JPWO2009066608A1 - ポリシロキサンおよびその製造方法ならびに硬化物の製造方法 - Google Patents

ポリシロキサンおよびその製造方法ならびに硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、低粘度の液状物質であることと、硬化作業性に優れ、得られる硬化物の耐熱性に優れることと、を満足するポリシロキサンおよびその製造方法、ならびに、このポリシロキサンを用いたポリシロキサン硬化物の製造方法を提供することである。本発明のポリシロキサンは、加水分解性基を3個有するケイ素化合物、加水分解性基を2個有するケイ素化合物、および、加水分解性基を1個有するケイ素化合物を、加水分解、重縮合反応させて得られ、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基およびアルコキシシリル基を有し、数平均分子量が500〜20000であることを特徴とする。

Description

本発明は、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基およびヒドロシリル基を有するポリシロキサンに関するものである。また、該ポリシロキサンの製造方法に関するものである。更に、該ポリシロキサンの硬化物の製造方法に関するものである。上記ポリシロキサンの硬化物は、耐熱材料として有用である。
ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基およびヒドロシリル基を有するポリシロキサンが知られている(特許文献1〜4参照)。従来のポリシロキサンは、例えば、25℃において30000mPa・s以下と低粘度であっても、得られる硬化物における5%重量減少温度が高々900℃程度であり、1000℃を超えることがなく、耐熱性が十分ではなかった。従って、低粘度の液状物質であること、および、得られる硬化物の耐熱性が高いことを両立するポリシロキサンは知られていない。
特開平06−128378号公報 特開平08−245792号公報 特開2001−288267号公報 国際公開パンフレットWO2005/010077号
本発明は、低粘度の液状物質であることと、硬化作業性に優れ、得られる硬化物の耐熱性に優れることと、を満足するポリシロキサンおよびその製造方法を提供することを目的とする。また、このポリシロキサンを用いたポリシロキサン硬化物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下に示される。
1.加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を、加水分解・重縮合反応させて得られたポリシロキサンであって、
上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、
上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種はヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有し、且つ、
上記ポリシロキサンは、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基およびアルコキシシリル基を有し、数平均分子量が500〜20000であることを特徴とするポリシロキサン。
2.下記一般式(1)で表される構成を含む上記1に記載のポリシロキサン。
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。但し、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
3.上記1に記載のポリシロキサンの製造方法であって、
加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を有機溶媒の存在下または非存在下に、加水分解・重縮合反応させる第1工程を含み、
上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、且つ、
上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種はヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有することを特徴とするポリシロキサンの製造方法。
4.ケイ素化合物(T)が有する加水分解性基はアルコキシ基であり、ケイ素化合物(D)が有する加水分解性基はアルコキシ基であり、ケイ素化合物(M)が有する加水分解性基はアルコキシ基またはシロキシ基である上記3に記載のポリシロキサンの製造方法。
5.上記第1工程の後に、沸点90℃以上の芳香族炭化水素からなる溶媒の存在下に水を留去させる第2工程を含む上記3又は4に記載のポリシロキサンの製造方法。
6.上記ポリシロキサンが、下記一般式(2)で表される構成を含む上記3乃至5のいずれかに記載のポリシロキサンの製造方法。
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。但し、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
7.上記1に記載されたポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を含むことを特徴とするポリシロキサン硬化物の製造方法。
8.上記1に記載されたポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において50℃以上150℃未満の温度で加熱する工程、および、150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を、順次、含むことを特徴とするポリシロキサン硬化物の製造方法。
本発明のポリシロキサンは、25℃において30000mPa・s以下と低粘度であり、無触媒で硬化させることができる。また、硬化物の5%重量減少温度が1000℃以上であり耐熱性に優れ、クラックのない良好な皮膜を与える。
本発明のポリシロキサンの製造方法によれば、上記優れた性質を有するポリシロキサンを効率よく製造することができる。
また、本発明のポリシロキサン硬化物の製造方法によれば、触媒を用いることなく、耐熱性に優れた硬化物を効率よく製造することができる。
本発明のポリシロキサンは、加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を加水分解・重縮合反応させて得られた、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基(Si−H結合を有する基)およびアルコキシシリル基を有し、数平均分子量が500〜20000の範囲にある化合物である。そして、本発明のポリシロキサンは、上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)に由来する、シルセスキオキサン単位(以下、「構造単位T」という。)、シリコーン単位(以下、「構造単位D」という。)および一官能性シロキサン単位(以下、「構造単位M」という。)を含む化合物である。
尚、上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)のうち、少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、且つ、これらの化合物のうち、少なくとも1種は、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する。この不飽和基は、通常、ケイ素原子に結合しており、二重結合または三重結合を有する、炭素数2〜10の有機基である。この不飽和基の具体例としては、ビニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、フェニルブチニル基等が挙げられる。上記不飽和基を有するケイ素化合物において、不飽和基の数は、1個のみであってよいし、2個以上であってもよい。2個以上の不飽和基を有する場合、これらの不飽和基は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。また、2個以上の不飽和基は、同一のケイ素原子に結合していてよいし、複数のケイ素原子に結合していてもよい。但し、同一のケイ素原子に不飽和基が結合しているケイ素化合物を用いて得られたポリシロキサンの硬化を行った場合、立体障害により未反応のビニル基が残存しやすく、耐熱性が不十分なものとなる場合がある。従って、上記不飽和基を有するケイ素化合物は、ケイ素原子1個に、上記不飽和基1個が結合している化合物であることが好ましい。
上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)における加水分解性基は、ケイ素原子に結合しており、加水分解反応によってシラノール基を生成することができる官能基または原子である。加水分解性基の例としては、アルコキシ基、シロキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。原料を入手しやすく、反応性が良好であるため、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シロキシ基および塩素原子は良好な加水分解性基であり、メトキシ基、エトキシ基およびシロキシ基は特に好ましい加水分解性基である。
但し、上記ケイ素化合物が水酸基を有し、且つ、この水酸基がケイ素原子に結合している場合、最初からシラノール基を形成しており、この水酸基は、加水分解反応によってシラノール基を生成することができる官能基ではない。しかし、本発明において水酸基を有するケイ素化合物は、加水分解性基を有するケイ素化合物が加水分解されたもの(重縮合反応前のもの)と同等のものとして扱われる。
加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)は、加水分解・重縮合反応により生成するポリシロキサンの構成単位として、構造単位T(シルセスキオキサン単位)を導入する成分である。ケイ素化合物(T)は、好ましくは、1個のケイ素原子を含み、ケイ素原子に3個の加水分解性基が結合した化合物である。ケイ素化合物(T)は、ポリシロキサン硬化物を耐熱性の優れたものにするために重要な成分である。
ケイ素化合物(T)の例としては、ヒドロシリル基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(TH)」という。)、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(TU)」という。)などが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素化合物(TH)の例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリクロロシランなどが挙げられる。
ケイ素化合物(TU)の例としては、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、トリエトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、トリプロポキシ(4−ビニルフェニル)シラン、トリクロロ(4−ビニルフェニル)シランなどに代表されるビニル基を有するケイ素化合物;エチニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの不飽和基を有するケイ素化合物などが挙げられる。
