JP2004170862A - フレネルレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】迷光による2重像等の障害を生じさせない全反射型フレネルレンズを提供すること。
【解決手段】光源(投射装置E)から投射される光を屈折する屈折面3と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面4とを有する複数のプリズム2を入射面に備えた全反射型のフレネルレンズ1であって、複数のプリズム2のうち少なくとも一部のプリズム2における出光方向を、当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源(投射装置E)側に傾く方向としてフレネルレンズ1を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】光源(投射装置E)から投射される光を屈折する屈折面3と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面4とを有する複数のプリズム2を入射面に備えた全反射型のフレネルレンズ1であって、複数のプリズム2のうち少なくとも一部のプリズム2における出光方向を、当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源(投射装置E)側に傾く方向としてフレネルレンズ1を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレネルレンズに関し、特に背面投射型テレビに用いる透過型スクリーンを構成するフレネルレンズに好適に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
大画面テレビの一つとして背面投射型テレビがある。この背面投射型テレビは、透過型スクリーンの反観察者側に配置した投射装置から、当該透過型スクリーンに対して映像光(投射光)を投射して、観察者に映像を提供するものである。
【0003】
このような背面投射型テレビは、投射装置から投射光を拡大して投射するため、投射装置と透過型スクリーンの距離をある程度確保する必要があり、それゆえ奥行き方向のスペースが大きくなってしまうという問題が生じる。このため、図13に示すように、透過型スクリーンAの面に対して斜め方向に投射装置Eを配置し、当該投射装置Eから投射光を投射するように背面透過型テレビを構成して、奥行き方向の小スペース化を図っている。
【0004】
そして、図13に示すように斜め方向から投射光が投射される透過型スクリーンには、全反射型フレネルレンズが好適に用いられる(特許文献1参照)。この全反射型フレネルレンズは、入光面に複数のプリズムを備えて形成され、投射光を該プリズムの第1面(屈折面)で屈折し、次いで第2面(全反射面)で全反射して出光するものである。
【0005】
このように、全反射型フレネルレンズは、投射光の光路調整に全反射を利用するので、透過型スクリーン(フレネルレンズ)への入射角が大きくなる投射系においても高い透過率を達成することができる。
【特許文献1】
特開昭61−208041号公報(第2−3頁、第6図、第8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来の全反射型フレネルレンズにおいては、以下のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、図14に示すように、従来の全反射型フレネルレンズでは、入射角が小さくなる領域(投射装置に近い領域)に位置するプリズムにおいて、屈折面で屈折した後に全反射面に到達しない光(迷光)Yが発生する。
【0008】
そして、図15に示すように、この迷光Yは出光面で反射された後に再び屈折面及び全反射面で屈折又は反射されて出光面から出光される。このように、正規に出光されるべき位置とは異なる位置から遅れて出光された光は、観察者に2重像を観察させ、映像の視認性を劣化させることとなる。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、全反射型フレネルレンズに斜め方向から映像光を投射する場合に、特に入射角が小さくなる領域において生じる迷光の発生を低減し、2重像等の障害を生じさせない全反射型フレネルレンズを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、光源から投射される光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入射面に備えた全反射型のフレネルレンズであって、複数のプリズムのうち少なくとも一部のプリズムにおける出光方向を、当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源側に傾く方向としてフレネルレンズを形成する(請求項1)。
【0011】
これによれば、プリズムの出光方向を当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源側に傾く方向とするので、当該プリズムの頂点は相対的に光源とは反対の方向に移動し、従って、迷光の発生を防止又は低減することができ、ひいては2重像の発生を防止することができる。
【0012】
なお、複数のプリズムのうち少なくとも光源から投射される光の入射角が小さくなる領域に位置するプリズムの出光方向を、シート面に垂直な方向より光源側に傾く方向として形成すると良い。具体的には、少なくとも光源から投射される光の入射角が40°以下となる領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成することが良く、更に望ましくは、同入射角が45°以下となる領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成することが良い。入射角が45°以下、特に40°以下となる領域で迷光が生じやすいためである。
【0013】
尤もこの場合、上記領域に位置するプリズムのみに限らず、上記領域を含んだ領域、ひいては全領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成しても良い。
【0014】
また、請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、光源から投射される光の入射角度が小さいプリズムほど光源側への出光方向の傾け角度を大きくして形成すると良い。(請求項2)。
【0015】
これによれば、其々のプリズムの出光方向が突然変化することなく、ひいては観察者に違和感を与えることがない。
【0016】
また、請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、当該フレネルレンズの出光面の少なくとも光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に低屈折率の材料からなるコーティング層を備えると良い(請求項3)。
【0017】
これによれば、出光面に低屈折率の材料からなるコーティング層を備えたので、光源側に傾く方向に全反射された光が出光面で反射されることを低減でき、反射光が原因で生じるコントラストの低下等を防止することができる。
【0018】
また、請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、当該フレネルレンズの出光面の少なくとも光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に光拡散要素を備えると良い(請求項4)。
【0019】
これによれば、光源側に傾く方向に全反射された光が光拡散要素を備えた出光面で拡散を伴って反射されるため、当該反射光が原因で生じるコントラストの低下等を防止することができる。
【0020】
光拡散要素は粗面又はレンチキュラーレンズで形成すると良い(請求項5、請求項6)。
【0021】
また、請求項1乃至6の何れか一項に記載のフレネルレンズにおいて、シート面に垂直な方向より光源側に傾く方向に全反射された光をシート面に垂直な方向の光に調整する複数の第2のプリズムを出光面側に備えることが良い(請求項7)。
【0022】
これによれば、光源側に傾く方向に全反射された光をシート面に垂直な方向の光に調整して出光するので、観察者に鮮明な映像を提供することが可能となる。なお、第2のプリズムは請求項1乃至6のフレネルレンズの出光面に形成しても良いし、請求項1乃至6のフレネルレンズとは別体のシートの入光面又は出光面に形成しても良い。後者の場合は、請求項1乃至6のフレネルレンズと第2のプリズムを備えたシートとでフレンルレンズを構成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るフレネルレンズについて図面を参照して説明する。
【0024】
1.第1のフレネルレンズ
本発明に係る第1のフレネルレンズは、後述するように、斜め下方に配置した投射装置Eから斜め上方に向けて映像光Sが投射される透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズであり、迷光の発生を防止するためプリズムの出光方向を部分的に変化させて形成したものである。以下、その構成及び製造方法について詳細に説明する。
