JP4410826B2 - マルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置 - Google Patents

マルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は入射された光の指向性を制御するマルチレンズ部材であって、オーバーハング形状を有するマルチレンズ部材及びそれを用いた照明装置及び液晶表示装置に関する。
従来、液晶ディスプレイのバックライトユニット等の各種照明装置では、光源からの光線の広がりや明るさを調整する機構を備えている。多くの照明装置において、その光路中や光源ハウジングの出射口に、光の指向性を制御するためのシートなどの光学部材が設置されている。この光学部材は、光透過性を有し、入射光の進行方向を所定の方向に揃える、あるいは、入射光を拡散させる機能を有する。
入射光の進行方向を所定の方向に揃える、すなわち、入射光の指向性を制御するための光学部材の代表的な例としては、プリズムシートがある(例えば、特許文献1参照)。プリズムシートは、所定の方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が三角形状であるプリズム状の光学構造体(以下、プリズム状構造体ともいう)や、所定の方向に延在し且つその延在方向に直交する断面が半円(半楕円)形状であるレンチキュラーレンズ状の光学構造体(以下、レンズ状構造体ともいう)を複数連続的にシート状基材上に並べた構造のものが一般的である。プリズムシートでは、基材上に形成されたこれらの光学構造体によるプリズム効果またはレンズ効果によって光線の進行方向(指向性)を制御する。
また、液晶表示装置用のバックライトユニットでは、従来例えば、上述したプリズム状構造体を基材上に複数設けたプリズムシートを2枚用い、各プリズムシートのプリズム状構造体の延在方向が互いに直交するように配置される(例えば、特許文献1参照)。このような液晶表示装置用のバックライトユニットの一般的な構成を図22に示した。また、プリズムシートの一般的な構造を図19に示した。液晶表示装置用のバックライト201は、主に、図22に示すように、光源203と、光源203から放射された光210を面光源に変える導光板204と、導光板204の下部(液晶表示パネル202とは反対側)に配置された反射シート205と、導光板204の上部(液晶表示パネル202側)に配置された多数の機能性光学シート群206〜208とで構成される。機能性光学シート群は、主に、下部拡散シート206、プリズムシート群207及び上部拡散シート208などから構成される。なお、図22では、液晶表示装置200の構成を分かり易くするために各光学部材を離して記載しているが、実際には、各光学部材は接して重ねられている。
プリズムシート群207は、2枚のプリズムシート207a及び207bからなり、各プリズムシートは、図19に示すように、シート状基材207c上に断面が三角形状であり且つ所定の方向に延在したプリズム状構造体207dが複数平行に並べられた構造を有する。そして、バックライト201内では各プリズムシート207a,207bのプリズム状構造体207dの延在方向が互いに直交するように配置されている。液晶表示装置用のバックライトユニット201において、図22に示すように、プリズムシートを2枚用い、各プリズムシート207a,207bのプリズム状構造体207dの延在方向が互いに直交するように配置する理由は次の通りである。
22に示すようなサイドライト方式のバックライトユニット201では、導光板204の側部に光源203が配置されるので、導光板204の光出射面204aから出射される光211の指向性は、光出射面204aの面内において不均一となる。それゆえ、図22に示すようなサイドライト方式の液晶表示装置200では、この導光板204を通過した光211の指向性を揃えて液晶表示パネル202の背面に光212が均一に照射されるようにする必要がある。機能性光学シート群206〜208は導光板204を通過した光211の指向性を調整(揃えて)する役割を持っている。中でも、各プリズムシート207a,207bは、プリズム状構造体207dにより、導光板204を介して入射される光211を屈折及び集光させて輝度を高める役割を果たしている。しかしながら、図19に示すようなプリズムシートを1枚用いただけでは、導光板204を通過した光211の指向性を一方向(プリズム状構造体の延在方向に直交する方向)にしか調整することができず、その他の方向、例えば、該一方向と直交する方向の指向性を調整することはできない。この場合、光211の指向性を十分に揃えることができず十分な輝度を得ることができない。そこで、図22に示すような従来のバックライトユニット201では、光211の指向性を十分に揃えるために、プリズム状構造体207dの延在方向が互いに直交するように2枚のプリズムシート207a及び207bを配置して、光211の指向性の制御方向を増やしている。
上述したプリズムシート等の光学部材において、シート状基材の上にプリズム状、レンチキュラーレンズ状等の光学構造体を形成する方法としては、従来、次のような方法が用いられている。プリズム状、レンズ状等の光学構造体の形状に対応する(光学構造体の形状を反転させた)凹部を表面に有する金型を作製し、その金型を熱して基材を押圧して金型表面の凹部を基材に転写する熱転写方式や、該金型と基材の間に紫外線硬化樹脂を充填した後、紫外線を照射することにより該樹脂を硬化させて光学構造体を形成するフォトポリマー法などが用いられている。
また、従来、光の指向性制御用の光学シートとして、シート状基材の両面に光学構造体を形成した光学シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表平10−506500号公報 特許第3455884号
上述のように、従来の液晶表示装置、または、液晶パネル等の表示素子の背面に設置するバックライトユニットと呼ばれる照明装置では、プリズムシートを2枚使用するなど、複数の光学シートを積層した構造を有している。このようにシート数が増えると、透過光の散乱、吸収が増加し光学性能が低下する。また、シート数が増えることにより、照明装置及び液晶表示装置の厚みが増す、コストが高くなるなどといった問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、照明装置及び液晶表示装置の光学性能を向上させるとともに、照明装置及び液晶表示装置の薄型化(小型化)及び低コスト化を図ることができる光学部材並びにそれを備えた照明装置及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の第1の態様に従えば、マルチレンズ部材であって、光透過性を有する基材と、上記基材上に形成された複数の第1レンズと、上記複数の第1レンズ上に形成され且つ上記基材と対向する第1の面において上記複数の第1レンズに接合された複数の第2レンズとを備え、第2レンズの第1の面は、第1レンズとの接合部及び上記接合部から外側に張り出した張出部を有し、更に、第1レンズと第2レンズとにより画成された空洞を有するマルチレンズ部材が提供される。
本発明のマルチレンズ部材では、入射光に対してプリズム作用、レンズ作用等の光学的機能を与える光学部材であり、基材上に形成された複数の第1レンズからなる第1レンズ群と、複数の第2レンズからなる第2レンズ群とが接合している。すなわち、第1レンズ群及び第2レンズ群からなる光学構造体を基材上に設けた光学部材である。なお、本明細書でいう「第1レンズと第2レンズとが接合している」とは、第1レンズと第2レンズとが、融着等により直接的に接合されている場合のみならず、接着剤等を用いて(接着層を介して)第1レンズと第2レンズとが間接的に接合されている場合も含む意味である。また、第1レンズの上記基材に対向する面が曲面であり、基材と第1レンズとが点接触している場合には、第1レンズの基材と接している部分の接線方向に沿った面が第1レンズの上記基材に対向する面となる。
本発明のマルチレンズ部材において、例えば、第1レンズ及び第2レンズをともに上述したプリズム状構造体(所定の方向に延在しており且つ延在方向に直交する断面が三角形状である構造体)で形成し、第1レンズ及び第2レンズのプリズム状構造体の延在方向が互いに直交するように第1レンズ群と第2レンズ群と接合した場合には、一つの光学部材で、上述した従来の2枚のプリズムシートからなるプリズムシート群と同様の機能が得られる。この場合、本発明のマルチレンズ部材では、従来のプリズムシート群に比べて、プリズムシートの基材1枚分の厚さを削減することができるので、光学部材の薄型化及び低コスト化を図ることができる。また、本発明のマルチレンズ部材では、従来のプリズムシート群に比べて、プリズムシートの基材1枚分の厚さを削減することがでるので、透過光の散乱、吸収を低減し光学性能を向上させることができる。
また、本発明のマルチレンズ部材では、入射光に対して機能の異なる第1レンズと第2レンズを用いた場合には、一つの光学部材で複数の光学的機能を持たせることができる。それゆえ、光学部材の設計自由度も広げることができ、様々な用途に適用可能な光学部材を提供することができる。
また、本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズの基材と対向する面(第1の面)は、第1レンズとの接合部及び上記接合部から外側に張り出した張出部を有する。つまり、第2レンズの基材と対向する面(第1の面)は、第1レンズ及び第2レンズの接合部よりも大きい。この場合には、第1レンズ及び第2レンズからなる光学構造体の一部にオーバーハング構造が形成されるので、第1レンズから外部へ出射した後、再び第2レンズへと入射する光を増やすことができる。そのため、マルチレンズ部材のプリズム作用、レンズ作用などの効果を高めることができる。
