JP2011145476A - 光学シート、面光源装置、及び透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学シート10は、シート状の本体部15の一方の面13上に、マイクロレンズ群を構成する複数の半球状の第1単位形状要素11が隙間を空けて配列され、この隙間の面上に柱状プリズム群を構成する複数の柱状の第2単位形状要素12が一方向に並列して配列している。しかも、シート状の本体部は、一方の面側、その面と反対側の他方の面14側、或いはこれら両側に、光拡散層16を備えている。この光学シートを光源の出光面上に載置して面光源装置とし、この面光源装置の出光面上に透過型表示板を載置して透過型表示装置とする。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献2では、集光シートに光拡散機能も付与する為に、各単位形状要素(プリズム体)に、単位形状要素から突出した曲面を設けている。そして、この集光シートを用いることによって、面光源装置に組み込まれる光学シートの枚数を減らしている。
また、面光源装置に組み込む前の段階でも、配列した半球状の第1単位形状要素と三角柱状の第2単位形状要素との相互作用によって、光学シート面に予期せぬ明暗模様が見えることが判明した。従って、これを組み込んだ面光源装置、ひいては、該面光源装置を組み込んだ透過型表示装置においても、前記予期せぬ明暗模様が、面内輝度均一性、画像品質に影響する。
シート状の本体部と、
前記本体部の一方の面上に配列され、マイクロレンズ群を構成する複数の半球状の第1単位形状要素と、
前記一方の面上の一方向を配列方向として並列して配列され、柱状プリズム群を構成する複数の柱状の第2単位形状要素と、を備え、
前記第1単位形状要素は、前記一方の面上に、隙間を空けて配列され、
前記第2単位形状要素は、前記一方の面上のうちの前記第1単位形状要素の隙間に配置されている光学シートであって、
前記本体部は一方の面側、一方の面の反対側の他方の面側、或いはこれら両側に、光拡散層を備えている、構成とした。
先ず、図1の光学シートの説明図、図2の光学シート、面光源装置及び透過型表示装置の断面図を参照して、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態による本発明の光学シート10を、図1(a)の斜視図と、図1(b)の用語の定義を説明する断面図を用いて説明する。図1に例示する光学シート10は、マイクロレンズ群を構成する多数の第1単位形状要素11が一方の面13に隙間を空けて配置され、第1単位形状要素11同士の間の隙間を埋め尽くす様に、柱状プリズム群を構成する多数の第2単位形状要素12が一方向に並列して配置されている。第2単位形状要素12が並列して配置(配列)される方向は一方向であり、この一方向である配列方向Pdはx軸方向、第2単位形状要素12の稜線の方向がy軸方向である。しかも、この光学シート10は光拡散層16を他方の面14側に有する。
また、複数の半球状の第1単位形状要素11の夫々は、直径100μmの半球に相当する形状で、底面の直径D(円形状の直径)は100μmで、本体部15からの突出高さである高さH1は50μmである。また、最も近接して隣り合う二つの第1単位形状要素11の配列ピッチP1は224μmとした。なお、この第1単位形状要素11の二次元配列の様式は、一つの第1単位形状要素11が、等間隔を空けて円周上に6回対称に配置された六つの第1単位形状要素11によって周囲から取り囲まれるようになっている。言い換えると、多数の第1単位形状要素11は、一方の面13上で、60°の角度で互いに対して傾斜した異なる三つの方向に、共通の一定の配列ピッチP1で、配列されている。つまり、多数の第1単位形状要素11は一方の面13上の第1方向に沿って一定の配列ピッチP1で配列されているとともに、第2方向、及び第3方向に沿っても同じ一定の配列ピッチP1で配列されており、該第1方向と該第2方向とが互い60°傾斜している。つまり、結晶に於ける2次元の六方最密充填構造から各単位形状要素を離間した配列に対応する。また、第1単位形状要素11の充填率は、17.4%であった。
従って、第1単位形状要素11は規則的に二次元配列されている。また、配列された多数の第1単位形状要素11は、一方の面13の全表面に対して全て同一形状、同一寸法である。
また、第2単位形状要素12は、主切断面における断面形状が、直角二等辺三角形の底辺を本体部側とする形状の、単位三角柱プリズムである。そして、この第2単位形状要素12の配列は、同一形状・同一寸法で稜線が直線の単位三角柱プリズムを、隣接する第2単位形状要素12の間の隙間に本体部15の一方の面13を露出させることなく密に隙間なく配置してある。この第2単位形状要素12の主切断面を含む配列方向Pdに於ける配列周期P2(隣接する頂部同士の間隔でもある)は50μm、高さH2は25μmである。
