JP6467535B1 - 溶浸用Cu系粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】
Fe系基材の溶浸材になる溶浸用Cu系粉末であって、該Cu系粉末からなる溶浸材は、溶浸率が高くてFe系基材を高密度化できるため、高強度であり高靭性なFe系合金の焼結部品を製造することができ、また、基材表面を浸食しないから、溶浸後の基材の表面状態は良好であり、しかも、溶浸後に残滓が残らないから、残滓除去工程が不要な溶浸材になる溶浸用Cu系粉末を提供する。
【解決手段】
溶浸用のCu系粉末であって、前記Cu系粉末は、Fe又はCoを1.5〜4.0質量%とCuとを含有し、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域におけるCr酸化物の標準生成自由エネルギー以下である元素の総含有量が0.3質量%以下である溶浸用Cu系粉末。
【選択図】なし

Description

本発明はFe系基材の溶浸に使用するCu系粉末に関する。詳しくは、該Cu系粉末からなる溶浸材は、溶浸率が高いからFe系基材を高密度化できるため、高強度であり高靭性なFe系合金の焼結部品を製造することができ、また、該溶浸材は基材表面を浸食しないから、溶浸後の基材の表面状態は良好であり、しかも、溶浸後に残滓が残らないから、残滓除去工程が不要な溶浸材になる溶浸用Cu系粉末に関する。
機械部品には常に高強度化、高靱性化の要請があるため、機械部品になるFe系合金の焼結部品にはさらなる高密度化が求められている。
Fe系合金の焼結部品を高密度化する方法としては、Fe系金属粉の圧粉体や焼結体等(以下「基材」と言う)にCu又はCu合金を溶浸させる技術が確立されている。
溶浸とは、気孔を有する基材に該基材よりも融点の低いCuやCu合金の圧粉体(以下「溶浸材」と言う)を基材と接触させて加熱し、加熱によって溶融した溶浸材が毛細管現象によって基材に浸透して基材内部の気孔を満たすことで気孔を減少させる技術である。
気孔が減少することで基材の密度が上がり緻密性が向上するため、高強度化や高靱性化が望める。
一般に溶浸材には、溶浸率(基材と接触させた溶浸材の重量に対する基材に浸透した溶浸材の重量の比)が高いことが求められる。
また、基材中のFeが接触させた溶浸材へ溶融すると基材表面が荒れたり、窪みができたりする(以下、「浸食」と言う)ため、溶浸材には基材表面を浸食しないことが求められると共に、基材表面に残留物(以下「残滓」と言う)が残らないことや、仮に、残滓が残ったとしても固着せずに容易に除去できることが求められる。
このような要求を満足させるべく、微量のMn、Al、Si等の元素を含有させることで高い溶浸率を維持しながら、これらの元素が溶浸過程で酸化物を形成して残滓の一部となって基材の表面に残ることで、溶浸しきれずに残存した溶浸材が基材に固着することを抑制しようとする溶浸材が提案されている(例えば後述の特許文献1)。
しかし、Mn、Al、Si等の濃度が高いと、溶浸しきれなかった溶浸材による残滓の他に、これら元素の酸化物による残滓が生じて残滓の量が増えるといった問題がある。
また、Mn,Al,Siのように、通常の溶浸雰囲気(例えば、水素を含む露点−30℃程度の焼結雰囲気)において極めて酸化され易い元素は、各原料の製造工程等で不可避的に混入する場合もあり、溶浸材中にこのような元素が多く含まれると、溶浸過程で溶浸材粉末の粒子表面や液相表面に当該元素の酸化被膜が形成されて、溶浸不良や残滓発生の原因となる虞もある。
残滓を残さない方法としては、Cu単体を溶浸する方法が知られている。
しかし、Cu単体の溶浸材の場合は、溶浸率が高く、残滓は残らないという特長があるが、基材表面に浸食が発生するという問題がある。
そこで、溶浸率が高い溶浸材であって、基材表面に浸食がなく、しかも、残滓が残らず、残滓除去工程が不要である溶浸材の開発が望まれている。
特開2013−133518号公報
特許文献1には、Fe1.5〜5.5質量%、Mn1.0〜2.5質量%、Zn1.0〜2.0質量%、Al0.01〜0.1質量%、Si0.1〜0.6質量%、残部がCuからなる粉末を成形した溶浸材が開示されている。
特許文献1に開示される溶浸材は、溶浸率が高く、表面の浸食も抑制できるが、Mn,Al,Siが、溶浸過程で酸化物を形成して残滓となるため、溶浸後に残滓除去工程が必要になるという問題がある。
