JP2007025508A - 反射防止構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面形状の制御の容易化を図ったうえで、表面に像が映ったり白濁したりすることなく、反射光を減少させることができ、例えば、表示装置の表示部を覆うのに用いた場合には、外からの光の反射を防止しつつ、表示部の表示像を鮮明に表示することが可能である反射防止構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明薄板状を成す基部2と、この基部2の表面2a上に配置した複数の微細凸部3と、微細凸部3の表面3a上に配置した複数の極微細凸部4を備え、基部2上にアンチグレア構造を形成すべく複数の微細凸部3の隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aを可視光線の波長よりも大きく設定すると共に、微細凸部3の表面3a上にアンチリフレクション構造を形成すべく複数の極微細凸部4の隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bを可視光線の波長よりも小さく設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、表示装置の表示部を覆うのに用いられる反射防止構造体及びその製造方法に関するものである。
上記した表示装置の表示部を覆うパネルには、視認性を確保することが要求されることから、反射防止構造を有するパネルが多く用いられている。
この反射防止構造としては、パネル表面における反射光を減少させるアンチリフレクション構造と、パネル表面に可視光線の波長より大きな凹凸を形成して反射光を拡散させるアンチグレア構造とがある。
アンチリフレクション構造としては、例えば、薄膜の上下界面間距離を調整し、界面における反射光の行路差が打ち消し合える位相分だけずらして反射光を打ち消したり、特許文献1や特許文献2に開示されているように、可視光線の波長よりも小さな微細凹凸を用いたりするものがある。
一方、アンチグレア構造としては、例えば、特許文献3や特許文献4に開示されているように、パネル表面に微粒子で微細凹凸を形成するようにしたものがある。
また、特許文献5に示すように、シリカ粒子の凝集により表面構造を制御して、アンチリフレクション構造及びアンチグレア構造を複合化させたものもある。
特開2004−219626号公報 特開2003−222701号公報 特開2002−98813号公報 特開2002−207109号公報 特開平10−133002号公報
ところが、薄膜を用いたアンチリフレクション構造では、絶対的な反射光の強度を低下させることはできるものの、上下界面距離を調整して位相を適切にずらすためには、特定の角度領域を逸脱しないようにする必要があり、この特定の角度領域を逸脱した場合には、十分な反射防止効果を得ることができず、一方、微細凹凸を用いたアンチリフレクション構造では、薄膜を用いたアンチリフレクション構造と比較して、光の反射率の絶対量は小さいものの、反射光が正反射方向に揃って反射するため、微小であるがパネル表面に反射像が映りこんでしまうという問題があった。
一方、アンチグレア構造では、パネル表面の可視光線の波長より大きな凹凸によって、反射光の方向をランダムにしていることから、パネル表面に反射像が映りこむことはないが、反射する光の絶対量は非アンチグレア構造の面と同じであるため、ランダムな反射光によりパネル表面が白く見えてパネル後方の表示像をぼやけさせる原因となってしまうという問題があった。
また、シリカ粒子の凝集により表面構造を制御して、アンチリフレクション構造及びアンチグレア構造を複合化させたものにあっては、シリカ粒子の凝集を用いている都合上、表面形状の制御が難しいという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目して成されたものであり、表面形状の制御の容易化を図ったうえで、表面に像が映ったり白濁したりすることなく、反射光を減少させることができ、例えば、表示装置の表示部を覆うのに用いた場合には、外からの光の反射を防止しつつ、表示部の表示像を鮮明に表示することが可能である反射防止構造体及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の反射防止構造体は、透明薄板状又は透明薄膜状を成す基部と、この基部の表面及び裏面のうちの少なくともいずれか一方の面上に配置した複数の微細凸部と、微細凸部の表面上に配置した複数の極微細凸部を備え、基部上にアンチグレア構造を形成すべく複数の微細凸部の隣り合う微細凸部同士の各中心間距離を可視光線の波長よりも大きく設定すると共に、微細凸部の表面上にアンチリフレクション構造を形