また、光拡散層16は、透明なポリエチレンテレフタレート樹脂シートの片面(一方の面13の反対面)に、光拡散剤粒子として粒径が5μmの単分散で屈折率nが1.49のアクリル樹脂ビーズを用い、この樹脂粒子とバインダ樹脂として屈折率が1.558の非晶性ポリエステル樹脂とを含む塗料を、ウェットでの塗布厚み4.0μmで塗布し、揮発溶剤分を乾燥させて固化させて、光拡散層16を形成した。光拡散層16の露出面は突起を有する凹凸面となっており、その凹凸面の突出高さの程度は十点平均粗さRz(JISB0601:1994年版)で2.3μmである。尚、一般に、光拡散層の表面(露出面)の凹凸の突出高さは、光拡散効果を初めとする所望の光学的効果を奏するためには、光源光スペクトルの最大波長0.78μmよりも大であることが求められる(特許第3518554号公報、特許第3606636号公報等参照)。
なお、本体部15はポリエチレンテレフタレート樹脂シートからなる本体部基材と光拡散層16とからなる。
そして、この本体部15の光拡散層16未形成の側で一方の面13が形成される側の面に、紫外線硬化性樹脂の層として第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12を成形付与したものが、光学シート10となる。
この光拡散層16によって、主としてマイクロレンズ群による光拡散性能が強化され、光源像をより目立たなくすることがでる、光源像の不可視化性能が増強する。
そして、この光学シート10を、下記する複数の線状の光源21と開口部以外の周囲を取り囲む反射板22の開口部上に載置された、出光面側が平滑面の光拡散板24の上に載置して、観察したところ、光源像が見える、所謂「管ムラ」は認められず、光源像の不可視化性能は満足できるものであり、光学シート10の光源側面での光学密着も生じなかった。また、予期せぬ明暗模様も生じなかった。
一方、光拡散層16を備えていない本体部15の場合(樹脂シートの本体部基材が主体)では、光源像の不可視化性能は劣り、光学シート10の光源側面での光学密着も生じ、予期せぬ明暗模様も生じた。
次に、図2を参照して、本実施形態による面光源装置について説明する。本実施形態による面光源装置20では、線状の冷陰極管からなる複数の光源21と、該光源21の光学シート10側以外の方向を取り囲み光学シート10の側に開口部(窓)を形成し前記光源21の背後及び四方側面を覆う箱状の反射板22と、該箱状の反射板22の開口部側を複数の光源21の仮想的な出光面23とし、この出光面23上に配置された光拡散板24と、光拡散板24の出光面上に、第2単位形状要素12のプリズム側を出光側とする向きで、且つ第2単位形状要素12の延在する方向を線状の光源21が延在する方向に平行にして配置された上記光学シート10と、を有する。
更に、同図に例示する面光源装置20では、光学シート10の出光側に配置された集光シート25と、集光シート25のさらに出光側に配置された偏光分離フィルム26と、を有している。なお、この面光源装置20は、直下型のバックライトユニットとして構成した例である。
この様な構成の面光源装置とすることで、光拡散性能が強化された光学シート10によって、光源像の不可視化性能が向上し、光源像を見えるのを防げる。本実施形態に於いては、光拡散板24は、厚さ2mmの板を用いた。但し、これに代えて、厚さ30〜100μmの範囲の物(通常、シート或いはフィルムと呼称される形態)を用いることも出来る。
集光シート25も、公知の部材で、入光側からの入射光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向輝度を集中的に向上させる。図2の形態の集光シート25は、主切断面の断面形状が底辺を入光側として頂点を出光側とする向きの底辺長50μmの直角二等辺三角形の三角柱を単位形状要素として、この単位形状要素の複数個をその長手方向(稜線方向)に直交する方向に隙間無く隣接配列したものである。なお、このような集光シート25としては、米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)を用いることができる。
偏光分離フィルム26は、公知の部材で、入射光の偏光状態に基づいて、入射光のうち特定の偏光成分を透過させるとともに、その他の偏光成分を反射して再び光源側へ戻す機能を有する。なお、この様な偏光分離フィルム26としては、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。
透過型表示装置30は、図2の様に、上記面光源装置20と、その出光面上に配置された透過型表示板31として液晶表示パネルを有し、透過型表示板31の背面側から面状に面光源装置20が照らす、構成である。従って、この透過型表示装置10は液晶表示装置となる。
なお、本実施形態においては、光学シート10のシート面、光拡散シート24及び集光シート25の各シート面、偏光分離フィルム26のフィルム面、面光源装置20の出光面23、および、透過型表示装置30の表示面は、全て互いに平行となっている。そして、これらの面をxy平面としてxy平面に垂直なz軸の正方向の正面方向に観察者Vが位置し、正面から透過型表示装置が観察される関係である。
この様な構成の透過型表示装置とすることで、光源像と、光学シート10自体による明暗模様とが、透過型表示装置が表示する表示に悪影響することがない。
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「正面方向」とは、光学シート10の「シート面」に対する法線ndの方向(図1参照)のうち、観察者V側(乃至は出光側)に向かう方向である。このとき、「シート面」を直交座標のxy平面としてxy平面に垂直なz軸の正負の方向のうち、観察者V側の方向が「正面方向」であり、またz軸正の方向が「観察者側」となる。