【0025】
A.第1のフレネルレンズの構成
図1は、フレネルレンズ1の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、フレネルレンズ1は、その入光面に、円弧状に延びる複数のプリズム2を備える。複数のプリズム2は、フレネルレンズの下辺の中央から下方に移動した点Pを中心とする同心円状に配置される。
【0026】
図2は、図1の領域A、領域B及び領域Cにおけるx−x線断面図である。図2に示すように、プリズム2は、断面三角形に形成され、投影装置Eから入光する映像光Sを屈折する屈折面3と、当該屈折面3で屈折された映像光を全反射する全反射面4とを備える。
【0027】
ここで、プリズム2は、投射装置Eからの映像光Sの入射角度θが小さくなるプリズム2ほど、その出光方向が投射装置E側に傾く方向となるように形成される。すなわち、先ず、入射角度θが大きい、投射装置Eから遠い領域Aに位置するプリズム4aは、その出光方向がフレネルレンズ面とほぼ垂直となるように形成される(図2(A))。次に、入射角度θが領域Aより小さい領域Bに位置するプリズム2bは、その出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より角度γbだけ投射装置E側に傾いた方向となるように形成される(図2(B))。そして、入射角度θがさらに小さい領域Cに位置するプリズム2cは、その出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より角度γc(γc>γb)だけ投射装置E側に傾いた方向となるように形成される(図2(C))。プリズム2a、2b、2cの其々の間に位置するプリズム2は、入射角度θが小さくなるにつれ、出光方向の傾き角度γが徐々に大きくなるように形成される。
【0028】
このように入射角度θが小さいプリズム2ほど出光方向が投射装置E側に傾くように形成したフレネルレンズ1に特有な機能について、図3を用いて説明する。図3(A)は、フレネルレンズ1の入射角度が小さい領域Cに位置するプリズム2cにおける映像光Sの挙動を示す図であり、図3(B)は、従来のフレネルレンズ1’の同領域Cに位置するプリズム2c’における映像光Sの挙動を示す図である。
【0029】
プリズム2cの出光方向は投射装置E側に10°傾く方向、プリズム2c’の出光方向はフレネルレンズ面に垂直な方向とし、また、プリズム2c及びプリズム2c’への映像光Sの入射角θは共に38°、プリズム頂角(屈折面と全反射面とのなす角)は38°、屈折率は1.55として以下説明する。
【0030】
先ず、図3(B)に示すように、従来のフレネルレンズ1’では、プリズム2c’に入光する映像光SのうちS1’領域の光は全反射面4’で全反射され正規に出光されが、S2’領域の光は全反射面4’に到達せず迷光Yとなる。このとき、プリズム2c’に入光する全ての映像光S(S1’+S2’)に対する、迷光Yとなる映像光S(S2’)の割合は25%となり、かなりの割合で迷光Yが生じることとなる。
【0031】
これに対し、図3(A)に示すように、本発明のフレネルレンズ1は、プリズム2cの出光方向が投射装置E側に傾く方向となるように形成されるため、プリズム2cの頂点Qは従来のフレネルレンズ1’(点線で記載)に比べて相対的に投射装置Eと反対方向(図で上方向)に移動する。従って、迷光Yとなる映像光S(S2)の割合は13%と大幅に減少する。
【0032】
以上のように、本発明のフレネルレンズ1は、従来のフレネルレンズに比べて迷光Yの生じる割合を大幅に低減することができるという特有な機能を備えることとなる。
【0033】
更に詳細にフレネルレンズ1の機能を検討するため、入射角度θが其々35°,38°,40°となる位置での迷光Yの発生率を表1に示した。ここで、プリズム頂角は38°、屈折率は1.55に固定した。また、出光方向を投射装置E側(下向き)に3°,6.5°,10°傾けた場合について迷光Yの発生率を示し、また比較のため出光方向をフレネルレンズ面に垂直方向とした場合の迷光Yの発生率も示した。
【0034】
【表1】
表1に示すように、何れの入射角度θの位置においても、従来のフレネルレンズに比べて、本発明のフレネルレンズ1の迷光発生率は小さくなる。特に、本発明のフレネルレンズ1において、投射装置E側に3°,6.5°,10°と大きく傾けて出射するにつれ迷光発生割合は小さくなる。
【0035】
但し、出光方向を投射装置E側に傾けすぎると、後述する第3のフレネルレンズのように出光方向の傾きを戻す処理をしない限り、観察者へ提供する映像が暗くなってしまうため、フレネルレンズ面に垂直な方向に対しての出光方向の傾け角度は13°以下とすることが望ましい。
【0036】
B.第1のフレネルレンズの製造方法
次に、上述したフレネルレンズ1を製造する方法について説明する。
【0037】
フレネルレンズ1は、例えば、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線硬化樹脂法等で製造される。以下、紫外線硬化樹脂法でのフレネルレンズ1の製造方法について説明する。
【0038】
先ず、アルミニウム、黄銅、銅などの金型用材料をバイト等によりフレネルレンズ1の入光面に対応する形状に彫り込んで形成した金型Cを準備する。次いで、この金型Cに紫外線硬化型樹脂を塗布する。紫外線硬化型樹脂の塗布は、ロールコート法、グラビア法、ディスペンサー法、ダイコート法等により行なえばよい。
【0039】
次いで、塗布した紫外線硬化樹脂の上に、紫外線を透過させる実質的に透明な基板を積層し、加圧ローラ等で加圧して当該基板を紫外線硬化型樹脂に密着させる。そして、積層した基板の上から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させる。
【0040】
次いで、硬化した紫外線硬化樹脂を金型Cから離型し、所望の大きさに切断してフレネルレンズ1が完成する。
【0041】
なお、フレネルレンズ1のプリズム2の先端角が小さすぎると、前述のようにバイト等により金型用材料を掘り込む際にバイト等が折れ易く切削が困難となり、また成形品の金型Cからの離型が困難となる。従って、フレネルレンズ1の量産を考慮した場合、プリズム2の先端角は35〜45°とすることが望ましい。
【0042】
また、バイト等の先端角度を一定にすると金型Cの製造効率が良い。従って、フレネルレンズ1の製造効率を考慮した場合、全てのプリズム2におけるプリズム頂角は一定であることが望ましい。
【0043】
また、フレネルレンズ1の製造は、上述した紫外線硬化樹脂法に限られることなく、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性の樹脂素材を用いて、▲1▼フレネルレンズ1に対応する形状に形成された金型に溶融状態の光透過性樹脂素材を充填して硬化させ、その後離型する方法(キャスティング法)、▲2▼同金型に加熱した光透過性樹脂素材を充填し加圧して成形した後に離型する方法(熱プレス法)等により製造することができる。
【0044】
C.第1のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
図4は、以上に説明したフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【0045】
図4に示すように、透過型スクリーン10はフレネルレンズ1の出光面側にレンチキュラーレンズ11を配置して形成される。
【0046】
レンチキュラーレンズ11は、入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズ12を設け、当該かまぼこ型レンズ12の表面に光吸収層13を形成し、更に内部に拡散剤14を分散させて形成される。
【0047】
この透過型スクリーン10は、その入光面側の斜め下方に設けた投射装置Eから投射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、前述のようにフレネルレンズ1は、迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーン10に映し出される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない。
【0048】
なお、透過型スクリーン10には、前述のレンチキュラーレンズ11以外にも、公知のレンチキュラーレンズを用いることができ、この場合でも同様の効果が得られる。
【0049】
2.第2のフレネルレンズ
第2のフレネルレンズ21は、第1のフレネルレンズ1の出光面に光拡散要素を備えて形成したものである。なお、第1のフレネルレンズ1の特定事項と同一の特定事項については同一符号をもって示し、その説明は省略する。
【0050】
A.第2のフレネルレンズの構造
図5は、第2のフレネルレンズ21の厚さ方向の断面図である。図5に示すように、第2のフレネルレンズ21は、出光面にコーティング層22を備えている。