成すべく複数の極微細凸部の隣り合う極微細凸部同士の各中心間距離を可視光線の波長よりも小さく設定した構成としたことを特徴としており、この反射防止構造体の構成を上述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明によれば、表面形状の制御の容易化を実現することができるのは勿論のこと、表面に像が映ったり白濁したりすることなく、反射光を減少させることが可能であり、例えば、表示装置の表示部を覆うのに用いた場合には、外光の映り込みを防ぎながら、表示部における表示像の視認性向上を実現でき、特に、自動車のメータパネルとして採用した場合には、外光を遮るためのフードを用いる必要がなくなって、その結果、メータパネル周辺のデザインの自由度を大幅に高めることが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
図1及び図2は、本発明の反射防止構造体の一実施態様を示しており、図1及び図2(a)の拡大部分に示すように、この反射防止構造体1は、透明薄板状(透明薄膜状でも可)を成す基部2と、この基部2の表面2a上に配置した複数の微細凸部3と、微細凸部3の表面3a上に配置した複数の極微細凸部4を備えている。
複数の微細凸部3は、図2(b)にも示すように、互いに隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aが可視光線の波長よりも大きくなるように配置してあって、これにより、基部2の表面2a上にアンチグレア構造を形成するようにしている。
一方、複数の極微細凸部4は、互いに隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bが可視光線の波長よりも小さくなるように配置してあって、これにより、微細凸部3の表面3a上にアンチリフレクション構造を形成するようにしている。
この場合、基部2の表面2a上にアンチグレア構造を形成すべく配置した複数の微細凸部3の隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aは、可視光線の波長よりも大きければよく、具体的には780nm以上であるが、好ましくは780nm〜20μmであり、より好ましくは780nm〜5μmである。隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aが780nmよりも小さいと、光の波長によっては光が拡散しない領域があって好ましくなく、隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aが20μmよりも大きいと、基部2の表面2aの凹凸が目視できてしまい表示像に歪ができるので好ましくない。
また、微細凸部3の平均高さと隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aとの比、すなわち、アスペクト比は1〜10が好ましい。このアスペクト比が1未満であると、アンチグレア効果が得られ難く、アスペクト比が10を超えると、光の散乱性が強くなって反射防止構造体1の表面を白濁させる原因となるので好ましくない。
一方、微細凸部3の表面3a上にアンチリフレクション構造を形成すべく配置した複数の極微細凸部4の隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bは、可視光線の波長よりも小さければよく、具体的には370nm以下であるが、好ましくは50〜370nmである。隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bが370nmよりも大きいと、可視光線の一部が構造を認識することで拡散が生じてしまって光の反射率が大きくなるので好ましくなく、隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bが5μmよりも小さいと、成形方法が制約を受けてしまい製作が困難になるので好ましくない。
そして、極微細凸部4の平均高さと隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bとの比、すなわち、アスペクト比は1〜10が好ましい。アスペクト比が1未満であると、アンチリフレクション効果が得られ難く、アスペクト比が10を超えると、成形及び離型が著しく困難となる。
上記した本発明の反射防止構造体1において、従来のアンチリフレクション構造のみのものとは異なり、アンチグレア構造上にアンチリフレクション構造が存在するため、アンチリフレクション構造への入射光の角度がランダムとなるので、反射防止構造体1全体としての反射防止効果の角度依存性が無くなる。