光学シート10、光拡散板24、集光シート25などに於いて、「出光側」の面を「出光面」、「入光側」の面を「入光面」と呼ぶ。
また、本体部15の第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12を有する「一方の面13」の側を「プリズム側」と呼び、その反対側の面を「他方の面14」と呼ぶ。また、光学シート10を、「プリズム側」を「出光側」とする向きで使用する場合は、「プリズム側」は「観察者側」となる。
また、本体部15の「一方の面13」は、第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12で隙間なく埋め尽くされたときは、面としては実在しない仮想的な面となる。
なお、光学シート10、光拡散板24、集光シート25の各「シート面」と、面光源装置20の「発光面」とは、図2など通常の場合は、全て平行な関係で設置される。
「主切断面」とは、第2単位形状要素12において、「シート面」乃至は「一方の面13」に立てた法線ndに平行な断面のうち、第2単位形状要素12の配列方向Pdにも平行な断面のことを言う。言い換えると、該法線ndに平行で且つ第2単位形状要素12の直線状の稜線に直交する断面である。また、特に第2単位形状要素12においては「主切断面」の形状を単に「断面形状」とも言う。
「配列方向Pd」は、第2単位形状要素12が並列して配列する方向である。「一方向」とは「配列方向Pd」が一つの方向であることを意味し、「配列方向Pd」と同じ方向である。
また、本明細書では「配列方向Pd」をx軸方向、第2単位形状要素12の延在方向である稜線の(走る)方向をy軸方向とする。
なお、「配列方向Pd」乃至は「一方向」とは、第2単位形状要素12の稜線が変調された直線で、うねりがあり曲線状であるときは、複数の第2単位形状要素12が全体として配列している一つの方向の事を指す。
「配列ピッチP1」とは、最も近接して隣り合う二つの第1単位形状要素11(の配置中心=底面に於ける底面形状の重心)の間の距離である。また、「配列ピッチP1」は一定でなく分布を有することもある。
「配列ピッチP2」とは、配列方向Pdに於ける隣接する二つの第2単位形状要素12の、主切断面に於ける断面形状の重心同士の間の配列方向Pdでの距離である。該断面形状が同一形状同一寸法の時は、配列方向Pdに於ける隣接する二つの第2単位形状要素12の頂部又は谷部同士の間の距離と等しい。「配列ピッチP2」は一定でなく分布を有することもある。その場合、前記頂部又は谷部同士の間の距離が、頂部同士、谷部同士、或いは頂部同士及び谷部同士で分布を持つことを意味する。また、隣接する二つの第2単位形状要素12間に一方の面13が露出しているときは、該露出している部分の距離も含めた距離となる。
「充填率」は%で表示され、本体部15の一方の面13の面のうちの、第1単位形状要素11によって覆われている領域の面積割合である。つまり、第1単位形状要素11が一方の面13に接続する部分の底面が占める面積割合である。なお、「底面」は「一方の面13」と同じ標高を有する面でもある。
また、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「円」、「楕円」、「平行」、「直交」等の用語は、厳密な意味に縛られることなく、製造技術における限界や成型時の誤差も含めて、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差乃至は均等範囲を含めて解釈するものである。
また、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
又、「半球状」の「半」とは、球或いは回転楕円体の正確に1/2である場合にのみ限定はされない。この「半」とは一部分と同義語として用いられる。ただ、好ましく又通常実用される形態は、通常1/2前後の場合が多い為、便宜上、この様に呼称する。具体的には、例えば、球或いは回転楕円体の、片側の1/2、1/3、1/4、1/5、2/3、3/5、2/7等の部分を切り取ったものを、求める光学特性に応じて、適宜選択する。
以下、光学シートを主体に、各層、各部材について更に詳述する。
本発明の光学シート10は、そのシート面の片方に、マイクロレンズ群を構成する複数の半球状の第1単位形状要素11と、この第一単位形状要素11同士の隙間に、柱状プリズム群を構成する複数の柱状の第2単位形状要素12とを有する。即ち、特許文献2の如く、三角柱プリズムの斜面上に半球状レンズを重畳させて突出させるのではなく、本発明に於いては、半球状レンズ群(第1単位形状要素)の余白部に柱状プリズム群(第2単位形状要素)が嵌め込まれ、本体部の一方の面13の全面は半球状レンズ群と柱状プリズム群とで相補的に被覆されていることを特徴とする。この様な構成よって、正面方向輝度と光拡散性とを両立させている。しかも、第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12と接する本体部15に光拡散層16が備わり、これにより、光源像の不可視化性能が強化され且つ光学シート自体による明暗模様の発生を防いでいる。
