JP2011102848A - 光学シート、バックライト・ユニット及びディスプレイ装置 - Google Patents

光学シート、バックライト・ユニット及びディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高輝度でサイドローブやモアレ干渉縞を生じない光学シートと、これらに加えて視野範囲を制御可能なディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】レンズシート8は、シート状の基材10の出射面に略半球状のマイクロレンズ12を分散して設ける。マイクロレンズ12の隙間に一方向に沿って延在する三角形状のプリズムレンズ11を互いに平行に配列させて第1レンズアレイを形成する。プリズムレンズ11の高さH1とマイクロレンズ12の高さH2の比H1/H2は1より小さい。マイクロレンズ12のピッチP2とプリズムレンズ11のピッチの比P2/P1が1<P2/P1<7である。このレンズシート8を備えたディスプレイ装置1において、レンズシート8の第1レンズ11のレンズ軸と画像表示素子3における偏光板14の透過軸とを直交するように配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明光路制御に用いられて光を集光及び/または拡散する集光拡散シートやレンズシート等を含む光学シートに関するものであり、更にこの光学シートを用いて液晶パネル等の画像表示素子を背面側から照明するバックライト・ユニット、そしてこのバックライト・ユニットを備えたディスプレイ装置に関する。
最近の大型液晶テレビやフラットディスプレイパネル等の液晶ディスプレイ装置においては、複数本の冷陰極管やLED(Light Emitting Diode)を光源として配置した直下型方式のバックライト・ユニットが採用されている。そして、液晶パネル等の画像表示素子と光源との間に光散乱性の強い拡散板が用いられ、光源としての冷陰極管やLEDなどが視認されないようにしている。
拡散板は、光拡散効果により光を全方位に拡散するため、光の拡散によって液晶ディスプレイ装置の透過画像を暗くする。また、拡散板は光散乱性を高めると共に拡散板の上に配設された光学シートを支持するために通常1〜5mm程度の板厚を必要とするから、拡散板に入射する光は少なからず吸収され、液晶ディスプレイ装置の透過画面が暗くなる。
従来、直下型方式バックライトに使用される拡散板は、光源である冷陰極管から出射される光を拡散させ、輝度ムラ(ランプイメージ)を低減させるようにしている。従って、通常、拡散板の上には観察者方向の輝度を向上させるために、単一または複数の光学フィルムが配置される。
液晶表示画面の輝度を向上させる手段として、米国3M社の登録商標である輝度向上フィルム「BEF」(Brightness Enhancement Film)がレンズシートとして広く使用されている。
図17乃至図19は下記特許文献1、2に記載された輝度向上フィルムを示すものである。図17に示す液晶ディスプレイ装置100は、概略で光源101と、光源101から出射した光を入射させる輝度向上フィルム102と、液晶パネル103とが配設されている。図18に示すように、輝度向上フィルム102は透明基材104上に断面三角形状の単位プリズム105が一方向に複数配列されてなる光学フィルムである。この単位プリズム105は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)に構成されている。
輝度向上フィルム102は“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を観察者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”させることができる。すなわち輝度向上フィルム102は、液晶ディスプレイ装置100の使用時(観察時)に、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させることができる。ここで言う「軸上」とは、図17において観察者の視野方向Fに一致する方向であり、一般的には液晶パネル103のディスプレイ画面に対する法線方向側である。
輝度向上フィルム102に代表されるレンズシートを用いる際に、透明基材上に拡散フィラーが塗布されていて拡散と集光の両方の機能を持つ拡散フィルムを、拡散板とレンズシートとの間に配置することによって、拡散板から出射される拡散光を効率よく集光することができる。しかも、この輝度向上フィルムは拡散板だけでは消しきれない光源の視認性(ランプイメージ)を抑えることができる。
さらにまた、特許文献2に記載されたディスプレイ装置では、プリズムを一方向に配列したレンズシートと液晶パネルとの間に光拡散フィルムを配置すると共に、レンズシートの光入射面に透明な凸状ドットを形成したことで、輝度を増強できるとともに規則的に配列されたプリズムレンズと液晶画素との間に生じるモアレ干渉縞を防ぐことができる。
上述した輝度向上フィルム102に代表されるレンズシートはプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材を構成しており、このレンズシートを光源と液晶パネルとの間に配設したディスプレイ装置として、下記特許文献1及び2に例示されるように多数のものが知られている。輝度向上フィルム102の採用により、ディスプレイ装置の電力消費を低減させつつ所望の軸上輝度を達成することができるようになった。
輝度向上フィルム102を輝度制御部材として用いた光学シートでは、光源からの光が屈折作用によって最終的には制御された角度で出射面から出射されることによって、観察者の視覚方向の光の強度を高めるように制御することができる。
一方で、最近では特許文献3に示すような、マイクロレンズシートの採用が増え始めている。特許文献3で示されるマイクロレンズシートは、透明基材上に略半球状のマイクロレンズが不規則的に配置された光学シートであり、上述のように輝度向上フィルム102のようなプリズムシートで生じるサイドローブ、モアレ干渉縞といった問題が生じない。その視覚特性は表面拡散シートの視覚特性に近く、表面拡散シートよりも正面輝度が高い。
特開平6−102506号公報 特表平10−506500号公報 特開2006−301582号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたような輝度向上フィルム102を用いた場合には、同時に反射/屈折作用による光成分が、観察者の視覚方向Fに進むことなく光路から外れた方向に無駄に出射されてしまう場合がある。図19に示す観察者の視野方向に対する角度における光強度分布図において、破線Bは輝度向上フィルム105の光強度分布を示すものである。この場合、視野方向Fに対する角度0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高いが、視野方向Fに対する角度±90°近辺には小さな光強度ピーク(サイドローブ)が発生する。このサイドローブは視野方向の光路から外れて横方向に無駄に出射される。この様なサイドローブの光強度ピークを有する輝度分布は望ましくはなく、角度±90°近辺での光強度ピークのない実線Aで示すような滑らかな輝度分布を得られることが望ましい。
また、軸上輝度のみが過度に向上すると、輝度分布の曲線のピーク幅が著しく狭くなり、視域が極端に限定されるため、ピーク幅を適度に拡げるために、また周期構造であるプリズムと画素との間に生じるモアレ干渉縞を消すために、上述のようにプリズムシートとは別部材の光拡散フィルムを新たに併用する必要があり、部材数の増加を伴ってしまうという問題がある。
また、特許文献3に記載されたようなマイクロレンズシートは、プリズムシートに比べると輝度が低いため、高輝度が求められるバックライト・ユニットやディスプレイ装置に使用することは難しかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、入射光を効率的に集光することで出射光の輝度を向上させ、しかもサイドローブ及びモアレ干渉縞がほとんど生じないようにした光学シートと、この光学シートを備えたバックライト・ユニット及びディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明による光学シートは、シート状の基材と、基材の一方の面に一方向に沿って延在する集光機能の高い複数の第1レンズが互いに平行に配列されてなる第1レンズアレイと、第1レンズより高さが高く偏光依存性が小さい複数の第2レンズが配設されてなる第2レンズアレイとを備えており、第1レンズと前記第2レンズは互いに射出光成分が異なることを特徴とする。
