JP2009026753A - 照明装置及びそれに用いられる光学調整部材 - Google Patents

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Yoichi Ogawa
容一 小川
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Abstract

【課題】光源から出射される光線を高い効率で集光し、高い正面輝度が得られる照明装置を提供する。
【解決手段】バックライト50内の光学調整部材1は、プリズムシート2及び3を備える。プリズムシート2内のプリズム21は、プリズムシート3内のプリズム31と並行する。さらに、プリズム21の側面211とプリズム31の側面311とは、導光板102から所定角度A0で出射する輝度ピーク光線が臨界角未満で入射するように形成される。導光板102からの出射光は、所定角度A0を輝度ピークとして所定の角度範囲に分布するが、プリズム21及び31により段階的にコリメートされるため、出射光のうち、側面211及び311に臨界角を超えて入射する光線成分の割合を抑制できる。その結果、側面211及び311で全反射する光の割合を抑制でき、光の損失を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明装置及びそれに用いられる光学調整部材に関する。
液晶表示装置用のバックライトユニットに代表される各種照明装置は、光源からの光線の広がりや明るさを調整する。多くの照明装置は、その光路中や光源ハウジングの出射口に、光の指向性を制御する光学シートを備える。このような光学シートは、光透過性を有し、かつ、入射光を所定の方向に揃える機能や、入射光を拡散させる機能を有する。
入射光を所定の方向に揃える機能、すなわち、光指向性を制御する機能を有する光学シートの代表例は、プリズムシートである(例えば、特許文献1参照)。プリズムシートは、シート状の基材と、基材上に形成された複数の線状レンズとを備える。線状レンズはたとえば、所定の方向に延在し横断形状が三角形状であるプリズムや、横断形状が半円(半楕円)形状であるシリンドリカルレンズである。プリズムシートは、基材上に形成されたこれらの線状レンズによるプリズム効果またはレンズ効果によって光線の進行方向を制御する。
バックライトユニットには、上述したプリズムシートが2枚用いられ、各プリズムシートの線状レンズの延在方向が互いに直交するように配置される(例えば、特許文献1参照)。このようなバックライトユニットの一般的な構成を図8に示す。また、プリズムシートの一般的な構造を図9に示す。図8を参照して、バックライトユニット100は、光源101と、光源101から放射された光を面光源に変える導光板102と、導光板102の下部(液晶表示パネルとは反対側)に配置される反射シート103と、導光板102の上部(液晶表示パネル側)に配置される複数の光学シート群104とを備える。図示していないが、液晶表示パネルは光学シート群104上に敷設される。光学シート群104は、下部拡散シート105、プリズムシート群106及び上部拡散シート107を備える。
図8に示すバックライトユニット100は、導光板102の側面近傍に光源101が配置された、いわゆるエッジライト(サイドライト)方式の照明装置である。光源101から放射された光(光束)は導光板102の側部に入射され、導光板102の表面(出射面)112から出射される。この際、出射される光はある程度の指向性を有する。すなわち、出射光の輝度特性において輝度が最大となる方向は、出射面112の法線方向N112から光源101と逆側に所定角度A112で傾斜している。以下、本明細書では、出射光のうち、出射光の輝度特性において輝度が最大となる方向に出射される光線を「輝度ピーク光線」R1という。なお、図8では、バックライトユニット100の構成を分かり易くするために各光学部材102〜107を離して記載しているが、実際には、各光学部材102〜107は接して重ねられている。
プリズムシート群106は、2枚のプリズムシート120からなる。各プリズムシート120は、図9に示すように、シート状基材121上に、所定の方向に延在し且つ横断形状が三角形状であるプリズム122が複数並設される。2枚のプリズムシート120は、互いのプリズム122が直交するように配設される。
上述のとおり、導光板102からの出射光を集光して効果的に液晶表示パネルに照射することを目的に、各プリズムシート120は、互いのプリズム122が直交するように配設される。このような構成の場合、図10に示すように、導光板102からプリズムシート120に入射する光R100のうち、斜め方向に入射した光線R101はプリズム122の側面123でプリズムシート120の法線方向に屈折され出射される。しかしながら、プリズムシート120に垂直な方向付近に入射した光線R102は側面123で全反射して導光板102に戻る。
戻された光線(以下、回帰光線という)は導光板102や反射シート103によって散乱され、再度プリズムシート120に入射する。そして、あらためて斜め方向に入射した光線成分R101が法線方向に屈折され出射される。
このような回帰光線の発生は輝度の低下を招く。従来のバックライトユニット100では、プリズムシート90を直交させて2枚使い、さらに入射光の散乱度を上げるため下部拡散シート105を敷設する。そのため、回帰光線の通過経路が長い。回帰光線の通過経路が長ければ、吸収される光線成分が多くなり、効率的に光線を取り出して集光することができない。その結果、従来のバックライトユニット100では、正面輝度が不足したり、電力を多く消費するといった問題が生じ得る。