また、上記反射防止構造体1において、基部2の表面2a上にアンチグレア構造を形成すべく配置した複数の微細凸部3の配列パターンは、隣り合う微細凸部3同士の各中心間距離Aやアスペクト比が上記の数値を満たしていればよく、規則的な配列パターンであってもランダムな配列パターンであってもよい。
さらに、上記反射防止構造体1において、微細凸部3の表面3a上にアンチリフレクション構造を形成すべく配置した複数の極微細凸部4の配列パターンも、特に限定するものではないが、微細凸部3の表面3a上に配置した複数の極微細凸部4の隣り合う極微細凸部4同士の各中心間距離Bを一定にした構成を採用することが好ましく、この場合には、反射防止構造の均一性が向上することとなる。
さらにまた、上記反射防止構造体1において、基部の表面2a上にアンチグレア構造を形成すべく配置した微細凸部3及びこの微細凸部3の表面3a上にアンチリフレクション構造を形成すべく配置した極微細凸部4の形状は特に限定されるものではないが、特にアンチリフレクション構造において、連続的に屈折率を変化させるという観点から、極微細凸部4は、頂点を含む上部が底面を含む下部と比較して細くなるような形状とすることが好ましい。
例えば、図3(a)〜(e)に示すように、上部から下部にかけて垂直に切断した場合の断面が、多角形状を成す極微細凸部4Aや円形状を成す極微細凸部4Bや台形状を成す極微細凸部4Cや半円形状を成す極微細凸部4Dや半楕円形状を成す極微細凸部4Eが挙げられる。この際、垂直断面が台形状を成す極微細凸部4Cの場合には、すなわち、上部に平面を有している場合には、その頂点は、上部平面の重心位置とする。
また、例えば、図4(a)〜(c)に示すように、基部2に対して平行に切断した場合の断面が、三角形,四角形,五角形などの多角形状を成す極微細凸部4Fや円形状を成す極微細凸部4Gや楕円形状を成す極微細凸部4Hが挙げられる。このとき、極微細凸部4の水平断面の形状は、上部から下部にかけて一定の形状を成している必要はない。
上記した反射防止構造体の製造方法としては、主として熱プレス法(ホットエンボス法)が用いられるほか、射出成形法なども採用することができる。熱プレス法のなかでも、アンチリフレクション構造の可視光線の波長以下の極微細凸部を容易に成形できる方法として、ナノインプリントを用いることができ、このナノインプリントには、熱を用いたり、活性エネルギ線を用いたりすることができる。
ここで、ナノインプリントとは、本発明のアンチグレア構造及びアンチリフレクション構造を成形し得る範囲、すなわち、数nm〜数10μmの範囲の転写のことである。
熱を用いたナノインプリントの場合、上記反射防止構造体を製造するに際して、表面上に複数の極微細凸部を具備した微細凸部を形成するための微細凹部を複数の微細凸部の配置パターンに合わせて複数形成してなる成形型を製作し、この成形型を加熱した基部としての熱可塑性樹脂などの樹脂に押し当てて、複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を基部上に転写する構成とすることができる。
一方、活性エネルギ線を用いたナノインプリントの場合、上記反射防止構造体を製造するに際して、表面上に複数の極微細凸部を具備した微細凸部を形成するための微細凹部を複数の微細凸部の配置パターンに合わせて複数形成してなる成形型を製作し、活性エネルギ線で重合して硬化する基部としてのポリマやオリゴマやモノマなどの樹脂を成形型の微細凹部に充填して固めることで、複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を基部上に転写する構成とすることができる。
上記反射防止構造体の製造に用いられる成形型は、本発明の微細凸部及び極微細凸部を成形することができればよく、生産性やコストなどを考慮して適宜なものを製造して使用すればよい。
この成形型には、表面上に複数の極微細凸部を具備した微細凸部を形成するための微細凹部が複数の微細凸部の配置パターンに合わせて複数形成されるが、複数の微細凹部を形成する方法は特に限定されるものではなく、フォトリソグラフィや電子線描画法等の方法のなかから所望する加工精度に応じて選択すればよい。
本発明において、上記成形型をセットするプレス装置としては、微細凸部の配置パターンの転写を効率良く行ううえで、加熱機構及び加圧機構を有するものや、光透過性成形型の上方から活性エネルギ線を照射可能な機構を有するものを用いることが好ましい。
上記した成形型の材料としては、シリコンウエハや各種金属材料やガラスやセラミックやプラスチックなどの強度と要求される精度の加工性を有するものであればよい。具体的には、Si,SiC,SiN,多結晶Si,ガラス,Ni,Cr,Cu及びこれらを1種以上含むものが好ましい。