本発明による光学シートによれば、基材の一方の面に第1レンズアレイと第2レンズアレイが設けられているから、第1レンズによって高い輝度を確保すると共に、第2レンズによってほぼ等方的な集光機能を発揮することでサイドローブとモアレ干渉縞を抑制して入射光に集光と拡散機能に優れた光学特性を賦与して出射させることができる。
また、第1レンズの断面形状が、三角形プリズム形状であることを特徴とする。
第1レンズが三角形プリズム形状を有することで入射光の集光機能を高めて輝度を向上できる。
また、第1レンズの三角形プリズムの頂角(θ1)が70度〜110度の範囲で設定されていることが好ましい。
第1レンズの頂角(θ1)を70度〜110度の範囲に設定することで、第1レンズの相対輝度をピーク値に対して90%以上の範囲に保持することができて高い輝度を確保できる。
また、第2レンズは略球面形状をなすマイクロレンズであることを特徴とする。
第2レンズがマイクロレンズ形状を有することで、光を等方的に集光・散乱させると共に光学特性の偏光依存性を解消することができる。そのため、サイドローブやモアレ干渉縞を抑制した光学特性を賦与できる。第2レンズは規則的にまたはランダムに配設することができる。
第2レンズは、その直径(P2)に対する高さ(H2)のアスペクト比(H2/P2)が30%〜100%の範囲で設定されていることが好ましい。
第2レンズの直径と高さのアスペクト比を30〜100%の範囲に設定することで、相対輝度をピーク値に対して90%以上の範囲に保持することができて高い輝度を確保できる。
また、基材の一方の面における第2レンズの占有率(S)が、平面視で10%〜80%の範囲に設定されていることが好ましい。
基材に対する第2レンズの面積率(S)を10%〜80%の範囲の設定したことで第1レンズより輝度の低い第2レンズの相対輝度をバランス良く確保できる。しかも、垂直方向半値角と水平方向半値角のバランスをとって各視野範囲を確保すると共に、第2レンズ同士の重なりを防いで、比較的高さの低い第1レンズの擦過を抑制して光学シートの耐擦過性を向上できる。
また、第1レンズのピッチをP1とし、第2レンズのピッチをP2として、
1<P2/P1<7
であることを特徴とする。
ピッチ比P2/P1が上記範囲内であれば、第1レンズによるサイドローブを抑制して観察画面が暗くなるのを抑制できると共に高い相対輝度を確保できる。一方、ピッチ比P2/P1が1以下であるとサイドローブ抑制機能が低減し第1レンズの耐擦過性も低下する。また、ピッチ比P2/P1が7以上になっても相対輝度はそれ以上向上しない。
また、第1レンズのレンズ高さをH1とし、第2レンズのレンズ高さをH2として、
0.1<H1/H2<1
であることが好ましい。
高さ比H1/H2が上記範囲内であれば、第1レンズによる集光機能を高く保持できる。しかし、高さ比H1/H2が0.1未満であると第1レンズのピッチが小さくなりすぎて回折光を発生する不具合があり、1を超えると第1レンズによる輝度向上機能及び集光機能が低下し、第2レンズによる耐擦過性がなくなってしまう。
また、基材の一方の面に対向する他方の面に、略平坦な平面部と、該平面部から突出する複数の突起部とが設けられていてもよい。
しかも、突起部は、基材の厚み方向と平行する方向に延在する中心軸を有する円柱状に形成されていてもよい。
これにより、賦形性及び金型剥離性が良い突起部を光学シートの入射面に形成することで、内部に拡散粒子を含有する場合においても、輝度低下の生じない光学シートを得られる。
また、突起部は、基材の厚み方向と平行する方向に延在する中心軸を有する略円柱状に形成されていてもよい。
光学シートの入射面に突起部を設けることによって、光学シートの下方にある拡散板や別の光学シートとの接触面積を減らすことができて、周囲環境の変化に起因する光学シートの伸縮を抑えて、しわが発生するのを防止できる。また、光学シートの入射面の摩擦性を減少させ且つ拡散板等との密着性を低下させることで、しわが発生してもすぐに解消させることができる。
本発明によるバックライト・ユニットは、光源と、上述したいずれかに記載された光学シートとが配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、光源から出射する光が上述した光学シートを透過することで、光学シートの基材に集光特性の高い第1レンズアレイと偏光依存性の小さい第2レンズを規則的またはランダムに配設した第2レンズアレイとを組み合わせたことで、第1レンズアレイによって出射光の輝度を向上させると共に第2レンズアレイによって偏光依存性を改善してサイドローブ及びモアレ干渉縞がほとんど生じないようにし、入射光を集光及び/または拡散させて出射させた光学特性を発揮できる。
また、第2レンズに対する第1レンズの高さを低く設定したことで、拡散板等の他の光学素子に対して第1レンズを保護できる。
本発明によるディスプレイ装置は、光源と、光源からの射出光を透過すると共に射出光の入射側に偏光子を配設させた画像表示素子と、光源と偏光子の間に設けられていて上述したいずれかの光学シートと、が配置されたことを特徴とする。
本発明によるディスプレイ装置によれば、光学シートに第1レンズアレイと第2レンズアレイが設けられているから、第1レンズによって高い輝度を確保すると共に第2レンズによって偏光依存性を改善してほぼ等方的な集光機能を発揮することでサイドローブとモアレ干渉縞を抑制し、入射光に集光と拡散機能に優れた光学特性を賦与して出射させることができる。そのため、画像表示素子を通して画像を観察することで、高い輝度が得られると共にサイドローブやモアレ干渉縞を抑制でき、水平方向と垂直方向の半値角を広げて広い視野角を確保できる。
また、本発明によるディスプレイ装置は、第1レンズの延在方向と偏光子の透過軸とのなす角度θ3が、
60deg≦θ3≦90deg
であることを特徴とする。
本発明によれば、第1レンズの延在方向と偏光子の透過軸とのなす角度θ3が60deg〜90degの範囲に設定されているから、平行に配設した場合と比較して高い相対輝度を確保できる。しかも、第2レンズの面積率との関係で水平方向と垂直方向の視野角をバランスさせて拡大できる。
また、光学シートと光源の間に、光を拡散させる光拡散板が設けられていてもよく、光源から光拡散板に入射する光を散乱させることでより均等な輝度分布が得られる上に光源の像を視認できないように調整できる。
また、光学シートと光源の間に、光を導光する導光板が設けられていてもよい。
本発明による光学シートによれば、基材の一方の面に集光特性の高い第1レンズと偏光依存性の小さい第2レンズを組み合わせると共にマイクロレンズに対する第1レンズの高さを低く設定したことで、入射光を集光及び/または拡散させて出射させて出射光の輝度を向上させると共に、偏光依存性を抑制してサイドローブ及びモアレ干渉縞がほとんど生じないようにした光学特性を発揮できる。
しかも、第1レンズの高さを第2レンズの高さより小さく設定したから、集光特性の高い光学要素である第1レンズに傷がつくのを防止すると共に第2レンズの高さの低い領域に傷が付くのを抑制できて傷を少なく目立たなくできて高い輝度が得られる。
また、このような光学特性を有する光学シートを備えたバックライト・ユニット及びディスプレイ装置によれば、表示画像の輝度を向上させると共に偏光依存性を抑制して画像にサイドローブやモアレ干渉縞がほとんど生じない光学特性を発揮できるという作用効果を奏する。しかも、第1レンズに傷がつくのを防止すると共に第2レンズの高さの低い領域に傷が付くのを抑制できて傷を少なく目立たなくできて高い輝度で高画質の表示画像が得られる。
