本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1〜図3は第一の実施形態を説明するための図である。図1は表示装置に含まれる偏向素子12、該偏向素子12を含む面光源装置10、及び面光源装置10を有する映像源モジュール1の構成を概略的に示す分解斜視図である。
図2は、図1にII−IIで示した線に沿った分解断面図である。図3は偏向素子12の形状を説明する図である。図1〜図3では紙面右が観察者側となる。なお、図1〜図3をはじめ以下に示す図は分かり易さのため各部形状を誇張や変形して示し、繰り返しとなる符号は省略することがある。図1〜図3及び適宜示す各図を参照しつつ説明する。
本実施形態の表示装置は液晶表示装置であり、映像源モジュール1を具備している。その他、図示及び説明は省略するが、表示装置には液晶表示装置として機能するための各種部品や部材が備えられている。
映像源モジュール1は面光源装置10と、該面光源装置10より観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。面光源装置10は液晶表示パネル20を背面側(観察者とは反対側)から照明する装置である。一方、液晶表示パネル20は、映像情報を含み、面光源装置10からの光を透過又は遮断する等して映像情報を適切に観察者に提供するパネルである。以下それぞれについて説明する。
面光源装置10は、光源11、偏向素子12、偏向光学シート13、及び光拡散シート17を備えている。
光源11は、偏向素子12に向けて光を出射し、該偏向素子12を介して偏向光学シート13に対して斜め下方から光を投射する装置である。光源11は発光源としてLED(発光ダイオード)、白熱電球、又は円形断面の蛍光管であって円形断面において一部を出射部とし、他を反射部とすることにより所定の方向に光を出射する蛍光管等を具備している。LEDや白熱電球の場合には、図1のように、複数の単位光源11aが表示装置の左右方向水平(図1の紙面左上−右下方向)に並列されている。蛍光管の場合には、図示は省略するが当該並列方向を長手方向とするように配置される。
そして、図2からわかるように、光源11は偏向素子12を介して、後述する偏向光学シート13のプリズム部15に具備される単位プリズム15aが並べられる方向(図1、図2の紙面上下方向)に対して傾斜するようにプリズム部15に向けて光を出射する。
偏向素子12は、図2、図3に表れたような所定の断面形状を有し、該断面形状を有して一方に延びる柱状の透光性部材である。具体的な断面形状については後で詳しく説明する。偏向素子12は、図1、図2からわかるように、単位光源11aが並列される方向、又は光源が蛍光管の場合にはその延びる方向に沿った方向を柱状の長手方向として水平に配置される。そして光源11と偏向光学シート13との間で、光源11から出光した光が偏向光学シート13へ導かれるべき光路の途中に配置されその光を偏向して制御する。
偏向素子12は、その長手方向に直交する方向の断面において図3のような形状を有している。図3には偏向素子12の他、単位光源11aも表している。図3からわかるように、偏向素子12は柱状体を形成する側面として面12a、12b、12c、12dを有する断面四角形の部材である。
面12aは、光源11に対向するように配置される面である。従って面12aは光源11に対して所定の間隔を有して光源11を覆うように配置され、入光面として機能する。面12aと光源11との間隙の大きさは特に限定されることはないが、0.5mm〜数mm程度であることが好ましい。ただし、面12aに直接光源11を取り付けることを妨げるものではない。
面12bは、面12aの反対側に対向して配置される面であり、出光面として機能する。また面12bは図3からわかるように面12aに対して平行とはならないように角度θb傾斜するように形成されている。ここで角度θbは、図2、図3からわかるように、偏向光学シート13側の方が上下方向で高くなるように設定されることが好ましい。これにより反射手段を用いなくても偏向光学シート13側へ効率良く光を偏向させることができる。θbの大きさは特に限定されることはないが、5度以上20度以下であることが好ましい。
面12cは、面12aと面12bとの間に形成される柱状体の側面のうち観察者側に形成される面である。面12cは後述するように、光源11からの光を反射して光を偏向光学シート13に向けさせることができる反射面として機能する。図3からわかるように、面12cは偏向光学シート13側に面12aに対して角度θcで傾いて設けられている。θcの大きさは特に限定されることはないが、90度以上120度以下であることが好ましい。
面12dは、面12aと面12bとの間に形成される柱状体の側面のうち観察者側とは反対側に形成される面である。面12dは後述するように、光源11からの光を反射して光を偏向光学シート13に向けさせることができる反射面として機能する。図3からわかるように、面12dは偏向光学シート13側とは反対側に面12aに対して角度θdで傾いて設けられている。θdの大きさは特に限定されることはないが、90度以上120度以下であることが好ましい。