本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズの張出部(第1レンズ及び第2レンズの接合部に隣接する第2レンズの外壁面)と、上記基材とのなす角度が180度以上であってもよい。この場合には、第1レンズの側面(第2レンズ及び基材と対向する面以外の面)から見た、第2レンズの張出部の面積を大きくすることができ、上述の第1レンズから外部へ出射した後、再び第2レンズへと入射する光の量を増やすことができる。なお、第1レンズの側面から出射する光の大部分は、上向き(基材から第2レンズへ向かう向き)に進む。このような、第1レンズの側面から出射する光のうち、上向きの成分を有する光(上向き出射光)を、第2レンズに効率よく入射させることができれば、上向き出射光はさらに第2レンズによって光学作用(プリズム作用、レンズ作用等)を受けるため、マルチレンズ部材全体としてのプリズム作用、レンズ作用などの効果を高めることができる。ここで、張出部と基材とのなす角度が180度以上である場合には、上向き出射光が、張出部と平行に進むことはない。そのため、第2レンズの張出部と平行に進むなどして、第2レンズに入射せずに逃げてしまう上向き出射光の量を減らすことができる。つまり、第2レンズの張出部と基材とのなす角度が180度以上である場合には、上向き出射光を効率よく張出部へと入射させることができ、マルチレンズ部材全体としてのプリズム作用、レンズ作用などの効果を高めることができる。
本発明のマルチレンズ部材の第1レンズ群と第2レンズ群とからなる光学構造体では、第2レンズの張出部が該接合部から外側に突き出ている。すなわち、第1レンズ及び第2レンズからなる光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を形成することができる。特に、複数の第1レンズの上面部間を第2レンズで架橋するような構造にした場合、第1レンズと第2レンズとにより画成された空洞がマルチレンズ部材内部に形成される。このようにマルチレンズ部材内部に空洞あるいは光学構造体のオーバーハング構造がある場合、マルチレンズ部材に入射する光線は、光学構造体と空気との界面を複数回通過することが可能となり、入射光の屈折量を増大させることができる。
なお、上述した特許文献2に記載の光学シートにおいても、入射光を光学構造体と空気との界面を複数回通過させる(複数回屈折させる)ことができるが、シート面に対して非常に浅い入射角(シート面と平行に近い入射角)の入射光成分を除いては、おおむね、入射光を光学シートの入射点と出射点の2回しか屈折させることが出来ない。それに対して、本発明のマルチレンズ部材のように内部に空洞あるいは光学構造体のオーバーハング構造がある場合には光線の光路によっては、光線を3回以上光学構造体と空気との界面を通過させて屈折させることができる。それゆえ、本発明のマルチレンズ部材は、特許文献2に記載の光学シートに比べても、入射光の屈折量を増大させることができ、集光性を向上させることができる。
本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズは、上記基材から第2レンズに向かう方向に先細る形状を有してもよい。この場合には、第2レンズの、基材と対向する面の面積が大きくなるので、第1レンズから空気へと向かった光のうち、再び第2レンズへ入射する光の量を増やすことができ、光学シートの集光性を増すことができる。
本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズの第1の面は、上記基材と平行であってもよい。この場合には、第2レンズの張出部と、基材とのなす角度は180度となる。この場合には、第1レンズの側面から出射して第2レンズ側に向かう上向き出射光が、張出部と平行に進んで張出部に入射せずに逃げていく恐れがない。そのため、上向き出射光を張出部から第2レンズへと効率よく入射させることができる。また、第2レンズの形状が複雑ではないので、マルチレンズ部材の製造を容易にできるとともに、第1レンズの側面から見た、第2レンズの張出面の面積を大きくすることができ光学シートの集光性を増すことができる。
本発明のマルチレンズ部材では、第1レンズが第1の方向に延在した複数の第1線状部材を含んでもよく、第1線状部材が第1の方向と直交する方向に並べられていてもよい。
本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズが第2の方向に延在した複数の第2線状部材を含んでもよく、第2線状部材が第2の方向と直交する方向に並べられていてもよい。
本発明のマルチレンズ部材では、第1の方向と第2の方向が直交してもよい。
本発明のマルチレンズ部材では、第1の方向と第2の方向が同じ方向であってもよい。例えば、第1レンズ及び第2レンズをともに上述したプリズム状構造体で形成し、第1レンズ及び第2レンズの延在方向を同じ方向にした場合、第1レンズ及び第2レンズからなる光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造が形成される。この場合、特に、第1レンズに斜め入射する光線は光学構造体(レンズ)と空気との界面を複数回通過することが可能となり、斜め入射光の屈折量を増大させることができる。それゆえ、この場合、入射光をより急激に屈折させることが必要な用途(例えば、浅い角度で入射した光線を大きく角度を変えて出射するような構造の照明装置など)に対してより好適な光学部材が得られる。
本発明のマルチレンズ部材では、第1レンズの第1の方向に直交する断面の形状が台形であってもよい。この場合、第1レンズと第2レンズとの接合面が増大するので、第1レンズ上に第2レンズを形成し易くなるとともに、マルチレンズ部材の強度を増大させることができる。
本発明のマルチレンズ部材では、第2レンズの第2の方向に直交する断面の形状が三角形であってもよい。また、本発明のマルチレンズ部材では、隣り合う第2レンズが離れて設けられていてもよい。
本発明のマルチレンズ部材では、第1レンズは、第2レンズと接合する接合部を有する第1構造体と、基板から第2レンズへ向かう方向の長さが第1構造体よりも短い第2構造体とを含んでもよい。また、第1構造体と第2構造体が略同一形状であってもよい。ここで、第1レンズと第2レンズとの接合部を通って第2レンズへと進行する光は、第1レンズによる集光効果が小さくなるため、第1レンズと第2レンズとの接合部分の面積は小さい方が望ましい。これに対して、本発明のマルチレンズ部材では、第1レンズは、その一部(第1構造体)において第2レンズと接合される。そのため、第1レンズを構成する全ての構造体において第1レンズと第2レンズとが接合している場合にと比べて、第1レンズと第2レンズとの接合部の面積を小さくすることができ、マルチレンズ部材の光学性能を向上させることができる。
本発明の第2の態様に従えば、照明装置であって、光源と、第1の態様に従うマルチレンズ部材とを備えた照明装置が提供される。また、本発明の照明装置では、さらに、上記光源から出射された光を上記マルチレンズ部材に導くための導光板を備えてもよい。
本発明の第3の態様に従えば、液晶表示装置であって、光源と、第1の態様に従うマルチレンズ部材と、液晶表示素子とを備えた液晶表示装置が提供される。また、本発明の液晶表示装置では、さらに、上記光源から出射された光を上記マルチレンズ部材に導くための導光板を備えてもよい。
本発明の照明装置及び液晶表示装置では、光の指向性を調整する光学部材として、上述した本発明のマルチレンズ部材を用いているので、照明装置及び液晶表示装置の薄型化(小型化)及び低コスト化を図ることができる。また、従来の照明装置及び液晶表示装置に比べて光学性能が向上した照明装置を提供することができる。
本発明のマルチレンズ部材によれば、第1レンズと第2レンズとを接合して形成された光学構造体が基材上に形成されているので、光学性能を向上させることができる。
本発明のマルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置によれば、第1レンズと第2レンズとが接合されており、第1レンズ及び第2レンズをそれぞれ別個の基材上に形成する必要がないので、マルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明のマルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置の実施例を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1では、液晶表示装置並びにそれに用いられる照明装置及びマルチレンズ部材について説明する。
[液晶表示装置及びバックライトユニットの構成]
実施例1で用いた液晶表示装置の概略構成を図1に示した。なお、図1では、液晶表示装置の構成を分かり易くするために、各光学部材を離して記載しているが、実際の装置内では各光学部材は接した状態で重ねられている。この例の液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶表示パネル7(液晶表示素子)と、バックライトユニット10(照明装置)とから構成される。
液晶表示パネル7には、従来の液晶表示装置で用いられている液晶表示パネルを用いた。具体的には、ここでは図示していないが、液晶表示パネル7の構造を、偏光板、ガラス基板、画素電極を成す透明導電膜、配向膜、液晶層、配向膜、対抗電極を成す透明導電膜、カラーフィルター、ガラス基板、及び、偏光板をこの順で積層した構造とした。
バックライトユニット10は、主に、図1に示すように、光源(LED:発光ダイオード)1と、光源1から放射された光11を面光源に変える導光板2と、導光板2の下部(液晶表示パネル7とは反対側)に配置された反射シート3と、導光板2の上部(液晶表示パネル7側)に配置された下部拡散シート4と、下部拡散シート4の上部に配置されたマルチレンズシート5(マルチレンズ部材)と、マルチレンズシート5の上部に配置された上部拡散シート6とから構成される。この例のバックライトユニット10はサイドライト方式のユニットであり、光源1は導光板2の側部に設けられている。
マルチレンズシート10以外の光学部材は、従来のバックライトユニットの光学部材と同じものを用いた。具体的には、導光板2はポリカーボネートで形成した。反射シート3にはPETフィルムの表面に銀が蒸着されたシートを用いた。下部拡散シート4にはPETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μmとし、ヘイズは85%とした。また、上部拡散シート6にはPETフィルムをビーズコーティングしたものを用い、その厚さは70μmとし、ヘイズは30%とした。
[マルチレンズシートの構成]