第1単位形状要素11は、多数の半球状の第1単位形状要素11によってマイクロレンズ群を構成する。本発明におけるマイクロレンズ群とは、フライアイレンズ乃至は蝿(ハエ)の目レンズとも呼ぶことができ、平面上の異なる二方向の夫々に、規則的な一定の間隔または非規則的(ランダム)な間隔で、配列された多数の単位レンズを有するレンズを意味する。
半球状の第1単位形状要素11の断面形状は、図2に例示した前記実施形態では、出光側に突出する円の一部分であった。第1単位形状要素11に於ける「半球状」という立体形状は、断面形状がこの様に、円の一部分の他、楕円の一部分でも良い。なお、断面形状が楕円の一部分に相当する場合、正面方向輝度を集中的に向上させるという観点から、当該断面楕円形状の長軸または短軸のいずれかが、光学シート10の法線ndと平行であることが好ましい。なお、断面形状が楕円の一部分である場合、すなちわ、立体形状で言えば、楕円球の一部分である場合、その短軸及び長軸の両方が、法線ndから傾斜していても良い。
半球状の第1単位形状要素11の横断面形状として、底面(本体部15に接続する面)での形状は、図1及び図2で例示した前記実施形態では、円形であり、立体形状でいうと光学シート10のシート面への法線ndを回転軸とする回転体であったが、これに限らない。第1単位形状要素11は、その底面が、例えば、楕円、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形形状などでも良い。
また、複数個配置された第1単位形状要素11の夫々の形状及び寸法は、両者が全て同一でなくても良い。例えば、突出高さH1、直径D、断面形状、横断面形状、底面形状等の少なくとも一つが互いに他と異なっていても良い。
第1単位形状要素11を一方の面13に二次元的に配列する様式は、前記実施形態例の様な、2次元の六方最密充填から各単位形状要素を離間した配列様式以外で配置されていても良い。例えば、正方格子状の配列様式(直交する二方向に一定の配列ピッチP1で並べて配置)されていても良い。また、その他の多角形格子状であっても良い。
また、これらは配列ピッチP1が一定である規則的配列であるが、配列ピッチP1が一定でなくランダムに配置する配列でも良い。ランダムな配列には、上記の様な規則的配列に対して変調した配列の他、最初から乱数的にランダムに配列したものでも良い。
ランダム配列の一例を挙げれば、先ず、例えば前記実施形態のようにして、隣り合う二つの第1単位形状要素11の間の間隔W1が一定となるよう、多数の第1単位形状要素11について、基準となる仮の配置位置を規則的に決定する。次に、隣り合う二つの第1単位形状要素11が重ならない範囲で、一例として、基準となる仮の配置位置に第1単位形状要素11を配列した場合における隣り合う二つの第1単位形状要素11の間の間隔W1の半分以下の種々長さで、各第1単位形状要素11を基準となる仮の配置位置からそれぞれ乱数によって変移させて本体部15の一方の面13上に位置決めする。
第1単位形状要素11の寸法及び配置の具体例を更に挙げれば、底面の直径Dは5〜200μm、突出高さH1は2.5〜100μm、配列ピッチP1は10〜1700μm、とすることができる{図1(b)参照}。
なお、底面の直径Dは、底面が円形の場合はxy平面上のどの方向でも一定で底面の円形の直径に相当する。底面が円形でない場合は、底面形状の重心からの底面形状の周上までの平均距離で捉えることができる。また、突出高さH1は、シート面13に対する標高である。また、配列ピッチP1は、最も接近して隣接する第1単位形状要素11同士の間の距離であり(間隙の幅(Sa)ではない)、それらの配置中心同士の間の距離である。なお、配置中心は、一つの第1単位形状要素11について、その立体形状乃至は底面形状に於ける重心である。
なお、配列ピッチP1と底面形状に於ける直径Dとの差(=P1−D)の「平均最小間隙Sa」は、最も隣接する第1単位形状要素11同士の間のギャップ(間隙)のシート面13に於ける平均値である。
なお、多数の第1単位形状要素11からなるマイクロレンズ群は、シート面13のxy平面のx方向及びy方向に等方的に配置され、且つ第1単位形状要素11の立体形状が、球の一部に相当する形状など、x方向及びy方向に等方的な形状であるときは、多数の第1単位形状要素11からなるマイクロレンズ群は、光学シート10のシート面に立てた法線ndを含む任意の面内において、光の進行方向を等方的に変化させることができる。
第2単位形状要素12は、柱状形状をした単位柱状プリズムであり、第1単位形状要素11が多数配列した一方の面13の隙間の面に、配列方向Pdに向かって一方向に並列して配列させた第2単位形状要素12が柱状プリズム群を構成する。
先ず、単位柱状プリズムに相当する第2単位形状要素12の主切断面に於ける断面形状は、代表的には三角柱プリズムに対応して、底辺を本体部15の一方の面13側とする三角形状であり、それも前記実施形態の様に直角二等辺三角形である。なお、一方の面13に沿った平面形状(法線ndの方向から見た形状)は、通常の三角柱プリズムの場合では直線状(長方形状)である。また、主切断面での断面形状が二等辺三角形状でプリズム側を出光側とする使用法とする場合は、正面方向輝度を集中的に向上させる観点から、等辺の間に位置すると共に出光側に突出する頂角の角度θは80〜120°が好ましく、90°がさらに好ましい。
