JPWO2009051254A1 - 銅合金粉末およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

酸化性、電気伝導性に優れ、焼結開始温度を任意に設定することができ、その原料費、製造設備費からなる生産コストを安価にした銅合金粉末を提供する。アルミニウムを0.05〜3.00質量%含有し残部が銅および不可避不純物からなり、必要に応じてさらに硼素を0.01〜0.10質量%含有させ、水アトマイズ法により造粒する。

Description

本発明は、電子部品に用いる導電性ペーストに最適な銅合金粉末およびその製造方法に関するものである。
銅合金粉末は、電子回路基板の回路形成用、あるいはスルーホール穴埋め用、あるいは積層コンデンサの電極形成用などに用いられる導電性ペーストや導電フィラーの材料として広く用いられ、その特性として、低い電気比抵抗と高い耐酸化性が要求されるとともに、用途に応じた母材との焼結特性が要求されている。
例えば、積層コンデンサの外層回路の形成に使用する場合、完成した焼結体への外部電極の取り付けおよび基板パターンとの接続を行うため、焼結体にダメージを与えないということや、酸化による電気比抵抗の増加を防止するため雰囲気中で酸化されないこと、さらにはより低い焼結開始温度を有することが望まれている。具体的には焼結開始温度が概略500℃以下であって、耐酸化性に優れた特性を有することが要求されている。
また、内層回路の形成に使用する場合、セラミック誘電体と内部電極とを同時焼結しているため、セラミック誘電体を形成するセラミック層と内部電極を形成する銅層との間の剥離や内部電極を形成する銅層中のクラック防止の観点から、銅合金粉末はより高い焼結開始温度を有し、焼結時の雰囲気によって酸化されないものが望まれている。現状、セラミック誘電体の焼結温度が概略900〜1,100℃に設定されているため、セラミック誘電体の焼結収縮挙動に類似した焼結特性を示す銅合金粉末が求められており、具体的には焼結開始温度が概ね500℃以下である場合には、セラミック誘電体と内部電極が剥離したりクラックが発生しやすくなるため700〜1,100℃であることが望まれている。
前記のような電子部品の導電性ペーストに用いられる銅合金粉末の要望に対し、銅粉末に焼結開始温度、電気比抵抗、耐酸化性を向上させる作用を有する元素を添加する方法(例えば、特開2001−118424号公報、特開2001−131655号公報及び特開2003−168321号公報)、および銅粉末表面に処理を行う方法(例えば、特開2006−117959号公報)が提案されている。
特開2001−118424号公報の発明は、積層セラミックコンデンサの外部電極形成に用いる導電ペースト用銅合金粉に関するもので、純銅よりも低温で焼結が可能な材料としてSnやZnを添加した平均粒子径が0.1〜1.0μmの銅合金粉末が開示されている。しかしながら、焼結開始温度は記載されておらず、電気比抵抗は8〜21μΩ・cmとやや高く、またSnやZnの添加量が5〜50重量%の範囲で多量に必要としているため材料費を低減することが困難である。
特開2001−131655号公報の発明は、平均粒子径が0.1〜1.0μmの積層セラミックコンデンサの内部電極形成に用いる導電ペースト用銅合金粉末に関するもので、電気比抵抗が1.7〜4.5μΩ・cmで優れ、焼結開始温度を純銅のそれよりも高くするためにAg、Cr、Zrの1種または複数種を添加している。その実施例において、平均粒子径が1μmにおける純銅粉の焼結開始温度が200℃に対し当該発明の銅合金粉末の焼結開始温度は前記添加剤を0.1〜20重量%添加して210〜270℃に上昇させている。しかしながら、内部電極用として使用する場合は前記焼結開始温度をさらに高温にする必要があり、添加剤であるAg、Cr、Zrは高価な元素であるため材料費を低減することが困難である。