この例のマルチレンズシート5の概略構成を図2に示した。図2(A)は、この例のマルチレンズシート5の斜視図であり、図2(B)は、図2(A)中のY方向から見たマルチレンズシート5の側面図であり、そして、図2(C)は、図2(A)中のX方向から見たマルチレンズシート5の側面図である。図2(A)〜2(C)に示すように、この例のマルチレンズシート5は、シート状の基材50と、基材50上に形成された第1光学調整層51と、第1光学調整層51上に形成された第2光学調整層52とから構成される。
基材50としては、ポリカーボネート(PC)のシートを用いた。なお、本発明のマルチレンズシート5の基材50としては、光透過性の材料であれば、任意の材料が用い得る。例えば、PC以外に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のアクリル樹脂などが用い得る。また、基材50としてはシート状の基材だけでなく、任意の形状の基材を用い得る。例えば、厚さ0.5〜100mm程度の板状の基材を用いても良いし、表面が立体面である基材を用いても良い。なお、この例のようにシート状の基材を用いた場合には、加工の容易性及びハンドリング性等を考慮して30〜500μmの厚さのシートを用いることが好ましい。
第1光学調整層51は、図2(A)〜2(C)に示すように、複数の第1プリズム状構造体5a(第1レンズ)からなり、各第1プリズム状構造体5aは、図2(A)中のY方向(第1の方向)に延在し且つその延在方向に直交する断面が台形状である。そして、第1光学調整層51では、第1プリズム状構造体5aが図2(A)中のX方向(第2の方向)に並べられており、隣り合うプリズム状構造体5a同士が接するように配置されている。
この例では、後述するように、第1プリズム状構造体5aを基材50の表面を熱転写方式で直接変形させて形成した。すなわち、第1プリズム状構造体5aをポリカーボネートで形成した。なお、第1プリズム状構造体5aの形成材料としては、光透過性の材料であれば、任意の材料が用い得、必要とする光学特性、用途等に応じて屈折率が1.3〜2.0の樹脂材料を適宜選択することが好適である。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透明プラスチック樹脂やガラスなどの透明無機材料等が用い得る。なお、この例では、第1プリズム状構造体5aの屈折率は1.59であった。
また、この例では、第1プリズム状構造体5aの断面形状を、頂角が50度の二等辺三角形の登頂部を底辺と平行となるように平面化した形状、すなわち、台形(略三角形)とし、その台形状断面の上辺の幅を約6.74μm、下辺の幅を約100μm、そして、高さ100μmとした。また、この第1プリズム状構造体5aの断面の形状及び寸法は、第1プリズム状構造体5aの延在方向(Y方向)において同じ(均一)とした。すなわち、第1プリズム状構造体5aを台形柱状の線状部材で形成した。また、第1光学調整層51では、第1プリズム状構造体5aを約100μmのピッチで基材50上に配置した。なお、第1プリズム状構造体5aの寸法及びピッチは、必要とする光学特性、用途等に応じて適宜変更可能である。
第2光学調整層52は、図2(A)〜2(C)に示すように、複数の第2プリズム状構造体5b(第2レンズ)からなり、各第2プリズム状構造体5bは、図2(A)中のX方向(第2の方向)に延在し且つその延在方向に直交する断面が三角形状である。すなわち、第2プリズム状構造体5bと第1プリズム状構造体5aとは、延在方向が直交するように配置した。そして、第2光学調整層52では、第2プリズム状構造体5bが図2(A)中のY方向(第1の方向)に並べられており、隣り合う第2プリズム状構造体5bの間には隙間を設けて、互いに接しないようにした。
この例では、第2プリズム状構造体5bを紫外線硬化樹脂で形成した。なお、第2プリズム状構造体5bの屈折率は1.53であった。なお、第2プリズム状構造体5bの形成材料は、第1プリズム状構造体5aと同様に、光透過性の材料であれば、任意の材料が用い得、必要とする光学特性、用途等に応じて屈折率が1.3〜2.0の樹脂材料を適宜選択することが好適である。
この例では、第2プリズム状構造体5bの断面形状を、頂角が90度、底辺の幅が約24μm、高さが約12μmの二等辺三角形とし、この第2プリズム状構造体5bの断面の形状及び寸法は、第2プリズム状構造体5bの延在方向(X方向)において同じ(均一)とした。すなわち、第2プリズム状構造体5bは三角柱状の線状部材で形成した。また、隣り合う第2プリズム状構造体5b間の隙間は約5μmとし、第2プリズム状構造体5bのピッチは約29μmとした。
そして、この例のマルチレンズシート5では、後述するように、第2プリズム状構造体5bを第1プリズム状構造体5aの上面に接合した。具体的には、図2(A)〜2(C)に示すように、第1プリズム状構造体5aの上面部間を第2プリズム状構造体5bで架橋するように接合した。このように、マルチレンズシート5内に第1プリズム状構造体5aの上面部を第2プリズム状構造体5bで架橋するような構造を設けることにより、マルチレンズシート5内部には、図2(B)に示すように、第1プリズム状構造体5aの側壁面と第2プリズム状構造体5bの下面部とで画成された空洞部5cが形成される。
マルチレンズシート5内の空洞部5c付近の拡大図を示したのが図3である。図3に示すように、この例のマルチレンズシート5内には、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとの接合部504に隣接する第2プリズム状構造体5bの外壁面508aと、第1プリズム状構造体5aの側壁面506及び507とで空洞部5cが画成されている。また、この例のマルチレンズシート5では、図3に示すように、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとの接合部504に隣接する第2プリズム状構造体5bの外壁面508a及び508bと、第1プリズム状構造体5aの基材50の接触面505(第1プリズム状構造体5aの基材50に対向する面)との間のなす角度はともに180度となる。
上述のように、この例のマルチレンズシート5では、第1プリズム状構造体5aの延在方向と第2プリズム状構造体5bの延在方向とが互いに直交するように、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとが接合されているので、一枚のマルチレンズシート5で、上述した従来の2枚のプリズムシートからなるプリズムシート群で得られる機能と同様の機能が得られる。また、この例のマルチレンズシート5では、従来のプリズムシート群に比べて、プリズムシートの基材1枚分の厚さを削減することができるので、光学調整用の光学部材、バックライトユニット等の照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。また、この例のマルチレンズシート5では、従来のプリズムシート群に比べて、プリズムシートの基材1枚分の厚さを削減することがでるので、透過光の散乱、吸収を抑制し光学性能の低下を抑制することができる。すなわち、この例のマルチレンズシート5を用いることにより、従来と同等あるいはそれ以上の明るさ(輝度)、視野角、表示品位等を維持しながら、薄くて低コストのバックライトユニット及び液晶表示装置を提供することができる。
[マルチレンズシートの作製方法]
次に、この例のマルチレンズシートの作製方法を図2、4及び5を参照しながら説明する。なお、図5は、この例のマルチレンズシートの作製方法の手順を示したフローチャートである。
まず、基材50として厚さ200μmのポリカーボネートシートを用意した(図5中のステップS11)。次いで、基材50上に複数の第1プリズム状構造体5aからなる第1光学調整層51を形成した(図5中のステップS12)。具体的には、次のようにして第1光学調整層51を形成した。まず、第1光学調整層51表面に形成する凹凸形状を反転させた凹凸形状が表面に形成された金型を用意した。なお、上記金型の凹凸面は切削加工により形成した。次いで、基材50に対して該金型を加熱加圧して、該基材50の表面に該金型の凹凸形状を転写した。すなわち、熱転写方式を用いて、該金型の凹凸形状を基材50の表面に転写した。この際、金型温度は180℃とし、圧力は10kg/cmとして、この状態を60秒間保持した。次いで、金型を室温まで冷却し、金型から該基材50を剥離した。この例では、このようにして、基材50上に複数の第1プリズム状構造体5aからなる第1光学調整層51(第1レンズ群)を形成した。
次に、複数の第1プリズム状構造体5aからなる第1光学調整層51上に、複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52(第2レンズ群)を次のようにして形成した(図5中のステップS13及びS14)。
ここで、複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を形成するために用いた製造装置について説明する。第2光学調整層52を形成するために用いた製造装置の概略構成を図4に示した。この例で第2光学調整層52を形成するために用いた製造装置20は、図4に示すように、主に、ロール状の金型21(以下、ロール金型ともいう)と、ロール金型21の表面に、第2プリズム状構造体5bの形成材料である紫外線硬化樹脂を塗布する樹脂供給器22と、ロール金型21の表面に塗布された樹脂のうち不要な樹脂をそぎ落とすためのかきとり部材23と、ロール金型21表面に塗布された紫外線硬化樹脂と第1光学調整層51の表面との接触状態を制御するための制御ロール24と、第1光学調整層51に接触させた紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線照射装置25とから構成される。なお、制御ロール24及び紫外線照射装置25は、図4に示すように、基材50を挟んでロール金型21と対向するような位置に配置され、紫外線照射装置25は制御ロール24の下流側(図4中の基材50の進行方向A2の前方側)に配置されている。
ロール金型21の表面には、第2光学調整層52の表面の凹凸形状を反転させた凹凸形状が形成されている。この例では、第2プリズム状構造体5bの断面形状が三角形であるので、ロール金型21の表面には、第2プリズム状構造体5bの断面形状に対応するV字状の溝26を複数形成した。
