JP2008216831A - 光学調整部材、照明装置及び液晶表示装置、並びに、光学調整部材の製造方法 - Google Patents

光学調整部材、照明装置及び液晶表示装置、並びに、光学調整部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 より集光効果が向上する光学調整部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 入射光の光学特性を調整する光学調整部材であって、光透過性を有する基材と、基材上に形成され且つ所定の方向に延在した複数の第1線状レンズとを備え、第1線状レンズと基材との接面と、第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度が90度より大きいことを特徴とする光学調整部材を提供することにより、集光効果を一層向上させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は入射された光の指向性を制御する光学調整部材及びその製造方法、並びに、その光学調整部材を備える照明装置及び液晶表示装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ等のバックライトユニット等の各種照明装置では、光源からの光線の広がりや明るさを調整する機構を備えている。多くの照明装置において、その光路中や光源ハウジングの出射口に、光の指向性を制御するためのシートなどの光学調整部材が設置されている。この光学調整部材は、光透過性を有し、入射光を所定の方向に揃える機能、あるいは、入射光を拡散させる機能を有する。
入射光を所定の方向に揃える機能、すなわち、光指向性を制御する機能を有する光学調整部材の代表的な例としては、プリズムシートがある(例えば、特許文献1参照)。プリズムシートは、所定の方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が三角形状である光学構造体(以下、プリズム状構造体ともいう)や、断面が半円(半楕円)形状である光学構造体(以下、レンズ状構造体ともいう)を複数連続的にシート状基材の上に並べた構造のものが一般的である。そして、基材上に形成されたこれらの光学構造体によるプリズム効果またはレンズ効果によって光線の進行方向を制御する。
また、液晶表示装置用のバックライトユニットでは、従来例えば、上述したプリズム状構造体を基材上に複数設けたプリズムシートを2枚用い、各プリズムシートのプリズム状構造体の延在方向が互いに直交するように配置される(例えば、特許文献1参照)。このような液晶表示装置用のバックライトユニットの一般的な構成を図11に示した。また、プリズムシートの一般的な構造を図12に示した。液晶表示装置用のバックライト501は、主に、図11に示すように、光源503と、光源503から放射された光510を面光源に変える導光板504と、導光板504の下部(液晶表示パネル502とは反対側)に配置された反射シート505と、導光板504の上部(液晶表示パネル502側)に配置された多数の機能性光学シート群506〜508とで構成される。機能性光学シート群は、主に、下部拡散シート506、プリズムシート群507及び上部拡散シート508などから構成される。なお、図11では、液晶表示装置500の構成を分かり易くするために各光学部材を離して記載しているが、実際には、各光学部材は接して重ねられている。
プリズムシート群507は、2枚のプリズムシート507a及び507bからなり、各プリズムシートは、図12に示すように、シート状基材507c上に、所定の方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が三角形状であるプリズム状構造体507dが複数平行に並べられた構造を有する。そして、バックライト501内では各プリズムシート507a,507bのプリズム状構造体507dの延在方向が互いに直交するように配置されている。液晶表示装置用のバックライトユニット501において、図11に示すように、プリズムシートを2枚用い、各プリズムシート507a,507bのプリズム状構造体507dの延在方向が互いに直交するように配置する理由は次の通りである。
図11に示すようなサイドライト方式のバックライトユニット501では、導光板504の側部に光源503が配置されるので、導光板504の光出射面504aから出射される光511の指向性は、光出射面504aの面内において不均一となる。それゆえ、図11に示すようなサイドライト方式の液晶表示装置500では、この導光板504を通過した光511の指向性を揃えて液晶表示パネル502の背面に光512が均一に照射されるようにする必要がある。機能性光学シート群506〜508は導光板504を通過した光511の指向性を調整する(揃えて均整化する)役割を持っている。中でも、各プリズムシート507a,507bは、プリズム状構造体507dにより、導光板504を介して入射される光511を屈折及び集光させて輝度を高める役割を果たしている。しかしながら、図12に示すようなプリズムシートは後述の理由により集光性能に限界があり、光511の指向性を十分に揃えることができず十分な輝度を得ることができなかった。
上述したプリズムシート等の光学部材において、シート状基材の上にプリズム状、レンチキュラーレンズ状等の光学構造体を形成する方法としては、従来、次のような方法が用いられている。プリズム状、レンズ状等の光学構造体の形状に対応する(光学構造体の形状を反転させた)凹部を表面に有する金型を作製し、その金型を熱して基材を押圧して金型表面の凹部を基材に転写する熱転写方式や、該金型と基材の間に紫外線硬化樹脂を充填した後、紫外線を照射することにより該樹脂を硬化させて光学構造体を形成するフォトポリマー法などが用いられている(例えば、特許文献2参照)。
特表平10−506500号公報 特開平9−133919号公報
