JPWO2009031299A1 - 反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置 - Google Patents

反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置 Download PDF

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Abstract

高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を実現する。反射防止構造部(50)は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収するものである。この反射防止構造部(50)は、基準面(51)上に設けられ基準面(51)とのなす角αが所定角度となる第1側面(71)を有する構造単位(70)が複数並んで構成された基礎構造部(7)と、基礎構造部(7)の表面に形成され、所定の波長以下の周期で規則的に配列された複数の微小凹凸部(8,8,…)とを備えている。

Description

本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置に関するものである。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、このような低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、波長依存性及び入射角依存性が比較的大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1等)。この処理を行うことによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面において緩やかに屈折率が変化することとなる。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。
また、特許文献2には、微小凹凸部を粗面に形成する技術が開示されている。
特開2001−127852号公報 特表2001−517319号公報 ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」、アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol.32,No.14)、P.2582−2598、1993年
しかしながら、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成した場合であっても、十分に高い反射抑制効果が得られない場合がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を提供することにある。
本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体が対象である。そして、基準面上に設けられ且つ該基準面とのなす角が所定角度となる傾斜面を有する構造単位が複数並んで構成された基礎構造部と、前記基礎構造部の表面に形成され、前記所定の波長以下の周期で配列された複数の微小凹凸部とを備えているものとする。
また、本発明に係る光学ユニットは、光学系と、所定の方向から光が入射するように配置された前記反射防止構造体とを備え、前記微小凹凸部は、前記光学系からの光の波長以下の周期で規則的に配列されているものとする。
さらに、本発明に係る光学装置は、前記光学ユニットを備えているものとする。
本発明によれば、高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。 図2は、撮像装置の主要部の構成を示す概略図である。 図3は、レンズ鏡筒の一部を拡大した断面図である。 図4は、レンズ鏡筒の内周面の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図5は、図4の破線円におけるレンズ鏡筒の内周面の微小凹凸部を示す拡大断面図である。 図6は、平滑面に形成された反射防止構造体と平滑面に微小凹凸部が形成された反射防止構造体における入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図7は、基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体と比較例に係る反射防止構造体とにおける入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図8は、基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体におけるP偏光とS偏光についての入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図9は、実施形態2に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。 図10は、レンズ鏡筒の内周面の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図11は、実施形態2に係る基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体におけるP偏光とS偏光についての入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図12は、その他の実施形態に係る反射防止構造体の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図13は、別のその他の実施形態に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 撮像装置(光学装置)
2 レンズ鏡筒ユニット(光学ユニット)
4 光学系
5 レンズ鏡筒(鏡筒)
50,250,350,450 反射防止構造部(反射防止構造体)
51 基準面
7,207,307,407 基礎構造部
70,270,370,470A,470B 構造単位
71 第1側面(傾斜面)
72 第2側面(傾斜面)
73 第3側面(傾斜面)
74 第4側面(傾斜面)
271 第1傾斜面(傾斜面)
272 第2傾斜面
371 傾斜面
372 傾斜面
8 微小凹凸部
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
ここでは、本発明を実施した光学装置について、撮像装置を例に挙げて説明するが、本発明に係る光学装置は撮像装置に限定されるものではなく、例えば、照明装置やプロジェクタ等の他の光学装置であってもよい。
《発明の実施形態1》
図2は本実施形態1に係る撮像装置1の主要部の構成を表す概略図である。
撮像装置1は、装置本体3と、光学ユニットとしてのレンズ鏡筒ユニット2とを備えている。この撮像装置1が光学装置を構成する。ここでは、レンズ鏡筒ユニット2が装置本体3に取り付けられている例を説明するが、レンズ鏡筒ユニット2は、例えば、装置本体3に着脱可能に構成されていてもよい。
レンズ鏡筒ユニット2は、筒状(具体的には円筒状)のレンズ鏡筒5と、レンズ鏡筒5の内部に収納された光学系4とを備えている。一方、装置本体3には、光学系4の光軸AX上に位置するように配置された撮像素子6を備えている。光学系4は、この撮像素子6の撮像面上に光学像を結像するためのものであり、光学系4により撮像面上に結像された光学像は撮像素子6によって電気信号に変換され、例えば、装置本体3内に設けられたメモリ(外付けメモリであってもよい)に記憶されたり、装置本体3に接続されたケーブルを介して他の装置へと出力されるようになっている。尚、撮像素子6は、例えば、CCD(charge coupled device)、COMS(complementary metal−oxide semiconductor)等により構成することができる。
光学系4は撮像素子6の撮像面上に好適に光学像を結像させることができるものであれば特に限定されることはなく、例えば、図2に示すように、第1レンズ(群)41、第2レンズ(群)42、及び第3レンズ(群)43の3つのレンズ(群)により構成されていてもよい。また、それら3つのレンズ(群)41〜43のうちの少なくともいずれかが光軸AX方向に変位自在であり、フォーカシング及び/又は変倍が可能な構成であってもよい。
レンズ鏡筒5は、図3に示すように、その内周面に光を拡散透過させて光の反射を抑制するための反射防止構造部50が設けられている。このレンズ鏡筒5が鏡筒を、反射防止構造部50が反射防止構造体を構成する。
詳しくは、反射防止構造部50の表面には、図1に示すように、四角錐の構造単位70,70,…が配列されてなる基礎構造部7が形成され、この基礎構造部7の表面に微小凹凸部8,8,…が形成されている。この反射防止構造部50は、その材質が特に限定されるものではないが、樹脂製又はガラス製であってもよい。また、微粒子等が分散混入されていてもよい。尚、図1においては、図示の簡略化のため、反射防止構造部50の一部分を円筒ではなく平板として図示している。