この例では、上述した製造装置20を使って、次のようにして複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を形成した。まず、第1光学調整層51が表面に形成された基材50を製造装置20に装着し、基材50をロール金型21側(図4中の矢印A2の方向)に送り出した。この際、図4に示すように、第1光学調整層51がロール金型21と対向するように、且つ、第1光学調整層51の第1プリズム構造体5aの延在方向が、ロール金型21の表面に形成されたV字状の溝26の延在方向(図4中のロール金型21の回転方向A1)と直交するように装着した。
次いで、図4中の矢印A1方向に回転しているロール金型21の表面に樹脂供給器22により紫外線硬化樹脂27を塗布した。そして、樹脂供給器22の下流側(ロール金型21の回転方向の前方側)に設けられたかきとり部材23により、塗布された紫外線硬化樹脂27のうち不要な樹脂をそぎ落とすとともに、ロール金型21表面の溝26内に紫外線硬化樹脂27を充填した(図5中のステップS13)。それゆえ、かきとり部材23の下流側のロール金型21の表面では、紫外線硬化樹脂27がロール金型21表面の溝26内にのみ充填された状態となる。次いで、図4に示すように、ロール金型21と制御ロール24とで挟まれた領域で、ロール金型21の溝26に充填された紫外線硬化樹脂27と、第1光学調整層51の上面部とを接触させた。この際、ロール金型21表面の溝26に充填された紫外線硬化樹脂27と第1光学調整層51の上面部との接触状態を良好に保つために、制御ロール24により基材50をロール金型21に対して所定の圧力で押圧した。
次いで、ロール金型21と制御ロール24との間を通過した紫外線硬化樹脂27と第1プリズム状構造体5aの上面部とが接触した状態の基材50に紫外線照射装置25から紫外線を照射した。この際、ロール金型21表面の溝26内の紫外線硬化樹脂27が硬化して第2プリズム状構造体5bが第1光学調整層51上に形成されるとともに、第2プリズム状構造体5bの下面が第1プリズム状構造体5aの上面に接着固定され、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとからなる光学構造体が基材50上に形成される(図5中のステップS14)。次いで、第2プリズム状構造体5bの下面と第1プリズム状構造体5aの上面とが接着固定された基材50が紫外線照射装置25の領域を通過すると、第2プリズム状構造体5bが第1プリズム状構造体5a及び基材50とともに、ロール金型21の表面から引き剥がされる。この例では、上述のようにして複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を第1光学調整層51上に形成した。
なお、第2プリズム状構造体5bをロール金型21表面から容易に剥離するために、ロール金型表面と第2プリズム状構造体5bとの接着力を第2プリズム状構造体5bと第1プリズム状構造体5aとの接着力よりも弱くする必要がある。そのために、ロール金型21の表面を予め離型処理しておくことが好適である。該離型処理としては、フッ素系樹脂やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)、TiNなどの無機物の離型材をロール金型21の表面にコーティングする方法が好適である。この例では、ロール金型21の表面に離型材としてフッ素系樹脂のコーティング材(信越化学工業(株)製 KP−801M)を付加した。
この例では、以上のようにして、図2(A)に示した構造のマルチレンズシート5を作製した。この例のマルチレンズシートの製造方法では、第1プリズム状構造体5aと、第2プリズム状構造体5bとをそれぞれ別の基材上に形成する必要がないので、容易に且つ低コストでマルチレンズシートを作製することができる。
また、この例のマルチレンズシートの作製方法では、後述する実施例3の作製方法に比べて、充填材の塗布工程や洗浄工程が不要であるため、より簡便な製造方法である。
なお、この例では、第2光学調整層52のみを図4に示した金型ロールを備えた製造装置を用いて形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、第1光学調整層51を基材50上に形成する際にも図4に示した製造装置を用いても良い。
[マルチレンズシートのSEM画像]
この例で作製したマルチレンズシート5の第1光学調整層51及び第2光学調整層52の構造を電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果を図6及び7に示した。図6はマルチレンズシート5の第2プリズム状構造体5bの延在方向に平行に切断した断面画像であり、図7はマルチレンズシート5の上面画像である。
図6の断面画像から明らかなように、この例のマルチレンズシート5では、第1プリズム状構造体5aの上面と第2プリズム状構造体5bの下面とが接着固定され、第1プリズム状構造体5aの上面部間が第2プリズム状構造体5bにより架橋された構造になっていることが分かる。また、図6に示すように、第1プリズム状構造体5aの側面と第2プリズム状構造体5bの下面とにより画成された空洞部5cがマルチレンズシート5の内部に形成されていることが分かる。
また、図7に示した上面画像では、図7の図面上で上下方向に延在している構造体が、第2プリズム状構造体5bであり、第2プリズム状構造体5b間を繋いでいる部分が第1プリズム状構造体5aの上面部に対応する。図7から明らかなように、第2プリズム状構造体5bのプリズム形状が明確に観察された。また、第2プリズム状構造体5b間の隙間が明確に観察され、第2プリズム状構造体5bがほぼ等ピッチで離散的に形成されていることが確認できた。
[光学特性の評価]
次に、この例で作製したマルチレンズシート5を用いて、図1に示すようなバックライトユニット(照明装置)10を構成し、その輝度特性を測定した。なお、比較のため、図19に示した従来のバックライトユニット201(比較例)おける輝度特性も測定した。ただし、比較例のバックライトユニット201では、図1に示したバックライトユニット10の実施例1のマルチレンズシート5の代わりに2枚の従来のプリズムシート(図20に示した構造)を用い、それ以外の光学部材は実施例1と同様とした。なお、比較例の各プリズムシートに形成されたプリズム状構造体の延在方向に直交する断面の形状は、底辺の幅30μm、高さ15μm、頂角90度の二等辺三角形とした。
図8に実施例1及び比較例のバックライトユニットにおける輝度特性を示した。図8では、横軸には輝度の測定角度をとり、縦軸には輝度比をとった。なお、横軸の0度は液晶表示面に直交する方向であり、縦軸の輝度比は比較例の正面輝度を1として規格化した相対輝度である。また、図8中の実線の特性が実施例1の輝度特性であり、破線の特性が比較例の輝度特性である。図8の輝度特性から明らかなように、実施例1のバックライトユニットでは、正面輝度比は比較例の約1.05倍となり、また、視野角も約48度(比較例では42度)となり、いずれも比較例より優れた輝度特性が得られることが分かった。なお、ここでいう視野角とは、輝度特性において、輝度の最大値の1/2以上の輝度を示す角度の範囲のことである。これは、実施例1のマルチレンズシート5では、従来のプリズムシート群に比べて、基材が2枚から1枚に低減させることができ、これにより光の損失が低減したことに起因する。
上記結果から、この例のマルチレンズシート5を用いた場合には、従来に比べて、光学特性(明るさ、視野角、表示品位等)を改善できることが分かった。また、この例のマルチレンズシート5を用いたバックライトユニット及び液晶表示装置では、基材1枚分の厚さを低減することができるので、従来に比べて、光学特性を改善できるだけでなく、薄くて低コストのバックライトユニット及び液晶表示装置が得られる。
この例では、第1光学調整層51を、熱転写方式により基材50表面に直接形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、後述する実施例3のように、第1光学調整層51の凹凸形状を反転させた凹凸形状が表面に形成された金型と基材とを接触させて、金型と基材との間に紫外線硬化樹脂を充填して硬化させることにより、第1光学調整層51(複数の第1プリズム状構造体5a)を形成しても良い。また、第1光学調整層51を、周知の押出成型法やプレス成型法、光学構造体の型が内部に形成された金型に溶融樹脂を注入する射出成形法等により形成することも可能である。
なお、第1プリズム状構造体5aと、第2プリズム状構造体5bとを接合する方法としては、上記方法に限定されない。例えば、後述する実施例2のように、押し出し成形された第2プリズム状構造体5bの下面部及び第1プリズム状構造体5aの上面部の少なくとも一方に接着剤を塗布し、接着層を介して第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとを一体的に形成しても良い。
実施例2では、実施例1と同様の構造(図2に示した構造)のマルチレンズシートを作製した。ただし、この例では、マルチレンズシートを実施例1とは違う方法で作製した。なお、この例で作製したマルチレンズシートを構成する基材、第1プリズム状構造体及び第2プリズム状構造体の寸法は実施例1と同じにした。以下、この例のマルチレンズシートの作製方法を図2、9及び10を参照しながら説明する。なお、図10は、この例のマルチレンズシートの製造方法の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例1と同様にして基材50上に第1光学調整層51(複数の第1プリズム状構造体5a)を形成した(図10中のステップS21及びS22)。なお、第1プリズム状構造体5aは実施例1と同様に、ポリカーボネートで形成した。
次いで、押し出し成形等の方法により、第2プリズム状構造体5b(三角柱状の線状(糸状)部材)を成形した(図10中のステップS23)。第2プリズム状構造体5bは、屈折率1.53のナイロンで形成した。なお、第2プリズム状構造体5bを成形する工程S23を、第1光学調整層51を形成する工程S21及びS22の前に行っても良いし、第1光学調整層51の形成中に行っても良い。