特表平10−506500号公報 特許第3299087号
本発明の目的は、光源から出射される光線を高い効率で集光し、高い正面輝度が得られる照明装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明による照明装置は、光源と、導光板と、光学調整部材とを備える。導光板は、光源からの光が入射する側面と、入射された光を出射する出射面とを有する。光学調整部材は、第1及び第2の光学シートを備える。第1の光学シートは、導光板上に敷設され、複数の第1の線状レンズを含む。複数の第1の線状レンズは、導光板の出射面と対向する面と反対側の主面に形成される。第2の光学シートは第1の光学シート上に敷設される。第2の光学シートは複数の第2の線状レンズを含む。第2の線状レンズは、第1の線状レンズと対向する面と反対側の主面に形成される。そして、第1の線状レンズは第2の線状レンズと並行する。ここでいう並行は厳密な平行だけを意味するものではなく、第1及び第2の線状レンズが、本発明の効果が得られる程度に揃って並んでいることを意味する。
本発明による照明装置では、第1及び第2の線状レンズは並行である。そのため、導光板から出射された光を、第1及び第2の線状レンズで段階的に第1及び第2の光学シートの法線方向に光路変化させることができる。その結果、高い効率で光線を取り出して照明装置の正面方向に集光することができ、高い正面輝度を得ることができる。
好ましくは、複数の第1の線状レンズは互いに並設され、複数の第2の線状レンズは互いに並設される。
好ましくは、導光板は、出射面の法線方向から光源と逆側に所定角度傾いた方向に指向性を有する光を出射し、光学調整部材は、導光板からの光を受け、法線方向に指向性を有する光を出射する。
この場合、照明装置の輝度が向上する。
好ましくは、第1及び第2の線状レンズの各々は、第1及び第2の側面を有するプリズムであり、第2の側面は、光源との距離が第1の側面よりも遠い。第1及び第2の線状レンズの第2の側面には、導光板から出射される光のうち、光の輝度特性において輝度が最大となる方向に出射される光線が臨界角未満で入射される。
導光板から出射される光は、光の輝度が最大となる方向をピークとして、所定の角度範囲に広がりを有する。光の輝度が最大となる方向に出射される光線(輝度ピーク光線)が臨界角未満で第2の側面に入射されれば、光学調整部材に入射される光のうち、全反射される光線の割合を抑えることができる。つまり、正面方向へ出射しない光線や回帰光線の発生を抑制できる。そのため、入射される光線の損失を抑制でき、高い正面輝度が得られる。
好ましくは、第1の線状レンズにおける主面に対する第2の側面の傾き角は、第2の線状レンズにおける主面に対する第2の側面の傾き角よりも大きい。
導光板からの光は、第1の線状レンズにより、第1及び第2の光学シートの主面の法線側に屈折して出射する。そのため、仮に、第2の線状レンズの第2の側面の傾き角が、第1の線状レンズの第2の側面の傾き角よりも大きければ、第1の線状レンズから出射した光のうち、第2の線状レンズの第2の側面に臨界角を超えて入射する光線の割合が増加する。本発明では、第2の線状レンズの第2の側面の傾き角は、第1の線状レンズの第2の側面の傾き角よりも小さいため、第2の線状レンズの第2の側面に臨界角を超えて入射される光線の割合を抑えることができ、全反射する光線の割合を抑制できる。
好ましくは、第1の線状レンズにおける主面に対する第1の側面の傾き角は、第2の線状レンズにおける主面に対する第1の側面の傾き角よりも小さい。
導光板からの光が第1の側面に入射すれば、第1及び第2の光学シートの主面の法線と逆側に屈折して出射される。このように、第1の側面は集光に寄与しないため、導光板からの光の入射を抑制するのが好ましい。第1の線状レンズから出射された光は、導光板からの光よりも主面法線側に傾いて出射される。そのため、第2の線状レンズの第1の側面の傾き角が第1の線状レンズの第1の側面の傾き角よりも大きければ、第1の側面に光が入射するのをより抑制できる。
本発明による光学調整部材は、上述の照明装置や他の照明装置に用いられる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[光学調整部材の構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態による光学調整部材1は、プリズムシート2とプリズムシート3とを備える。プリズムシート3は、プリズムシート2上に敷設される。
プリズムシート2は、基材20と、複数のプリズム21とを備える。基材20は、透過性を有し、その素材はたとえば、樹脂やガラスである。具体的には、基材20の素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、セルロースアセテート等の樹脂や、ガラスなどの無機透明物質である。基材20は、シート状であってもよいし、板状であってもよい。基材20は、底面22と、底面22と反対側の主面23とを有する。主面23は仮想的な面であってもよい。主面23上にはプリズム21が形成される。基材20の表面(底面22及び主面23)の表面は平坦に限らず、立体面であってもよい。基材20の厚さは、光学調整部材の加工の容易性、ハンドリング性等を考慮すると、10〜500μmの範囲が好ましい。
プリズム21は、長手方向を有する線状のレンズであり、横断形状は三角形状である。つまり、複数のプリズム21は、主面23上に互いに並設されて形成される。各プリズム21は、側面211及び212を有する。プリズム21は透光性し、その素材はたとえば、紫外線硬化樹脂である。紫外線硬化樹脂は、たとえば、アクリス樹脂やウレタン樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂などの透明プラスチック樹脂である。プリズム21は、基材20と同じ材料で形成されてもよい。プリズム21の素材の屈折率は1.3〜1.9の範囲が好ましい。