構造単位70,70,…は、それぞれ相似な形状をしていて、四方に互いに隣接して設けられている。各構造単位70は、4つの第1〜第4側面71〜74の全てが相似な二等辺三角形で構成された直錐体(頂点から底面に下ろした垂線が底面の重心を通る錐体)である。これら第1〜第4側面71〜74と反射防止構造部50の基準面51(反射防止構造部50の表面から基礎構造部7及び微小凹凸部8,8,…を高周波成分としてカットオフして形成される面)とのなす角、即ち傾斜角α(各側面と基準面51とのなす角のうち鋭角の方)は、全て同じ角度になっている。すなわち、隣接する構造単位70,70,…の頂点及び底面の重心を通る平面(即ち、隣接する構造単位70,70,…の頂点を通り且つ基準面51と直交する平面)で反射防止構造部50を切断すると、各構造単位70の断面は、図4に示すように、二等辺三角形になっている。これら第1〜第4側面71〜74が傾斜面を構成する。
この基礎構造部7の表面には、図5に示すように、規則的に配列された複数の微小凹凸部8,8,…が形成されている(以下、これら微小凹凸部8,8,…が複数形成された反射防止構造のことを「SWS」と称することがある)。これら微小凹凸部8,8,…は、概略円錐状に形成されている。このように反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、反射防止構造部50の表面と空気層との間の急激な屈折率変化が抑制され、微小凹凸部8,8,…が形成された表面の表層部において屈折率がなだらかに変化することになる。その結果、反射防止構造部50の表面、即ち、レンズ鏡筒5の内周面における反射が効果的に抑制される。
ここで、微小凹凸部8,8,…は、反射防止構造部50の表面と空気層との間の界面における屈折率変化をなだらかにする機能を有するものである限りにおいて特にその形状は限定されるものではなく、例えば、略円錐状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、角錐台状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよく、稜部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、線条(断面形状が、三角形状、台形状、矩形状等(稜部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部であってもよい。
また、高い反射抑制効果を実現する観点から、微小凹凸部8,8,…の周期(隣接する微小凹凸部8,8の頂部相互間の、基準面51と平行な方向への距離)が入射光Lの波長(好ましくは、入射光Lのうち最も短い波長の光の波長以下の周期)以下であることが好ましい。一方、微小凹凸部8,8,…の高さ(微小凹凸部8,8,…それぞれの底部を結んで形成される面(図5中の二点鎖線参照)から頂部までの基準面51の法線方向へ測った長さ)が入射光Lの波長の0.4倍以上であることが好ましく、入射光Lの波長の1倍以上、さらには3倍以上であることがより好ましい。厳密には、入射光Lが波長幅をもったものであるような場合には、微小凹凸部8,8,…の周期は、入射光Lの最短波長以下であることが好ましく、微小凹凸部8,8,…の高さは入射光Lの最長波長の0.4倍以上(好ましくは1倍以上、さらには3倍以上)であることが好ましい。
尚、微小凹凸部8,8,…は入射光Lのすべてに対して反射抑制効果を発揮するようなものである必要は必ずしもない。例えば、入射光Lの波長が、紫外光、近紫外光、可視光、近赤外光、赤外光を含む広い波長範囲にわたるものの、400nm以上700nm以下の波長の光の反射のみを抑制すればよい場合は、微小凹凸部8,8,…の周期は400nm以下であることが好ましい。一方、微小凹凸部8,8,…の高さは700nmの0.4倍以上、すなわち280nm以上であることが好ましい。
微小凹凸部8,8,…は、その高さが相互に異なるように形成されていてもよいが、作成容易性の観点から、高さが相互に略同一となるように形成されていることが好ましい。また、例えば、微小凹凸部8,8,…が錐体状の凹部や錐体状の凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部8,8,…は、その錐体の底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。この場合、射出成形による微小凹凸部8,8,…の作製が容易となる。一方、同様の理由により、微小凹凸部8,8,…が断面三角形状の線条凹部又は線条凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部8,8,…は、横断面における底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が、各部(例えば、1mm四方の大きさの各部)において相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。
このように構成された反射防止構造部50は、以下のようにして製造される。まず、表面が平滑な平板部材の該表面を、該表面に対して前記構造単位70の側面の傾斜角αと同様の角度を有する刃を備えたバイトで切削加工する。詳しくは、バイトを平板部材の表面上において直交する2方向に移動させながら切削加工を行って、隣接する構造単位70,70の間の谷の部分を順次加工していく。その結果、四角錘状の構造単位70,70,…が平板部材の表面に形成される。続いて、構造単位70,70,…の表面に、X線リソグラフィ又は二光束干渉(ホログラム)露光法によって微小凹凸部8,8,…を形成する。こうして、表面に四角錘状の構造単位70,70,…が形成され、さらにその構造単位70,70,…の表面に微小凹凸部8,8,…が形成された反射防止構造部50が作成される。このように構成された平板状の反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5の内部に貼り付けられる。こうして、反射防止構造部50を一旦作成した後は、この反射防止構造部50を原盤として成形型を作成し、射出成形等によって次の反射防止構造部50を順次作成してもよい。
尚、反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5の内部に嵌め込まれる円筒状の部材であってもよい。また、反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5と一体的に、即ち、レンズ鏡筒5の内周に直接加工される構成であってもよい。
以上のように、反射防止構造部50の表面には複数の微小凹凸部8,8,…が形成されているため、該表面における光の反射が抑制される。しかしながら、反射防止構造部50の表面が滑面であるような場合には、該表面における反射を十分に抑制することができない。
例えば、図6に示すように、平滑面に微小凹凸部8,8,…(SWS)を形成した場合(図中の一点鎖線)には、微小凹凸部8,8,…を形成していない平滑面(図中の破線)に比べて反射率を抑制することができるものの、比較的大きな入射角の光に対しては十分な反射抑制効果を発揮することができない。具体的には、平滑面にSWSを形成した場合には、入射角度が50度を越えたあたりから反射率が増加し、反射率の入射角依存性を十分には抑制できない。この図6は、反射率を計算するシミュレーションアルゴリズムRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法に基づき、コンピュータシミュレーションにより算出している。また、後述の図7は、種々の試験片に対して入射角を変えながら入射光を照射したときの反射率を測定した結果である。反射率は、積分球によって測定した正反射光、拡散反射光及び回折光を含む反射光総量に基づいて算出している(いわゆる、半球反射率)。
つまり、反射率は本来、入射角に依存し、入射角が大きくなるほど反射率が大きくなる。そして、滑面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成においては、この反射率の入射角依存性を抑制することができない。
それに対して、本実施形態では、微小凹凸部8,8,…を四角錘状の構造単位70,70,…の表面に形成することによって、反射率の入射角依存性を抑制することができ、比較的大きな入射角の光に対しても高い反射抑制効果が得られる。
詳しくは、入射光Lと射出光とを含む平面として定義される入射面(図1の破線参照)が構造単位70,70,…の頂点を通り、第1側面71及び第3側面73と直交する場合を考えると(図1,4参照)、入射光Lが基準面51に対して入射角θで入射する場合、各構造単位70の第1側面71が基準面51に対して傾斜角αで傾斜しているため、該入射光Lの第1側面71への入射角は(θ−α)となる。