上述した従来のプリズムシートで用いられるプリズム状構造体では、図12に示すように、プリズム状構造体と基材との接面と、プリズム状構造体の側面とのなす角度(図12中の角度α)は90度より小さい。それゆえ、プリズム状構造体に入射される光線がプリズム状構造体と空気との界面を通過する回数はおおむね1回の場合が多い。すなわち、入射光の屈折回数は1回となる場合が多い。また、プリズム状構造体の形成材料として実際的に用い得る材料は今のところ屈折率1.4〜1.6のものであるので、プリズムシートの形成材料に関係なく、プリズムシートによる屈折は限られた範囲となる。それゆえ、従来、1枚のプリズムシートでは、プリズム状構造体に入射される光線の屈折量はほぼ決まっており、結果的に、1枚のプリズムシートによる集光効果には限度があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、より集光効果が向上する光学調整部材及びその製造方法を提供することである。
また、上述のように、従来の液晶表示装置、または、液晶パネル等の表示素子の背面に設置するバックライトユニットと呼ばれる照明装置では、プリズムシートを2枚使用するなど、複数の光学シートを積層した構造を有している。このようにシート数が増えると、透過光の散乱、吸収が増加し光の利用効率が低下する。また、シート数が増えることにより、照明装置及び液晶表示装置の厚みが増す、コストが高くなるなどといった問題が生じる。
本発明の別の目的は、集光効果の向上を図るとともに、照明装置及び液晶表示装置の薄型化(小型化)及び低コスト化を図ることができる光学調整部材並びにそれを備えた照明装置及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の第1の態様に従えば、入射光の光学特性を調整する光学調整部材であって、光透過性を有する基材と、上記基材上に形成され且つ所定の方向に延在した複数の第1線状レンズとを備え、第1線状レンズと上記基材との接面と、第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度が90度より大きいことを特徴とする光学調整部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、入射光の光学特性を調整する光学調整部材であって、光透過性を有する基材と、上記基材上に形成され且つ所定の方向に延在した複数の第1線状レンズとを備え、第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部にオーバーハング構造を有することを特徴とする光学調整部材が提供される。
本発明の光学調整部材では、第1線状レンズと基材との接面(例えば、図3中の面51c)と、第1線状レンズ(光学構造体)の延在方向に沿った側面の一部(例えば、図3中の面51f)との間のなす角度(例えば、図3中の角度β)が90度より大きいので、第1線状レンズの側面の一部には、外側に突き出た凸部が形成された構造、すなわち、オーバーハング構造が形成される。このような構造の光学構造体(第1線状レンズ)では、入射する光線(特に、入射光の斜め入射成分)が第1線状レンズと空気との界面を複数回通過することが可能となる。すなわち、本発明の光学調整部材では、一つの光学調整部材で入射光のより多くの成分を複数回屈折させることが可能になる。それゆえ、本発明の光学調整部材では、集光特性を向上させることができる。
なお、ここでいう「第1線状レンズと基材との接面」とは、第1線状レンズの基材に接触している面のことをいい、第1線状レンズと基材とが点接触している場合(例えば、第1レンズの断面形状が円形等の場合)には、第1線状レンズと基材との接面とは、第1線状レンズの基材と接触している部分の接線方向に沿った面を意味する。また、第1線状レンズの基材の側面が曲面の場合には、「第1線状レンズの側面の一部」とは、第1線状レンズの側面のある箇所(一点)を意味し、第1線状レンズの側面のある箇所における接線方向に沿った面と、第1線状レンズと基材との接面とのなす角度を、「第1線状レンズと基材との接面と、第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度」とする。さらに、ここでいう「線状レンズ」とは、所定の方向に延在し、且つ、入射光の指向性等の光学特性を調整する機能を有する部材のことをいう。
ここで、本発明の光学調整部材で得られる上記効果を図4を参照しながらより詳細に説明する。なお、図4は、光学調整部材の概略断面図であり、線状レンズ(光学構造体)の側面が曲面である場合の光学調整部材における入射光の屈折の様子を表している。そして、図4(a)は、線状レンズの側面の一部にオーバーハング構造を有さない場合(従来の光学調整部材)の屈折の様子を示した図であり、図4(b)は、線状レンズの側面の一部にオーバーハング構造を有する場合(本発明の光学調整部材の一例)の屈折の様子を示した図である。
図4(a)の例において、例えば、線状レンズ62の側面の一部として、基材61と線状レンズ62との接面63(平面)に隣接する線状レンズ62の面65と、接面63との接点を考え、その接点における接線方向に沿った面(図4(a)中の破線方向の面)を面64とすると、図4(a)の光学調整部材では、該面64と接面63との間の角度αは90度以下となり、側面にオーバーハング構造を形成されない。このような光学調整部材では、図4(a)に示すように、線状レンズ62の下面側(接面63側)から入射された光600は、線状レンズ62の上面65でしか屈折しない。
一方、図4(b)の例において、例えば、線状レンズ72の側面の一部として、基材71と線状レンズ72との接面73に隣接する線状レンズ72の面76と、接面73との接点を考え、その接点における接線方向に沿った面(図4(b)中の破線方向の面)を面74とすると、図4(b)の光学調整部材では、該面74と線状レンズ72の接面73との間の角度βは90度より大きくなるので、側面にオーバーハング部77が形成される。このような光学調整部材では、図4(b)に示すように、線状レンズ72の下面側(接面73側)から入射された光600の一部は、線状レンズ72のオーバーハング部77を画成する上面75のみならず下面76においても屈折する。それゆえ、このような入射光成分は2回屈折することになり、より効果的に集光される。