次いで、第1光学調整層51上に、複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を次のようにして形成した(図10中のS24及びS25)。
ここで、複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を形成するために用いたこの例の製造装置について説明する。この例で、第2光学調整層52を形成するために用いた製造装置の概略構成を図9に示した。この例の2光学調整層52の製造装置30は、図9に示すように、主に、ガイドロール31と、第2プリズム状構造体5b(線状部材)が巻きつけられたホルダー32と、第2プリズム状構造体5bの下面に接着剤を塗布するための接着剤塗布器33と、接着剤を硬化させるための紫外線照射装置34とから構成される。なお、接着剤塗布器33は、図に示すように、ホルダー32とガイドロール31との間に配置され、紫外線照射装置34は、基材50を挟んでガイドロール31と対向するような位置に配置されている。
この例では、ガイドロール31の表面には、図9に示すように、第2プリズム状構造体5bを第1光学調整層51上にガイドするための複数のガイド溝35を形成した。各ガイド溝35は、ガイドロール31の回転方向(図9中の矢印A3方向)に延在して形成されており、該回転方向に直交する方向に所定の間隔で形成されている。なお、ガイド溝35の間隔は第2プリズム状構造体5bの下面の幅より若干広くなるようにし、ガイド溝35の深さは第2プリズム状構造体5bの高さより若干小さくなるようにした。この例では上述した製造装置を用いて次のようにして複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を第1光学調整層51上に形成した。
まず、成形した複数の第2プリズム状構造体5bをホルダー32に巻きつけた。次いで、図9に示すように、ホルダー32から第2プリズム状構造体5bを引き出して、各第2プリズム状構造体5bを対応するガイドロール31のガイド溝35にそれぞれ挿入した。この際、第2プリズム状構造体5bをホルダー32とガイドロール31との間に配置した接着剤塗布器33上を通過させて、第2プリズム状構造体5bの下面に接着剤を塗布した(図10中のステップS24)。この例では、接着剤として、紫外線硬化樹脂を用いた。なお、本発明はこれに限定されず、接着剤として、紫外線硬化型以外では、熱硬化型、感圧型の接着剤や瞬間接着剤(シアノアクリレート)等が用い得る。
次いで、第1光学調整層51が形成された基材50を製造装置30に装着し、基材50をガイドロール31側(図9中の矢印A4の方向)に送り出した。この際、図9に示すように、第1光学調整層51がガイドロール31と対向するように、且つ、第1光学調整層51の第1プリズム構造体5aの延在方向が、ガイドロール31の表面に形成されたガイド溝35の延在方向とが直交するように装着した。
次いで、図9に示すように、ガイドロール31を図9中の矢印A3方向に回転させ且つ基材50を図9中の矢印A4方向に送り出しながら、複数の第2プリズム状構造体5bを第1プリズム状構造体5a上に配置した。この際、紫外線照射装置34により紫外線を基材50越しに照射して、第2プリズム状構造体5bの下面に塗布された接着剤を硬化させて、第2プリズム状構造体5bの下面を第1プリズム状構造体5aの上面に接着した。この例では、このようにして第2プリズム状構造体5bと第1プリズム状構造体5aとを接合し、第1光学調整層51上に第2光学調整層52を形成した(図10中のステップS25)。なお、この例では、第2光学調整層52のみを図9に示した製造装置30を用いて形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、第1光学調整層51を基材50上に形成する際にも図9に示した製造装置30を用いても良い。
この例では、以上のようにして、図2(A)に示した構造のマルチレンズシート5を作製した。この例のマルチレンズシートの製造方法においても、第1プリズム状構造体5aと、第2プリズム状構造体5bとを別基材上に形成する必要がないので、実施例1と同様に、容易に且つ低コストでマルチレンズシートを作製することができる。また、この例で作製したマルチレンズシートに対しても実施例1と同様にしてその光学特性を評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
また、この例のマルチレンズシート5を用いたバックライトユニット及び液晶表示装置では、従来に比べて、光学特性を改善できるだけでなく、基材1枚分の厚さを低減することができるので、薄くて低コストのバックライトユニット及び液晶表示装置が得られる。
実施例3では、実施例1と同様の構造(図2に示した構造)のマルチレンズシートを作製した。ただし、この例では、マルチレンズシートを実施例1及び2とは違う方法で作製した。また、この例では、マルチレンズシートを構成する基材、第1プリズム状構造体及び第2プリズム状構造体の形成材料及び寸法は実施例1及び2とは変えた。
基材50としては、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用いた。
第1プリズム状構造体5aは紫外線硬化樹脂で形成した。なお、第1プリズム状構造体5aの屈折率は1.59であった。第1プリズム状構造体5aの断面形状は、頂角が90度の二等辺三角形の登頂部を底面と平行となるように平面化した形状、すなわち、台形(略三角形)とし、その断面の上辺の幅を約8μm、下辺の幅を約40μm、高さを約16μmとした。また、第1プリズム状構造体5aの断面の形状及び寸法は、第1プリズム状構造体5aの延在方向(Y方向)において同じ(均一)とした。すなわち、第1プリズム状構造体5aを台形柱状の線状部材で形成した。また、第1光学調整層51では、第1プリズム状構造体5aを約40μmのピッチで基材50上に配置した。なお、第1プリズム状構造体5aの寸法及びピッチは、必要とする光学特性、用途等に応じて適宜変更可能であるが、この例の製造方法では、後述する第2プリズム状構造体5bの加工性(加工の容易性)を考慮して、第1プリズム状構造体5aのピッチが7〜50μmの範囲となるように、第1プリズム状構造体5aの寸法を設計することが好ましい。
また、第2プリズム状構造体5bは、第1プリズム状構造体5aと同様の材料で形成した。なお、第2プリズム状構造体5bの屈折率は1.59であった。第2プリズム状構造体5bの断面形状は、頂角が90度、底辺の幅が約30μm、高さが約15μmの二等辺三角形とし、この第2プリズム状構造体5bの断面の形状及び寸法は、第2プリズム状構造体5bの延在方向(X方向)において同じ(均一)とした。すなわち、第2プリズム状構造体5bは三角柱状の線状部材で形成した。また、隣り合う第2プリズム状構造体5b間の隙間は約5μmとし、第2プリズム状構造体5bのピッチは約35μmとした。
[マルチレンズシートの作製方法]
次に、この例のマルチレンズシート5の作製方法を図11を参照しながら説明する。まず、基材50を用意する(図11中のステップS31)。次いで、基材50上に複数の第1プリズム状構造体5aからなる第1光学調整層51を形成した(図11中のステップS32)。具体的には、次のようにして第1光学調整層51を形成した。まず、第1光学調整層51表面に形成される凹凸形状を反転させた凹凸形状が表面に形成された金型(不図示)を用意し、その金型の凹凸面と基材50とを対向させた。次いで、金型の凹凸面と基材50との間に紫外線硬化樹脂を充填し、金型を基材50の表面に対して押圧した。そして、紫外線を照射して充填された紫外線硬化樹脂を硬化し、その後、金型を基材50から剥離した。この例では、このようにして複数の第1プリズム状構造体5aからなる第1光学調整層51を基材50上に形成した。なお、上記金型の凹凸面は切削加工により形成した。
次いで、第1光学調整層51上にポリビニルアルコール(PVA、充填材)の10%水溶液を塗布して乾燥硬化させた。その後、PVAの塗布表面を水で払拭して第1プリズム状構造体5aの上面部を露出させた。このようにして、第1光学調整層51の凹部にPVAを充填した(図11中のステップS33)。なお、必要に応じて、充填材を第1光学調整層51の凹部に充填した後、充填材を塗布した面を適当な溶剤で払拭したり、あるいは、研磨したりして、第1プリズム状構造体5aの上面部を露出させても良い。
次いで、第1光学調整層51上に複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を形成した(図11中のステップS34)。具体的には、次のようにして第2光学調整層52を形成した。まず、第2光学調整層52の表面の凹凸形状を反転させた凹凸形状が表面に形成された金型(不図示)を用意し、その金型の凹凸面とPVAが充填された第1光学調整層51の表面とを対向させた。この際、第1光学調整層51の第1プリズム状構造体5aの延在方向と金型の凹部(第2プリズム状構造体5bに対応する部分)の延在方向とが直交するように対向させた。次いで、金型の凹凸面と第1光学調整層51との間に紫外線硬化樹脂を充填した。次いで、金型を第1光学調整層51の表面に対して十分な圧力で押圧し、金型の凹部間(第2プリズム状構造体5b間の隙間に対応する部分)と第1光学調整層51の表面との間に紫外線硬化樹脂が残らないようにした。そして、紫外線を照射して充填された紫外線硬化樹脂を硬化し、その後、金型を基材50から剥離した。この例では、このようにして複数の第2プリズム状構造体5bからなる第2光学調整層52を第1光学調整層51上に形成した。この際、第1光学調整層51の第1プリズム状構造体5aの上面と、第2光学調整層52の第2プリズム状構造体5bの下面とが接着または融着して、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとが接合される。
上述のように、第1プリズム状構造体5aの上面部を平坦にしておくと、第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとの接合面(接着面または融着面)が広くなるので、より安定して第2プリズム状構造体5bを第1プリズム状構造体5a上に固定することができる。
