JP5849440B2 - 反射型スクリーン、及び反射型投射システム - Google Patents

反射型スクリーン、及び反射型投射システム Download PDF

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本発明は映像源からの光を反射して観察者側に提供するための反射型スクリーン、及び反射型投射システムに関する。
反射型スクリーンはプロジェクター等の映像源からの投射光を反射させて観察者側に出射するためのスクリーンである。従って反射型スクリーンには、その裏面側に光を反射するための手段が設けられている。さらには、その反射光の輝度やコントラスト等を向上させ、観察者にとって良質である映像光とするために、反射型スクリーンには光学的な形状が採用されている。例えば特許文献1には、スクリーン裏面の反射面を構成する部位にフレネルレンズ形状を用いたものが開示されている。ここにはフレネルレンズとしてサーキュラーフレネルレンズを用いた例やリニアフレネルレンズを2つ組み合わせて構成した例が記載されている。
特許第3655972号公報
近年、反射型スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離からの投写で大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。このような短焦点型の映像投射装置は、反射型スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で投射することができ、反射型スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。ところが短焦点型の映像投射装置では、映像源と反射型スクリーンとの距離が近いため、映像光が反射型スクリーンに入射する角度がスクリーン面法線方向に対して大きくなる。
このように入射角度が大きくなると、例えば特許文献1のような従来の反射型スクリーンでは、入射角度、及び反射型スクリーン入光面と空気との屈折率差の関係により当該界面で反射されてしまう映像光が多くなり、画面の輝度低下の原因となる。また、このように反射した映像光が部屋の天井等に映し出されることもあった。
そこで本発明は、上記の問題に鑑み、映像光を効率よく観察者に提供することができる構成の反射型スクリーンを提供することを課題とする。また、このような反射型スクリーンを用いた反射型投射システムを提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、映像源(2)から投射された映像光を観察者側に反射させる反射型スクリーン(10)であって、光散乱材が分散された透光性を有する基材層(11)と、基材層よりも映像光が入射する側に配置される偏向層(12)と、基材層よりも映像光が入射する側とは反対側に配置されるリニアフレネルレンズ(13)と、リニアフレネルレンズに積層され、光を反射可能である反射層(14)と、を有し、偏向層には、所定の断面形状を有して映像源側となるべき方向に突出する単位光学要素(12a)が複数配列されており、該単位光学要素は映像光を偏向層内に入射させる入射面(12b)と、入射面から入射した映像光を全反射して反射層に向けて偏向させる全反射面(12c)と、を備え、所定の断面形状を有して直線状に延びるとともに、複数の単位光学要素は直線状に延びる方向とは異なる方向に配列され、リニアフレネルレンズは、単位光学要素が延びる方向とは90°ずれた方向に長手方向を有する反射型スクリーンである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、反射層は蒸着膜であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、映像源(2)と、請求項1又は2に記載の反射型スクリーン(10)と、を備える反射型投射システム(1)である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の反射型投射システム(1)において、映像源(2)の出光面と、反射型スクリーン(10)の表面との距離が1m以内であることを特徴とする。
本発明によれば、映像源からの映像光を効率よく観察者側に出射することが可能となる。
第一実施形態を説明する図で、反射型投射システムの斜視図である。 図1を矢印IIで示した方向から見た図である。 図1を矢印IIIで示した方向から見た図である。 偏向層の単位光学要素の角度の考え方の一例を説明する図である。 反射型スクリーンの製造工程の一部を説明するための図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する反射型スクリーンに形成される形状は実際には非常に微小なものであるため、以下に示す各図では見易さのため各形状を誇張、変形して表している。また、図面において繰り返しとなる符号はその一部のみに符号を付して他は省略することがある。
図1は第一実施形態を説明するための反射型投射システム1の斜視図である。また図2には図1にIIで示した方向から見た図(側面図)、図3には図1にIIIで示した方向から見た図(平面図)を示した。
