。
[評価]
上記実施例における各評価は、次のような方法によって行った。
〈正反射率〉
JIS Z 8722に記載された方法に準拠し、コニカミノルタセンシング製分光測色計CM−2600dを用い測定した。測定には金型表面の法線に対して、8°の角度から測定光を入射することによって、金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)と、金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)と、を測定した後、金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)から、金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)を差引くことによって、正反射率を得た。
〈走査型電子顕微鏡による金型表面、断面の観察〉
日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4500を用いて、金型表面を観察した。得られた画像から、周期、径を測定した。また、集束イオンビームにより、陽極酸化アルミナ膜を垂直に切断し、走査型電子顕微鏡S−4500を用いて、金型断面を観察し、得られた画像から、細孔の深さを測定した。
〈反射防止フィルムの反射率〉
島津製作所製、自記分光光度計UV−3100を用い、フィルム裏面に黒色テープを貼り付け、フィルム表面へ5度入射絶対反射率を測定した。
以上のように、本発明によれば、予め用意した試料の正反射率を測定し、走査型電子顕微鏡観察により細孔深さを測定して、両者の相関関係を求めておき、評価すべき未知の試料に対して正反射率を測定するだけで細孔深さを容易に求めることができる。よって、本実施の形態によれば、非破壊により細孔深さを定量的に評価することが可能であり、陽極酸化工程の最中に同一基板の細孔深さの変化をモニタリングすることもできる。また、反射防止フィルムの製造工程の最中に金型の摩耗等による劣化をモニタリングすることもでき、細孔深さを所望の値に復元することによって、金型を継続的に使用可能にすることもできる。
上述した実施の形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば、実施の形態ではアルミニウム板を用いて、陽極酸化工程を行っているが、これには限定されない。例えば、ロール状のアルミニウムを用いて、陽極酸化を行ってもよい。また、実施の形態では陽極酸化の処理時間を変更して、金型表面の正反射率を評価する場合について適用している。しかし、陽極酸化の処理時間以外の条件変更により、金型表面の正反射率が変化したものに対しても、本発明の評価方法を適用することができる。例えば、ポーラスアルミナ膜形成工程の電解液濃度、化成電圧、処理温度やエッチング工程の電解液濃度、化成電圧、処理時間、処理温度の評価にも、本発明を適用することができる。
本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法の評価対象となる、モスアイ方反射防止フィルム製造用金型の一例を示す概略図である。 本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法に用いられる陽極酸化工程の一例を示す概略図である。 本発明のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法に用いられる陽極酸化工程の他の例を示す概略図である。 本発明におけるモスアイ構造部を特定するパラメーターを説明する概略図である。 実施例1において純度99.50%のアルミニウム板を処理した正反射率と細孔深さの関係を示したグラフ。 実施例2において純度99.85%のアルミニウム板を処理した正反射率と細孔深さの関係を示したグラフ。
符号の説明
1 … 金属基体
1’ … アルミナ膜
10 … モスアイ型反射防止フィルム製造用金型
A … 微細孔

Claims (10)

  1. 表面に複数の微細孔が形成された、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型について、前記微細孔が形成された金型表面の正反射率を測定することにより、前記微細孔の平均孔深さを測定することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法。
  2. 前記金型表面の法線に対して3°〜50°の範囲内の角度から測定光を入射することによって、前記金型表面の正反射率を測定することを特徴とする、請求項1に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法。
  3. 前記正反射率の測定方法が、前記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)と、前記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)と、を測定した後、前記金型表面の正反射光を含む分光反射率(SCI)から、前記金型表面の正反射光を除いた分光反射率(SCE)を差引くものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法。
  4. 前記モスアイ型反射防止フィルム製造用金型が、ロール状の形態を有するものであることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法。
  5. 表面がアルミニウムからなる金属基体を用い、陽極酸化法によって前記金属基体の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程と、
    前記陽極酸化工程によって形成された微細孔の平均孔深さを検査する金型評価工程と、を有するモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法であって、
    前記金型評価工程が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、前記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法。
  6. 前記金型評価工程後に実施され、前記金型評価工程における評価結果に基づいて、陽極酸化法により、前記微細孔の平均孔深さを大きくする再陽極酸化工程を有することを特徴とする、請求項5に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法。
  7. 前記金属基体がロール状の形態を有するものであることを特徴とする、請求項5または6に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の製造方法。
  8. 使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用い、当該モスアイ型反射防止フィルム製造用金型に形成された微細孔の平均孔深さを検査する金型検査工程と、
    前記金型検査工程における前記微細孔の平均孔深さの検査結果に基づいて、陽極酸化法により、前記微細孔の平均孔深さを大きくする再生工程と、を有することを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法であって、
    前記金型検査工程が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法によって、前記微細孔の平均孔深さを評価するものであることを特徴とする、モスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法。
  9. 前記使用済みのモスアイ型反射防止フィルム製造用金型がロール状の形態を有するものであることを特徴とする、請求項8に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の再生方法。
  10. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のモスアイ型反射防止フィルム製造用金型の評価方法を用い、所定の平均孔深さで微細孔が形成されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を選択する金型選択工程と、
    前記金型選択工程において選択されたモスアイ型反射防止フィルム製造用金型を用いて、モスアイ構造を賦型する賦型工程と、を有することを特徴とするモスアイ型反射防止フィルムの製造方法。
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