JPWO2009090755A1 - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

インバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調を用いてインバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置において、安定的なキャリア周波数の変更を可能とし、電流制御応答性とインバータ損失抑制との更なる両立を図ること。電流指令2および電流指令変化率11bに応じてインバータ8のパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部11が設けられる。キャリア周波数設定部11は、縦軸に表される電流指令と横軸に表される電流指令変化率とに応ずるキャリア周波数の情報をマッピングしたキャリア周波数マップ(A)を有し、入力された電流指令2および当該入力された電流指令変化率11bに対応するキャリア周波数マップ(A)上のキャリア周波数の情報をスイッチングパターン演算部6に出力する。

Description

本発明は、複数の半導体スイッチング素子で構成されたインバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調(以下「PWM」と記述)を用いて当該インバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置に関するものである。
電力変換器において、インバータを構成する半導体スイッチ素子をPWM制御するためのスイッチングパターンを計算する代表的な手法の一つとして、キャリア比較法がある。このキャリア比較法では、インバータへの電圧指令と、キャリア波との大小が比較され、スイッチング制御のためのオン・オフのパターンが決定される。なお、キャリア波としては、三角波が用いられることが多い。
キャリア比較法を用いた電力変換器において、キャリア波の周波数(以下「キャリア周波数」と記述)は、電力変換器の特性を左右する重要なパラメータである。例えば、キャリア周波数を高く設定した場合には、インバータ出力電圧の精度・応答特性が向上し、負荷から発生する電磁騒音が減少するといった効果がある。その一方で、キャリア周波数を高く設定すると、半導体スイッチ素子のスイッチング損失が増加し、電磁ノイズが増加するといった問題も生起する。このため、インバータに接続される負荷の種類や、運転条件に合わせて適切なキャリア周波数を設定する必要がある。
インバータに接続される負荷の電流制御を行う場合、キャリア周波数を上げ出力電圧の更新周期を早めることで高い電流制御応答が達成される。一方、高キャリア周波数のまま電流制御を継続すると、インバータのスイッチング損失が増加する。すなわち電流制御の高応答化とインバータの損失抑制はトレードオフの関係にあり、どちらかを優先してキャリア周波数を決定する必要がある。
このような問題に対する技術として、例えば下記特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1では、電流指令と検出電流との偏差(制御偏差)に応じてキャリア周波数を変更する技術が開示されている。具体的には、制御偏差が大きな場合には、キャリア周波数を上げて応答特性を向上させる制御が行われる。逆に、制御偏差が小さい、あるいはゼロの場合には、制御が良好に行われているという考え方に基づき、キャリア周波数を下げる制御が行われる。すなわち、制御応答が必要な場合にのみキャリア周波数を上げるという技術思想を有している。なお、この特許文献1では、さらに検出電流の変化率および電流指令の変化率を元に電流偏差の変化率に応じてキャリア周波数を変更する技術も開示されているが、目的とするところは同じである。
特開2001−37248号公報
上述のように、上記特許文献1に示される技術(以下「従来技術」という)では、インバータの損失抑制と電流制御応答との両立が可能となる。しかしながら、この従来技術には、つぎに述べる課題が存在していた。
第1に、従来技術では、電流制御応答とインバータスイッチング損失との両立が十分達成されないという課題があった。この課題は、つぎのように説明することができる。インバータスイッチング損失は、電流に応じて値が変化するので、電流の絶対値が小さければ損失も小さくなり、キャリア周波数を上げ電流制御応答を向上させることが可能となる。しかしながら、従来技術の手法では、電流の制御偏差に応じてキャリア周波数を変更した場合には電流の大きさの情報が存在しなくなるため、この特徴を効果的に活用することができない。なお、従来技術では、キャリア周波数を変更する際に、電流指令やその変化率、検出電流やその変化率といった信号を参照するようにしているが、各々の信号を独立に参照してキャリア周波数を求め、それらを加算して実際に使用するキャリア周波数を決定するので、電力変換器の運転状況が十分に考慮されているとは言えない。
第2に、従来技術では、検出電流やその変化率を参照するため、検出電流をサンプリングするタイミングがキャリア波(三角波)の頂点と同期しない電流制御系では、電流リプルやノイズの影響を受け、安定したキャリア周波数が設定できないという課題があった。この結果、目的の性能が達成されないばかりか、キャリア周波数の設定そのものが変動し、最悪の場合には、電流制御系が不安定化するという問題点を内在していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キャリア周波数の変更を安定的に行うことができ、電流制御応答性とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができる電力変換器の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電力変換器の制御装置は、複数の半導体スイッチング素子で構成されたインバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調を用いて前記インバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置において、電流指令を発生する電流指令発生部と、前記電流指令に基づいて前記インバータに接続される負荷に所望の電流を流すための電圧指令を生成する電流制御器と、前記電流指令および前記電流指令の変化率に応じて前記インバータのパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部と、前記電圧指令および前記キャリア周波数指令に基づいて前記パルス幅変調を行いスイッチングパターン指令を演算するスイッチングパターン演算部と、を備え、前記キャリア周波数設定部は、直交軸の一方に表される前記電流指令と直交軸の他方に表される前記電流指令の変化率とに応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第1の二次元マップを有し、入力された電流指令および当該入力された電流指令の変化率に対応する前記第1の二次元マップ上のキャリア周波数の情報を前記スイッチングパターン演算部に出力することを特徴とする。
本発明にかかる電力変換器の制御装置によれば、インバータのパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部には、直交軸の一方に表される電流指令と直交軸の他方に表される電流指令の変化率とに応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第1の二次元マップが設けられ、キャリア周波数設定部は、入力された電流指令および当該入力された電流指令の変化率に対応する第1の二次元マップ上のキャリア周波数の情報をスイッチングパターン演算部に出力し、スイッチングパターン演算部は、電圧指令およびキャリア周波数設定部から出力されたキャリア周波数指令に基づいてパルス幅変調を行うためのスイッチングパターン指令を演算してインバータに出力するので、キャリア周波数の変更を安定的に行うことができ、電流制御応答性向上とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図2は、電流指令変化率演算部11aの一例およびその出力特性を示す図である。 図3は、電流指令変化率演算部11aの図2とは異なる一例およびその出力特性を示す図である。 図4は、キャリア周波数マップの持つ意味を電流指令変化率の軌跡との関係を用いて説明する図である。 図5は、キャリア周波数マップの図4とは異なる例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態3にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態4にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態5にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図10は、軌跡記録マップの一例を示す図である。 図11は、軌跡記録マップを調整することで生成されたキャリア周波数マップの一例を示す図である。 図12は、電流指令および電流指令変化率を用いた軌跡記録マップの動作説明図である。