上述のように、従来の光学調整部材の線状レンズでは、入射光が通過する一方の面にのみ光指向性を制御するための光学的構造面を有し且つ他方の面は平面であるのに対して、本発明の光学調整部材の線状レンズでは、入射光が通過する両方の面に光指向性を制御するための光学的構造面を備えている。すなわち、従来の光学調整部材の線状レンズでは、入射光に対して光指向性を制御するための光学的構造面は1面であるが、本発明の光学調整部材の線状レンズでは、入射光に対して光指向性を制御するための光学的構造面を複数(図4(b)の例では2面)設けることができる。それゆえ、本発明の光学調整部材の線状レンズでは、より高い集光効果を得ることが可能になる。
本発明の光学調整部材では、上記複数の第1線状レンズがその延在方向と直交する方向に周期的に配置されていることが好ましい。なお、本発明はこれに限定されず、第1線状レンズの配置形態は、必要とする光学特性、用途等に応じて適宜変更可能である。例えば、複数の第1線状レンズをランダムに配置しても良いし、複数の周期が混在するように配置して良い。
本発明の光学調整部材では、さらに、上記複数の第1線状レンズ上に形成された複数の第2線状レンズを備えることが好ましい。線状レンズの層を多層化することにより、より集光特性を向上させることができる。また、この場合、従来、複数の光学シートで構成された光学シート群を1つの光学調整部材で置き換えることができるので、照明装置を構成する光学部材の数を減らすことが可能になり、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。また、各層の線状レンズの断面等を変更して、異なる光学的機能を有する線状レンズを多層化した場合には、一つの光学調整部材に複数の光学的機能を持たせることができる。それゆえ、光学部材の設計自由度も広げることができ、様々な用途に適用可能な光学部材を提供することができる。
本発明の光学調整部材では、上記基材を半透明材料で形成しても良い。すなわち、基材として拡散シートを用いても良い。この場合、従来の照明装置及び液晶表示装置のように拡散シートを設ける必要が無くなるので、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。
また、本発明の光学調整部材では、上記入射光が基材の厚さ方向に入射されることが好ましい。
本発明の第3の態様に従えば、照明装置であって、光源と、第1または第2の態様に従う光学調整部材とを備えた照明装置が提供される。また、本発明の照明装置では、さらに、上記光源から出射された光を上記光学調整部材に導くための導光板を備えることが好ましい。
本発明の第4の態様に従えば、液晶表示装置であって、光源と、第1の態様に従う光学調整部材とを備えた液晶表示装置が提供される。また、本発明の液晶表示装置では、さらに、光源から出射された光を光学調整部材に導くための導光板を備えることが好ましい。
本発明の照明装置及び液晶表示装置では、光の指向性を調整する光学部材として、上述した本発明の光学調整部材を用いているので、従来の照明装置及び液晶表示装置に比べて集光性能の優れた照明装置及び輝度の高い液晶表示装置を提供することができる。
本発明の第5の態様に従えば、基材と、該基材上に形成された複数の線状レンズとを備える光学調整部材の製造方法であって、上記基材を用意することと、上記複数の線状レンズを用意することと、上記基材上に上記複数の線状レンズを配置することを含み、上記基材上に上記線状レンズを配置する際に、上記線状レンズと上記基材との接面と、上記線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度が90度より大きくなるように上記線状レンズを上記基材上に配置することを特徴とする製造方法が提供される。
従来のプリズムシート等の光学調整部材の製造方法としては、上述のように、熱転写方式やフォトポリマー法などがある。しかしながら、これらの方法では、例えば、上述した本発明の光学調整部材のように、側面の一部にオーバーハング構造を有する複雑な構造の光学構造体(線状レンズ)を基材上に形成することは非常に困難である。
それに対して、本発明の光学調整部材の製造方法では、基材とは別個に、例えば、押し出し成形法等により所定の断面形状を有する線状(糸状)の線状レンズ(光学構造体)を複数用意し、その複数の線状レンズを基材上に配置する。この際、線状レンズと基材との接面と、線状レンズの側面の一部との間のなす角度が90度より大きくなるように、すなわち、線状レンズの側面の一部にオーバーハング構造ができるように線状レンズを基材上に配置する。それゆえ、本発明の光学調整部材の製造方法では、側面の一部にオーバーハング構造を有する光学構造体が基材上に形成された光学部材を容易に製造することができる。
なお、線状レンズを基材上に配置する際には、線状レンズの捩れ等をできるだけ避けるために、線状レンズを基材と一体的に形成して線状レンズを基材上に固定することが好ましい。線状レンズを基材と一体的に形成して固定する方法としては、融着等により直接的に線状レンズを基材上に固定しても良いし、接着剤等を用いて(接着層を介して)間接的に線状レンズを基材上に固定しても良い。
本発明の光学調整部材の製造方法では、上記複数の線状レンズを用意することが、押し出し成形により上記線状レンズを成形することを含むことが好ましい。また、本発明の光学部材の製造方法では、上記複数の線状レンズを上記基材上にガイドするための複数のガイド溝が表面に形成されたローラーを用いて上記複数の線状レンズを上記基材上に配置することが好ましい。