本発明者らは、前記諸問題を解決することを技術的課題とし、試行錯誤的な数多くの試作・実験を重ねた結果、Fe又はCoを1.5〜4.0質量%とCuとを含有し、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域におけるCr酸化物の標準生成自由エネルギー以下である元素の総含有量が0.3質量%以下であるCu系粉末からなる溶浸材であれば、溶浸率が高くて基材表面の浸食がなく、しかも、残滓が残らないから残滓除去工程が不要になるという刮目すべき知見を得て、前記技術的課題を達成したものである。
前記技術的課題は次のとおりの本発明によって解決できる。
本発明は、Fe又はCoを1.5〜4.0質量%とCuとを含有し、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域におけるCr酸化物の標準生成自由エネルギー以下である元素の総含有量が0.3質量%以下である溶浸用Cu系粉末である。
また、本発明は、Znを0.5〜3.0質量%含有する前記溶浸用Cu系粉末である。
また、本発明は、潤滑剤を0.1〜1.0質量%含有する前記溶浸用Cu系粉末である。
また、本発明は、前記溶浸用Cu系粉末を用いた溶浸材である。
なお、本発明における「1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物」とは、当該元素の最も低級な凝縮相が固相である場合には固相の酸化物、液相である場合には液相の酸化物をいう。
本発明に係る溶浸用Cu系粉末は、鉄(Fe)又はコバルト(Co)を1.5〜4.0質量%含有するため、該溶浸用Cu系粉末からなる溶浸材は溶浸率が高く、Fe系基材を高密度化することができるから、高強度で高靭性なFe系合金の焼結部品を製造できる溶浸材になる。
また、基材表面を浸食しないから、表面状態が良好な焼結部品を製造できる溶浸材になる。
また、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが、前記温度域におけるCr酸化物の標準生成自由エネルギー以下である元素の総含有量が0.3質量%以下だから、基材表面に残滓が残らない溶浸材になる。
また、亜鉛(Zn)を0.5〜3.0質量%含有させれば基材と溶浸材との濡れ性が良くなるから、さらに溶浸率が高い溶浸材になる。
また、潤滑剤を0.1〜1.0質量%含有させれば、潤滑性が向上するため成形し易い溶浸材になる。
一般的に基材に対する溶浸用Cu系粉末の溶浸は、包晶温度よりも高い1373K〜1423Kの温度域(以下「溶浸温度域」と言う)で行われる。
溶浸温度域におけるFeの飽和溶解度は約5.0質量%である。
基材にCu単体を溶浸させると、基材中のFeが溶浸材側へ溶融するために基材表面に浸食による窪み(以下「浸食ピット」と言う)ができたり、表面が荒れたりすることがあるが、本発明における溶浸用Cu系粉末には、予めFeを添加しているので、このような基材表面の浸食を防止することができる。
本発明における溶浸用Cu系粉末におけるFeの含有量は1.5〜4.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、2.0〜3.5質量%である。
1.5質量%未満では浸食防止効果が弱くなり、4.0質量%を超えて含有すると、溶浸温度域ではFeが溶浸材中に溶解しきれず、基材表面に固着する虞があるからである。
Feの形態は限定されず、単体粉末、合金粉末、部分合金化粉末等のいずれでもよいが、合金粉末又は部分合金化粉末が好ましい。
単体粉末は溶浸条件によってはCuに拡散し難くなるからである。
本発明における溶浸用Cu系粉末が含有するCoは、Feと同様にCuに溶解して基材表面の浸食ピットや荒れを防止することができる。
Coの含有量はFeと同様、1.5〜4.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、2.0〜3.5質量%である。
1.5質量%未満では浸食防止効果が弱くなり、4.0質量%を超えると、溶浸温度域ではCoが溶浸材中に溶解しきれず、基材表面に固着する虞があるからである。
Coの形態は限定されず、単体粉末、合金粉末、部分合金化粉末等のいずれでもよいが、合金粉末又は部分合金化粉末が好ましい。
単体粉末は一般的な溶浸温度域ではCuに拡散し難いからである。
本発明における溶浸用Cu系粉末に含まれる溶浸温度域における最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxが当該温度域におけるCr酸化物のΔG MOx以下である元素の総含有量は0.3質量%以下である。
ΔG MOxとは標準生成自由エネルギーのことであり、単位は「kJ/mol−O」又は「kcal/mol−O」である。