特開2003−168321号公報の発明は、特許文献2と同様の平均粒子径が0.1〜1.0μmの積層セラミックコンデンサの内部電極形成に用いる導電ペースト用銅合金粉末に関するもので、電気比抵抗は1.8〜2.5μΩ・cmで優れ、焼結開始温度を純銅のそれよりも高くするためにTa、Wの1種または複数種を添加している。その実施例において、平均粒子径が0.5μmにおける純銅粉の焼結開始温度が200℃に対し当該発明の銅合金粉末の焼結開始温度は前記添加剤を0.1〜20重量%添加して500〜760℃に上昇させて大幅に改善している。しかしながら、Ta、Wは高価な元素であるため材料費を低減することが困難である。
特開2006−117959号公報の発明は、多層セラミック基板における外層回路、内層回路及びビア形成に用いることを目的として表面に含窒素複素環化合物を被覆し、平均粒子径を好ましくは0.1〜10.0μmとした銅粉に関するもので、焼結開始温度を純銅のそれよりも高くするための手段として銅粉の表面に含窒素複素環化合物を被覆している。その実施例において、平均粒子径が1.5μmと3μmの純銅粉の焼結開始温度が約500℃に対し当該発明の銅合金粉末の焼結開始温度は700℃以上に上昇させて大幅に改善している。しかしながら、800℃を超えるには至っていない。
前記のように、従来の技術に開示されている電子部品の導電性ペーストに用いられる銅合金粉末は、添加する元素によりいずれも耐酸化性、焼結開始温度、電気比抵抗について改善はされているが、その添加元素の材料費の低減と更なる焼結開始温度の高温化が望まれている。
本発明は、添加する元素の材料費、および造粒手段の設備費をトータルとした生産コストを安価にし、電気比抵抗が小さく、耐酸化性に優れ、焼結開始温度を従来の技術で得られなかった高温域(電子部品の誘電材料に焼結させる場合、1,000゜C前後要求される)まで容易に調整することができる銅合金粉末を提供することにある。
前記、課題を解決するためになされた本発明は、アルミニウム(Al)を0.05〜3.00重量%含有し、残部が銅および不可避不純物からなることを特徴とする銅合金粉末を第1の発明とするもので、アルミニウムの含有量が0.05重量%より少ないと、焼結開始温度を下げることはできるが、酸化開始温度も低くなり耐酸化性が大きく低下する。また、アルミニウムの含有量が3.00重量%を超えると耐酸化性は向上するが、電気比抵抗が許容値を超えることや、焼結せずに融点を迎えてしまうため電子材料用途には向かない。なお、前記の不可避不純物とは、Ag、Au、As、Bi、Sn、Pb、Ni、Te、Se、S、Fe、P、Mg、Zn等からなるもので、これら不純物の合計が0.05重量%以下であれば本発明の実施に何ら問題はない。
また、アルミニウム(Al)を0.05〜3.00重量%、硼素(B)を0.01〜0.10重量%含有することを特徴とする銅合金粉末を第2の発明とするもので、前記硼素の含有については、本発明者らの出願による特開2008−95169号公報(2006年10月16日出願)にて、電気比抵抗を増加させずに溶湯を脱酸する元素として硼素の添加が有効であることを記載したが、本発明において、当該硼素の含有による作用効果について、焼結開始温度の高温化と耐酸化性の向上に関する効果がアルミニウムの添加による効果よりも少ないが、電気比抵抗を維持しながら焼結開始温度と耐酸化性を微調整するには有効な元素であることが明らかとなり、その硼素の含有量が0.01重量%未満では脱酸効果が十分に得られず、0.1重量%を超えると微調整の効果が飽和するため材料費の増加となるもので、その含有量は0.01〜0.10重量%の範囲が好適である。
また、前記第1または第2の発明による銅合金粉末の平均粒子径が0.2〜10.0μmの範囲であることを特徴とする銅合金粉末を第3の発明とするもので、当該第3の発明は、造粒方法がアトマイズ法による場合、その平均粒子径が0.2μm未満の粉末は分級工程を設けても収率が低く、平均粒子径が10.0μm以上の粉末はその造粒率は低下するものであって、0.2〜10.0μmの範囲が好適である。