上記反射防止構造体に用いられる材料としては、透明性を有していることに加えて、上述したように、熱を用いる方法及び活性エネルギ線を用いる方法のいずれかの方法により微細凸部を付与できる材料であればよい。
熱を用いる場合は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニール,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹脂,アクリル樹脂,ポリアミド,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,ガラス強化ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,変性ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンスルフィド,ポリエーテルエーテルケトン,液晶性ポリマ,フッ素樹脂,ポリアレート,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,熱可塑性ポリイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,メラミン樹脂,ユリア樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,ポリアミドビスマレイミド,ポリビスアミドトリアゾールなどの熱硬化性樹脂や、これらの樹脂を2種以上ブレンドした材料を用いることが可能である。
一方、活性エネルギ線を用いる場合は、活性エネルギ線により重合を開始できる樹脂が採用される。この樹脂は、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂,紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂,紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂,紫外線硬化型ポリオールアクリレート樹脂,紫外線硬化型エポキシ樹脂であり、活性エネルギ線を照射することでラジカルを発生する重合開始剤を必要に応じて用いることもでき、より強固に固めるために、イソシアネートのような硬化剤を加えることもできる。また、ここで用いられる活性エネルギ線としては、一般に紫外線やX線が挙げられるほか、その他の電子線や電磁波などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明の反射防止構造体は、露光される場所に用いられることから、劣化を防止するために紫外線吸収剤や酸化防止剤やラジカル補足剤などを添加してもよいほか、樹脂の劣化による黄変を補うためのブルーイング剤や蛍光発色顔料を用いることもできる。また、微細構造を埋めてしまわないような薄膜コーティングを表面に施して、光や傷による劣化を防ぐ方法もあるほか、無機酸化物の薄膜を微細構造を埋めてしまわないような厚みでコーティングあるいは蒸着させて耐傷つき性を向上させたり、同様な厚みのフッ素系樹脂薄膜を表面に設けたりすることで、汚れを防止することができる。
本発明の反射防止構造体において、アンチグレア構造を形成するための複数の微細凸部は、基部の表面及び裏面のうちの少なくともいずれか一方の面上に配置することが好ましく、光の入射面及び透過光の出射面の両面に形成することが好ましい。
複数の微細凸部を基部上に形成する場合、透明薄板状を成す基部の表面及び裏面のうちの少なくともいずれか一方の面上に複数の微細凸部を直接形成する方法や、透明薄膜状を成す基部を作ってそこに複数の微細凸部を転写する方法があるが、例えば、本発明の反射防止構造体を表示装置に組み込むものとした場合、表示装置に組み込む際に、基部の最前面となる部分に複数の微細凸部を形成することが最も効果的である。
このように、アンチグレア構造を形成するための複数の微細凸部を基部の表面に形成した場合には、基部の裏面に対して公知の反射防止構造を採用することができ、この公知の反射防止構造としては、例えば、可視光線の波長以下の微細構造のみを付与した反射防止構造や、反射防止層の膜厚を制御して薄膜表面と基材接着面との反射光を干渉させることで反射光を打ち消す構造がある。
また、本発明の反射防止構造体を基部の表面に形成した反射防止成形品の場合には、公知の多層反射防止膜上に機能性薄膜を追加したものを基部の表面に用いることができ、機能性薄膜には、多層反射防止膜の反射防止性を補助するために、1〜10μmのランダムな凹凸が形成されたアンチグレア機能を有するものや、薄膜にフッ素系化合物を用いた防汚機能を有するものや、強固な無機化合物薄膜を形成したハードコート機能を有するものが用いられる。特に、多層反射防止膜の表面にアンチグレア機能を有する機能性薄膜を用いると、多層反射防止膜による反射防止効果の波長依存性や光の入射角度依存性を小さくするので望ましい。