ケイ素化合物(TH)およびケイ素化合物(TU)以外のケイ素化合物(T)(以下、「ケイ素化合物(TO)」という。)の例としては、トリメトキシアルキルシラン、トリエトキシアルキルシラン、トリプロポキシアルキルシラン、トリクロロアルキルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン;およびこれらの化合物において、ケイ素原子に結合するアルキル基やフェニル基が、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基以外の基または原子で置換されているトリアルコキシシランなどが挙げられる。
上記ケイ素化合物(T)は、耐熱性に著しく優れた硬化物が得られることから、ケイ素化合物(TH)を含むことが好ましい。
加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)は、加水分解・重縮合反応により生成するポリシロキサンの構成単位として、構造単位D(シリコーン単位)を導入する成分である。ケイ素化合物(D)は、好ましくは、1個のケイ素原子を含み、ケイ素原子に2個の加水分解性基が結合した化合物である。ケイ素化合物(D)は、ポリシロキサンの粘度を小さく抑え、ポリシロキサン硬化物が良好な皮膜を形成するために重要な成分である。
ケイ素化合物(D)の例としては、ヒドロシリル基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(DH)」という。)、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(DU)」という。)などが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素化合物(DH)の例としては、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジプロポキシメチルシラン、ジクロロメチルシランなどが挙げられる。
ケイ素化合物(DU)の例としては、ビニル基、エチニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの不飽和基を有するケイ素化合物が挙げられる。
ケイ素化合物(DH)およびケイ素化合物(DU)以外のケイ素化合物(D)(以下、「ケイ素化合物(DO)」という。)の例としては、ジメトキシジアルキルシラン、ジエトキシジアルキルシラン、ジプロポキシジアルキルシラン、ジクロロジアルキルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジプロポキシジフェニルシラン、ジクロロジフェニルシラン;およびこれらの化合物において、ケイ素原子に結合するアルキル基やフェニル基が、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基以外の基または原子で置換されているジアルコキシシランなどが挙げられる。
加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)は、加水分解・重縮合反応により生成するポリシロキサンの構成単位として、構造単位M(一官能性シロキサン構造単位)を導入する成分である。ケイ素化合物(M)は、ポリシロキサンの粘度を小さく抑え、ポリシロキサンを硬化させて良好な皮膜を形成するために重要な成分である。
ケイ素化合物(M)は、1個のケイ素原子を含み、ケイ素原子に1個の加水分解性基が結合したケイ素化合物(以下、「ケイ素単量体(M1)」という。)であってよいし、2個のケイ素単量体(M1)が加水分解、縮合して1分子となった構造を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素二量体(M2)」という。)であってもよい。ケイ素化合物(M)がケイ素二量体(M2)である場合は、1分子のケイ素化合物(M)により2個の構造単位Mを形成することができる。
ケイ素化合物(M)の例としては、ヒドロシリル基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(MH)」という。)、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有するケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(MU)」)などが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素化合物(MH)の例としては、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、プロポキシジメチルシラン、クロロジメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。例示されたもののうち、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンはケイ素二量体(M2)であり、それ以外はケイ素単量体(M1)である。
ケイ素化合物(MU)の例としては、メトキシビニルジメチルシラン、エトキシビニルジメチルシラン、プロポキシビニルジメチルシラン、クロロビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。例示されたもののうち、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンはケイ素二量体(M2)であり、それ以外はケイ素単量体(M1)である。
尚、ケイ素化合物(MH)およびケイ素化合物(MU)以外のケイ素化合物を用いると、得られるポリシロキサン硬化物が耐熱性に劣る傾向があるため使用しないことが好ましい。
加水分解・重縮合反応に使用されるケイ素化合物(T)、ケイ素化合物(D)およびケイ素化合物(M)の割合は、ケイ素化合物(T)、ケイ素化合物(D)およびケイ素化合物(M)の合計量を基準として、それぞれ30〜80モル%、1〜30モル%および5〜50モル%であることが好ましく、40〜75モル%、2〜25モル%および10〜45モル%であることがより好ましく、50〜70モル%、2〜20モル%および15〜40モル%であることが更に好ましい。但し、ケイ素化合物(M)がケイ素二量体(M2)を含む場合、ケイ素化合物(M)の割合は、ケイ素二量体(M2)の使用量をケイ素単量体(M1)の使用量に換算した割合が適用される。例えば、ケイ素二量体(M2)1モルはケイ素化合物(M)2モル分に相当する。本願明細書の以下の説明においても同様である。
ケイ素化合物(M)として、2個のケイ素単量体(M1)が縮合した構造を有するケイ素二量体(M2)(例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンなど)が使用される場合は、上記のように、このケイ素二量体(M2)1モルがケイ素単量体(M1)2モル分に相当する。但し、ケイ素二量体(M2)は加水分解の反応性がやや小さく、反応条件によっては半数近くが未反応のまま消費されないため、化学量論的に反応すると仮定したときの割合よりも多めの仕込み量にする必要がある。
ケイ素単量体(M1)、ケイ素化合物(T)およびケイ素化合物(D)を、上記割合で用いると、ほぼ化学量論的に反応し、実質的に反応に供された全量(もちろん脱離する基は除く)がポリシロキサン中に取り込まれる。
ケイ素化合物(T)の使用割合が少なすぎると、得られるポリシロキサン硬化物が耐熱性に劣る傾向がある。一方、多すぎると、ポリシロキサンが粘度の高いものとなったり、ポリシロキサンを硬化させて得られる皮膜がひび割れ(クラック)を生じやすくなる場合がある。
ケイ素化合物(D)の使用割合が少なすぎると、得られるポリシロキサンが粘度の高いものとなったり、ポリシロキサンを硬化させて得られる皮膜がひび割れ(クラック)を生じやすくなったりする。一方、多すぎると、ポリシロキサン硬化物が耐熱性に劣る傾向がある。
ケイ素化合物(M)の使用割合が少なすぎると、得られるポリシロキサンが粘度の高いものとなったり、ポリシロキサンを硬化させて得られる皮膜がひび割れ(クラック)を生じやすくなったりする。一方、多すぎると、ポリシロキサン硬化物が耐熱性に劣る傾向場合がある。
尚、上記のように、ケイ素化合物(T)において、ケイ素化合物(TH)は、ポリシロキサン硬化物の耐熱性を高いものとするために最も重要な成分である。加水分解・重縮合反応に使用されるケイ素化合物(TH)の割合は、ケイ素化合物(T)、ケイ素化合物(D)およびケイ素化合物(M)の合計量を基準として、30〜80モル%であることが好ましく、35〜75モル%であることがより好ましく、40〜70モル%であることが更に好ましい。
本発明のポリシロキサンは、その分子中にヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基およびアルコキシシリル基を有する。本発明のポリシロキサンを加熱すると、1のポリシロキサンに含まれるヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基と、他のポリシロキサンに含まれるヒドロシリル基とがヒドロシリル化反応することにより、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明のポリシロキサンにおいて、1分子中に平均的に含まれるヒドロシリル基の個数は、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基の個数の1〜10倍であることが好ましく、2〜9倍であることがより好ましく、3〜8倍であることが更に好ましく、4〜7倍であることが特に好ましい。その理由は、ポリシロキサンをヒドロシリル化反応により硬化させる際、炭素−炭素不飽和基が未反応で残ると硬化物が耐熱性の不十分なものとなる場合があるため、炭素−炭素不飽和基の量に対してヒドロシリル基の量を過剰とするのである。
また、ヒドロシリル基の割合を必要以上に過剰とするのも避けるべきである。例えば、ケイ素化合物(TH)に由来するヒドロシリル基が多く含まれるポリシロキサンは、ゲル化したり、高粘度のものとなったりする場合がある。また、ケイ素化合物(MH)に由来するヒドロシリル基を含むポリシロキサンにおいて、このケイ素化合物(MH)に由来するヒドロシリル基が多く未反応で残ると、得られる硬化物の耐熱性が十分でない場合がある。
上記アルコキシシリル基は、特に限定されないが、通常、炭素数が1〜6のアルコキシシリル基である。ポリシロキサンの安定性と、ポリシロキサンを硬化させるときの反応性とのバランスが良好であることから、エトキシシリル基、n−プロポキシシリル基およびイソプロポキシシリル基が好ましく、イソプロポキシシリル基が特に好ましい。
また、本発明のポリシロキサンに含まれるアルコキシシリル基を誘導する化合物は、特に限定されない。このアルコキシシリル基は、上記ケイ素化合物に由来する未反応のアルコキシシリル基であってもよい。また、加水分解・重縮合反応の溶媒として、アルコールが使用された場合、このアルコールがケイ素化合物などと反応してアルコキシシリル基を形成することができるので、これによるアルコキシシリル基であってもよい。アルコキシシリル基を含むアルコキシ基としては、ポリシロキサンの安定性と、ポリシロキサンを硬化させるときの反応性とのバランスが良好であることから、エトキシ基、n−プロポキシ基およびイソプロポキシ基が好ましく、イソプロポキシ基が特に好ましい。