本発明の実施形態によるディスプレイ装置の縦断面模式図である。 図1に示すディスプレイ装置の光学シートの斜視図である。 図2に示す光学シートの側面図である。 (a)はプリズムレンズの視野角方向に対する相対輝度の配光特性図、(b)はプリズムレンズを透過する光の正面輝度部分の光線追跡図、(c)はプリズムレンズを透過する光の正面輝度とサイドローブ光との谷間部分の光線追跡図である。 (a)はプリズムレンズの視野角に対する相対輝度を示す配光特性図、(b)はマイクロレンズの視野角に対する相対輝度を示す配光特性図、(c)はレンズシートの視野角に対する相対輝度を示す配光特性図である。 実施形態によるレンズシートのレンズ軸と液晶ユニットの偏光板の透過軸との交差角を示す要部斜視図である。 (a)はプリズムに対する透過光の光線追跡図、(b)は(a)に示すプリズムの頂角に対する偏光成分比の変化を示す図である。 (a)は角度θ3を0deg、90degとした場合におけるマイクロレンズの面積率に対する相対輝度の変化を示す図、(b)はマイクロレンズの面積率Sに対する垂直方向Veの半値角を示す図、(c)はマイクロレンズの面積率Sに対する水平方向Hoの半値角を示す図である。 (a)は角度θ3を0degから90degに変化させた場合における相対輝度の変化を示す図、(b)はマイクロレンズの面積率Sに対する相対輝度の変化を示す図である。 レンズシートのプリズムレンズの頂角θ1を変化させたときの相対輝度を示す図である。 (a)はマイクロレンズのアスペクト比H2/P2を変化させたときのレンズシートの相対輝度変化図、(b)はアスペクト比H2/P2を変化させたときのレンズシートのVe半値角を示す図、(c)はアスペクト比H2/P2を変化させたときのレンズシートのHo半値角を示す図である。 (a)はマイクロレンズの面積率Sを変化させたときのレンズシートの相対輝度を示す図、(b)は同じく面積率Sを変化させたときのレンズシートのVe半値角を示す図、(c)は同じく面積率Sを変化させたときのレンズシートのHo半値角を示す図である。 プリズムレンズのピッチとマイクロレンズのピッチの比を変化させたときのレンズシートの相対輝度を示す図である。 プリズムレンズの高さとマイクロレンズの高さの比を変化させたときのレンズシートの相対輝度を示す図である。 実施形態によるレンズシートの変形例を示す図である。 図15に示すレンズシートの入射面に形成した突起部の変形例を示す図である。 従来技術による輝度向上フィルムを配設したディスプレイ装置の要部縦断面図である。 図17に示す輝度向上フィルムの斜視図である。 輝度向上フィルムを透過する光の光強度と視野方向に対する角度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面により説明する。
図1に示す本発明の実施形態によるディスプレイ装置1は、バックライト・ユニット2と画像表示素子3とから構成されている。バックライト・ユニット2は、ランプハウスを構成する反射板5内に複数の光源6が配置され、光源6の光出射方向(観察者側方向F)に入射光を拡散して射出する拡散板7とレンズシート8とが順次配設されている。
光源6から射出された光Hは拡散板7で拡散され、その上に配置されたレンズシート8で集光されて、バックライト・ユニット2から射出する。バックライト・ユニット2から出射される光Kは画像表示素子3に入射し、観察者側Fへと射出される。
光源6は画像表示素子3へ光を出射するものであり、光源6として、例えば複数の線状光源または点光源を用いることができる。線状光源として、例えば複数の蛍光灯、冷陰極管(CCFL)あるいはEEFLといったランプ光源を用い、点光源としてLEDなどを用いることができる。
反射板5は複数の光源6に対して観察者側Fとは反対側に配置されている。反射板5は光源6から全方向に出射された光のうち観察者側Fと反対側の方向に出射された光を反射させて観察者側Fに出射させる。その結果、観察者側Fに出射された光Hは、ほぼ光源6から全方向に出射された光となるから、反射板5を用いることによって光の利用効率を高めることができる。反射板5は光を高効率で反射させる部材であればよく、例えば一般的な反射フィルムや反射板などを使用することができる。
図2及び図3において、本発明の実施形態によるレンズシート8は、光透過性のシート状の基材10の対向するシート面の一方を入射面10a、他方を出射面10bとする。レンズシート8の画像表示素子3側の出射面10bには、例えば一次元方向に延在する略柱状の凸部材として、例えば断面が三角形状のプリズムレンズ11が全域に同一方向に複数本配列して形成されており、プリズムレンズ11に重ねて例えば略半球形状のマイクロレンズ12が分散して複数個配設されている。換言すれば、分散配置されたマイクロレンズ12の隙間を埋めるようにプリズムレンズ11が一方向に配列されて形成されている。
ここで、プリズムレンズ11は第1レンズであり、基材10の出射面10bに複数配列されたプリズムレンズ11群を第1レンズアレイ11Aという。マイクロレンズ12は第2レンズであり、出射面10bに分散配置された複数のマイクロレンズ群を第2レンズアレイ12Aという。
レンズシート8に形成されるプリズムレンズ11が一方向の場合、レンズ配列方向側にのみ集光効果が得られる。従って視野の狭い方向と広い方向とが存在することとなる。
本実施形態によるレンズシート8は上述したように基材10の出射面10bにプリズムレンズ11とマイクロレンズ12とが配設されて構成されている。このレンズシート8は、二方向以上の集光機能が存在するため、集光効果が高まる。
二方向以上に集光機能が存在する光学フィルムとして、例えば四角錘に代表される多角錘レンズが挙げられるが、二方向の集光割合を調節するには多角錘の頂角を変える必要がある。四角錘を例に挙げると、最も輝度が高くなる構成は頂角が90度の四角錘であるが、どちらか一方向の視野範囲を拡げたい又は狭めたいといった場合、頂角を大きくするか、または小さくする必要がある。しかしながら頂角を変えてしまうと輝度が低下してしまうという問題が生じる。
また図4(a)は90度三角プリズムを透過する光の水平方向(Ho)と垂直方向(Ve)の視野角方向の輝度分布を示す図である。縦軸に設けた輝度は、プリズムレンズやマイクロレンズのない平坦な基材10を透過する光の輝度分布を基準とした相対輝度を表している。
図4(a)において、90度三角プリズムは正面方向に集光するため、0度に最大ピークの相対輝度を有するが、サイドローブが生じ、±45度付近に谷間Vaが生じる。サイドローブはディスプレイ装置1として不要な方向への射出光であるが、サイドローブ自体がディスプレイ装置1を観察する上で問題となるのではなく、視野角0度のメインピークに対してサイドローブとの谷間Vaの輝度が低いことが問題となる。谷間Vaの角度からディスプレイ装置1を観察すると、画面が暗くなってしまうためである。従って、サイドローブを低減させてもこの谷間Vaの輝度が低すぎる場合、ディスプレイ装置1として望ましくない。
図4(b)はレンズシート8のプリズムレンズ11である一つの単位三角プリズムから正面方向(0度)に出る光線を示す光線追跡図である。これよりプリズムレンズ11の全面から光線が出射することが分かる。一方、図4(c)に示しているのは図4(b)と同じプリズムレンズ11における単位三角プリズムの正面方向ではなく垂直斜め方向近辺(60度〜90度の領域)に出射する光を示す。これより図4(c)の単位三角プリズムにおいて、斜め方向に入射する光線は単位三角プリズムの頂点付近302からしか出射しないことが分かる。
そのため、レンズシート8から出射する光全体の輝度分布において光のロスになるサイドローブと呼ばれる部分はレンズシート8における各単位三角プリズムの頂点付近から出射される光である。
次に、図5(a)にプリズムレンズ11の視野角方向の輝度分布を示し、図5(b)にマイクロレンズ12の視野角方向の輝度分布を示している。プリズムレンズ11は一方向の集光効果しか有さないので、図5(a)に示すように水平方向Hoと垂直方向Veとで輝度分布に差異を生じ、垂直方向Veではサイドローブを発生する。
これに対し、マイクロレンズ12は、一方向の集光効果しか有さない三角プリズムとは対照的に、等方的な集光効果を有するため、図5(b)に示すように水平方向と垂直方向の配光特性が等しい分布となる。また、プリズムレンズ11はサイドローブが発生するが、マイクロレンズは略半球状の形状であるためサイドローブは発生せず、どの方向から視認しても均一な画像を表示することが可能となる。しかし、等方的な配光分布を示す一方、最大輝度は三角プリズムに劣るという欠点がある。
図5(c)はレンズシート8の視野角方向の輝度分布を示す。レンズシート8は、第1レンズアレイ11Aが三角プリズムからなるプリズムレンズ11であり、第2レンズアレイ12Aがマイクロレンズ12である複合形状である。すなわち、図5(a)に示す集光効果の高いプリズムレンズ11と図5(b)に示すサイドローブが発生しないマイクロレンズ12の視野角分布とが合成された視野分布特性を得られる。
また、図3において、プリズムレンズ11のレンズピッチをP1とし、マイクロレンズ12のレンズピッチをP2とした場合、両者の比P2/P1、基材10の出射面10bの面積に対する複数のマイクロレンズ12からなる第2レンズアレイ12Aの総和の面積の割合である面積率S、アスペクト比を変更することで、視野角方向の輝度分布および輝度の調整が可能である。