プリズムシート3は、基材30と、複数のプリズム31とを備える。基材30は、基材20と同じく、透光性を有する。また、基材30を形成する素材は、基材20と同様である。基材30の底面32は、複数のプリズム21と対向する。複数のプリズム31は、基材30の底面32と反対側の面である主面33上に互いに並設されて形成される。プリズム31は、プリズム21と同様に、長手方向を有する線状のレンズであり、横断形状は三角形状である。プリズム31は、2つの側面311及び312を有する。プリズム31の素材は、プリズム21と同様である。
プリズム31は、プリズム21と並行する。より具体的には、プリズム31の長手方向は、プリズム21の長手方向と並行である。ここでいう並行は、厳密な平行のみを意味するものではなく、後述する本発明の効果を奏する程度に揃って並んでいれば足りる。
プリズム21及び31の配置間隔(ピッチ)は7〜100μm程度であることが好ましい。複数のプリズムの配置間隔が7μmより小さくなると、プリズムを形成するために用いる金型において精度の高い金型加工が必要となり、コストが高くなる。また、複数のプリズムの配置間隔が100μmより大きくなると、特にシート状の基材を用いた場合には、次のような問題が生じる。複数のプリズムの配置間隔が100μmより大きくなるとプリズムのサイズも相対的に大きくなり、プリズムを形成する樹脂の体積が増大する。その結果、樹脂を硬化させてプリズムを形成した際の樹脂の硬化収縮量を増大する。この場合、金型に対する樹脂のいわゆる「食いつき」が強くなり、樹脂(プリズム)が金型から剥離し難くなる。特にロール状の金型を用いてシート状基材上にプリズムを形成する場合には、剥離時にプリズムが破壊されたり、プリズムが金型表面に残留したりする場合がありうる。また、複数のプリズムの配置間隔が100μmより大きくなると、プリズムの高さも高くなるので光学調整部材1が厚くなる。したがって、プリズムのピッチは7〜100μmが好ましい。ただし、ピッチがこの範囲外であっても本発明の効果は得られる。
図2に光学調整部材1を用いた照明装置であるバックライトユニット50を示す。バックライトユニット50は、光源101と、導光板102と、反射シート103と、光学調整部材1とを備える。
図2では液晶表示パネルを省略しているが、液晶表示パネルが光学調整部材1上に敷設されてもよい。液晶表示パネルは、従来の液晶表示装置で用いられているものと同じ構成を有するものを用いることができる。具体的には、液晶表示パネルは、偏光板、ガラス基板、画素電極を成す透明導電膜、配向膜、液晶層、配向膜、対抗電極を成す透明導電膜、カラーフィルター、ガラス基板、及び、偏光板をこの順で積層した構造を有する。
光源101、導光板102及び反射シート103は周知の構成を有する。光源101はたとえば、蛍光管のような線光源でもよいし、LED(Light Emitting Device)のような複数の点光源で構成されてもよい。導光板102は、透過性を有する樹脂からなり、たとえば、ポリカーボネートからなる。反射シート103はたとえば、PETフィルムの表面に銀が蒸着されて形成される。
導光板102は、側面113と出射面112とを有する。光源101は、導光板102の側面113と対向して配設される。プリズムシート2は、導光板の出射面112上に敷設される。このとき、プリズムシート2の底面22は、出射面と対向する。また、プリズム21の長手方向は、側面113と並行する。そして、プリズム21の2つの側面211及び212のうち、側面211の方が側面212よりも光源101との距離が遠くなるように、プリズムシート2が敷設される。上述のとおり、プリズムシート3はプリズムシート2上に敷設される。このとき、プリズム31の2つの側面311及び312のうち、側面311の方が側面312よりも光源101からの距離が遠くなるように、プリズムシート3が敷設される。
光源101からの光は、側面113に入射し、出射面112から出射する。出射される光(光束)は、出射面112の法線N112から光源101と逆側に所定角度A0度傾いた方向に指向性を有する。つまり、出射光の輝度特性は、所定角度A0度傾いた方向に輝度のピークを有し、そのピークを中心に所定の角度範囲の広がりを有する。この出射光のうち、所定角度A0度傾いた方向に出射される光線を輝度ピーク光線R1という。
導光板102の出射面112から出射した光(輝度ピーク光線R1を含む)は、プリズムシート2に入射し、プリズムシート2を経て、プリズムシート3に入射する。そしてプリズムシート3から外部に出射される。
プリズムシート2に入射した光線は、底面22と、プリズム21の側面211とで法線N112(プリズムシート2及び3の法線方向と同じ)側に屈折し、進行方向を変化する。これを第1の光路変化と称する。第1の光路変化を受けた光線はさらに、プリズムシート3の底面32に入射する。そして、底面32と、プリズム31の側面311とにおいて法線N112側にさらに屈折し、進行方向を変化する。これを第2の光路変化と称する。これら2回の光路変化を経て、光線の進行方向は法線N112方向(つまりバックライトユニット50の正面方向)に変化する。このとき、輝度ピーク光線R1を含む出射光のうち、全反射する光線の割合は少ない。そのため、全反射により正面方向へ出射しない光線や導光板102に戻る回帰光線の発生を抑制できる。以下、この点について詳述する。