ここで面12cと面12dとは平行であっても、平行でなくてもよい。
偏向素子12を構成する材料は、透光性を有するものであれば特に限定されるものではない。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を用いることができる。
ここで、面12c、面12dには光を反射する手段が設けられていてもよい。これは例えば面12c、面12dに光反射性を有するシートを貼付したり、光反射性を有する膜を形成してもよい。光を反射するための手段の種類は特に限定されるものではなく公知のものを適用することができる。
偏向光学シート13は、背面側に配置された光源11から斜めに投射された光を偏向し、光を液晶表示パネル20の法線方向に近づけるように集光する機能を有している。そのため、図2に良く表れているように、偏向光学シート13は基材部14及びプリズム部15を具備し、プリズム部15には複数の単位プリズム15aが設けられている。
基材部14はプリズム部15を形成する基材となる透光性を有する部位であり、プリズム部15の変形を防止できるように支持する。
プリズム部15は、複数の単位プリズム15aを有してなる部位である。各単位プリズム15aは断面が略三角形である部位を有し、その斜辺を形成する面がそれぞれ、入射した光を屈折させ単位プリズム15a内に光を入射させる入射面15b及び入射した光を全反射する全反射面15cを構成している。入射面15bは光源11、偏向素子12に面した側の面、全反射面15cはそれとは反対側の面である。また、図1からわかるように、本実施形態では各単位プリズム15aは単位光源11aが並列される方向、又は光源が延びる方向に沿って直線状に延び、複数の単位プリズム15aは、この延びる方向に直交する方向に並べられている。
基材部14、プリズム部15は種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を用いることが好ましい。
上記したように偏向光学シート13は、背面側に配置された光源11の光を斜め方向から投射されるので、各単位プリズム15aには異なった角度で光が入射する。ここで、偏向光学シート13は、光を偏向させ、光を液晶表示パネル20の法線方向に近づける(集光する)機能を有している。従って、各単位プリズム15aはこのような機能を実現するための形状とすることができる。例えば、図2に表したように、ある単位プリズム15aに入射する光が液晶表示パネル20の法線方向と成す角をθ1、単位プリズム15aから出光する光が液晶表示パネル20の法線方向となす角をθ2(図2ではθ2=0度である。)、単位プリズム15aの入射面15bと全反射面15cとが成す角である頂角をλ、単位プリズム15aの屈折率をnとしたとき、単位プリズム15aのうち、全反射面15cが液晶表示パネル20のパネル面と成す角φは次の式(1)により求めることができる。
ここで、単位プリズム15aから出光する光を液晶表示パネル20の法線方向としたい場合には、θ2を0度とすればよい。
以上のように、単位プリズム15aの形状は、光源11の位置、単位プリズム15aの材料等によって決定することができる。これによれば、各単位プリズム15aの頂角λやφは、単位プリズム15aが配置される位置によって異なり、光源11に近い側よりも、遠い側の方の頂角λが大きくなるように連続的に変化している形状を得ることができる。ただし、これに限定されるものではなく、いずれの単位プリズム15aの形状を同じとしてもよい。
ここでθ1は適切にプリズム部15の全面に亘って光源11からの光が照射されればよく、特に限定されることはないが、薄型化の観点からθ1をできるだけ大きくすることが好ましい。かかる観点からθ1は60°以上85°以下であることが好ましい。
このような偏向光学シート13は押し出し成型により、または、基材部14の上にプリズム部15を賦型又は貼付することにより、製造することができる。押し出し成型で製造された偏向光学シート13では、基材部14とプリズム部15とが一体的に形成され得る。また、賦型又は貼付によって偏向光学シート13を製造する場合にはプリズム部15をなす材料と基材部14をなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