【0051】
コーティング層22は、プリズム2を形成する材料より屈折率の小さい材料で形成される。具体的には、コーティング層22を形成する材料として、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0052】
このように屈折率の小さい材料で形成されたコーティング層22を出光面に備えたフレネルレンズ21に特有な機能について、図5及び図6を用いて説明する。図6は、出光面側にコーティング層22を備えていないフレネルレンズ1の投射装置Eに近い領域に位置するプリズム2における映像光Sの挙動を示す図である。
【0053】
図6に示すように、コーティング層22を備えていないフレネルレンズ1では、先ず、映像光Sが全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射される。次いで、出光面Rに達した映像光Sは、その一部(例えば4%程度)が出光面Rで入光面側に全反射される。次いで、全反射されて入光面側に出光した映像光Sは、後述のようにミラーMを備えた投射系においては、ミラーMで反射され再びフレネルレンズ1を通過して出光面Rから出光される。このように出光された光は、光路がかなり長くなるため像としては認識されないが、当該部分に正規に出光した映像光とかさなって、画像のコントラストを低下させる原因となる。
【0054】
一方、図5に示すように、コーティング層22を備えたフレネルレンズ21では、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sは、コーティング層22に達するが、コーティング層22は屈折率材料で形成されているため、入光面側に反射される映像光Sは僅か(例えば2%程度)となる。従って、フレネルレンズ21は、ミラーMを備えた投射系等においても、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。
【0055】
なお、コーティング層22に替えて図7に示すような光拡散要素としての粗面23を用いても良い。図7に示すように、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sの一部は粗面23で入光面側に反射されるが、このとき反射光は粗面23で散乱される。従って、反射光がミラーMで反射され再びフレネルレンズ21’に到達した場合でも当該反射光の量を低減することができ、フレネルレンズ21と同様に、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。なお、更に、粗面23を、プリズム2の屈折面3において迷光Yとなる映像光Sが通過する領域に設けても良い。当該領域に粗面23を設けることにより、当該領域を通過する映像光Sを拡散させるので、迷光Yの影響を低減でき画像コントラストの低下を更に減少させることができる。
【0056】
更に、コーティング層22に替えて図8に示すような光拡散要素としてのレンチキュラーレンズ24を用いても良い。図8に示すように、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sの一部はレンチキュラーレンズ24で反射される際に拡散される。従って、反射光がミラーMで反射され再びフレネルレンズ21’’に到達した場合でも当該反射光の量を低減することができ、フレネルレンズ21と同様に、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。
【0057】
更に、以上では第2のフレネルレンズ21(21’,21’’)の出光面の全域にコーティング層22、粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成した場合を示したが、これに限られず、出光面の少なくともフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sが通過する領域にコーティング層22、粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成すれば良い。このようにすれば、当該投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sが原因で生じる画像コントラストの低下を減少させることができる。
【0058】
B.第2のフレネルレンズの製造方法
フレネルレンズ21は、第1のフレネルレンズ1に示した製造方法に引き続いて、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の屈折率の小さい材料をフローコートやディピングコート等により出光面に塗布して製造することができる。また、MgF2、SiO2、TiO2等の屈折率の異なる無機材料を多層蒸着してコーティング層21を形成しても良い。
【0059】
また、コーティング層22に替えて粗面23又はレンチキュラーレンズ24を用いたフレネルレンズ21’,21’’は、紫外線硬化樹脂法においては、片面に粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成した基板を用いて製造することができ、キャスティング法、熱プレス法においては、粗面23又はレンチキュラーレンズ24の形状に掘り込んだ金型を用いて製造することができる。
【0060】
C.第2のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
以上に説明したフレネルレンズ21は、その出光面側に配置したレンチキュラーレンズ11と共に透過型スクリーン31として用いられる。
【0061】
図9は、透過型スクリーン31を用いた投射系を説明する図である。
【0062】
図9に示すように、透過型スクリーン31は、その入光面側の下方に設けた投射装置Eから投射され、次いでミラーMによって反射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、フレネルレンズ21は迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーンに投影される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない点は、第1のフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンと同様である。
【0063】
更に、第2のフレネルレンズ21を用いた透過型スクリーン31は、出光面にコーティング層22を設けたので、当該コーティング層22での反射を減少させ、ひいては前述したように、コントラストの高い映像を提供することができる。
【0064】
なお、コーティング層22に替えて粗面23又はレンチキュラーレンズ24を用いた場合も、当該粗面23又はレンチキュラーレンズ24で反射光を散乱又は拡散するので、コントラストの高い映像を提供することができる。
【0065】
3.第3のフレネルレンズ
第3のフレネルレンズ41は、第1のフレネルレンズ1の出光面に複数の第2のプリズムを備えて形成したものである。なお、第1のフレネルレンズ1の特定事項と同一の特定事項については同一符号をもって示し、その説明は省略する。
【0066】
A.第3のフレネルレンズの構造
図10は、第3のフレネルレンズ41の厚さ方向の断面図である。図10に示すように、第3のフレネルレンズ41は、出光面に第2のプリズム42を備えている。
【0067】
第2のプリズム42は、垂直方向に直線状に延びる断面三角形状に形成され、全反射面4で投射装置E側に傾く方向に全反射された光を屈折してフレネルレンズ面に垂直な光とするレンズ面43と、レンズ面43同士を接続する非レンズ面44とを備えて形成される。
【0068】
このように第2のプリズム42を出光面に備えたフレネルレンズ41は、第1のフレネルレンズ1が有する機能に加えて、プリズム2から投射装置E側に傾く方向に出光された映像光Sを、第2のプリズム42でフレネルレンズ面に対して垂直な光に調整して出光する機能を備える。
【0069】
なお、図11に示すように、第2のプリズム42を別体のシートの表面に設けても良い。すなわち、プリズムシート45の出光面に上記と同様の構造の第2プリズム42を形成し、フレネルレンズ1とプリズムシート45とでフレネルレンズ46を構成する。このフレネルレンズ46も、プリズム2から投射装置E側に傾く方向に出光された映像光Sを、第2のプリズム42でフレネルレンズ面に対して垂直な光に調整して出光する機能を備える。
【0070】
また、プリズムシート45の入光面に第2のプリズム42を設けても良いが、損失光をなくすためには前述のようにプリズムシート45の出光面に第2のプリズム42を設けることが望ましい。
【0071】
B.第3のフレネルレンズの製造方法
フレネルレンズ41,46は、第1のフレネルレンズ1に示した製造方法と同様の方法により製造することができる。例えば、紫外線硬化樹脂法の場合は、先ずフレネルレンズ41の入光面側を成形し、引き続いて出光面側を成形すれば良い。
【0072】
C.第3のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