符号の説明
1 電流指令発生部
2 電流指令
3 検出電流信号
4 電流制御部
5 電圧指令
6 スイッチングパターン演算部
7 スイッチングパターン指令
8 電力変換器(インバータ)
9 電流検出器
10 負荷
11 キャリア周波数設定部
11a 電流指令変化率演算部
11b 電流指令変化率
11c キャリア周波数マップ(A)
11d キャリア周波数マップ(B)
11e キャリア周波数更新信号
11f キャリア周波数マップ(C)
11g 電流制御応答指令補正信号設定部
11h 電流制御応答指令補正信号
11i キャリア周波数マップ(D)
11j 軌跡記録マップ
11k 軌跡情報解析部
12 キャリア周波数指令
13 座標変換部(回転座標から静止座標への変換)
14 電圧指令(交流)
15 座標変換部(静止座標から回転座標への変換)
16 検出電流信号(座標変換後)
17 位相・周波数発生部
18 位相信号
19 周波数信号
20 電流制御応答設定部
21 電流制御応答指令
22 電流制御応答指令(補正後)
112 変化率演算フィルタ
113 絶対値演算部
115 ローパスフィルタ(LPF)
以下に添付図面参照して、本発明にかかる電力変換器の制御装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
(制御装置の構成)
まず、実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成、すなわち電力変換器を制御するための実施の形態1にかかる制御装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。なお、同図では、説明のため、インバータならびに、インバータに接続される負荷および電流検出器を併記している。
図1において、本実施の形態にかかる制御装置は、電流指令発生部1、電流指令発生部1の出力信号を入力とする電流制御部4およびキャリア周波数設定部11、ならびに電流制御部4の出力信号およびキャリア周波数設定部11の出力信号を入力とするスイッチングパターン演算部6を備えて構成される。また、キャリア周波数設定部11は、電流指令発生部1の出力信号を入力とする電流指令変化率演算部11a、ならびに電流指令発生部1の出力信号および電流指令変化率演算部11aの出力信号を各入力とするキャリア周波数マップ11cを備えて構成される。なお、インバータ8には、スイッチングパターン演算部6の出力信号が入力される。また、インバータ8と、このインバータ8によって駆動される負荷10との間には電流検出器9が設けられており、電流検出器9によって検出された信号は、電流制御部4にフィードバックされるよう構成されている。
(制御装置の動作)
つぎに、実施の形態1にかかる制御装置の動作について、図1の図面を参照して説明する。電流指令発生部1による電流指令2は、電流制御部4に入力される。また、電流制御部4には、検出電流信号3も入力され、電流制御部4は、所望の電流を負荷10に流すための電圧指令5を生成してスイッチングパターン演算部6に出力する。スイッチングパターン演算部6は、入力された電圧指令5からパルス幅変調(PWM)を行いスイッチングパターン指令7を生成してインバータ8に出力する。なお、本項で説明するスイッチングパターン指令7は、電圧指令とキャリア波との大小比較によってパターン生成を行う非同期PWM方式を用いるものとする。インバータ8は、複数の半導体スイッチング素子で構成され、スイッチングパターン指令7に従って動作し、所望の電流を負荷10に供給する。電流検出器9は、インバータ8から負荷10に供給される電流を検出するとともに、検出した電流を電流制御部4にフィードバックする。キャリア周波数設定部11は、電流指令2に基づき生成したキャリア周波数指令12をスイッチングパターン演算部6に出力する。
上記のように構成された制御系により、スイッチングパターン演算部6では、入力されたキャリア周波数指令12に従ったキャリア波でスイッチングパターン指令7が生成されることになる。また、このような制御系とすることで、電流指令情報に基づくキャリア周波数の変更が可能となる。さらに、この制御系では、キャリア周波数指令12の生成に検出電流信号3を用いていないので、電流制御動作がキャリア波に同期しない場合でも安定したキャリア周波数の変更が可能となる。なお、この制御系では、電流検出器9が検出した検出電流信号3を電流制御部4にフィードバックする構成について例示したが、例えば電流制御部4内にて負荷電流の推定が可能な場合には、検出電流信号3によるフィードバック情報は不要である。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、キャリア周波数設定部11の動作について図1〜図3の各図面を参照して説明する。なお、図2は、電流指令変化率演算部11aの一例および当該一例とする構成部の出力特性を示す図であり、図3は、電流指令変化率演算部11aの図2とは異なる一例および当該一例とする構成部の出力特性を示す図である。
上述のように、キャリア周波数設定部11は、電流指令変化率演算部11aと、キャリア周波数マップ11cとを備えて構成される。電流指令変化率演算部11aは、入力された電流指令2の変化率を演算してキャリア周波数マップ11cに出力する。キャリア周波数マップ11cは、入力された電流指令2および当該電流指令2の変化率に基づいて、キャリア周波数指令12を生成して出力する。なお、キャリア周波数マップ11cには、直交軸の一方(図1の例では縦軸)に表される電流指令と、直交軸の他方(図1の例では横軸)に表される電流指令変化率と、に応ずるキャリア周波数情報をマッピングした二次元マップであるキャリア周波数マップ(A)(第1の二次元マップ)が保持されている。なお、これ以後の説明において、キャリア周波数マップ11cに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(A)として記述する。
なお、電流指令変化率演算部11aによる電流指令変化率の演算は、微分動作となるので、ときには、過大な信号が発生する虞がある。そこで、本制御装置を電力変換器に実装する上で、過大な信号の発生が望ましくない場合は、特定の周波数以上ではゲインがカットされるようなフィルタを用いることが好ましい。この好ましいフィルタの例として、例えば下記(1−1)式のような伝達関数を有するフィルタを用いることができる。
G(s)=s/(1+T・s)…(1−1)
なお、上式における「T」は帯域を決定するパラメータであり、「s」はラプラス変数である。
このとき、電流指令変化率演算部11aは、図2(a)に示されるような変化率演算フィルタ112を有する構成となり、この電流指令変化率演算部11aによって得られる電流指令変化率の波形は、例えば図2(b)に示されるような波形となる。
また、電流指令変化率演算部11aは、図3(a)に示されるように、変化率演算フィルタ112に加え、絶対値演算部113およびローパスフィルタ(以下「LPF」と表記)114を備えるように構成してもよい。電流指令変化率演算部11aにおいて、変化率演算フィルタ112で電流指令変化率を求めた後、絶対値演算部113で電流指令変化率の絶対値を演算し、さらにLPF114でローパスフィルタ処理を実行する。この電流指令変化率演算部11aによれば、例えば図3(b)に示すような振動気味の電流指令が入力された場合であっても、安定した電流指令変化率の算出が可能となる。
(キャリア周波数マップ)
つぎにキャリア周波数マップについて図4および図5を用いて説明する。ここで、図4は、キャリア周波数マップの持つ意味を電流指令変化率の軌跡との関係を用いて説明する図であり、図5は、キャリア周波数マップの図4とは異なる例を示す図である。
上述のように、キャリア周波数マップ11cは、電流指令および電流指令の変化率に基づいて、キャリア周波数指令を出力する。この際、図4に示されるキャリア周波数マップ上のキャリア周波数がキャリア周波数指令として出力される。なお、図4の例では、電流指令および電流指令の変化率の値に応じて2種類のキャリア周波数fc1,fc2(fc1<fc2)を選択することができる。
ところで、電力変換器において、一般的な電流制御を行う場合、電流指令変化率が小さければ低電流制御応答でも問題ない。このため、キャリア周波数は、低く設定できる。一方、電流が小さければスイッチング損失も小さくなるので、キャリア周波数は高く設定できる。この考え方に基づいたキャリア周波数マップを設定したものが、例えば図4である。例えば、図2(b)のような電流指令の場合、図4に併記した軌跡を辿ることとなる。図4に示すキャリア周波数マップによれば、電流指令変化率が大きい場合に高いキャリア周波数fc2を設定できる。一方、電流指令が大きい領域では、低いキャリア周波数fc1を設定できるので、高電流制御応答とインバータ損失抑制とが実現できる。なお、図4では、選択可能なキャリア周波数を2種類としたが、選択可能なキャリア周波数をより増やしてもよい。