この他、該断面形状としては、例えば、三角形を変形させた形状でもよい。変形例としては、三角形の頂点両側の両斜辺の片方又は両方を、外側又は内側に折れ曲げたり、外側又は内側に湾曲させたりした形状、三角形の頂点近傍を湾曲させて丸みを帯びさせた形状、三角形のいずれか一以上の辺に微小凹凸を付与した形状などである。また、三角形以外に、例えば、台形等の四角形、五角形、或は六角形等の種々の多角形形状、或いは、円または楕円の一部分に相当する形状としても良い。
尚、三角柱とした第2単位形状要素12の主切断面である三角形の頂点(近傍)に丸み帯びさせる形態の目的は、該丸みにより光拡散の強化(その分、正面方向輝度は落ちるが)、及び頂点の力学的強度の向上(頂部の欠損、傷付きの防止)の効果を発現させることにある。この様な頂点の丸みによる効果を十分有効に発現させる為には、該丸みの曲率半径は、2μm以上、より好ましくは、5μm以上とする。
一方、三角柱固有の集光機能(正面方向輝度向上)を十分享受する場合には、該頂点は、実質上、丸みを帯び無い形態を採用する。ここで実質上頂部が丸みを帯びないとは、第2単位形状要素12の主切断面である三角形の頂点の該曲率半径が2μm未満、より好ましくは、1μm以下である。但し、該頂点の曲率半径が光源光スペクトルの最低波長未満になれば、実質上、該丸みによる幾何光学的な効果は無視し得る。可視光線の最低波長は0.38μmである為、該頂点の曲率半径が0.1〜0.3μm程度になれば、該頂点の曲率半径は幾何学的に0μmになったと見做すことが可能であり、あえてこれ以下に曲率半径を加工する必要はない。
しかも、この第2単位形状要素12を一方の面13に配列する平面配置は、配列ピッチP2が規則的で均一であっても良く、また不規則的であっても良い。
なお、配列方向Pdで隣接する第2単位形状要素12同士の間に隙間が存在すると、その隙間部分では光学シート10に入射した光が素通りして出射する「素抜け」が発生する。この「素抜け」を生じさせいない観点から、第2単位形状要素12は隙間なく配列するのが好ましい。但し、該隙間の存在によって、素抜け等の光学特性上の支障が生じない範囲に於いて、隣接する第2単位形状要素12が隙間を空けて配置され、従って、第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12の両方が配置されていない領域が、本体部15の一方の面13上に設けてもよい。
第2単位形状要素12の寸法及び配置の具体例を更に挙げれば、配列ピッチP2は1μm〜200μmに、一方、突出高さH2は0.5〜100μmにすることができる。
なお、もちろんであるが、 第2単位形状要素12は単位柱状プリズムであるので、その集光性能は主切断面方向すなわち配列方向Pdにおいて強く、それと直交する稜線方向では弱く、光学的集光性能に異方性を有する。従って、光学シート10を面光源装置20に組み込んだときに、該面光源装置20を用いた透過型表示装置30の液晶ディスプレイ等のディスプレイ画面の鉛直方向と水平方向で共に第2単位形状要素12による集光機能を期待する場合には、2枚の光学シート10を、夫々の第2単位形状要素12の配列方向Pdを互いに直交させる等、交差させて重ねて配置すると良い。
更に、第1単位形状要素11と第2単位形状要素12との関係に於いて、考慮すると好ましい結果が得られる事項について説明する。
第2単位形状要素12の突出高さH2は第1単位形状要素11の突出高さH1よりも低く(H1>H2)することが、両単位形状要素と隣接面との接触時の耐擦傷性向上の面で好適である。即ち、第2単位形状要素12は、一般に第1単位形状要素11に比べて頂部が先鋭である(図1参照)。その為、第2単位形状要素12は第1単位形状要素11に比べて頂部近傍が傷付き易い。
その為、第2単位形状要素12の突出高さH2を第1単位形状要素11の突出高さH1よりも低くすると、光学シート10の両単位形状要素11、12形成面と透過型表示板31、他のプリズム(乃至レンズ)配列シート、光拡散板24、或いは偏光分離フィルム26等の他の光学シートとが隣接して配置され、両者間が擦れ合った際に、より傷付き易い第2単位形状要素12が隣接する他の光学シートとの接触及び/又は摩擦を防止する。この為、第2単位形状要素12の耐擦傷性は向上する。一方、その代わり、第1単位形状要素11は隣接する他の光学シートとの接触及び/又は摩擦を一手に引き受けることになる。但し、第1単位形状要素11は図1の如く、頂部近傍(は勿論それ以外の表面も)球面、回転楕円体面乃至これに類する滑らかな曲面である。その為、隣接する他の光学シートと接触し摩擦を生じても、第2単位形状要素12に比べて傷付き難い。故に、光学シート10の両単位形状要素全体を総合して評価したときに、耐擦傷性は、第2単位形状要素12の突出高さH2が第1単位形状要素11の突出高さH1と同等以上(H1≦H2)の場合に比べて、向上する。
一方、第2単位形状要素12の突出高さH2を第1単位形状要素11の突出高さH1の1/10未満とすると、今度は、成形型の型面上で、第1単位形状要素11に対応する凹部に気泡が残留して光学欠陥となるのを、該凹部に接続し第2単位形状要素12に対応する溝が、(溝の延在方向に両単位形状要素11、12となる樹脂材料を充填していくことで)気泡の排出を促進して残留気泡による光学欠陥を防ぐ作用が低下する。これらを総合すると、突出高さH2は突出高さH1の1/10〜9/10がより好ましい。