本発明のポリシロキサンがアルコキシシリル基を有することにより、ポリシロキサンの硬化条件の選択性を広げることができ、優れた硬化作業性を得ることができる。例えば、ポリシロキサンを、150℃未満の低い温度で部分的に硬化させた後、150℃以上700℃以下の高い温度で硬化させる場合、前段階の試料の扱いが容易となる。
本発明のポリシロキサンは、上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)の反応により、以下の構成単位(i)および(ii)を少なくとも含む。そして、本発明のポリシロキサンは、他の構成単位として、以下の構成単位(iii)を含んでもよい。尚、本発明のポリシロキサンが有するアルコキシシリル基は、下記の構成単位のいずれかに含まれる。
・構成単位(i):ヒドロシリル基を有する単位
・構成単位(ii):ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する単位
・構成単位(iii):ヒドロシリル基もヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基も有さない単位
得られる硬化物を耐熱性の優れたものとするため、ポリシロキサン中の構成単位(i)および(ii)の個数の合計量の割合は、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計の個数を基準として70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が更に好ましく、90%以上が特に好ましい。
上記構成単位(i)としては、下記3種が例示される。本発明のポリシロキサンは、これらの構成単位を1種のみ含んでよいし、2種又は3種を含んでもよい。尚、各構成単位が複数含まれる場合、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
(HSiO3/2
Figure 2009066608
〔R2は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。〕
Figure 2009066608
〔R3は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。但し、2個のR3が炭素数1〜10のアルキル基であるとき、これらのR3は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。〕
本発明のポリシロキサンは、上記単位(HSiO3/2)を1分子中に平均的に5〜100個含むものが好ましく、6〜80個含むものがより好ましく、7〜60個含むものが更に好ましく、8〜40個含むものが特に好ましい。上記単位(HSiO3/2)単位の個数が少なすぎるとポリシロキサン硬化物が耐熱性の劣るものとなりやすい。一方、上記単位(HSiO3/2)の個数が多すぎるとポリシロキサンが高粘度となり、扱いにくいものとなる場合がある。
上記構成単位(ii)としては、下記3種が例示される。本発明のポリシロキサンは、これらの構成単位を1種のみ含んでよいし、2種又は3種を含んでもよい。尚、各構成単位が複数含まれる場合、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基である。nは0または1である。〕
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基、または、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。R2が、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である場合、このR2およびAは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。〕
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R3は、炭素数1〜10のアルキル基、または、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。但し、2個のR3が炭素数1〜10のアルキル基であるとき、これらのR3は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。また、但し、2個のR3がヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であるとき、これらのR3およびAは、互いに同一であってよいし、異なってもよいし、いずれか二者が同一であってもよい。〕
更に、上記構成単位(iii)としては、下記2種が例示される。本発明のポリシロキサンは、これらの構成単位を1種のみ含んでよいし、2種又は3種を含んでもよい。尚、各構成単位が複数含まれる場合、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
Figure 2009066608
〔式中、R5は炭素数1〜6のアルキル基である。〕
Figure 2009066608
〔式中、R2は、互いに同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基である。〕
前者の構成単位における酸素原子は、上記構成単位(i)及び(ii)として例示した構成単位のいずれかにおけるケイ素原子と結合し、アルコキシシリル基を形成している。
本発明のポリシロキサンが有するアルコキシシリル基は、上記前者の構成単位に由来することが好ましい。
また、本発明のポリシロキサン中のアルコキシシリル基の個数の割合は、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計の個数を基準として1〜100%が好ましく、2〜30%がより好ましく、3〜20%が更に好ましく、4〜10%が特に好ましい。アルコキシシリル基がイソプロポキシシリル基を含む場合、イソプロポキシシリル基の割合(個数の割合)は、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
上記のように、本発明のポリシロキサン中にアルコキシシリル基が適量存在することにより、ポリシロキサンの硬化作業性が良好となる。アルコキシシリル基が少なすぎると上記効果が十分発揮されず、アルコキシシリル基が多すぎるとポリシロキサンが安定性の劣るものとなりやすい。
本発明のポリシロキサンは、上記構成単位(i)、(ii)及び(iii)において、上記以外の官能基を有してもよい。例えば、シラノール基を有していてもよく、また製造原料の種類によってはSiClなどのハロゲノシリル基を有していてもよい。ポリシロキサン中のシラノール基およびハロゲノシリル基の合計個数の割合は、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計の個数を基準として10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましく、1%以下が特に好ましい。シラノール基またはハロゲノシリル基の割合が多すぎるとポリシロキサンが安定性の劣るものとなりやすい。
本発明のポリシロキサンとしては、下記一般式(1)で表される構成単位を含有するポリシロキサンが好ましい。
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。但し、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
上記一般式(1)において、v、w、x、yおよびzは、ポリシロキサン1分子が含有する各構成単位の個数の割合の平均値を意味する。v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数である。
上記一般式(1)において、vは、好ましくは5〜100、より好ましくは6〜80、更に好ましくは7〜60、特に好ましくは8〜40である。
上記一般式(1)において、Aは、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基である。この有機基Aは、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素の二重結合または三重結合を持つ官能基であれば特に限定されない。その具体例は、ビニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、フェニルブチニル基等が例示される。本発明のポリシロキサンが、上記有機基Aを2個以上含む場合、1分子中の有機基Aは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。上記有機基Aとしては、原料が得やすく、炭素数が少ないビニル基および反応性の良好なパラスチリル基が好ましい。炭素数が少ないことは、ポリシロキサン硬化物を無機成分の割合が大きいものとし、耐熱性の優れたものにすることにつながる。
上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜20のアルキレン基(2価の脂肪族基)、炭素数6〜20の2価の芳香族基または炭素数3〜20の2価の脂環族基である。炭素数1〜20のアルキレン基には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基等が例示される。炭素数6〜20の2価の芳香族基にはフェニレン基、ナフチレン基が例示される。また炭素数3〜20の2価の脂環族基には、ノルボルネン骨格、トリシクロデカン骨格あるいはアダマンタン骨格を有する2価の炭化水素基等が例示される。
また、上記一般式(1)において、nは0または1である。炭素数が少なく、ポリシロキサン硬化物が耐熱性に優れることから、n=0が好ましい。
上記一般式(1)において、wは、好ましくは0〜40、より好ましくは0〜30、更に好ましくは0〜20、特に好ましくは0〜10である。
上記一般式(1)において、R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらは、脂肪族基および脂環族基のいずれでもよく、また、直鎖状および分岐状のいずれでもよい。ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基としては、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素の二重結合または三重結合を持つ官能基であれば特に限定されず、ビニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、フェニルブチニル基等が例示される。1分子中のR2は同種であってよく、また2種以上の異種の組み合わせであってもよい。R2としては、炭素数が少なく、ポリシロキサン硬化物が耐熱性に優れることから、水素原子、メチル基およびビニル基が好ましい。また、ポリシロキサンの硬化反応に参加できることから、水素原子およびビニル基が特に好ましい。
上記一般式(1)において、xは、好ましくは0.1〜40、より好ましくは0.1〜30、更に好ましくは0.2〜20、特に好ましくは0.3〜10である。