図1〜図3からわかるように、反射型投射システム1は、映像源2及び反射型スクリーン10を備えている。以下にそれぞれについて説明する。
映像源2は、反射型スクリーン10に向けて映像光を投射する装置であり、いわゆる短焦点型と呼ばれる映像源である。図1〜図3からわかるように、映像源2は反射型スクリーン10の画面中央より下方側から映像光を反射型スクリーン10に向けて投射する。すなわち、図1、図2にBで示した映像源2の映像光出射面と反射型スクリーン10の表面との距離を短くすることができる。具体的にはBの大きさは1m以下であり、さらに0.5m以下であってもよい。短焦点型の映像源2を用いた反射型投射システム1によれば、映像源と反射型スクリーンとの距離を非常に短くすることができるので、設置場所を大きく取る必要がなく利便性が高い。ここで「短焦点」は投影される映像の大きさによっても異なるが、例えば80インチサイズの映像を投射したときにBの値が1m以下、好ましくは0.65m以下である。また、Bの値の下限は、これよりも短いものであれば短焦点として分類することができるが、Bの値は0mより大きい。
反射型スクリーン10は、全体として矩形の薄いシート状であり、使用時には展開されてシート面が垂直方向に立てられるように設置される。なお、使用時において反射型スクリーン10の平面性を確保するため、反射型スクリーン10は所定の剛性を有する不図示の支持手段に粘着剤等により貼り付けられていることが好ましい。支持手段としては板やシート状の部材を挙げることができるが、反射型スクリーン10の姿勢を維持することができれば特に限定されることはない。また、支持手段として柔軟性を有するものを用い、使用していないときにはロール状に巻いてコンパクトにすることができてもよい。
そして反射型スクリーン10は展開の姿勢で、映像源2から投射された映像光を観察者A(図1参照)の側に反射して出射することによりスクリーンとして機能する。
本実施形態の反射型スクリーン10は、基材層11、偏向層12、リニアフレネルレンズ13、及び反射層14を備えている。以下、各々について説明する。
本実施形態における基材層11は、偏向層12及びリニアフレネルレンズ13の基材となるシート状の層で、透光性が高く形成されている。基材層11を構成する材料は特に限定されることはないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン(MBS)、アクリル系、トリアセチルセルロース(TAC)等の各樹脂を挙げることができる。また、基材層11は透光性を有しつつも、他の機能を備えてもよい。例えば視野角の拡大や面内の輝度の均一性を高めるために光散乱材を混入することができる。また、色調を修正したり、外光の一部を吸収してコントラストを向上させたりするために顔料や染料を混入してもよい。
本実施形態は、MBSを母材とし、ここに光散乱剤を混入したものを用いた。
偏向層12は、図2からわかるように、基材層11のうち観察者側に形成され、突出するように設けられた単位光学要素12aが複数配列されてなる層である。各単位光学要素12aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ、入射した光を屈折させ単位光学要素12aに入射させる入射面12b、及び入射した光を全反射して偏向する全反射面12cを構成している。さらに、全反射面12cは、出光面としても機能する。光路については後で説明する。
入射面12bは映像源2に面した側の面、全反射面12cはそれとは反対側の面である。図1、図2からわかるように、単位光学要素12aは図2に示した断面を有して水平方向に延びる直線状であり、複数の単位光学要素12aは、その延びる方向に直交する方向に配列されている。
偏向層12をなす材料は特に限定されることはないが、反射型スクリーン用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることが好ましい。これには例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
偏向層12には、映像源2からの映像光が斜め下方から投射されるので、各単位光学要素12aには異なった角度で光が入射する。ここで、偏向層12は、映像光のうちの垂直方向成分の光を偏向させて反射型スクリーン10のスクリーン面の法線方向に近づける偏向機能を有している。従って、各単位光学要素12aはこのような機能を実現するための形状とすることができる。例えば次のように考えることが可能である。図4には1つの単位光学要素12aとここを通る映像光の一例(破線で表示)を示した。図4において、各角度(°)は次の通りである。なお、いずれも垂直方向成分のみを考える。
・α:映像光がスクリーン面法線となす角度
・β:入射面12bへの映像光の入射角
・γ:入射面12bからの映像光の出射角
・δ:全反射面12cでの入射角及び反射角
・ε:全反射面12cでの反射光と、スクリーン面法線とのなす角
・ζ:出光面として機能する全反射面12cへの映像光の入射角
・η:出光面として機能する全反射面12cからの映像光の出射角
・λ:出光する映像光がスクリーン面法線となす角
・φ:入光面12bがスクリーン面法線となす角