また、例えば図5では、電流制御応答指令が大きい領域において、さらに高いキャリア周波数(fc2<fc3)の割り当てを可能としている。図5のキャリア周波数マップによれば、3種類のキャリア周波数(fc1<fc2<fc3)の中から所望の一つを選択することができる。
また、図4および図5の例では、キャリア周波数を段階的に変更するキャリア周波数マップを示したが、キャリア周波数の切り替えが連続的になるように制御してもよい。この制御により、キャリア周波数の変更に伴う電流の乱れやインバータ動作音の変化を軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流指令情報に応じたキャリア周波数の設定が可能となる。この制御により、インバータスイッチング損失の削減および高電流制御応答性向上の両立を実現することができる。また、電流指令情報を用いるとともに、電流指令と電流指令の変化率とを関係づけたキャリア周波数マップを用いた制御を行っているので、検出電流のサンプリングがキャリア波に同期しない場合でも安定したキャリア周波数の変更が可能となる。
なお、この実施の形態では、スイッチングパターン指令7を非同期PWM方式に適用するとして説明してきたが、電圧指令5に同期したスイッチングパターン演算を行う同期PWM方式にも適用することができる。例えばキャリア周波数の代わりに電圧指令5の一周期におけるパルス数を設定することで、同期PWM方式に適用することができ、適切なスイッチング設定の実施が可能となる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。特に、本実施の形態では、本実施の形態の効果をよりよく説明するため、負荷10は、例えば交流モータなどの交流負荷を想定する。また、負荷10を交流負荷としているため、本実施の形態では、図1に示す実施の形態1の構成において、さらに座標変換部13,15を設けるようにしている。その他、位相・周波数発生部17を設けている点、およびキャリア周波数設定部11にキャリア周波数マップ11dを設けている点についても実施の形態1との相違点である。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
検出電流信号3は、座標変換部15によって2軸直交回転座標上の検出電流信号16に変換されて電流制御に使用される。電圧指令5も同様に座標変換部13によって交流の電圧指令14に変換されてスイッチングパターン演算に用いられる。位相・周波数発生部17は、位相信号18および周波数信号19を出力する。位相信号18は、座標変換に用いられる。周波数信号19は、位相信号18を微分した信号に相当する。以後、説明の便宜上、位相・周波数発生部17が出力する周波数信号19の周波数を基本周波数とする。すなわち、インバータ8が供給する電力の周波数は、この基本周波数となる。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、実施の形態2にかかるキャリア周波数設定部11の動作について図6を参照して説明する。実施の形態2にかかる制御装置では、図1に示す実施の形態1とは異なり、キャリア周波数設定部11に周波数信号19が入力される構成となっている。一般的に、交流負荷に電力を供給する場合、キャリア周波数は基本周波数より十分高く設定する必要があることが知られている。もし、十分なキャリア周波数が得られない場合、電流制御系が不安定化したり、交流負荷に余分な高周波電流が流れ交流負荷の損失やインバータの損失が増加したりするといった問題が発生する。このため、キャリア周波数を設定する際に、基本周波数の情報を反映させることが好ましい構成となる。
図6では、その一例としてキャリア周波数が3種類選択できる場合のキャリア周波数設定部11の構成を示している。上述のように、電流指令変化率演算部11aおよび、キャリア周波数マップ(A)を有するキャリア周波数マップ11cは、実施の形態1において説明したものと同一または同等である。また、本実施の形態2においては、キャリア周波数マップ11dが新たに追加されている。なお、以後の説明において、キャリア周波数マップ11dに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(B)として記述する。
キャリア周波数マップ11dは、周波数信号19を入力とし、キャリア周波数更新信号11eを出力する動作部であり、キャリア周波数マップ11dには、一次元のマップ(第1の一次元マップ)であり、fc1〜fc3の設定情報が記載されたキャリア周波数マップ(B)が保持されている。キャリア周波数更新信号11eは、キャリア周波数マップ11c(キャリア周波数マップ(A))におけるキャリア周波数選択肢fc1,fc2,fc3(fc1<fc2<fc3)の値である。すなわち、電流指令2および電流指令変化率11bに基づきキャリア周波数マップ(A)上の3種類のキャリア周波数の中から一つのキャリア周波数が選択されるが、その値は、キャリア周波数マップ(B)によって決定される。
上記のように構成された制御系により、基本周波数を反映させたキャリア周波数の設定が可能となる。また、このような制御系とすることで、基本周波数に応じた電流制御系の安定性を確保することができ、インバータ8の損失や負荷10の損失またはその合計が最小化するようなキャリア周波数の設定が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流指令情報および基本周波数に応じたキャリア周波数の設定が可能となる。この制御により、交流モータのような交流負荷に電力を供給する場合に、インバータスイッチング損失の削減および高電流制御応答性向上の両立はもとより、電流制御の安定性をも確保することが可能となる。
なお、この実施の形態では、キャリア周波数マップ11dから出力されるキャリア周波数更新信号11eが、キャリア周波数マップ(A)におけるキャリア周波数選択肢fc1,fc2,fc3の値として説明したが、必ずしも選択肢の値である必要はなく、キャリア周波数更新信号11eとして示される値に基づき、その値に最も近いものをキャリア周波数マップ11c側で選択するような制御系であってもよいことは無論である。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。本実施の形態は、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、キャリア周波数を低減することでインバータのスイッチング損失を削減する実施の形態を示すものである。
本実施の形態では、図1に示す実施の形態1の構成に加えて、さらに電流制御応答設定部20を設けるとともに、キャリア周波数設定部11内にキャリア周波数マップ11fおよび電流制御応答指令補正信号設定部11gを設けるようにしている。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
電流制御応答設定部20は、制御装置全体の動作状況等に応じた適切な電流制御応答指令21を設定して出力する。この電流制御応答指令21は、キャリア周波数設定部11に入力され、キャリア周波数の設定に用いられる。また、電流制御応答指令21は、電流制御部4を制御するための電流制御応答指令としても用いられる。ただし、電流制御応答指令21そのものが電流制御部4に入力されるのではなく、キャリア周波数指令12に応じて補正された補正後の電流制御応答指令22が電流制御部4に入力される構成となっている。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、実施の形態3にかかるキャリア周波数設定部11の動作について、図7を参照して説明する。図7において、キャリア周波数マップ11fは、一次元のマップ(第2の一次元のマップ)であり、例えばfc1,fc2(fc1<fc2)の2種類のキャリア周波数が記載されたキャリア周波数マップ(C)を保持している。なお、キャリア周波数マップ(A)およびキャリア周波数マップ(B)のときと同様に、キャリア周波数マップ11fに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(C)として記述する。