上記一般式(1)において、R3は、水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基である。ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合基としては、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素の二重結合または三重結合を持つ官能基であれば特に限定されず、ビニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、フェニルブチニル基等が例示される。1分子中のR3は同種であってよく、また2種以上の異種の組み合わせであってもよい。R3としては、ポリシロキサンの硬化反応に参加でき、炭素数が少なく、ポリシロキサン硬化物が耐熱性に優れることから、水素原子およびビニル基が好ましい。
上記一般式(1)において、R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状または環状でも差し支えない。ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数2〜10の有機基としては、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素の二重結合または三重結合を持つ官能基であればいずれでもよく、ビニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、フェニルブチニル基等が例示される。1分子中のR4は同種であってよく、また2種以上の異種の組み合わせであってもよい。R4としては、良好な反応性や炭素数が少ないということから、水素原子、メチル基およびビニル基が好ましく、原料や中間製品の扱いやすさの面からメチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)において、yは、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.5〜30、更に好ましくは1〜20、特に好ましくは2〜10である。
上記一般式(1)において、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
上記一般式(1)において、zは、好ましくは0.1〜20、より好ましくは0.2〜10、更に好ましくは0.3〜8、特に好ましくは0.5〜5である。
上記一般式(1)において、v、wおよびxの間の好ましい関係は、0.001≦x/(v+w)≦2であり、より好ましくは0.01≦x/(v+w)≦1、更に好ましくは0.02≦x/(v+w)≦0.7、特に好ましくは0.04≦x/(v+w)≦0.5である。x/(v+w)が小さすぎると、粘度が高くなったり、無触媒下での加熱硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。一方、x/(v+w)が大きすぎると、無触媒下での加熱硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。
v、wおよびyの間の好ましい関係は、0.01≦y/(v+w)≦2であり、より好ましくは0.05≦y/(v+w)≦1、更に好ましくは0.1≦y/(v+w)≦0.7、特に好ましくは0.15≦y/(v+w)≦0.4である。y/(v+w)が小さすぎると、粘度が高くなったり、無触媒下での加熱硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。一方、y/(v+w)が大きすぎると、無触媒下での加熱硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。
また、v、w、x、yおよびzの間の好ましい関係は、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1であり、より好ましくは0.02≦z/(v+w+x+y)≦0.5、更に好ましくは0.03≦z/(v+w+x+y)≦0.3、特に好ましくは0.04≦z/(v+w+x+y)≦0.1である。z/(v+w+x+y)が小さすぎると、無触媒下での加熱硬化性が低下する傾向にある。一方、z/(v+w+x+y)が大きすぎると、ポリシロキサンの保存安定性が低下したり、加熱硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。
但し、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。
上記一般式(1)におけるv、w、x、yおよびzが上記条件を満たすポリシロキサンは、低粘度であって取り扱い作業性に優れ、得られる硬化物が良好な外観の皮膜を形成し、耐熱性に優れる。
本発明のポリシロキサンは、数平均分子量が500〜20000の範囲にあるものである。数平均分子量は700〜15000が好ましく、900〜10000がより好ましく、1000〜5000が特に好ましい。数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により、例えば、カラムとして日立化成工業株式会社製GL−A130−S(多孔性微小球状ポリマーゲル)を使用し、溶離液としてトルエンを使用し、標準物質としてポリスチレンを使用して求めることができる。
本発明のポリシロキサンは液状であり、25℃における粘度が30000mPa・s以下であることが好ましく、10000mPa・s以下であることがより好ましく、5000mPa・s以下であることが更に好ましく、3000mPa・s以下であることが特に好ましく、1000mPa・s以下であることが特に好ましい。但し、上記粘度の下限は、通常、1mPa・sである。
本発明のポリシロキサンの製造方法は、加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を有機溶媒の存在下または非存在下に、加水分解・重縮合反応させる第1工程を備え、上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、且つ、上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種はヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有することを特徴とする。
また、本発明において、上記第1工程の後に、沸点90℃以上の芳香族炭化水素からなる溶媒の存在下に水を留去させる第2工程を備えることが好ましい。
本発明のポリシロキサンの製造方法における第1工程において用いられる、ケイ素化合物(T)、ケイ素化合物(D)およびケイ素化合物(M)の種類、使用量等は、上記に記載されたとおりである。
本発明のポリシロキサンの製造方法において、ケイ素化合物(T)およびケイ素化合物(D)が有する加水分解性基はアルコキシ基であり、ケイ素化合物(M)が有する加水分解性基はアルコキシ基またはシロキシ基であることが好ましい。
上記第1工程は、ケイ素化合物(T)、(D)および(M)を有機溶媒の存在下または非存在下に加水分解・重縮合反応させる工程である。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチルなどのエステル類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記芳香族炭化水素等の非極性溶媒と、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等の極性溶媒とを併用してもよい。上記第1工程において、有機溶剤を用いるとき、その使用量は、ケイ素化合物(T)、(D)および(M)の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.8〜7質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。反応溶媒として、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼンなどの沸点90℃以上の芳香族炭化水素を使用する方法は、ポリシロキサンを製造する第1工程および揮発性成分を留去する工程において、ゲルの発生を抑制することができるため好ましい。
上記第1工程において、有機溶媒として、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒を使用する際、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールまたはその他の極性溶媒を併用することが好ましい。上記非極性溶媒および低級アルコールまたはその他の極性溶媒の併用により、反応液が均一なものとなり、反応が円滑に進みやすくなる。また、低級アルコールはケイ素原子に結合してアルコキシ基を形成する。例えば、イソプロピルアルコールを用いると、ポリシロキサンにイソプロポキシシリル基が導入され、安定性および反応性のバランスが良好なポリシロキサンを得ることができる。
上記第1工程において、添加される水の量は、加水分解性基に対して0.5〜5倍モルが好ましく、1〜2倍モルがより好ましい。また、ケイ素化合物(T)、(D)および(M)の加水分解・重縮合反応は、無触媒で行ってもよいし、触媒を使用して行ってもよい。触媒を用いる場合は、通常、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸に例示される酸触媒が用いられる。尚、アルカリ触媒を用いると、ヒドロシリル基が加水分解して水素ガスを発生するので使用しない方がよい。酸触媒を用いるか、または無触媒下で水を加えて室温で攪拌すれば、加水分解・重縮合反応は容易に進行する。必要に応じて、加熱してもよいし、冷却してもよい。但し、第1工程を無触媒で行う場合には、ケイ素化合物(T)、(D)および(M)の少なくとも1種が、加水分解反応によって酸を発生するケイ素化合物であることが好ましい。生成した酸を、触媒として作用させることができる。
また、上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)が、加水分解反応によって酸を生成させない化合物である場合には、酸触媒を用いることにより、加水分解・重縮合反応が速やかに進行するため好ましい。酸触媒の使用量は、ケイ素化合物(T)中のケイ素原子、ケイ素化合物(D)中のケイ素原子、およびケイ素化合物(M)中のケイ素原子の合計量に対して0.01〜20モル%に相当する量であることが好ましく、0.1〜10モル%に相当する量であることがより好ましい。
上記第1工程における加水分解・重縮合反応の終了は、例えば、反応液をガスクロマトグラフ(GC)で分析することにより知ることができる。
ケイ素化合物(M)としてケイ素単量体(M1)のみが使用された場合、ケイ素化合物(T)、(D)およびケイ素単量体(M1)のすべてのGCピークが消失することによって反応の終了が確認できる。ケイ素化合物(M)としてケイ素二量体(M2)のみが使用された場合、ケイ素化合物(T)および(D)のGCピークが消失することおよびケイ素二量体(M2)のピークの大きさの変化がほぼ停止することによって反応の終了が確認できる。ケイ素化合物(M)としてケイ素単量体(M1)およびケイ素二量体(M2)が併用された場合、ケイ素化合物(T)、(D)およびケイ素単量体(M1)のGCピークが消失することおよびケイ素二量体(M2)のピークの大きさの変化がほぼ停止することによって反応の終了が確認できる。
本発明においては、上記第1工程により得られた反応液に含まれる水を、沸点90℃以上の芳香族炭化水素からなる溶媒の存在下に留去させる第2工程を備えることができる。この工程は、上記第1工程における反応を有機溶媒の存在下で進めた場合に有効である。これにより、ゲルの発生を抑制することができる。尚、上記溶媒としては、トルエン、キシレンなどが好ましい。