フレネルレンズ41,46は、上記の実施形態と同様に、出光面側に配置したレンチキュラーレンズと共に透過型スクリーンとして用いられる。
【0073】
このように形成した透過型スクリーンは、上記の実施形態における効果に加えて、上述したようにフレネルレンズ面に対して垂直な光で出光するので、観察者に明るい映像光を提供することができる。
【0074】
4.変形例
以上の実施形態では、全てのプリズム4について、入射角度θが小さくなるにつれ徐々に出光方向を投射装置E側に傾けるようにしたが、これに限られることなく、一部(特に入射角度θが小さくなる領域)のプリズム4についてのみ出光方向を投射装置Eに傾けるようにしても良い。
【0075】
また、必ずしも、出射方向を徐々に変化させる必要がなく、一定領域において出光方向を一定に傾けるようにしても良い。更に、全てのプリズム4について出光方向を一定に傾けるようにしても良い。
【0076】
【実施例】
1.実施例1
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成し、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に400mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)を配置して透過型スクリーンに向かって映像光を投射した。
【0077】
▲1▼フレネルレンズ
入光面に屈折面と全反射面を有して円弧状に延びるプリズムを、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点を中心とする同心円状に0.11mmのピッチで配列して形成した。したがて、円弧状のプリズムの半径は312〜1188mmとなる。また、プリズム頂角は38°、材料の屈折率は1.55とした。なお、スクリーンの入射角度は、入射角度が最小となる半径312mmのプリズムで38°、入射角度が最大となる半径1188mmのプリズムで71.4°となった。
【0078】
そして、プリズムの出光方向は、半径312mmのプリズムで下側(投射装置側)に10°傾くようにして、そこから徐々に傾け角度を小さくして、半径700mmのプリズムではフレネルレンズ面に垂直(垂直傾け角度を0°)とした。半径700〜1188mmのプリズムはフレネルレンズ面に垂直(垂直傾け角度を0°)とした。なお、図12には、プリズム半径に対する傾け角度(フレネルレンズ面に垂直方向に対する出光方向の角度)の関係を示した。
【0079】
▲2▼レンチキュラーレンズ
入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズを0.14mmのピッチで形成した。レンチキュラーレンズの厚さは1mmとして、レンチキュラーレンズの水平拡散半値角が30°、垂直拡散半値角が12°となるように、内部に拡散剤を分散させた。
【0080】
また、かまぼこ型レンズの表面に厚さ20μmの光吸収層を設けた。光吸収層の吸収率は40%とした。
【0081】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく良好な映像を観察することができた。
【0082】
2.実施例2
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成した。また、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に100mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)をスクリーンと逆方向を向くように配置し、更に、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より200mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に250mm移動した地点にミラーを配置した。そして、投射装置からミラーで折り返してスクリーンに対して映像光を投射した。
【0083】
▲1▼フレネルレンズ
プリズムの構成は実施例1と同様とし、実施例1のフレネルレンズの出光面にコーティング層を形成してフレネルレンズを形成した。出光面(コーティング層)の反射率は1%とした。
【0084】
コーティング層は、ポリカーボネート製の基板(屈折率1.58)を用いて紫外線硬化樹脂法により形成したフレネルレンズ本体の当該基板上に、TiO2(屈折率2.4)を250nm、更にその上にSiO2(屈折率1.46)を120nmの厚さで積層して形成した。
【0085】
▲2▼レンチキュラーレンズ
レンチキュラーレンズは実施例1と同じものを用いた。
【0086】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく、更にコントラストの低下もない良好な映像を観察することができた。
【0087】
3.実施例3
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成した。また、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に100mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)をスクリーンと逆方向を向くように配置し、更に、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より200mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に250mm移動した地点にミラーを配置した。そして、投射装置からミラーで折り返してスクリーンに対して映像光を投射した。
【0088】
▲1▼フレネルレンズ
プリズムの構成は実施例1と同様とし、実施例1のフレネルレンズの出光面に水平レンチキュラーレンズを形成してフレネルレンズを形成した。
【0089】
レンチキュラーレンズは、半径0.1mmの円弧状の断面形状に形成し、レンズピッチは0.08mmとした。
【0090】
▲2▼レンチキュラーレンズ
レンチキュラーレンズは実施例1と同じものを用いた。
【0091】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく、更にコントラストの低下もない良好な映像を観察することができた。
【0092】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、プリズムの出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より光源側に傾く方向となるようにフレネルレンズを形成するため、迷光の発生を防止又は低減することができ、従って、迷光による2重像の発生を防止することができる。
【0093】
また、当該フレネルレンズの出光面側に低屈折率材料からなるコーティング層又は光拡散要素を備えてフレネルレンズを形成するため、出光面での反射光が原因で生じるコントラストの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のフレネルレンズの全体構成を示す斜視図である。
【図2】(A)は図1における領域Aのx−x線断面図であり、(B)図1における領域Bのx−x線断面図であり、(C)は図1における領域Cのx−x線断面図である。
【図3】(A)は本発明のフレネルレンズ1の入射角度が小さい領域Cに位置するプリズム2cにおける映像光Sの挙動を示す図であり、(B)は従来のフレネルレンズ1’の同領域Cに位置するプリズム2c’における映像光Sの挙動を示す図である。
【図4】本発明のフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2のフレネルレンズ21の厚さ方向の断面図である。
【図6】本発明の第2のフレネルレンズの機能を説明するための図である。
【図7】本発明の第2のフレネルレンズの別の形態を示す図である。
【図8】本発明の第2のフレネルレンズの別の形態を示す図である。
【図9】本発明のフレネルレンズ2を用いた透過型スクリーンの投射系を示す図である。
【図10】本発明の第3のフレネルレンズ41の厚さ方向の断面図である。
【図11】本発明の第3のフレネルレンズ46の厚さ方向の断面図である。
【図12】実施例1のフレネルレンズにおけるプリズム半径に対する傾け角度の関係を示す図である。
【図13】透過型スクリーンに対して斜め方向から映像光を投射する投射系を説明する図である。
【図14】従来のフレネルレンズの厚さ方向の断面図である。
【図15】従来のフレネルレンズにおける迷光の光路を説明する図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズ
2 プリズム
3 屈折面
4 全反射面
E 投射装置
S 映像光(投射光)
θ 入射角度
γ 傾け角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレネルレンズに関し、特に背面投射型テレビに用いる透過型スクリーンを構成するフレネルレンズに好適に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