本発明の光学調整部材によれば、線状レンズ(光学構造体)の延在方向に沿った側面の一部にオーバーハング構造が形成されているので、線状レンズに入射する光線を線状レンズと空気との界面で複数回屈折させることが可能となり、その光線の屈折量をより増大させることができる。それゆえ、本発明の光学調整部材、並びにそれを備えた照明装置及び液晶表示装置では、従来より集光特性を向上させ、輝度を向上させることができる。
また、本発明の光学調整部材において、線状レンズを多層化した場合及び/または基材を半透明材料で形成した場合には、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の光学調整部材の製造方法によれば、基材とは別個に複数の線状レンズを用意し、その複数の線状レンズを基材上に配置するので、側面の一部にオーバーハング構造が形成された光学構造体を有する光学調整部材を容易に製造することができる。
以下に、本発明の光学調整部材及び照明装置並びに光学調整部材の製造方法の実施例を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1では、液晶表示装置及びそのバックライトユニット(照明装置)に用いられる光学調整部材について説明する。
[液晶表示装置及びバックライトユニットの構成]
実施例1で用いた液晶表示装置の概略構成を図1に示した。なお、図1では、液晶表示装置の構成を分かり易くするために、各光学部材を離して記載しているが、実際の装置内では各光学部材は接した状態で重ねられている。この例の液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶表示パネル7(液晶表示素子)と、バックライトユニット10(照明装置)とから構成される。
液晶表示パネル7には、従来の液晶表示装置で用いられている液晶表示パネルを用いた。具体的には、ここでは図示していないが、液晶表示パネル7の構造を、偏光板、ガラス基板、画素電極を成す透明導電膜、配向膜、液晶層、配向膜、対抗電極を成す透明導電膜、カラーフィルター、ガラス基板、及び、偏光板をこの順で積層した構造とした。
バックライトユニット10は、主に、図1に示すように、光源(LED:発光ダイオード)1と、光源1から放射された光11を面光源に変える導光板2と、導光板2の下部(液晶表示パネル7とは反対側)に配置された反射シート3と、導光板2の上部(液晶表示パネル7側)に配置された下部拡散シート4と、下部拡散シート4の上部に配置された光学調整シート群5と、光学調整シート群5の上部に配置された上部拡散シート6とから構成される。光学調整シート群5は、2枚の光学調整シート(光学調整部材)51及び52(以下では、それぞれ第1光学調整シート51及び第2光学調整シート52と称す)からなる。なお、この例では、第1光学シート51の光学構造体(後述する線状レンズ)の延在方向と、第2光学シート52の光学構造体の延在方向とが直交するように第1光学調整シート51及び第2光学調整シート52を重ねて配置した。また、この例のバックライトユニット10はサイドライト方式のユニットであり、光源1は導光板2の側部に設けられている。
光学調整シート群5以外の光学部材は、従来のバックライトユニットの光学部材と同じものを用いた。具体的には、導光板2はポリカーボネートで形成した。反射シート3にはPETフィルムの表面に銀が蒸着されたシートを用いた。下部拡散シート4にはPETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μmとし、ヘイズは85%とした。また、上部拡散シート6にはPETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μmとし、ヘイズは30%とした。
[光学調整シートの構成]
この例の第1光学調整シート51の概略構成を図2に示した。図2(a)は、この例の第1光学調整シート51の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)中のY方向から見た第1光学調整シート51の側面図である。なお、この例では、第1光学調整シート51と第2光学調整シート52は同じ構造とした。それゆえ、ここでは、第1光学調整シート51の構成についてのみ説明し、第2光学調整シート52の構成の説明は省略する。
図2(a)及び2(b)に示すように、この例の第1光学調整シート51は、シート状基材51aと、基材51a上に形成された複数の線状レンズ51b(第1線状レンズ)とから構成される。この例では、同じ形状の線状レンズ51bを、線状レンズ51bの延在方向(図2(a)中のY方向)に直交する方向(図2(a)中のX方向)に周期的(約40μmピッチ)に並べられており、隣り合う線状レンズが互いに接触しないように配置した。なお、隣り合う線状レンズ51bの間の隙間はできる限り小さくすることが望ましい。
基材51aとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ガラスなどの光透過性の材料であれば、任意の材料が用い得る。この例では、基材51aとして、厚さ50μmのPETを用いた。なお、本発明の第1光学調整シート51の基材51aとしては、シート状の基材だけでなく、任意の形状の基材を用い得、例えば、表面が立体状の基材や、肉厚(例えば、厚さ0.5〜100mm程度)の板状の基材も用い得る。なお、この例のようにシート状の基材を用いた場合には、加工の容易性及びハンドリング性等を考慮して30〜500μmの厚さのシートを用いることが好ましい。
線状レンズ51bには、図2(a)及び2(b)に示すように、図2(a)中のY方向に延在し且つ正五角形状の断面を有する線状(糸状)の部材であり、該断面が延在方向にほぼ均一である線状部材を用いた。すなわち、五角形柱状の線状部材を用いた。この例では、線状レンズ51bの断面形状を、一辺が20μmの正五角形とした。そして、この例では、線状レンズ51bの該正五角形の一辺の面を基材51aに接着して固定した(一体的に形成した)。なお、線状レンズの断面の径(円以外の断面形状では外接円の直径)は、光学特性及びハンドリング性を考慮して5〜300μm程度とすることが好ましい。