図3は、バックライトユニット50において、光学調整部材1の代わりに、1枚のプリズムシート90を導光板102上に敷設した場合の光路変化を示す模式図である。図3を参照して、出射面112から出射された出射光のうち輝度ピーク光線R1は、プリズムシート90に入射され、プリズム92の側面921から外部に出射する。このとき、輝度ピーク光線R1は、プリズムシート90の底面910とプリズム92の側面921とにおいて、法線N112側に屈折する。
この場合、1枚のプリズムシート90で輝度ピーク光線R1を法線N112方向に光路変化しなければならない。そのため、側面921での屈折角B3を大きくする必要がある。屈折角B3を大きくするためには、基材91の主面911と側面921とがなす傾斜角β3を大きくするか、基材91及びプリズム92の屈折率を大きくしなければならない。基材91及びプリズム92を構成する樹脂の屈折率は1.3〜1.9の範囲であり、一般的には1.4〜1.7程度である。1.7よりも高い屈折率を有する高屈折材料も開発されているが製造コストが高い。したがって、プリズムシート90の屈折率の向上には限界がある。
さらに、大きな屈折角B3を得ようとすると、全反射による光の損失が増大してしまう。一般的に、大きな屈折角B3を有する出射光線R11を得るためには、側面921に入射する光線R1の入射角B2が大きくなければならない。しかしながら、入射角B2を大きくすれば、ある角度以上で全反射が起こる。一般に屈折率の高い媒質から低い媒質に向かって光線が進む場合、ある限界以上の入射角の光線は100%の反射を受けて低屈折率媒質に出射することができなくなる。これを全反射の臨界角という。図3ではプリズムシート90に入射する光線を代表的に輝度ピーク光線R1として記載してきたが、実際に出射面112から出射される光は、輝度ピーク光線R1を中心に角度的に分布している。入射角B2が臨界角に近ければ、輝度ピーク光線R1より法線N112側に傾いて出射面112から出射される光線R10は、側面921における入射角B3が臨界角を超えてしまい、全反射する。要するに、屈折角B3が高いほど、入射角B2も大きくなる。そのため、全反射する光の割合が多くなり、正面方向へ出射しない光線や回帰光線が増加する。正面方向へ出射しない光線や回帰光線が増加すれば、それだけ光の損失が発生し、法線N112方向への集光に寄与する光の割合が減少する。
これに対して、本実施の形態による光学調整部材1は、輝度ピーク光線の光路の変化を、2枚のプリズムシート2及び3によって分割し段階的に行っているところに特徴がある。具体的には、入射光線の光路変化を2回に分けたことにより、各プリズム21及び31の側面211及び311での輝度ピーク光線の入射角を、臨界角よりも、より小さくすることができる。そのため、図3の場合と比較して、全反射により正面方向へ出射しない光線や回帰光線の発生を抑制し、法線N112方向への集光に寄与する入射光の角度範囲を広くすることができる。以下、この点について詳述する。
図2に示したバックライトユニット50における光路変化を図4に示す。図中の矢印は、出射面112から出射された光のうち、輝度ピーク光線R1の光路を示す。図4を参照して、輝度ピーク光線R1は、導光板102の出射面112から大気中に出射する。輝度ピーク光線R1は、法線N112から光源101と逆側に所定角度A0傾いて出射する。輝度ピーク光線R1は、プリズムシート2の底面22に入射する。プリズムシート2に入射した輝度ピーク光線R1は、プリズム21の2つの側面211及び212のうち、光源101からの距離が遠い側面211に到達する。このときの入射角A2が臨界角未満となるように、側面211と主面23とのなす傾斜角β1が設定されている。そのため、側面211に入射した輝度ピーク光線R1の入射角A2は、臨界角未満となり、輝度ピーク光線R1は全反射することなく側面211で屈折し、光線R2として外部に出射する。
続いて、光線R2はプリズムシート3の底面32に入射する。そして、プリズムシート3内を進み、プリズム31の2つの側面311及び312のうち、光源101からの距離が遠い側面311に入射する。このときの入射角A6が臨界角未満となるように、側面311と主面33とのなす傾斜角β2が設定されている。そのため、側面311に入射した光線R2は、全反射することなく側面311で法線N112側に屈折し、光線R3として外部に出射する。その結果、光線R3は法線N112方向に出射される。
光学調整部材1では、互いに並行するプリズム21及びプリズム31を備えるため、輝度ピーク光線R1をプリズム21とプリズム31とで段階的に法線N112方向に光路変化する。そのため、側面211での入射角A2の臨界角との差、及び、側面311での入射角A6の臨界角との差は、図3における入射角B2の臨界角との差よりも大きくすることができる。換言すれば、図3のように、1つのプリズムシート90を用いて集光する場合と比較して、各プリズム21及び31の側面211及び311における輝度ピーク光線(R1及びR2)の入射角を小さくすることができる。輝度ピーク光線の入射角が小さくなれば、輝度ピーク光線の進行方向を中心に所定の角度範囲に分布した光線成分のうち、臨界角を超えて側面211及び311に入射する光線の割合は少なくなる。そのため、光学調整部材1は、図3と比較して、全反射により正面方向へ出射しない光線や回帰光線の発生を抑制でき、入射光線の多くが垂直方向への集光に寄与させることができる。その結果、高い正面輝度が得られる。