本実施形態によるディスプレイ装置1は、光源6から射出された光が拡散板7とレンズシート8を経て射出光Kとして射出される。この射出光Kが画像表示素子3に入射し、画像が観察者側Fへ射出される。
画像表示素子3は、図1に示すように、1組の偏光板(偏光フィルム;偏光子)14、15と、その間に挟持された液晶パネル16とで構成されている。液晶パネル16は、例えば2枚のガラス基板の間に液晶層が充填されて構成されている。
画像表示素子3は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、レンズシート8により観察者側Fへの輝度が向上され、光強度の視角度依存性が低減される。さらに、ランプイメージが低減された光を有効に利用して、画像品位の高い画像を表示させることができる。画像表示素子3は液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
画像表示素子3は、射出光Kが入射する側の偏光板14で一方の偏光成分のみを透過して液晶パネル16へと入射させると共に他方の偏光成分は吸収する。液晶パネル16の内部では、入射した光が液晶分子により位相を回転させながら進行し、観察者側の偏光板15から一方の偏光成分に偏光分離され射出光として観察者側Fへ射出される。ディスプレイ装置1において、観察者側Fへ透過する光量が多いほど表示品位は向上し、さらには省エネへの効果も得られる。
しかし、偏光板14で偏光分離される際、光源6から射出した光のうち他方の偏光成分すなわち射出光の半分以上が吸収されてしまう。そこで、レンズシート8からの射出光成分のうち、偏光板14を透過する偏光成分が多くなるようレンズシート8の形状とレンズ軸及び偏光板14の透過軸との配置を最適化することにより、表示品位の優れたバックライト・ユニット2を得ることが可能である。
このようなレンズシート8の形状とレンズ軸及び偏光板14の透過軸との配置が図6に示されている。図6は、レンズシート8と画像表示素子3のレンズシート8側の偏光板14とを示す模式斜視図である。レンズシート8において複数のプリズムレンズ11が延在する方向をレンズ軸A1とし、光入射側の偏光板14において入射光を透過する方向を透過軸A2とし、レンズ軸A1と透過軸A2とのなす角度をθ3とする。
レンズシート8について更に詳述する。
図7(a)は表面に頂角θ4の断面三角形からなるプリズムPが多数連続して配列されたプリズムシート19を図1に示すバックライト・ユニット2のランプハウスである反射板5の出射面側に配設した構成において、プリズムシート19を透過する光の経路を模式的に示している。
プリズムシート19の上面側のプリズム形成面は光出射面19bとされ、下面側の平坦面は光入射面19aとされている。図7(a)において、x軸はプリズムPの延在方向、y軸はプリズムPの配列方向、z軸はプリズムシート19の厚み方向をそれぞれ示している。光源6から射出した光であるバックライト光HはプリズムP延在方向に振動する偏光成分Haとプリズム配列方向に振動する偏光成分Hbとを有している。
図7(a)を参照して、プリズムシート19の光入射面19aに対して斜め方向から入射角θaで入射したバックライト光Hは、プリズムPの延在方向と配列方向とで、偏光成分Haと偏光成分Hbが互いに異なる屈折角ra、rbで光入射面19aから入射し、互いに異なる出射角φa、φbでプリズムPの斜面からなる出射面19bから出射する。このとき、偏光成分Haの出射角φaよりも偏光成分Hbの出射角φbの方が小さい(φa>φb)。
上述の例においては、バックライト光Hの両偏光成分Ha,Hbのいずれもが、プリズムシート19の光出射面(プリズム形成面)19bから出射されることになる。プリズムシート19の光入射面19a及び光出射面19bといった界面において、プリズムPの延在方向とプリズムPの配列方向とで各方向に振動する偏光成分は、互いに異なる反射率で反射される。すなわち、この例では、プリズムPの延在方向に振動する偏光成分Haの方が、他方の偏光成分Hbに比べて反射量が大きい。その結果、このプリズムシート19を透過するバックライト光Hは、偏光成分Haよりも偏光成分Hbの方が光量的に多いことになる。
また、プリズム斜面である光出射面19bから出射する各偏光成分Ha,Hbの出射角は、φa>φbの関係となるので、プリズムシート19へ入射するバックライト光Hの入射角θaがある条件を満たすと、偏光成分Haが光出射面19bで全反射を繰り返して戻り光となり、偏光成分Hbのみがプリズムシート19を透過する完全な偏光分離状態を実現することができる。
なお、このプリズムシート19に対するバックライト光Hの入射角が小さくなり過ぎると、バックライト光Hがプリズムシート19の光入射面19aに対して垂直に入射する場合と変わらなくなる。この場合、図7(a)に示すように、バックライト光Hは偏光状態に関係なく、プリズムPのプリズム斜面である光出射面19bにおいて全反射を繰り返して、バックライト・ユニット2側へ戻る戻り光となる。
バックライト・ユニット2側に戻された戻り光は、拡散板7の拡散効果や反射板5での反射によって偏光解消され、無偏光となった状態で再度プリズムシート19に入射される。これを繰り返すことで、最終的にもプリズムPの延在方向と平行な偏光成分HaよりもプリズムPの延在方向と垂直な偏光成分Hbの光量が多くなる。
図7(b)において、プリズムシート19の屈折率を1.85とし、光出射面19bに形成されたプリズムPの頂角θ4を変化させたときの射出光の偏光成分比Hb/Haを示す。
図7(b)においてX軸はプリズムPの頂角θ4である。プリズムPの頂角θ4が90度より小さくなるほど射出光の偏光成分比Hb/Haは大きくなり、40度付近でその差は最大となる。これは屈折率1.85のブリュースター角によるものと考えられる。また、90度以上では射出光の偏光成分Hb、Haの反射率は同等であるため、射出光の偏光成分比Hb/Haも一定となっている。
図8(a)は、レンズシート8のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3を0degと90degとに設定して、基材10の出射面10bの面積に対するプリズムレンズ12の総和の面積の比である面積率Sを変化させたときのレンズシート8の相対輝度を示す図である。なお、相対輝度は90度三角プリズムであるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とを平行に配列してマイクロレンズ12の面積率S=0のときの輝度を1.0として示している。
図8(a)において、角度θ3が0degと90degのいずれの場合でも、第2レンズアレイ12Aの面積率Sが大きくなると相対的に第1レンズアレイ11Aの面積が低下することになり、相対輝度は低下する。しかも角度θ3が0degと90degの場合との相対輝度の差は互いに狭くなる。また、角度θ3が90degの方が0degよりも比較的相対輝度は高い。
また、図8(b)、(c)は角度θ3を0degと90degとに設定し、プリズムレンズ12の総和の面積率Sをx軸にとって、面積率Sを変化させた場合における垂直方向Veの半値角と水平方向Hoの半値角を示した図である。ここで半値角とは、0度方向(観察者側F)の輝度を100%としたとき、その輝度が50%となる視野角度を表す。
本測定においては、偏光板14の透過軸A2に平行な方向を水平方向Ho、透過軸A2に直交する方向を垂直方向Veとして、いずれかの方向HoまたはVeを選択して設定するようにレンズシート8と偏光板14を配置した。
図8(a)、(b)、(c)において、任意のある面積率Sにおいて、プリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2のなす角度θ3が90degのとき、角度θ3が0degの場合と比較して、相対輝度とVe半値角は高く、Ho半値角は小さくなる。
またプリズムレンズ12の面積率Sが上昇するに従って角度θ3が0deg、90degの場合の各Ve、Ho半値角の差は次第に狭くなる。これは、面積率Sが上昇するに従い、レンズシート8において透過光の偏光依存性の少ないマイクロレンズ12の占有する割合が大きくなるためである。