ここで、キャリア周波数fc2を元々の電流制御応答指令21を満足するキャリア周波数に設定すれば、電流指令変化率が高い場合に所定の電流制御応答特性が得られる。一方、電流指令変化率が低い場合には、所定の電流制御応答特性が要求されていない状況と判断することができる。このとき、低いキャリア周波数fc1を使用することで、インバータ8のスイッチング損失を削減することができる。ただし、低いキャリア周波数fc1を選択するときに過剰な電流制御応答指令とならないよう、留意する必要がある。そこで、この実施の形態では、キャリア周波数マップ11cの出力であるキャリア周波数指令12に応じて電流制御応答指令補正信号11hを出力する電流制御応答指令補正信号設定部11gを用いるとともに、元々の電流制御応答指令21から電流制御応答指令補正信号11hの減算を行って電流制御部4に出力するようにして、低いキャリア周波数fc1が選択されたときに、過剰な電流制御応答指令とならないようにしている。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、キャリア周波数を低減することで、インバータのスイッチング損失の削減が可能となる。例えば負荷10が、位置や速度の制御を要求されるアクチュエータやモータである場合、電流指令発生部1には位置制御系や速度制御系が含まれる。この場合、下位ループとなる電流制御系の応答特性が所定値を維持できるものであれば、上位ループである位置制御系および速度制御系の設計が容易になる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。図6に示す実施の形態2では、電流指令情報を基本として、基本周波数情報を用いてキャリア周波数を設定する手法について説明した。また、図7に示す実施の形態3では、電流指令情報を基本として、電流制御応答指令情報を併せて用いてキャリア周波数を設定する手法について説明した。これらの基本周波数情報および電流制御応答指令情報は、無論併用して用いることも可能である。そこで、本実施の形態では、電流指令情報を基本として、基本周波数情報および電流制御応答指令情報をさらに用いる制御系を構成している。なお、図8では、3種類のキャリア周波数fc1,fc2,fc3(fc1<fc2<fc3)が選択できる制御系を一例として構成しており、図6および図7に示す構成と同一または同等である構成部には同一の符号を付して示している。
図8において、キャリア周波数設定部11には、3つのキャリア周波数マップD(fc1設定用、fc2設定用、fc3設定用)が設けられている。キャリア周波数マップ11iは、直交軸の一方(図8の例では縦軸)に基本周波数として表される周波数信号19と、直交軸の他方(図8の例では横軸)に表される電流制御応答指令22と、に応ずるキャリア周波数情報をマッピングした二次元マップ(第2の二次元マップ)である。キャリア周波数マップ11iでは、周波数信号19および電流制御応答指令21を入力とし、キャリア周波数マップDが参照され、キャリア周波数マップ11c(すなわち、キャリア周波数マップ(A))のfc1〜fc3に割り当てるキャリア周波数値が決定される。なお、その他の各ブロックの動作は、実施の形態2,3で説明した動作と同一または同等であり、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、電流制御系の安定性を確保し、さらにキャリア周波数の低減を適切に行うことが可能となる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。図1に示す実施の形態1では、キャリア周波数設定部11のキャリア周波数マップ11cに、予めキャリア周波数マップ(A)を設定する必要がある。実施の形態5では、このキャリア周波数マップ(A)を自動的に設定・調整する手法について説明する。図9に示すキャリア周波数設定部11では、図1に示す実施の形態1の構成に加えて、さらに軌跡記録マップ11jおよび軌跡情報解析部11kを設けるようにしている。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
つぎに、軌跡記録マップ11jおよび軌跡情報解析部11kの動作について、図9〜図12の図面を参照して詳細に説明する。なお、図10は、軌跡記録マップの一例を示す図であり、図11は、軌跡記録マップを調整することで生成されたキャリア周波数マップの一例を示す図である。また、図12は、電流指令および電流指令変化率を用いた軌跡記録マップの動作説明図である。
軌跡記録マップ11jは、直交軸の一方(図10の例では縦軸)に表される電流指令と、直交軸の他方(図10の例では横軸)に表される電流指令変化率と、の関係を表す軌跡の推移および当該軌跡の所定の領域における通過回数(滞留時間と同義)を記録(マッピング)した二次元マップである。なお、ここでいう所定の領域とは、図10の破線部で囲まれるような、直交軸の一方側における所定幅と他方側における所定幅とによって決定される区域である。
ここで、軌跡記録マップ11jに入力される電流指令および電流指令変化率が、例えば図12に示すような波形であったとすると、軌跡記録マップにおける軌跡の推移は、図10(a)に示すものとなる。軌跡記録マップ11jは、電流制御開始後、所定の期間Δt毎に軌跡記録マップ上の領域(破線部で囲まれる領域)を通過した回数(滞留時間に相当)を区間ごとにカウントする。なお、このとき生成された軌跡記録マップは、図10(b)に示すものとなる。
図10(b)に示す例では、電流指令および電流指令変化率が共に小さい領域R1の通過回数は3であり、電流指令が小さく電流指令変化率が大きい領域R2の通過回数は2であり、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域R4の通過回数は11である。なお、このカウント値は、それぞれ図12に示す各領域に対応する箇所(丸印)をカウントすることで得られる。ここで、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域における通過回数が多ければ、その領域はキャリア周波数調整に適した領域となる。例えば、図10(b)に示す領域R4は、キャリア周波数調整に適した領域である。
軌跡情報解析部11kは、軌跡記録マップ11jから前述のカウント値を抽出し、当該カウント値に応じてキャリア周波数マップ11cに設けられたキャリア周波数マップ(A)のキャリア周波数情報を変更する。
図11(a)は、調整前(変更前)のキャリア周波数マップ(A)であり、全ての領域において、ある決められたキャリア周波数(同図の例では、5[kHz])に設定されている。一方、調整後のキャリア周波数マップ(A)では、キャリア周波数変更に適した領域(同図の太線部で示される領域)では、調整前のキャリア周波数よりも小さい所定のキャリア周波数(同図の例では、4[kHz])に変更されている。なお、キャリア周波数の設定に関してであるが、一旦設定したキャリア周波数をΔtより長い所定の期間で一度リセットし、カウント値を再度計算するようにしてキャリア周波数の再設定を行ってもよい。こうすることで、負荷の運転状況に柔軟に対応させた適切なキャリア周波数の設定が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、実際の運転を反映させたキャリア周波数マップを設定することができ、また、一旦設定したキャリア周波数マップを自動的に調整することができるので、キャリア周波数マップの設定および調整に要する労力の軽減が可能となる。例えば、電流制御を行う際に、電流指令および電流指令変化率の軌跡を記録するとともに、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域の中で長時間に渡って滞留する領域を抽出して、キャリア周波数を下げる調整を自動的に行うことができる。
なお、本実施の形態では、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域において、キャリア周波数を下げる調整手法について示したが、この調整手法に限定されるものではない。これとは逆に、電流制御応答が必要な領域に対して、キャリア周波数を上げる調整を行ってもよい。
また、本実施の形態では、キャリア周波数マップ(A)を自動調整するための構成を実施の形態1のキャリア周波数設定部に適用する実施の形態について示したが、本構成を実施の形態2〜4に示すキャリア周波数設定部に適用してもよいことは無論である。
以上のように、本発明にかかる電力変換器の制御装置は、安定的なキャリア周波数の変更を可能とし、電流制御応答性とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができる発明として有用である。
本発明は、複数の半導体スイッチング素子で構成されたインバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調(以下「PWM」と記述)を用いて当該インバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置に関するものである。
電力変換器において、インバータを構成する半導体スイッチ素子をPWM制御するためのスイッチングパターンを計算する代表的な手法の一つとして、キャリア比較法がある。このキャリア比較法では、インバータへの電圧指令と、キャリア波との大小が比較され、スイッチング制御のためのオン・オフのパターンが決定される。なお、キャリア波としては、三角波が用いられることが多い。
キャリア比較法を用いた電力変換器において、キャリア波の周波数(以下「キャリア周波数」と記述)は、電力変換器の特性を左右する重要なパラメータである。例えば、キャリア周波数を高く設定した場合には、インバータ出力電圧の精度・応答特性が向上し、負荷から発生する電磁騒音が減少するといった効果がある。その一方で、キャリア周波数を高く設定すると、半導体スイッチ素子のスイッチング損失が増加し、電磁ノイズが増加するといった問題も生起する。このため、インバータに接続される負荷の種類や、運転条件に合わせて適切なキャリア周波数を設定する必要がある。