大画面テレビの一つとして背面投射型テレビがある。この背面投射型テレビは、透過型スクリーンの反観察者側に配置した投射装置から、当該透過型スクリーンに対して映像光(投射光)を投射して、観察者に映像を提供するものである。
【0003】
このような背面投射型テレビは、投射装置から投射光を拡大して投射するため、投射装置と透過型スクリーンの距離をある程度確保する必要があり、それゆえ奥行き方向のスペースが大きくなってしまうという問題が生じる。このため、図13に示すように、透過型スクリーンAの面に対して斜め方向に投射装置Eを配置し、当該投射装置Eから投射光を投射するように背面透過型テレビを構成して、奥行き方向の小スペース化を図っている。
【0004】
そして、図13に示すように斜め方向から投射光が投射される透過型スクリーンには、全反射型フレネルレンズが好適に用いられる(特許文献1参照)。この全反射型フレネルレンズは、入光面に複数のプリズムを備えて形成され、投射光を該プリズムの第1面(屈折面)で屈折し、次いで第2面(全反射面)で全反射して出光するものである。
【0005】
このように、全反射型フレネルレンズは、投射光の光路調整に全反射を利用するので、透過型スクリーン(フレネルレンズ)への入射角が大きくなる投射系においても高い透過率を達成することができる。
【特許文献1】
特開昭61−208041号公報(第2−3頁、第6図、第8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来の全反射型フレネルレンズにおいては、以下のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、図14に示すように、従来の全反射型フレネルレンズでは、入射角が小さくなる領域(投射装置に近い領域)に位置するプリズムにおいて、屈折面で屈折した後に全反射面に到達しない光(迷光)Yが発生する。
【0008】
そして、図15に示すように、この迷光Yは出光面で反射された後に再び屈折面及び全反射面で屈折又は反射されて出光面から出光される。このように、正規に出光されるべき位置とは異なる位置から遅れて出光された光は、観察者に2重像を観察させ、映像の視認性を劣化させることとなる。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、全反射型フレネルレンズに斜め方向から映像光を投射する場合に、特に入射角が小さくなる領域において生じる迷光の発生を低減し、2重像等の障害を生じさせない全反射型フレネルレンズを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、光源から投射される光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入射面に備えた全反射型のフレネルレンズであって、複数のプリズムのうち少なくとも一部のプリズムにおける出光方向を、当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源側に傾く方向としてフレネルレンズを形成する(請求項1)。
【0011】
これによれば、プリズムの出光方向を当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より光源側に傾く方向とするので、当該プリズムの頂点は相対的に光源とは反対の方向に移動し、従って、迷光の発生を防止又は低減することができ、ひいては2重像の発生を防止することができる。
【0012】
なお、複数のプリズムのうち少なくとも光源から投射される光の入射角が小さくなる領域に位置するプリズムの出光方向を、シート面に垂直な方向より光源側に傾く方向として形成すると良い。具体的には、少なくとも光源から投射される光の入射角が40°以下となる領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成することが良く、更に望ましくは、同入射角が45°以下となる領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成することが良い。入射角が45°以下、特に40°以下となる領域で迷光が生じやすいためである。
【0013】
尤もこの場合、上記領域に位置するプリズムのみに限らず、上記領域を含んだ領域、ひいては全領域に位置するプリズムの出光方向を上記のように形成しても良い。
【0014】
また、請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、光源から投射される光の入射角度が小さいプリズムほど光源側への出光方向の傾け角度を大きくして形成すると良い。(請求項2)。
【0015】
これによれば、其々のプリズムの出光方向が突然変化することなく、ひいては観察者に違和感を与えることがない。
【0016】
また、請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、当該フレネルレンズの出光面の少なくとも光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に低屈折率の材料からなるコーティング層を備えると良い(請求項3)。
【0017】
これによれば、出光面に低屈折率の材料からなるコーティング層を備えたので、光源側に傾く方向に全反射された光が出光面で反射されることを低減でき、反射光が原因で生じるコントラストの低下等を防止することができる。
【0018】
また、請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、当該フレネルレンズの出光面の少なくとも光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に光拡散要素を備えると良い(請求項4)。
【0019】
これによれば、光源側に傾く方向に全反射された光が光拡散要素を備えた出光面で拡散を伴って反射されるため、当該反射光が原因で生じるコントラストの低下等を防止することができる。
【0020】
光拡散要素は粗面又はレンチキュラーレンズで形成すると良い(請求項5、請求項6)。
【0021】
また、請求項1乃至6の何れか一項に記載のフレネルレンズにおいて、シート面に垂直な方向より光源側に傾く方向に全反射された光をシート面に垂直な方向の光に調整する複数の第2のプリズムを出光面側に備えることが良い(請求項7)。
【0022】
これによれば、光源側に傾く方向に全反射された光をシート面に垂直な方向の光に調整して出光するので、観察者に鮮明な映像を提供することが可能となる。なお、第2のプリズムは請求項1乃至6のフレネルレンズの出光面に形成しても良いし、請求項1乃至6のフレネルレンズとは別体のシートの入光面又は出光面に形成しても良い。後者の場合は、請求項1乃至6のフレネルレンズと第2のプリズムを備えたシートとでフレンルレンズを構成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るフレネルレンズについて図面を参照して説明する。
【0024】
1.第1のフレネルレンズ
本発明に係る第1のフレネルレンズは、後述するように、斜め下方に配置した投射装置Eから斜め上方に向けて映像光Sが投射される透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズであり、迷光の発生を防止するためプリズムの出光方向を部分的に変化させて形成したものである。以下、その構成及び製造方法について詳細に説明する。
【0025】
A.第1のフレネルレンズの構成
図1は、フレネルレンズ1の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、フレネルレンズ1は、その入光面に、円弧状に延びる複数のプリズム2を備える。複数のプリズム2は、フレネルレンズの下辺の中央から下方に移動した点Pを中心とする同心円状に配置される。
【0026】
図2は、図1の領域A、領域B及び領域Cにおけるx−x線断面図である。図2に示すように、プリズム2は、断面三角形に形成され、投影装置Eから入光する映像光Sを屈折する屈折面3と、当該屈折面3で屈折された映像光を全反射する全反射面4とを備える。
【0027】
ここで、プリズム2は、投射装置Eからの映像光Sの入射角度θが小さくなるプリズム2ほど、その出光方向が投射装置E側に傾く方向となるように形成される。すなわち、先ず、入射角度θが大きい、投射装置Eから遠い領域Aに位置するプリズム4aは、その出光方向がフレネルレンズ面とほぼ垂直となるように形成される(図2(A))。次に、入射角度θが領域Aより小さい領域Bに位置するプリズム2bは、その出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より角度γbだけ投射装置E側に傾いた方向となるように形成される(図2(B))。そして、入射角度θがさらに小さい領域Cに位置するプリズム2cは、その出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より角度γc(γc>γb)だけ投射装置E側に傾いた方向となるように形成される(図2(C))。プリズム2a、2b、2cの其々の間に位置するプリズム2は、入射角度θが小さくなるにつれ、出光方向の傾き角度γが徐々に大きくなるように形成される。