上述のとおり、側面211の主面23に対する傾斜角β1と、側面311の主面33に対する傾斜角β2とは、入射される輝度ピーク光線R1の入射角が臨界角未満となるように設定される。好ましくは、入射される輝度ピーク光線R1の入射角A2及びA6が臨界角の20〜80%の範囲内となるように設定される。より好ましくは、40〜60%の範囲となるように設定され、さらに好ましくは、入射角A2及びA6が臨界角の略1/2となるように設定される。このように角度β1及びβ2が設定されれば、輝度ピーク光線R1を中心に所定の角度範囲に分布される光(光束)のうち、全反射される光線の割合が抑制される。
好ましくは、傾斜角β1は傾斜角β2よりも大きい。正面輝度を向上するためには、入射される光のうち全反射する光線の割合をなるべく減らし、正面方向へ出射しない光線や回帰光線の発生を抑制するのが好ましい。そして、全反射を抑制するためには、上述のとおり、各側面211、311での入射角A2及びA6が臨界角未満となり、より好ましくは約半分となればよい。図4に示すとおり、側面311に入射される輝度ピーク光線R2の進行方向は、側面211に入射される輝度ピーク光線R1の進行方向よりも法線N112側に傾いている。なぜなら、輝度ピーク光線R2は、輝度ピーク光線R1が側面211で法線N112側に屈折したものであるからである。入射される輝度ピーク光線の進行方向が法線N112方向に近いほど、傾斜角βを小さくしなければ、入射角が臨界角に近くなる。したがって、傾斜角β2が傾斜角β1よりも小さければ、プリズム31の側面311に入射された光が全反射するのをより抑制できる。
好ましい傾斜角β1の範囲は、33度〜82度であり、より好ましくは42度〜71度である。導光板102から出射される輝度ピーク光線R1は一般的に、所定角度A0=60〜80度の範囲で出射される。また、プリズム21を構成する透明部材の典型的な屈折率は1.50〜1.60である。そのため、傾斜角β1が上記範囲内であれば、少なくともプリズム21の側面211に入射する光のうち、入射角が臨界角を超える光線の割合を十分に抑制でき、側面211から空気層へ出射しない光線や回帰光線の発生をより抑制できる。
好ましくは、プリズム21の2つの側面211及び212のうち、光源101との距離が近い側面212は、プリズム21内を進む輝度ピーク光線R11と並行である。換言すれば、側面212の主面23に対する傾斜角α1は、輝度ピーク光線R1の主面23に対する傾斜角γ1と略同じであるのが好ましい。側面211と異なり、側面212は集光に寄与しない。側面212に輝度ピーク光線を含む光が入射すれば、法線N112から離れる方向に屈折するため、むしろ輝度を低下する。したがって、側面212には光が入射しない方が好ましい。側面212がプリズム21内を進む輝度ピーク光線R1と並行であれば、側面212に光が入射しにくいため、輝度の低下を抑制できる。なお、ここでいう並行とは、厳密に平行する場合だけでなく、本発明の効果を奏する程度に互いが並んでいれば足りる。
側面212と同様に、プリズム31の側面312は、プリズム31内を進む輝度ピーク光線R2と並行であり、側面312の主面33に対する傾斜角α2は、輝度ピーク光線R2の傾斜角γ2と略同じである。
より好ましくは、傾斜角α2は傾斜角α1よりも大きい。輝度ピーク光線R2は、輝度ピーク光線R1を法線N112側に屈折させたものであるから、傾斜角γ2は傾斜角γ1よりも大きい。したがって、傾斜角α2を傾斜角α1よりも大きくすれば、光が側面312により入射しにくくなる。
上述のとおり、傾斜角α1は傾斜角γ1と略同じであるのが好ましく、傾斜角α2は傾斜角γ2と略同じであるのが好ましいが、傾斜角α1が傾斜角γ1よりも大きく、傾斜角α2が傾斜角γ2よりも大きければ、側面212及び312により輝度の低下を抑制できる。しかしながら傾斜角α1及びα2を過剰に大きくすれば側面211及び311の上部に光が到達しにくくなるため、かえって輝度が低下する。傾斜角α1においては好ましい範囲は49度〜71度である。
なお、上述のとおり、光学調整部材1では、プリズム21及び31の側面211及び311で光を集光し、側面212及び312は集光に寄与しない。それぞれの側面は傾斜角が個々に設定されるため、図4に示すとおりプリズム21及び31の横断形状は一般的には非対称の三角形状となる。
上述のとおり、光学調整部材1を備えたバックライトユニット50では、プリズム21及び31が有する2つの側面211、212、311、312のうち、側面211及び側面311に光を入射すればよい。そのため、導光板102から出射された光線を拡散させないほうがよい。したがって、従来のように、プリズムシート群106と導光板102との間に下部拡散シート105を設ける必要がなくなる。バックライトユニット50は、下部拡散シートが不要であるため、下部拡散シートによる光の吸収もなくなり、導光板102から出射された光線の利用効率をさらに向上させ、正面輝度を向上できる。
光学調整部材1は、斜め方向に入射する光線に対して効果的にその方向を法線方向に光路変化することができるので、図2に示すエッジライト方式の照明装置等に特に適している。ただし、直下型のバックライトユニットやその他の照明装置に適用することもできる。
上述の実施の形態では、プリズム21及び31の横断形状を非対称の三角形状としたが、二等辺三角形状であってもよい。集光機能を有する側面211及び311に光が入射すれば、本発明の効果を得られる。また、プリズム21及び31の頂上部は丸みを帯びていてもよいし、頂上部が平坦であってもよい。つまり、横断形状が台形状であってもよい。また、集光機能を有する側面211及び311に相当する面を含む多角形体であってもよい。
上述の説明では、複数のプリズム21の形状及び寸法を全て同じとしたが、形状及び寸法の異なる複数のプリズム21が基材20上に形成されてもよい。プリズムシート3についても同様である。