図9(a)は、プリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角度θ3について、0degの輝度を基準として、角度θ3を0degから90degの範囲で変化させたときの相対輝度を示す図である。角度θ3が大きくなるほど相対輝度は上昇する。これはプリズムレンズ11に入射した光のうち、プリズムレンズ11を透過する光の成分は、レンズ軸A1に直交する偏光成分の方が平行する偏光成分よりも多いためである。
また、角度θ3は、相対輝度の低下が20%以内の範囲に設定することが望ましい。相対輝度が20%以上低下すると画面が暗くなり、表示品位が低下するためである。すなわち、レンズシート8のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2のなす角度θ3は、90度の相対輝度が最大値であるから、60度以上90度以下であることが望ましい。
図9(b)は、第2レンズアレイ12Aの面積率Sと、角度θ3が90degのときの輝度を角度θ3が0degのときの輝度で割った相対輝度との関係を示す図である。第2レンズアレイ12Aの面積率Sが上昇するにつれて角度θ3の偏光依存性が小さくなる。これは、一方向にしか集光効果のないプリズムレンズ11に対して等方的な集光効果を有するマイクロレンズ12を配列することにより、面積率Sの割合によってレンズシート8の偏光依存性を低減または解消することが可能であることを示している。
図10は、プリズムレンズ11の頂角θ1を変化させたときの、レンズシート8の相対輝度を示した図である。
プリズムレンズ11の頂角θ1は、頂角θ1=90度のときの輝度を1として−10%以内の相対輝度を有することが望ましい。相対輝度が10%以上低下すると画面が暗くなり、表示品位が低下するためである。そのため、プリズムレンズ11の頂角θ1は図10による70度から110度の範囲とし、好ましくは80度から100度の範囲内であるものとする。
図11(a)は、マイクロレンズ12のアスペクト比を変化させたときの、レンズシート8の相対輝度を示した図である。なお、この相対輝度は90度三角プリズムであるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とを平行に配列してマイクロレンズ12の面積率S=0のときの輝度を1.0として示している。図11(b)、(c)は、第2レンズ12のアスペクト比を変化させたときの、レンズシート8のVe、Ho半値角の視野角特性を示す図である。アスペクト比とは、マイクロレンズ12の直径をP2、マイクロレンズ12の高さをH2としたときの比H2/P2である(図3参照)。
図11(a)において、レンズシート8の相対輝度は、第2レンズアレイ12Aにおける各マイクロレンズ12のアスペクト比H2/P2が、0.6から0.7の範囲ときに最大値となる。これは、マイクロレンズ12単体の輝度がアスペクト比0.6で最大となるためである。第2レンズアレイ12Aのアスペクト比H2/P2は、相対輝度で−10%の範囲内であることが望ましい。相対輝度が10%以上低下すると画面が暗くなり、表示品位が低下するためである。そのため、第2レンズアレイ12Aのアスペクト比H2/P2は、0.3から1.0の範囲であればよく、好ましくは0.4〜0.9の範囲であることが望ましい。
図12は、レンズシート8における第1レンズアレイ11Aを占有するマイクロレンズ12の平面視における割合である面積率Sを変化させたときの、レンズシート8の相対輝度、視野角特性を示した図である。
図12(a)に示すレンズシート8の相対輝度は、面積率Sが増加するにつれて減少する。図12(b)に示すVe半値角は面積率Sの増加に伴い上昇する一方で、図12(c)に示すHo半値角は面積率Sの増加に伴い減少する。これは、プリズムレンズ11に対してマイクロレンズ12の相対輝度が低く、Ve半値角が広く、Ho半値角が狭いためである。
基材10の表面に複数のマイクロレンズ12を敷き詰めたマイクロレンズシートは、単位マイクロレンズ12を互いに接触するように最密にデルタ配置した際の面積率Sが90.7%となる。ここで、最密とはマイクロレンズ12の直径と配列ピッチが等しい構成を示すものであり、マイクロレンズシートにおいてマイクロレンズ12の直径が変わっても最密デルタ配置では面積率に変化はない。
しかしながら、1μmの狂いも無くマイクロレンズ12を最密配列することは技術的に難しく、隣り合うマイクロレンズ12、12同士が重なってしまう不具合が生じる。そこでマイクロレンズ12を基材11の出射面11bに最密配列する場合でも、配列ピッチに対してマイクロレンズ12の径P2を設計値(理想値)の90%以下程度に収めることで、上述のようなマイクロレンズ12が重なり合う構成となることを防止することができる。従って、一般的なマイクロレンズシートにおける、面積率Sは80%以下であることが望ましい。
また、図3に示すように、プリズムレンズ11のレンズ高さH1よりもマイクロレンズ12のレンズ高さH2を高くすることにより、プリズムレンズ11の耐擦性を向上させることが可能である。このとき面積率Sが10%以下になると耐擦性が低下するため、面積率Sは10%以上であることが望ましい。
図13は、第1レンズアレイ11Aにおける各プリズムレンズ11のピッチP1と第2レンズアレイ12Aにおける各マイクロレンズ12のピッチP2との比P2/P1を変化させたときの相対輝度を示すものである。プリズムレンズ11のピッチP1とマイクロレンズ12のピッチP2の比P2/P1が大きくなるに従い、相対輝度は上昇する。ピッチ比P2/P1が大きくなるに従い、レンズシート8を占有するプリズムレンズ11の表面積が減少するため、プリズムレンズ11の集光効果が高くなり相対輝度が上昇する。ピッチ比P2/P1は、1以下であるとプリズムレンズ11のレンズ高さH1よりもマイクロレンズ12のレンズ高さH2の方が小さくなるため、1より大きいことが望ましい。更には、相対輝度変化は、ピッチ比P2/P1が7以上で飽和するため7未満であることが望ましい。
図14は、第1レンズアレイ11Aの高さH1と第2レンズアレイ12Aの高さH2の比H1/H2を変化させたときの相対輝度を示したものである。
第1レンズアレイ11Aの高さH1と第2レンズアレイ12の高さH2の比H1/H2が大きくなるに従い、相対輝度は減少する。これは、第1レンズアレイ11Aの高さH1と第2レンズアレイ12Aの高さH2の比H1/H2が大きくなるに従い、プリズムレンズ11の集光効果が減少するためである。高さ比H1/H2が1より大きくなると、マイクロレンズ12のレンズ高さH2よりも、プリズムレンズ11のレンズ高さH1が大きくなるため、1未満であることが望ましい。更に、高さ比H1/H2が0.1より小さくなると、プリズムレンズ11のピッチP1が細かくなりすぎ、回折光が発生するため0.1より大きいことが望ましい。
上述の構成を備えた本実施形態によるレンズシート8及びこれを備えたディスプレイ装置1による画像表示素子3の観察方法について次に説明する。
図1において、バックライト・ユニット2内の光源6から出射した光は観察者F方向に出射し、一部の光が背面の反射板5方向に向かうとしても反射板5で反射して結局観察者F方向へ向かうことになる。そして、光源6から観察者F方向に向かう出射光は拡散板7で拡散されて光源6の像が視認できないほぼ均一な光として出射して、レンズシート8の入射面に入射する。
レンズシート8では、入射面10aから入射して出射面10bから出射する光について、第1レンズアレイ11Aにおける三角プリズム形状の各プリズムレンズ11から出射する光は、図5(a)に示すように、中央(視野方向0度付近)の視野方向では高い輝度を発揮するが、周辺の視野方向角度ではサイドローブやモアレ干渉縞を生じ易い欠点がある。
プリズムレンズ11は一方向の集光効果しか有さないので、図5(a)に示すように水平方向Hoと垂直方向Veとで輝度分布に差異を生じ、垂直方向Veではサイドローブを発生する。サイドローブの谷間付近では輝度が低いために谷間の角度からディスプレイ装置1を観察すると、画面が暗くなってしまう。
一方、第2レンズアレイ12Aにおけるマイクロレンズ12では、等方的な配光分布を示す一方、最大輝度は三角プリズムであるプリズムレンズ11に劣るという欠点がある。マイクロレンズ12は、図5(b)に示すように、プリズムレンズ11とは対照的に、等方的な集光効果を有するため水平方向と垂直方向の配光特性が等しい分布となる。また、マイクロレンズ12は略半球状の形状であるためサイドローブは発生せず、どの方向から視認しても均一な画像を表示する。