溶浸温度域における最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxが当該温度域におけるCr酸化物のΔG MOx以下である元素とは、通常の溶浸雰囲気(例えば、水素を含む露点―30℃程度の焼結雰囲気)において、極めて酸化され易い元素であり、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等を挙げることができる。
当該元素は、溶浸過程において溶浸用粉末の粒子表面や液相表面に当該元素の酸化被膜を形成して溶浸不良の原因となったり、残滓となったりするため多く含有することは好ましくない。
しかし、当該元素は意図的に添加しない場合でも原料となる粉末の製造工程等で不可避的に混入することがあるため、本発明における溶浸用Cu系粉末では残滓が残らない限界値である総含有量が0.3質量%以下に限定した。
また、当該元素の総含有量が0.1質量%以下であれば、残滓量がさらに少なくなるためより好ましい。
本発明における溶浸用Cu系粉末を混合粉として構成する場合には、原料となる各粉末に含まれる当該元素の総含有量が全て0.3質量%以下である必要はなく、当該元素の含有量が少ない原料の粉末と混合することで全体として総含有量0.3質量%以下を満たせばよい。
本発明におけるCu系粉末に含まれる当該元素が0.3質量%以下であるかどうかは、例えば、ICP発光分光分析装置で測定して、当該元素の合計が0.3質量%以下であることを確認すればよい。
一方、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、インジウム(In)、リン(P)等のように、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物のΔG MOxが当該温度域と同一の温度域におけるCr酸化物のΔG MOxよりも大きい元素は、前出の通常の溶浸雰囲気において酸化し難く、不純物として混入した場合でも溶浸不良を引き起こしたり、残滓が残ったりすることはない。
本発明における溶浸用Cu系粉末は亜鉛(Zn)を含有してもよい。
Znの添加は溶浸材の融点を下げる効果や溶浸材と基材の濡れ性を改善する効果がある。濡れ性が改善すればさらなる溶浸率の向上が望める。
Znの含有量は、0.5〜3.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜2.0質量%である。
Znが0.5質量%未満であれば、濡れ性の向上が見られなくなり、また、3.0質量%を超えて含有すると、溶浸過程におけるZnの蒸発量が多くなり溶浸材の歩留まりが悪くなって溶浸率が低下するからである。
また、蒸発したZnは焼結炉を汚損する虞もある。
本発明の溶浸用Cu系粉末は各元素の単体粉末又は合金粉末又は部分合金化粉末を混合して製造することができる。
各元素の粉末の製造方法は特に限定されず、アトマイズ法、還元法、電解法、粉砕法等の公知の方法で製造すればよい。
本発明における溶浸用Cu系粉末を構成する各元素の粉末の平均粒子径は1〜300μmが好ましい。
300μmを超えると均一に混合せず成分偏析の原因となる虞があり、1μm未満であるとハンドリング性が悪くなると共に、粉末が高価になるからである。
本発明における溶浸用Cu系粉末には、潤滑剤を添加することができる。
潤滑剤を添加すれば、潤滑性が向上して、成形し易い溶浸材になる。
潤滑剤の添加量は0.1〜1.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜0.8質量%である。
0.1質量%未満であると潤滑性向上の効果が弱く、また、1.0質量%を超えて添加したとしても、潤滑剤の蒸発量が多くなり溶浸材の歩留まりが悪くなって溶浸率が低下するからである。
また、蒸発した潤滑剤は焼結炉を汚損する虞もある。
潤滑剤は特に限定されるものではないが、ステアリン酸亜鉛等の金属セッケンやEBS系ワックス等が好適である。
本発明における溶浸用Cu系粉末は、圧粉成形等の公知の方法で溶浸材に成形することができる。
基材に溶浸材を溶浸させる溶浸法には、基材と溶浸材とを接触させて加熱することで焼結と溶浸とを同時に行う一段溶浸法と、基材をまず一次加熱して予備焼結し、この焼結体に溶浸材を接触させ二次加熱することで溶浸を行う二段溶浸法がある。
二段溶浸法は、予備加熱の過程において粉末粒子間が強固に結合するため強固な骨格構造が得られるという特長があるが、工程が多いため、一般的には一段溶浸法で行われる。
本発明における溶浸用Cu系粉末からなる溶浸材は、溶浸率が高いため、二段溶浸法はもちろんのこと一段溶浸法においても高密度のFe系合金になり、高強度であり高靭性の焼結部品を製造することができる。
本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<基材>