図4には偏向光学シート13の製造方法の一例について一部の工程を概略的に説明する図を示した。この例では、偏向光学シート13を製造する際、図4に示すように、基材部14となる層を含む基材14’の上に、プリズム部15を形成する。具体的には次の通りである。プリズム部15を形成するには、所定のピッチでプリズム部15の形に対応した形の溝を有する金型ロール300を準備する。次に、当該金型ロール300とニップロール301との間に基材14’を送り込む。図4に示した矢印IVは、基材14’を送り込む方向である。基材14’の送り込みに合わせて、金型ロール300と基材14’との間に供給装置303からプリズム部を構成する組成物304の液滴を供給し続ける。供給装置303から基材14’上に組成物304を供給するとき、金型ロール300と基材14’との間に、組成物304が溜まったバンク305が形成されるようにする。このバンク305において、組成物304が基材14’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール300と基材14’との間に供給された組成物304は、金型ロール300及びニップロール301間の押圧力により、基材14’と金型ロール300との間に充填される。その後、光照射装置306によって組成物304に光を照射し、組成物304を硬化させ、プリズム部15を形成することができる。プリズム部15が形成された後、このシートは、剥離ロール307を用いられて引かれることによって、金型ロール300から引き剥がされる。
図1、図2に戻って光拡散シート17について説明する。光拡散シート17は、偏向光学シート13から出光した光を拡散させて、偏向光学シート13の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大するためのシート状の部材である。具体的には光拡散シート17は、透光性を有する主部内に光散乱剤(光拡散性粒子)が分散されて構成されている。光散乱剤は、主部内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤の光拡散機能(光散乱機能)を発揮するために、例えば、主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱剤を構成することができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。
主部をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる通常の光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。一方、光散乱剤は、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、酸化チタン等からなる粒子を、用いることができる。
また、光拡散シート17は偏向光学シート13の基材部14の平坦面に粘着剤等により粘着されていることが好ましい。また光拡散シート17のうち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してよい層に適切に密着して積層させることができる。ここで「平坦面」とは面光源装置10を他の同様な平坦面を有する層に安定して積層及び接着することができる程度の平坦を表す。これには例えば、JIS B 0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であることを挙げることができる。
次に液晶表示パネル20について説明する。液晶表示パネル20は、観察者側となる側に配置された上偏光板22と、面光源装置10側に配置された下偏光板23と、上偏光板22と下偏光板23との間に配置された液晶セル21と、を有している。上下の偏光板22、23は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶セル21には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル21の配向は変化するようになる。面光源側(すなわち入光側)に配置された下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(本実施形態においては、P波)は、電界印加された液晶セル21を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶セル21を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル21への電界印加の有無によって、下偏光板23を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、下偏光板23の出光側に配置された上偏光板22をさらに透過するか、又は、上偏光板22で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶表示パネル20では、面光源装置10からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。本実施形態では通常に用いられる液晶表示パネルを用いることができる。