ここで、入射光Lが基準面51に対して0°〜90°の様々な入射角で入射する場合を考えると、第1側面71を傾斜させることにより、該第1側面71への入射角は−α°〜(90−α)°の範囲となる(側面の法線方向に対して基準面51の法線方向側への角度を負とし、基準面51と平行な方向側への角度を正とする)。つまり、入射光Lの入射角がαだけマイナス側にシフトすることになり、入射角の上限値が90°よりも小さくなる。一方、入射角の下限値は0度を超えてマイナス側にαだけシフトすることになるが、0°<α<90°であるため、入射角の下限値の絶対値|−α|が90°よりも大きくなることはない。
つまり、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制することができる。その結果、基準面51に対する入射角が比較的大きな入射光Lについても反射率を十分に抑制することができる。
尚、このとき、第1側面71と対向する第3側面73に対する入射光Lの入射角は(θ+α)となり、基準面51に対する入射角θよりも大きくなるが、第3側面73の入射光Lの入射方向への投影面積は、第1側面71の該入射方向への投影面積に対して非常に小さくなっている。すなわち、入射光Lから見た第3側面73の面積は、第1側面71に比べて非常に小さく、入射光Lの第3側面73に対する入射角が基準面51に対する入射角θよりも大きくなることがレンズ鏡筒5の内周面全体の反射率に与える影響は極めて小さい。
具体的には図7中の実線で示すように、四角錘状の構造単位70,70,…の表面にSWSを形成した場合には、比較的大きな入射角の光に対して反射率を抑制することができ、入射角が70度を超えたあたりでも反射率は1%と非常に小さい。また、四角錘状の構造単位70,70,…の表面にSWSを形成した構成は、図7中の点線で示す植毛紙(#4800)よりも反射率を抑制することができる。このとき、各構造単位70の第1〜第4側面71〜74の基準面51に対する傾斜角αは30°である。
尚、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制するためには、第1〜第4側面71〜74の傾斜角αは、少なくとも5°以上であることが好ましい。傾斜角αを5°以上とすることによって、入射光Lの入射角を抑制する効果を十分に発揮させることができる。
さらに、傾斜角αは、45°であることが好ましい。傾斜角αを45°にすることによって、基準面51に対して0°〜90°の入射角で入射した入射光Lは、第1〜第4側面71〜74に対して−45°〜45°の入射角で入射することになり、基準面51に対してどんな入射角で入射してくる入射光Lに対しても、第1〜第4側面71〜74に対する入射角の絶対値の最大値を45°以下に抑制することができる。
ここで、平滑面又は構造単位70,70,…の表面にSWSを形成する構成以外に、適度な表面粗さを有する粗面にSWSを形成する構成も考えられる。このように、反射防止構造部50の表面を粗面に形成することによって、入射光Lの正反射を抑制することができる。それに加えて、反射防止構造部50の表面を粗面に形成することによって、反射防止構造部50の表面が基準面51に対して様々な角度で傾斜した状態となるため、構造単位70,70,…と同様に、入射光Lの入射角を実質的に小さくすることができ、入射光Lの反射率を抑制することができる。そのため、粗面に形成された反射防止構造部50の表面にSWSを形成することによって、平滑面にSWSを形成した構成(図7の一点鎖線参照)と比較して、入射光Lの正反射を抑制しつつ、反射率の入射角依存性を十分に抑制することができる(図7の二点鎖線参照)。
しかしながら、粗面にSWSを形成する構成においては、図7中の二点鎖線で示すように、僅かながら、構造単位70,70,…の表面にSWSを形成する構成よりも反射率が大きくなってしまう。これは、反射防止構造部50の表面を粗面にすることにより反射防止構造部50の表面が基準面51に対して傾斜した状態となるものの、粗面であるため、その傾斜角は様々な値となり、傾斜角が小さい(例えば、0度)部分、即ち、入射光Lの入射角の低減効果が小さい部分も含まれ、反射防止構造部50の表面を基準面51に対して傾斜させることによる効果が、構造単位70,70,…を有する構成に比べて小さいからである。
したがって、反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成し、この構造単位70,70,…の表面にSWSを形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部50の表面にSWSを形成する構成に比べて、入射光Lの反射率をより効果的に抑制することができる。
さらに、反射防止構造部50の表面を粗面に形成する方法としては、サンドブラスト加工等が挙げられるが、粗面の形状、即ち、粗面の傾斜角を制御しながら加工することを難しい。それに対して、構造単位70,70,…は、反射防止構造部50の表面をバイトで切削する等の機械加工によって形成されるため、各構造単位70の形状を所望の形状に形成し易い。
また、構造単位70,70,…を四角錘とすることによって、反射防止構造部50の表面は平面視において直交する2つの方向に対して略同様の表面形状となり、図8に示すように、入射光LのP偏向もS偏向も略同様の反射率を示すようになり、偏光依存性を抑制することができる。
したがって、本実施形態1によれば、反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、レンズ鏡筒5の内周面の表層における屈折率の変化をなだらかにすることで反射率を低減することができると共に、この微小凹凸部8,8,…を反射防止構造部50の基準面51に対して傾斜した側面71〜74を有する構造単位70,70,…の表面に形成することによって、入射光Lの入射角が実質的に小さくなるため、反射率の角度依存性を抑制することができる。
また、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成することによって、反射防止構造部50の表面を粗面に形成し該粗面上に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、反射防止構造部50の表面の傾斜角を所望の値に加工し易く、所望の性能を有する反射防止構造部50を容易に製造することができると共に、生産性を向上させることができる。例えば、反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成する際に、基準面51に対するバイトの刃の角度を変えることによって、構造単位70の傾斜面の角度を変えて反射防止構造部50の性能を調整することができる。それに加えて、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、より効果的に反射率を低減することができる。
さらに、各構造単位70を四角錘に形成することによって、反射防止構造部50の表面が平面視において直交する2つの方向に対して略同様の表面形状となるため、該直交する何れの方向からの入射光に対しても、同様の反射率低減効果及び反射率の角度依存性低減効果を発揮することができ、即ち、反射率の偏光依存性を抑制することができる。さらに、各構造単位70を直錐体に形成することによって、4つの側面の全てが相似形となるため、反射率の偏光依存性をさらに抑制することができる。
尚、構造単位70は、四角錘に限られるものではない。例えば、三角錐や六角錘であってもよい。さらには、円錐であってもよい。その場合、側周面が傾斜面を構成する。また、直錐体に限られるものでもなく、斜錐体であってもよい。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2について説明する。
実施形態2に係る反射防止構造部250は、基礎構造部207の形状が実施形態1に係る反射防止構造部50と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成について中心に説明する。
詳しくは、反射防止構造部250の表面には、図9に示すように、それぞれ峰状に延びる構造単位270,270,…が隣接して配列された基礎構造部207が形成されている。各構造単位270は、反射防止構造部250の基準面51(反射防止構造部250の表面から基礎構造部207及び微小凹凸部8,8,…を高周波成分としてカットオフして形成される面)に対して傾斜した第1傾斜面271と第2傾斜面272とを有し、こられ第1傾斜面271と第2傾斜面272とで稜形状に形成されている。これら第1傾斜面271及び第2傾斜面272は、基準面51に対する傾斜角αがそれぞれ同じ大きさであると共に、それぞれの短手方向幅(即ち、構造単位270,270,…の配列方向への幅)が同じである。すなわち、各構造単位270の横断面形状は、図10に示すように、二等辺三角形になっている。この第1傾斜面271が傾斜面を、第2傾斜面272が第2傾斜面を構成する。