また、図2に示す照明装置において、表示品位の向上を目的として、光学調整部材1上に他の光学シートが敷設されてもよい。
[光学調整部材の製造方法]
光学調整部材1の製造方法の一例は次の通りである。複数のプリズム21に対応した凹凸パターンが切削加工により表面に形成されたロール状の金型を準備する。準備した基材20と金型の表面との間に、紫外線硬化樹脂を充填する。紫外線を照射して、充填された紫外線硬化樹脂を硬化し、基材20上に複数のプリズム21を形成する。複数のプリズム21が形成された基材20を金型から剥離し、プリズムシート2を製造する。プリズムシート3もプリズムシート2と同じ方法により製造される。
なお、光学調整部材1の製造方法は上記方法に限定されず、公知の他の方法を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂で基材20、30を作製する。複数のプリズム21、31の形状に対応する凹凸パターンが切削加工により表面に形成された金型を基材20、30に加熱押圧して、金型の凹凸パターンを転写し、プリズムシート2、3を製造する(熱転写法)。また、周知の押出成型法やプレス成型法、あるいは金型に溶融樹脂を注入する射出成形法等により、プリズムシート2及び3を製造してもよい。
本発明例の光学調整部材と、第1及び第2の比較例の光学調整部材とを製造し、それぞれの輝度を調査した。
[本発明例]
図4に示した構成の本発明例による光学調整部材を製造した。本発明例の光学調整部材は、図4に示す構成の2枚のプリズムシート2及び3を備えた。プリズムシート2の基材20と、プリズムシート3の基材30とは、50μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)シートとし、屈折率は1.56とした。
プリズムシート2は互いに並設された複数のプリズム21を備え、プリズムシート3は互いに並設された複数のプリズム31を備えた。プリズム21の長手方向とプリズム31の長手方向とが互いに平行となるように、プリズムシート3をプリズムシート2上に敷設した。
プリズム21の横断形状は図4に示すとおりの三角形状であった。プリズム21の幅L23は33μmであった。また、傾斜角α1は60度であり、傾斜角β1は50度であった。プリズム31の横断形状も三角形状であり、プリズム31の幅L33は33μmであった。また、傾斜角α2は70度であり、傾斜角β2は42度であった。
プリズム21及び31は、芳香族系アクリレートの紫外線硬化型樹脂により形成された。これらのプリズム21及び31の屈折率はともに1.56であり、基材20及び30と同じであった。
本発明例の光学調整部材による、光路変化の過程は以下のとおりである。本実施例では、輝度ピーク光線R1の出射角度A0が70度となるような導光板102を用いた。輝度ピーク光線R1が本発明例のプリズムシート2の下面に入射する。入射点では空気(屈折率=1.0)と基材の屈折率差による屈折を受ける。基材20の屈折率は1.56なので出射角A1は、以下の式(1)より、約37.04度となる。
1.0×sin70°=1.56×sinA1 (1)
輝度ピーク光線R1はプリズム21内を進み、側面211に到達する。そして、大気中に出射する。このとき、プリズム21の屈折率は1.56なので、出射角A3は式(2)及び式(3)より、約20.48度となる。
A2=β1−A1=12.96° (2)
1.56×sinA2=1.0×sinA3 (3)
プリズムシート2を透過した輝度ピーク光線R2は、次にプリズムシート3の下面に入射する。このときの入射角A4は式(4)により約29.52度である。入射点では空気と基材30の屈折率差による屈折を受ける。基材30の屈折率も1.56なので、出射角A5は式(5)により約18.41度となる。
A4=β1−A3=29.52° (4)
1.0×sinA4=1.56×sinA5 (5)
入射点から入射した輝度ピーク光線R2は、プリズム31内を進み、側面311に到達し、再び大気中に出射する。プリズム31の屈折率は1.56なので出射角A7は式(6)及び(7)より約38.63度となる。
A6=β2−A5=23.59 (6)
1.56×sinA6=1.0×sinA7 (7)
以上の結果、導光板102の法線N112方向(光学調整部材の各プリズムシートの法線方向と同じ)に対する、プリズムシート3から出射した輝度ピーク光線R3の出射方向の傾斜角A8は、式(8)より約3.37度となる。
A8=β2−A7 (8)
すなわち、導光板102の法線N112方向から70度傾斜した輝度ピーク光線R1は、本発明例の光学調整部材を透過した結果、法線N112方向とほぼ平行な出射光R3に光路を変化したこととなる。
なお、法線N112方向から約5度以内の傾斜であれば、光線は目視的にほぼ垂直方向にあるように見えるため、A8の約3.37度の傾斜は液晶のバックライトユニットなどの照明器具に用いるのに十分な性能である。
また、本発明例では、傾斜角α1を60度とし、輝度ピーク光線R11の傾斜角γ1(=90度−A1)=52.96度とほぼ同様に設定した。また、傾斜角α2を70度とし、輝度ピーク光線R21の傾斜角γ2(=90度−A5)=71.59度とほぼ同様に設定した。
[第1比較例]
第1比較例である光学調整部材を図5に示す。この比較例の光学調整部材は1枚のプリズムシート90からなり、プリズムシート90は、本発明例のプリズムシート2及び3と同様に、シート状の光透過性(透明)基材91と、基材91上に形成された複数のプリズム92とを備えた。