次に面光源装置10に注目した映像源モジュール1及び表示装置の作用について説明する。図2には光路例L1〜L3を示し、図5〜図7には光路例L4〜L12を表した。図5〜図7は図3と同じ視点による図で、偏向素子12内の光路例を説明する図である。ここで表した光路例は光の進行について概念的に表すものであり、屈折の程度等について厳密に表現したものではない。
図5に示した光L4〜L6では、光源11から出光した光は入光面である面12aから偏向素子12内へ入光して該偏向素子12内を進行する。光L4〜L6は、そのまま出光面である面12bに達する。そして光L4〜L6は面12bから出光して偏向光学シート13の方に向かう。ここで、面12bは、上記したようにθbの角度で傾斜しているとともに(図3参照)、偏向素子12は空気よりも屈折率が高いことから、面12bと空気界面との間で屈折が生じる。当該屈折は光L4〜L6を偏向光学シート13側に偏向するように行われる。
図6に示した光L7〜L9では、光源11から出光した光は入光面である面12aから偏向素子12内へ入光して該偏向素子12内を進行する。光L7〜L9は、偏向素子12に入射した後、該偏向素子12の観察者側面である反射面として機能する面12cに達して、面12cで反射する。当該反射は偏向素子12と空気との屈折率差に基づくものである。または面12cに反射手段が設けられたときには、この反射手段により反射する。
ここで、面12cは、上記したようにθcの角度で観察者側に傾斜している(図3参照)。これにより、光L7〜L9は、本来、偏向光学シート13に向かうことができない光であったが、面12cにおける反射により偏向光学シート13に向かうことができる光となった。そして光L7〜L9は反射の後、出光面である面12bに達し、面12bから出光して偏向光学シート13の方に向かう。ここで、面12bは、上記したようにθbの角度で傾斜しているとともに(図3参照)、偏向素子12は空気よりも屈折率が高いことから、面12bと空気界面との間で屈折が生じる。当該屈折は光L7〜L9をさらに偏向光学シート13側に偏向するように行われる。
図7に示した光L10〜L12では、光源11から出光した光は入光面である面12aから偏向素子12内へ入光して該偏向素子12内を進行する。光L10〜L12は、偏向素子12に入射した後、該偏向素子12の観察者側面とは反対側で反射面として機能する面12dに達して、面12dで反射する。当該反射は偏向素子12と空気との屈折率差に基づくものである。または面12dに反射手段が設けられたときには、この反射手段により反射する。
ここで、面12dは、上記したようにθdの角度で観察者側と反対側に傾斜している(図3参照)。これにより、光L10〜L12は、本来、偏向光学シート13に向かうことができない光であったが、面12dにおける反射により偏向光学シート13に向かうことができる光となった。そして光L10〜L12は反射の後、出光面である面12bに達し、面12bから出光して偏向光学シート13の方に向かう。ここで、面12bは、上記したようにθbの角度で傾斜しているとともに(図3参照)、偏向素子12は空気よりも屈折率が高いことから、面12bと空気界面との間で屈折が生じる。当該屈折は光L10〜L12をさらに偏向光学シート13側に偏向するように行われる。
以上、光L4〜L12の例からわかるように、偏向素子12により効率良く光源11からの光を偏向光学シート13に向かわせることができ、光源光の利用効率を高めることが可能となる。
そして、図2からわかるように、以上のようにして偏向素子12から出光した光(図2では例として光L1〜L3を表した。)は、単位光学要素15aが並列する方向に広がりを有して傾斜して偏向光学シート13の入射面15bから入射する。入射面15bから偏向光学シート13に入射した光は、全反射面15cで全反射してその方向を観察者側に偏向されて偏向光学シート13から出射される。このとき上記したように各単位プリズム15aの形状を、偏向光学シート13から出射される光が液晶表示パネル20の法線方向に向くように形成しておくことができる。
面光源装置10によれば、従来の面光源装置の導光板のように光を拡散均一化し、これをプリズムシートで順次集光していく態様とは異なり、光源11の光を直接偏向して収束するので、高い収束性で光を集光することができる。従って、光の利用効率を高めることが可能である。特に偏向素子12により光源11からの光を効率良く偏向光学シート13に向けて出光し、偏向光学シート13ではシートの全面に亘って光の偏向が行われるので、面光源として優れたものとすることが可能である。
偏向光学シート13から出射した光は光拡散シート17を透過して出光する。光拡散シート17により、上記したように偏向光学シート13の作用に起因して強く収束されて指向性が大きくなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大することができる。