機能性薄膜がアンチグレア機能を有する場合において、1〜10μmのランダムな凹凸を形成するのに、例えば、機能性薄膜内に1〜10μmの微粒子を設ける手法を用いることができ、この際、微粒子としては、酸化チタン,酸化ケイ素,酸化ジルコニア,酸化亜鉛などの無機微粒子や、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポリイミド系樹脂,ポリアミド系樹脂などの有機微粒子が構成材料として挙げられる。
本発明の反射防止構造体は、自動車,自動二輪車,航空機などの乗物のメータパネルや、カーナビゲーションモニタや、カーオーディオモニタや、テレビや、ノートパソコンや、携帯電話や、電子手帳などのモバイル機器や、看板や、時計などの表示装置の表示部を覆うのに使用される、すなわち、表示部の最前面において反射を防止することが要求される表示装置に使用される。
本発明の反射防止構造体を採用し得る表示装置の形式は特に限定されるものではなく、アナログメータのように機械的な表示と照明を組み合わせた方式の表示装置に採用することができるほか、、デジタルメータやモニタのように液晶,LED,ELなどのバックライトや発光面を用いた方式の表示装置に採用することができ、モバイル機器のように反射方式の液晶を用いた方式の表示装置にも採用することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
市販の電子線描画装置を用いて複数の微細凹部を有する成形型を作製した。すなわち、成形型の基材に深さ3μmの円錐形状のくぼみ(微細凹部)をその頂点間距離が3μmで且つ底面が細密充填となるようなパターンで形成するのに続いて、円錐形状のくぼみの斜面に深さが400nmとなる円錐形状のくぼみ(極微細凹部)を隣り合う頂点間距離が400nmとなるようにして形成して成形型を作製した。
この成形型を加熱した基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板(PMMA)に押し当てて、基部上に複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を転写する(ナノインプリントする)ことで、本実施例の反射防止構造体を得た。
[実施例2]
実施例1と同様に、市販の電子線描画装置を用いて複数の微細凹部を有する成形型を作製した。すなわち、成形型の基材に深さ5μmの円錐形状のくぼみをその頂点間距離が1μmで且つ底面が細密充填となるようなパターンで形成するのに続いて、円錐形状のくぼみの斜面に深さが400nmとなる円錐形状のくぼみを隣り合う頂点間距離が200nmとなるようにして形成して成形型を作製した。
そして、実施例1と同様に、ナノインプリントにより、基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板に複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を転写して、本実施例の反射防止構造体を得た。
[実施例3]
実施例1にて作製した成形型を2枚用いて、基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板の表裏両面に対して、実施例1と同様のナノインプリントにより、複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を転写して、本実施例の反射防止構造体とした。
[実施例4]
実施例1と同様に、市販の電子線描画装置を用いて複数の微細凹部を有する成形型を作製した。すなわち、成形型の基材に深さ3μmの半球状のくぼみ(微細凹部)をその頂点間距離が3μmで且つ底面が細密充填となるようなパターンで形成するのに続いて、半球状のくぼみの湾曲面に深さが400nmとなる円錐形状のくぼみ(極微細凹部)を隣り合う頂点間距離が400nmとなるようにして形成して成形型を作製した。
そして、実施例1と同様に、ナノインプリントにより、基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板に複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を転写して、本実施例の反射防止構造体を得た。
[実施例5]
実施例1と同様の方法により、厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板の片面に微細凸部を転写した成形品を作製し、真空蒸着法により、基材に近い方から、膜厚181.9nmのMgF、12.8nmのTiO、34.9nmのSiO、37.4nmのTiO、22.3nmのSiO、28.6nmのTiO、97.1nmのMgFの7層から成る多層反射防止膜を形成した。