上記第2工程は、通常、減圧蒸留が行われ、これによって、上記の有機溶媒や水のほか、遊離したアルコール、存在する場合は未反応のケイ素二量体(M2)等の揮発性成分を留去すれば、目的のポリシロキサン、即ち、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基およびアルコキシシリル基を有し、数平均分子量が500〜20000であるポリシロキサンが得られる。
本発明のポリシロキサンの製造方法は、下記一般式(2)で表される構成単位を含有するポリシロキサンを得るものであることが好ましい。
Figure 2009066608
〔式中、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。但し、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
A、R1、n、R2、R3、R4、R5、v、w、x、yおよびzの好ましい条件は上記一般式(1)における記載と同様である。
上記一般式(2)で表される構成単位を含むポリシロキサンを製造する場合、第1工程において用いられる、ケイ素化合物(T)、(D)および(M)の使用量の割合は、これらの合計を100モル%とした場合、それぞれ、好ましくは30〜80モル%、1〜30モル%および5〜50モル%、より好ましくは40〜75モル%、2〜25モル%および10〜45モル%、更に好ましくは50〜70モル%、2〜20モル%および15〜40モル%である。
以下、例を挙げて、本発明の製造方法を詳しく説明する。
構造単位Tとして(HSiO3/2)単位を含有し、構造単位Dとして(H(Me)SiO2/2)単位を含有し、構造単位Mとして(Vi(Me)2SiO1/2)単位を含有し、アルコキシ基として(iPrO1/2)単位および(EtO1/2)単位を含有するポリシロキサンの製造方法について説明する。尚、「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「iPr」はイソプロピル基、「Vi」はビニル基を意味する。
構造単位Tである(HSiO3/2)単位を形成するケイ素化合物(T)としては、下記一般式(3)で表される化合物を使用することができる。
Figure 2009066608
〔式中、X1は、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子等の加水分解性基または水酸基を表す。複数のX1は、同一分子内において同一であっても異なっていてもよい。〕
上記一般式(3)において、X1は、原料の入手しやすさおよび良好な反応性などから、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子などが好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリクロロシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いることができる。
構造単位Dである(H(Me)SiO2/2)単位を形成するケイ素化合物(D)としては、下記一般式(4)で表される化合物を使用することができる。
Figure 2009066608
〔式中、X2は、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子等の加水分解性基または水酸基を表す。複数のX2は、同一分子内において同一であっても異なっていてもよい。〕
上記一般式(4)において、X2は、原料の入手しやすさおよび良好な反応性などから、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子などが好ましい。
上記一般式(4)で表される化合物の具体例としてはジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジプロポキシメチルシラン、ジクロロメチルシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いることができる。
構造単位Mである(Vi(Me)2SiO1/2)単位を形成するケイ素化合物(M)としては、下記式(5)で表されるケイ素二量体(M2)(1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン)または下記一般式(6)で表されるケイ素単量体(M1)を使用することができる。
Figure 2009066608
Figure 2009066608
〔式中、X3は、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子等の加水分解性基または水酸基を表す。〕
上記一般式(6)において、X3は、原料の入手しやすさおよび良好な反応性などから、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子などが好ましい。
上記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、メトキシビニルジメチルシラン、エトキシビニルジメチルシラン、プロポキシビニルジメチルシラン、クロロビニルジメチルシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いることができる。
すでに述べたとおり、ケイ素化合物(M)として式(5)で表されるケイ素二量体(M2)を使用する場合には、一部が未反応のまま残存するため、他の原料との仕込み割合を大きく、例えば、質量で1.2〜3倍程度とする必要がある。このように、ケイ素二量体(M2)を用いる場合は、過剰量を必要とするが、一般に高価なケイ素単量体(M1)よりも比較的安価で入手しやすく実用的な原料である。
例えば、上記ケイ素化合物(T)、(D)および(M)として、それぞれ、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシランおよび1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを用いた場合、ポリシロキサンは、以下のようにして製造される。
これらのケイ素化合物と、キシレンなどの有機溶媒と、を反応器に収容し、反応器内を窒素ガス等により置換して不活性雰囲気とする。その後、反応系を撹拌しながら、塩酸水溶液などの酸触媒を滴下し、加水分解・重縮合反応を行う(第1工程)。反応系の温度は、通常、0℃〜80℃である。この第1工程においては、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の低級アルコールを用いることができる。低級アルコールの使用方法としては、予め、反応器に収容しておいてよいし、酸触媒とともに滴下してもよい。
その後、エバポレータ等を用いて、反応液より、水、有機溶媒等を留去し、ポリシロキサンを単離することができる(第2工程)。
本発明のポリシロキサンによれば、1のポリシロキサンに含まれるヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基と、他のポリシロキサンに含まれるヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応によって、架橋構造を有するポリシロキサン硬化物とすることができる。ポリシロキサン硬化物の製造においては、後述する、ヒドロシリル化反応用の触媒を使用してもよいし、使用しなくてもよい。
ヒドロシリル化反応用の触媒を使用しない場合の硬化温度は、通常40℃〜1000℃であり、好ましくは50℃〜700℃である。この範囲の温度において、硬化温度を一定としてよいし、昇温及び/又は降温を組み合わせてもよい。また、硬化時間は、通常、0.1〜10時間である。
本発明におけるポリシロキサン硬化物の製造方法は、上記本発明のポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において、150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を含むことを特徴とする。この範囲の温度において、硬化温度を一定としてよいし、昇温及び/又は降温を組み合わせてもよい。また、硬化時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間である。尚、室温から上記範囲の温度までの加熱条件は、特に限定されない。
上記範囲の温度で硬化させると、ポリシロキサン中のアルコキシシリル基も反応して架橋に寄与し、得られるポリシロキサン硬化物は実質的にアルコキシシリル基を含まないものとなり、耐熱性が極めて優れたものとなる。無触媒条件下では、ヒドロシリル化反応速度が著しく大きいわけではないため、反応の初期においてはポリシロキサンの分子もある程度自由に動くことができ、アルコキシシリル基の反応が阻害されることは少ないと推測している。
本発明におけるポリシロキサン硬化物の他の製造方法は、上記本発明のポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において50℃以上150℃未満の温度で加熱する工程、および、150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を、順次、含むことを特徴とする。50℃以上150℃未満の温度範囲、および、150℃以上700℃以下の温度範囲において、硬化温度を一定としてよいし、昇温及び/又は降温を組み合わせてもよい。
50℃以上150℃未満の温度においては、主にアルコキシシリル基の反応(加水分解・重縮合反応)により一部硬化させて、架橋構造を形成し、その後、150℃以上700℃以下の温度においては、主にヒドロシリル化反応による架橋が起こる。ポリシロキサンがシラノール基を含む場合は、比較的低い温度において縮合反応による架橋に寄与する。
一部硬化させることの利点としては、後述する基材にポリシロキサン硬化膜を形成する作業の自由度が高まることが挙げられる。
例えば、板状基材の表面にポリシロキサンの塗膜を形成し、50℃以上150℃未満の温度に加熱し、ポリシロキサン塗膜を一部硬化させる。これによってポリシロキサンの流動性をなくし、必要に応じて、この積層物(ポリシロキサン一部硬化皮膜を備える板状基材)を加工して、所望の形状とする。その後、積層物を150℃以上700℃以下の温度に加熱して、ポリシロキサン一部硬化皮膜を完全に硬化させることにより、上記板状基材表面に均一なポリシロキサン硬化皮膜が形成された複合体とすることができる。上記板状基材だけでなく、複雑な形状を有する基材に対しても、硬化皮膜を形成することができる。
また、他の例として、粒子状基材の表面にポリシロキサンの塗膜を形成し、50℃以上150℃未満の温度に加熱し、ポリシロキサン塗膜を一部硬化させて、ポリシロキサン一部硬化皮膜を備える被覆粒子を得る。その後、被覆粒子を150℃以上700℃以下の温度に加熱して、ポリシロキサン一部硬化皮膜を完全に硬化させることにより、上記粒子状基材の表面に均一なポリシロキサン硬化皮膜が形成された複合粒子とすることができる。
50℃以上150℃未満の温度で一部硬化させる場合の前段の硬化時間は、通常、0.1〜10時間であり、0.5〜5時間が好ましい。その後、150℃以上700℃以下の温度で完全に硬化させる場合の硬化時間は、通常、0.1〜10時間であり、0.5〜5時間が好ましい。