次いで、上述のようにして作製されたマルチレンズシート5を水に浸漬して超音波を印加し、マルチレンズシート5内の充填材(PVA)を除去した(図11中のステップS35)。なお、この例のマルチレンズシート5では、第2プリズム状構造体5b間に隙間を設けているので、その隙間を介して充填材が水に接触するので、充填材を除去し易い構造になっている。次いで、充填材を十分に除去した後、マルチレンズシート5を乾燥させた。この例では、このように充填材を溶媒で除去するので、充填材としては、基材50及び各光学調整層51,52のいずれにも浸食しない溶媒により、容易に溶解する材料を用いることが好適である。例えば、PVA、ポリビニルピロリドン、(株)林原社製プルラン、アルコール可溶性ナイロン等が用い得る。
この例では、以上のようにして、マルチレンズシート5を作製した。この例のマルチレンズシート5の製造方法では、第1プリズム状構造体5aと、第2プリズム状構造体5bとをそれぞれ別の基材上に形成する必要がないので、容易に且つ低コストでマルチレンズシートを作製することができる。
なお、第1光学調整層51の形成方法としては上述したこの例の方法に限定されず、基材50自身を変形させて第1光学調整層51を形成することも可能である。例えば、実施例1と同様にして、第1光学調整層51の凹凸形状を反転させた凹凸形状が表面に形成された金型を熱して、その金型を基材50に押圧して金型の凹凸形状を基材に転写する熱転写法を用いても良い。また、第1光学調整層51を、周知の押出成型法やプレス成型法、光学構造体の型が内部に形成された金型に溶融樹脂を注入する射出成形法等により形成することも可能である。
第1プリズム状構造体5aと、第2プリズム状構造体5bとを接合する方法も、上述したこの例の方法に限定されず、例えば、実施例2のように、第2プリズム状構造体5bを押出し成形等の方法により作製し、第1プリズム状構造体5aの上面部及び第2プリズム状構造体5bの下面部の少なくとも一方に接着剤を塗布し、接着層を介して第1プリズム状構造体5aと第2プリズム状構造体5bとを接合しても良い。
また、この例では、第1光学調整層51と同様にして第2光学調整層52を形成したが、本発明はこれに限定されない。第2光学調整層52の他の形成方法としては、例えば、第1光学調整層51上に熱可塑性の樹脂を溶解塗布して樹脂層を形成しておき、熱した金型を該樹脂層に押圧して、金型表面の凹凸形状を転写する熱転写法を用いても良い。また、周知の押出成型法やプレス成型法等により第2光学調整層52を形成することも可能である。
この例では、充填材を除去する際に、マルチレンズシートを溶媒に浸漬して超音波洗浄する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、超音波洗浄を行わなくても良いし、溶媒を所定温度に加温する等の温度調整を行っても良い。
[光学特性の評価]
次に、この例で作製したマルチレンズシート5に対しても、実施例1と同様にして、光学特性を測定した。その結果、実施例3のバックライトユニットでは、正面輝度比が、実施例1で説明した比較例のバックライトユニットに比べて約1.15倍となり、視野角も約50度となり、比較例より優れた輝度特性が得られた。
実施例4では、第1光学調整層の第1プリズム状構造体(第1レンズ)の延在方向と、第2光学調整層の第2プリズム状構造体(第2レンズ)の延在方向とが同じ方向であるマルチレンズシート40を作製した。
なお、この例のマルチレンズシート40は、実施例3と同様にして作製した。ただし、第1光学調整層42上に複数の第2プリズム状構造体45からなる第2光学調整層43を形成する際(図11中のステップS34)に、第1プリズム状構造体44の延在方向と第2プリズム状構造体45の延在方向とが同じ方向になるように形成した。それ以外は、実施例3と同様にして作製した。
[マルチレンズシートの構成]
この例のマルチレンズシートの概略構成を図12に示した。図12は、この例のマルチレンズシート40の斜視図である。図12に示すように、この例のマルチレンズシート40は、シート状基材41と、基材41上に形成された第1光学調整層42と、第1光学調整層42上に形成された第2光学調整層43とから構成される。基材41としては、実施例1と同様の基材(PETシート)を用いた。なお、この例では、第1プリズム状構造体44の上面と第2プリズム状構造体45の下面とが接着または融着により接合されている。
第1光学調整層42は、図12に示すように、図12中のY方向(第1の方向)に延在し且つその延在方向に直交する断面が台形状である第1プリズム状構造体44(第1レンズ)を複数有する。そして、第1光学調整層42では、第1プリズム状構造体44が図12中のX方向(第2の方向)に並べられており、隣り合う第1プリズム状構造体44同士が接している。
第1プリズム状構造体44は、実施例1と同様に、紫外線硬化樹脂で形成した。なお、第1プリズム状構造体44の屈折率は1.58であった。また、この例では、第1プリズム状構造体44の台形状断面の寸法を、両方の底角を共に70度、上辺の幅約11.8μm、下辺の幅約30μm、高さ約25μmとし、この第1プリズム状構造体44の断面の形状及び寸法は、第1プリズム状構造体44の延在方向(Y方向)において同じ(均一)とした。すなわち、第1プリズム状構造体44を台形柱状の線状部材で形成した。また、第1光学調整層42では、第1プリズム状構造体44を約30μmのピッチで並べた。この例のように、第1プリズム状構造体44の断面を台形状にすることにより、第1プリズム状構造体44と、後述する第2プリズム状構造体45との接合面が増大するので、第2プリズム状構造体45の形成が容易になるとともに、マルチレンズシート40の強度を増大させることができる。
第2光学調整層43は、図12に示すように、図12中のY方向(第2の方向)に延在し且つその延在方向に直交する断面が三角形状である第2プリズム状構造体45(第2レンズ)を複数有する。そして、第2光学調整層43では、第2プリズム状構造体45を図12中のX方向に並べ、且つ、第1プリズム状構造体44のほぼ真上に形成した。また、この例では図12に示すように、第2プリズム状構造体45の下面の幅を第1プリズム状構造体44の下面の幅より狭くし、隣り合う第2プリズム状構造体45の間には隙間を設けて互いに接しないようにした。
第2プリズム状構造体45の形成材料は、第1プリズム状構造体44と同様とした。なお、第2プリズム状構造体45の屈折率は1.58であった。また、この例では、第2プリズム状構造体45の三角形状の断面を、下面の幅約27μm(高さ約23.4μm)の正三角形(すなわち、頂角を含む3つの角の角度が全て60度)とし、その第2プリズム状構造体45の断面の形状及び寸法は、第2プリズム状構造体45の延在方向(Y方向)においては同じ(均一)とした。すなわち、第2プリズム状構造体45を三角柱状の線状部材で形成した。また、隣り合う第2プリズム状構造体45間の隙間は約30μmとした。
この例の第1光学調整層42及び第2光学調整層43の図12中のY方向から見た拡大側面図を示したのが図13である。図13に示すように、この例のマルチレンズシート40では、第1プリズム状構造体44と第2プリズム状構造体45の接続部404に隣接する第2プリズム状構造体45の外壁面406a及び406bが、接合部404から外側に突き出た構造となっている。すなわち、この例のマルチレンズシート40では、第1プリズム状構造体44と第2プリズム状構造体45とからなる光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造が形成される。また、この例では、第1プリズム状構造体44及び第2プリズム状構造体45の接合部404に隣接する第2プリズム状構造体45の外壁面406a及び406b(張出部)と、第1プリズム状構造体44の基材41に対向する面405との間のなす角度θは180度となる。ここで、第2プリズム状構造体45の基材41に対向する面45aの面積は、第1プリズム状構造体44と第2プリズム状構造体45の接続部404の面積よりも大きい。ここで、第1プリズム状構造体44及び第2プリズム状構造体45の接合部404に隣接する第2プリズム状構造体45の外壁面406a及び406b(張出部)と、第1プリズム状構造体44の基材41に対向する面405との間のなす角度θが180度以上である場合には、図13(A)に示される第1プリズム状構造体44及び第2プリズム状構造体45からなる光学構造体の断面形状はツリー形状となる(以下、ツリー状光学構造体あるいは、ルーフ状光学構造体とも呼ぶ)。第1光学構造体44の側面から見た外壁面406a及び406bの面積(張出部の面積)を大きくすることができる。そのため、後述のオーバーハング構造を有する光学構造体の屈折効果を高めることができる。
このような光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を有するマルチレンズシート40における効果を、図14(A)及び14(B)を参照しながら説明する。なお、図14(A)は、側面の一部にオーバーハング構造を有さない光学構造体における斜め入射光に対する屈折の様子を示した図であり、図14(B)は、本実施例のように側面の一部にオーバーハング構造を有する光学構造体における斜め入射光に対する屈折の様子を示した図である。
光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を有さない場合には、たとえば図14(A)に示すような斜め入射光47は、光学構造体46と空気との界面を1回しか通過しない(一回しか屈折しない)。しかしながら、本実施例のように光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を有する場合には、図14(B)に示すように、斜め入射光47は光学構造体と空気との界面を複数回通過し得る(複数回屈折し得る)。それゆえ、本実施例のように光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を設けた場合には、図14(B)に示すように、斜め入射光47に対して屈折量を増大させることができ、集光性を向上させることができる。入射光をより急激に屈折させることが必要な用途、例えば、シート面の法線方向に対して非常に傾斜した出射光成分の多い(出射光の輝度の最大値となる角度がシート面の法線方向から45度以上であるような)導光板や光源からの入射光の方向をシート面の法線方向に向けて照射するようなバックライト等の照明装置などに対してより好適な光学部材が得られる。