また、線状レンズ51bの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ナイロンなどの光透過性の材料であれば、任意の材料が用い得る。この例では、線状レンズ51bの形成材料として、屈折率1.53のナイロンを用いた。
図3に、線状レンズ51bと基材51aとの接続部の拡大図を示した。この例の第1光学調整シート51では、図3に示すように、線状レンズ51b及び基材51aの接続面(接面)51cに隣接する面51d(または面51f)と、該面51d(または面51f)の接続面51cとは反対側に隣接する面51e(または面51g)とにより側面が形成されている。そして、この例の第1光学調整シート51では、図3に示すように、線状レンズ51b及び基材51aの接続面51cと、該接続面51cに隣接する面51d(または面51f)との間のなす角度βは108度となっており(90度より大きくなっており)、線状レンズ51bの側面の一部にはオーバーハング構造が形成されている。それゆえ、本実施例の光学調整シートでは優れた集光効果が得られ、この光学調整シートを用いた照明装置及び液晶表示装置では集光特性を向上させることができる。
[光学調整シートの製造装置]
次に、この例で用いた第1光学調整シート51の製造装置を図5を参照しながら説明する。この例の第1光学調整シート51の製造装置200は、図5に示すように、主に、ガイドロール21(ローラー)と、複数の線状レンズ51bが巻きつけられた糸巻き22と、線状レンズ51bの下面に接着剤を塗布するための接着剤塗布器23と、接着剤を硬化させるための紫外線照射装置24とから構成される。なお、接着剤塗布器23は、図5に示すように、糸巻き22とガイドロール21との間に配置し、紫外線照射装置24は、基材51aを挟んでガイドロール21と対向する位置に配置されている。
また、ガイドロール21の表面には、図5に示すように、線状レンズ51bを基材51a上にガイドするための複数のガイド溝25を形成した。各ガイド溝25は、ガイドロール21の回転方向(図5中の矢印A1方向)に延在して形成されており、該回転方向に直交する方向に所定の間隔で形成されている。なお、ガイド溝25の間隔は線状レンズ51bの幅より若干広くなるようにし、ガイド溝25の深さは線状レンズ51bの高さより若干小さくなるようにした。
[光学調整シートの作製方法]
次に、この例の第1光学調整シート51の作製方法を図5及び6を参照しながら説明する。図6は、この例の第1光学調整シート51の製造方法の手順を示すフローチャートである。なお、第2光学調整シート52は、第1光学調整シート51同様に、図5に示した装置を用いて同様の手順に作製したので、ここでは第2光学調整シート52の作製方法の説明は省略する。
まず、基材51aを用意した(図6中のステップS11)。次いで、押し出し成形等の方法により、断面が正五角形状の線状レンズ51bを成形した(図6中のステップS12)。なお、線状レンズ51bを成形する工程を、基材51aを用意する工程の前に行っても良い。次いで、成形した線状レンズ51bを糸巻き22に巻きつけた。
次いで、基材51a及び複数の線状レンズ51bを巻きつけた糸巻き22を製造装置200に装着した(図6中のステップS13)。次いで、図5に示すように、糸巻き22から線状レンズ51bを引き出して、各線状レンズ51bを対応するガイドロール21のガイド溝25にそれぞれ挿入した。この際、線状レンズ51bを糸巻き22とガイドロール21との間に配置した接着剤塗布器23上を通過させて、線状レンズ51bの下面に接着剤を塗布した(図6中のステップS14)。この例では、接着剤として、紫外線硬化型の接着剤を用いた。なお、本発明はこれに限定されず、接着剤としては、紫外線硬化型以外に、熱硬化型、感圧型の接着剤や瞬間接着剤(シアノアクリート)等が用い得る。次いで、製造装置200に装着された基材51aをガイドロール21側(図5中の矢印A2の方向)に送り出した。
次いで、図5に示すように、ガイドロール21を図5中の矢印A1方向に回転させ且つ基材51aを図5中の矢印A2方向に送り出しながら、複数の線状レンズ51bを基材51a上に配置した(図6中のステップS15)。この際、紫外線照射装置24により紫外線を基材51a越しに照射して、線状レンズ51bの下面に塗布された接着剤を硬化させて、線状レンズ51bの下面を基材51aの上面に接着固定した。この例では、以上のようにして、図2(a)に示した構造の第1光学調整シート51を作製した。
本実施例の光学調整シート51の製造方法によれば、基材51aとは別個に複数の線状レンズ51bを用意し、その複数の線状レンズ51bを基材51a上に配置するので、線状レンズ51bの側面の一部にオーバーハング構造が形成されている光学調整シートを容易に製造することができる。なお、本実施例では、接着剤を線状レンズに塗布する方法を説明したが、本発明はこれに限定されず、基材の表面に接着剤を塗布して、基材と線状レンズとを接着固定しても良い。
[光学性能の評価]
次に、上述のようにして作製した第1光学調整シート51及び第2光学調整シート52を用いて、図1に示すようなバックライトユニット(照明装置)10を構成し、その輝度特性を測定した。なお、この例では、第1光学シート51の線状レンズの延在方向と、第2光学シート52の線状レンズの延在方向とが直交するように第1光学調整シート51及び第2光学調整シート52を重ねて配置した。
また、この例では、比較のため、図11に示した従来のバックライトユニット500(比較例)おける輝度特性も測定した。ただし、比較例のバックライトユニット500では、図11に示すように、光指向性制御用の光学部材として、2枚のプリズムシート(図12)からなるプリズムシート群507を用い、各プリズムシートの光学構造体の延在方向が互いに直交するように2枚のプリズムシートを配置した。なお、比較例の各プリズムシートに形成されたプリズム状構造体の延在方向に直交する断面の形状は、底辺の幅30μm、高さ15μm、頂角90度の二等辺三角形とした。プリズムシート群507以外の光学部材は本実施例と同様とした。