本体部15の一方の面13のうちの、第1単位形状要素11によって被覆されている領域の面積割合、つまり被覆面積割合を「充填率」(%)としたときに、該充填率は、0.1〜20%とするのが好ましい。なお、「充填率」は、一方の面13の面内に於ける第1単位形状要素11の底面の面積の割合でもある。
これは、第1単位形状要素11は半球状であるので、その頂部が第2単位形状要素12の頂部よりも相対的に耐擦傷性が高いとは言え、接触摩擦時の傷付きは皆無ではないので、突出高さH1>突出高さH2の条件下で、傷付きを一手に受ける第1単位形状要素11自体の個数を減らすことによって、第1単位形状要素11の傷付きの影響自体を最小化することが好ましいからである。なお、充填率を0.1〜20%とする形態に於いては、必然的に、光学シート10全体の光学特性に占める第1単位形状要素11自体の光学特性の寄与率も低下し、第2単位形状要素12のみの光学特性に近付く。
「平均最小間隙Sa」とは、一方の面13の面上で、任意に選択したある一つの第1単位形状要素11に最も近接する他の一つの第1単位形状要素11と、の間の間隙(スペース)の平均値のことをいう。つまり、直径D及び配列ピッチP1が一定の場合、「平均最小間隙Sa」は、任意の第1単位形状要素11に最も近接する他の第1単位形状要素11とを結ぶ方向に於ける配列ピッチP1と、第1単位形状要素11の直径Dとの差(=P1−D)である{図1(b)参照}。そして、平均最小間隙Saと、第2単位形状要素12の配列ピッチP2と、を調節することにより、正面方向輝度の向上および面内輝度均一化(光源像の不可視化)の性能向上を同時に実現できる。具体的には、平均最小間隙Saを、配列ピッチP2以上、より好ましくは、配列ピッチP2の2倍以上とするのが好ましい。ただ、平均最小間隙Saが非常に大きくなると、第1単位形状要素11の光学機能が低下してしまう。そして、一般的なマイクロレンズ群を構成する単位形状要素の寸法や柱状プリズム群の寸法等も考慮すると、平均最小間隙Saは配列ピッチP2の10倍以下が好ましい。
そして、平均最小間隙Saと配列ピッチP2との関係が上記範囲を満たす場合には、必ず、第2単位形状要素12の配列方向Pdに沿って隣り合う二つの第1単位形状要素11の間に、少なくとも一つの第2単位形状要素12が存在するようになる。従って、第2単位形状要素12が、有効にその光学的機能を発揮し得るようにして第1単位形状要素11の間に配置される。
また、本光学シート10では、一方の面13上の第1単位形状要素11同士の隙間には、第2単位形状要素12が配置されている。一方、従来のマイクロレンズ群のみの光学シートの多くでは、製造上の問題から必然的に、隣接する第1単位形状要素11間に隙間が形成され、該隙間の領域は平坦面となっていた。この為、該平坦面に入射した光源光は直進し、光源像が目視されやすくなる、といった不都合が生じていたと推測される。しかし、本光学シート10は、第1単位形状要素11同士の間に向かう光は、そこに存在する第2単位形状要素12の光学作用を受けるため、光が素通りする「素抜け」を防げる。さらに、一方の面13の全領域を第1単位形状要素11と第2単位形状要素12とで全て覆い尽くせば、「素抜け」を完全に防げ、面光源装置20ひいては透過型表示装置30の光学特性をさらに向上できる。
第1単位形状要素11は、光の進行方向の正面方向に対する角度を比較的に広い角度範囲内に絞り込むとともに、当該絞り込まれた角度範囲内における輝度分布を滑らかに変化させるようにできる。一方、第2単位形状要素12は、正面方向を中心とする比較的に狭い角度範囲内に、光の進行方向の正面方向に対する角度を絞り込むことができる。すなわち、第2単位形状要素12は、その構成が適宜設計されることにより、極めて優れた集光機能を発揮し得るようになる。つまり、第2単位形状要素12は、第1単位形状要素11と比較して、より強い集光機能を発揮でき、第1単位形状要素11は、第2単位形状要素12と比較して、より強い光拡散機能を発揮できる。
そして、本光学シート10は、第1単位形状要素11と第2単位形状要素12とが互い異なる光学特性を有する形状要素として形成してあるので、第1単位形状要素11と第2単位形状要素12の構成を適宜設計し、一方の面13において第1単位形状要素11の領域と第2単位形状要素12の領域の範囲を適宜調節すること等によって、所望の光学特性を得ることができる。
光拡散層16は、本体部15の一構成要素であり、本体部15の一方の面13側の表面{図3(a)参照}、他方の面14の表面{図3(b)参照}、或いはこれら両方の面に接して{図3(c)参照}、形成された層である。光拡散層16は、上記した第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12の光学的作用とは独立に、該光拡散層16に入射した入射光をより拡散した拡散光として出射する光拡散機能を有する。光拡散機能とは、輝度の角度分布の半値幅θで評価した場合に、入射光よりも出射光の方が半値幅θが大(広い)となる機能である。