なお、上述のオーバーハング構造を有する光学構造体は、図12に示されたマルチレンズシート40のように、同じ方向に延在する第1プリズム状構造体44と第2プリズム状構造体45とを有するマルチレンズシートに限られない。例えば、図2(A)に示されるマルチレンズシート5も、オーバーハング構造を有する光学構造体を含んでいるということができる。ここで、図2(A)に示される光500がマルチレンズシート5に入射する場合を考える。図13(B)に示すように、光500の進行方向を含む平面におけるマルチレンズシート5の断面は、上述のオーバーハング構造を有している。このように、第1プリズム状構造体と第2プリズム状構造体からなる光学構造体の、光の進行方向を含む平面(入射光に平行な平面)における断面が、オーバーハング構造を有していれば、その方向に入射した光は、上述のオーバーハング構造を有するマルチレンズシートにおける多数回屈折の効果を受けることができる。ここで、例えば図12に示されたマルチレンズシート40において、第2プリズム状構造体45の基材41に対向する面45aは、必ずしも基材41に平行でなくてもよい。例えば、図13(C)に示すように、面45aが上に凸の曲面である場合であっても、上述のツリー構造(ツリー状光学構造体)及びオーバーハング構造を実現できる。この場合には、接合部に隣接する第2プリズム状構造体の外壁面は、第1プリズム状構造体に向かって傾斜している。そのため、上述の角度θは、180度以上となる。
なお、斜め入射光に対して屈折量を増大させる方法としては、たとえば図14(A)に示すような光学構造体の側面の一部にオーバーハング構造を有さない光学シートを複数重ねて用いる方法も考えるが、そのような構成の光学シート群では、本実施例のマルチレンズシートに比べて、光学シートの枚数が増えるので、光学部材の厚さが増大するとともに、透過光の散乱、吸収が増大して光学性能が低下する。
[変形例1]
上記実施例1〜3では、第2光学調整層において、隣り合う第2プリズム状構造体間に隙間を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、隣り合う第2プリズム状構造体が互いに接していても良い。その一例を図15に示した。図15に示したマルチレンズシート60は実施例1のマルチレンズシート5の変形例であり、第2光学調整層62において、隣り合う第2プリズム状構造体63が接した構造になっている。それ以外の構造は、実施例1と同様とした。なお、図15に示すようなマルチレンズシート60は、例えば、実施例1で説明した製造方法で容易に作製することができる。
[変形例2]
上記実施例1〜3では、第1光学調整層を構成する第1光学構造体として断面が台形のプリズム状構造体を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1光学構造体として断面が三角形のプリズム状構造体を用いても良い。その一例を図16に示した。図16に示したマルチレンズシート70は実施例1のマルチレンズシート5の変形例であり、第1光学調整層71を構成する第1プリズム状構造体72として断面が三角形の線状部材を用いている。それ以外の構造は、実施例1と同様とした。変形例2のマルチレンズシート70は、例えば、実施例1〜3で説明した製造方法で容易に作製することができる。
[変形例3]
上記実施例1〜3では、第1光学調整層を構成する第1光学構造体として断面が台形の線状部材を用い、第2光学調整層を構成する第2光学構造体として断面が三角形の線状部材を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1光学構造体及び第2光学構造体の断面形状は、必要とする光学特性、用途等に応じて適宜変更可能である。例えば、第1光学構造体及び第2光学構造体の一方を、断面が半円状のレンズ状構造体で形成しても良い。その一例を図17に示した。図17に示したマルチレンズシート80は実施例1のマルチレンズシート5の変形例であり、第2光学調整層82を構成する光学構造体83を、断面が半円形のレンチキュラーレンズ形状の構造体で形成した場合である。また、図17の例では、変形例1と同様に、隣り合うレンズ状構造体83が接した構造になっている。それ以外の構造は、実施例1と同様とした。このような構造のマルチレンズシートでは、第1光学構造体及び第2光学構造体の形状及び寸法を独立に設定できるので、図17中のX方向及びY方向の視野角などを任意に設定できる。特に、図17のように、第1光学構造体をプリズム状の構造体とし、第2光学構造体をレンズ状の光学構造体でした場合には、Y方向の視野角をX方向に対して広くとることが可能である。
図17に示すような第2光学調整層82は、上記実施例1〜3で説明した製造方法において、第2光学調整層82を形成する際に用いる金型の凹凸面の形状を適宜変更することにより形成することができる。なお、図17の例では、第2光学調整層を複数のレンズ状構造体で構成した例を示しているが、本発明はこれに限定されず、第1光学調整層を複数のレンズ状構造体で構成し且つ第2光学調整層を複数のプリズム状構造体で構成しても良いし、第1光学調整層及び第2光学調整層の両方を複数のレンズ状構造体で構成しても良い。
[変形例4]
上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜3のマルチレンズシートでは、第1光学構造体及び第2光学構造体がともに、所定の断面形状を有し且つ所定の方向に延在した線状部材で形成されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1光学構造体及び/または第2光学構造体が線状部材でなく、例えば、多角錐状、円錐状、半球状(半楕円球状)等の部材で形成されても良い。その一例を図18(A)、(B)に示した。
図18(A)及び(B)に示したマルチレンズシート90は、実施例1と同様の構造を有する第1光学調整層51上に、複数の半球状レンズ93が離散的に配置された第2光学調整層92を形成した例である。なお、半球状レンズ93の形状及び寸法は全て同じとし、半球状レンズ93を等間隔で配置した。このような構造のマルチレンズシート90では、光学特性の方向性を任意に制御することができる。より具体的に説明すると、実施例1〜4、並びに、変形例1〜3のマルチレンズシートのように、第1及び第2光学構造体として線状レンズ(線状の光学構造体)を組み合わせた場合には、線状レンズの延在方向に基づいて光学特性の対称性が発生する。例えば、第1及び第2光学構造体が直交する場合には、X方向及びY方向に対する光学特性の対称性が発生する。それに対して、変形例4のマルチレンズシートのように、第2光学構造体として半球状レンズ93を用いた場合には、この第2光学構造体により、X−Y平面内の光学特性の対称性が高くなり(シート面の法線方向の軸に対する対称性が高くなり(軸対称に近くなり))、その結果、マルチレンズシートの光学特性の対称性を向上させることができる。これにより、例えば、視野角特性の方向依存性を小さくすることができるといった効果が得られる。
[変形例5]
上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜4のマルチレンズシートでは、第1レンズと第2レンズとから構成される光学構造体の一部にオーバーハング構造を有する例を説明した。例えば、図20に示すように、本発明のマルチレンズシート300は、シート状の基材301と、図20の左右方向に延在する第1のプリズム状構造体302と、図20の紙面に垂直な方向に延在する第2プリズム状構造体303とを有し、第2プリズム状構造体(第2レンズ)303が、断面が非対称(二等辺三角形でない)複数の第1プリズム素子304と、第1プリズム素子304の一つの面上に設けられた断面が非対称の複数の第2プリズム素子305とから構成されていてもよい。図20に示すようなマルチレンズシート300では、第1プリズム素子304の一面上に複数の第2プリズム素子305を設けて階段状の面を形成することにより入射光の利用効率を向上させて輝度を向上させることができる。なお、この第1プリズム素子及び第2プリズム素子は、第1プリズム状構造体に設けられてもよく、第1プリズム状構造体及び第2プリズム状構造体の両方に設けられてもよい。
[変形例6]
上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜5のマルチレンズシートでは、全ての第1レンズが第2レンズと接合する接合部分(接合面)を有する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のマルチレンズシートは、例えば、図2に示すマルチレンズシート400のように、一部の第1レンズのみが第2レンズと接合する接合部分を有していてもよい。ここで、マルチレンズシート400は、シート上の基材401と、基材401上に所定の方向に並べられた複数の第1プリズム状構造体402(第1レンズ)と、第1プリズム状構造体402の上に所定の方向と直交する方向に並べられた複数の第2プリズム状構造体403(第2レンズ)を有する。ここで、第1プリズム状構造体402は、第2プリズム状構造体403の底面403aと接合される接合部410aを有する第1部材410(第1構造体)と、接合部材410よりも低い第2部材411(第2構造体)とを含む。このように、第1プリズム状構造体402は、第2部材411よりも高い第1部材410を有しており、第1部材410のみが第2レンズと接合する接合部410aを有している。そのため、マルチレンズシート400全体として、接合部分の面積を減らすことができる。接合部分を通って第1プリズム状構造体402から第2プリズム状構造体403へと抜ける光に対しては、第1プリズム状構造体402による集光作用がはたらかない。そのため、第1プリズム状構造体402による集光作用の効果を高めるためには、接合部分の面積を減らすことが望ましい。本変形例のように、第1プリズム状構造体402の一部の部材(第1部材)のみに接合部を設けることにより、第1プリズム状構造体402の全てに接合部を設ける場合に比べて接合部分の面積を減らすことができ、第1プリズム状構造体による集光作用を高めることができる。