このような面光源装置10によれば従来の面光源装置に比べ光の収束性が高く、光源の光の利用効率を高めることができ、低消費電力化を図ることが可能である。また、従来の面光源装置と比べてわかるように、面光源装置10は導光板や複数の集光シートを必要としないので従来に比べて部材点数を減らし、薄型化、軽量化すること可能である。また、これに伴って製造コストを直接的に低減することもできる。
このような面光源装置10を適用した映像源モジュール1、表示装置によれば、面光源装置10に起因する上記した効果を奏することができる。特に面光源装置10に液晶表示パネルに組み合わせた映像源モジュール、及び表示装置では、液晶表示パネルの性質上、面光源装置10の集光性、高効率性の効果をより顕著に発揮することが可能となる。
また、面光源装置10の出光側の面を平坦面とすれば、液晶表示パネル20やその他の面光源装置10に積層してよい他の層に安定して積層及び貼付することができる。
図8には変形例を説明する図を示した。変形例では偏向素子の断面形状が上記した第一の実施形態と異なるのみで、他の部位については共通する。そこで、図8には、第二の実施形態のうち、偏向素子32の図3に相当する図を示した。
偏向素子32は、観察者側の面32cが曲面部32c’及び平面部32c’’により構成されている。他の面は上記した偏向素子12と共通する。従って同じ符号を付すとともに説明は省略する。
曲面部32c’は平面部32c’’よりも光源11側に配置された面で、観察者側に凸である曲面を有している。
一方、平面部32c’’は、曲面部32c’から連続して面12bに連結するように設けられる面で、観察者側に所定の角度で傾くように配置されている。
このような偏向素子32によれば、曲面部32c’における曲率を適宜調整することにより、面32cでの光の全反射角度を制御することができ、さらに効率良く光を偏向光学シート13に出射させることができる。
図9には第二の実施形態を説明する図で、図2に相当する図を示した。本実施形態では、映像源モジュール51及び面光源装置60を有し、第一の実施形態に示した面光源装置10に対して、反射板61がさらに設けられている点で異なる。他の構成については第一の実施形態と共通する。従って同じ符号を示すとともに説明は省略する。
反射板61は、光を反射することが可能な部材であり、偏向素子12より上方で偏向素子12より背面側(観察者側より反対側)に配置される。反射板61は光を反射することができるものであれば特に限定されることはなく、公知の反射板を用いることができる。
反射板61を設けることにより、図9にL13で示したように、偏向素子12から背面方向に出射した光を偏向光学シート13側に向かわせることができ、さらなる光源光の利用効率向上を図ることができる。
なお、図9にαで示したように、反射板61の観察者側への傾斜角度を適宜変更することにより、光路を調整することも可能である。
図10は第三の実施形態を説明するための図である。図10は図2に相当する図である。本実施形態における表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール101を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール101は面光源装置110と、該面光源装置110の観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。液晶表示パネル20は第一の実施形態と共通するので同じ符号を付して説明を省略する。
面光源装置110は、光源11、偏向素子12、偏向光学シート113を備えている。また、偏向光学シート113は基材部114及びプリズム部15を有している。本実施形態では、基材部114の構成、及び光拡散シート17を具備しない点で第一の実施形態と異なる。従って、光源11、偏向素子12、及びプリズム部15は第一の実施形態と共通するので、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
基材部114はプリズム部15の基材となる機能、及びプリズム部15から出光した光を拡散させて、プリズム部15の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大する機能を有する部材である。基材部114は、透光性を有する主部内に光散乱剤(光拡散性粒子)が分散されて構成されている。主部はプリズム部15の変形を防止して支持できるように構成されている。かかる観点から、主部を形成する材料の具体例として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を挙げることができる。一方、光散乱剤は、主部内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤の光拡散機能(光散乱機能)を発揮するため、例えば、主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱剤を構成することができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。具体的には、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を挙げることができる。