次に、この多層反射防止膜の表面に、平均粒子径3μmの架橋ポリメチルメタクリレート単分散粒子(Cv値8%)3重量部、BR−200(三菱レイヨン(株)製)30重量部、酢酸エチル100重量部から成る塗布用組成物をスピンコート法により、乾燥後膜厚が5μmとなるように塗布し、表面が多層反射防止膜上にアンチグレア層を持ち、裏面に微細凸部を成形した反射防止成形品を得た。
[実施例6]
実施例5で得られた反射防止成形品のアンチグレア層に使用した塗布用組成物が、ウレタンアクリレート系モノマーとしてユニディック17−806(大日本インキ化学工業社製)100重量部、架橋ポリスチレン粒子(綜研化学社製、SX350−H、平均粒子径3.5μm)14重量部、チキソトロピー剤(コープケミカル社製、ルーセンタイトSAN)2.5重量部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア907)5重量部、レべリング剤(大日本インキ化学工業社製、メガファックF470)0.5重量部及びトルエン187.4重量部から成るものとした。
そして、実施例5と同様に、スピンコート法により薄膜を形成し、UV硬化を行ってアンチグレア機能を有するハードコート層を膜厚4μmで作製した。
[実施例7]
実施例5で得られた反射防止成形品のアンチグレア層上に、フッ素系薄膜((商品名)ナノスB:株式会社ティーアンドケー製)を膜厚50nmで形成することにより、最表面に防汚層を有する反射防止成形品を得た。
[比較例1]
市販の電子線描画装置を用いて複数の極微細凹部を有する成形型を作製した。すなわち、成形型の基材に深さ800nmのくぼみ(極微細凹部)をその頂点間距離が400nmとなるようにして形成して成形型を作製した。
そして、実施例1と同様に、ナノインプリントにより、基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板に複数の極微細凸部のみ転写して、本比較例の反射防止構造体とした。
[比較例2]
ポリメチルメタクリレート板上に、PMMAバインダー溶液(固形分27%;溶剤:メチルエチルケトン)97重量部に対して、PMMA微粒子(平均粒子径:3μm)3重量部を完全に混合した溶液を5μmのアプリケータを用いて塗布して乾燥させた後、最大膜厚3μmの表面に可視光線の波長よりも大きいランダムな凹凸のアンチグレア構造を形成して、本比較例の反射防止構造体とした。
[比較例3]
実施例1と同様に、市販の電子線描画装置を用いて複数の微細凹部を有する成形型を作製した。すなわち、成形型の基材に深さ8μmの円錐形状のくぼみをその頂点間距離が3μmとなるようなパターンで形成するのに続いて、円錐形状のくぼみの斜面に深さが500nmとなる円錐形状のくぼみを隣り合う頂点間距離が500nmとなるようにして形成して成形型を作製した。
そして、実施例1と同様に、ナノインプリントにより、基部としての厚さ2mmのポリメチルメタクリレート板に複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を転写して、本比較例の反射防止構造体とした。
得られた実施例1〜4の反射防止構造体、実施例5〜7の反射防止成形品及び比較例1〜3の反射防止構造体について、反射防止性能に関しては反射率と映りこみにより評価し、表示画像の鮮明性に影響を与える指標として白濁度(ヘイズ)の測定を行った。また、実施例6の反射防止成形品及び比較例1〜3の反射防止構造体について、表面のハードコート層の鉛筆硬度を測定した。さらに、 実施例7の反射防止成形品及び比較例1〜3の反射防止構造体について、表面の汚れふき取り性を評価した。測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(反射率の測定)
反射率の測定は、JIS R3106に準拠し、分光光度計(日立製U−4000)を用いて測定した。
(白濁度の測定)
白濁度の測定には、ヘイズメータ(日本電色株式会社製ヘイズメータ「NDH2000」)を用い、このヘイズメータにより反射防止構造体の白濁度を測定した(JIS K7361に準拠)。
(映りこみ評価)
20Wの蛍光灯の中心部と反射防止構造体の中心を結ぶ線が、構造体の中心部から構造体表面に対して法線方向の線と60°の角度をなし、この距離が100cmとなるようにセットした。この構造体の表面を蛍光灯より正反射方向で構造体中心部からの距離が100cmになる場所で観測し、蛍光灯の像が映っているものを×、蛍光灯の輪郭が全く確認できないものを○とした。
(鉛筆硬度試験)
本発明の反射防止成形品上に加工されるハードコート層の硬度は、JIS K 5600−5−4に基づく鉛筆硬度試験により求めた。すなわち、鉛筆の硬度をHB〜6Hまで段階的に変化させてそれぞれハードコート層に1kg荷重で押付け、ハードコート層に目視により傷が確認できない限界の鉛筆硬度をハードコート層の硬度とした。