しかし、光拡散層16が、他方の面14側の表面、つまり他方の面14を構成する層として形成された場合は、他方の面14は、他の層を密着積層しない限りは、大気に露出した表面となる。従って、少なくとも、こちらの他方の面14に光拡散層16を備えている構成の本体部15とするときは、光学シート10を、他の光学部材、例えば、光拡散板24、集光シート25、偏光分離フィルム26、或いはエッジライト型面光源装置の導光板等が隣接配置された時に、光学密着が起こり得る面となる。
また、光拡散層16としては、例えば、a)層の内部が光拡散性を有する形態、b)層の表面(隣接層との界面も含む)が光拡散性を有する形態、或いはc)としてa)でもあり且つb)でもある両方の形態を有する形態ある。
b)の形態の光拡散層16は、熱プレスによるエンボス加工、サンドブラスト加工、或いは、第1単位形状要素11及び第2単位形状要素12の形成と同様に、電離放射線硬化性樹脂を成形型で賦形する賦形法等によって凹凸面を表面に成形した形態が代表的である。また、この凹凸面は、通常、本体部15から遠い方の光拡散層16の表面に形成される。
c)の形態の光拡散層16は、a)と同様に基部と基部中に分散された光拡散剤とを有するが、更に該光拡散剤を表面に突出させて突起を表面に形成した層として構成することができる。通常、この形態は、基部に相当するバインダと光拡散剤を含む塗料などの組成物を塗工などして形成する。また、この場合、層内部の光拡散剤は光反射機能を有することによって、あるいは、光拡散剤が基部とは異なる屈折率を有することによって、層内部にも光拡散機能を付与できる。また、表面に突起を有する凹凸面は、通常、本体部15から遠い方の光拡散層16の表面に形成される。
本光学シート10の製造法は特に限定されるものではなく、公知の各種成形法を利用して、レンズ乃至はプリズム形状の単位要素を有するものを製造できる。これは、本光学シート10は、本体部15と第1単位形状要素11との間の界面(一方の面13)、及び、本体部15と第2単位形状要素12との間の界面(一方の面13)において、透過光に対して積極的に光学的作用を発現させる必要はないからである。
a)円筒状の成形型(型ロール)の型面に未硬化では液状の電離放射線硬化性樹脂を塗布後、塗布面に樹脂シートを押し付けた後、型面上で樹脂を硬化させ、その後樹脂シートを剥がして該硬化性樹脂面に賦型する賦型法、
b)円筒状の成形型(ロール型)と押圧ロール間にTダイ等から押し出した溶融樹脂を供給して該成形型面で樹脂を冷却固化することによって、成形する溶融押出成形法、
c)射出成形法、
d)加熱された成形型と金属板や金属ロール間に樹脂を挟んで加熱加圧し、冷却固化後離型する熱プレス法、
e)成形型に樹脂を積層後、成形型を剥がして樹脂面に型面の形状を転写する転写法。
なお、成形型はシート型や射出成形型よりも円筒状の成形型(型ロール)用いる方が生産性、コストの点で有利であり、更に、下記の様にすることで、凹陥部の欠点発生も無く安定して製造でき、予期した光学的機能を発揮できる利点もある。
成形型の型面には、光学シート10の第1単位形状要素11に対応する形状で逆凹凸の凹部と、第2単位形状要素12に対応する形状で逆凹凸の溝と、が形成しておく。溝は、型面の円周方向に平行に延びているか、或いは、型面の円周方向に対して斜めに延びている。更に、斜めに延びている場合は、ネジの様に螺旋状に延びている様にするのが成形型を製造し易い。前記凹部は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用したエッチングにより、型面上の所望の位置に形成することができる。その後、例えば、切削バイトを用いた切削加工により、凹部形成済みの型面上に、凹部を横切るようにして延びる溝を形成することができる。
この様に、型面に螺旋状に溝を形成する場合、溝は、成形型の円周方向に対して概ね平行方向(平行方向に対して0°±1×10-2°程度)に延びていて、これは実質的に平行であると言える。
また、第2単位形状要素12の稜線方向が、円筒状の成形型の円周方向、つまり連続的に成形する成形装置の樹脂シートの搬送方向である機械方向に沿う様にして成形することによって、樹脂材料の凹部及び溝への充填と気泡の脱出を効果的に促進して、光学シート10への気泡の混入、及び、光学シート10の表面への穴の発生を、効果的に抑制することができる。
なお、樹脂シートと樹脂材料とを用いる、前記a)賦型法などの方法によれば、樹脂材料を成形型と樹脂シートとの間の全面に介在させることで、樹脂シートは成形型の型面に接触していない状態で、樹脂材料を硬化させて光学シートを製造することもできる。この結果、作製された光学シートの本体部15は、樹脂シートとシート状に硬化した樹脂材料とから構成されるようになる。また、樹脂シートが成形型の型面に接触している状態で、樹脂材料を硬化させて光学シートを製造することもでき、こちらの場合は、作製された光学シートの本体部15は、樹脂シートから構成されるようになる。なお、谷部の標高が種々あるときは、最も標高が低い谷部は成形型の型面に接触し谷部が一方の面13と同一標高となり、それよりも標高が高い谷部は型面に接触せず、標高の高い部分の谷部の本体部15側で硬化した樹脂材料部分は本体部15に属さないことになる。
従って、一方の面13とは、後者の場合は樹脂シートの表面となり、前者の場合は、硬化した樹脂材料の内部の仮想的な面となる。