また、銅に、0.05〜3.00重量%のアルミニウムを単独で添加し、または0.05〜3.00重量%のアルミニウムと0.01〜0.10重量%の硼素を複合添加し、その添加含有量を変更することによって、当該焼結開始温度を360℃〜1,050℃の範囲で、アルミニウムの添加含有量の変更による焼結開始温度の大きな調整と、硼素の添加含有量の変更による焼結開始温度の微調整ができるようにしたことを特徴とする銅合金粉末の製造方法を第4の発明とする。
また、前記第1〜3の発明のいずれかによる銅合金粉末を水アトマイズ法で造粒することを特徴とする銅合金粉末の製造方法を第5の発明とするもので、当該第5の発明は、硼素の微量添加によって前記した焼結開始温度の微調整と相まって溶湯を脱酸する効果もあるから、設備費が高価となりかつ微粒子が造粒し難いガスアトマイズ法ではなく、設備費が安価でかつ微粒子の造粒に好適な高圧水アトマイズ法を用いることが出来る。すなわち、微粒子の造粒に好適な水アトマイズ法では銅合金粉末が酸化されやすいため、従来、酸化を防止する雰囲気中でガスアトマイズ法にて造粒していた。そのために造粒するための設備が複雑となり、また、高価なものであった。本願発明によれば、硼素の微量添加によって効果的に脱酸することが出来るので、水アトマイズ法にて酸素濃度の低い微粒子の銅合金粉末を造粒することが出来る。よって、造粒するための設備を簡素化することが可能となる。
本発明の銅合金粉末は、電気比抵抗が小さく、耐酸化性に優れ、添加剤をアルミニウム単体、またはアルミニウムと硼素の複合とした場合の添加含有量を変更することによって、焼結開始温度を360℃〜1,050℃の範囲で調整することができるから、例えば、積層セラミックコンデンサの外部電極用材料、および内部電極用材料の双方に用いることができる。また、硼素の微量添加によって効果的に溶湯を脱酸することが出来るから、設備費が安価となる水アトマイズ法を用いて製造することができる。
この出願は、日本国で2007年10月18日に出願された特願2007−271770号に基づいており、その内容は本出願の内容として、その一部を形成する。
また、本発明は以下の詳細な説明により更に完全に理解できるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が、当業者にとって明らかだからである。
出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、開示された改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
本明細書あるいは請求の範囲の記載において、名詞及び同様な指示語の使用は、特に指示されない限り、または文脈によって明瞭に否定されない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈すべきである。本明細書中で提供されたいずれの例示または例示的な用語(例えば、「等」)の使用も、単に本発明を説明し易くするという意図であるに過ぎず、特に請求の範囲に記載しない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。
本発明の銅合金粉末を稼動条件が水圧100MPa、水量100L/minの水アトマイズ法にて造粒したのち、気流分級装置(日清エンジニアリング製:ターボクラシファイア)により分級して平均粒径1.6μmの粉末を捕集し、焼結開始温度、酸化開始温度、および電気比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
焼結開始温度に関し、表1に示す実施例1〜実施例5より、アルミニウムの含有量を0.05重量%から3.00重量%まで増加させると、当該アルミニウムの含有量に比例して焼結開始温度が上昇する傾向があって、アルミニウムの含有量が0.05重量%(実施例1)では、純銅(比較例1)の焼結開始温度(510゜C)より低く、アルミニウムの含有量が0.1〜3.00重量%では純銅の焼結開始温度より高くなる。アルミニウムの含有量が3.00重量%を超えた比較例3では焼結開始が認められないまま融点に達していることから、アルミニウム含有量の上限は3.00重量%が最適である。