【0028】
このように入射角度θが小さいプリズム2ほど出光方向が投射装置E側に傾くように形成したフレネルレンズ1に特有な機能について、図3を用いて説明する。図3(A)は、フレネルレンズ1の入射角度が小さい領域Cに位置するプリズム2cにおける映像光Sの挙動を示す図であり、図3(B)は、従来のフレネルレンズ1’の同領域Cに位置するプリズム2c’における映像光Sの挙動を示す図である。
【0029】
プリズム2cの出光方向は投射装置E側に10°傾く方向、プリズム2c’の出光方向はフレネルレンズ面に垂直な方向とし、また、プリズム2c及びプリズム2c’への映像光Sの入射角θは共に38°、プリズム頂角(屈折面と全反射面とのなす角)は38°、屈折率は1.55として以下説明する。
【0030】
先ず、図3(B)に示すように、従来のフレネルレンズ1’では、プリズム2c’に入光する映像光SのうちS1’領域の光は全反射面4’で全反射され正規に出光されが、S2’領域の光は全反射面4’に到達せず迷光Yとなる。このとき、プリズム2c’に入光する全ての映像光S(S1’+S2’)に対する、迷光Yとなる映像光S(S2’)の割合は25%となり、かなりの割合で迷光Yが生じることとなる。
【0031】
これに対し、図3(A)に示すように、本発明のフレネルレンズ1は、プリズム2cの出光方向が投射装置E側に傾く方向となるように形成されるため、プリズム2cの頂点Qは従来のフレネルレンズ1’(点線で記載)に比べて相対的に投射装置Eと反対方向(図で上方向)に移動する。従って、迷光Yとなる映像光S(S2)の割合は13%と大幅に減少する。
【0032】
以上のように、本発明のフレネルレンズ1は、従来のフレネルレンズに比べて迷光Yの生じる割合を大幅に低減することができるという特有な機能を備えることとなる。
【0033】
更に詳細にフレネルレンズ1の機能を検討するため、入射角度θが其々35°,38°,40°となる位置での迷光Yの発生率を表1に示した。ここで、プリズム頂角は38°、屈折率は1.55に固定した。また、出光方向を投射装置E側(下向き)に3°,6.5°,10°傾けた場合について迷光Yの発生率を示し、また比較のため出光方向をフレネルレンズ面に垂直方向とした場合の迷光Yの発生率も示した。
【0034】
【表1】
表1に示すように、何れの入射角度θの位置においても、従来のフレネルレンズに比べて、本発明のフレネルレンズ1の迷光発生率は小さくなる。特に、本発明のフレネルレンズ1において、投射装置E側に3°,6.5°,10°と大きく傾けて出射するにつれ迷光発生割合は小さくなる。
【0035】
但し、出光方向を投射装置E側に傾けすぎると、後述する第3のフレネルレンズのように出光方向の傾きを戻す処理をしない限り、観察者へ提供する映像が暗くなってしまうため、フレネルレンズ面に垂直な方向に対しての出光方向の傾け角度は13°以下とすることが望ましい。
【0036】
B.第1のフレネルレンズの製造方法
次に、上述したフレネルレンズ1を製造する方法について説明する。
【0037】
フレネルレンズ1は、例えば、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線硬化樹脂法等で製造される。以下、紫外線硬化樹脂法でのフレネルレンズ1の製造方法について説明する。
【0038】
先ず、アルミニウム、黄銅、銅などの金型用材料をバイト等によりフレネルレンズ1の入光面に対応する形状に彫り込んで形成した金型Cを準備する。次いで、この金型Cに紫外線硬化型樹脂を塗布する。紫外線硬化型樹脂の塗布は、ロールコート法、グラビア法、ディスペンサー法、ダイコート法等により行なえばよい。
【0039】
次いで、塗布した紫外線硬化樹脂の上に、紫外線を透過させる実質的に透明な基板を積層し、加圧ローラ等で加圧して当該基板を紫外線硬化型樹脂に密着させる。そして、積層した基板の上から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させる。
【0040】
次いで、硬化した紫外線硬化樹脂を金型Cから離型し、所望の大きさに切断してフレネルレンズ1が完成する。
【0041】
なお、フレネルレンズ1のプリズム2の先端角が小さすぎると、前述のようにバイト等により金型用材料を掘り込む際にバイト等が折れ易く切削が困難となり、また成形品の金型Cからの離型が困難となる。従って、フレネルレンズ1の量産を考慮した場合、プリズム2の先端角は35〜45°とすることが望ましい。
【0042】
また、バイト等の先端角度を一定にすると金型Cの製造効率が良い。従って、フレネルレンズ1の製造効率を考慮した場合、全てのプリズム2におけるプリズム頂角は一定であることが望ましい。
【0043】
また、フレネルレンズ1の製造は、上述した紫外線硬化樹脂法に限られることなく、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性の樹脂素材を用いて、▲1▼フレネルレンズ1に対応する形状に形成された金型に溶融状態の光透過性樹脂素材を充填して硬化させ、その後離型する方法(キャスティング法)、▲2▼同金型に加熱した光透過性樹脂素材を充填し加圧して成形した後に離型する方法(熱プレス法)等により製造することができる。
【0044】
C.第1のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
図4は、以上に説明したフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【0045】
図4に示すように、透過型スクリーン10はフレネルレンズ1の出光面側にレンチキュラーレンズ11を配置して形成される。
【0046】
レンチキュラーレンズ11は、入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズ12を設け、当該かまぼこ型レンズ12の表面に光吸収層13を形成し、更に内部に拡散剤14を分散させて形成される。
【0047】
この透過型スクリーン10は、その入光面側の斜め下方に設けた投射装置Eから投射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、前述のようにフレネルレンズ1は、迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーン10に映し出される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない。
【0048】
なお、透過型スクリーン10には、前述のレンチキュラーレンズ11以外にも、公知のレンチキュラーレンズを用いることができ、この場合でも同様の効果が得られる。
【0049】
2.第2のフレネルレンズ
第2のフレネルレンズ21は、第1のフレネルレンズ1の出光面に光拡散要素を備えて形成したものである。なお、第1のフレネルレンズ1の特定事項と同一の特定事項については同一符号をもって示し、その説明は省略する。
【0050】
A.第2のフレネルレンズの構造
図5は、第2のフレネルレンズ21の厚さ方向の断面図である。図5に示すように、第2のフレネルレンズ21は、出光面にコーティング層22を備えている。
【0051】
コーティング層22は、プリズム2を形成する材料より屈折率の小さい材料で形成される。具体的には、コーティング層22を形成する材料として、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0052】
このように屈折率の小さい材料で形成されたコーティング層22を出光面に備えたフレネルレンズ21に特有な機能について、図5及び図6を用いて説明する。図6は、出光面側にコーティング層22を備えていないフレネルレンズ1の投射装置Eに近い領域に位置するプリズム2における映像光Sの挙動を示す図である。
【0053】
図6に示すように、コーティング層22を備えていないフレネルレンズ1では、先ず、映像光Sが全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射される。次いで、出光面Rに達した映像光Sは、その一部(例えば4%程度)が出光面Rで入光面側に全反射される。次いで、全反射されて入光面側に出光した映像光Sは、後述のようにミラーMを備えた投射系においては、ミラーMで反射され再びフレネルレンズ1を通過して出光面Rから出光される。このように出光された光は、光路がかなり長くなるため像としては認識されないが、当該部分に正規に出光した映像光とかさなって、画像のコントラストを低下させる原因となる。
【0054】
一方、図5に示すように、コーティング層22を備えたフレネルレンズ21では、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sは、コーティング層22に達するが、コーティング層22は屈折率材料で形成されているため、入光面側に反射される映像光Sは僅か(例えば2%程度)となる。従って、フレネルレンズ21は、ミラーMを備えた投射系等においても、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。