尚、平板部材に対して構造単位270の傾斜角αと同様の角度を有する刃を備えたバイトを所定の1方向に移動させて切削加工を行うことで、構造単位270,270の間の谷の部分を加工し、さらにバイトを該1方向と直交する方向に平行移動させて隣りの谷の部分を順次加工していくことによって、本実施形態2のように所定の1方向に延びる稜形状をした構造単位270,270,…を形成することができる。
そして、これら構造単位270,270,…の表面には、前記実施形態1と同様に、微小凹凸部8,8,…が形成されている(図5参照)。
ここで、入射光Lと射出光とを含む平面として定義される入射面(図9の破線参照)が構造単位270,270,…の横断面と平行であるときについて説明する。
入射光Lが反射防止構造部250の基準面51に対して入射角θで入射すると、反射防止構造部250の表面に形成された各構造単位270の第1傾斜面271は基準面51に対して傾斜角αで傾斜しているため、該第1傾斜面271に対する入射光Lの入射角は(θ−α)となり、基準面51に対する入射角θよりも小さくなる。つまり、実施形態1と同様に、入射光Lの入射角がαだけマイナス側にシフトすることになり、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制することができる。その結果、基準面51に対する入射角が比較的大きな入射光Lについても反射率を十分に抑制することができる。
このとき、入射光Lの第2傾斜面272に対する入射角は(θ+α)となり、基準面51に対する入射角θよりも大きくなるが、第2傾斜面272の入射光Lの入射方向への投影面積は、第1傾斜面271の該入射方向への投影面積に対して非常に小さくなっている。すなわち、入射光Lから見た第2傾斜面272の面積は、第1傾斜面271に比べて非常に小さく、入射光Lの第2傾斜面272に対する入射角が基準面51に対する入射角θよりも大きくなることが反射防止構造部250の表面全体の反射率に与える影響は極めて小さい。
そして、このように構成された構造単位270,270,…の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、反射防止構造部250の表面と空気層との間の急激な屈折率変化が抑制され、微小凹凸部8,8,…が形成された表面の表層部において屈折率がなだらかに変化することになる。その結果、図11に示すように、反射防止構造部250の表面における反射率が効果的に抑制される。このとき、各構造単位270の第1及び第2傾斜面271,272の基準面51に対する傾斜角αは30°である。
したがって、本実施形態2によれば、反射防止構造部250の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、レンズ鏡筒205の内周面の表層における屈折率の変化がなだらかにするため、反射率を低減することができると共に、この微小凹凸部8,8,…を反射防止構造部250の基準面51に対して傾斜した第1及び第2傾斜面271,272を有する構造単位270,270,…の表面に形成することによって、入射光Lの入射角が実質的に小さくなるため、反射率の角度依存性を抑制することができる。
また、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部250の表面に構造単位270,270,…を形成することによって、反射防止構造部250の表面を粗面に形成し該粗面上に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、反射防止構造部250の表面の傾斜角を所望の値に加工し易く、所望の性能を有する反射防止構造部250を容易に製造することができると共に、生産性を向上させることができる。それに加えて、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部250の表面に構造単位270,270,…を形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部250の表面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、より効果的に反射率を低減することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態1,2について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態では、光透過性のレンズ鏡筒を例に挙げて説明したが、本発明に係る反射防止構造体は光透過性のものに限定されるものではなく、例えば、光吸収性のもの、所謂黒体であってもよい。
また、前記実施形態1では、各構造単位70(270)を構成する側面71〜74(271,272)は互いに相似形に形成され且つ基準面51に対する傾斜角も同じに構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各側面の形状を相似形とせず、一の側面の基準面51に対する傾斜角と該一の側面に対向する別の側面の基準面51に対する傾斜角とを異なる角度にしてもよい。
さらにまた、反射防止構造部350の表面に入射する入射光Lの入射方向が予め想定できるときには、図12に示すように、基礎構造部307を構成する各構造単位370の一の傾斜面371を、その法線方向が想定される入射光Lの入射方向を向くように構成してもよい。そうすることによって、構造単位370に入射する入射光Lの入射角が0°となり、微小凹凸部8,8,…の効果と相俟って、入射光Lの反射率をさらに効果的に低減することができる。このとき、入射光Lの入射方向を向く傾斜面371と、該傾斜面371に対向する傾斜面372とのなす角が直角であることが好ましい。そうすることによって、入射光Lの入射方向への該対向する傾斜面372の投影面積が0になり、構造単位370に入射する入射光Lの入射角が基準面51に対する入射角よりも大きくなることを防止することができる。
また、構造単位70,70,…の傾斜面の傾斜角は、全ての構造単位70,70,…で一様である必要はない。例えば、各構造単位70が配置される場所に応じて想定される入射光Lの入射角に合わせて傾斜面の傾斜角を変えてもよい。その場合、入射光Lの各傾斜面に対する入射角が0となるように、各傾斜面の傾斜角を設定することが好ましい。また、想定される入射角が複数ある場合には、図13に示すように、反射防止構造部450の表面に形成される基礎構造部407を、側面の傾斜角が異なる構造単位470A,470Bとを交互に配列して構成してもよい。
また、ここでは、SWSが表面の全面にわたって形成されている例について説明したが、SWSを表面の全面にわたって必ずしも設ける必要はなく、必要に応じた箇所のみにSWSを形成してもよい。この場合に、SWSを設けた箇所のみならず、表面のその他の箇所もSWSを設けた箇所と同様に構造単位70,70,…(270,270,…)を設けても構わず、また、そのときの構造単位70,70,…(270,270,…)の傾斜面の傾斜角をSWSを設けている部分と異ならせてもよい。さらに、SWSを設けていない箇所には反射率が比較的低い膜と比較的高い膜との多層膜からなるような他の反射防止構造を形成してもよい。また、SWSが形成されている領域内においても、必要に応じてSWSの高さや周期(ピッチ)を調節してもよい。
さらに、前記実施形態に係る基礎構造部7及び微小凹凸部8,8,…を備えた反射防止構造体は、レンズ鏡筒5に適用されるものに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ等の前面に配置され、ディスプレイ表面における光の反射(外光の映り込み等)を抑制する拡散板であってもよい。または、表示装置をはじめ、撮像装置、照明装置、プロジェクタ等の種々の光学機器の構成部材等であってもよい。具体的には、半導体レーザ素子、LED素子、電球、冷陰極管等の発光素子、電荷結合素子(CCD)やCMOS等のイメージセンサ、パワーメータ、エネルギーメータ、反射率測定機器等の光検出器、マイクロレンズアレイ、フォトディテク他等に対して適用することもできる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置について有用である。
本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置に関するものである。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、このような低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、波長依存性及び入射角依存性が比較的大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1等)。この処理を行うことによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面において緩やかに屈折率が変化することとなる。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。