・θ:全反射面12cがスクリーン面と平行な方向となす角
以上のような各角度において、次の関係式(1)〜(7)が成り立つ。ここで単位光学要素12aの屈折率はnである。
β=90−(α+φ) (1)
γ=sin−1((sinβ)/n) (2)
δ=θ−(γ+φ) (3)
ε=90−(δ+θ) (4)
ζ=θ−ε (5)
η=sin−1(n・sinζ) (6)
λ=90−(θ+η) (7)
従って、映像源2から入射する映像光の垂直方向成分を反射、出射後にスクリーン面法線に近づけるため、上記λを0に近づけるように屈折率n、及びαに基づいてθ、φを設定することができる。ただし、λは意図した方向に任意に設定することが可能である。例えば、観察者側に集光するように、スクリーンの上辺と下辺の中点同士を結んだ線上におけるスクリーン上部では垂直方向下側、中央部では水平方向、下部では垂直方向上側へ映像光が出射するように、θ、φを設定しても良い。
従って、これらの関係を調整することにより全反射面12cによる反射光の角度を調整することができる。
すなわち、単位光学要素12aは入射面、全反射面としての機能と出光面としての機能とを兼ね備えた形状であることが好ましい。そのための具体的な単位光学要素12aの形状は当該機能が実現可能であれば特に限定されることはないが、本実施形態のように三角形断面であることが好ましい。
リニアフレネルレンズ13は、図1〜図3からわかるように、基材層11のうち偏向層12とは反対側に形成されるリニアフレネルレンズであり、単位レンズ要素13aが配列されている。単位レンズ要素13aは、図3に現れる断面を維持して紙面奥手前方向に延びる柱状の要素であり、その延びる方向は、上記した偏向層12の単位光学要素12aが延びる方向に対して90°ずれた方向である。また、複数の単位レンズ要素13aは当該延びる方向に直交する方向に並べられるように配列される。本実施形態では、反射型スクリーン10が使用される姿勢で単位レンズ要素13aは、垂直方向に延び、水平方向に配列されている。
図1、図3からわかるように、単位レンズ要素13aは、観察者側とは反対側に凸となるような三角形の鋸刃状に形成されており、面13b、面13cを有している。面13bは後述する反射層14の作用により光を反射させる反射面13bであり、面13cは反射面13bを形成するための面13cである。
ここで、反射面13bは、スクリーン面に平行な面となす角がCである。当該Cは後で光路例を示すように、映像源2からの投射光のうち、水平方向成分を反射させ、最終的にこれをスクリーン面の略法線方向に出射させることができるように偏向機能を有するように構成されている。本実施形態では図3からわかるように、Cの大きさは、複数の単位レンズ要素13aごとに異なり、具体的には、図3で表れる断面においてスクリーン中央の線に関して線対称であるとともに、中央でCが最も小さく、両端に向かう程Cが大きくなるように形成されている。当該Cの変化の程度は、映像源2からの光の角度等を考慮して適宜形状を選択することができる。ここで映像光の出射方向は上記したスクリーン面の略法線方向に限られず、他の意図した任意の方向に出射するように構成することもできる。これには例えば観察者側に向けて集光するような方向を挙げることができる。
リニアフレネルレンズ13の単位レンズ要素13aは上記のように映像光の水平方向成分を反射させてスクリーン面の略法線方向に出射させる形状とされる。形状の一例としては、スクリーン中央部においてCを0°とし、スクリーン端部ではCを19°とすることができる。また単位レンズ要素13aのピッチを100μm、高さ(単位レンズ要素13aの谷部から頂部までの距離)を34μmとすることができる。
リニアフレネルレンズ13を構成する材料は、特に限定されることなく種々のものを使用することができる。ただし、反射型スクリーンに組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性、及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
反射層14は、リニアフレネルレンズ13の表面に、光を反射可能に形成された層で、ここで映像光を反射させて該映像光を観察者側に向ける。反射層14を形成するための手段は特に限定されるものではなく、公知のものを適用することができる。これには塗布や蒸着等を挙げることができるが他のあらゆる方法も適用可能である。その中でも反射率が高いという観点から蒸着により形成された蒸着膜であることが好ましい。蒸着膜が適用された場合には、その中でも高い反射率を得ることができるという観点から銀によるものやアルミニウムであるものが好ましい。銀蒸着による蒸着反射層の反射率は90%〜95%、アルミニウム蒸着による蒸着反射層の反射率は80%〜90%である。ただし、反射率に加えコストの観点を考慮すれば、アルミニウムによる蒸着反射層が好ましい。またその膜厚は0.05μm〜0.1μmが好ましい。かかる薄い膜厚でも高い反射率とすることができる。
次に、反射型スクリーン10に入射する映像光の進路について図2、図3に示した光路例L1〜L3を例に説明する。ただし、図に表した光路例は概念的に光の進路を表したものであり、屈折の程度や反射の角度を精密に表したものではない。