なお、変形例6において、第1部材410、第2部材411はともに略同一形状であった。つまり、第2部材411が三角柱状の形状を有し、第1部材410も上部に平坦な接合部410aを有する略三角柱の形状を有している。ここで、必ずしも第1部材と第2部材が略同一形状である必要はない。例えば、第1部材が略三角柱状であって、第2部材が半円柱状であってもよい。さらには、第2部材第2プリズム状構造体を接合するために、第1プリズム状構造体の第1部材の高さは一定である必要があるが、その形状は同一である必要はなく、適宜設計しうる。また、第2部材の高さは第1部材の高さより低い必要があるが、その形状は同一である必要はなく、適宜設計しうる。また、第2プリズム状構造体などの第2レンズを安定に支持・固定しうる限りにおいて、第1プリズム状構造体における、接合部を有する第1部材の数及び配置は任意に設定しうる。また、第2プリズム状構造体も同一形状である必要はなく任意に設計しうる。さらに、第2プリズム状構造体と第1プリズム状構造体の配列方向は、必ずしも直交する必要はなく、任意にしうる。
また、上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜6のマルチレンズシートでは、第1光学調整層を構成する第1光学構造体及び第2光学調整層を構成する第2光学構造体をともに、周期的に(等ピッチで)配置した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、光学構造体を、ランダムピッチに配置しても良いし、複数の周期が混在するように配置しても良い。
上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜6のマルチレンズシートでは、各光学調整層を構成する複数の光学構造体の形状及び寸法を全て同じとした例を説明したが、本発明はこれに限定されない。異なる形状及び寸法を有する光学構造体を組み合わせて各光学調整層を構成しても良い。
上記実施例1〜4、並びに、変形例1〜6のマルチレンズシートでは、2つの光学調整層を備えるマルチレンズシートの例を説明したが、本発明はこれに限定されず、光学調整層を3層以上も設けても良い。このようなマルチレンズシートは、実施例1〜4の製造方法で説明した第2光学調整層の形成方法を繰り返すことにより作製することができる。
また、上記実施例1〜3、並びに、変形例1〜6のマルチレンズシートでは、基材を透明材料で形成した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、基材を半透明材料、すなわち、拡散シートで形成しても良い。この場合、バックライトユニット及び液晶表示装置内で別途拡散シートを設ける必要がなくなるので、バックライトユニット及び液晶表示装置を一層薄型化することができる。また、この場合、例えば、1枚のマルチレンズシートでプリズムシートと拡散シートの役割を果たすことになり、バックライトユニット及び液晶表示装置を構成するシートの枚数を減らすことができるので、透過光の散乱、吸収をさらに抑制することができ、光学性能を一層向上させることができる。
上記実施例1〜3では、本発明のマルチレンズ部材を光源が導光板の側部に配置されたサイドライト方式(エッジライト方式)の照明装置及び液晶表示装置に適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のマルチレンズ部材を、光源が導光板の液晶表示パネル側とは反対側に設けられた直下型の照明装置及び液晶表示装置に適用することも可能であり、その場合も上述した実施例1〜3の効果と同様の効果が得られる。
本発明のマルチレンズ部材では、第1レンズ群と第2レンズ群とを接合して形成した光学構造体が基材上に形成されているので、光学性能を向上させることができるとともに、マルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置の薄型化及び低コスト化を図ることができる。それゆえ、本発明のマルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置は様々な用途に好適なマルチレンズ部材、照明装置及び液晶表示装置である。
図1は、実施例1のバックライトユニット及び液晶表示装置の概略構成図である。 図2は、実施例1のマルチレンズシートの概略構成図であり、図2(A)は、斜視図であり、図2(B)は、図2(A)中のY方向から見た側面図であり、図2(C)は、図2(A)中のX方向から見た側面図である。 図3は、実施例1のマルチレンズシート内の空洞部の拡大断面図である。 図4は、実施例1で用いたマルチレンズシートの製造装置の概略構成図である。 図5は、実施例1のマルチレンズシートの製造方法の手順を示すフローチャートである。 図6は、実施例1で作製したマルチレンズシートの断面SEM画像である。 図7は、実施例1で作製したマルチレンズシートの上面SEM画像である。 図8は、実施例1及び比較例で構成したバックライトユニットで測定した輝度特性を示した図である。 図9は、実施例2で用いたマルチレンズシートの製造装置の概略構成図である。 図10は、実施例2のマルチレンズシートの製造方法の手順を示すフローチャートである。 図11は、実施例3のマルチレンズシートの製造方法の手順を示す図である。 図12は、実施例4のマルチレンズシートの概略構成図である。 図13(A)は、実施例4のマルチレンズシートの光学調整層の拡大断面図であり、図13(B)は、実施例1のマルチレンズシートの光学調整層のXIIIB−XIIIB線に沿った斜め断面を表す拡大断面図であり、図13(C)は、実施例4のマルチレンズシートの変形例の拡大断面図である。 図14は、実施例4のマルチレンズシートの効果を説明するための図であり、図14(A)は、側面にオーバーハング構造を有さない光学構造体における入射光の屈折の様子を表した図であり、図14(B)は、側面にオーバーハング構造を有する光学構造体における入射光の屈折の様子を表した図である。 図15は、変形例1のマルチレンズシートの概略構成図である。 図16は、変形例2のマルチレンズシートの概略構成図である。 図17は、変形例3のマルチレンズシートの概略構成図である。 図18は、変形例4のマルチレンズシートの概略構成図であり、図18(A)は斜視図であり、図18(B)は図18(A)中のXVIIIB−XVIIIB線断面図である。 図19は、従来のプリズムシートの概略構成図である。 図20は、変形例5のマルチレンズシートの概略構成図である。 図21は、変形例6のマルチレンズシートの概略構成図である。 図22は、従来の液晶表示装置及び照明装置の概略構成図である。
符号の説明
1 光源
2 導光板
3 反射シート
4 拡散シート
5 マルチレンズシート
5a 第1プリズム状構造体(第1レンズ)
5b 第2プリズム状構造体(第2レンズ)
5c 空洞部
6 保護シート(拡散シート)
7 液晶表示パネル
8 充填材
50 基材
51 第1光学調整層
52 第2光学調整層

Claims (17)

  1. マルチレンズ部材であって、
    光透過性を有する基材と、
    上記基材上に形成された複数の第1レンズと、
    上記複数の第1レンズ上に形成され且つ上記基材と対向する第1の面において上記複数の第1レンズに接合された複数の第2レンズとを備え、
    第2レンズの第1の面は、第1レンズとの接合部及び上記接合部から外側に張り出した張出部を有し、
    更に、第1レンズと第2レンズとにより画成された空洞を有する
    マルチレンズ部材。
  2. 第2レンズの張出部と、上記基材とのなす角度が180度以上である請求項1に記載のマルチレンズ部材。
  3. 第2レンズは、上記基材から第2レンズに向かう方向に先細る形状を有する請求項1または2に記載のマルチレンズ部材。
  4. 第2レンズの張出部は、上記基材と平行である請求項1〜3のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材。
  5. 第1レンズが第1の方向に延在した複数の第1線状部材を含み、第1線状部材が第1の方向と直交する方向に並べられている請求項1〜4のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材。
  6. 第2レンズが第2の方向に延在した複数の第2線状部材を含み、第2線状部材が第2の方向と直交する方向に並べられている請求項5に記載のマルチレンズ部材。
  7. 第1の方向と第2の方向が直交する請求項6に記載のマルチレンズ部材。
  8. 第1の方向と第2の方向が同じ方向である請求項6に記載のマルチレンズ部材。
  9. 第1レンズの第1の方向に直交する断面の形状が台形である請求項5〜8のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材。
  10. 第2レンズの第2の方向に直交する断面の形状が三角形である請求項9に記載のマルチレンズ部材。
  11. 隣り合う第2レンズが離れて設けられている請求項1〜10のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材。
  12. 第1レンズは、第2レンズと接合する接合部を有する第1構造体と、基板から第2レンズへ向かう方向の長さが第1構造体よりも短い第2構造体とを含む請求項1〜11のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材。
  13. 第1構造体と第2構造体が略同一形状である請求項12に記載のマルチレンズ部材。
  14. 照明装置であって、
    光源と、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材とを備えた照明装置。
  15. さらに、上記光源から出射された光を上記マルチレンズ部材に導くための導光板を備える請求項14に記載の照明装置。
  16. 液晶表示装置であって、
    光源と、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載のマルチレンズ部材と、
    液晶表示素子とを備えた液晶表示装置。
  17. さらに、上記光源から出射された光を上記マルチレンズ部材に導くための導光板を備える請求項16に記載の液晶表示装置。
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