基材91として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用い、その屈折率は1.56とした。基材91の上に形成された複数のプリズム92は、芳香族系アクリレートの紫外線硬化型樹脂からなり、その屈折率は1.56であった。プリズム92の横断形状は三角形状であり、その幅L92は33μmであった。また、側面922の傾斜角α3は60度であり、側面921の傾斜角β3は75度であった。
第1比較例の光学調整部材(つまり、プリズムシート90)に出射角度A0=70度の輝度ピーク光線R1が入射されたときの輝度ピーク光線の光路変化は以下の通りである。このとき、輝度ピーク光線が、プリズム92の長手方向方向に対して垂直な面を通るようにプリズムシート90を配置した。
まず、導光板102から輝度ピーク光線R1が大気中に出射される。この光線が入射光線としてまずプリズムシート90の下面に入射する。基材91の屈折率は1.56であるため、輝度ピーク光線の出射角B1は式(9)より約37.04度となる。
1.0×sin70°=1.56×sinB1 (9)
プリズムシート90に入射した輝度ピーク光線は、プリズム92の側面921に到達し、再び大気中に出射する。このとき、プリズム92の屈折率は1.56なので、出射角B3は式(10)及び(11)より約73.65度となる。
B2=β3−B1=37.96° (10)
1.56×sinB2=1.0×sinB3 (11)
以上の結果、導光板102の法線N112方向に対する、プリズムシート90から出射した輝度ピーク光線の出射方向の傾斜角B4は式(12)より約1.35度となる。
B4=β3−B3=1.35° (12)
すなわち、導光板102の法線N112方向から70度傾斜した輝度ピーク光線R1は、1枚のプリズムシート90を透過した結果、本発明例と同様に法線N112方向の出射光にその光路を変化させることができる。
なお、第1比較例では、プリズム92の側面922の傾斜角α3を60度とし、輝度ピーク光線のプリズム92内の進行方向の角度γ3(=90°−B1)=52.96度とほぼ同様に設定した。
ここで本実施例における臨界角について、図6を参照して説明する。本発明例および第1比較例の光学調整部材はすべて屈折率が1.56であり、高屈折率層である当該光学調整部材の内部から低屈折率層である空気層へ向かって進む光線の臨界角C1は式(13)より39.87度である。
1.56×sinC1=1.0×sin90° (13)
ここで本発明例および第1比較例において光学調整部材から空気層へ光線が出射される境界での入射角を検討する。
比較例のプリズム92の側面921における入射角B2は37.96度であり、上記臨界角C1の39.87度に対して差が2度以下と非常に小さい。実際に入射される光は、輝度ピーク光線R1を中心とするある程度の角度分布を有する。そのため、臨界角C1の付近にこの輝度ピーク光線R1の入射角度B2が存在するということは、側面921で全反射する光の割合も多くなる。
一方、本発明例の側面211における入射角A2は約12.96度であり、側面311における入射角A6は約23.59度である。これらの角度は上記臨界角C1の39.87度に対して十分に小さい。具体的には、臨界角C1との差が16度よりも大きい。そのため、各側面211及び311で全反射する光線の割合は、第1比較例よりも小さい。このように本発明例では、法線方向への光路の変化を2枚のプリズムシートに分割して行うことにより、各回の入射角を臨界角より十分に小さい角度とし、全反射による光線の損失を低減することができる。
[光学特性評価]
上述の本発明例の光学調整部材を用いて、図3に示す照明装置を製造した。光源101には発光ダイオード(LED)を用いた。導光板102はポリカーボネートで形成し、輝度ピーク光線は、法線N112から光源101と逆側に所定角度A0=70度傾いて出射するようにした。反射シート103は、PETフィルムの表面に銀が蒸着されたものを使用した。
また、図7に示すように、第1比較例の光学調整部材(プリズムシート90)を敷設した照明装置を製造した。本発明例及び第1比較例の照明装置のうち、光学調整部材以外の構成は同じとした。これらの照明装置の光学特性を評価した。具体的には、輝度計を用いて正面輝度の測定を行った。
さらに、第2比較例として図8に示した従来の照明装置を製造し、本発明例及び第1比較例とともに上記評価を行った。なお、第2比較例の照明装置では、プリズムシート群106を構成する2枚のプリズムシート120の各プリズム122の横断形状は、底辺30μm、高さ15μm、頂角90度の二等辺三角形であった。各プリズムシート120の基材はPETフィルムからなり、プリズム122は紫外線硬化型のアクリル系樹脂で形成された。下部拡散シート105には、PETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μm、ヘイズは85%であった。2枚のプリズムシート120は、図8に示すとおり、互いのプリズムの長手方向が直交するように配置された。上部拡散シート107は、PETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μmとし、ヘイズは30%とした。その他の構成(光源101、導光板102及び反射シート103)の構成は本発明例及び第1比較例と同じとした。
上記評価結果を下記表1に示す。表中の「正面輝度」は、第2比較例の正面輝度を基準(100%)としている。また、表中の「光学シートの枚数」は、導光板102上に敷設された光学シート(光学調整部材や拡散シート)の枚数を示す。
Figure 2009026753
表1から明らかなように、本発明例の照明装置では、第2比較例の照明装置に比べて、正面輝度を格段に向上させることができた。さらに本発明例の照明装置は、第2比較例と比べて使用する光学シートの数が少なかった。そのため、本発明例の照明装置は、装置の薄型化、低コスト化を図りつつ、光学特性を向上させることができることが分かった。また、本発明例の照明装置では、第1比較例の照明装置と比べても正面輝度を大きく改善できることが分かった。