図2に示した光路例L1、L2を参照しつつ、映像光のうち、垂直方向成分に関する映像光の進行について説明する。映像源2から出光した光は放射状に広がりながら偏向層12の入射面12bから入射し、全反射面12cで全反射してその方向がスクリーン面の法線方向に近づくように偏向される。全反射面12cにより反射した映像光L1、L2の向きは反射層14に向かう方向である。全反射面12cで全反射した映像光L1、L2は、基材層11、リニアフレネルレンズ13を透過して反射層14に達し、ここで反射される。反射層14で反射した光は、観察者側に向きが変えられ、再び偏向層12の単位光学要素12aを透過し、出光面として機能する全反射面12cから出光する。出光する際にその一部の光は屈折によりさらにスクリーン面の法線方向に近付くものとなる。
図3に示した光路例L3を参照しつつ、映像光のうち、水平方向成分に関する映像光の進行について説明する。映像源2から出光した映像光L3は、平面視(図3で表れた視点)において扇状に広がりを有して出射される。偏向層12の入射面12bから反射型スクリーン10の内部に入射した映像光L3は、偏向層12の全反射面12cで全反射し、リニアフレネルレンズ13に向かう。そしてリニアフレネルレンズ13を透過した映像光L3は、該リニアフレネルレンズ13に積層された反射層14で反射してスクリーン面の略法線方向に向きが変えられ、再び偏向層12の単位光学要素12aを透過し、出光面として機能する全反射面12cから出光する。その際、上記したようにリニアフレネルレンズ13の反射面13bは上記のように傾斜されているので(傾斜角C)、反射層14による反射は、映像光L3を外側に発散させることなくスクリーン面の略法線方向に向けさせるようにおこなわれる。
このように反射型スクリーン10によれば、映像光の垂直方向及び水平方向のいずれにおいても、映像源2からの光を適切に観察者側に向けることができ、スクリーンとしての基本的な機能を奏するものとなる。また、反射型スクリーン10では、特に図2からわかるように、映像源2からの映像光を効率よく反射型スクリーン10の内部に入射させるとともに偏向し、これを観察者側に出射させることができる。従来の反射型スクリーンでは、映像光の一部が入射面で反射してしまうことがあり、映像光の一部を観察者に提供できないことがあった。またこのような反射光が天井に達し、天井に表れてしまうということもあった。
これに対して反射型スクリーン10によれば、映像光が入射面で反射されることを大幅に低減させることができ、映像光の利用効率向上による輝度改善や、映像光の天井への写し出しを抑制することが可能となる。
次に反射型スクリーン10の製造方法の一例について説明する。ここでは反射層14を蒸着により形成する例を挙げる。ただし、反射層14の形成方法を含め、反射型スクリーン10の製造方法はこれに限定されるものではない。
初めに基材層11上にリニアフレネルレンズ13を形成する。図5に説明のための図を示した。すなわち、リニアフレネルレンズ13を形成するに際し、当該リニアフレネルレンズ13の形状を転写可能な溝を有する金型ロール100を準備する。次に、当該金型ロール100とニップロール101との間に基材層11となる基材11’を送り込む。図5に示した矢印Vは、基材11’を送り込む方向である。基材11’の送り込みに合わせて、金型ロール100と基材11’との間に供給装置103からリニアフレネルレンズ13を構成する組成物104の液滴を供給し続ける。供給装置103から基材11’上に組成物104を供給するとき、金型ロール100と基材11’との間に、組成物104が溜まったバンク105が形成されるようにする。このバンク105において、組成物104が基材11’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール100と基材11’との間に供給された組成物104は、金型ロール100及びニップロール101間の押圧力により、基材11’と金型ロール100との間に充填される。その後、光照射装置106によって組成物104に光を照射し、組成物104を硬化させ、リニアフレネルレンズ13を形成することができる。リニアフレネルレンズ13が形成された後、このシートは、剥離ロール107が用いられて引かれることによって、金型ロール100から引き剥がされる。そして基材層11と第二フレネルレンズ13との積層体がロール状に巻き取られる。
ここでは、ロール金型100を用いて基材層11に第二リニアフレネルレンズ13を積層する例を示しが、必ずしも上記のような方法に限定されることはなく、例えば押し出し成型で形成することもできる。この場合には基材層11とリニアフレネルレンズ13とは境界がなく、一体である。
次に、基材層11とリニアフレネルレンズ13との積層体が巻き取られたロールを蒸着装置に設置し、積層体を巻き出しつつリニアフレネルレンズ13の面に蒸着を行い、反射層14を形成する。反射層14が形成されたシートは再び順次巻き取られてロール状とされる。ここで、蒸着の方法は特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。これには例えば真空蒸着法、スパッタリング法等を挙げることができる。ただし、量産性及びコストの観点から真空蒸着法によるものが好ましい。