本実施形態によるレンズシート8では、プリズムレンズ11とマイクロレンズ12とで組み合わされた第1レンズアレイ11Aと第2レンズアレイ12Aからなる複合形状である。そのため、図5(c)に示すように、図5(a)に示す集光効果の高いプリズムレンズ11と図5(b)に示すサイドローブが発生しないマイクロレンズ12との視野角分布が合成され、輝度が高く且つサイドローブとモアレ干渉縞を抑制させた視野分布特性を得られる。
しかも、プリズムレンズ11とマイクロレンズ12のレンズピッチの比P2/P1、基材10の出射面10bの面積に対する複数のマイクロレンズ12の総和の面積の面積率S、アスペクト比P2/P1、H1/H2を調整することで、水平方向と垂直方向の相対輝度をバランスさせて視野角方向の輝度分布および輝度の調整を行うことができる。
このようにして、レンズシート8を通してバックライト・ユニット2から出射された光Kは、偏光板14を介して液晶ユニット16に入射され、更に偏光板15を介して観察者側Fに出射される。
そして、観察者F側で観察される画像は、バックライト・ユニット2のレンズシート8により集光・拡散特性を向上させた光Kを利用して、画像表示素子3を透過して観察する。特にレンズシート8を透過して集光・拡散することによって水平方向と垂直方向の視野角をバランスをとって拡大した画像を観察できる。しかも、サイドローブやモアレ干渉縞を抑制して観察者側Fの輝度を向上させて光強度の視角方向の分布を滑らかにするとともに、ランプイメージをなくした画像を得ることができる。
上述のように、本実施形態によるレンズシート8によれば、基材10の出射面10bに集光特性の高いプリズムレンズ11と光を等方的に集光・散乱するマイクロレンズ12を設けたことにより、輝度を高めると共に光学特性の偏光依存性を解消することができる。また、プリズムシートとマイクロレンズシートを2枚重ね合わせて使用すると、高価格である上にマイクロレンズ12によって偏光依存性が解消されてしまい、プリズムレンズ11の偏光特性を十分に活かすことが出来ないが、1枚の基材10上にマイクロレンズ12とプリズムレンズ11を共存させることにより上述した高輝度と偏光依存性の解消とを実現できる。
さらに、レンズシート8によれば、基材10にマイクロレンズ12とプリズムレンズ11を組み合わせると共にプリズムレンズ11とマイクロレンズ12の高さの比H1/H2を小さく設定したことで、入射光を集光及び/または拡散させて出射させて出射光の輝度を向上させると共にサイドローブ及びモアレ干渉縞がほとんど生じない光学特性を発揮できる。しかも、高さの比H1/H2を1より小さく設定したことで、集光特性の高い光学要素であるプリズムレンズ11に傷がつくのを防止すると共にマイクロレンズ12の高さの低い領域に傷が付くのを抑制できて傷を少なく目立たなくできて高い輝度が得られる。
また、レンズシート8を備えたバックライト・ユニット2及びディスプレイ装置1によれば、プリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2を直交させて配列することによって、レンズ軸A1と透過軸A2を平行に配列した場合よりも高輝度な特性を得られる。レンズ軸A1と透過軸A2を直交配列する場合、画像表示素子3に対して水平視野角が狭く垂直視野角が広くなり、ディスプレイ装置1の視野角特性としては不適切であるが、集光特性の高いプリズムレンズ11と共に光を等方的に集光・散乱するマイクロレンズ12を用いることにより光学特性の偏光依存性を解消することができる。
また、本実施形態によるディスプレイ装置1は、プリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2の交差角θ3を60deg〜90degの範囲に設定した構成を含むから、レンズ軸A1と透過軸A2を平行に配列した場合よりも高輝度で、上述した直交配置であるθ3=90degの高輝度とこれに近似した高輝度のレンズシート8を得ることができる。
しかも、本実施形態によるバックライト・ユニット2及びディスプレイ装置1によれば、表示画像の輝度を向上させると共に画像にサイドローブ及びモアレ干渉縞がほとんど生じない光学特性を発揮できるという作用効果を奏する。また、プリズムレンズ11に傷がつくのを防止すると共にマイクロレンズ12の高さの低い領域に傷が付くのを抑制できて傷を少なく目立たなくできて高い輝度で高画質の表示画像が得られる。
次に本発明の変形例について説明するが、上述した実施形態によるレンズシート8及びディスプレイ装置1と同一または同様な部材、部品等については同一の符号を用いて説明する。
ここまで、第1レンズアレイ11Aのプリズムレンズ11が三角プリズムであり、第2のレンズアレイ12Aの第2レンズ12がマイクロレンズである場合について説明してきたが、第1レンズアレイ11Aのレンズ形状と第2レンズアレイ12Aとのレンズ形状は任意に選ぶことが出来る。
例えば、第一変形例によるレンズシート8として、第1レンズアレイ11Aの複数の第1レンズとしてプリズムレンズ11に代えて複数の凸レンチキュラーレンズ(図示は省略する)を形成してもよい。この凸レンチキュラーレンズは、一方向にのみ形成された場合、視野範囲の広いディスプレイ装置1が得られるが、一方で観察者側Fへの集光効果は弱いため高輝度は得難い。しかしながら、凸レンチキュラーレンズの頂部に、比較的小さい別の凸レンチキュラーレンズを直交する方向に第2レンズとして配列して第2レンズアレイ12Aを形成した場合、水平方向Hoと垂直方向Veとの2方向の集光効果が得られるため、視野範囲が広く且つ高輝度なディスプレイ装置1を得ることができる。
また、実施形態によるレンズシート8の第二変形例として図15に示すレンズシートを用いてもよい。
本変形例によるレンズシート22は、図15に示すように、上述の実施形態によるレンズシート8と同一の構成として、基材10の出射面10bにプリズムレンズ11からなる第1レンズアレイ11Aとマイクロレンズ12からなる第2レンズアレイ12Aとを備えている。
そして、レンズシート1の入射面10aは、略平坦な平面部に1つまたは複数の略円柱で構成された突起部23が突出して形成されている。図15では、突起部23は所定間隔で複数配列されていると共にレンズシート8の厚さ方向と平行する方向に延在する中心軸を有する二段の略円柱状部材で構成されている。そして、この突起部23は比較的大径の第一突起部24と比較的小径の第二突起部25とで形成され、各先端面にはR状の面取りがそれぞれ施されている。
レンズシート22の入射面10aに突起部23を設けることによって、レンズシート8の下方にある拡散板7や別の光学シートとの接触面積を減らすことができて、周囲環境の変化に起因するレンズシート8や別の光学シートの伸縮を抑制し、しわが発生するのを防止させることができる。また、レンズシート8の入射面10aの摩擦性を減少させ且つ拡散板7等との密着性を低下させることで、しわが発生してもすぐに解消させることができる
なお、突起部23は図15に示されるような略円柱状に限るものではなく、図16(a)に示されるように完全な円柱状のもの、同図(b)に示されるように円柱の先端面に平面上のテーパが施されたもの、同図(c)に示されるように円柱の先端が球面形状を帯びるもの、同図(d)に示されるように略半球状のマイクロレンズ形状のもの、同図(e)に示されるように円柱の先端が円錐台形状に細るもの、同図(f)に示されるように六角柱等の多角形柱状のもの、同図(g)に示されるように円柱が大小2段で構成されるもの、同図(h)に示されるように大小二段の円柱に平面状の面取りが施されたもの、同図(i)に示されるように円柱とマイクロレンズ形状との組合せ等でもよい。
上述した図16(a)〜(i)に示す各突起部23の中でも、入射面10aにおける平面部から離れるに従ってその断面積が小さくなる形状がより望ましい。突起部23を形成する際、その賦形性及び金型からの剥離性が向上するために生産性が向上する。また突起部23は2段以上の複数の円柱によって形成されることがより望ましい。
上述のように、賦形性及び金型剥離性が良い突起部23をレンズシート8の入射面10aに形成することで、基材10の内部に拡散粒子を含有する場合においても、輝度低下を生じないレンズシートを提供することが出来る。
なお、突起部23は一定のピッチで複数配列されても良い。ただしこの場合、第1レンズアレイ11A及び第2レンズアレイ12Aとの間にモアレ干渉縞が生じる場合がある。従って、第1レンズアレイ11A及び第2レンズアレイ12Aとは配列方向が平行にならないよう構成することが望ましい。そのバイアス角度としては30度以下の範囲であることが望ましい。