【0055】
なお、コーティング層22に替えて図7に示すような光拡散要素としての粗面23を用いても良い。図7に示すように、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sの一部は粗面23で入光面側に反射されるが、このとき反射光は粗面23で散乱される。従って、反射光がミラーMで反射され再びフレネルレンズ21’に到達した場合でも当該反射光の量を低減することができ、フレネルレンズ21と同様に、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。なお、更に、粗面23を、プリズム2の屈折面3において迷光Yとなる映像光Sが通過する領域に設けても良い。当該領域に粗面23を設けることにより、当該領域を通過する映像光Sを拡散させるので、迷光Yの影響を低減でき画像コントラストの低下を更に減少させることができる。
【0056】
更に、コーティング層22に替えて図8に示すような光拡散要素としてのレンチキュラーレンズ24を用いても良い。図8に示すように、全反射面4でフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sの一部はレンチキュラーレンズ24で反射される際に拡散される。従って、反射光がミラーMで反射され再びフレネルレンズ21’’に到達した場合でも当該反射光の量を低減することができ、フレネルレンズ21と同様に、画像コントラストを低下させない、又は、画像コントラストの低下を減少させるという特有な機能を備える。
【0057】
更に、以上では第2のフレネルレンズ21(21’,21’’)の出光面の全域にコーティング層22、粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成した場合を示したが、これに限られず、出光面の少なくともフレネルレンズ面に対して垂直な方向より投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sが通過する領域にコーティング層22、粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成すれば良い。このようにすれば、当該投射装置E側に傾いた方向に全反射された映像光Sが原因で生じる画像コントラストの低下を減少させることができる。
【0058】
B.第2のフレネルレンズの製造方法
フレネルレンズ21は、第1のフレネルレンズ1に示した製造方法に引き続いて、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の屈折率の小さい材料をフローコートやディピングコート等により出光面に塗布して製造することができる。また、MgF2、SiO2、TiO2等の屈折率の異なる無機材料を多層蒸着してコーティング層21を形成しても良い。
【0059】
また、コーティング層22に替えて粗面23又はレンチキュラーレンズ24を用いたフレネルレンズ21’,21’’は、紫外線硬化樹脂法においては、片面に粗面23又はレンチキュラーレンズ24を形成した基板を用いて製造することができ、キャスティング法、熱プレス法においては、粗面23又はレンチキュラーレンズ24の形状に掘り込んだ金型を用いて製造することができる。
【0060】
C.第2のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
以上に説明したフレネルレンズ21は、その出光面側に配置したレンチキュラーレンズ11と共に透過型スクリーン31として用いられる。
【0061】
図9は、透過型スクリーン31を用いた投射系を説明する図である。
【0062】
図9に示すように、透過型スクリーン31は、その入光面側の下方に設けた投射装置Eから投射され、次いでミラーMによって反射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、フレネルレンズ21は迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーンに投影される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない点は、第1のフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンと同様である。
【0063】
更に、第2のフレネルレンズ21を用いた透過型スクリーン31は、出光面にコーティング層22を設けたので、当該コーティング層22での反射を減少させ、ひいては前述したように、コントラストの高い映像を提供することができる。
【0064】
なお、コーティング層22に替えて粗面23又はレンチキュラーレンズ24を用いた場合も、当該粗面23又はレンチキュラーレンズ24で反射光を散乱又は拡散するので、コントラストの高い映像を提供することができる。
【0065】
3.第3のフレネルレンズ
第3のフレネルレンズ41は、第1のフレネルレンズ1の出光面に複数の第2のプリズムを備えて形成したものである。なお、第1のフレネルレンズ1の特定事項と同一の特定事項については同一符号をもって示し、その説明は省略する。
【0066】
A.第3のフレネルレンズの構造
図10は、第3のフレネルレンズ41の厚さ方向の断面図である。図10に示すように、第3のフレネルレンズ41は、出光面に第2のプリズム42を備えている。
【0067】
第2のプリズム42は、垂直方向に直線状に延びる断面三角形状に形成され、全反射面4で投射装置E側に傾く方向に全反射された光を屈折してフレネルレンズ面に垂直な光とするレンズ面43と、レンズ面43同士を接続する非レンズ面44とを備えて形成される。
【0068】
このように第2のプリズム42を出光面に備えたフレネルレンズ41は、第1のフレネルレンズ1が有する機能に加えて、プリズム2から投射装置E側に傾く方向に出光された映像光Sを、第2のプリズム42でフレネルレンズ面に対して垂直な光に調整して出光する機能を備える。
【0069】
なお、図11に示すように、第2のプリズム42を別体のシートの表面に設けても良い。すなわち、プリズムシート45の出光面に上記と同様の構造の第2プリズム42を形成し、フレネルレンズ1とプリズムシート45とでフレネルレンズ46を構成する。このフレネルレンズ46も、プリズム2から投射装置E側に傾く方向に出光された映像光Sを、第2のプリズム42でフレネルレンズ面に対して垂直な光に調整して出光する機能を備える。
【0070】
また、プリズムシート45の入光面に第2のプリズム42を設けても良いが、損失光をなくすためには前述のようにプリズムシート45の出光面に第2のプリズム42を設けることが望ましい。
【0071】
B.第3のフレネルレンズの製造方法
フレネルレンズ41,46は、第1のフレネルレンズ1に示した製造方法と同様の方法により製造することができる。例えば、紫外線硬化樹脂法の場合は、先ずフレネルレンズ41の入光面側を成形し、引き続いて出光面側を成形すれば良い。
【0072】
C.第3のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
フレネルレンズ41,46は、上記の実施形態と同様に、出光面側に配置したレンチキュラーレンズと共に透過型スクリーンとして用いられる。
【0073】
このように形成した透過型スクリーンは、上記の実施形態における効果に加えて、上述したようにフレネルレンズ面に対して垂直な光で出光するので、観察者に明るい映像光を提供することができる。
【0074】
4.変形例
以上の実施形態では、全てのプリズム4について、入射角度θが小さくなるにつれ徐々に出光方向を投射装置E側に傾けるようにしたが、これに限られることなく、一部(特に入射角度θが小さくなる領域)のプリズム4についてのみ出光方向を投射装置Eに傾けるようにしても良い。
【0075】
また、必ずしも、出射方向を徐々に変化させる必要がなく、一定領域において出光方向を一定に傾けるようにしても良い。更に、全てのプリズム4について出光方向を一定に傾けるようにしても良い。
【0076】
【実施例】
1.実施例1
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成し、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に400mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)を配置して透過型スクリーンに向かって映像光を投射した。
【0077】
▲1▼フレネルレンズ
入光面に屈折面と全反射面を有して円弧状に延びるプリズムを、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点を中心とする同心円状に0.11mmのピッチで配列して形成した。したがて、円弧状のプリズムの半径は312〜1188mmとなる。また、プリズム頂角は38°、材料の屈折率は1.55とした。なお、スクリーンの入射角度は、入射角度が最小となる半径312mmのプリズムで38°、入射角度が最大となる半径1188mmのプリズムで71.4°となった。