本発明の光学調整部材は、入射光線を高い効率で集光し、高い正面輝度を得ることができる。それゆえ、本発明の光学調整部材は、特に、エッジライト方式の照明装置及び液晶表示装置への利用に好適である。
また、本発明の照明装置では、本発明の光学調整部材を備えているので、装置の薄型化、低コスト化を図りつつ、光学特性を向上させることができる。それゆえ、本発明の照明装置は、あらゆる用途の液晶表示装置及び照明装置に好適である。
本発明の実施の形態による光学調整部材の側面図である。 図1に示した光学調整部材を備えた照明装置の断面図である。 1枚のプリズムシートを用いた照明装置における光線経路を説明するための図である。 図2に示した照明装置における光線経路を説明するための図である。 実施例中の第1比較例の照明装置における光線経路を説明するための図である。 媒質境界面における臨界角を説明するための図である。 図5に示した照明装置の断面図である。 従来の照明装置の断面図である。 図8中のプリズムシートの断面図である。 図8に示した照明装置における光線経路を説明するための図である。
符号の説明
1 光学調整部材
2,3 プリズムシート
21,31 プリズム
22,32 底面
23,33 主面
50 バックライトユニット
101 光源
102 導光板
103 反射シート
211,212,311,312 側面

Claims (11)

  1. 光源と、
    前記光源からの光が入射する側面と、入射された光を出射する出射面とを有する導光板と、
    前記出射面上に敷設される光学調整部材とを備え、
    前記光学調整部材は、
    前記導光板上に敷設され、前記出射面と対向する面と反対側の主面に形成される複数の第1の線状レンズを含む第1の光学シートと、
    前記第1の光学シート上に敷設され、前記第1の線状レンズと対向する面と反対側の主面に形成される複数の第2の線状レンズを含む第2の光学シートとを備え、
    前記第1の線状レンズは前記第2の線状レンズと並行することを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記複数の第1の線状レンズは互いに並設され、前記複数の第2の線状レンズは互いに並設されることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項2に記載の照明装置であって、
    前記導光板は、前記出射面の法線方向から前記光源と逆側に所定角度傾いた方向に指向性を有する光を出射し、
    前記光学調整部材は、前記導光板からの光を受け、前記法線方向に指向性を有する光を出射することを特徴とする照明装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の照明装置であって、
    前記第1及び第2の線状レンズの各々は、第1及び第2の側面を有するプリズムであり、
    前記第2の側面は、前記光源との距離が前記第1の側面よりも遠く、
    前記第1及び第2の線状レンズの第2の側面には、前記導光板から出射される光のうち、前記光の輝度特性において輝度が最大となる方向に出射される光線が臨界角未満で入射されることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項4に記載の照明装置であって、
    前記第1の線状レンズにおける前記主面に対する第2の側面の傾き角は、前記第2の線状レンズにおける前記主面に対する第2の側面の傾き角よりも大きいことを特徴とする照明装置。
  6. 請求項5に記載の照明装置であって、
    前記第1の線状レンズにおける前記主面に対する第1の側面の傾き角は、前記第2の線状レンズにおける前記主面に対する第1の側面の傾き角よりも小さいことを特徴とする照明装置。
  7. 底面と、前記底面と反対側の主面に形成される複数の第1の線状レンズを含む第1の光学シートと、
    前記第1の光学シート上に敷設され、前記第1の線状レンズと対向する面と反対側の主面に形成される複数の第2の線状レンズを含む第2の光学シートとを備え、
    前記第1の線状レンズは前記第2の線状レンズと並行することを特徴とする光学調整部材。
  8. 請求項7に記載の光学調整部材であって、
    前記複数の第1の線状レンズは互いに並設され、前記複数の第2の線状レンズは互いに並設されることを特徴とする光学調整部材。
  9. 請求項8に記載の光学調整部材であって、
    前記第1及び第2の線状レンズの各々は、第1及び第2の側面を有するプリズムであり、
    前記第1及び第2の線状レンズの第2の側面には、前記第1の光学シートの下面に入射される入射光のうち、前記入射光の輝度特性において輝度が最大となる方向に進行する光線が臨界角未満で入射することを特徴とする光学調整部材。
  10. 請求項9に記載の光学調整部材であって、
    前記第1の線状レンズにおける前記主面に対する第2の側面の傾き角は、前記第2の線状レンズにおける前記主面に対する第2の側面の傾き角よりも大きいことを特徴とする光学調整部材。
  11. 請求項10に記載の光学調整部材であって、
    前記第1の線状レンズにおける前記主面に対する第1の側面の傾き角は、前記第2の線状レンズにおける前記主面に対する第1の側面の傾き角よりも小さいことを特徴とする光学調整部材。
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