上記測定の結果、実施例1のバックライトユニットでは、正面輝度比は比較例の約1.3倍となり、また、視野角も約45度(比較例では42度)となり、比較例より優れた輝度特性が得られることが分かった。なお、ここでいう視野角とは、輝度特性において、輝度の最大値の1/2以上の輝度を示す角度の範囲のことである。
実施例2では、実施例1の光学調整シートの線状レンズ上にさらに複数の線状レンズを形成した例について説明する。すなわち、この例では、複数の線状レンズからなる光学調整層を基材上に二層設けた光学調整シートを作製した。
[光学調整シートの構成]
この例の光学調整シートの概略構成を図7(a)〜7(c)に示した。図7(a)は、この例の光学調整シートの斜視図であり、図7(b)は、図7(a)中のY方向から見た光学調整シートの側面図であり、そして、図7(c)は、図7(a)中のX方向から見た光学調整シートの側面図である。図7(a)〜7(c)に示すように、この例の光学調整シート300は、シート状基材30と、基材30上に形成された第1光学調整層31と、第1光学調整層31上に形成された第2光学調整層32とから構成される。この例の基材30の形成材料及び構造は、実施例1と同様とした。
第1光学調整層31は、図7(a)〜7(c)に示すように、図7(a)中のY方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が正五角形状の第1線状レンズ31aを複数有する。なお、第1線状レンズ31aの形成材料及び構造(形状及び寸法)は実施例1と同様とした。また、第1光学調整層31では、第1線状レンズ31aを図7(a)中のX方向に並べ、隣り合う第1線状レンズ31a同士が接しないように配置した。
また、第2光学調整層32は、図7(a)〜7(c)に示すように、図7(a)中のX方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が正五角形状の第2線状レンズ32aを複数有する。すなわち、この例では、第1線状レンズ31aの延在方向と第2線状レンズ32aの延在方向とが直交するように、第1線状レンズ31a上に第2線状レンズ32aを形成した。なお、第2線状レンズ32aの形成材料及び構造は第1線状レンズ31aと同様とした。また、第2光学調整層32では、第2線状レンズ32aを図7(a)中のY方向に並べ、隣り合う第2線状レンズ32a同士が接しないように配置した。
この例のように、基材30上に、実施例1と同じ構造の線状レンズを複数備えた光学調整層を2層設け、各光学調整層を構成する線状レンズが互いに直交するように配置した場合には、図1に示した実施例1の照明装置及び液晶表示装置で用いた2枚の光学調整シートからなる光学調整シート群5で得られる効果を一枚の本実施例の光学調整シートで得ることができる。それゆえ、本実施例の光学調整シートを照明装置及び液晶表示装置に用いた場合には、実施例1の照明装置及び液晶表示装置に比べて、光学調整シートの基材1枚分厚さを削減することがでるので、入射光の界面反射や、透過光の散乱、吸収を抑制し光学性能(光の利用効率)の低下を抑制することができるとともに、照明装置及び液晶表示装置をより薄型化及び低コスト化することができる。また、従来の照明装置及び液晶表示装置と比較しても、本実施例では、上記効果が得られるだけでなく、集光特性が一層向上した、輝度の高い照明装置及び液晶表示装置を得ることができる。
[光学調整シートの製造装置及び製造方法]
図8に、この例の光学調整シートの製造装置の概略構成及び第1光学調整層31上に第2光学調整層51bを形成する際の様子を示した。図8に示すように、この例では、実施例1と同様の製造装置200を用いた。以下に、この例の光学調整シートの製造方法を説明する。
まず、基材30を用意した。次いで、実施例1と同様にして、複数の第1線状レンズ31a及び第2線状レンズ32aを押し出し成形法等により作製した。次いで、実施例1と同様にして、製造装置200を用いて、基材30上に複数の第1線状レンズ31aを配置し、第1光学調整層31を形成した。次いで、第1光学調整層31が形成された基材30を製造装置200から取り出した。
次いで、第1光学調整層31が形成された基材30及び成形された複数の第2線状レンズ32aを巻きつけた糸巻き22を製造装置200に装着した。この際、図8に示すように、第1光学調整層31がガイドロール21と対向するように、且つ、第1光学調整層31の第1線状レンズ31aの延在方向が、ガイドロール21の表面に形成されたガイド溝25の延在方向とが直交するように装着した。
次いで、図8に示すように、実施例1と同様にして、第1光学調整層31上に、複数の第2線状レンズ32aを配置し、第2光学調整層32を形成した。この際、第2線状レンズ32aの下面と、第1線状レンズ31aの頭頂部とが接着剤(紫外線硬化型の接着剤)を介して接着固定され、第1線状レンズ31a及び第2線状レンズ32aが一体的に形成される。この例では、このようにして図7に示すような構造の光学調整シート300を作製した。
[光学性能の評価]
この例で作製した光学調整シートを用いて、図1に示すような照明装置10を構成し、実施例1と同様にして光学特性を測定した。ただし、この例では、図1中の光学調整シート群5の代わりに、本実施例の光学調整シートを1枚装着した。
その結果、実施例2のバックライトユニットでは、正面輝度比は、実施例1で説明した比較例のバックライトユニットの約1.4倍となり、また、視野角も約45度(比較例では42度)となり、比較例より優れた輝度特性が得られることが分かった。これは、本実施例の光学調整シートでは、光学調整層1層当たりの屈折量が増大することに起因するだけでなく、従来のプリズムシート群に比べて、基材を2枚から1枚に低減させることができたことにより、光の損失が低減したことにも起因する。
上記実施例2では、2つの光学調整層を備える光学調整シートの例を説明したが、本発明はこれに限定されず、光学調整層を3層以上も設けても良い。このような光学調整シートは、上述した第2光学調整層の形成方法を繰り返すことにより作製することができる。