インバータに接続される負荷の電流制御を行う場合、キャリア周波数を上げ出力電圧の更新周期を早めることで高い電流制御応答が達成される。一方、高キャリア周波数のまま電流制御を継続すると、インバータのスイッチング損失が増加する。すなわち電流制御の高応答化とインバータの損失抑制はトレードオフの関係にあり、どちらかを優先してキャリア周波数を決定する必要がある。
このような問題に対する技術として、例えば下記特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1では、電流指令と検出電流との偏差(制御偏差)に応じてキャリア周波数を変更する技術が開示されている。具体的には、制御偏差が大きな場合には、キャリア周波数を上げて応答特性を向上させる制御が行われる。逆に、制御偏差が小さい、あるいはゼロの場合には、制御が良好に行われているという考え方に基づき、キャリア周波数を下げる制御が行われる。すなわち、制御応答が必要な場合にのみキャリア周波数を上げるという技術思想を有している。なお、この特許文献1では、さらに検出電流の変化率および電流指令の変化率を元に電流偏差の変化率に応じてキャリア周波数を変更する技術も開示されているが、目的とするところは同じである。
特開2001−37248号公報
上述のように、上記特許文献1に示される技術(以下「従来技術」という)では、インバータの損失抑制と電流制御応答との両立が可能となる。しかしながら、この従来技術には、つぎに述べる課題が存在していた。
第1に、従来技術では、電流制御応答とインバータスイッチング損失との両立が十分達成されないという課題があった。この課題は、つぎのように説明することができる。インバータスイッチング損失は、電流に応じて値が変化するので、電流の絶対値が小さければ損失も小さくなり、キャリア周波数を上げ電流制御応答を向上させることが可能となる。しかしながら、従来技術の手法では、電流の制御偏差に応じてキャリア周波数を変更した場合には電流の大きさの情報が存在しなくなるため、この特徴を効果的に活用することができない。なお、従来技術では、キャリア周波数を変更する際に、電流指令やその変化率、検出電流やその変化率といった信号を参照するようにしているが、各々の信号を独立に参照してキャリア周波数を求め、それらを加算して実際に使用するキャリア周波数を決定するので、電力変換器の運転状況が十分に考慮されているとは言えない。
第2に、従来技術では、検出電流やその変化率を参照するため、検出電流をサンプリングするタイミングがキャリア波(三角波)の頂点と同期しない電流制御系では、電流リプルやノイズの影響を受け、安定したキャリア周波数が設定できないという課題があった。この結果、目的の性能が達成されないばかりか、キャリア周波数の設定そのものが変動し、最悪の場合には、電流制御系が不安定化するという問題点を内在していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キャリア周波数の変更を安定的に行うことができ、電流制御応答性とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができる電力変換器の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電力変換器の制御装置は、複数の半導体スイッチング素子で構成されたインバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調を用いて前記インバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置において、電流指令を発生する電流指令発生部と、前記電流指令に基づいて前記インバータに接続される負荷に所望の電流を流すための電圧指令を生成する電流制御器と、前記電流指令および前記電流指令の変化率に応じて前記インバータのパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部と、前記電圧指令および前記キャリア周波数指令に基づいて前記パルス幅変調を行いスイッチングパターン指令を演算するスイッチングパターン演算部と、を備え、前記キャリア周波数設定部は、前記電流指令と前記電流指令の変化率とに応じたキャリア周波数を定義し、前記キャリア周波数の情報を前記スイッチングパターン演算部に出力することを特徴とする。
本発明にかかる電力変換器の制御装置によれば、インバータのパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部には、電流指令と、この電流指令の変化率とに応じたキャリア周波数が定義され、キャリア周波数設定部は、このキャリア周波数の情報をスイッチングパターン演算部に出力し、スイッチングパターン演算部は、電圧指令およびキャリア周波数設定部から出力されたキャリア周波数指令に基づいてパルス幅変調を行うためのスイッチングパターン指令を演算してインバータに出力するので、キャリア周波数の変更を安定的に行うことができ、電流制御応答性向上とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面参照して、本発明にかかる電力変換器の制御装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
(制御装置の構成)
まず、実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成、すなわち電力変換器を制御するための実施の形態1にかかる制御装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。なお、同図では、説明のため、インバータならびに、インバータに接続される負荷および電流検出器を併記している。
図1において、本実施の形態にかかる制御装置は、電流指令発生部1、電流指令発生部1の出力信号を入力とする電流制御部4およびキャリア周波数設定部11、ならびに電流制御部4の出力信号およびキャリア周波数設定部11の出力信号を入力とするスイッチングパターン演算部6を備えて構成される。また、キャリア周波数設定部11は、電流指令発生部1の出力信号を入力とする電流指令変化率演算部11a、ならびに電流指令発生部1の出力信号および電流指令変化率演算部11aの出力信号を各入力とするキャリア周波数マップ11cを備えて構成される。なお、インバータ8には、スイッチングパターン演算部6の出力信号が入力される。また、インバータ8と、このインバータ8によって駆動される負荷10との間には電流検出器9が設けられており、電流検出器9によって検出された信号は、電流制御部4にフィードバックされるよう構成されている。
(制御装置の動作)
つぎに、実施の形態1にかかる制御装置の動作について、図1の図面を参照して説明する。電流指令発生部1による電流指令2は、電流制御部4に入力される。また、電流制御部4には、検出電流信号3も入力され、電流制御部4は、所望の電流を負荷10に流すための電圧指令5を生成してスイッチングパターン演算部6に出力する。スイッチングパターン演算部6は、入力された電圧指令5からパルス幅変調(PWM)を行いスイッチングパターン指令7を生成してインバータ8に出力する。なお、本項で説明するスイッチングパターン指令7は、電圧指令とキャリア波との大小比較によってパターン生成を行う非同期PWM方式を用いるものとする。インバータ8は、複数の半導体スイッチング素子で構成され、スイッチングパターン指令7に従って動作し、所望の電流を負荷10に供給する。電流検出器9は、インバータ8から負荷10に供給される電流を検出するとともに、検出した電流を電流制御部4にフィードバックする。キャリア周波数設定部11は、電流指令2に基づき生成したキャリア周波数指令12をスイッチングパターン演算部6に出力する。
上記のように構成された制御系により、スイッチングパターン演算部6では、入力されたキャリア周波数指令12に従ったキャリア波でスイッチングパターン指令7が生成されることになる。また、このような制御系とすることで、電流指令情報に基づくキャリア周波数の変更が可能となる。さらに、この制御系では、キャリア周波数指令12の生成に検出電流信号3を用いていないので、電流制御動作がキャリア波に同期しない場合でも安定したキャリア周波数の変更が可能となる。なお、この制御系では、電流検出器9が検出した検出電流信号3を電流制御部4にフィードバックする構成について例示したが、例えば電流制御部4内にて負荷電流の推定が可能な場合には、検出電流信号3によるフィードバック情報は不要である。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、キャリア周波数設定部11の動作について図1〜図3の各図面を参照して説明する。なお、図2は、電流指令変化率演算部11aの一例および当該一例とする構成部の出力特性を示す図であり、図3は、電流指令変化率演算部11aの図2とは異なる一例および当該一例とする構成部の出力特性を示す図である。