ヒドロシリル化反応用の触媒を使用する場合は、比較的低い温度(例えば、室温〜150℃、好ましくは50℃〜150℃)で硬化できる。但し、得られるポリシロキサン硬化物が未反応のアルコキシシリル基を有するものとなりやすく、硬化物が高温(例えば、600℃以上)にさらされると、アルコールなどの揮発性成分を発生する場合がある。未反応のアルコキシシリル基が残りやすい理由は、ヒドロシリル化反応による架橋が急速に起こるため、硬化開始から短時間でポリシロキサンの分子の運動が制限され、アルコキシシリル基が封じ込められることになって反応の機会を失うためと推測している。
ヒドロシリル化反応用の触媒を使用する場合の硬化時間は、通常、0.05〜24時間であり、0.1〜5時間が好ましい。
ヒドロシリル化反応用の触媒としては、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金等の第8属から第10属金属の単体、有機金属錯体、金属塩、金属酸化物等が挙げられる。通常、白金系触媒が使用される。白金系触媒としては、cis−PtCl2(PhCN)2、白金カーボン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンが配位した白金錯体(Pt(dvs))、白金ビニルメチル環状シロキサン錯体、白金カルボニル・ビニルメチル環状シロキサン錯体、トリス(ジベンジリデンアセトン)二白金、塩化白金酸、ビス(エチレン)テトラクロロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、ビス(シクロオクタジエン)白金、ビス(ジメチルフェニルホスフィン)ジクロロ白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金等が例示される。これらのうち、特に好ましくは1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンが配位した白金錯体(Pt(dvs))、白金ビニルメチル環状シロキサン錯体、白金カルボニル・ビニルメチル環状シロキサン錯体である。なお、Phはフェニル基を表す。触媒の使用量は、ポリシロキサンの量に対して、0.1質量ppm〜1000質量ppmであることが好ましく、0.5〜100質量ppmであることがより好ましく、1〜10質量ppmであることが更に好ましい。
ヒドロシリル化反応用の触媒を使用する場合、触媒が添加されたポリシロキサンのゲル化抑制および保存安定性向上のため、ヒドロシリル化反応抑制剤が添加されてもよい。ヒドロシリル化反応抑制剤の例としては、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール類、ハイドロパーオキサイド、窒素原子、イオウ原子またはリン原子を含有するヒドロシリル化反応抑制剤などが挙げられる。
ポリシロキサンの硬化は、触媒の有無に関わらず、空気中で行われてもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。但し、ポリシロキサン中にアルコキシシリル基が存在している間は、アルコキシシリル基が加水分解反応できる程度に水分を含む雰囲気であることが好ましい。空気中であれば、アルコキシシリル基が加水分解反応できる程度に水分を含んでいるので、十分な硬化を進めることができる。本発明におけるポリシロキサン硬化物の他の製造方法において、前段の硬化は空気中で行い、後段の硬化を空気中または不活性ガス雰囲気中で行うのは好ましい方法である。
本発明のポリシロキサンは、上記のように、25℃における粘度が、30000mPa・s以下の液状物質であるので、基材表面にそのまま塗布することができるが、必要に応じて溶剤で希釈して使用することもできる。溶剤を使用する場合、ポリシロキサンを溶解する溶剤が好ましく、その例としては、脂肪族系炭化水素溶剤、芳香族系炭化水素溶剤、塩素化炭化水素溶剤、アルコール溶剤、エーテル溶剤、アミド溶剤、ケトン溶剤、エステル溶剤、セロソルブ溶剤等の各種有機溶剤を挙げることができる。
溶剤が使用された場合は、ポリシロキサンの硬化のための加熱に先立って、塗布された膜に含まれる溶剤を揮発させることが好ましい。溶剤の揮発は空気中でなされてもよく、不活性ガス雰囲気中でなされてもよい。溶剤の揮発のため加熱してもよいが、その場合の加熱温度は、150℃未満が好ましく、50℃以上150℃未満がより好ましい。本発明におけるポリシロキサン硬化物の他の製造方法において、ポリシロキサンを50℃以上150℃未満に加熱して一部硬化させ、これを溶剤の揮発工程とすることも可能である。
本発明のポリシロキサンは、硬化に供される際に、各種添加剤が添加されてもよい。添加剤の例としては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン類(トリアルコキシシラン、トリアルコキシビニルシランなど)などの反応性希釈剤などが挙げられる。これら添加剤は、得られるポリシロキサン硬化物が耐熱性を損なわない範囲で使用される。
ポリシロキサンの基材への塗布には、キャスト法、スピンコート法、バーコート法等の通常の塗工方法を用いることができる。
ポリシロキサン硬化物皮膜を形成させることのできる基材としては、塗工により塗膜を形成できる材質及び形状を有する構造体であれば使用可能である。但し、耐熱性の低い基材を使用する場合、ポリシロキサン硬化温度の上限は、基材が耐えうる温度となる。
基材の構成材料は、通常、無機材料、有機材料、あるいは、これらの組み合わせによる材料である。好ましい材料としては、金属、合金、セラミックス、木材、プラスチック等が挙げられる。また、その形状としては、シート、板、立方体、直方体、角錐、円錐、線状体(直線、曲線等)、環状体(円形、多角形等)、管、球等の定形体、凹凸、溝、貫通孔、角部等を有する不定形体が挙げられる。具体的には、板状ガラス、シリコンウエハ、各種の形状に加工したプラスチック、建材、各種の形状に加工した金属等が挙げられる。
ポリシロキサン硬化物の耐熱性は、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)などにより測定することができる。本発明のポリシロキサンをヒドロシリル化反応用の触媒を使用しないで硬化させて得られるポリシロキサン硬化物は、その硬化条件に依存することなく、5%重量減少温度が1000℃以上とすることができ、高耐熱性を示す。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例におけるGPCの測定条件は、装置構成としてカラムオーブンに日立L−5020、RI検出器に日立L−3300RIモニター、ポンプに日立L−6250、デガッサにShodex DEGASを用い、カラムは日立化成工業製GL−A150−SとGL−A130−Sを直列につないだものを使用した。そして溶媒はトルエンで1ミリリットル/分の流量で流して測定した。標準物質としてポリスチレンを使用して数平均分子量(Mn)を算出した。
実施例1
1000ml四つ口フラスコに、磁気回転子、滴下ロート、還流冷却器および温度計を装着し、フラスコ内を窒素ガスで置換した。反応中、窒素ガスを流し続けた。
トリエトキシシラン59.14g(360mmol)、トリメトキシビニルシラン17.79g(120mmol)、ジメトキシジメチルシラン6.92g(57.6mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン16.12g(120mmol)、2−プロパノール88.38gおよびキシレン265.14gをフラスコ内に投入した。
その後、室温状態(19℃)の上記混合物に、1.28%塩酸34.96gおよび2−プロパノール44.19gの混合液を滴下ロートから徐々に加えながら撹拌した。滴下中、フラスコ内の液温は19℃〜22℃の範囲に維持された。塩酸および2−プロパノールの混合液の滴下終了後、反応液を室温で18時間静置した。
次いで、反応液から、水を含む揮発性成分を減圧留去(温度:23℃〜60℃、圧力:52〜1mmHg)し、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P1)」という。)42.79gを得た。このポリシロキサン(P1)について、GPCにより、数平均分子量(Mn)を測定したところ、1300であった。また、E型粘度計により、25℃における粘度を測定したところ、43mPa・sであった。
表1に、ケイ素化合物の仕込み量(モル比)及び上記物性を示した。
また、ポリシロキサン(P1)の1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)の分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.7〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は55%であった。該反応率は以下のように求めた。
まず、1H−NMRよりケイ素原子に結合したメチル基とビニル基の割合を求めた。ケイ素原子に結合したメチル基は、ジメトキシジメチルシランおよび1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに由来するものが存在し、ビニル基はトリメトキシビニルシランに由来する。これらのうちトリメトキシビニルシランおよびジメトキシジメチルシランはほぼ化学量論的に反応してポリシロキサンに導入されるので、ケイ素原子に結合したメチル基の割合からジメトキシジメチルシランに由来する割合を差し引いたものが1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに由来する割合となる。
また、ポリシロキサン(P1)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。アルコキシシリル基(アルコキシ基)の割合も1H−NMRより求めることができる。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
次に、得られたポリシロキサンを用いて、2種の硬化条件によりポリシロキサン硬化物を製造し、耐熱性及び密着性の評価を行った。
バーコーターを用いて上記ポリシロキサン(ヒドロシリル化触媒を含まない)をガラス板上に塗布した後、130℃で4時間加熱硬化させて、膜厚約10μmの硬化物(硬化膜)を得た。このときクラックの発生は認められなかった。この硬化物をセイコー電子工業株式会社製示差熱熱重量同時測定装置「TG/DTA220」(型式名)にて評価した結果、窒素ガス雰囲気下(昇温速度20℃/分)での5%重量減少温度は1000℃以上であり、1000℃に達した硬化物の重量損失は4.3%であった。空気雰囲気下(昇温速度20℃/分)でも5%重量減少温度は1000℃以上であった。
また、130℃で4時間加熱硬化させた状態の硬化物(一部硬化物)の赤外吸収スペクトルの結果から、ビニル基はほとんど未反応で残っていた。該一部硬化物は、TG/DTAによる加熱昇温中にヒドロシリル化反応が進行してビニル基は消費され、それに伴って高い耐熱性が発現した。
130℃で4時間加熱された条件においてアルコキシシリル基が加水分解したことは、吸着剤捕集−加熱脱着・低温濃縮−ガスクロマトグラフ/質量分析(TCT−GC/MS)により、イソプロピルアルコールおよびエチルアルコールが検出されたことで確認された。
上記の130℃4時間加熱による一部硬化物を、昇温速度20℃/分で400℃まで加熱し、硬化物を得た。この加熱における質量減少はなかった。また、赤外吸収分析法(IR)の結果から、硬化物はビニル基をほとんど含んでいない(すなわちヒドロシリル化反応がほぼ完了していた)ことが確認された。IRスペクトルにおいてビニル基は1400cm-1付近および1600cm-1付近に特徴的な吸収が観測される。硬化物のTG/DTAによる5%重量減少温度は、窒素ガス雰囲気および空気雰囲気のいずれも1000℃以上であった。