また、突起部23は一定のピッチで配列されていて、その一部をランダムに削除することで、見かけ上ランダム配置とすることが可能である。或いは、突起部23の配列ピッチを直接的にランダムにしても良い。そうすることで、第1レンズアレイ11A及び第2レンズアレイ12Aとの間にモアレ干渉縞が生じることを抑えることが出来る。
次に、上述した実施形態や変形例によるディスプレイ装置1やレンズシート8に用いられる材質の一例について説明する。
まず、拡散板7は透明樹脂に光拡散領域が分散されて形成されている。
透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができ、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いることができる。
拡散板7に含まれる光拡散領域は光拡散粒子からなることが好ましい。好適な拡散性能を容易に得ることができるためである。光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えばシリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。
また、上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさや形状は特に規定されない。
光拡散領域として光拡散粒子を用いた場合には、拡散板7の厚さが0.1〜5mmであることが好ましい。拡散板7の厚みが0.1〜5mmである場合には、最適な拡散性能と輝度を得ることができる。逆に、0.1mm未満の場合には拡散性能が足りない不具合を生じ、5mmを超える場合には樹脂量が多いため吸収による輝度低下が生じる不具合がある。
なお、透明樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合には、光拡散領域として気泡を用いても良い。熱可塑性樹脂の内部に形成された気泡の内部表面が光の乱反射を生じさせ、光拡散粒子を分散させた場合と同等以上の光拡散機能を発現させることができる。そのため、拡散板7の膜厚をより薄くすることが可能となる。
このような拡散板7として、白色PETや白色PPなどを挙げることができる。白色PETは、PETと相溶性のない樹脂や酸化チタン(TiO2)、硫酸化バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウムのようなフィラーをPETに分散させた後、このPETを2軸延伸法で延伸することにより、フィラーの周りに気泡を発生させて形成する。
なお、熱可塑性樹脂からなる拡散板7は、少なくとも1軸方向に延伸されていればよい。少なくとも1軸方向に延伸させれば、フィラーの周りに気泡を発生させることができるためである。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スポログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、およびこれらを成分とする共重合体、またこれら樹脂の混合物などを用いることができ、特に制限されることはない。
光拡散領域として気泡を用いた場合には、拡散板7の厚さが25〜500μmであることが好ましい。拡散板7の厚さが25μm未満の場合にはシートのこしが不足し、製造工程やディスプレイ内でしわを発生しやすくなるので好ましくない。また、拡散板7の厚さが500μmを超える場合には光学性能についてはとくに問題ないが、剛性が増すためロール状に加工しにくい、スリットが容易にできないなど、従来の拡散板と比較して得られる薄さの利点が少なくなるので好ましくない。
レンズシート8の厚みに関しては光学特性への影響よりはむしろ製造プロセス或は要求されるレンズシート8の物理特性等により決められる。例えば、UV成形によりレンズシート8の表裏面である出射面10bと入射面10aに第1レンズアレイ11A及び第2レンズアレイ12Aと突起部23とをそれぞれ形成した場合、その支持基材フィルムである基材10の厚さTは、50um以下であるとシワが出てしまうので、50μm<Tである必要がある。さらにこのレンズシート8を含むバックライト・ユニット2やディスプレイ装置1のサイズによりその基材10の厚みは変化する。例えば対角37インチサイズ以上のディスプレイ装置1では基材10の厚さTは0.05mm〜3mmの範囲が望ましい。
また一般に、画像表示素子3等のディスプレイも周期的な画素構造をもつものが多い。そのため、それぞれの周期構造同士のモアレ、3つ以上の周期構造で発生する2次モアレなどの高次のモアレが生じて見た目を損なう欠点が生じる。そこでレンズシート8のレンチキュラー方向を、画像表示素子3の周期構造の方向から30度以下の範囲でずれていてもよい。これにより、画像表示素子3の周期的な画素構造の横または縦方向の構造との間で生じるモアレを防止することができる。
上述のモアレを防ぐ手段として、透明な基材10上に配列された第2レンズアレイ12Aをランダム配置とすることで対処可能である。ランダム配置の方法として、マイクロレンズ12の高さH2とピッチP2を変えてランダムとする方法、マイクロレンズ12の高さH2を変えずにピッチP2のみをランダムとする方法、そしてマイクロレンズ12の配列方法をランダムとする方法があるが、外観上におけるムラの観点からマイクロレンズ12の配列をランダムに配置する方法が望ましい。また、第1レンズアレイ11Aを蛇行させることによっても上述のモアレを防ぐことが可能である。
上述のような第1レンズアレイ11A、第2レンズアレイ12A、そして突起部23は、透光性の基材10上にUV樹脂や放射線硬化樹脂を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。このようにして作製されたレンズシート8に突起部23を設けた場合、突起部23の表面には、例えば白色顔料からなる光反射層を付与してもよい。ここで白色顔料としては、酸化チタンや酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられ、印刷法などによって突起部23に形成する。
なお、本発明の実施形態によるディスプレイ装置1に、上述した構成に加えて、拡散フィルム、プリズムシート、偏光分離反射シートなどを配置してもよい。そうすることにより、画像品位をより向上させることができる。
ここまで、本発明の実施形態や変形例によるレンズシート8、22を含む光学シート、これらの光学シートを光源6及び反射板5と共に装着したバックライト・ユニット2、これら光学シートを例えば画像表示素子3と共に装着した液晶表示装置としてのディスプレイ装置1について説明してきた。しかし、本発明は上述した光学シートやディスプレイ装置1に限らず、それ以外に背面投射型スクリーン、太陽電池、有機または無機ELを用いた表示装置や照明装置などにも採用できる。本発明による光学シートは光路制御を行うものであれば、任意のバックライト・ユニットやディスプレイ装置に使用することができる。
次に、本発明の実施例によるディスプレイ装置1について詳細に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1によるレンズシート8は、ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを250umとして押出成形法により一体に作製した。レンズシート8における第1レンズアレイ11Aは、頂角θ1を90度、レンズピッチP1を20μmとした三角プリズム形状で柱状に延びるプリズムレンズ11を第1レンズとして同一方向に複数配列して形成した。第2レンズアレイ12Aは、各第2レンズとして略半球形状のマイクロレンズ12を用い、その直径P2を100μm、高さH2を60μm、アスペクト比H2/P2を0.6とし、レンズシート8を占有するプリズムレンズ12の面積率Sを20%とした。また、レンズシート8におけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3を90度とした。
(実施例2)
実施例2によるレンズシート8は、ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを250umとして押出成形法により作製した。レンズシート10における第1レンズアレイ11Aは、頂角θ1を90度、レンズピッチP1を20μmとした三角プリズム形状のプリズムレンズ11を第1レンズとして用いた。第2レンズアレイ12Aは、マイクロレンズ12の直径P2を100μm、高さH2を40μm、アスペクト比H2/P2を0.4、レンズシート8における出射面10bを占有するマイクロレンズ12の面積率Sを20%としたマイクロレンズ12を第2レンズとして用いた。また、レンズシート8におけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3を90度とした。