また、基材部114のうち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してもよい他の層に適切に密着して積層させることができる。ここで「平坦面」とは面光源装置110を他の平坦面を有する層に安定して積層及び接着することができる程度の平坦を表す。これには例えば、JIS B 0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であることを挙げることができる。
以上の説明及び図2と図10との対比からもわかるように、本実施形態では、偏向光学シート113の基材部114が光拡散の機能を有するため、第一の実施形態で示した光拡散シート17を必要としない。これにより、第一の実施形態で説明した効果に加え、さらに面光源装置を薄く、軽量にすることができる。
このような偏向光学シート113は押し出し成型により、または、基材部114の上にプリズム部15を賦型又は貼付することにより、製造することができる。押し出し成型で製造された偏向光学シート113では、基材部114とプリズム部15とが一体的に形成され得る。このときにはプリズム部15にも光散乱剤が含有されるが、そのような態様でもよい。また、賦型又は貼付によって偏向光学シート113を製造する場合にはプリズム部15をなす材料と基材部114をなす材料とは異なっていても良いし、同一であってもよい。
図11は第四の実施形態を説明するための図である。図11は表示装置に含まれる映像源モジュール151の構成を概略的に示す斜視図で、図2に相当する図である。また、図12には図11の一部を拡大した図を示した。
本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール151を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール151は面光源装置160と、該面光源装置160の観察者側に備えられる液晶セル21及び上偏光板22と、を有している。面光源装置160は液晶セル21を背面側(観察者とは反対側)から照明する装置である。
面光源装置160は、光源11、偏向素子12、偏向光学シート163、及び偏光子165を備えている。また、偏向光学シート163は基材部164及びプリズム部15を有している。本実施施形態では、光源11、偏向素子12及びプリズム部15は第一の実施形態と共通するので、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
基材部164は、その一方側の面(光源11側の面)にプリズム部15が賦型又は貼付され、他方側の面に偏光子165が貼付されて積層されるフィルム状の部材である。すなわち、基材部164は、プリズム部15の変形を防止して支持することができるように機能するとともに、偏光子165を支持、保護することができる層としても機能する。かかる観点から基材部164(後述する主部164a)を構成する材料の具体例としてアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を挙げることができる。
これに加え、本実施形態では基材部164は、図12からわかるように、透光性を有する主部164a内に光散乱剤(光拡散性粒子)164bが分散されて構成されている。主部164aは上記した通り、プリズム部15の変形を防止して支持することができるように機能するとともに、偏光子165を支持、保護することができる層としても機能する。一方、光散乱剤164bは、主部164a内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼす。このような光散乱剤164bの光拡散機能(光散乱機能)を発揮するため、例えば、主部164aをなす材料とは異なる屈折率を有した材料を用いることができる。その他、光に対して反射作用を及ぼし得る材料であってもよい。具体的には、一例として、平均粒径が0.5μm〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、酸化チタン等からなる粒子を挙げることができる。
これにより、基材部164が光拡散機能を奏するので別に光拡散層を設ける必要がなく、さらに層構成の簡素化を図ることが可能となる。