バーコーターを用いて上記ポリシロキサン(ヒドロシリル化触媒を含まない)を鋼板(SPCC−SD)上に塗布した後、130℃で4時間加熱し、更に170℃で4時間または200℃で1時間加熱することにより硬化させて、膜厚約10μmの硬化物(硬化膜)を得た。このときクラックの発生は認められなかった。上記加熱硬化によりヒドロシリル化反応が進行したことをIRスペクトルにより確認した。得られた硬化膜について、碁盤目剥離試験(JIS K5400における8.5.1および8.5.2に準ずる)を行い、鋼板への密着性を評価したところ、100/100と良好な密着性が確認された。
上記の評価結果を表4に示した。
実施例2
トリエトキシシラン44.35g(270mmol)、トリメトキシビニルシラン13.34g(90mmol)、ジメトキシジメチルシラン2.16g(18mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン12.09g(90mmol)、2−プロパノール95.07g、キシレン190.14gおよび1.28%塩酸22.01gを用いた以外は、実施例1と同様にして、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P2)」という。)31.10gを得た。このポリシロキサン(P2)のMnを測定したところ、1100であった。また、25℃における粘度を測定したところ、34mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(P2)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.7〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は64%であった。
また、ポリシロキサン(P2)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例3
トリエトキシシラン49.28g(300mmol)、トリメトキシビニルシラン12.60g(85mmol)、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン3.36g(15mmol)、ジメトキシジメチルシラン5.77g(48mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン10.75g(80mmol)、2−プロパノール105.69g、キシレン211.38gおよび1.28%塩酸28.04gを用いた以外は、実施例1と同様にして、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P3)」という。)32.92gを得た。このポリシロキサン(P3)のMnを測定したところ、1200であった。また、25℃における粘度を測定したところ、93mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(P3)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.4(br,OCH(CH32,Si−H)、5.5〜6.7(br,CH=CH2)、7.1〜8.0(br,芳香族プロトン)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は64%であった。
また、ポリシロキサン(P3)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例4
トリエトキシシラン65.71g(400mmol)、ジメトキシメチルシラン5.10g(48mmol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン18.64g(100mmol)、2−プロパノール116.61g、キシレン233.22gおよび1.28%塩酸25.48gを用いた以外は、実施例1と同様にして、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P4)」という。)32.19gを得た。このポリシロキサン(P4)のMnを測定したところ、1800であった。また、25℃における粘度を測定したところ、549mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(P4)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.1〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.4(br,OCH(CH32,Si−H)、5.65〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの反応率は40%であった。
また、ポリシロキサン(P4)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例5
トリエトキシシラン52.57g(320mmol)、ジメトキシメチルシラン8.50g(80mmol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン14.91g(80mmol)、2−プロパノール101.25g、キシレン202.50gおよび1.28%塩酸21.90gを用いた以外は、実施例1と同様にして、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P5)」という。)28.28gを得た。このポリシロキサン(P5)のMnを測定したところ、1800であった。また、25℃における粘度を測定したところ、195mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(P5)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.1〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.4(br,OCH(CH32,Si−H)、5.65〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの反応率は38%であった。
また、ポリシロキサン(P5)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例6
トリエトキシシラン46.00g(280mmol)、ジメトキシメチルシラン11.15g(105mmol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン13.05g(70mmol)、2−プロパノール94.92g、キシレン189.84gおよび1.28%塩酸20.44gを用いた以外は、実施例1と同様にして、わずかに淡黄色の液体(以下、「ポリシロキサン(P6)」という。)27.90gを得た。このポリシロキサン(P6)のMnを測定したところ、1500であった。また、25℃における粘度を測定したところ、67mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(P6)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.1〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.4(br,OCH(CH32,Si−H)、5.65〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの反応率は47%であった。
また、ポリシロキサン(P6)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例7
トリエトキシシラン9.86g(60mmol)、トリメトキシビニルシラン8.89g(60mmol)、ジメトキシジメチルシラン29.93g(249mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン36.40g(271mmol)、2−プロパノール192.09g、キシレン384.18gおよび1.28%塩酸20.61gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ほぼ無色の液体(以下、「ポリシロキサン(P7)」という。)42.28gを得た。このポリシロキサン(P7)について、GPCにより、数平均分子量(Mn)を測定したところ、700であった。また、25℃における粘度を測定したところ、13mPa・sであった。
また、ポリシロキサン(P7)の1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)の分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.7〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は45%であった。
また、ポリシロキサン(P7)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。アルコキシシリル基(アルコキシ基)の割合も1H−NMRより求めることができる。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例8
トリエトキシシラン49.28g(300mmol)、トリメトキシビニルシラン29.65g(200mmol)、ジメトキシジメチルシラン0.048g(0.4mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンg0.42g(3.1mmol)、2−プロパノール116.01g、キシレン232.02gおよび1.28%塩酸27.51gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ほぼ無色のあめ状物質(以下、「ポリシロキサン(P8)」という。)33.76gを得た。このポリシロキサン(P8)のMnを測定したところ、1300であった。また、25℃における粘度は測定できなかった。
また、ポリシロキサン(P8)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.7〜6.4(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は64%であった。
また、ポリシロキサン(P7)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。アルコキシシリル基(アルコキシ基)の割合も1H−NMRより求めることができる。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、実施例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
比較例1
トリエトキシシラン246.41g(1500mmol)、トリメトキシビニルシラン74.12g(500mmol)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン67.16g(500mmol)、2−プロパノール500g、トルエン1000gおよび1.28%塩酸136.90gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ほぼ無色の液体(以下、「ポリシロキサン(C1)」という。)154.60gを得た。このポリシロキサン(C1)のMnを測定したところ、1700であった。また、25℃における粘度を測定したところ、522mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(C1)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.6(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.65〜6.5(br,CH=CH2)。