[変形例]
上記実施例1及び2の光学調整シートでは、断面が正五角形状の線状レンズを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、線状レンズの側面の一部にオーバーハング構造が形成されるような断面形状であれば、任意の形状が用い得る。その例を、図9(a)〜9(f)及び図10(a)〜10(e)に示した。なお、図9(a)〜9(f)に示した例では、隣り合う線状レンズが接しないように配置した例であり、図10(a)〜10(e)の例は、図9(a)〜9(e)に示した線状レンズを接して設けた場合の例である。なお、図9(a)〜9(e)及び図10(a)〜10(e)に示した例では、実施例1及び2同様、同じ形状の線状レンズを等ピッチで基材上に形成している。
図9(a)及び図10(a)の例は、線状レンズの断面を正五角形でない五角形にした場合の例である。この場合、基材40と線状レンズ41との接面41aに隣接する側面41b,41cがオーバーハング構造となるので、実施例1及び2と同様の効果が得られる。
図9(b)及び図10(b)の例は、線状レンズ42の断面を逆台形にした場合の例である。この場合も、基材40と線状レンズ42との接面42aに隣接する側面42b,42cがオーバーハング構造となるので、実施例1及び2と同様の効果が得られる。
図9(c)及び図10(c)の例は、線状レンズ43の断面を略円形にした場合の例である。この場合は、基材40と線状レンズ43との接面43a(接続部)に対して、接面43aに隣接する曲面43b,43cの一部の面、図9(c)の例では、曲面43bと接面43aとの接点における接線方向の面43dとの間の角度が90度より大きくなる。すなわち、基材40と線状レンズ43と接面43aに隣接する曲面43b,43cにオーバーハング構造が形成されるので、実施例1及び2と同様の効果が得られる。
図9(d)及び図10(d)の例は、線状レンズ44の断面をツリー状にした場合の例である。このような断面形状を有する線状レンズ44では、図9(d)に示すように、線状レンズ44の側面の一部に、側面から外側に突き出た部分44b,44cが形成される。すなわち、この場合も、線状レンズ44の側面の一部にオーバーハング構造が形成される。それゆえ、このような断面形状を有する線状レンズ44を用いても実施例1及び2と同様の効果が得られる。
図9(e)及び図10(e)の例は、線状レンズ45の断面を両面レンズ形状(略楕円形状)にした場合の例である。この場合も、基材40と線状レンズ45との接面45aに隣接する側面45b,45cがオーバーハング構造となるので、実施例1及び2と同様の効果が得られる。
図9(f)の例は、線状レンズ46の断面を平行四辺形にした場合の例である。この場合には、基材40と線状レンズ46との接面46aに隣接する一方の側面46cがオーバーハング構造となる。この場合には、入射光の主な進行方向(指向性)が光学調整シートの厚さ方向に対して傾斜しているような入射光において集光効果が得られる。
上記実施例1及び2並びに変形例の光学調整シートでは、線状レンズを基材上に周期的に(等ピッチで)配置した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、線状レンズを、ランダムピッチで配置しても良いし、複数の周期が混在するように配置しても良い。
上記実施例1及び2並びに変形例の光学調整シートでは、光学調整層を構成する複数の線状レンズの形状及び寸法を全て同じとした例を説明したが、本発明はこれに限定されない。異なる形状及び寸法を有する線状レンズを組み合わせて構成しても良い。
また、上記実施例1及び2並びに変形例の光学調整シートでは、基材を透明材料で形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、基材を半透明材料、すなわち、拡散シートで形成しても良い。この場合、バックライトユニット及び液晶表示装置内で別途拡散シートを設ける必要がなくなるので、バックライトユニット及び液晶表示装置を一層薄型化することができる。また、この場合、バックライトユニット及び液晶表示装置を構成するシートの枚数を減らすことができるので、シート界面による透過光の不要な散乱、吸収をさらに抑制することができ、光学性能を一層向上させることができる。
上記実施例1及び2の光学調整シートでは、光学調整シートを光源が導光板の側部に配置されたサイドライト方式(エッジライト方式)の照明装置及び液晶表示装置に適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の光学調整シートは、導光板を備えない照明装置及び液晶表示装置、例えば、光源が液晶表示パネルに対向して設けられた直下型の照明装置及び液晶表示装置等にも適用可能であり、その場合も上述した実施例1及び2の効果と同様の効果が得られる。
本発明の光学調整部材並びにそれを備える照明装置及び液晶表示装置では、従来より集光特性を向上させ輝度を向上させることができるとともに、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。それゆえ、本発明の光学調整部材、照明装置及び液晶表示装置は様々な用途に好適な光学調整部材、照明装置及び液晶表示装置である。
本発明の光学調整部材の製造方法では、複雑な断面形状を有する線状レンズを備えた光学調整部材を容易に且つ低コストで作製することができるので、様々な用途に好適な光学調整部材の製造方法である。