Cuが1.5質量%、Cが1.0質量%、残部がFeとなるように、電解Cu粉末、黒鉛粉末及びアトマイズFe粉末を混合した後、ステアリン酸亜鉛を0.8質量%添加した混合粉末13.7gを巾12mm×長さ30mmの角柱状で密度6.8g/cmの圧粉体となるように成形して基材を作製した。
<溶浸材>
実施例及び比較例の各Cu系粉末は、ICP発光分光分析装置iCAP7600(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)で含有する元素を定量した後、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.5質量%添加し、基材の気孔に対し70体積%となる量の粉末を直径11mmの円板状に圧粉した溶浸材を作製した。
実施例及び比較例の各Cu系粉末に含有させた微量元素は、該微量元素の酸化物の溶浸温度域におけるΔG MOx(kJ/mol−O)がいずれもCr酸化物よりも低い元素である。
1400KにおけるCrと各微量元素のΔG MOx(kJ/mol−O2)を表1に示す。
Figure 0006467535
<溶浸法>
基材の圧粉体上に溶浸材を載せて一段溶浸法により溶浸した。
溶浸条件としては、823Kで30分間加熱して溶浸材中の潤滑剤を脱ロウした後、1403Kで30分間加熱した。
焼結炉内の雰囲気は水素:窒素が3:1の混合ガス雰囲気とした。
(実施例1)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe−Zn合金粉末(Cu/Fe/Zn=Bal./1.5/0.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(実施例2)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe−Zn合金粉末(Cu/Fe/Zn=Bal./4.0/3.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を50質量%、Cu粉末を50質量%配合した。
(実施例3)
実施例2と同じCu−Fe−Zn合金粉末のみを使用した。
(実施例4)
アトマイズ法により製造されたCu−Co−Zn合金粉末(Cu/Co/Zn=Bal./1.5/0.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(実施例5)
アトマイズ法により製造されたCu−Co−Zn合金粉末(Cu/Co/Zn=Bal./4.0/3.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を50質量%、Cu粉末を50質量%配合した。
(実施例6)
実施例5と同じCu−Co−Zn合金粉末のみを使用した。
(実施例7)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe合金粉末(Cu/Fe=Bal./4.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を37.5質量%、Cu粉末を62.5質量%配合した。
(実施例8)
実施例7と同じCu−Fe合金粉末を50質量%、Cu粉末を50質量%配合した。
(実施例9)
実施例9では実施例7と同じCu−Fe合金粉末のみを使用した。
(実施例10)
アトマイズ法により製造されたCu−Co合金粉末(Cu/Co=Bal./4.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を37.5質量%、Cu粉末を62.5質量%配合した。
(実施例11)
実施例10と同じCu−Co合金粉末を50質量%、Cu粉末を50質量%配合した。
(実施例12)
実施例10と同じCu−Co合金粉末のみを使用した。
(実施例13)
Fe粉末(不純物元素は測定限界以下)を2.0質量%、Zn粉末(不純物元素は測定限界以下)を1.5質量%、残部をCu粉末(不純物元素は測定限界以下)として配合した。混合後の成分分析ではSiが0.01質量%検出された。
(実施例14)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe−Zn合金粉末(Cu/Fe/Zn=Bal./4.0/3.0質量%:溶湯中にCr,Si,Ti,Caの総含有量が0.3質量%より多くなるように添加した)を、50質量%、Cu粉末を50質量%配合し、Cr,Si,Ti,Caの総含有量が0.3質量%以下となるようにした。