1H−NMRより、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応率は45%であった。
また、ポリシロキサン(C1)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
次に、得られたポリシロキサンを用いて、2種の硬化条件によりポリシロキサン硬化物を製造し、実施例1と同様にしてその評価を行った。
バーコーターを用いて上記ポリシロキサン(ヒドロシリル化触媒を含まない)をガラス板上に塗布した後、130℃で4時間加熱硬化させて、膜厚約10μmの硬化物(硬化膜)を得た。このときクラックの発生は認められなかった。この硬化物をTG/DTAにて評価した結果、窒素ガス雰囲気下(昇温速度20℃/分)での5%重量減少温度は670℃であった。空気雰囲気での5%重量減少温度は890℃であった。その結果を表4に示した。
一方、バーコーターを用いて上記ポリシロキサン(ヒドロシリル化触媒を含まない)を鋼板(SPCC−SD)上に塗布した後、130℃で4時間加熱し、更に、170℃で4時間または200℃で1時間加熱することにより硬化させて、膜厚約10μmの硬化物を得た。この硬化物にはクラックが発生していた。上記の評価結果を表4に示した。
比較例2
トリエトキシシラン24.64g(150mmol)、トリメトキシビニルシラン22.23g(150mmol)、ジメトキシメチルシラン15.93g(150mmol)、2−プロパノール76.29g、キシレン259.95gおよび1.28%塩酸21.90gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ほぼ無色の高粘度液体(以下、「ポリシロキサン(C2)」という。)28.52gを得た。このポリシロキサン(C2)のMnを測定したところ、1700であった。また、25℃における粘度を測定したところ、31700mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(C2)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):−0.2〜0.7(br,Si−CH3)、0.9〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.7(br,OCH(CH32,Si−H)、5.7〜6.6(br,CH=CH2)。
ポリシロキサン(C2)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、比較例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
比較例3
トリエトキシシラン49.28g(300mmol)、トリメトキシビニルシラン35.58g(240mmol)、2−プロパノール144.39g、キシレン513.84gおよび1.28%塩酸29.57gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ほぼ無色の高粘度液体(以下、「ポリシロキサン(C3)」という。)38.61gを得た。このポリシロキサン(C3)のMnを測定したところ、1200であった。また、25℃における粘度を測定したところ、281000mPa・sであった(表1参照)。
また、ポリシロキサン(C3)の1H−NMRの分析結果は、以下のとおりであった。
1H−NMR(C66,δ(ppm)):0.7〜1.5(br,OCH(CH32、OCH2CH3)、3.5〜4.1(br,OCH2CH3)、4.1〜5.5(br,OCH(CH32,Si−H)、5.6〜6.5(br,CH=CH2)。
ポリシロキサン(C3)において、未反応または生成したアルコキシシリル基(イソプロポキシシリル基およびエトキシシリル基)が観測された。これらの分析値を表2に示した。
表1に記載したMnおよび表2に記載した各構成単位のモル比から、ポリシロキサン1分子あたりに含まれる各構成単位の平均個数を求めて表3に示した。
また、比較例1と同様にしてTG/DTAによる耐熱性の評価を行った。その結果を表4に示した。
Figure 2009066608
表1の「ケイ素化合物(M)」に記載された、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンおよび1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンは、1分子中に2個のケイ素原子を含むため、仕込み量が1モル(モル比)である場合、表2などにおける構造単位Mを2モル形成する。
Figure 2009066608
表2において、構造単位Tおよび構造単位Dのモル比は、対応する化合物が化学量論的に反応したと仮定した値である。また、構造単位Mおよびアルコキシ基のモル比は、1H−NMR分析のデータから算出した。即ち、構造単位Mおよびアルコキシ基のモル比は、実施例1〜3、7および8、ならびに比較例1〜3については、構造単位T中のビニル基由来のピークおよび各単位中のメチル基由来のピークの面積比から求めた。また、実施例4〜6については、構造単位D中のメチル基由来のピークおよび各単位中のメチル基由来のピークの面積比から求めた。
Figure 2009066608
Figure 2009066608
表4において、「○」は、クラックが観察されなかったことを、「×」は、クラックが観察されたことを示す。
本発明のポリシロキサンは耐熱性皮膜の形成に有用である。ポリシロキサンを硬化させて得られる耐熱性皮膜は、耐水性、耐薬品性、安定性、電気絶縁性および耐擦傷性等の機械的強度等においても良好な諸特性を有することから、エレクトロニクス分野、光機能材料分野、航空宇宙分野をはじめとする広範な分野における物品あるいは部品等の皮膜や層として用いることができる。半導体等におけるパッシベーション膜、レジスト膜、層間絶縁膜等にも用いることができ、各種の保護膜としても使用できるものである。

Claims (8)

  1. 加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を、加水分解・重縮合反応させて得られたポリシロキサンであって、
    上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、
    上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種はヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有し、且つ、
    上記ポリシロキサンは、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基、ヒドロシリル基およびアルコキシシリル基を有し、数平均分子量が500〜20000であることを特徴とするポリシロキサン。
  2. 下記一般式(1)で表される構成を含む請求項1に記載のポリシロキサン。
    Figure 2009066608
    〔式(1)において、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。ただし、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
  3. 請求項1または2に記載のポリシロキサンの製造方法であって、
    加水分解性基を3個有するケイ素化合物(T)、加水分解性基を2個有するケイ素化合物(D)および加水分解性基を1個有するケイ素化合物(M)を有機溶媒の存在下または非存在下に、加水分解・重縮合反応させる第1工程を含み、
    上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種は、ヒドロシリル基を有し、且つ、
    上記ケイ素化合物(T)、上記ケイ素化合物(D)および上記ケイ素化合物(M)の少なくとも1種はヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有することを特徴とするポリシロキサンの製造方法。
  4. ケイ素化合物(T)が有する加水分解性基はアルコキシ基であり、ケイ素化合物(D)が有する加水分解性基はアルコキシ基であり、ケイ素化合物(M)が有する加水分解性基はアルコキシ基またはシロキシ基である請求項3に記載のポリシロキサンの製造方法。
  5. 上記第1工程の後に、沸点90℃以上の芳香族炭化水素からなる溶媒の存在下に水を留去させる第2工程を含む請求項3または4に記載のポリシロキサンの製造方法。
  6. 上記ポリシロキサンが、下記一般式(2)で表される構成を含む請求項3乃至5のいずれかに記載のポリシロキサンの製造方法。
    Figure 2009066608
    〔式(2)において、Aはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R1は炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基、または炭素数3〜20の2価の脂環族基であり、nは0または1であり、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR2は同一でも異なっていてもよい。)であり、R3は水素原子またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基であり、R4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、またはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基(1分子中のR4は同一でも異なっていてもよい。)であり、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、v、x、yおよびzは正の数であり、wは0または正の数であり、0.001≦x/(v+w)≦2であり、0.01≦y/(v+w)≦2であり、0.01≦z/(v+w+x+y)≦1である。ただし、w=0のとき、R2、R3およびR4の少なくともいずれか1つはヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素不飽和基を有する炭素数2〜10の有機基である。〕
  7. 請求項1または2に記載されたポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を含むことを特徴とするポリシロキサン硬化物の製造方法。
  8. 請求項1または2に記載されたポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応用触媒の非存在下において50℃以上150℃未満の温度で加熱する工程、および、150℃以上700℃以下の温度で加熱する工程を、順次、含むことを特徴とするポリシロキサン硬化物の製造方法。
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