上述のように、キャリア周波数設定部11は、電流指令変化率演算部11aと、キャリア周波数マップ11cとを備えて構成される。電流指令変化率演算部11aは、入力された電流指令2の変化率を演算してキャリア周波数マップ11cに出力する。キャリア周波数マップ11cは、入力された電流指令2および当該電流指令2の変化率に基づいて、キャリア周波数指令12を生成して出力する。なお、キャリア周波数マップ11cには、直交軸の一方(図1の例では縦軸)に表される電流指令と、直交軸の他方(図1の例では横軸)に表される電流指令変化率と、に応ずるキャリア周波数情報をマッピングした二次元マップであるキャリア周波数マップ(A)(第1の二次元マップ)が保持されている。なお、これ以後の説明において、キャリア周波数マップ11cに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(A)として記述する。
なお、電流指令変化率演算部11aによる電流指令変化率の演算は、微分動作となるので、ときには、過大な信号が発生する虞がある。そこで、本制御装置を電力変換器に実装する上で、過大な信号の発生が望ましくない場合は、特定の周波数以上ではゲインがカットされるようなフィルタを用いることが好ましい。この好ましいフィルタの例として、例えば下記(1−1)式のような伝達関数を有するフィルタを用いることができる。
G(s)=s/(1+T・s)…(1−1)
なお、上式における「T」は帯域を決定するパラメータであり、「s」はラプラス変数である。
このとき、電流指令変化率演算部11aは、図2(a)に示されるような変化率演算フィルタ112を有する構成となり、この電流指令変化率演算部11aによって得られる電流指令変化率の波形は、例えば図2(b)に示されるような波形となる。
また、電流指令変化率演算部11aは、図3(a)に示されるように、変化率演算フィルタ112に加え、絶対値演算部113およびローパスフィルタ(以下「LPF」と表記)114を備えるように構成してもよい。電流指令変化率演算部11aにおいて、変化率演算フィルタ112で電流指令変化率を求めた後、絶対値演算部113で電流指令変化率の絶対値を演算し、さらにLPF114でローパスフィルタ処理を実行する。この電流指令変化率演算部11aによれば、例えば図3(b)に示すような振動気味の電流指令が入力された場合であっても、安定した電流指令変化率の算出が可能となる。
(キャリア周波数マップ)
つぎにキャリア周波数マップについて図4および図5を用いて説明する。ここで、図4は、キャリア周波数マップの持つ意味を電流指令変化率の軌跡との関係を用いて説明する図であり、図5は、キャリア周波数マップの図4とは異なる例を示す図である。
上述のように、キャリア周波数マップ11cは、電流指令および電流指令の変化率に基づいて、キャリア周波数指令を出力する。この際、図4に示されるキャリア周波数マップ上のキャリア周波数がキャリア周波数指令として出力される。なお、図4の例では、電流指令および電流指令の変化率の値に応じて2種類のキャリア周波数fc1,fc2(fc1<fc2)を選択することができる。
ところで、電力変換器において、一般的な電流制御を行う場合、電流指令変化率が小さければ低電流制御応答でも問題ない。このため、キャリア周波数は、低く設定できる。一方、電流が小さければスイッチング損失も小さくなるので、キャリア周波数は高く設定できる。この考え方に基づいたキャリア周波数マップを設定したものが、例えば図4である。例えば、図2(b)のような電流指令の場合、図4に併記した軌跡を辿ることとなる。図4に示すキャリア周波数マップによれば、電流指令変化率が大きい場合に高いキャリア周波数fc2を設定できる。一方、電流指令が大きい領域では、低いキャリア周波数fc1を設定できるので、高電流制御応答とインバータ損失抑制とが実現できる。なお、図4では、選択可能なキャリア周波数を2種類としたが、選択可能なキャリア周波数をより増やしてもよい。
また、例えば図5では、電流制御応答指令が大きい領域において、さらに高いキャリア周波数(fc2<fc3)の割り当てを可能としている。図5のキャリア周波数マップによれば、3種類のキャリア周波数(fc1<fc2<fc3)の中から所望の一つを選択することができる。
また、図4および図5の例では、キャリア周波数を段階的に変更するキャリア周波数マップを示したが、キャリア周波数の切り替えが連続的になるように制御してもよい。この制御により、キャリア周波数の変更に伴う電流の乱れやインバータ動作音の変化を軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流指令情報に応じたキャリア周波数の設定が可能となる。この制御により、インバータスイッチング損失の削減および高電流制御応答性向上の両立を実現することができる。また、電流指令情報を用いるとともに、電流指令と電流指令の変化率とを関係づけたキャリア周波数マップを用いた制御を行っているので、検出電流のサンプリングがキャリア波に同期しない場合でも安定したキャリア周波数の変更が可能となる。
なお、この実施の形態では、スイッチングパターン指令7を非同期PWM方式に適用するとして説明してきたが、電圧指令5に同期したスイッチングパターン演算を行う同期PWM方式にも適用することができる。例えばキャリア周波数の代わりに電圧指令5の一周期におけるパルス数を設定することで、同期PWM方式に適用することができ、適切なスイッチング設定の実施が可能となる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。特に、本実施の形態では、本実施の形態の効果をよりよく説明するため、負荷10は、例えば交流モータなどの交流負荷を想定する。また、負荷10を交流負荷としているため、本実施の形態では、図1に示す実施の形態1の構成において、さらに座標変換部13,15を設けるようにしている。その他、位相・周波数発生部17を設けている点、およびキャリア周波数設定部11にキャリア周波数マップ11dを設けている点についても実施の形態1との相違点である。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
検出電流信号3は、座標変換部15によって2軸直交回転座標上の検出電流信号16に変換されて電流制御に使用される。電圧指令5も同様に座標変換部13によって交流の電圧指令14に変換されてスイッチングパターン演算に用いられる。位相・周波数発生部17は、位相信号18および周波数信号19を出力する。位相信号18は、座標変換に用いられる。周波数信号19は、位相信号18を微分した信号に相当する。以後、説明の便宜上、位相・周波数発生部17が出力する周波数信号19の周波数を基本周波数とする。すなわち、インバータ8が供給する電力の周波数は、この基本周波数となる。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、実施の形態2にかかるキャリア周波数設定部11の動作について図6を参照して説明する。実施の形態2にかかる制御装置では、図1に示す実施の形態1とは異なり、キャリア周波数設定部11に周波数信号19が入力される構成となっている。一般的に、交流負荷に電力を供給する場合、キャリア周波数は基本周波数より十分高く設定する必要があることが知られている。もし、十分なキャリア周波数が得られない場合、電流制御系が不安定化したり、交流負荷に余分な高周波電流が流れ交流負荷の損失やインバータの損失が増加したりするといった問題が発生する。このため、キャリア周波数を設定する際に、基本周波数の情報を反映させることが好ましい構成となる。
図6では、その一例としてキャリア周波数が3種類選択できる場合のキャリア周波数設定部11の構成を示している。上述のように、電流指令変化率演算部11aおよび、キャリア周波数マップ(A)を有するキャリア周波数マップ11cは、実施の形態1において説明したものと同一または同等である。また、本実施の形態2においては、キャリア周波数マップ11dが新たに追加されている。なお、以後の説明において、キャリア周波数マップ11dに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(B)として記述する。
キャリア周波数マップ11dは、周波数信号19を入力とし、キャリア周波数更新信号11eを出力する動作部であり、キャリア周波数マップ11dには、一次元のマップ(第1の一次元マップ)であり、fc1〜fc3の設定情報が記載されたキャリア周波数マップ(B)が保持されている。キャリア周波数更新信号11eは、キャリア周波数マップ11c(キャリア周波数マップ(A))におけるキャリア周波数選択肢fc1,fc2,fc3(fc1<fc2<fc3)の値である。すなわち、電流指令2および電流指令変化率11bに基づきキャリア周波数マップ(A)上の3種類のキャリア周波数の中から一つのキャリア周波数が選択されるが、その値は、キャリア周波数マップ(B)によって決定される。
上記のように構成された制御系により、基本周波数を反映させたキャリア周波数の設定が可能となる。また、このような制御系とすることで、基本周波数に応じた電流制御系の安定性を確保することができ、インバータ8の損失や負荷10の損失またはその合計が最小化するようなキャリア周波数の設定が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流指令情報および基本周波数に応じたキャリア周波数の設定が可能となる。この制御により、交流モータのような交流負荷に電力を供給する場合に、インバータスイッチング損失の削減および高電流制御応答性向上の両立はもとより、電流制御の安定性をも確保することが可能となる。