(比較例1)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe合金粉末(Cu/Fe=Bal./0.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(比較例2)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe合金粉末(Cu/Fe=Bal./5.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(比較例3)
アトマイズ法により製造されたCu−Co合金粉末(Cu/Co=Bal./0.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(比較例4)
アトマイズ法により製造されたCu−Co合金粉末(Cu/Co=Bal./5.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
(比較例5)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe−Zn合金粉末(Cu/Fe/Zn=Bal./2.0/1.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%より多くなるように添加した)を使用した。
(比較例6)
アトマイズ法により製造されたCu−Co−Zn合金粉末(Cu/Co/Zn=Bal./2.0/1.5質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%より多くなるように添加した)を使用した。
(比較例7)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe合金粉末(Cu/Fe=Bal./2.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%より多くなるように添加した)を使用した。
(比較例8)
アトマイズ法により製造されたCu−Co合金粉末(Cu/Co=Bal./2.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%より多くなるように添加した)を使用した。
(比較例9)
実施例13と同じCu−Fe−Zn混合粉末にSi粉末を0.34質量%配合し、Siの総含有量が0.3質量%以上となるようにした。
(比較例10)
実施例14のCu−Fe−Zn合金粉末のみを使用した。
(参考例)
アトマイズ法により製造されたCu−Fe−Zn合金粉末(Cu/Fe/Zn=Bal./2.0/4.0質量%:溶湯中にMn,Si,Alを総含有量が0.3質量%以下となる範囲でごく微量添加した)を使用した。
<溶浸率>
溶浸率は、以下の数1に基づいて計算した。
Figure 0006467535
<残滓>
塊状もしくは粉末状の残滓の有無を目視と触感で確認した。
残滓が確認されたものを「あり」、確認されなかったものを「なし」として評価した。
<浸食>
浸食の有無は顕微鏡による観察(倍率50倍)と目視で確認した。
浸食が確認されたものを「あり」、確認されなかったものを「なし」として評価した。
各実施例の結果を表2、各比較例の結果を表3に示す。
Figure 0006467535
Figure 0006467535
表2及び表3から、本発明における溶浸用Cu系粉末からなる溶浸材の溶浸率は高く、また基材表面には残滓や浸食が観察されないことが証明された。
本発明における溶浸用Cu系粉末からなる溶浸材は溶浸率が高いので、Fe系基材を高密度化できるため、高強度であり高靭性なFe系合金の焼結部品を製造することができ、また、基材表面を浸食しないので、表面状態が良好な焼結部品を製造することができ、しかも、溶浸後に残滓が残らないから、残滓除去工程が不要であるため焼結部品の生産性の向上が望める溶浸材である。
したがって、本発明は産業上の利用可能性の高い発明である。

Claims (4)

  1. 溶浸用のCu系粉末であって、前記Cu系粉末は、Fe又はCoを1.5〜4.0質量%とCuとを含有し、1373K〜1423Kの温度域における最も低級な凝縮相酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域におけるCr酸化物の標準生成自由エネルギー以下である元素の総含有量が0.3質量%以下である溶浸用Cu系粉末。
  2. Znを0.5〜3.0質量%含有する請求項1記載の溶浸用Cu系粉末。
  3. 潤滑剤を0.1〜1.0質量%含有する請求項1又は2記載の溶浸用Cu系粉末。
  4. 請求項1乃至3いずれか記載の溶浸用Cu系粉末を用いた溶浸材。
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