また、特許文献2には、微小凹凸部を粗面に形成する技術が開示されている。
特開2001−127852号公報 特表2001−517319号公報
ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」、アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol.32,No.14)、P.2582−2598、1993年
しかしながら、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成した場合であっても、十分に高い反射抑制効果が得られない場合がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を提供することにある。
本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体が対象である。そして、基準面上に設けられ且つ該基準面とのなす角が所定角度となる傾斜面を有する構造単位が複数並んで構成された基礎構造部と、前記基礎構造部の表面に形成され、前記所定の波長以下の周期で配列された複数の微小凹凸部とを備えているものとする。
また、本発明に係る光学ユニットは、光学系と、所定の方向から光が入射するように配置された前記反射防止構造体とを備え、前記微小凹凸部は、前記光学系からの光の波長以下の周期で規則的に配列されているものとする。
さらに、本発明に係る光学装置は、前記光学ユニットを備えているものとする。
本発明によれば、高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。 図2は、撮像装置の主要部の構成を示す概略図である。 図3は、レンズ鏡筒の一部を拡大した断面図である。 図4は、レンズ鏡筒の内周面の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図5は、図4の破線円におけるレンズ鏡筒の内周面の微小凹凸部を示す拡大断面図である。 図6は、平滑面に形成された反射防止構造体と平滑面に微小凹凸部が形成された反射防止構造体における入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図7は、基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体と比較例に係る反射防止構造体とにおける入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図8は、基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体におけるP偏光とS偏光についての入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図9は、実施形態2に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。 図10は、レンズ鏡筒の内周面の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図11は、実施形態2に係る基礎構造部に微小凹凸部が形成された反射防止構造体におけるP偏光とS偏光についての入射角と反射率との相関を示すグラフである。 図12は、その他の実施形態に係る反射防止構造体の基礎構造部を示す拡大断面図である。 図13は、別のその他の実施形態に係る反射防止構造体を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
ここでは、本発明を実施した光学装置について、撮像装置を例に挙げて説明するが、本発明に係る光学装置は撮像装置に限定されるものではなく、例えば、照明装置やプロジェクタ等の他の光学装置であってもよい。
《発明の実施形態1》
図2は本実施形態1に係る撮像装置1の主要部の構成を表す概略図である。
撮像装置1は、装置本体3と、光学ユニットとしてのレンズ鏡筒ユニット2とを備えている。この撮像装置1が光学装置を構成する。ここでは、レンズ鏡筒ユニット2が装置本体3に取り付けられている例を説明するが、レンズ鏡筒ユニット2は、例えば、装置本体3に着脱可能に構成されていてもよい。
レンズ鏡筒ユニット2は、筒状(具体的には円筒状)のレンズ鏡筒5と、レンズ鏡筒5の内部に収納された光学系4とを備えている。一方、装置本体3には、光学系4の光軸AX上に位置するように配置された撮像素子6を備えている。光学系4は、この撮像素子6の撮像面上に光学像を結像するためのものであり、光学系4により撮像面上に結像された光学像は撮像素子6によって電気信号に変換され、例えば、装置本体3内に設けられたメモリ(外付けメモリであってもよい)に記憶されたり、装置本体3に接続されたケーブルを介して他の装置へと出力されるようになっている。尚、撮像素子6は、例えば、CCD(charge coupled device)、COMS(complementary metal−oxide semiconductor)等により構成することができる。
光学系4は撮像素子6の撮像面上に好適に光学像を結像させることができるものであれば特に限定されることはなく、例えば、図2に示すように、第1レンズ(群)41、第2レンズ(群)42、及び第3レンズ(群)43の3つのレンズ(群)により構成されていてもよい。また、それら3つのレンズ(群)41〜43のうちの少なくともいずれかが光軸AX方向に変位自在であり、フォーカシング及び/又は変倍が可能な構成であってもよい。
レンズ鏡筒5は、図3に示すように、その内周面に光を拡散透過させて光の反射を抑制するための反射防止構造部50が設けられている。このレンズ鏡筒5が鏡筒を、反射防止構造部50が反射防止構造体を構成する。
詳しくは、反射防止構造部50の表面には、図1に示すように、四角錐の構造単位70,70,…が配列されてなる基礎構造部7が形成され、この基礎構造部7の表面に微小凹凸部8,8,…が形成されている。この反射防止構造部50は、その材質が特に限定されるものではないが、樹脂製又はガラス製であってもよい。また、微粒子等が分散混入されていてもよい。尚、図1においては、図示の簡略化のため、反射防止構造部50の一部分を円筒ではなく平板として図示している。
構造単位70,70,…は、それぞれ相似な形状をしていて、四方に互いに隣接して設けられている。各構造単位70は、4つの第1〜第4側面71〜74の全てが相似な二等辺三角形で構成された直錐体(頂点から底面に下ろした垂線が底面の重心を通る錐体)である。これら第1〜第4側面71〜74と反射防止構造部50の基準面51(反射防止構造部50の表面から基礎構造部7及び微小凹凸部8,8,…を高周波成分としてカットオフして形成される面)とのなす角、即ち傾斜角α(各側面と基準面51とのなす角のうち鋭角の方)は、全て同じ角度になっている。すなわち、隣接する構造単位70,70,…の頂点及び底面の重心を通る平面(即ち、隣接する構造単位70,70,…の頂点を通り且つ基準面51と直交する平面)で反射防止構造部50を切断すると、各構造単位70の断面は、図4に示すように、二等辺三角形になっている。これら第1〜第4側面71〜74が傾斜面を構成する。
この基礎構造部7の表面には、図5に示すように、規則的に配列された複数の微小凹凸部8,8,…が形成されている(以下、これら微小凹凸部8,8,…が複数形成された反射防止構造のことを「SWS」と称することがある)。これら微小凹凸部8,8,…は、概略円錐状に形成されている。このように反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、反射防止構造部50の表面と空気層との間の急激な屈折率変化が抑制され、微小凹凸部8,8,…が形成された表面の表層部において屈折率がなだらかに変化することになる。その結果、反射防止構造部50の表面、即ち、レンズ鏡筒5の内周面における反射が効果的に抑制される。
ここで、微小凹凸部8,8,…は、反射防止構造部50の表面と空気層との間の界面における屈折率変化をなだらかにする機能を有するものである限りにおいて特にその形状は限定されるものではなく、例えば、略円錐状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、角錐台状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよく、稜部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、線条(断面形状が、三角形状、台形状、矩形状等(稜部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部であってもよい。