なお、この実施の形態では、キャリア周波数マップ11dから出力されるキャリア周波数更新信号11eが、キャリア周波数マップ(A)におけるキャリア周波数選択肢fc1,fc2,fc3の値として説明したが、必ずしも選択肢の値である必要はなく、キャリア周波数更新信号11eとして示される値に基づき、その値に最も近いものをキャリア周波数マップ11c側で選択するような制御系であってもよいことは無論である。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。本実施の形態は、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、キャリア周波数を低減することでインバータのスイッチング損失を削減する実施の形態を示すものである。
本実施の形態では、図1に示す実施の形態1の構成に加えて、さらに電流制御応答設定部20を設けるとともに、キャリア周波数設定部11内にキャリア周波数マップ11fおよび電流制御応答指令補正信号設定部11gを設けるようにしている。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
電流制御応答設定部20は、制御装置全体の動作状況等に応じた適切な電流制御応答指令21を設定して出力する。この電流制御応答指令21は、キャリア周波数設定部11に入力され、キャリア周波数の設定に用いられる。また、電流制御応答指令21は、電流制御部4を制御するための電流制御応答指令としても用いられる。ただし、電流制御応答指令21そのものが電流制御部4に入力されるのではなく、キャリア周波数指令12に応じて補正された補正後の電流制御応答指令22が電流制御部4に入力される構成となっている。
(キャリア周波数設定部の動作)
つぎに、実施の形態3にかかるキャリア周波数設定部11の動作について、図7を参照して説明する。図7において、キャリア周波数マップ11fは、一次元のマップ(第2の一次元のマップ)であり、例えばfc1,fc2(fc1<fc2)の2種類のキャリア周波数が記載されたキャリア周波数マップ(C)を保持している。なお、キャリア周波数マップ(A)およびキャリア周波数マップ(B)のときと同様に、キャリア周波数マップ11fに保持されたキャリア周波数マップ自身に言及する場合には、キャリア周波数マップ(C)として記述する。
ここで、キャリア周波数fc2を元々の電流制御応答指令21を満足するキャリア周波数に設定すれば、電流指令変化率が高い場合に所定の電流制御応答特性が得られる。一方、電流指令変化率が低い場合には、所定の電流制御応答特性が要求されていない状況と判断することができる。このとき、低いキャリア周波数fc1を使用することで、インバータ8のスイッチング損失を削減することができる。ただし、低いキャリア周波数fc1を選択するときに過剰な電流制御応答指令とならないよう、留意する必要がある。そこで、この実施の形態では、キャリア周波数マップ11cの出力であるキャリア周波数指令12に応じて電流制御応答指令補正信号11hを出力する電流制御応答指令補正信号設定部11gを用いるとともに、元々の電流制御応答指令21から電流制御応答指令補正信号11hの減算を行って電流制御部4に出力するようにして、低いキャリア周波数fc1が選択されたときに、過剰な電流制御応答指令とならないようにしている。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、キャリア周波数を低減することで、インバータのスイッチング損失の削減が可能となる。例えば負荷10が、位置や速度の制御を要求されるアクチュエータやモータである場合、電流指令発生部1には位置制御系や速度制御系が含まれる。この場合、下位ループとなる電流制御系の応答特性が所定値を維持できるものであれば、上位ループである位置制御系および速度制御系の設計が容易になる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。図6に示す実施の形態2では、電流指令情報を基本として、基本周波数情報を用いてキャリア周波数を設定する手法について説明した。また、図7に示す実施の形態3では、電流指令情報を基本として、電流制御応答指令情報を併せて用いてキャリア周波数を設定する手法について説明した。これらの基本周波数情報および電流制御応答指令情報は、無論併用して用いることも可能である。そこで、本実施の形態では、電流指令情報を基本として、基本周波数情報および電流制御応答指令情報をさらに用いる制御系を構成している。なお、図8では、3種類のキャリア周波数fc1,fc2,fc3(fc1<fc2<fc3)が選択できる制御系を一例として構成しており、図6および図7に示す構成と同一または同等である構成部には同一の符号を付して示している。
図8において、キャリア周波数設定部11には、3つのキャリア周波数マップD(fc1設定用、fc2設定用、fc3設定用)が設けられている。キャリア周波数マップ11iは、直交軸の一方(図8の例では縦軸)に基本周波数として表される周波数信号19と、直交軸の他方(図8の例では横軸)に表される電流制御応答指令22と、に応ずるキャリア周波数情報をマッピングした二次元マップ(第2の二次元マップ)である。キャリア周波数マップ11iでは、周波数信号19および電流制御応答指令21を入力とし、キャリア周波数マップDが参照され、キャリア周波数マップ11c(すなわち、キャリア周波数マップ(A))のfc1〜fc3に割り当てるキャリア周波数値が決定される。なお、その他の各ブロックの動作は、実施の形態2,3で説明した動作と同一または同等であり、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、電流制御系の応答特性を所定値に保持しつつ、電流制御系の安定性を確保し、さらにキャリア周波数の低減を適切に行うことが可能となる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。図1に示す実施の形態1では、キャリア周波数設定部11のキャリア周波数マップ11cに、予めキャリア周波数マップ(A)を設定する必要がある。実施の形態5では、このキャリア周波数マップ(A)を自動的に設定・調整する手法について説明する。図9に示すキャリア周波数設定部11では、図1に示す実施の形態1の構成に加えて、さらに軌跡記録マップ11jおよび軌跡情報解析部11kを設けるようにしている。なお、その他の構成については、図1の構成と同一または同等であり、それらの構成部には同一の符号を付して示している。
つぎに、軌跡記録マップ11jおよび軌跡情報解析部11kの動作について、図9〜図12の図面を参照して詳細に説明する。なお、図10は、軌跡記録マップの一例を示す図であり、図11は、軌跡記録マップを調整することで生成されたキャリア周波数マップの一例を示す図である。また、図12は、電流指令および電流指令変化率を用いた軌跡記録マップの動作説明図である。
軌跡記録マップ11jは、直交軸の一方(図10の例では縦軸)に表される電流指令と、直交軸の他方(図10の例では横軸)に表される電流指令変化率と、の関係を表す軌跡の推移および当該軌跡の所定の領域における通過回数(滞留時間と同義)を記録(マッピング)した二次元マップである。なお、ここでいう所定の領域とは、図10の破線部で囲まれるような、直交軸の一方側における所定幅と他方側における所定幅とによって決定される区域である。
ここで、軌跡記録マップ11jに入力される電流指令および電流指令変化率が、例えば図12に示すような波形であったとすると、軌跡記録マップにおける軌跡の推移は、図10(a)に示すものとなる。軌跡記録マップ11jは、電流制御開始後、所定の期間Δt毎に軌跡記録マップ上の領域(破線部で囲まれる領域)を通過した回数(滞留時間に相当)を区間ごとにカウントする。なお、このとき生成された軌跡記録マップは、図10(b)に示すものとなる。
図10(b)に示す例では、電流指令および電流指令変化率が共に小さい領域R1の通過回数は3であり、電流指令が小さく電流指令変化率が大きい領域R2の通過回数は2であり、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域R4の通過回数は11である。なお、このカウント値は、それぞれ図12に示す各領域に対応する箇所(丸印)をカウントすることで得られる。ここで、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域における通過回数が多ければ、その領域はキャリア周波数調整に適した領域となる。例えば、図10(b)に示す領域R4は、キャリア周波数調整に適した領域である。
軌跡情報解析部11kは、軌跡記録マップ11jから前述のカウント値を抽出し、当該カウント値に応じてキャリア周波数マップ11cに設けられたキャリア周波数マップ(A)のキャリア周波数情報を変更する。