偏光子165は、液晶表示パネルの下偏光板の偏光子と同じ機能を有するものであり、偏光子165は下偏光板の偏光子として適用されるものを用いることができる。具体例としては、ポリビニル系フィルムを基材とした偏光子を挙げることができる。これは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や染料等の二色性色素を吸着あるいは染色させ、その後、一軸延伸して配向させることによって、光の吸収異方性をポリビニルアルコール系フィルムに付与させ得る。
基材部164と偏光子165とは直接積層されていてもよいし、不図示の接着層により密着性が高められて積層されていてもよい。
本実施形態によれば、図11からわかるように、光源側11側から観察者側に向けて光源11、偏向素子12、プリズム部15、基材部164、偏光子165、液晶セル21、及び上偏光板22の順で積層される構成である。すなわち、面光源装置160に下偏光板の機能も備えているので、層構成の簡素化を図ることができる。さらには基材部164は光拡散機能も有するので、かかる観点からも層構成の簡素化を図ることが可能である。
本実施形態の基材部164は、押し出し法により例えば次のように製造することができる。図13に模式図を示した。まず、主部164aとなる樹脂材料を、光散乱剤164bとなる粒状物とともに押し出し機400に投入する。主部164aとなる樹脂材料は押し出し機400内でガラス転移点温度以上に加熱され、軟化した樹脂材料が押し出し機400から押し出される。この際、押し出し機400に設けられた金型(ダイ)により所定の形状に制御される。押し出し機400から押し出された材料401は、成形ロール402とバックアップ手段403との間に進む。さらに、ここで材料401はバックアップ手段403の無縁ベルト403aによって支持された状態で成形ロール402により押圧され、厚さが調整される。ここで無縁ベルト403aは熱容量が小さいので、材料401に接触した後、再度接触するまでに無縁ベルト403aは冷え、これがまた材料401に接触する。この作用により材料401がガラス転移点温度以下の温度にまで冷却される。その後さらに冷却されることにより材料401が硬化し、剥離ロール404により剥離する。
図14、図15は第五の実施形態を説明するための図である。図14は本実施形態における図2に相当する図である。図15は基材部214の一部を拡大して示した図である。本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール201を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
映像源モジュール201は面光源装置210と、該面光源装置210の観察者側に備えられる液晶表示パネル20と、を有している。液晶表示パネル20は第一の実施形態と共通するので説明を省略する。
面光源装置210は、光源11、偏向素子12及び偏向光学シート213を備えている。また、偏向光学シート213は基材部214及びプリズム部15を有している。本実施形態では、基材部214の構成、及び光拡散シート17を具備しない点で第一の実施形態と異なる。従って、光源11、偏向素子12及びプリズム部15は第一の実施形態と共通するので、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
基材部214はプリズム部15の基材となる機能、及びプリズム部15から出光した光を拡散させて、プリズム部15の作用に起因して強く収束されて指向性が強くなった光の角度輝度分布を広げ、視野角をある程度拡大する機能を有する部材である。具体的には次の通りである。
基材部214は、図14に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図14に表れる断面において、略台形である透過部215と、隣り合う2つの透過部215間に形成された断面が略三角形の間部216と、を備えている。
透過部215は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、図14、図15に表れる断面において、プリズム部15側に長い下底、その反対側(観察者側)に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。透過部215は、シート面に沿って所定の間隔で並列されるとともに、その間には、略三角形断面を有する間部216が形成されている。従って、間部216は、透過部215の上底側に底辺を有し、透過部215の下底側にこれに対向する頂点を有する三角形断面を有し、ここに所定の材料が充填されることにより間部216が形成される。
なお、本実施形態では間部216を三角形断面としたが、これに限らず間部を台形断面としてもよい。このときには透過部215の短い上底側に間部の長い下底が配置され、透過部215の長い下底側に間部の短い上底が配置される。
また、本実施形態では、三角形断面を形成する斜辺が直線状である例を示したが、これに限定されることなく、当該斜辺が折れ線状であったり、曲線状であってもよい。