そして、基材層11、リニアフレネルレンズ13及び反射層14の積層体が巻き取られたロールを巻き出しつつ所定の大きさになるように枚葉に切断する。枚葉に切断されたシートのうち、基材層11のリニアフレネルレンズ13が積層された側とは反対側の面に偏向層12を形成する。偏向層12は、リニアフレネルレンズ13と同様、当該偏向層12の凹凸形状を転写可能な金型を用いた方法により枚葉で形成することができる。
以上のような反射型スクリーン10の製造方法によれば、反射率が高い蒸着による反射層を効率よく形成することができる。特に、本実施形態の反射型スクリーン10は、リニアフレネルレンズ13の単位レンズ要素13aが所定の断面を有して一方向に延びる形状であることから、少なくとも蒸着反射層の形成までをロールで行うことができ、製造効率を向上させることが可能である。例えばフレネルレンズをサーキュラーフレネルレンズとした場合には、枚葉により製造せざるを得ず、特に蒸着を行う工程は、枚葉でおこなうといわゆるバッチ処理とする必要があるので効率が悪くなる。これに対して本実施形態では上記のようにこれを解消することが可能である。
また、蒸着により形成された膜は反射率が高いことが知られており、これにより映像光の利用効率をさらに高めることができる。
以上のように、本実施形態の反射型投射システム1及びこれに備えらる反射型スクリーン10によれば、偏向層12及びリニアフレネルレンズ13により垂直方向及び水平方向のいずれにも映像を制御することができるので、スクリーンとしての基本的な機能を有するものとなる。
以上、実施形態で説明した反射型スクリーン10では、偏向層12とリニアフレネルレンズ13との間に他の機能を有する層がさらに積層されていてもよい。これには例えば減光層や光散乱層を挙げることができる。
光散乱層は、母材中に光散乱材が混入され、これにより映像光の視野角を拡大して画面内の輝度の均一性を向上させることができる。母材を構成する材料は特に限定されることはないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン(MBS)、アクリル系、トリアセチルセルロース(TAC)等の各樹脂を挙げることができる。一方、光散乱材は、一例として、平均粒径が1.0μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を用いることができる。これによれば母材と光拡散剤との屈折率差による界面反射を利用して光を散乱させることができる。
減光層は、外光の一部を吸収してコントラストを向上させる機能を有する層である。このような減光層は、母材となる樹脂に黒色の顔料や染料を混濁させたものを挙げることができる。母材を構成する材料は特に限定されることはないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン(MBS)、アクリル系、トリアセチルセルロース(TAC)等の各樹脂を挙げることができる。また、母材となる樹脂の代わりに、粘着材に黒色の顔料や染料を混濁させ、当該粘着剤で母材とその他機能層を貼合する形態としてもよい。
このような減光層によれば、反射型スクリーンに入射される映像光以外の光の少なくとも一部を吸収させることができ、観察者に提供される映像光のコントラストを向上させることができる。
1 反射型投射システム
2 映像源
10 反射型スクリーン
11 基材層
12 偏向層
13 リニアフレネルレンズ
14 反射層

Claims (4)

  1. 映像源から投射された映像光を観察者側に反射させる反射型スクリーンであって、
    光散乱材が分散された透光性を有する基材層と、
    前記基材層よりも前記映像光が入射する側に配置される偏向層と、
    前記基材層よりも前記映像光が入射する側とは反対側に配置されるリニアフレネルレンズと、
    前記リニアフレネルレンズに積層され、光を反射可能である反射層と、を有し、
    前記偏向層には、所定の断面形状を有して前記映像源側となるべき方向に突出する単位光学要素が複数配列されており、該単位光学要素は前記映像光を前記偏向層内に入射させる入射面と、前記入射面から入射した映像光を全反射して前記反射層に向けて偏向させる全反射面と、を備え、前記所定の断面形状を有して直線状に延びるとともに、前記複数の単位光学要素は前記直線状に延びる方向とは異なる方向に配列され、
    前記リニアフレネルレンズは、前記単位光学要素が延びる方向とは90°ずれた方向に長手方向を有する、
    反射型スクリーン。
  2. 前記反射層は蒸着膜であることを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
  3. 映像源と、
    請求項1又は2に記載の反射型スクリーンと、を備える
    反射型投射システム。
  4. 前記映像源の出光面と、前記反射型スクリーンの表面との距離が1m以内であることを特徴とする請求項3に記載の反射型投射システム。
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