(実施例3)
実施例3によるレンズシート8は、ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを200umとして押出成形法により作製した。レンズシート8における第1レンズアレイ11Aは、頂角θ1を90度、レンズピッチP1を14μmとした三角プリズムのプリズムレンズ11を第1レンズとして用いた。第2レンズアレイ12Aは、マイクロレンズ12の直径P2を100μm、高さを60μm、アスペクト比H2/P2を0.6、レンズシート8の出射面10bを占有するマイクロレンズ12の面積率Sを20%としたマイクロレンズ12を第2レンズとして用いた。また、レンズシート8におけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3は90度とした。
(実施例4)
実施例4によるレンズシート8は、ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを200umとして押出成形法により作製した。レンズシート8における第1レンズアレイ11Aは、頂角θ1を90度、レンズピッチP1を20μmとした三角プリズム形状のプリズムレンズ11を第1レンズとして用いた。第2レンズアレイ12Aは、マイクロレンズ12の直径P2を100μm、高さを60μm、アスペクト比H2/P2を0.6、レンズシート8の出射面10bを占有するマイクロレンズ12の面積率Sを80%としたマイクロレンズ12を第2レンズとして用いた。また、レンズシート8におけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3は90度とした。
(実施例5)
レンズシート8は、ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを250umとして押出成形法により作製した。レンズシート8における第1レンズアレイ11Aは、頂角θ1を80度、レンズピッチP1を20μmとした三角プリズムのプリズムレンズ11を第1レンズとして用いた。第2レンズアレイ12Aは、マイクロレンズ12の直径P2を100μm、高さH2を60μm、アスペクト比H2/P2を0.6、レンズシート8を占有するマイクロレンズ12の面積率Sを20%としたマイクロレンズ12を第2レンズとして用いた。また、レンズシート8におけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3を90度とした。
(比較例1)
ポリカーボネイトを用いて基材10の厚みを250umとして、基材1の出射面10bに頂角が90度、レンズピッチ100μmの三角プリズム形状のプリズムレンズ11を同一方向に配列してなるレンズシートを三角プリズムシートとして押出成形法により作製した。また、この三角プリズムシートにおけるプリズムレンズ11のレンズ軸A1と偏光板14の透過軸A2とのなす角θ3は0度とした。
上述のように作製した実施例1〜5のレンズシート8と、比較例1の三角プリズムシートとを図1に示すバックライト・ユニット2にそれぞれ配置して各バックライト・ユニット2を作製し、その配向分布測定を行った。
各バックライト・ユニット2は、上述した実施形態に示すように、反射板5の観察者側Fに複数のCCFLからなる光源6が配置され、その観察者側Fに拡散板7を配設し、更に実施例1〜4のレンズシート8と比較例1の三角レンズシートのいずれかを順次配設して構成した。
そして、実施例1〜5による各レンズシート8と比較例1による三角レンズシートを用いた場合の配光分布測定の結果は表1の通りである。
Figure 2011102848
表1に示す結果から、実施例1〜実施例5はモアレとサイドローブは目視で観察されなかったが、比較例1ではモアレとサイドローブが観察された。比較例1における輝度を1として測定した角実施例の相対輝度は、実施例5は0.96と比較的劣るものの他の実施例1〜4はいずれも比較例1より高い相対輝度を示した。また、三角プリズムを配列して構成した比較例1はHo半値角は最も大きいが、Ve半値角が最も小さかった。これに対して実施例1〜実施例5ではVe半値角、Ho半値角ともバランスのとれた大きさが得られた。
1 レンズシート
2 バックライト・ユニット
3 画像表示素子
5 反射板
6 光源
8 レンズシート
10 基材
10a 入射面
10b 出射面
11 プリズムレンズ
11A 第1レンズアレイ
12 マイクロレンズ
12A 第2レンズアレイ
14、15 偏光板
16 液晶パネル
23 突起部

Claims (15)

  1. シート状の基材と、
    前記基材の一方の面に一方向に沿って延在する集光機能の高い複数の第1レンズが互いに平行に配列されてなる第1レンズアレイと、
    前記第1レンズより高さが高く偏光依存性が小さい複数の第2レンズが配設されてなる第2レンズアレイとを備えており、
    前記第1レンズと前記第2レンズは互いに射出光成分が異なることを特徴とする光学シート。
  2. 前記第1レンズの断面形状が、三角形プリズム形状であることを特徴とする請求項1に記載された光学シート。
  3. 前記第1レンズの三角プリズムの頂角が70度〜110度の範囲で設定されていることを特徴とする請求項2に記載された光学シート。
  4. 前記第2レンズは略球面形状をなすマイクロレンズであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された光学シート。
  5. 前記第2レンズは、その直径に対する高さのアスペクト比が30%〜100%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4に記載された光学シート。
  6. 前記基材の一方の面における前記第2レンズの占有率が、平面視で10%〜80%の範囲で設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された光学シート。
  7. 前記第1レンズのピッチをP1とし、前記第2レンズのピッチをP2として、
    1<P2/P1<7
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された光学シート。
  8. 前記第1レンズのレンズ高さをH1とし、前記第2レンズのレンズ高さをH2として、
    0.1<H1/H2<1
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された光学シート。
  9. 前記基材の一方の面に対向する他方の面に、略平坦な平面部と、該平面部から突出する複数の突起部とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された光学シート。
  10. 前記突起部は、前記基材の厚み方向と平行する方向に延在する中心軸を有する略円柱状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載された光学シート。
  11. 光源と、
    請求項1乃至10のいずれかに記載された前記光学シートと、
    が配置されたことを特徴とするバックライト・ユニット。
  12. 光源と、
    前記光源からの射出光を透過すると共に該射出光の入射側に偏光子を配設させた画像表示素子と、
    前記光源と偏光子の間に設けられている請求項1乃至10のいずれかに記載された前記光学シートと、
    が配置されたことを特徴とするディスプレイ装置。
  13. 前記第1レンズの延在方向と、
    前記偏光子の透過軸とのなす角θ3が、
    60deg≦θ3≦90deg
    であることを特徴とする請求項12に記載されたディスプレイ装置。
  14. 前記光学シートと前記光源の間に、光を拡散させる光拡散板が設けられたことを特徴とする請求項12または13に記載されたディスプレイ装置。
  15. 前記光学シートと前記光源の間に、光を導光する導光板が設けられたことを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載されたディスプレイ装置。
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