ここで、間部216には透過部215よりも小さい屈折率を有する材料が充填される。その屈折率差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.15以下であることが好ましい。屈折率差を大きくすることにより、より多くの光を反射して拡散することができる。
すなわち、図15に実線矢印で示したように、プリズム部15から基材部214に入射した光の一部は透過部215と間部216との界面に達する。透過部215と間部216とは上記したような屈折率差が設けられているので、界面に達した光は界面への入射角に応じて全反射する。さらに、透過部215及び間部216は上記したような形状を有していることから、当該界面はシート法線に対して傾斜しているので、全反射光は拡散する方向に偏向されて出射される。これにより光が拡散され、視野角を拡大することが可能となる。
また、基材部214のうち液晶表示パネル20側の面は平坦面であることが好ましい。これにより液晶表示パネル20、又はその他この間に配置してもよい他の層に適切に密着して積層させることができる。ここで「平坦面」とは面光源装置210を他の平坦面を有する層に安定して積層及び接着することができる程度の平坦を表す。これには例えば、JIS B 0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であることを挙げることができる。
以上の説明及び図2と図14との対比からもわかるように、本実施形態では、偏向光学シート213の基材部214が光拡散の機能を有するため、第一の実施形態で示した光拡散シート17を必要としない。これにより、第一の実施形態で説明した効果に加え、さらに面光源装置を薄く、軽量に形成することができる。
図16は第六の実施形態を説明するための図である。図16は本実施形態における図2に相当する図である。本実施形態の表示装置も液晶表示装置であり、映像源モジュール251を具備している。その他、表示装置には、図示及び説明は省略するが、液晶表示装置として機能するための各種機器が備えられている。
本実施形態では、上記説明した面光源装置110、液晶表示パネル20、及び視野角拡大部材260が備えられている。面光源装置110、及び液晶表示パネル20は上記した通りなのでここでは説明を省略する。なお、面光源装置は、面光源装置110に限られることなく、これまでに説明したいずれの面光源装置をもここに適用することができる。
視野角拡大部材260は液晶表示パネル20の観察者側、すなわち上偏光板22に貼付されて積層される部材で、光を拡散して視野角を拡大する機能を有する層である。具体的な構成は、透過部261及び間部262を有しており、上記した第五の実施形態における基材部214と共通する。従ってここでは説明を省略する。
ここまで説明したように、上記した各実施形態の面光源装置は集光性が高いので、集光された光が効率よく液晶表示パネル20を透過することができる。本実施形態によれば、このように効率よく液晶表示パネル20を透過した光を拡散して視野角を広くすることができる。従って、さらに視野角が広い映像源モジュール251及び表示装置を提供することが可能となる。
以下、実施例を説明する。実施例では、第一の実施形態で説明した偏向素子12の形態の偏向素子におけるシミュレーションをおこなった。図17には、図2に相当する図を示した。具体的には、次の通りである。すなわち、図17に示した各部位を、W1=5mm、W2=19.4mm、H1=30.0mm、H2=33.4mm、θc=107度、θd=98度、θb=10度、紙面奥/手前方向に100mmの長さで光学素子を製作した。光学素子の材質はアクリル樹脂である。
光源は白色のLEDで、その大きさが幅(紙面左右方向の大きさ)1.6mm、長さ3.2mm(紙面奥/手前方向大きさ)、高さ(紙面上下方向大きさ)0.7mmのものを用い、長さ方向に光学素子に沿って5mmピッチで19個配列した。
かかる光学素子において、表1に示したL101〜L110の光についてその光路を算出した。表1のβは図17にも表したように、入光面の垂線に対して光が光学素子中を進行する方向の成す角度であり、γは当該垂線に対して出光面を出た後に光が進行する方向の成す角度である。また表1において正の角度は垂線に対して紙面右側、負の角度は紙面左側への傾きを意味する。
表1からわかるように、βが80.0度、−10.0度であるL106、L107以外は、γが正方向であり、5度〜44度の範囲となっている。γが5度〜44度の範囲であることは、出光面から出射光が偏向光学シートへ向かい、光を有効に利用することができることを意味し、光の利用効率を向上させることが可能である。
さらに、当該実施例の偏向素子に加え、図9に表した反射手段を設ける態様とし、上記したL101〜L110よりも多数の光について光路を調べたところ(反射手段の高さ200mm、長さ100mm)、偏向光学シートへ向かう光がさらに10%増加した。