焼結開始温度を知るために実施した温度に対する膨張収縮率を確認するためには、焼結が開始されると収縮が起こることからその膨張収縮率の変化を確認すればよい。その測定方法は、合金粉末に圧力をかけて圧粉体を作製し、この圧粉体の高さと温度の関係を熱機械測定装置(リガク製:Termo Plus2/TMA)にて測定し、圧粉体が収縮を始めた温度を焼結開始温度とした。
表1に示す実施例および比較例のうち、代表例として実施例1(Al含有量:0.05重量%)、実施例4(Al含有量:1.00重量%)、比較例1(Al含有量:0.00重量%)の試験を行いその結果を図1に示した。本図から、実施例1と実施例4においては、その膨張収縮率が0%から右肩上がりで伸びる直線より膨張収縮率がマイナス側に下降するポイントの温度が焼結開始温度(360゜C、970゜C)であり、比較例1においては前記直線より一旦膨張してプラス側に上昇し収縮して下降するポイントの温度が焼結開始温度(510゜C)である。
また、酸化開始温度に関し、アルミニウムの含有量が0.05重量%以上では、0.05重量%未満である表1に示す比較例1〜2よりも著しく上昇し耐酸化性が改善されていることから、アルミニウム含有量の下限は0.05重量%が好適である。
酸化開始温度を知るためには、加温して酸化すると材料の表面に酸化層が形成され、材料の重量が前記酸化層の重量分増加するから、その重量増加が開始するポイントの温度を確認すればよい。その測定方法は、示差熱天秤(リガク製:TermoPlus2/TG−DTA)により窒素気流中にて重量測定を行い重量増加率が0.02%を超える温度を酸化開始温度とした。
前記焼結開始温度の試験にて代表例とした表1に示す実施例1、実施例4、比較例1の酸化開始温度の試験を行いその結果を図2に示した。本図で、重量増加(%)=0から各曲線(実施例1、実施例4、比較例1)の立ち上がりがスタートするポイントの温度が実質的に酸化開始温度(280゜C、420゜C、150゜C)であり、実施例1、実施例4の酸化開始温度(280℃、420℃)は、いずれも比較例1のそれ(150℃)より高温であるから酸化し難く耐酸化性に優れていることが分かる。
さらに、電気比抵抗に関しては、表1に示すとおりアルミニウムの含有量が0.1〜3.00重量%の実施例1〜5、およびアルミニウムの含有量が0.1〜3.00重量%の範囲であり硼素の含有量が0.01〜0.10重量%とした実施例6〜10のいずれにおいても、純銅(比較例1)の6倍以内であり実用上許容範囲内である。
その測定方法は、バルクサンプルを作製し、直流四端子法にて測定する方法を用いた。
また、電子部品の製造に用いる銅合金粉末の造粒工程における溶湯中の酸素濃度は、その電極の酸化ならびに電気抵抗値の上昇等を抑制するために低くければ低いほど望ましく、導電性ペーストに使用する銅合金粉末の酸素濃度は、0.3wt%以下が望ましい。表1には実施例および比較例での酸素濃度も示す。
その酸素濃度の測定は、ガス分析装置(堀場製作所製:EMGA−2200)を用いて測定した。
以上、銅合金粉末の添加剤としてアルミニウムの特性を述べたが、アルミニウムを添加することによって銅合金粉末の表面に非常に薄く(数10オングストローム程度)、かつ緻密な酸化被膜(酸化アルミニウム/Al)を形成することができるため、粉末相互の電気伝導を低下させずに、かつ高温における酸化の進行速度を遅くする特徴もある。
また、硼素を添加した効果に関しては、アルミニウムの含有量を0.05重量%一定とし、硼素の含有量を0.01〜0.1重量%の範囲で増加させた実施例6〜8より、電気比抵抗を増加させずに焼結開始温度を若干増加させて微調整ができることが判る。さらに、アルミニウムの含有量を1.00重量%とし硼素の含有量を0.05重量%とした実施例9とアルミニウムの含有量が実施例9と同量の実施例4と比較しても電気比抵抗を増加させずに焼結開始温度を若干増加させて微調整ができた。さらに、アルミニウムの含有量が同量(0.05重量%)の銅合金に硼素を0.01重量%添加した効果を実施例1と実施例6を比較して検討した結果、焼結開始温度を上昇させるまでの効果がなかったが、酸素濃度が0.29重量%から0.16重量%に低下し酸素を取り除く効果(=脱酸効果)があった。これは添加した硼素が溶湯中の酸素と結合した結果であることが推察される。