また、高い反射抑制効果を実現する観点から、微小凹凸部8,8,…の周期(隣接する微小凹凸部8,8の頂部相互間の、基準面51と平行な方向への距離)が入射光Lの波長(好ましくは、入射光Lのうち最も短い波長の光の波長以下の周期)以下であることが好ましい。一方、微小凹凸部8,8,…の高さ(微小凹凸部8,8,…それぞれの底部を結んで形成される面(図5中の二点鎖線参照)から頂部までの基準面51の法線方向へ測った長さ)が入射光Lの波長の0.4倍以上であることが好ましく、入射光Lの波長の1倍以上、さらには3倍以上であることがより好ましい。厳密には、入射光Lが波長幅をもったものであるような場合には、微小凹凸部8,8,…の周期は、入射光Lの最短波長以下であることが好ましく、微小凹凸部8,8,…の高さは入射光Lの最長波長の0.4倍以上(好ましくは1倍以上、さらには3倍以上)であることが好ましい。
尚、微小凹凸部8,8,…は入射光Lのすべてに対して反射抑制効果を発揮するようなものである必要は必ずしもない。例えば、入射光Lの波長が、紫外光、近紫外光、可視光、近赤外光、赤外光を含む広い波長範囲にわたるものの、400nm以上700nm以下の波長の光の反射のみを抑制すればよい場合は、微小凹凸部8,8,…の周期は400nm以下であることが好ましい。一方、微小凹凸部8,8,…の高さは700nmの0.4倍以上、すなわち280nm以上であることが好ましい。
微小凹凸部8,8,…は、その高さが相互に異なるように形成されていてもよいが、作成容易性の観点から、高さが相互に略同一となるように形成されていることが好ましい。また、例えば、微小凹凸部8,8,…が錐体状の凹部や錐体状の凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部8,8,…は、その錐体の底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。この場合、射出成形による微小凹凸部8,8,…の作製が容易となる。一方、同様の理由により、微小凹凸部8,8,…が断面三角形状の線条凹部又は線条凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部8,8,…は、横断面における底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が、各部(例えば、1mm四方の大きさの各部)において相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。
このように構成された反射防止構造部50は、以下のようにして製造される。まず、表面が平滑な平板部材の該表面を、該表面に対して前記構造単位70の側面の傾斜角αと同様の角度を有する刃を備えたバイトで切削加工する。詳しくは、バイトを平板部材の表面上において直交する2方向に移動させながら切削加工を行って、隣接する構造単位70,70の間の谷の部分を順次加工していく。その結果、四角錘状の構造単位70,70,…が平板部材の表面に形成される。続いて、構造単位70,70,…の表面に、X線リソグラフィ又は二光束干渉(ホログラム)露光法によって微小凹凸部8,8,…を形成する。こうして、表面に四角錘状の構造単位70,70,…が形成され、さらにその構造単位70,70,…の表面に微小凹凸部8,8,…が形成された反射防止構造部50が作成される。このように構成された平板状の反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5の内部に貼り付けられる。こうして、反射防止構造部50を一旦作成した後は、この反射防止構造部50を原盤として成形型を作成し、射出成形等によって次の反射防止構造部50を順次作成してもよい。
尚、反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5の内部に嵌め込まれる円筒状の部材であってもよい。また、反射防止構造部50は、レンズ鏡筒5と一体的に、即ち、レンズ鏡筒5の内周に直接加工される構成であってもよい。
以上のように、反射防止構造部50の表面には複数の微小凹凸部8,8,…が形成されているため、該表面における光の反射が抑制される。しかしながら、反射防止構造部50の表面が滑面であるような場合には、該表面における反射を十分に抑制することができない。
例えば、図6に示すように、平滑面に微小凹凸部8,8,…(SWS)を形成した場合(図中の一点鎖線)には、微小凹凸部8,8,…を形成していない平滑面(図中の破線)に比べて反射率を抑制することができるものの、比較的大きな入射角の光に対しては十分な反射抑制効果を発揮することができない。具体的には、平滑面にSWSを形成した場合には、入射角度が50度を越えたあたりから反射率が増加し、反射率の入射角依存性を十分には抑制できない。この図6は、反射率を計算するシミュレーションアルゴリズムRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法に基づき、コンピュータシミュレーションにより算出している。また、後述の図7は、種々の試験片に対して入射角を変えながら入射光を照射したときの反射率を測定した結果である。反射率は、積分球によって測定した正反射光、拡散反射光及び回折光を含む反射光総量に基づいて算出している(いわゆる、半球反射率)。
つまり、反射率は本来、入射角に依存し、入射角が大きくなるほど反射率が大きくなる。そして、滑面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成においては、この反射率の入射角依存性を抑制することができない。
それに対して、本実施形態では、微小凹凸部8,8,…を四角錘状の構造単位70,70,…の表面に形成することによって、反射率の入射角依存性を抑制することができ、比較的大きな入射角の光に対しても高い反射抑制効果が得られる。
詳しくは、入射光Lと射出光とを含む平面として定義される入射面(図1の破線参照)が構造単位70,70,…の頂点を通り、第1側面71及び第3側面73と直交する場合を考えると(図1,4参照)、入射光Lが基準面51に対して入射角θで入射する場合、各構造単位70の第1側面71が基準面51に対して傾斜角αで傾斜しているため、該入射光Lの第1側面71への入射角は(θ−α)となる。
ここで、入射光Lが基準面51に対して0°〜90°の様々な入射角で入射する場合を考えると、第1側面71を傾斜させることにより、該第1側面71への入射角は−α°〜(90−α)°の範囲となる(側面の法線方向に対して基準面51の法線方向側への角度を負とし、基準面51と平行な方向側への角度を正とする)。つまり、入射光Lの入射角がαだけマイナス側にシフトすることになり、入射角の上限値が90°よりも小さくなる。一方、入射角の下限値は0度を超えてマイナス側にαだけシフトすることになるが、0°<α<90°であるため、入射角の下限値の絶対値|−α|が90°よりも大きくなることはない。
つまり、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制することができる。その結果、基準面51に対する入射角が比較的大きな入射光Lについても反射率を十分に抑制することができる。
尚、このとき、第1側面71と対向する第3側面73に対する入射光Lの入射角は(θ+α)となり、基準面51に対する入射角θよりも大きくなるが、第3側面73の入射光Lの入射方向への投影面積は、第1側面71の該入射方向への投影面積に対して非常に小さくなっている。すなわち、入射光Lから見た第3側面73の面積は、第1側面71に比べて非常に小さく、入射光Lの第3側面73に対する入射角が基準面51に対する入射角θよりも大きくなることがレンズ鏡筒5の内周面全体の反射率に与える影響は極めて小さい。
具体的には図7中の実線で示すように、四角錘状の構造単位70,70,…の表面にSWSを形成した場合には、比較的大きな入射角の光に対して反射率を抑制することができ、入射角が70度を超えたあたりでも反射率は1%と非常に小さい。また、四角錘状の構造単位70,70,…の表面にSWSを形成した構成は、図7中の点線で示す植毛紙(#4800)よりも反射率を抑制することができる。このとき、各構造単位70の第1〜第4側面71〜74の基準面51に対する傾斜角αは30°である。
尚、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制するためには、第1〜第4側面71〜74の傾斜角αは、少なくとも5°以上であることが好ましい。傾斜角αを5°以上とすることによって、入射光Lの入射角を抑制する効果を十分に発揮させることができる。
さらに、傾斜角αは、45°であることが好ましい。傾斜角αを45°にすることによって、基準面51に対して0°〜90°の入射角で入射した入射光Lは、第1〜第4側面71〜74に対して−45°〜45°の入射角で入射することになり、基準面51に対してどんな入射角で入射してくる入射光Lに対しても、第1〜第4側面71〜74に対する入射角の絶対値の最大値を45°以下に抑制することができる。