なお、樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂等の透明な樹脂シートを用いることができる。
本光学シート10は、上記した実施形態・構成以外に、例えば下記の様に、更にその他構成を加えた形態としても良い。
又、上記の実施形態に於いては、第1単位形状要素11、第2単位形状要素12、本体部15、及び光拡散層16の各構成材料は樹脂(有機高分子)を用いたが、これに代えて、上記各構成要素(11、12、13、15、16)の一部又は全部を、透明な無機材料で構成しても良い。この様な無機材料としては、例えば、ソーダ硝子等の硝子、石英、蛍石、ダイヤモンド(金剛石)等が挙げられる。
又、光源側の入射面上に、直下の層よりも相対的に低屈折率の低屈折率層からなる反射防止層を形成しても良い。この様な構成によって、光学シートへの入射光の反射損失を低減することが出来る。
面光源装置20は、例えば図2で例示の様に、上記光学シート10を光源21による出光面23上に載置した構成であり、該光学シート10以外の部材、及び、配置構成については、公知の面光源装置の各種部材及び配置を、適宜採用することができる。なお、光学シート10は、そのプリズム側を出光面側として観察者V側に向ける配置の他、光学シート10のプリズム側を光源側に向け、本体部15の他方の面14側を出光面側として観察者V側に向ける、所謂、プリズム逆向き配置の形態を採用することも出来る。該プリズム逆向き配置の場合、第2単位形状要素12の最適設計は、図2の配置の場合とは一部異なる。具体的には、3角柱の第2単位形状要素12の場合、主切断面の頂角は40〜70度程度となる。又、該プリズム逆向き配置を特にエッジライト型面光源装置用光源の導光板上に載置する場合には、導光板の側端面からの距離に応じて、導光板からの出射光の出射角が変化する。この様な導光板出射光を、全面に亙って、出光面の法線方向に輝度のピークを持つ様に光線の向きを揃える為には、特許第3688036号公報等に開示の如く、頂角自体は全面に亙って同一でも、各単位形状要素の斜面(その主切断面の三角形の辺)を本体部15の他方の面14の法線に対して適宜傾斜させることが好ましい(この結果、本体部15の他方の面14の法線に対して主切断面の三角形は非対称の不等辺三角形となる)。
また、光学シート10は一枚の配置の他、2枚など複数枚を重ねて配置してもよい。
光源21は、線状の冷陰極管等の蛍光灯の他、点状のLED(発光ダイオード)、或いは面状のEL(電場発光体)、平板状の導光板の側面に蛍光灯、LED等を配置し、該導光板の広い面側全面から出光させる光源(エッジライト型面光源装置用の光源)等でも良い。
また、反射板22は、光源21からの光を光学シート10側へ向ける部材で、少なくとも内側表面は例えば金属等の高反射率の材料で構成してある。
その他、光拡散板24、集光シート25、偏光分離フィルム26など、図2の様に配置しても良いが、配置を変更しても良く、これらは適宜省略しても良い。また、これら部材も公知のものを適宜採用できる。更に、その他の部材を追加しても良い。
なお、多数の第1単位形状要素11からなるマイクロレンズ群の光学特性がシート面内において等方性であるとき、光学シート10は、光源21の配列方向を考慮することなく光源21上に配置しても、第1単位形状要素11による集光機能及び光拡散機能が同じ様に発揮される。
本発明による透過型表示装置30は、図2に例示の様に、上記の面光源装置20の出光面上に透過型表示板31を載置した、構成とする。前記光学シート10を必須部材とする上記面光源装置20以外の部材、及び配置構成は、従来公知の透過型表示装置の各種部材及び配置を適宜採用することができる。
11 第1単位形状要素
12 第2単位形状要素
13 一方の面
14 他方の面
15 本体部
16 光拡散層
20 面光源装置
21 光源
22 反射板
23 (仮想的な)出光面
24 光拡散板(乃至は光拡散シート)
25 集光シート
26 偏光分離フィルム
30 透過型表示装置
31 透過型表示板
D 底面の直径(第1単位形状要素)
H1 突出高さ(第1単位形状要素)
H2 突出高さ(第2単位形状要素)
nd 法線(方向)
P1 配列ピッチ(第1単位形状要素)
P2 配列ピッチ(第2単位形状要素)
Pd 配列方向(第2単位形状要素)
Sa 平均最小間隙
Claims (3)
- シート状の本体部と、
前記本体部の一方の面上に配列され、マイクロレンズ群を構成する複数の半球状の第1単位形状要素と、
前記一方の面上の一方向を配列方向として並列して配列され、柱状プリズム群を構成する複数の柱状の第2単位形状要素と、を備え、
前記第1単位形状要素は、前記一方の面上に、隙間を空けて配列され、
前記第2単位形状要素は、前記一方の面上のうちの前記第1単位形状要素の隙間に配置されている光学シートであって、
前記本体部は一方の面側、一方の面の反対側の他方の面側、或いはこれら両側に、光拡散層を備えている、光学シート。 - 請求項1記載の光学シートを光源の出光面上に載置した、面光源装置。
- 請求項2記載の面光源装置の出光面上に透過型表示板を載置した、透過型表示装置。
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