さらに、アルミニウムの含有量を0.05重量%とし硼素の含有量を0.30重量%とした比較例4と、硼素の含有量を0.10重量%とした実施例8と比較した場合、硼素の含有量に関わらず焼結開始温度、酸化開始温度、電気比抵抗に変化が見られなかったため、経済性を考慮して硼素の上限・含有量を0.10重量%とした。なお、アルミニウムの添加に対してさらに硼素を添加するかどうかは、造粒する粉末の粒度や焼結開始温度等の要求値によって適宜決定すれば良く、前記の脱酸効果については粉末の粒度が細かいほどその効果が期待できる。
また、チタン酸バリウムからなる誘電体粉末とNi粉末を交互に積層して焼結した積層セラミックコンデンサの両端部に、実施例1の銅合金粉末に有機バインダー等を添加して作製した導電ペーストを塗布して外部電極を形成した後、乾燥等の工程を経て焼結した結果、剥離やクラックは発生せず均一な接合状態が得られた。
また、チタン酸バリウムからなる誘電体粉末を積層して焼結した積層セラミックコンデンサに、実施例9の銅合金粉末を使用して内部電極を試作した結果、焼結温度を1,050℃に設定しても前記実施例9の銅合金粉末からなる内部電極が収縮しすぎて生じる変形やクラックは発生しなかった。
以上のように、本発明の銅合金粉末は、アルミニウム単独またはアルミニウムと硼素の複合添加によって、電気比抵抗の増加を実用の範囲内に抑制しつつ、焼結開始温度を360〜1050℃という極めて広い範囲で任意に設定できることから、例えば、積層セラミックコンデンサの外部電極および内部電極の双方の夫々に、導電ペースト用銅合金粉末として用いることができる。さらに、耐酸化性に優れ、水アトマイズ法によって安価に製造することができる。
Figure 2009051254
本発明に係る銅合金粉末は、従来の銅合金粉末と比較して耐酸化性、電気伝導性に優れ、かつ任意の焼結開始温度に設定できることから、利用分野を大幅に拡大できるものであり、添加する合金元素(アルミニウム、硼素)の原料費および造粒方法として採用できる水アトマイズ法の設備費からなる生産コスト、を安価にすることができるから工業的価値極めて大なものである。
表1に示す実施例1、実施例4、比較例1の焼結開始温度を知るために実施した温度と膨張収縮率との関係を示す試験図である。 表1に示す実施例1、実施例4、比較例1の酸化開始温度を知るために実施した温度上昇に伴いう粉末の重量変化の関係を示す試験図である。

Claims (5)

  1. アルミニウム(Al)を0.05〜3.00重量%含有し、残部が銅および不可避不純物からなることを特徴とする銅合金粉末。
  2. アルミニウム(Al)を0.05〜3.00重量%と硼素(B)を0.01〜0.10重量%含有し、残部が銅および不可避不純物からなることを特徴とする銅合金粉末。
  3. 平均粒子径が0.2〜10.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅合金粉末。
  4. 銅に、0.05〜3.00重量%のアルミニウムを単独で添加し、または0.05〜3.00重量%のアルミニウムと0.01〜0.10重量%の硼素を複合添加し、その添加含有量を変更することによって、当該焼結開始温度を360℃〜1,050℃の範囲でアルミニウムの含有量の変更により大きな調整と、硼素の含有量の変更により微調整ができるようにしたことを特徴とする銅合金粉末の製造方法。
  5. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金粉末を、水アトマイズ法で造粒することを特徴とする銅合金粉末の製造方法。
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