図1は、実施例1の液晶表示装置の概略構成図である。 図2は、実施例1の光学調整シートの概略構成図であり、図2(a)は、斜視図であり、図2(b)は、図2(a)中のY方向から見た側面図である。 図3は、実施例1の光学調整シートの線状レンズ付近の拡大断面図である。 図4は、本発明の光学調整部材の効果を説明するための図であり、図4(a)は、側面にオーバーハング構造を有さない光学構造体における入射光の屈折の様子を表した図であり、図4(b)は、側面にオーバーハング構造を有する光学構造体における入射光の屈折の様子を表した図である。 図5は、実施例1で用いた光学調整シートの製造装置の概略構成図である。 図6は、実施例1の光学調整シートの製造方法の手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例2の光学調整シートの概略構成図であり、図7(a)は、斜視図であり、図7(b)は、図7(a)中のY方向から見た側面図であり、図7(c)は、図7(a)中のX方向から見た側面図である。 図8は、実施例2で用いた光学調整シートの製造装置の概略構成図である。 図9は、本発明の光学調整シートの変形例を示す図であり、図9(a)は線状レンズの断面を五角形にした場合の例であり、図9(b)は線状レンズの断面を逆台形にした場合の例であり、図9(c)は線状レンズの断面を円形にした場合の例であり、図9(d)は線状レンズの断面をツリー状にした場合の例であり、図9(e)は線状レンズの断面を両面レンズ形状にした場合の例であり、そして、図9(f)は線状レンズの断面を平行四辺形にした場合の例である。 図10は、本発明の光学調整シートの変形例を示す図であり、図10(a)は線状レンズの断面を五角形にした場合の例であり、図10(b)は線状レンズの断面を逆台形にした場合の例であり、図10(c)は線状レンズの断面を円形にした場合の例であり、図10(d)は線状レンズの断面をツリー状にした場合の例であり、そして、図10(e)は線状レンズの断面を両面レンズ形状にした場合の例である。 図11は、従来の液晶表示装置の概略構成図である。 図12は、従来のプリズムシートの概略斜視図である。
符号の説明
1 光源
2 導光板
3 反射シート
4 下部拡散シート
5 光学調整シート群
6 上部拡散シート
7 液晶表示パネル
10 バックライトユニット
30,51a 基材
31,32 光学調整層
31a,32a,51b 線状レンズ
51,52,300 光学調整シート

Claims (12)

  1. 入射光の光学特性を調整する光学調整部材であって、
    光透過性を有する基材と、
    上記基材上に形成され且つ所定の方向に延在した複数の第1線状レンズとを備え、
    第1線状レンズと上記基材との接面と、第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度が90度より大きいことを特徴とする光学調整部材。
  2. 入射光の光学特性を調整する光学調整部材であって、
    光透過性を有する基材と、
    上記基材上に形成され且つ所定の方向に延在した複数の第1線状レンズとを備え、
    第1線状レンズの延在方向に沿った側面の一部にオーバーハング構造を有することを特徴とする光学調整部材。
  3. 上記複数の第1線状レンズがその延在方向と直交する方向に周期的に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学調整部材。
  4. さらに、上記複数の第1線状レンズ上に形成された複数の第2線状レンズを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学調整部材。
  5. 上記入射光が基材の厚さ方向に入射されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学調整部材。
  6. 照明装置であって、
    光源と、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学調整部材とを備えた照明装置。
  7. さらに、上記光源から出射された光を上記光学調整部材に導くための導光板を備える請求項6に記載の照明装置。
  8. 液晶表示装置であって、
    光源と、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学調整部材と、
    液晶表示素子とを備えた液晶表示装置。
  9. さらに、上記光源から出射された光を上記光学調整部材に導くための導光板を備える請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 基材と、該基材上に形成された複数の線状レンズとを備える光学調整部材の製造方法であって、
    上記基材を用意することと、
    上記複数の線状レンズを用意することと、
    上記基材上に上記複数の線状レンズを配置することを含み、
    上記基材上に上記線状レンズを配置する際に、上記線状レンズと上記基材との接面と、上記線状レンズの延在方向に沿った側面の一部との間のなす角度が90度より大きくなるように上記線状レンズを上記基材上に配置することを特徴とする製造方法。
  11. 上記複数の線状レンズを用意することが、押し出し成形により上記線状レンズを成形することを含むことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  12. 上記複数の線状レンズを上記基材上にガイドするための複数のガイド溝が表面に形成されたローラーを用いて上記複数の線状レンズを上記基材上に配置することを特徴とする請求項10または11に記載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011013285A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Asama Gosei Kk パネルの製造装置及び製造方法
WO2022150162A1 (en) * 2021-01-08 2022-07-14 Nanosys, Inc. Light-emitting diode device containing microlenses and method of making the same

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