ここで、平滑面又は構造単位70,70,…の表面にSWSを形成する構成以外に、適度な表面粗さを有する粗面にSWSを形成する構成も考えられる。このように、反射防止構造部50の表面を粗面に形成することによって、入射光Lの正反射を抑制することができる。それに加えて、反射防止構造部50の表面を粗面に形成することによって、反射防止構造部50の表面が基準面51に対して様々な角度で傾斜した状態となるため、構造単位70,70,…と同様に、入射光Lの入射角を実質的に小さくすることができ、入射光Lの反射率を抑制することができる。そのため、粗面に形成された反射防止構造部50の表面にSWSを形成することによって、平滑面にSWSを形成した構成(図7の一点鎖線参照)と比較して、入射光Lの正反射を抑制しつつ、反射率の入射角依存性を十分に抑制することができる(図7の二点鎖線参照)。
しかしながら、粗面にSWSを形成する構成においては、図7中の二点鎖線で示すように、僅かながら、構造単位70,70,…の表面にSWSを形成する構成よりも反射率が大きくなってしまう。これは、反射防止構造部50の表面を粗面にすることにより反射防止構造部50の表面が基準面51に対して傾斜した状態となるものの、粗面であるため、その傾斜角は様々な値となり、傾斜角が小さい(例えば、0度)部分、即ち、入射光Lの入射角の低減効果が小さい部分も含まれ、反射防止構造部50の表面を基準面51に対して傾斜させることによる効果が、構造単位70,70,…を有する構成に比べて小さいからである。
したがって、反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成し、この構造単位70,70,…の表面にSWSを形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部50の表面にSWSを形成する構成に比べて、入射光Lの反射率をより効果的に抑制することができる。
さらに、反射防止構造部50の表面を粗面に形成する方法としては、サンドブラスト加工等が挙げられるが、粗面の形状、即ち、粗面の傾斜角を制御しながら加工することを難しい。それに対して、構造単位70,70,…は、反射防止構造部50の表面をバイトで切削する等の機械加工によって形成されるため、各構造単位70の形状を所望の形状に形成し易い。
また、構造単位70,70,…を四角錘とすることによって、反射防止構造部50の表面は平面視において直交する2つの方向に対して略同様の表面形状となり、図8に示すように、入射光LのP偏向もS偏向も略同様の反射率を示すようになり、偏光依存性を抑制することができる。
したがって、本実施形態1によれば、反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、レンズ鏡筒5の内周面の表層における屈折率の変化をなだらかにすることで反射率を低減することができると共に、この微小凹凸部8,8,…を反射防止構造部50の基準面51に対して傾斜した側面71〜74を有する構造単位70,70,…の表面に形成することによって、入射光Lの入射角が実質的に小さくなるため、反射率の角度依存性を抑制することができる。
また、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成することによって、反射防止構造部50の表面を粗面に形成し該粗面上に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、反射防止構造部50の表面の傾斜角を所望の値に加工し易く、所望の性能を有する反射防止構造部50を容易に製造することができると共に、生産性を向上させることができる。例えば、反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成する際に、基準面51に対するバイトの刃の角度を変えることによって、構造単位70の傾斜面の角度を変えて反射防止構造部50の性能を調整することができる。それに加えて、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部50の表面に構造単位70,70,…を形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部50の表面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、より効果的に反射率を低減することができる。
さらに、各構造単位70を四角錘に形成することによって、反射防止構造部50の表面が平面視において直交する2つの方向に対して略同様の表面形状となるため、該直交する何れの方向からの入射光に対しても、同様の反射率低減効果及び反射率の角度依存性低減効果を発揮することができ、即ち、反射率の偏光依存性を抑制することができる。さらに、各構造単位70を直錐体に形成することによって、4つの側面の全てが相似形となるため、反射率の偏光依存性をさらに抑制することができる。
尚、構造単位70は、四角錘に限られるものではない。例えば、三角錐や六角錘であってもよい。さらには、円錐であってもよい。その場合、側周面が傾斜面を構成する。また、直錐体に限られるものでもなく、斜錐体であってもよい。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2について説明する。
実施形態2に係る反射防止構造部250は、基礎構造部207の形状が実施形態1に係る反射防止構造部50と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成について中心に説明する。
詳しくは、反射防止構造部250の表面には、図9に示すように、それぞれ峰状に延びる構造単位270,270,…が隣接して配列された基礎構造部207が形成されている。各構造単位270は、反射防止構造部250の基準面51(反射防止構造部250の表面から基礎構造部207及び微小凹凸部8,8,…を高周波成分としてカットオフして形成される面)に対して傾斜した第1傾斜面271と第2傾斜面272とを有し、こられ第1傾斜面271と第2傾斜面272とで稜形状に形成されている。これら第1傾斜面271及び第2傾斜面272は、基準面51に対する傾斜角αがそれぞれ同じ大きさであると共に、それぞれの短手方向幅(即ち、構造単位270,270,…の配列方向への幅)が同じである。すなわち、各構造単位270の横断面形状は、図10に示すように、二等辺三角形になっている。この第1傾斜面271が傾斜面を、第2傾斜面272が第2傾斜面を構成する。
尚、平板部材に対して構造単位270の傾斜角αと同様の角度を有する刃を備えたバイトを所定の1方向に移動させて切削加工を行うことで、構造単位270,270の間の谷の部分を加工し、さらにバイトを該1方向と直交する方向に平行移動させて隣りの谷の部分を順次加工していくことによって、本実施形態2のように所定の1方向に延びる稜形状をした構造単位270,270,…を形成することができる。
そして、これら構造単位270,270,…の表面には、前記実施形態1と同様に、微小凹凸部8,8,…が形成されている(図5参照)。
ここで、入射光Lと射出光とを含む平面として定義される入射面(図9の破線参照)が構造単位270,270,…の横断面と平行であるときについて説明する。
入射光Lが反射防止構造部250の基準面51に対して入射角θで入射すると、反射防止構造部250の表面に形成された各構造単位270の第1傾斜面271は基準面51に対して傾斜角αで傾斜しているため、該第1傾斜面271に対する入射光Lの入射角は(θ−α)となり、基準面51に対する入射角θよりも小さくなる。つまり、実施形態1と同様に、入射光Lの入射角がαだけマイナス側にシフトすることになり、入射光Lの入射角の絶対値の最大値を抑制することができる。その結果、基準面51に対する入射角が比較的大きな入射光Lについても反射率を十分に抑制することができる。
このとき、入射光Lの第2傾斜面272に対する入射角は(θ+α)となり、基準面51に対する入射角θよりも大きくなるが、第2傾斜面272の入射光Lの入射方向への投影面積は、第1傾斜面271の該入射方向への投影面積に対して非常に小さくなっている。すなわち、入射光Lから見た第2傾斜面272の面積は、第1傾斜面271に比べて非常に小さく、入射光Lの第2傾斜面272に対する入射角が基準面51に対する入射角θよりも大きくなることが反射防止構造部250の表面全体の反射率に与える影響は極めて小さい。
そして、このように構成された構造単位270,270,…の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、反射防止構造部250の表面と空気層との間の急激な屈折率変化が抑制され、微小凹凸部8,8,…が形成された表面の表層部において屈折率がなだらかに変化することになる。その結果、図11に示すように、反射防止構造部250の表面における反射率が効果的に抑制される。このとき、各構造単位270の第1及び第2傾斜面271,272の基準面51に対する傾斜角αは30°である。