【0078】
そして、プリズムの出光方向は、半径312mmのプリズムで下側(投射装置側)に10°傾くようにして、そこから徐々に傾け角度を小さくして、半径700mmのプリズムではフレネルレンズ面に垂直(垂直傾け角度を0°)とした。半径700〜1188mmのプリズムはフレネルレンズ面に垂直(垂直傾け角度を0°)とした。なお、図12には、プリズム半径に対する傾け角度(フレネルレンズ面に垂直方向に対する出光方向の角度)の関係を示した。
【0079】
▲2▼レンチキュラーレンズ
入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズを0.14mmのピッチで形成した。レンチキュラーレンズの厚さは1mmとして、レンチキュラーレンズの水平拡散半値角が30°、垂直拡散半値角が12°となるように、内部に拡散剤を分散させた。
【0080】
また、かまぼこ型レンズの表面に厚さ20μmの光吸収層を設けた。光吸収層の吸収率は40%とした。
【0081】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく良好な映像を観察することができた。
【0082】
2.実施例2
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成した。また、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に100mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)をスクリーンと逆方向を向くように配置し、更に、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より200mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に250mm移動した地点にミラーを配置した。そして、投射装置からミラーで折り返してスクリーンに対して映像光を投射した。
【0083】
▲1▼フレネルレンズ
プリズムの構成は実施例1と同様とし、実施例1のフレネルレンズの出光面にコーティング層を形成してフレネルレンズを形成した。出光面(コーティング層)の反射率は1%とした。
【0084】
コーティング層は、ポリカーボネート製の基板(屈折率1.58)を用いて紫外線硬化樹脂法により形成したフレネルレンズ本体の当該基板上に、TiO2(屈折率2.4)を250nm、更にその上にSiO2(屈折率1.46)を120nmの厚さで積層して形成した。
【0085】
▲2▼レンチキュラーレンズ
レンチキュラーレンズは実施例1と同じものを用いた。
【0086】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく、更にコントラストの低下もない良好な映像を観察することができた。
【0087】
3.実施例3
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチ(4:3)の透過型スクリーンを形成した。また、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に100mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)をスクリーンと逆方向を向くように配置し、更に、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より200mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に250mm移動した地点にミラーを配置した。そして、投射装置からミラーで折り返してスクリーンに対して映像光を投射した。
【0088】
▲1▼フレネルレンズ
プリズムの構成は実施例1と同様とし、実施例1のフレネルレンズの出光面に水平レンチキュラーレンズを形成してフレネルレンズを形成した。
【0089】
レンチキュラーレンズは、半径0.1mmの円弧状の断面形状に形成し、レンズピッチは0.08mmとした。
【0090】
▲2▼レンチキュラーレンズ
レンチキュラーレンズは実施例1と同じものを用いた。
【0091】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、迷光による2重像等の映像の劣化がなく、更にコントラストの低下もない良好な映像を観察することができた。
【0092】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、プリズムの出光方向がフレネルレンズ面に垂直な方向より光源側に傾く方向となるようにフレネルレンズを形成するため、迷光の発生を防止又は低減することができ、従って、迷光による2重像の発生を防止することができる。
【0093】
また、当該フレネルレンズの出光面側に低屈折率材料からなるコーティング層又は光拡散要素を備えてフレネルレンズを形成するため、出光面での反射光が原因で生じるコントラストの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のフレネルレンズの全体構成を示す斜視図である。
【図2】(A)は図1における領域Aのx−x線断面図であり、(B)図1における領域Bのx−x線断面図であり、(C)は図1における領域Cのx−x線断面図である。
【図3】(A)は本発明のフレネルレンズ1の入射角度が小さい領域Cに位置するプリズム2cにおける映像光Sの挙動を示す図であり、(B)は従来のフレネルレンズ1’の同領域Cに位置するプリズム2c’における映像光Sの挙動を示す図である。
【図4】本発明のフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2のフレネルレンズ21の厚さ方向の断面図である。
【図6】本発明の第2のフレネルレンズの機能を説明するための図である。
【図7】本発明の第2のフレネルレンズの別の形態を示す図である。
【図8】本発明の第2のフレネルレンズの別の形態を示す図である。
【図9】本発明のフレネルレンズ2を用いた透過型スクリーンの投射系を示す図である。
【図10】本発明の第3のフレネルレンズ41の厚さ方向の断面図である。
【図11】本発明の第3のフレネルレンズ46の厚さ方向の断面図である。
【図12】実施例1のフレネルレンズにおけるプリズム半径に対する傾け角度の関係を示す図である。
【図13】透過型スクリーンに対して斜め方向から映像光を投射する投射系を説明する図である。
【図14】従来のフレネルレンズの厚さ方向の断面図である。
【図15】従来のフレネルレンズにおける迷光の光路を説明する図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズ
2 プリズム
3 屈折面
4 全反射面
E 投射装置
S 映像光(投射光)
θ 入射角度
γ 傾け角度
Claims (7)
- 光源から投射される光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入射面に備えた全反射型のフレネルレンズであって、
前記複数のプリズムのうち少なくとも一部のプリズムにおける出光方向を、当該フレネルレンズのシート面に垂直な方向より前記光源側に傾く方向としたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、
前記光源から投射される光の入射角度が小さいプリズムほど前記光源側への出光方向の傾け角度を大きくしたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、
当該フレネルレンズの出光面の少なくとも前記光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に低屈折率の材料からなるコーティング層を備えたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、
当該フレネルレンズの出光面の少なくとも前記光源側に傾く方向に全反射された光が通過する領域に光拡散要素を備えたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項4に記載のフレネルレンズにおいて、
前記光拡散要素は粗面であることを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項4に記載のフレネルレンズにおいて、
前記光拡散要素はレンチキュラーレンズであることを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のフレネルレンズにおいて、
前記シート面に垂直な方向より前記光源側に傾く方向に全反射された光を前記シート面に垂直な方向の光に調整する複数の第2のプリズムを出光面側に備えたことを特徴とするフレネルレンズ。
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