(汚れふき取り性試験)
セルロース製不織布(ベンコットM−3:旭化成(株)製)を2往復させて、反射防止成形品の表面に付着した指紋をふき取り、そのふき取り具合を目視により判定した。完全に指紋が消えたものを○、ふき残りが生じたものを×とした。各測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 2007025508
表1から明らかなように、実施例1〜4の反射防止構造体及び実施例5〜7の反射防止成形品は、映りこみがほとんどないのに加えて、比較例1〜3の反射防止構造体と比べて、反射率及び白濁度がいずれも格段に低いことから、表面に像が映ったり白濁したりすることなく、反射光を減少させることが可能であることが立証できた。
また、表1から明らかなように、実施例6の反射防止成形品は、比較例1〜3の反射防止構造体と比べて、そのハードコート層の硬度が格段に高ことが立証でき、さらに、実施例7の反射防止成形品は、比較例1〜3の反射防止構造体と比べて、汚れふき取り性に優れていることが立証できた。
本発明の反射防止構造体の一実施態様を示す斜視説明図である。(実施例1,2) 図1の反射防止構造体の部分断面説明図(a)及び正面説明図(b)である。 図1における反射防止構造体の極微細凸部の様々な形態を示す垂直断面説明図(a)〜(e)である。 図1における反射防止構造体の極微細凸部の様々な形態を示す水平断面説明図(a)〜(c)である。
符号の説明
1 反射防止構造体
2 基部
2a 基部の表面
3 微細凸部
3a 微細凸部の表面
4 極微細凸部
A 互いに隣り合う微細凸部同士の各中心間距離
B 互いに隣り合う極微細凸部同士の各中心間距離

Claims (10)

  1. 透明薄板状又は透明薄膜状を成す基部と、この基部の表面及び裏面のうちの少なくともいずれか一方の面上に配置した複数の微細凸部と、微細凸部の表面上に配置した複数の極微細凸部を備え、基部上にアンチグレア構造を形成すべく複数の微細凸部の隣り合う微細凸部同士の各中心間距離を可視光線の波長よりも大きく設定すると共に、微細凸部の表面上にアンチリフレクション構造を形成すべく複数の極微細凸部の隣り合う極微細凸部同士の各中心間距離を可視光線の波長よりも小さく設定したことを特徴とする反射防止構造体。
  2. 微細凸部の表面上に配置した複数の極微細凸部の隣り合う極微細凸部同士の各中心間距離を一定にした請求項1に記載の反射防止構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体を透明基材の少なくとも一つの面に成形して成ることを特徴とする反射防止成形品。
  4. 透明基材の一つの面が多層反射防止膜とこの多層反射防止膜上に形成される一層以上の機能性薄膜とから成る請求項3に記載の反射防止成形品。
  5. 機能性薄膜がアンチグレア機能を有している請求項4に記載の反射防止成形品。
  6. アンチグレア機能を有する機能性薄膜又はこのアンチグレア機能を有する機能性薄膜上に形成される機能性薄膜がハードコート機能を有している請求項4又は5に記載の反射防止成形品。
  7. アンチグレア機能を有する機能性薄膜又はこのアンチグレア機能を有する機能性薄膜上に形成される機能性薄膜が防汚機能を有している請求項4又は5に記載の反射防止成形品。
  8. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体を製造するに際して、表面上に複数の極微細凸部を具備した微細凸部を形成するための微細凹部を複数の微細凸部の配置パターンに合わせて複数形成してなる成形型を製作し、この成形型を加熱した基部としての樹脂に押し当てて、複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を基部上に転写することを特徴とする反射防止構造体の製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体を製造するに際して、表面上に複数の極微細凸部を具備した微細凸部を形成するための微細凹部を複数の微細凸部の配置パターンに合わせて複数形成してなる成形型を製作し、活性エネルギ線で重合して硬化する基部としての樹脂を成形型の微細凹部に充填して固めることで、複数の極微細凸部を具備した複数の微細凸部を基部上に転写することを特徴とする反射防止構造体の製造方法。
  10. 表示部を有する表示装置であって、表示部を請求項1又は2に記載の反射防止構造体で覆ってあることを特徴とする表示装置。
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