したがって、本実施形態2によれば、反射防止構造部250の表面に微小凹凸部8,8,…を形成することによって、レンズ鏡筒205の内周面の表層における屈折率の変化がなだらかにするため、反射率を低減することができると共に、この微小凹凸部8,8,…を反射防止構造部250の基準面51に対して傾斜した第1及び第2傾斜面271,272を有する構造単位270,270,…の表面に形成することによって、入射光Lの入射角が実質的に小さくなるため、反射率の角度依存性を抑制することができる。
また、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部250の表面に構造単位270,270,…を形成することによって、反射防止構造部250の表面を粗面に形成し該粗面上に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、反射防止構造部250の表面の傾斜角を所望の値に加工し易く、所望の性能を有する反射防止構造部250を容易に製造することができると共に、生産性を向上させることができる。それに加えて、微小凹凸部8,8,…が形成される反射防止構造部250の表面に構造単位270,270,…を形成することによって、粗面に形成された反射防止構造部250の表面に微小凹凸部8,8,…を形成する構成と比較して、より効果的に反射率を低減することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態1,2について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態では、光透過性のレンズ鏡筒を例に挙げて説明したが、本発明に係る反射防止構造体は光透過性のものに限定されるものではなく、例えば、光吸収性のもの、所謂黒体であってもよい。
また、前記実施形態1では、各構造単位70(270)を構成する側面71〜74(271,272)は互いに相似形に形成され且つ基準面51に対する傾斜角も同じに構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各側面の形状を相似形とせず、一の側面の基準面51に対する傾斜角と該一の側面に対向する別の側面の基準面51に対する傾斜角とを異なる角度にしてもよい。
さらにまた、反射防止構造部350の表面に入射する入射光Lの入射方向が予め想定できるときには、図12に示すように、基礎構造部307を構成する各構造単位370の一の傾斜面371を、その法線方向が想定される入射光Lの入射方向を向くように構成してもよい。そうすることによって、構造単位370に入射する入射光Lの入射角が0°となり、微小凹凸部8,8,…の効果と相俟って、入射光Lの反射率をさらに効果的に低減することができる。このとき、入射光Lの入射方向を向く傾斜面371と、該傾斜面371に対向する傾斜面372とのなす角が直角であることが好ましい。そうすることによって、入射光Lの入射方向への該対向する傾斜面372の投影面積が0になり、構造単位370に入射する入射光Lの入射角が基準面51に対する入射角よりも大きくなることを防止することができる。
また、構造単位70,70,…の傾斜面の傾斜角は、全ての構造単位70,70,…で一様である必要はない。例えば、各構造単位70が配置される場所に応じて想定される入射光Lの入射角に合わせて傾斜面の傾斜角を変えてもよい。その場合、入射光Lの各傾斜面に対する入射角が0となるように、各傾斜面の傾斜角を設定することが好ましい。また、想定される入射角が複数ある場合には、図13に示すように、反射防止構造部450の表面に形成される基礎構造部407を、側面の傾斜角が異なる構造単位470A,470Bとを交互に配列して構成してもよい。
また、ここでは、SWSが表面の全面にわたって形成されている例について説明したが、SWSを表面の全面にわたって必ずしも設ける必要はなく、必要に応じた箇所のみにSWSを形成してもよい。この場合に、SWSを設けた箇所のみならず、表面のその他の箇所もSWSを設けた箇所と同様に構造単位70,70,…(270,270,…)を設けても構わず、また、そのときの構造単位70,70,…(270,270,…)の傾斜面の傾斜角をSWSを設けている部分と異ならせてもよい。さらに、SWSを設けていない箇所には反射率が比較的低い膜と比較的高い膜との多層膜からなるような他の反射防止構造を形成してもよい。また、SWSが形成されている領域内においても、必要に応じてSWSの高さや周期(ピッチ)を調節してもよい。
さらに、前記実施形態に係る基礎構造部7及び微小凹凸部8,8,…を備えた反射防止構造体は、レンズ鏡筒5に適用されるものに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ等の前面に配置され、ディスプレイ表面における光の反射(外光の映り込み等)を抑制する拡散板であってもよい。または、表示装置をはじめ、撮像装置、照明装置、プロジェクタ等の種々の光学機器の構成部材等であってもよい。具体的には、半導体レーザ素子、LED素子、電球、冷陰極管等の発光素子、電荷結合素子(CCD)やCMOS等のイメージセンサ、パワーメータ、エネルギーメータ、反射率測定機器等の光検出器、マイクロレンズアレイ、フォトディテク他等に対して適用することもできる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体、光学ユニット及び光学装置について有用である。
1 撮像装置(光学装置)
2 レンズ鏡筒ユニット(光学ユニット)
4 光学系
5 レンズ鏡筒(鏡筒)
50,250,350,450 反射防止構造部(反射防止構造体)
51 基準面
7,207,307,407 基礎構造部
70,270,370,470A,470B 構造単位
71 第1側面(傾斜面)
72 第2側面(傾斜面)
73 第3側面(傾斜面)
74 第4側面(傾斜面)
271 第1傾斜面(傾斜面)
272 第2傾斜面
371 傾斜面
372 傾斜面
8 微小凹凸部

Claims (15)

  1. 所定の波長以上の光の反射を抑制すると共に該反射が抑制される光を吸収する反射防止構造体であって、
    基準面上に設けられ且つ該基準面とのなす角が所定角度となる傾斜面を有する構造単位が複数並んで構成された基礎構造部と、
    前記基礎構造部の表面に形成され、前記所定の波長以下の周期で配列された複数の微小凹凸部とを備えている反射防止構造体。
  2. 請求項1に記載された反射防止構造体において、
    前記構造単位は、前記傾斜面を含んで構成された錘体状に形成されている反射防止構造体。
  3. 請求項2に記載された反射防止構造体において、
    前記構造単位は、前記傾斜面を含んで構成された四角錐状に形成されている反射防止構造体。
  4. 請求項2又は3に記載された反射防止構造体において、
    前記構造単位は、直錐体状に形成されている反射防止構造体。
  5. 請求項1に記載された反射防止構造体において、
    前記構造単位は、前記傾斜面と該傾斜面に隣接する第2傾斜面とで稜部を形成している反射防止構造体。
  6. 請求項5に記載された反射防止構造体において、
    前記構造単位は、前記稜部の断面が二等辺三角形となっている反射防止構造体。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載された反射防止構造体において、
    前記傾斜面の前記所定角度は、5度〜45度である反射防止構造体。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つに記載された反射防止構造体において、
    前記基礎構造部は、前記傾斜面の前記所定角度が異なる複数種類の構造単位を有している反射防止構造体。
  9. 請求項1乃至8の何れか1つに記載された反射防止構造体において、
    前記微小凹凸部は、錐体状の凹部若しくは凸部、又は線条凹部若しくは線条凸部である反射防止構造体。
  10. 請求項1乃至8の何れか1つに記載された反射防止構造体において、
    前記微小凹凸部は、その高さが前記反射が抑制される光の波長の0.4倍以上である反射防止構造体。
  11. 請求項1乃至8の何れか1つに記載された反射防止構造体において、
    前記微小凹凸部が内周面を構成するように円筒状に形成されている反射防止構造体。
  12. 光学系と、所定の方向から光が入射するように配置された請求項1乃至11の何れか1つに記載の反射防止構造体とを備えた光学ユニットであって、
    前記微小凹凸部は、前記光学系からの光の波長以下の周期で規則的に配列されている光学ユニット。
  13. 請求項12に記載された光学ユニットにおいて、
    前記傾斜面は、その法線方向が前記所定の方向を向いている光学ユニット。
  14. 請求項12又は13に記載された光学ユニットにおいて、
    前記光学系を内部に収納する鏡筒をさらに備え、
    前記反射防止構造体は、前記鏡筒の内周面に配設されている光学ユニット。
  15. 請求項12乃至14の何れか1つの光学ユニットを備えた光学装置。
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