図11(a)は、調整前(変更前)のキャリア周波数マップ(A)であり、全ての領域において、ある決められたキャリア周波数(同図の例では、5[kHz])に設定されている。一方、調整後のキャリア周波数マップ(A)では、キャリア周波数変更に適した領域(同図の太線部で示される領域)では、調整前のキャリア周波数よりも小さい所定のキャリア周波数(同図の例では、4[kHz])に変更されている。なお、キャリア周波数の設定に関してであるが、一旦設定したキャリア周波数をΔtより長い所定の期間で一度リセットし、カウント値を再度計算するようにしてキャリア周波数の再設定を行ってもよい。こうすることで、負荷の運転状況に柔軟に対応させた適切なキャリア周波数の設定が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電力変換器の制御装置によれば、実際の運転を反映させたキャリア周波数マップを設定することができ、また、一旦設定したキャリア周波数マップを自動的に調整することができるので、キャリア周波数マップの設定および調整に要する労力の軽減が可能となる。例えば、電流制御を行う際に、電流指令および電流指令変化率の軌跡を記録するとともに、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域の中で長時間に渡って滞留する領域を抽出して、キャリア周波数を下げる調整を自動的に行うことができる。
なお、本実施の形態では、電流指令が大きく電流指令変化率が小さい領域において、キャリア周波数を下げる調整手法について示したが、この調整手法に限定されるものではない。これとは逆に、電流制御応答が必要な領域に対して、キャリア周波数を上げる調整を行ってもよい。
また、本実施の形態では、キャリア周波数マップ(A)を自動調整するための構成を実施の形態1のキャリア周波数設定部に適用する実施の形態について示したが、本構成を実施の形態2〜4に示すキャリア周波数設定部に適用してもよいことは無論である。
以上のように、本発明にかかる電力変換器の制御装置は、安定的なキャリア周波数の変更を可能とし、電流制御応答性とインバータ損失抑制との更なる両立を図ることができる発明として有用である。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図2は、電流指令変化率演算部の一例およびその出力特性を示す図である。 図3は、電流指令変化率演算部の図2とは異なる一例およびその出力特性を示す図である。 図4は、キャリア周波数マップの持つ意味を電流指令変化率の軌跡との関係を用いて説明する図である。 図5は、キャリア周波数マップの図4とは異なる例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態3にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態4にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態5にかかる電力変換器の制御装置の構成を示す図である。 図10は、軌跡記録マップの一例を示す図である。 図11は、軌跡記録マップを調整することで生成されたキャリア周波数マップの一例を示す図である。 図12は、電流指令および電流指令変化率を用いた軌跡記録マップの動作説明図である。
1 電流指令発生部
2 電流指令
3 検出電流信号
4 電流制御部
5 電圧指令
6 スイッチングパターン演算部
7 スイッチングパターン指令
8 電力変換器(インバータ)
9 電流検出器
10 負荷
11 キャリア周波数設定部
11a 電流指令変化率演算部
11b 電流指令変化率
11c キャリア周波数マップ(A)
11d キャリア周波数マップ(B)
11e キャリア周波数更新信号
11f キャリア周波数マップ(C)
11g 電流制御応答指令補正信号設定部
11h 電流制御応答指令補正信号
11i キャリア周波数マップ(D)
11j 軌跡記録マップ
11k 軌跡情報解析部
12 キャリア周波数指令
13 座標変換部(回転座標から静止座標への変換)
14 電圧指令(交流)
15 座標変換部(静止座標から回転座標への変換)
16 検出電流信号(座標変換後)
17 位相・周波数発生部
18 位相信号
19 周波数信号
20 電流制御応答設定部
21 電流制御応答指令
22 電流制御応答指令(補正後)
112 変化率演算フィルタ
113 絶対値演算部
115 ローパスフィルタ(LPF)

Claims (5)

  1. 複数の半導体スイッチング素子で構成されたインバータを具備する電力変換器に適用され、パルス幅変調を用いて前記インバータのスイッチング素子を制御する電力変換器の制御装置において、
    電流指令を発生する電流指令発生部と、
    前記電流指令に基づいて前記インバータに接続される負荷に所望の電流を流すための電圧指令を生成する電流制御器と、
    前記電流指令および前記電流指令の変化率に応じて前記インバータのパルス幅変調に用いるキャリア周波数指令を設定するキャリア周波数設定部と、
    前記電圧指令および前記キャリア周波数指令に基づいて前記パルス幅変調を行いスイッチングパターン指令を演算するスイッチングパターン演算部と、
    を備え、
    前記キャリア周波数設定部は、直交軸の一方に表される前記電流指令と直交軸の他方に表される前記電流指令の変化率とに応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第1の二次元マップを有し、入力された電流指令および当該入力された電流指令の変化率に対応する前記第1の二次元マップ上のキャリア周波数の情報を前記スイッチングパターン演算部に出力する
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載のキャリア周波数設定部は、前記インバータの出力電力の周波数に応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第1の一次元マップを有し、前期第1の一次元マップから出力されるキャリア周波数情報を用いて前記第1の二次元マップから出力されるキャリア周波数の値を調整することを特徴とする請求項1に記載の電力変換器の制御装置。
  3. 請求項1に記載のキャリア周波数設定部は、
    電流制御応答指令に応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第2の一次元マップと、
    前記第1の二次元マップから出力されるキャリア周波数指令に対応する電流制御応答指令補正信号に基づいて前記電流制御応答指令を補正するための電流制御応答指令補正信号を設定する電流制御応答指令補正信号設定部と、
    を有し、
    前記キャリア周波数設定部は、前記第2の一次元マップから出力されるキャリア周波数の情報を用いて前記第1の二次元マップから出力されるキャリア周波数の値を調整するとともに、前記電流制御応答指令補正信号を前記電流制御部に出力し、
    前記電流制御部は、前記電流制御応答指令補正信号を用いて補正された電流制御応答指令に従って電流制御動作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器の制御装置。
  4. 請求項1に記載のキャリア周波数設定部は、
    直交軸の一方に表される電流制御応答指令と直交軸の他方に表される前記インバータの出力電力の周波数とに応ずるキャリア周波数の情報をマッピングした第2の二次元マップと、
    前記第1の二次元マップから出力されるキャリア周波数指令に対応する電流制御応答指令補正信号に基づいて前記電流制御応答指令を補正するための電流制御応答指令補正信号を設定する電流制御応答指令補正信号設定部と、
    を有し、
    前記キャリア周波数設定部は、前記第2の二次元マップから出力されるキャリア周波数の情報を用いて前記第1の二次元マップから出力されるキャリア周波数の値を調整するとともに、前記電流制御応答指令補正信号を前記電流制御部に出力し、
    前記電流制御部は、前記電流制御応答指令補正信号を用いて補正された電流制御応答指令に従って電流制御動作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器の制御装置。
  5. 請求項1〜4に記載のキャリア周波数設定部は、
    直交軸の一方に表される前記電流指令と直交軸の他方に表される前記電流指令の変化率との関係を表す軌跡を記録し、かつ、直交軸の前記一方における所定幅と前記他方における所定幅とによって決定される各領域内を前記軌跡が通過した回数をカウントし、当該カウントされたカウント値を記録した軌跡記録マップと、
    前記軌跡記録マップから抽出されたカウント値に応じて前記第1の二次元マップにおけるキャリア周波数情報を変更する軌跡情報解析部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換器の制御装置。
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